JP2006167979A - 印刷用刷版、印刷用刷版の再利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷用刷版の再利用を容易にするとともにリサイクルが容易な印刷用刷版、及びこの印刷用刷版の再利用方法を提供する。
【解決手段】印刷用刷版12は、銅製のパイプ部材18aからなる本体部18を備え、この本体部18の外周面が印刷面20となるように形成されている。また、本体部18と印刷面20とは同一材料(銅)にて一体とされ、印刷面20には画線部21と非画線部22が設けられている。画線部21には、印刷用紙14に印刷したい文字や図柄に対応した形状の凹部23が形成されている。そして、新たに印刷したい場合には、本体部18の印刷面20を研削して、印刷面20に形成されていた凹部23を消失させる。その後、印刷面20には、エッチングにて新たな形状の凹部23を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷用刷版12は、銅製のパイプ部材18aからなる本体部18を備え、この本体部18の外周面が印刷面20となるように形成されている。また、本体部18と印刷面20とは同一材料(銅)にて一体とされ、印刷面20には画線部21と非画線部22が設けられている。画線部21には、印刷用紙14に印刷したい文字や図柄に対応した形状の凹部23が形成されている。そして、新たに印刷したい場合には、本体部18の印刷面20を研削して、印刷面20に形成されていた凹部23を消失させる。その後、印刷面20には、エッチングにて新たな形状の凹部23を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、凹版印刷に用いられる再利用が可能な印刷用刷版、及び印刷用刷版の再利用方法に関する。
従来、凹版印刷(例えば、グラビア印刷)を行う印刷装置には、例えば特許文献1に記載されるような印刷用刷版(印刷ロール)が設けられている。図6に示すように、この印刷用刷版(以下、「刷版」と略記する。)50は、全体が略円筒状の形状の鉄芯51を備えており、軸方向の両端部には印刷装置(図示略)に装着するための装着部(図示略)が形成されている。この鉄芯51の外周面全体には一定の平坦度を保つように所定の均一な厚みとなるように銅めっき52が施されており、この銅めっき52の外周面である印刷面53には印刷対象に印刷インク(以下「インク」と略記する。)を転写する画線部54aとインクを転写しない非画線部54bとが設けられる。また、印刷面53の画線部54aには、インクを貯留する為の凹部55がエッチング(腐食)などによって形成される。この凹部55は、印刷媒体(例えばセロファン紙)に印刷したい文字や図柄やインク濃度に対応するように異なる深さや面積で形成されている。そして、印刷時において、凹部55内にインクを充填し、このインクが印刷用紙に転写する。そのため、印刷用紙に、凹部55の形状や深さに基づき、文字や図柄が所望の濃度で印刷されるようになっている。
ところで、この刷版50は、一般に何度も繰返し使用されるものであり、一度印刷に使用したときは、次の異なる印刷をする前に新たな印刷面53を作成する作業が必要となる。たとえば、特許文献1に記載の刷版50を用いて新たに印刷を行う場合には、図7に示す各種工程を経て刷版50が再利用される。まず始めに、図7に示すように、刷版50の表面(印刷面53)に形成された印刷済みの不要となった凹部55を消失させるために、刷版50の鉄芯51の表面全体に形成された銅めっき52を研削盤などによって研削して除去する第1研削工程が実行される(ステップ(以下「S」と略記する。)50)。続いて、古い銅めっき52が除去された鉄芯51の表面に新たな銅めっき52を施すめっき工程が実行される(S51)。この際に、銅めっき52の外周面は、めっき斑等に基づく細かい凹凸が形成され、一定の平坦度に形成されていない。そのため、S51の次工程として、この銅めっき52の外周面が一定の平坦度になるように整える第2研削工程が実行される(S52)。そして次に、印刷したい文字や図柄に対応する形状の凹部55を銅めっき52の外周面である印刷面53の画線部54aに形成する凹部形成工程が実行される(S53)。その後、刷版50は印刷装置に取り付けられる。
特開2003−237249号公報(請求項1、段落番号[0006],[0007]、図1)
しかしながら、従来の刷版50においても繰返し再利用ができるのであるが、上記のように新たな画線部54aを形成するためには、刷版50を作成する毎に鉄芯51の表面に銅めっき52を施す必要がある。また、このためには、まず古い銅めっき52を一旦除去して、さらに新たな銅めっき52を施した上で、さらに再度研削して平坦度を確保するため、煩雑な手順となり、時間やコストがかかってしまうという問題があった。
問題はそればかりでなく、S51に示すように、鉄芯51に銅めっき52を施す際に廃水が生じることになる。この廃水は、毒物、劇物などを含み、そのままの状態で破棄することができないため、その排水処理にコストがかかってしまうという問題もあった。
また、繰返しの利用で鉄芯51も銅めっきの除去のための研削により表面が削り取られていくため、鉄芯51にも繰返し利用する限界がある。繰返しの限界となった刷版50を鉄材若しくは銅材としてリサイクルしようとしても、異種の金属が含まれた廃材はリサイクルが困難であり、銅めっき52を除去しなければリサイクルすることができなかった。しかしながら銅めっきを削除することはきわめて煩雑な手順で、コストがかかりすぎてリサイクルが困難になり、そのまま資源として再利用せずに埋め立てなどの廃棄処分とされていたという問題もあった。
本発明では、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷用刷版の再利用を容易にするとともにリサイクルが容易な印刷用刷版、及び印刷用刷版の再利用方法を提供することにある。
上記目的を達成させるために、請求項1に記載の発明は、円筒形状の本体部と、当該本体部の外周面に設けられ、印刷媒体に転写するための印刷インクを貯留する凹部が形成される印刷面とを備え、凹版印刷用の印刷装置に装着される印刷用刷版であって、前記本体部と前記印刷面とを同一材料で一体に形成したことを要旨としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷用刷版において、前記本体部は、金属材料から形成されていることを要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷用刷版において、前記本体部は、銅から形成されていることを要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷用刷版において、前記本体部は、銅から形成されていることを要旨としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版において、前記本体部は円筒形状のパイプ部材から構成され、前記本体部内には装着部材が嵌入され、前記本体部は該装着部材を介して印刷装置に装着されることを要旨としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版の再利用方法であって、印刷が終了した印刷用刷版の前記印刷面に形成された凹部が消失するように前記印刷面を研削し、前記印刷用刷版に新たな円筒面を形成する研削工程と、該研削工程の次工程として前記印刷面に新たな凹部を形成する凹部形成工程とを備えたことを要旨としている。
本発明の印刷用刷版及び印刷用刷版の再利用方法によれば、印刷用刷版の再利用を容易にするとともにリサイクルを容易にすることができるという効果がある。
以下、本発明を具体化した印刷用刷版及び印刷用刷版の再利用方法の一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1は、本実施形態における印刷装置を模式的に示す概略断面図である。ここに示すように、本実施形態の印刷装置10は、凹版印刷(例えばグラビア印刷)に用いられるものであって、インクIが貯留されるインク壷11と、略円筒形状の印刷用刷版(以下、「刷版」と略記する。)12と、略円筒形状の圧胴13とを備えている。刷版12は、インク壷11の上方に配置されており、印刷媒体である印刷用紙(例えばセロファン紙等のシート状の媒体)14に印刷する際に、刷版用シャフト15を中心に所定方向(図1に示す実線の矢印方向)に回転するようになっている。ちなみに、刷版12の外周面側の一部(図1では下側)は、インク壷11内のインクIに触れるようになっている。また、印刷装置10には、印刷時において、後述する刷版12の印刷面20に付着したインクIのうち過剰なインクIを拭い取るためのドクタープレート16が設けられている。
図1は、本実施形態における印刷装置を模式的に示す概略断面図である。ここに示すように、本実施形態の印刷装置10は、凹版印刷(例えばグラビア印刷)に用いられるものであって、インクIが貯留されるインク壷11と、略円筒形状の印刷用刷版(以下、「刷版」と略記する。)12と、略円筒形状の圧胴13とを備えている。刷版12は、インク壷11の上方に配置されており、印刷媒体である印刷用紙(例えばセロファン紙等のシート状の媒体)14に印刷する際に、刷版用シャフト15を中心に所定方向(図1に示す実線の矢印方向)に回転するようになっている。ちなみに、刷版12の外周面側の一部(図1では下側)は、インク壷11内のインクIに触れるようになっている。また、印刷装置10には、印刷時において、後述する刷版12の印刷面20に付着したインクIのうち過剰なインクIを拭い取るためのドクタープレート16が設けられている。
また、圧胴13は、刷版12の上方に配置されており、印刷用紙(例えばセロファン紙)14に印刷する際に、圧胴用シャフト17を中心に所定方向(図1に示す破線の矢印方向)に回転するようになっている。この際に、圧胴13は、印刷用紙14の被印刷面14aに所定の文字や図柄を転写させるために、刷版12と共に印刷用紙14を挟圧するようになっている。
次に、本実施形態の刷版12について図2に基づき以下説明する。
図2に示すように、本実施形態の刷版12は略円筒形状の本体部18を備えており、この本体部18は金属製のパイプ部材(本実施形態では銅製のパイプ部材)18aから構成されている。なお、本実施形態で使用されるパイプ部材18aは、銅の含有量が全体の99%以上のほぼ純銅の配管用の汎用パイプである。このパイプ部材18aは市販されているものであり、本体部18は、パイプ部材18aを印刷装置10の大きさや印刷用紙14の大きさなどに対応する軸方向の長さに切断することにより、極めて容易に形成される。また、この本体部18内の軸方向における両端部には、従来の刷版のフランジと同様の構成のフランジ(装着部材)19が嵌合状態で配設されており、本体部18はこのフランジ19を介して従来と同様に印刷装置10に装着される。
図2に示すように、本実施形態の刷版12は略円筒形状の本体部18を備えており、この本体部18は金属製のパイプ部材(本実施形態では銅製のパイプ部材)18aから構成されている。なお、本実施形態で使用されるパイプ部材18aは、銅の含有量が全体の99%以上のほぼ純銅の配管用の汎用パイプである。このパイプ部材18aは市販されているものであり、本体部18は、パイプ部材18aを印刷装置10の大きさや印刷用紙14の大きさなどに対応する軸方向の長さに切断することにより、極めて容易に形成される。また、この本体部18内の軸方向における両端部には、従来の刷版のフランジと同様の構成のフランジ(装着部材)19が嵌合状態で配設されており、本体部18はこのフランジ19を介して従来と同様に印刷装置10に装着される。
本体部18の外周面には印刷面20が設けられており、この印刷面20と本体部18とは同一材料(銅)で一体形成されている。すなわち、本実施形態では、本体部18の外周面が印刷面20とされている。この印刷面20には、印刷時にインクIが付着する部位である画線部21とインクIが付着しない部位である非画線部22とが設けられている。画線部21には、印刷用紙14に印刷したい文字や図柄に対応した形状のセルと呼ばれる凹部23が無数に形成されている。すなわち、本実施形態では、各凹部23が画線部21とされている。したがって、印刷用紙に「あ」の文字を印刷するためには、印刷面20に形成される画線部21は、「あ」と左右逆のいわゆる鏡文字で形成されることになり、この部分に微小な凹部23が無数に形成される。
本実施形態において、各凹部23はエッチング(腐食)でもって形成されている。この凹部23は、例えば3.5μm 程度の深さに形成される。この凹部23を深く形成すれば、ここに貯留されるインクIの量が多くなり、印刷用紙14に転写されるインクIの量も多くなり印刷濃度が濃くなる。逆に、この凹部23を浅く形成すれば、貯留されるインクIの量が少なくなり、印刷用紙14に転写されるインクIの量も少なくなり印刷濃度が薄くなる。
ここで、一般に印刷を行う場合には、1台の印刷装置に対して複数の刷版12を使用するのが効率的である。本実施形態の本体部18は、市販されているパイプ部材18aを所定の長さに切断することにより形成される。そのため、各本体部18の印刷面20に凹部23をそれぞれ形成する場合には、切断される前のパイプ部材18aの外周面に各本体部18の凹部23をまとめて形成した後に、このパイプ部材18aを切断することもできる。そして、複数の本体部18が形成される。したがって、一本のパイプ部材18aから複数の本体部18を作成する場合、すべての本体部18の印刷面20に凹部23を形成する工程を一回で完了させることが可能である。
図3(a)(b)は、本実施形態における刷版12の印刷面20を研削する様子を模式的に示す概略断面図である。図3(a)に示すように、非エッチング部位である非画線部22の外周面と本体部18の軸線(図示略)との距離寸法は外径寸法D1とされ、エッチング部位である画線部21の外周面と本体部18の軸線との距離寸法は外径寸法D2(<D1)とされている。また、画線部21に形成された各凹部23は、その径方向への深さが深さ寸法d(=D1−D2)となるように形成されている。なお、図1〜図3に示す各凹部23は、説明理解の便宜上、その深さ寸法dを誇張して記載されている。
このように構成された刷版12は、各フランジ19を介して印刷装置10に装着され印刷用紙14への印刷を行う。刷版12の回転に応じて印刷面20がインク壷11内のインクIに浸されることにより、印刷面20における画線部21の各凹部23内にはインクIが充填されるようになっている。この際に、印刷面20の非画線部22にもインクIが付着されるが、この非画線部22に付着したインクIは、ドクタープレート16によって拭い取られるようになっている。そのため、非画線部22には、印刷用紙14の被印刷面14aに接触する際に、インクIが付着していることはない。また、各凹部23充填されたインクIもこのドクタープレート16により、印刷面20の位置まで余剰なインクIが拭い取られ、インクIが所定量に調整される。
次に、本実施形態の刷版12の再利用方法について図3及び図4に基づき以下説明する。
刷版12は、一般に何度も繰返し使用されるものであり、一度印刷に使用した場合には、次の異なる印刷をする前に本体部18の外周面に新たな印刷面20を作成する必要がある。そのため、刷版12を再利用する際には、まず始めに、図4に示すように、本体部18の外周面(古い印刷面20)に形成された印刷済みの各凹部23(不要となった各凹部23)を消失させるために、本体部18の外周面全体を研削装置24(図3(a)参照)によって研削する研削工程が実行される(S10)。研削装置24には、例えば、芯無し研削盤、円筒研削盤のような研削盤が用いられる。研削装置24には、砥石25が設けられており、この砥石25は、印刷面20を研削する場合には、印刷面20に当接するようになっている。そして、この状態で刷版12(本体部18)が軸線を中心に回転することにより、砥石25が印刷面20を研削する。すると、図3(b)に示すように、前回使用された刷版12にて非画線部22として機能した部位の外周面側が研削されて、新たな円筒面18bを有し、且つ外径寸法D2となる正確な筒状体の本体部18が新たに形成される。研削盤によれば、研削後の平坦面の精度を容易に極めて高いものにすることができる。したがって、本体部18は、そのまま印刷に要求される平坦度を確保できる。
刷版12は、一般に何度も繰返し使用されるものであり、一度印刷に使用した場合には、次の異なる印刷をする前に本体部18の外周面に新たな印刷面20を作成する必要がある。そのため、刷版12を再利用する際には、まず始めに、図4に示すように、本体部18の外周面(古い印刷面20)に形成された印刷済みの各凹部23(不要となった各凹部23)を消失させるために、本体部18の外周面全体を研削装置24(図3(a)参照)によって研削する研削工程が実行される(S10)。研削装置24には、例えば、芯無し研削盤、円筒研削盤のような研削盤が用いられる。研削装置24には、砥石25が設けられており、この砥石25は、印刷面20を研削する場合には、印刷面20に当接するようになっている。そして、この状態で刷版12(本体部18)が軸線を中心に回転することにより、砥石25が印刷面20を研削する。すると、図3(b)に示すように、前回使用された刷版12にて非画線部22として機能した部位の外周面側が研削されて、新たな円筒面18bを有し、且つ外径寸法D2となる正確な筒状体の本体部18が新たに形成される。研削盤によれば、研削後の平坦面の精度を容易に極めて高いものにすることができる。したがって、本体部18は、そのまま印刷に要求される平坦度を確保できる。
そして次に、新たに形成された本体部18の外周面(新たな印刷面20)の画線部21に凹部23をエッチングにて形成する凹部形成工程が実行される(S11)。すなわち、このS11において本体部18の外周面は、印刷用紙14に印刷したい文字や図柄に対応する画線部21に凹部23が形成された新たな印刷面20となる。そして、新たな印刷面20が形成された刷版12は、各フランジ19が両端部に装着され、このフランジ19を介して印刷装置10に取り付けられる。その後、印刷装置10の刷版12及び圧胴13が共に回転することにより、印刷用紙14の被印刷面14aには、所望の文字や図柄が印刷される(図1参照)。
従って、本実施形態では、上記のように構成されるため、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、めっき処理なしで刷版12の再利用ができるので、再利用に際して従来のように、古い銅めっきを一旦除去して、さらに新たな銅めっきを施す工程が不要になり、刷版12の再利用の処理を著しく容易にすることができるという効果がある。
(1)本実施形態では、めっき処理なしで刷版12の再利用ができるので、再利用に際して従来のように、古い銅めっきを一旦除去して、さらに新たな銅めっきを施す工程が不要になり、刷版12の再利用の処理を著しく容易にすることができるという効果がある。
(2)さらに、銅めっきの工程が不要となったことから、従来のように銅めっきを施した際に生じる廃水が生じることもない。したがって、排水に含まれる汚染物質を処理する必要がなく、この点でも作業の負担を著しく小さくできるため、刷版12の再利用の処理を著しく容易にすることができるという効果がある。
(3)その上、従来、第1研削工程S50と、第2研削工程S52と2回行われていた研削工程も、本実施形態においては、研削工程S10の1回だけである。この点においても、工程が減少しており、刷版12の再利用の処理を著しく容易にすることができるという効果がある。
(4)また、繰返しの研削で再利用ができなくなり、不要となった刷版12を処分したりリサイクルしたりする場合に、本体部18と印刷面20は同一材料(銅)で一体形成されているため、そのままの状態でリサイクルすることができる。すなわち、従来のように、銅めっきを除去してから本体部をリサイクルする場合に比して、銅めっきを除去する際にかかる作業とコストを削減することができる。
(5)リサイクルに際して、鉄に比べ産出量の少ない銅を有効に利用できる。
(6)本体部18は、市販されているパイプ部材18aを使用し、これを所望の長さに切断し、予め準備したパイプ部材18aの内径形状に対応する形状のフランジ19をパイプ部材18aの両端に装着するだけで刷版12として印刷装置10に装着することができる。そのため、特別にフランジを備えた本体部18を製造する必要がないため、コストの低減に貢献できる。また、パイプ部材18aは長さを変更することも容易で、1組のフランジ19があれば、サイズの異なる刷版として使用できる。従って、刷版自体の製造も極めて容易にできるという効果がある。
(6)本体部18は、市販されているパイプ部材18aを使用し、これを所望の長さに切断し、予め準備したパイプ部材18aの内径形状に対応する形状のフランジ19をパイプ部材18aの両端に装着するだけで刷版12として印刷装置10に装着することができる。そのため、特別にフランジを備えた本体部18を製造する必要がないため、コストの低減に貢献できる。また、パイプ部材18aは長さを変更することも容易で、1組のフランジ19があれば、サイズの異なる刷版として使用できる。従って、刷版自体の製造も極めて容易にできるという効果がある。
(7)従来、複数の刷版をまとめて作成する場合には、銅めっきが施された鉄心毎に凹部形成工程をそれぞれ実行する必要があり、まとめて刷版を作製することができず、すべての刷版を作成するのに多大な時間がかかっていた。しかし、本実施形態のように市販されているパイプ部材18aを切断して複数の刷版12を作成する場合には、切断前のパイプ部材18aの外周面上に、各刷版12における本体部18に対応する各凹部23を一回の凹部形成工程S11で形成した後に、パイプ部材18aを切断することにより、各本体部18がそれぞれ形成される。したがって、従来の刷版の場合に比して、複数の刷版12を効率良く作成することができる。
(8)印刷装置10は、従来のような刷版の変わりに本実施形態の刷版12を備えても、刷版12以外の部分を何ら変更することなく、印刷用紙14への印刷を行うことができる。そのため、余分な改良や投資なしで、従来の印刷装置10をそのまま生かすことができるという効果がある。
(9)本実施形態では、印刷面20の画線部21に形成される各凹部23は、エッチングでもって形成されている。本実施形態の刷版12(本体部18)は、従来の刷版の材料である鉄よりも柔らかい金属である銅製のパイプ部材18aから構成されている。そのため、再利用のため、図4に示す2つの工程(S10,S11)を繰返し実行されると、パイプ部材18aの厚みが薄くなる。彫刻にて凹部23を形成しようとした場合には、その部分に力学的な負荷がかかるためパイプ部材18a(本体部18)が部分的に予期しない形状に変形してしまう可能性がある。しかし、エッチングの場合は、パイプ部材18a(本体部18)にかかる負荷が小さいため、パイプ部材18aの厚みが薄くなってもこのような変形は生じにくい。そのため、刷版12の再利用の回数を増加することができる。
なお、レーザによる凹部23の形成によっても本発明は実施できるが、コスト面や習熟の点では現在のところエッチングが有利である。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・実施形態において、刷版12は、図5に示すように、本体部18の外周面全体にクロムめっき30が施されたものであってもよい。このように、クロムめっき30を施すことによって印刷面20の表面硬度が増し、印刷面20の耐摩耗性が向上することになる。そのため、大量印刷の要求があった場合には、本体部18(パイプ部材18a)にクロムめっき30を施すことにより対応することができる。このように、本体部18にクロムめっき30を施す場合には、図4に示す工程において、凹部形成工程S11の次工程としてめっき工程を設ける必要がある。
また、クロムめっき30の代わりに耐摩耗性を有する任意材料(例えばニッケル)によるめっきであっても同様の効果を得ることができる。
・実施形態において、印刷面20における画線部21に形成する凹部23は、彫刻によって形成してもよいし、レーザ加工によって形成してもよい。
・実施形態において、印刷面20における画線部21に形成する凹部23は、彫刻によって形成してもよいし、レーザ加工によって形成してもよい。
・実施形態において、パイプ部材18aは、比較的柔らかい銅の含有量が99%のもので凹部23の形成が容易なものであるが、銅の含有量が任意の含有量(例えば60%)の銅合金であってもよい。この場合、パイプ部材18aには、硬度を向上させるために亜鉛やクロムなどが含有されるため、凹部23の形成はややしにくくなる反面、印刷面20の耐摩耗性は向上する。従って、印刷の要求量に応じて任意に選択することができる。
・実施形態において、パイプ部材18aは、銅若しくは銅合金製ではなく、他の任意の金属(例えばアルミニウム)からなるパイプ部材であってもよい。この場合も凹部23の形成の容易さと、印刷面20の耐摩耗性とのバランスによる。また、インクIとのなじみやインクIによる耐食性、コストも考慮される。
・同様に、パイプ部材18aは、金属製でなくても、印刷用紙14に印刷する際にかかる圧力に十分に耐え得る強度を有する素材であれば、任意の素材のパイプ部材であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記凹部は、エッチングでもって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版。
(イ)前記凹部は、エッチングでもって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版。
(ロ)前記印刷面には、クロムめっきが施されていることを特徴とする請求項1〜請求項4、及び技術的思想(イ)のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版。
(ハ)前記凹部形成工程の次工程として前記印刷面にクロムめっきを施すめっき工程をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の印刷用刷版の再利用方法。
(ハ)前記凹部形成工程の次工程として前記印刷面にクロムめっきを施すめっき工程をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の印刷用刷版の再利用方法。
10…印刷装置、12…印刷用刷版(刷版)、18…本体部、18a…パイプ部材、18b…円筒面、19…フランジ(装着部材)、20…印刷面、23…凹部、30…クロムめっき、S10…研削工程、S11…凹部形成工程。
Claims (5)
- 円筒形状の本体部と、
当該本体部の外周面に設けられ、印刷媒体に転写するための印刷インクを貯留する凹部が形成される印刷面とを備え、凹版印刷用の印刷装置に装着される印刷用刷版であって、
前記本体部と前記印刷面とを同一材料で一体に形成したことを特徴とする印刷用刷版。 - 前記本体部は、金属材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷用刷版。
- 前記本体部は、銅から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の印刷用刷版。
- 前記本体部は円筒形状のパイプ部材から構成され、前記本体部内には装着部材が嵌入され、前記本体部は該装着部材を介して印刷装置に装着されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版。
- 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の印刷用刷版の再利用方法であって、
印刷が終了した印刷用刷版の前記印刷面に形成された凹部が消失するように前記印刷面を研削し、前記印刷用刷版に新たな円筒面を形成する研削工程と、
該研削工程の次工程として前記印刷面に新たな凹部を形成する凹部形成工程とを備えたことを特徴とする印刷用刷版の再利用方法。
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JP2004360041A JP2006167979A (ja) | 2004-12-13 | 2004-12-13 | 印刷用刷版、印刷用刷版の再利用方法 |
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