JP7426067B2 - インク供給ロールの洗浄方法とそれに使用するクリーニングシート - Google Patents
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Description
そこで、本願の発明の課題は、分解せずにインク供給ロールを洗浄するインク供給ロールの洗浄方法とそれに使用するクリーニングシートを提供することである。
(実施の形態1)
まず、フレキソ印刷の技術を説明する。
図1(a)は、実施の形態1のダンボール印刷用フレキソ版ユニット200の断面図である。図1(b)は、ダンボール印刷用フレキソ版ユニット200の平面図である。
ダンボール印刷用フレキソ版100は、その表面に凸部(図では省略)を有する。その凸部は、文字や模様を印刷するためのパターンである凸部である。この凸部の先端にインクを付け、対象物へそのインクを転写することで印刷がされる。
ダンボール印刷用フレキソ版100は、基材12の一方面に接着されている。もう一方の面には、固定部11が接着されている。
ロール19、インク供給ロール16が隣接し回転し、ステージ17が移動する。結果、インクは、フレキソ版100に一旦付着し、その後、対象物18(ダンボール)に付着される。
図2は、1色の印刷装置52の場合を示した。図3は、フィルム・紙等の複数の色のインクを用いる場合の印刷装置51の断面図である。
各ロールが回転しながらインクを対象物18へ転写することで印刷がされる。
ロール20があり、その周辺に、図2で示した複数のユニット22がある。
ユニット22は、ロール20にパターン化されたインクを供給する。ユニット22は、ロール19とインク供給ロール16とインクタンク21とである。
対象物18(フィルム・紙等)は、リワインダー(ロール)より供給され、ワインダー(ロール)により巻き取られる。
インクを供給するインクタンク21は、液状のインクを保持し、インク供給ロール16の表面にパターンなしでベタ状にインクを供給する。ダイノズルと同様である。
インク供給ロール16は、インクタンク21からインクを受け取る。インクは、パターン化されていない。
そのパターン化されたインクは、ロール20上の対象物18に転写される。
それぞれのユニット22は、例えば、黄、赤、青、黒色インクを供給するものである。
4色でカラーの印刷をできる。インクタンク21は、それぞれの色のインクである。
そのため、インク供給ロール16の洗浄は、インク供給ロール16を装置から外さずにできるのが好ましい。
インク供給ロール16は、長時間使用すると、インクが固まって、その表面に付着する。この固まりで、フレキソ版100へインクの供給が不均質になる。そのため、定期的に、又は、印刷の不良発生により、インク供給ロール16を洗浄する必要がある。
なお、各ロールは、円柱状である。
図4(a)~図4(c)とで、クリーニングシート50について説明する。
図4(a)は、フレキソ版100の周辺の拡大断面図である。
図4(b)は、クリーニングシート50の周辺の拡大断面図である。
インク供給ロール16の洗浄は、インク供給ロール16を取り外さない。ロール19から、フレキソ版100を取り外し、クリーニングシート50を、ロール19に取り付ける。ここでは、フィルム・紙等用の図3でのクリーニングを説明するが、図2のダンボール用の図2でも同様に適用される。
クリーニングシート50は、ソリッドな熱可塑性エラストマー構成物(SISやSBS)や天然ゴム、NBR(ニトリゴム),発泡ポリウレタン、天然ゴム、CR(クロロプレンゴム)、PVAなどである。
厚みは0.95mm~7.50mm程度である。
クリーニングシート50の硬さはShore硬度A20~70°が好ましい。
フレキソ版100より硬いのが好ましい。
Shore硬度A20°より小さい、または、70°より大きいと、インクを固めにくく、クリーニングが進みにくい。
さらに、クリーニングシート50のShore硬度Aは、35°以上60°以下がよい。
なお、インク供給ロール16は、Steel製である。インク供給ロール16の表面はハードクロム処理もしくはセラミック処理がされている。
図4(a)のロール19にフレキソ版100をセットした時の外径aと、図4(b)のロール19にクリーニングシート50をセットした時の外径bとは、ほぼ同じあることが好ましい。
つまり、フレキソ版100とクリーニングシート50との厚みは、ほぼ同じが好ましい。ほぼ同じ厚みとは、1方が他方の90%~110%の範囲であることであることが好ましい。
(1)印刷装置51で、フレキソ版100があれば、取り外す。フレキソ版100が取り付けられていない場合は、以下(2)へ進む。
(2)ロール19にクリーニングユニット300を取り付ける。
クリーニングユニット300は、1回だけでなく複数回使用できる。そのため、保管されていたクリーニングユニット300を使用できる。なお、印刷装置のタイプによれば、クリーニングユニット300でなく、クリーニングシート50を直接、または、間接的に、ロール19へ張り付ける。
なお、ロール19とインク供給ロール16との位置関係は、変更しない。
(3)ロール19、インク供給ロール16を回転させる。この時、インクタンク21からインクは供給せず、アルカリ性界面活性剤などを供給する。
アルカリ性にする事により洗浄性が著しく向上する。強アルカリにすれば、インキの溶解性が向上するが、劇物扱いで保管上の問題があり、さらに、作業危険性の問題もある。
そのため、弱アルカリ性界面活性剤する。ただし、クリーニングユニット300とともに、弱アルカリ性界面活性剤を用いることで、十分にクリーニングできる。
回転を1回転でなく、複数回転させる。図5(a)と図5(b)とで、クリーニングの状態を説明する。
回転速度は、フレキソ印刷時と同等又は、それ以下である。
ロール19とインク供給ロール16とは滑らずに回転させる。
ロール20は、クリーニング時に回転させてもさせなくても、クリーニングは可能である。
図5(a)は、クリーニング前の状態で、インク供給ロール16にインク塊14が付着されている。ロール19にクリーニングシート50、又は、クリーニングユニット300をセットする。その後、ロール19、インク供給ロール16を回転させる。回転数が増えるにしたがい、インク塊14が、インク供給ロール16から除外される。
クリーニングシート50は、インク塊14を吸着除去するのでなく、インク塊14を押したり、引いたりして、インク供給ロール16から除外する。そのため、クリーニングシート50は、ある程度の硬さと、低い粘着性とが必要である。
図4(b)で、クリーニングシート50を使用してインクの詰まりを除去した。
クリーニングシート50は、フレキソ版100と同じ厚み、同じ大きさのものを使用した。30分間、ロール19とインク供給ロール16を回転させた。回転速度は、フレキソ版印刷時と同じにした。
実施例1,2、比較例として表1の条件で実施した。
実施例2、比較例では、洗浄液を使用した。洗浄液は、PH値9.5~9.8の界面活性剤を使用した。クリーニングシート50、または、ロール19とインク供給ロール16間に洗浄液を塗布しなから回転させた。
クリーニングシート50の硬さは、フレキソ版100より硬い、Shore硬度A30のものを使用した。
なお、洗浄液は、弱アルカリ性の界面活性剤ならよい。
CAPATCH試験をした。CAPATCH試験は、表面の容積を測定する。オランダのSTEINHART社製キャパッチを使用した。値が大きいほどインクが除去されていることを示す。
実施例1のクリーニングシート50だけでも、インクが除去されている。さらに、実施例2のように、クリーニングシート50と洗浄液とを使用するとより洗浄された。
(なお書き)
印刷装置52でも、印刷装置51と同様に、上記クリーニング方法が使用できる。
上記の実施の形態は組み合わせすることができる。
12 基材
13 凹部
14 インク塊
16 インク供給ロール
17 ステージ
18 対象物
19 ロール
20 ロール
21 インクタンク
22 ユニット
50 クリーニングシート
51 印刷装置
52 印刷装置
100 フレキソ版
200 フレキソ版ユニット
300 クリーニングユニット
Claims (7)
- インクが転写される対象物(18)を保持するロール(20)と、
前記ロール(20)にパターン化されたインクを供給するユニット(22)と、
を有する印刷機(51)であり、
前記ユニット(22)は、
前記インクを供給するインクタンク(21)と、
前記インクタンク(21)から前記インクを受け取るインク供給ロール(16)と、
フレキソ版(100)を表面に有し前記インク供給ロール(16)から前記インクを受け取り、前記ロール(20)へ前記インクを転写するロール(19)と、である印刷機(51)において、
前記ロール(19)にクリーニングシート(50)をセットし、前記ロール(19)を回転することで、前記インク供給ロール(16)を洗浄するインク供給ロールの洗浄方法であり、
前記クリーニングシート(50)は、前記インク供給ロール(16)より、表面粗さが小さく、
前記クリーニングシート(50)は、その硬度により、前記インクを固め、
前記クリーニングシート(50)は、インク塊を吸着除去するのでなく、前記インク塊を押したり、引いたりして、インク供給ロール(16)から除外するインク供給ロールの洗浄方法。 - インクが転写される対象物(18)を保持するステージ(17)と、
前記インクを供給するインクタンク(21)と、
前記インクタンク(21)から前記インクを受け取るインク供給ロール(16)と、
フレキソ版(100)を表面に有し前記インク供給ロール(16)から前記インクを受け取り、前記ステージ(17)へ前記インクを転写するロール(19)と、である印刷機(52)において、
前記ロール(19)にクリーニングシート(50)をセットし、前記ロール(19)を回転することで、前記インク供給ロール(16)を洗浄するインク供給ロールの洗浄方法であり、
前記クリーニングシート(50)は、前記インク供給ロール(16)より、表面粗さが小さく、
前記クリーニングシート(50)は、その硬度により、前記インクを固め、
前記クリーニングシート(50)は、前記インク塊を吸着除去するのでなく、前記インク塊を押したり、引いたりして、インク供給ロール(16)から除外するインク供給ロールの洗浄方法。 - 洗浄液を使用しない請求項1又は2に記載のインク供給ロールの洗浄方法。
- 前記ロール(19)に前記クリーニングシート(50)をセットした状態の外径と、
前記ロール(19)に前記フレキソ版(100)をセットした状態の外径とは同じである請求項1~3のいずれか1項に記載のインク供給ロールの洗浄方法。 - 前記クリーニングシート(50)のShore硬度Aは、20°以上70°以下である請求項1又は2記載のインク供給ロールの洗浄方法。
- 前記クリーニングシート(50)のShore硬度Aは、35°以上60°以下である請求項1又は2記載のインク供給ロールの洗浄方法。
- 請求項1~6のいずれか1項のインク供給ロールの洗浄方法で使用される、フレキソ版(100)が配置されたロール(19)にインクを供給するインク供給ロール(16)の洗浄用のクリーニングシート。
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