JPH08243133A - 歯科治療用椅子 - Google Patents
歯科治療用椅子Info
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- JPH08243133A JPH08243133A JP7079332A JP7933295A JPH08243133A JP H08243133 A JPH08243133 A JP H08243133A JP 7079332 A JP7079332 A JP 7079332A JP 7933295 A JP7933295 A JP 7933295A JP H08243133 A JPH08243133 A JP H08243133A
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Abstract
高い位置となるように座部シートの前方を上げる方向に
傾斜させるチルト機構を作動させると患者の脛部を支え
るための脛部シートも自動的に動作する歯科治療用椅子
を提供する。 【構成】 座部シート支え1の下側後方端が昇降駆動部
9の上部後面側に枢着され、昇降駆動部9の前面側に枢
着されている駆動源5の摺動アーム5aの先端が座部シ
ート支え1の中間部に枢着され、座部シート支え1の前
方端上側にその上方端が枢着されておりその前方に脛部
シートが配備されている上揺動アーム2の裏面に当接す
るローラ4が下方端に枢着されている第1下揺動アーム
3の中間部が座部シート支え1の前方端下側に枢着さ
れ、第1下揺動アーム3の上方端の連結軸と昇降駆動部
9に取り付けられているテンション部材装着軸6aとに
それぞれ非伸縮性素材より成るテンション部材6の端部
が装着されている。
Description
患者の膝部が腰部より高い位置となるように座部シート
の前方を上げる方向に傾斜させるチルト機構を備えてお
り、このチルト機構を作動させて患者の膝部が腰部より
高い位置となるように座部シート支え(座部シート)の
前方を上げる方向に傾斜させると、患者の脛部を支える
ための上揺動アーム(脛部シート)も自動的に座部シー
ト支えに連なったまま水平又は水平と所定角度をなすよ
うに動作する歯科治療用椅子及び更に上揺動アームに連
なってステップ部が設けられておりこのステップ部も自
動的に上揺動アームと共に一直線状又は平行になるよう
に動作する歯科治療用椅子に関するものである。
置を施す場合には、先ず歯科治療用椅子を椅座位(屈曲
位)の状態にして患者を導いて着座させた後、背板(バ
ックレスト)等で患者の背中を支えるようにしながら椅
子の機構を駆動させ、患者の全身が床面に対してほぼ水
平となる仰臥位(伸展位)にしてから治療等の処置を行
うのが一般的である。また近年では、患者の姿勢を安定
させ且つ患者をリラックスさせるという意味で、座部シ
ートの前方を上げる方向に傾斜させるチルト機構を持つ
椅子が多くなっており、このチルト機構を持つ椅子とし
ては、座部シートのみならず、椅座位から仰臥位にする
際には座部シート前方を上げる方向に傾斜させながら前
述の伸展動作を、また仰臥位から椅座位に戻す際には座
部シート前方を下げる方向に動かしながら屈曲動作を同
時にさせるものが一般的である。またこれらの椅子は、
前述の動作に加えて患者を仰臥位にした後に、椅子全体
を昇降させることで歯科医師等の術者の体形や患者の治
療部位に応じて最適なポジションを得るための昇降装置
を備えているのが普通である。
る従来のチルト機構について次に説明する。具体的には
特開昭62−179459号公報や特公平3−7410
8号公報に開示されているように、一個の駆動源(伸縮
作動体)の動作により背板(バックレスト)の起倒に連
動するように下肢受板と背板とが棒状のリンク部材で連
結されていて、背板が倒れることでリンク部材が押圧さ
れて下肢受板が押し上げられると共に座板もリンク部材
で押し上げられるようにして座部シートのチルトを実現
していた。このような構造においてはいずれも丈夫な棒
状のリンク部材を用いないと、座部シートが取り付けら
れる座板や下肢受板を押し上げることはできないので、
椅子の下部機構は駆動源や丈夫で長尺のリンク部材を多
数収容しなければならないことが設計上の大きな制約と
なっていたのである。
前述のチルト機構に加えて更に患者が椅座位の状態から
仰臥位の状態へ移行する時にも安楽な状態でいられるよ
うに椅子の脚部の動作にも工夫がなされている。これを
次に説明する。歯科治療用椅子の座部シート支えの前端
部には或る所定の間隔を設けて2本のアームがそれぞれ
その一端を軸を介して枢着されており、この2本のアー
ムの他端には前記間隔と同じか又は小さな間隔とする四
節リンク状の構成となるようにしてステップ部の後端部
が軸を介して枢着されている。このような機構とするこ
とにより、前記アームが揺動(伸展及び屈曲の動作)し
てもステップ部の上面を常に床に対し所望の一定角度
(例えば平行など)を保ちながら移動させることや、仰
臥位で脛部シート部とステップ部とを水平に連なるよう
にさせることが可能になるのである。そして、前記アー
ムの表面側(患者側)には脛部シート部が配備され、患
者が仰臥位になった時に患者の脛部を支えるようにされ
ているのが一般的な構成である。
に対する角度が一定であったり、ステップ部の上部アー
ム(脛部シート部)が水平位になると同時にステップ部
も水平になるように、リンク比を調節して四節リンクを
形成させている。このため、椅座位から仰臥位に移動す
る脛部シート部及びステップ部が描く軌跡は前記四節リ
ンクのリンク比なりの制限を受けることになるので、水
平への変化が所定位置で急激に起こったり角度が変わら
なかったりするため、足首へ無理な負担が掛かったりし
て座っている患者が受ける移動感覚は良好ではなかっ
た。そこで、このような欠点を解消すべく様々な工夫が
なされている。
示されている椅子では、座部シート支えに対して直角方
向に第1の間隔を開けて脛部シート部を構成するどちら
か一方が駆動機構に連結される上部と下部との2本のア
ームのそれぞれの一端が軸支され、この2本のアームの
うち1本の他端に軸支され且つもう1本のアームの他端
に摺動可能にステップ部が第2の間隔を開けて支持され
て取り付けられる構造となっている。
を第2の間隔より大きくすることにより、椅子の駆動機
構が動作して椅座位(上部アームが垂直又はそれに近い
角度)から仰臥位(上部アームが水平又はそれに近い角
度)に移行するときの中間位置で脛部シート部(上部ア
ーム)とステップ部とをほぼ一直線状にすることができ
るのである。以上に述べた構成となすことで、椅子の動
作時(膝関節と足首関節が伸展及び屈曲する時)に患者
が感じ取る移動感覚を良好にしているのである。しかし
ながら、この機構では前記第1の間隔を第2の間隔より
大きく構成しているため、椅子が椅座位から仰臥位に移
行するに従い、前記2本のアームのなす間隔が徐々に広
がり出すため、結果的には側方から椅子の機構部がまと
もに見えてしまうことになるのであり、このことは術者
や患者に威圧感を与えてしまい好ましくない欠点となる
のであった。
を覆い隠すという措置が採れば良いが、2本のアームの
なす間隔が変化するということが制約となり、仰臥位
(上部アームが水平に近い位置に来た状態)時の最大間
隔に合わせると覆いの厚みが著しく厚くなりデザイン性
に劣るという欠点があった。
好ましい機構として、椅子の下に障害物が存在している
場合に対する安全機構がある。この安全機構における具
体例を示すと、例えば実開昭63−195836号公報
に開示された椅子のステップ部の安全機構は、前述の実
公平5−46451号公報に開示されている椅子の脛部
シート部におけるアーム機構とは全く別個に設けられる
ものであって、脛部シート部を構成する2本のアームの
どちらか一方のステップ部を取り付けるための軸受け孔
を縦長溝にすることを特徴としている。この構造によ
り、ステップ部は縦長溝の軸受け孔ではないもう一方の
軸受け孔に枢着されている軸を中心として回転自在とな
るので、椅座位の状態で椅子を上下動させた時にステッ
プ部と床との間に障害物が挟まっても、ステップ部の先
端が上方向に回転自在となっているため怪我や破損を防
止し得るのである。
451号公報に記載された椅子に、前述の実開昭63−
195836号公報に記載された安全機構を組み込んで
製作しようとすると、新たな問題が発生するのである。
それは、脛部シート部を構成する前記2本のアームのど
ちらか一方に縦長溝を設けたとして、ステップ部と床と
の間に障害物が存在していた時に、ステップ部より先に
床側のアーム又は軸が床又は障害物に接触してしまう恐
れがあるばかりか、2本のアームが成す角度により回転
動作の方向に制限を受けてしまうために椅子が椅座位
(アームが最も垂直に近い位置に来た状態)又はこれに
近い状態の時にしかこの安全機構は機能しないという問
題点があることである。
療中に患者を仰臥位の状態で上下せしめることもあるた
め、前記昭63−195836号公報に開示されている
安全機構を備えた椅子のように椅座位におけるステップ
部と床との間にある障害物のみに対する対策だけでは不
充分であるという新たな問題も存在しているのである。
つまり仰臥位の状態で椅子を上下動させようとした時
に、床側アームと床との間に障害物が存在している可能
性に対する対策としての工夫も必要なのである。
歯科治療用椅子の諸欠点を解消し、椅子の下部機構がコ
ンパクトに収まる設計上の自由度があるチルト機構を実
現して、歯科治療及び診察時に患者の膝部が腰部より高
い位置となるように座部シート支え(座部シート)の前
方を上げる方向に座面(シート面)を傾斜させ得ると共
に、このチルト機構を作動させて患者の膝部が腰部より
高い位置となるように座部シート支えの前方を上げる方
向に傾斜させると、患者の脛部を支えるための上揺動ア
ーム(脛部シート)も自動的に座部シート支えに連なっ
たまま水平又は水平と所定角度をなすように動作して椅
子に座った患者が感じ取る椅座位〜仰臥位間の移動感覚
を良好にする歯科治療用椅子を提供することを課題とす
る。
を設け、このステップ部に取り付けられているステップ
部シートも自動的に脛部シートと共に一直線状又は平行
になるように動作するばかりでなく、椅座位におけるス
テップ部と床との間や仰臥位における床側アーム及び/
又はステップ部と床との間の障害物の挟み込み防止とそ
れらを実現するコンパクトな機構を追加した歯科治療用
椅子を提供することも課題とする。
果、歯科治療用椅子に、座部シート支えの下側後方端が
昇降駆動部の上部後面側に配備されている座部シート軸
支えに座部シート支え軸を介して枢着されており、該昇
降駆動部の前面側に配備されている駆動源支えに駆動源
取付軸を介して枢着されている駆動源の摺動アームの先
端が前記座部シート支えの中間部所定位置に摺動アーム
軸を介して枢着されており、座部シート支えの前方端上
側に上アーム軸を介してその上方端が枢着されておりそ
の前方に椅子を仰臥位にした際に患者の脛部を支えるた
めの脛部シートが配備されている上揺動アームの裏面に
はローラが当接されており、該ローラがローラ軸を介し
てその下方端に枢着されている第1下揺動アームの中間
部所定位置において下アーム軸を介して該座部シート支
えの前方端下側に枢着されており、且つ該第1下揺動ア
ームの上方端に取り付けられている連結軸と前記昇降駆
動部の駆動源支えに取り付けられているテンション部材
装着軸とにそれぞれ非伸縮性素材より成るテンション部
材の端部が装着されていれば、前記した前者の課題が解
決できることを究明して本発明を完成したのである。
摺動棒とから成る伸縮自在な構造で下方端が下ステップ
部取付軸を介してステップ部の後方端に枢着されている
第2下揺動アームの上方端がローラ軸を介して第1下揺
動アームの下方端に枢着されており、上揺動アームの下
方端がステップ部の後方端であって前記下ステップ部取
付軸より前方に位置する上ステップ部取付軸を介してス
テップ部に枢着されていれば、前記した後者の課題も解
決できることを究明したのである。
椅子の実施例について詳細に説明する。図1は本発明に
係る歯科治療用椅子の1実施例の構造を示す斜視説明
図、図2はステップ部が設けられている本発明に係る歯
科治療用椅子の他の実施例の構造を示す斜視説明図、図
3は図2に示した本発明に係る歯科治療用椅子の座部シ
ート部と脛部とステップ部との関係を示したもので、実
線は椅座位における位置を、一点鎖線は中間位置を、二
点鎖線は仰臥位における位置をそれぞれ示したものであ
る。また図4は椅子が椅座位の状態でステップ部の下に
障害物が存在しステップ部が持ち上げられた状態を示す
説明図、図5は椅子が仰臥位の状態のまま降下した時に
脛部及びステップ部の下に障害物が存在し脛部及びステ
ップ部が伸びた状態のまま持ち上げられた状態を示す説
明図である。
尻部及び大腿部を位置させ支えるための座部シート10
を載置固定する座部シート支えであり、通常この座部シ
ート10はその形状や弾性に様々な工夫が凝らされてい
て、患者の肉体的,精神的な負担を軽減すると共に椅子
の駆動部などの機構を直接には見えないようにするため
の役割も担っている。
ーム軸2aを介してその上方端が枢着されている上揺動
アームであり、そのもう一端である下方端にはその上面
にステップ部シート12が取り付けられるステップ部8
の後方端の所定位置が上ステップ部取付軸2bを介して
枢着されている場合と、ステップ部8が装着されていな
い場合とがある。この上揺動アーム2の前方には、椅子
を仰臥位にした際に患者の脛部を支えるため弾性部材か
ら成る脛部シート11が配備されている。
した実施例では上アーム軸2aの鉛直から40〜50度
の角度をなす斜め下後方の位置)にその中間部所定位置
が下アーム軸3aを介して枢着されている第1下揺動ア
ームである。この第1下揺動アーム3の上方端に連結軸
3bが取り付けられている。そして、この第1下揺動ア
ーム3の全長は上揺動アーム2の半分程度の長さとし、
その下方端にはローラ軸4aによりローラ4が上揺動ア
ーム2の略中間位置の裏面に当接するように枢着されて
いる。このローラ4を用いた構成とすることにより、上
揺動アーム2が座部シート支え1の前方端での枢着位置
である上アーム軸2aを中心とした円弧を描く滑らかな
動きをするように第1下揺動アーム3の動きによる力の
伝達が支障無く行われる。
駆動部9の上部後面側に配備されている座部シート軸支
え9bに座部シート支え軸1aを介して枢着しておりこ
の座部シート支え軸1aを中心とした円弧を描く動きを
座部シート支え1に行わせると共に、結果的に脛部シー
ト11やステップ部8を椅座位や仰臥位の位置に移行さ
せるための駆動源であり、この駆動源5は昇降駆動部9
の前面側に配備されている駆動源支え9aに駆動源取付
軸5cを介して枢着されていてその摺動アーム5aの先
端が前記座部シート支え1の中間部所定位置に摺動アー
ム軸5bを介して枢着されている。この駆動源5として
は、油圧シリンダーや電動モーターなどの摺動アーム5
aを伸縮させ得る動作を行うものであれば、その目的機
能の面から適宜採用可能であることは言うまでもない。
3aを中心として揺動させるために牽引する非伸縮性素
材より成るテンション部材であり、このテンション部材
6はその一方端を第1下揺動アーム3の上方端に取り付
けられている連結軸3bに、また他方端を前記昇降駆動
部9の駆動源支え9aの駆動源取付軸5cとは異なる位
置に取り付けられているテンション部材装着軸6aにそ
れぞれ装着されている。即ち、その前方に脛部シート1
1が配備されている上揺動アーム2は座部シート支え1
の前方端での枢着位置である上アーム軸2aを中心とし
て回転自在であるが、その自重により図面において時計
廻りのモーメントを受けているのでローラ4を介してそ
の下方端を押圧されて同じく下アーム軸3aを中心とし
て図面において時計廻りのモーメントを受けている第1
下揺動アーム3の上方端に取り付けられている連結軸3
bは下アーム軸3aを中心として前記テンション部材装
着軸6aから離れる方向に回転しようとするから、テン
ション部材6はこの連結軸3bの回転を阻止して連結軸
3bとテンション部材装着軸6aの軸間距離が一定とな
るように維持できればよいので、従来の椅子のリンク部
材と異なりこのテンション部材6に加わる力は牽引力で
あるので、特に圧縮力や座屈に強い棒状のような素材を
使用するという必要は無く、引張力に耐え得る非伸縮性
素材であればワイヤーやベルトなどの可撓性を有するも
のも採用することができるので、設計の自由度が拡大さ
れるのである。
8が装備される場合に配備される第2下揺動アームであ
り、伸縮アーム外筒7aとその伸縮アーム外筒7a内に
沿って摺動自在な伸縮アーム摺動棒7bとから成る伸縮
自在な構造で下方端が下ステップ部取付軸7cを介して
ステップ部8の後方端に枢着されている第2下揺動アー
ム7の上方端が前記ローラ4の軸であるローラ軸4aを
介して第1下揺動アーム3の下方端に枢着されており、
上揺動アーム2の下方端はステップ部8の後方端であっ
て前記下ステップ部取付軸7cより前方に位置する上ス
テップ部取付軸2bを介してステップ部8に枢着されて
いる。この第2下揺動アーム7としては、図2及び3に
示した実施例のように伸縮アーム摺動棒7bの上方端が
ローラ軸4aを介して第1下揺動アーム3に枢着されて
おり、伸縮アーム外筒7aの下方端がステップ部8に下
ステップ部取付軸7cを介して枢着されている態様であ
っても、また図示しないが伸縮アーム外筒7aの上方端
がローラ軸4aを介して第1下揺動アーム3に枢着され
ており、伸縮アーム摺動棒7bの下方端がステップ部8
に下ステップ部取付軸7cを介して枢着されている態
様、即ち第1下揺動アーム3の下方端のローラ軸4aと
ステップ部8の下ステップ部取付軸7cとの間に伸縮ア
ーム摺動棒7bと伸縮アーム外筒7aとが図3及び図4
に示した実施例と互いに反対側に位置するようにして枢
着されている態様であっても良い。
の状態ではステップ部8は上ステップ部取付軸2bを中
心として回転自在な状態となっているので、患者がステ
ップ部8に足を載せなくてもステップ部8の自重により
第2下揺動アーム7には上方への押圧力が加わることに
なり、第2下揺動アーム7は最短の長さを維持すること
になるのである。
の動きについて説明する。図3の実線で示した椅座位の
状態において、駆動源5が作動せしめられて摺動アーム
5aが伸びるに従い、座部シート支え1の前部は座部シ
ート支え軸1aを中心にして上方に持ち上がる(回転す
る)動きを行う。このとき、第1下揺動アーム3はその
中間部所定位置が下アーム軸3aを介して座部シート支
え1の前方端下側に枢着されているため、同時に動き出
すことになる。
ート11が配備されている上揺動アーム2はその自重に
より図面において上アーム軸2aを中心として時計廻り
の回転をする力をローラ4を介して第1下揺動アーム3
に作用しているので、第1下揺動アーム3も図面におい
て下アーム軸3aを中心として時計廻りに回転しようと
する(第1下揺動アーム3の上方端に取り付けられてい
る連結軸3bが下アーム軸3aを中心としてテンション
部材装着軸6aから離れる方向に回転しようとする)の
であるが、テンション部材装着軸6aと連結軸3bとに
はその軸間距離を一定に保つテンション部材6の両端が
装着されているため、連結軸3bは下アーム軸3aを中
心として図面において反時計方向に回転することにな
り、下アーム軸3aを挟んで連結軸3bとは反対側の第
1下揺動アーム3は上に持ち上がることになるのであ
る。
ローラ軸4aを介して装着されているローラ4は上揺動
アーム2の裏面を押圧することになるから、上揺動アー
ム2も下揺動アーム3の動きに追従することになるの
で、歯科治療及び診察時に椅子のチルト機構としての機
能である患者の膝部が腰部より高い位置となるように座
部シート支え1(座部シート10)の前方を上げる方向
に座面(シート)を傾斜させると、上揺動アーム2(脛
部シート11)も自動的に座部シート支え1に連なった
まま水平又は水平に対して所定角度をなすように動作さ
せることが可能となるのである。
3の下端部にローラ軸4aを介して第2下揺動アーム7
の上端部が枢着されている場合には、ローラ4が上揺動
アーム2の裏面を転がりながら上アーム軸2a側に移動
し始めると、ローラ軸4aを介して第1下揺動アーム3
に連結されている第2下揺動アーム7も上方に引っ張ら
れることになる。この第2下揺動アーム7の下端部の下
ステップ部取付軸7cには、この下ステップ部取付軸7
cより前方に位置する上ステップ部取付軸2bを中心と
してステップ部8の自重によるモーメントと、更には患
者の足がステップ部8上に置かれている場合にはその荷
重によるモーメントと常に作用しているので、ステップ
部8の後端(下ステップ部取付軸7c)は上ステップ部
取付軸2bを中心とした図面において時計廻りの回転運
動を下揺動アーム3の動きに対応して行うことになる。
このようにして、歯科治療及び診察時に椅子のチルト機
構としての機能である患者の膝部が腰部より高い位置と
なるように座部シート支え1(座部シート10)の前方
を上げる方向に座面(シート)を傾斜させると、上揺動
アーム2(脛部シート11)も自動的に座部シート支え
1に連なったまま水平又は水平に対して所定角度をなす
ように動作させ、更にはステップ部8も自動的に上揺動
アーム2に連なって一直線状又は平行にして動作させる
ことが可能となるのである。
(図3において一点鎖線で示し、符号には添字「i」を
付して示した)に達すると、ステップ部8の上面と上揺
動アーム2の上面とは一直線状又は平行になると共に、
上揺動アーム2の裏面とステップ部8の後端上面とが接
触してステップ部8の更なる回転運動が阻止される。そ
して見掛け上は上揺動アーム2とステップ部8とが一体
となりながら,上アーム軸2aを中心とした回転運動を
行うのである。
の伸長の動きが停止する仰臥位置(図3において二点鎖
線で示し、符号には添字「ii」を付して示した)に達す
るのであるが、ステップ部8は前記中間位置からその回
転運動が停止しているので第1下揺動アーム3の動きに
対応した動きは第2下揺動アーム7が担当することにな
る。つまり、第2下揺動アーム7とステップ部8とは下
ステップ部取付軸7cにより連結されていて相対的な位
置を変えないので、伸縮アーム外筒7aから伸縮アーム
摺動棒7bが引っ張り出されて行ってステップ部8がロ
ーラ軸4aから離れる方向に引き出されて行くことにな
り、上揺動アーム2とステップ部8の上面とは見掛け上
では一直線状又は平行を維持する。しかして仰臥位置に
達してローラ4の移動が停止した位置では、駆動源5の
摺動アーム5aの長さは予め設定されている最大長さと
なっている。
ては、図1及び2に示したようなローラ4が1組使われ
る直棒状のものの他、Y字状又はT字状としてローラ4
を2組使うようなものとしても良く、更に直棒状の第1
下揺動アーム3を2本使用してH字状のものとしても良
いことは目的とする機能上から明らかである。
に備えておくと好ましい安全機構である床14上に障害
物13が存在した時の挟み込み防止機構について説明す
る。図4は椅座位の状態のままで椅子の昇降駆動部9を
動作させて下降させた例を示しており、ステップ部8は
図中の一点鎖線の位置から平行移動する形で下降するの
で、本来二点鎖線で示した位置に来る筈である。しかし
ながら、床14上に障害物13があるので、ステップ部
8は通常はその障害物13を破壊してしまうのであり、
障害物13が人の足等である場合には重大な傷を負わせ
てしまうことになる。ところが、ステップ部8を備えた
構造の本発明に係る歯科治療用椅子ではステップ部8の
下に障害物13があった場合、ステップ部8は上ステッ
プ部取付軸2bを中心とした回転を行うことができるの
で、ステップ部8の前端が上に持ち上がる(図中の実
線)。そうするとステップ部8の後端が更に下がる必要
があるが、ステップ部8の後端には伸縮自在な第2下揺
動アーム7が連結されているので、ローラ4や第1下揺
動アーム3に影響を及ぼすことなくこの動きが吸収され
るのである。
る伸縮アーム外筒7aと伸縮アーム摺動棒7bとに充分
な長さのラップ量を確保しておけば、伸縮アーム外筒7
aから伸縮アーム摺動棒7bが外れてしまうことに対処
することができる。また、図4で実線で示すような状態
になったら、ステップ部8の先端を持ち上げて障害物1
3を取り除けば、通常の椅座位の状態に簡単に復元させ
得るのである。
昇降駆動部9を動作させて下降させた例を示しており、
上揺動アーム2及びステップ部8は図中の一点鎖線で示
す位置から平行移動する形で下降するので、本来二点鎖
線で示した位置に来る筈である。しかしながら、上揺動
アーム2の真下の床14上に障害物13があるので、上
揺動アーム2は通常はその障害物13を破壊してしまう
ことになる。ところが、ステップ部8を備えた構造の本
発明に係る歯科治療用椅子では上揺動アーム2の真下に
障害物13があった場合、上揺動アーム2及びステップ
部8は上アーム軸2aを中心として回転を行うことがで
きるので、上揺動アーム2及びステップ部8は上に持ち
上がる(図中の実線)。
ーム7がこの動きを吸収し、他へ影響を及ぼさないので
ある。前例と同様に、この第2下揺動アーム7を構成す
る伸縮アーム外筒7aと伸縮アーム摺動棒7bとに充分
な長さのラップ量を確保しておけば、伸縮アーム外筒7
aから伸縮アーム摺動棒7bが外れてしまうことに対処
することができる。また、図5で実線で示すような状態
になったら、ステップ部8の先端を持ち上げて障害物1
3を取り除けば、通常の仰臥位の状態に簡単に復元させ
ることができるのである。また、この仰臥位の状態にお
いてステップ部8の真下だけに障害物13がある場合に
は、図4と同様な動作で障害物13の挟み込みが防止さ
れることは明らかである。
の間に落差がある平行の状態のときには、各々の上面に
取り付けられるシート11,12の厚みで調整して落差
を無くしたり縮めたりすることや、椅子に座る患者が安
楽な気持でいることができるように各々のシート11,
12の上面を湾曲した状態に加工することなどは当業者
にとって容易になし得ることである。
療用椅子によれば、歯科治療及び診察時に患者の膝部が
腰部より高い位置となるように座部シートの前方を上げ
る方向に座面(シート面)を傾斜させる椅子のチルト機
構を備えており、このチルト機構を作動させて患者の膝
部が腰部より高い位置となるように座部シート支え(座
部シート)の前方を上げる方向に傾斜させると患者の脛
部を支えるための上揺動アーム(脛部シート)も自動的
に座部シート支えに連なったまま水平又は水平と所定角
度をなすように動作させる構造をコンパクトに纏め得る
設計の自由度をもたらしたばかりでなく、上揺動アーム
に更にステップ部を取り付けた構造とした場合には椅子
を椅座位の状態から仰臥位の状態に移行する際に中間位
置で上揺動アームとステップ部との上面がほぼ一直線状
又は平行になるので患者の移動感覚は良好になる。しか
も、第2下揺動アームの伸長次第で脛部側部材(脛部シ
ート及び上揺動アームとステップ部)の上面が水平とな
す角度を自由に調節することができるのである。このよ
うな機構から得られる利点として、患者が治療中にチア
ノーゼに陥った時に脛部側を水平より更に持ち上げるこ
とで患者の回復を早めたり、脛部側を水平より若干下げ
て治療中の患者の精神の安定が得られ易いような姿勢と
なすことも可能である。そして、ステップ部が存在する
場合でも存在しない場合でも上揺動アームと第1下揺動
アームとから成る脚部構造を従来になく薄くコンパクト
に構成できるため、特に術者や患者の目に付き易い中間
位置から仰臥位の状態になるまで移動する間に椅子の機
構部が見えてしまうことにより術者や患者に威圧感を与
えることが無いばかりか、デザイン的にもその自由度が
増し、スマートに構成できるという利点がある。
る歯科治療用椅子は、前述の効果に加え仰臥位でも椅座
位でもそれぞれ脛部やステップ部の下方の床上に障害物
が存在していた場合にその挟み込みを防止する安全機構
を備えていることになり、安全性の面でも信頼性の高い
ものとなるのである。このような種々の効果を奏する本
発明の歯科分野に貢献する価値は非常に大きなものであ
る。
を示す斜視説明図である。
治療用椅子の他の実施例の構造を示す斜視説明図であ
る。
部シート部と脛部とステップ部との関係を示したもの
で、実線は椅座位における位置を、一点鎖線は中間位置
を、二点鎖線は仰臥位における位置をそれぞれ示したも
のである。
が存在しステップ部が持ち上げられた状態を示す説明図
である。
びステップ部の下に障害物が存在し脛部及びステップ部
が伸びた状態のまま持ち上げられた状態を示す説明図で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 座部シート支え(1)の下側後方端が昇降
駆動部(9)の上部後面側に配備されている座部シート軸
支え(9b)に座部シート支え軸(1a)を介して枢着され
ており、該昇降駆動部(9)の前面側に配備されている駆
動源支え(9a)に駆動源取付軸(5c)を介して枢着され
ている駆動源(5)の摺動アーム(5b)の先端が前記座部
シート支え(1)の中間部所定位置に摺動アーム軸(5a)
を介して枢着されており、座部シート支え(1)の前方端
上側に上アーム軸(2a)を介してその上方端が枢着され
ておりその前方に椅子を仰臥位にした際に患者の脛部を
支えるための脛部シート(11)が配備されている上揺動
アーム(2)の裏面にはローラ(4)が当接されており、該
ローラ(4)がローラ軸(4a)を介してその下方端に枢着
されている第1下揺動アーム(3)の中間部所定位置にお
いて下アーム軸(3a)を介して該座部シート支え(1)の
前方端下側に枢着されており、且つ該第1下揺動アーム
(3)の上方端に取り付けられている連結軸(3b)と前記
昇降駆動部(9)の駆動源支え(9a)に取り付けられてい
るテンション部材装着軸(6a)とにそれぞれ非伸縮性素
材より成るテンション部材(6)の端部が装着されている
ことを特徴とする歯科治療用椅子。 - 【請求項2】 伸縮アーム外筒(7a)と伸縮アーム摺動
棒(7b)とから成る伸縮自在な構造で下方端が下ステッ
プ部取付軸(7c)を介してステップ部(8)の後方端に枢
着されている第2下揺動アーム(7)の上方端がローラ軸
(4a)を介して第1下揺動アーム(3)の下方端に枢着さ
れており、上揺動アーム(2)の下方端がステップ部(8)
の後方端であって前記下ステップ部取付軸(7c)より前
方に位置する上ステップ部取付軸(2b)を介してステッ
プ部(8)に枢着されている請求項1に記載の歯科治療用
椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07933295A JP3602188B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 歯科治療用椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07933295A JP3602188B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 歯科治療用椅子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08243133A true JPH08243133A (ja) | 1996-09-24 |
JP3602188B2 JP3602188B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=13686943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07933295A Expired - Fee Related JP3602188B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 歯科治療用椅子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3602188B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008029705A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Osada Res Inst Ltd | 歯科用治療椅子 |
KR200479294Y1 (ko) * | 2014-08-05 | 2016-01-12 | 주식회사 로덱 | 안과 진료 의자용 틸팅 장치 |
JP2020018703A (ja) * | 2018-08-02 | 2020-02-06 | 吉田精工株式会社 | 診療用椅子 |
-
1995
- 1995-03-13 JP JP07933295A patent/JP3602188B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008029705A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Osada Res Inst Ltd | 歯科用治療椅子 |
KR200479294Y1 (ko) * | 2014-08-05 | 2016-01-12 | 주식회사 로덱 | 안과 진료 의자용 틸팅 장치 |
JP2020018703A (ja) * | 2018-08-02 | 2020-02-06 | 吉田精工株式会社 | 診療用椅子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3602188B2 (ja) | 2004-12-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040511 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040709 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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