JPH08242864A - コクシジウム症予防用抗原性蛋白質およびそれを含有するワクチン - Google Patents

コクシジウム症予防用抗原性蛋白質およびそれを含有するワクチン

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JPH08242864A JP7312101A JP31210195A JPH08242864A JP H08242864 A JPH08242864 A JP H08242864A JP 7312101 A JP7312101 A JP 7312101A JP 31210195 A JP31210195 A JP 31210195A JP H08242864 A JPH08242864 A JP H08242864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コクシジウム感染症に対して免疫応答を誘発
させることのできる抗原性ポリペプチド及びそれを含有
するワクチンを提供することを目的とする。 【解決手段】 Eimeria necatrixのス
ポロシスト膜蛋白質より、コクシジウム感染症に対して
ニワトリに免疫応答を誘発させることのできる抗原性ポ
リペプチドが得られ、この抗原性ポリペプチドを有効成
分とするワクチンはコクシジウム感染症の予防及び治療
に極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書を通じて、多くの文
献をカッコ内の文献番号によって引用する。これらの引
用文献は、発明の詳細な説明の項の末尾に列記する。こ
れらの文献における開示すべてを、本発明の時点までの
本発明技術分野における熟練者に公知な技術状態をより
完全に記述するものとして参考に供する。Apicom
plexa門にはEucoccidiorida目に属
する何百もの異種生物が包含される。Eimeria
は真性球虫の目に包含される。この属に属する生物のう
ち、数種が養鶏産業上きわめて重要である。これらの種
には、Eimeria tenellaE.maxi
maE.acervulinaE.necatri
E.brunettiE.mivatiE.m
itisおよびE.praecoxがある。種の分類
は、宿主内の感染部位および卵母細胞の形態に基づいて
行われる。上述のそれぞれの種についての生化学的差異
は報告されているが、生化学的マーカーがその特定に用
いられたことはない。
【0002】
【従来の技術】鳥Eimeriaは、全ライフサイクル
を単一の宿主内で完了する。そのライフサイクルは複雑
で、無性期と有性期があり、Eimeria種の間で相
違している。感染期は胞子を形成した卵母細胞である。
汚染された糞便、餌または水を摂取すると、胞子を形成
した卵母細胞は剪断力とスポロシストキャップの酵素的
加水分解の両作用が合した結果、消化管内で脱嚢する。
遊離した種虫は、小腸の特異的領域内における上皮細胞
を動き回る。発生はリーベルキーン線内で始まり、第1
世代メロントのレベルまで進む。メロントはさらに際立
った核を示し、加えてエネルギー発生と蛋白質合成能が
増大した円形化生物体からなる遷移期である。第1世代
種虫の発生がメロントの多分裂によって続く。第1世代
種虫の遊離によって宿主細胞は破壊され、寄生体は移住
して新しい宿主細胞に感染し、第2の無性サイクルが行
われる。メロントは第2世代種虫のレベルまで発生し、
それが遊離するときさらに上皮細胞を破壊する。第3世
代種虫の遊離によって、さらに宿主細胞の破壊が続く。
種虫の世代交代数はEimeriaの種によって異なっ
ている。
【0003】有性発生は、配偶子形成過程を経過したの
ち、小配偶子および大配偶子の生成によって始まる。遊
離した小配偶子は大配偶子と融合し、接合子を形成す
る。未成熟卵母細胞の発生によって、宿主細胞の破壊が
続く。腸管内に放出された卵母細胞は糞便を介して環境
に流布され、空気中の酸素の存在下に成熟する(胞子形
成)。宿主細胞がさらに卵母細胞を摂取しない限り、寄
生体の発生は自ら制限される。しかしながら、これは鶏
がぎっしり詰め込まれた鶏舎では非現実的な期待であ
る。Eimeriaによる疾患は、飼料効率の低下と異
常発現を伴い、重大な経済的損失を招いている。E.t
enellaおよびE.necatrixによるコクシ
ジウム症の病変は、メロゾイトの遊離時の宿主細胞の破
壊が主な部分を占めるが、一方E.maximaの場合
E.maxima卵母細胞の遊離時の宿主細胞の破壊
が病変に重大な意味をもっている。腸内の出血は、上皮
に分布する毛細管の破壊によるものである。いったん無
性発生が確立すると、コクシジウム発育阻止剤を使用し
ても、この疾患の進行を制御することは困難である。二
次感染がEimeriaによって生じる疾患を悪化させ
る場合も多い。
【0004】E.tenellaまたはE.necat
rixに感染した鳥では4〜7日以内に死亡することが
ある。しかしながら、E.maximaの感染によって
死を招くことは稀である。種虫がきわめて特定の組織部
位内で感染を開始することは、コクシジウムの一定した
性質である(39,45,57)。感染の部位特異性
は、Eimeriaの種分化に共通して用いられる特性
である。たとえば、E.necatrixの無性段階に
は、中間部小腸内の上皮細胞を侵襲する性癖があるが、
一方、有性段階では主として盲腸内で発生する。コクシ
ジウム症に対する免疫の研究の多くは、体液性免疫、さ
らに特定すれば血清抗体に集中してきた。血清抗体と疾
患への抵抗性には相関がないとの報告もあった(5
9)。しかしながら、とくに有用なデータでは、分泌免
疫系の関与する局所反応もしくは細胞性免疫、またはそ
の両者が防御反応にかかわっているとの主張が支持され
ている。
【0005】宿主細胞に対する病原体の認識、浸透およ
び/または付着の妨害により防御効果が現れることは、
ウイルス、細菌および原生動物のモデルで示されてい
る。主要宿主細胞受容体または病原体付着特性の遺伝的
欠失によって初期のコロニゼーション過程が防止できる
(16,54)。また、分泌抗体は、必要な受容体に結
合し、それをマスクすることによって、コロニゼーショ
ン過程の妨害も可能である(32,74)。1種以上の
免疫グロブリンクラスがEimeria tenell
の初期コロニゼーション過程を妨害する能力をもつと
の報告もある(13)。しかしながら、最近の報告で
は、分泌IgAの産生のみが、天然の保護免疫と相関し
たことが示されている(12,59)。Porter
& Davis(13)および他の研究者達(19)
は、分泌IgAが病原体の細胞外段階で、その侵入を有
意に制限することにより、あるいは侵入しても以後の発
生の防止可能な程度に生物体を減弱させることにより中
和すると報告している。この疾患を除去し、鶏のコクシ
ジウム症による破壊作用を抑制するために、世界中の生
産者によって1年間に約5億〜10億ドルが消費される
といわれている(39,52)。現在用いられている制
御手段によってもなお、鶏の損害は何百万ドルにも及ぶ
という(77)。
【0006】鶏に対するEimeria制御手段とし
て、現在もっとも広く用いられている方法は、抗原虫薬
飼料添加物の応用である。その組成は、使用するコクシ
ジウム発育阻止剤の種類によって異なるが、それぞれの
製品はコクシジウムのライフサイクルのある段階にしか
効果を示さない(39,51,58)。コクシジウム発
育阻止剤の使用における欠点は多い。鳥類における保護
効果の短い持続性、時にみられる行動の低下、寄生体に
おける抵抗性の発現、またある程度安全性に関する問題
がある。薬剤抵抗性株の発生により、最近の製品寿命は
わずか数年といわれている。このため、開発費用は増大
し、たえず有効な製品の製造が続けられているのが現状
である(51)。
【0007】免疫感作による鳥類の保護はある程度成功
している。殺滅した生物体のプレパレーションを用い
て、限られた保護効果を引き起こすことができている
(1,41,43)。鶏のもっと有効な免疫感作へのア
プローチは、生存原生動物製品、たとえばCocciv
acの利用であった(15)。低用量の生存卵母細胞を
含有する多価組成物である製品を、飲水中に投与する
と、鳥類に緩和な寄生体血症を生じる。この製品の欠点
は、投与後最初の1週間に鳥の行動の低下を生じる場合
があることであった。過剰投与や敷きわらの含水量など
の変動によって、重篤なコクシジウム症の突発を招くこ
とさえあった。鶏の免疫感作のためのE.tenell
の生菌、胞子形成卵母細胞の使用に関しては米国特許
第3,147,186号(1964)、および同じ目的
でのE.tenellaの種虫の使用に関しては米国特
許第4,301,148号(1981)を参照された
い。
【0008】ブロイラー鶏舎への生菌ワクチンの導入の
別法としては、飼料による方法がある。これについて
は、最近の英国特許(GB2,008,404A)に記
載されている。飼料と混合するに先立って、E.ten
ellaの有毒な卵母細胞を水溶性ポリサッカライド中
に封入して乾燥から防御する。卵母細胞は無症状感染を
生じるのに十分な量のみ使用する。免疫感作能が優れて
いることは明らかにされたが、この方法の発展はフィー
ルドで受け入れられることに疑問があって期待できな
い。しかしながら、すべての重要なコクシジウムの減弱
株が開発されれば、この操作も受け入れられるようにな
るかもしれない。実際、毒性を減弱したEimeria
細胞系の開発の努力も行われてきた。一部の種について
は、鶏胚継代接種による減弱化に成功している(19,
37,40,66)。これらの株では、疾患を惹起する
能力は低下しているが、免疫を引き起こすだけの免疫原
性は保持されていた。しかしながら、これらの株の取扱
いにはいくつかの問題が残っている。たとえばE.ne
catrixの減弱変異株には継代限界があって、胚継
代によって免疫原性の喪失または元の有毒型の保持を生
じることがある。さらに、一部の減弱化生物体は、鶏に
よる最小の戻し継代によって有毒型に復することがある
(38,68)。すなわち、減弱化生物体が一定の性状
を維持することに関連した問題が明白である。
【0009】Eimeria株の孵化鶏卵による継代が
容易でない場合は、早期選択による減弱化も実行されて
きた。この方法では、完全な卵母細胞の脱皮が始まる前
の感染無症候段階の後期に、脱皮した卵母細胞を収穫す
る(28,48,50,67)。このような選択により
ライフサイクルが省略された培養体が生じ、それに応じ
た毒性の減少が認められる(28,48,50,6
7)。E.tenella(29)およびE.acer
yulina(49)の早熟の特性は遺伝的に安定なこ
とが明らかにされてはいるものの、この方法の養鶏産業
における手段としての有用性を評価するには情報が十分
ではない、鳥コクシジウムの表面抗原組成についてはほ
とんど情報がない。Eimeria tenella
種虫の表面にある抗原に対してモノクロナール抗体を分
泌するハイブリドーマ細胞系が報告されている(8
2)。その分子量が13〜150キロダルトンであった
ことを除き、抗原は同定されていない。また、その抗原
の生物学的重要性もその抗原によるワクチンの有効性も
述べられていない。
【0010】ヨーロッパ特許公告第135,712号に
も、E.tenellaの種虫と反応するモノクロナー
ル抗体が開示されている。この公告によってE.ten
ella種虫抗原が開示された。さらに、ヨーロッパ特
許出願公告第135,073号には、E.tenell
のメロゾイトおよび種虫に対して特異的に反応するモ
ノクロナール抗体が開示され、E.tenellaから
誘導されるメロゾイト抗原が記載されている。M.H.
Wisherの研究室におけるこれまでの研究では、
E.tenellaの脱出した種虫の表面ヨード化によ
り同定される、分子量20,000〜200,000以
上の約16種のポリペプチドの存在が示唆されている
(81)。さらに、ヨーロッパ特許出願公告第167,
443号には、コクシジウム症に対する防御のためのワ
クチンとして使用できる、E.tenellaの種虫ま
たは胞子形成卵母細胞の抽出物が開示されている。これ
らの抽出物は複数種のポリペプチドを含有し、その1種
または2種以上がコクシジウム症を予防する抗原として
使用できる可能性がある。また、国際特許公告第WO/
00528号には、抗原性蛋白質をコードするE.te
nellaからのクローン化された遺伝子またはそのフ
ラグメントが開示される。これらの蛋白質は、鳥コクシ
ジウムの抗原性蛋白質に対するモノクロナールまたは多
価抗体と結合する。
【0011】ワクチンの開発に対するサブユニットによ
るアプローチは、過去1年足らずの間に成功を博してき
たものである。このようなアプローチでは、保護抗原の
候補を同定し、最終的大量生産の目的で性質が調べられ
る。寄生体抗原の研究では、ひとつの研究グループが、
Babesia bovisの表面上に保護抗原の可能
性が考えられる蛋白質を同定するためにモノクロナール
抗体を使用した(83)。その結果、44,000ダル
トンのB.bovis抗原が同定され、これを精製して
実験動物に注射したところ、初期チャレンジに対してあ
るレベルの防御が明らかにされた。Toxoplasm
a gondiiの免疫学的に重要な30,000ダル
トンの蛋白質もモノクロナール抗体を用いて同定されて
いる(31)。
【0012】1981年の中頃から、Danforth
と共同研究者は、鳥Eimeria種の抗原に対するモ
ノクロナール抗体産生の可能性を示すいくつかの報告を
発表している(9,10,11)。同様に、Speer
ら(69,70)も、E.tenellaに対するハイ
ブリドーマの開発と、その生理学的性質を明らかにして
いる。抗体分泌ハイブリドーマは、間接的螢光抗体試験
に基づいて選択された(10)。紫外線顕微鏡で観察さ
れた反応パターンは、使用したモノクロナール抗体によ
って変化した。そのパターンには、種虫のみとの特異的
反応と種虫およびメロゾイトとの反応、種虫の前部のみ
の染色と膜全体の染色、特定の内部小器官の染色と漠然
として内部染色等がある(11)。モノクロナール抗体
産生げっ歯類起源のハイブリドーマの調整は、本技術に
通暁した研究者が等しく実行するところであるが、種
E.tenellおよびE.necatrixに対する
種虫中和ハイブリドーマまたは種E.maximaに対
するメロゾイト中和ハイブリドーマの直接的または特異
的選択で、サブユニットワクチンの開発に有用なこれら
の種の毒性決定基の同定が可能になることを示唆するよ
うな何の結果も得られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、E.ten
ellaE.necatrixおよびE.maxim
によって引き起こされるコクシジウム症に対する免疫
の発現のためのポリペプチド抗原の同定、特性づけ、製
造および使用に関するものである。融合蛋白質を含む組
換えポリペプチド抗原も包含される。抗原は、抗原の直
接含量によって正確に投与されるので疾患を惹起するこ
とはなく、したがってワクチンが種によっては疾患の突
発、先祖返りまたは免疫性の変化を生じることも回避で
きる。鶏のコクシジウム症による莫大な経済的損失か
ら、E.tenellaE.necatrixおよび
E.maximaに対するワクチンは望まれている。ハ
イブリドーマ技術を用いて、本発明者らは、サブユニッ
トワクチンに使用できる強力な保護抗原を同定し、精製
した。このようなサブユニットワクチンの使用によれ
ば、生菌ワクチンを使用した場合に認められるワクチン
−種に関係する疾患の突発および先祖返りまたは免疫性
の変化を回避することができる。
【0014】生物体から製造できる寄生体抗原の量はき
わめてわずかで、きわめて高価につく。組換えDNAク
ローニングおよび発現の技術は、大量の保護抗原を安価
に生産する新しい値を開くものである。簡単にいえば、
これらの方法は、抗体のすべてまたは部分をコードする
DNA配列を、細胞内で抗原性蛋白質を産生するのに必
要な遺伝情報のコントロール下に、細胞内に位置させる
ことを要求する。遺伝情報は、合成DNA(17)、ゲ
ノム(たとえばウイルス)もしくは染色体DNAまたは
抗原をコードするmRNAから作られたcDNAであ
る。最後に挙げたアプローチがEimeria種のよう
な複雑な生物体についてはもっとも直接的な方法であ
る。しかしながら、cDNAは抗原のアミノ酸配列に相
当する遺伝情報しか含まれないので、cDNA遺伝子の
発現に必要な遺伝シグナル(すなわち転写および翻訳)
を与える発現ベクター中に挿入する必要がある。抗原は
単独に合成されてもよいし、大腸菌内の他の蛋白質と融
合させた生成物として合成されてもよい。
【0015】大腸菌内での有効なサブユニットワクチン
の製造は、ブタおよびウシの口蹄疫ウイルスの場合につ
いて報告がある(33,66)。口蹄疫ウイルスの表面
抗原は、大腸菌内で融合蛋白質抗原として産生された。
ウシおよびブタをこれらの抗原で免疫感作すると、有意
なレベルのウイルス中和抗体が産生された。組換えDN
A誘導抗原は口蹄疫ウイルスのチャレンジに対して保護
効果を示した。ゲノムおよび表面蛋白質について広範に
研究されている口蹄疫ウイルスのような単純な生物体と
異なり、Eimeriaの分子生物学についてはほとん
ど知られていない。Wang & Stotish(7
9,80)は、胞子形成開始後6〜8時間に、E.te
nella内で起こる急速かつ一過性のRNAおよび蛋
白質の合成を報告し、胞子形成時の全蛋白質および核酸
の合成はこの最初の1時間足らずの間に起こることを示
唆した。たとえば、Stotishら(72)は、胞子
形成前の卵母細胞によって合成された種虫膜の糖蛋白質
の蛋白質成分は30,000ダルトンで、後に、胞子形
成の過程で種虫膜に導入されると述べている。最近、S
totishら(73)は、胞子形成前の卵母細胞、胞
子形成時の卵母細胞および種虫からのRNAの単離と
n vitroでの翻訳について報告している。in
vitroでの翻訳生成物は10,000ダルトン未満
から200,000ダルトン以上の範囲にわたってい
る。胞子形成前および胞子形成時卵母細胞のRNA指示
蛋白質合成のパターンは異なっていて、胞子形成時に異
なるRNA集団が存在することを示唆する。
【0016】抗原性蛋白質をコードするcDNAの製造
に際しては、E.tenellaのライフサイクルのい
つ抗原性蛋白質をコードするmRNAが生じるかを決定
する必要があった。本発明は、抗原性蛋白質をコードす
るcDNAクローンの単離および特性づけ、ならびに大
腸菌内での操作抗原性蛋白質の産生に関する。また、本
発明は、大腸菌内で産生されたこれらの蛋白質の不溶性
状態からの抽出、およびこれらの蛋白質をモノクロナー
ル抗体と免疫反応性にする方法に関する。最後に、本発
明は、細菌で産生された抗原性蛋白質の、E.tene
llaE.necatrixおよびE.maxima
によって惹起されるコクシジウム症に対する免疫を鶏に
産生させる目的でのプレパレーションおよび使用を提供
するものである。Eimeria tenellaから
誘導された抗原性蛋白質およびE.tenellaによ
って生じるコクシジウム症を予防するための上記抗原性
蛋白質含有ワクチンについては、ヨーロッパ特許公告第
164,176号に記載されている。
【0017】
【課題を解決するための手段】図5に示した核酸配列を
有し、Eimeria tenellaから誘導される
抗原性蛋白質をコードするゲノムDNA分子が単離され
た。天然の蛋白質は分子量約25,000ダルトンで、
ジスルフィド結合によって結合した2個のポリペプチド
から構成される。一方のポリペプチドは分子量約17,
000ダルトンで遮閉N末端アミノ酸を特徴とし、図5
に示したアミノ酸配列を有する。他方のポリペプチドは
分子量が約8,000ダルトンであることを特徴とし、
図5に示したアミノ酸配列を有する。分子量約25,0
00ダルトンで、図7に示した連続アミノ酸配列を有す
る抗原性ペプチドをコードするcDNAまたはmRNA
の核酸分子も単離された。cDNA分子は、25,00
0ダルトンのポリペプチドを直接または融合ポリペプチ
ドとして発現可能な発現ベクター中に挿入された。ベク
ターpDET1は、分子量約25,000ダルトンで、
図7に示す連続アミノ酸配列を有するポリペプチドをコ
ードする。このベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換に
使用され、この菌株はREN3/pDET1として(A
TCC登録番号第53316号)寄託された。
【0018】ベクターpDET2も、分子量約25,0
00ダルトンで、図7に示す連続アミノ酸配列を有する
ポリペプチドをコードする。このベクターは大腸菌宿主
細胞の形質転換に使用され、この菌株はREN3/pD
ET2として(ATCC登録番号第53318号)寄託
された。ベクターpBGC23は、分子量約135,0
00ダルトンで、図7に示した25,000ダルトンの
ポリペプチドのアミノ酸配列とそのアミノ末端にβ−ガ
ラクトシダーゼのアミノ酸配列を有する融合ポリペプチ
ドをコードする。このベクターは大腸菌宿主細胞の形質
転換に使用され、この菌株はREN3/pBGC23と
して(ATCC登録番号第53317号)寄託された。
ベクターpCOC12は、分子量約65,600ダルト
ンで、図7に示した25,000ダルトンポリペプチド
のアミノ酸配列とそのアミノ末端にプロキモシンのアミ
ノ酸配列を有する融合ポリペプチドをコードする。この
ベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換に使用され、その
菌株はREN3/pCOC12として(ATCC登録番
号第53314号)寄託された。ベクターpCOC20
は、分子量約56,500で、図7に示した25,00
0ダルトンポリペプチドのアミノ酸配列とそのアミノ末
端に天然配列から83個のアミノ酸が欠失したプロキモ
シンのアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドをコード
する。このベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換に使用
され、その菌株はREN3/pCOC20として(AT
CC登録番号第53313号)寄託された。抗原性ポリ
ペプチドの製造は、本発明の任意の宿主細胞をDNA発
現とポリペプチド産生を可能にする適当な条件下に生育
させ、生成したポリペプチドを適当な条件下に回収する
方法によって行われる。回収は、宿主細胞からのポリペ
プチドの分離、ポリペプチドの精製、ポリペプチドの可
溶化、ポリペプチドの再生、ついで精製、可溶化、再生
を行った抗原性ポリペプチドの回収によって実施され
る。
【0019】Eimeria tenella感染に対
する能動免疫を鶏に付与する方法は、本発明の任意のポ
リペプチドの免疫感作有効量を鶏に投与することによっ
て行われる。本明細書ではNA4蛋白質またはNA4抗
原とも呼ばれる精製抗原性蛋白質は、Eimeria
necatrixから単離された。これはEimeri
anecatrixまたはEimeria tenel
la感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘
発することが可能である。E.tenellaについて
見出された相同性の抗原はTA4抗原と呼ばれる。NA
4蛋白質は分子量約26,000ダルトンで、ジスルフ
ィド結合で結合された2個のポリペプチドから構成され
ている。このポリペプチドの一方は、分子量約18,0
00でありN末端アミノ酸が遮閉されていることが特徴
的で、他方は分子量が約8,000であることが特徴で
ある。両ポリペプチドのアミノ酸配列を図17に示す。
【0020】精製抗原性蛋白質は、E.necatri
のスポロシストから別個に回収することによっても製
造できる。すなわち、抗原の回収は、ハイブリドーマ細
胞系ATCC No.HB8561によって産生される
高度に特異的なモノクロナール抗体Ptn7.2A4/
4を用いた免疫アフィニティークロマトグラフィーまた
は免疫沈殿により行うことができる。別法として、蛋白
質はその蛋白質をコードするDNAを適当な宿主中に導
入し、宿主内にDNAを発現させ、蛋白質を回収するこ
とによっても製造できる。E.necatrixおよび
E.tenella感染に対する能動免疫は、抗原性蛋
白質の免疫感作有効量を鶏に投与することにより付与さ
れる。好ましくは、蛋白質またはそのフラグメントを適
当な担体とともにワクチンに導入し、ワクチンの適当用
量を非免疫鶏に投与する。
【0021】Eimeria maximaの感染に対
する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導でき、本明
細書においては8B5蛋白質また8B5抗原とも呼ばれ
るさらに精製された抗原性蛋白質が得られた。この蛋白
質は、還元性および非還元性の両SDS−PAGEに対
し約55,000ダルトンの分子量を有する。E.ma
xima感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏
に誘導する能力によって特徴づけられる8B5蛋白質関
連ポリペプチドを得ることもできる。55,000ダル
トンの精製蛋白質抗原は、Eimeria maxim
のメロゾイトからそれを分離回収することによって製
造できる。好ましい一態様においては、回収は、ハイブ
リドーマ細胞系ATCC No.HB8946によって
産生されるモノクロナール抗体Pmx47.8B5を用
い、免疫吸着クロマトグラフィーまたは免疫沈殿で実施
される。E.maxima感染に対する能動免疫は、5
5,000ダルトンの蛋白質抗原またはその蛋白質抗原
の抗原性ポリペプチドフラグメントの免疫感作有効量を
鶏に投与することによって付与できる。好ましくは、蛋
白質またはポリペプチドを適当な担体とともにワクチン
に導入し、ワクチンの適当用量を鶏に投与する。
【0022】E.maxima感染に対する受動免疫を
付与するには、モノクロナール抗体Pmx47.8B5
またはこの種の任意の他の抗体を、好ましくは適当な担
体と混合して使用できる。さらに、モノクロナール抗体
に対する抗イデイオタイプ抗体を産生させ、E.max
ima感染に対する能動免疫の付与に用いることもでき
る。抗イデイオタイプ抗体は、適当な担体とともに、ワ
クチンの形で投与することが好ましい。本発明はさら
に、Eimeria属抗原またはエピトープに対する抗
体の産生をワクチン投与動物に誘発するのに有効な量の
任意のEimeria抗原またはエピトープの混合物を
1回投与量としたEimeriaが原因となる疾患に対
する多成分ワクチンに関する。ワクチンにはまた、医薬
的に許容される担体を加えることもできる。Eimer
ia抗原は、E.tenellaE.maxima
E.necatrixまたは他の任意のEimeria
種の抗原である。これらは、少なくとも1個のEime
riaエピトープを包含する遺伝子操作抗原性融合ポリ
ペプチドであってもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】図5に示した核酸配列を有し、
imeria tenellaから誘導される抗原性蛋
白質をコードするゲノムDNA分子が単離された。天然
の蛋白質は分子量約25,000ダルトンで、ジスルフ
ィド結合によって結合された2個のポリペプチドから構
成される。ポリペプチドの一方は、分子量約17,00
0ダルトンで、遮閉されたN末端アミノ酸が特徴的であ
って、図5に示すアミノ酸配列を有する。他方のポリペ
プチドは分子量約8,000ダルトンで、図5に示すア
ミノ酸配列を有する。分子量約25,000ダルトン
で、図7に示す連続アミノ酸配列を有する抗原性ポリペ
プチドをコードするcDNAまたはmRNAである核酸
分子も単離された。
【0024】本明細書で使用する「抗原性ポリペプチ
ド」の語には、本明細書に述べるような非還元条件下で
製造されるプレパレーションで、そのプレパレーション
中に還元条件下でのSDS−PAGEで一定の見かけの
分子量を有するポリペプチドの存在によって特徴づけら
れるプレパレーションを包含する。このようなプレパレ
ーション中に存在する場合、ポリペプチドは他の1個ま
たは2個以上の成分たとえば他のポリペプチドと1個ま
たは2個以上のジスルフィド結合で結合していてもよ
く、あるいはそのポリペプチド内の2個またはそれ以上
の領域でたがいにたとえばジスルフィド結合で結合して
いてもよい。プレパレーション内に還元条件下のSDS
−PAGEで18,000またはそれ以下の見かけの分
子量をもつポリペプチドが存在するプレパレーションの
場合、このプレパレーションが完全な抗原性蛋白質内に
含有されるアミノ酸配列を包含するとの仮定で、このよ
うなプレパレーションを記述するのにも「フラグメン
ト」の語を使用する。さらに「フラグメント」の語は、
抗原性蛋白質から蛋白分解消化で誘導されるアミノ酸配
列に対しても使用される。
【0025】約25,000ダルトン未満の分子量をも
つ抗原性ポリペプチドと、図5に示す核酸配列を有する
DNAによってコードされる蛋白質のアミノ酸配列内に
包含されるアミノ酸配列とをコードするDNA分子が意
図される。このDNA分子は他のアミノ酸配列をコード
する付加的DNAをもっていてもよく、この場合、ポリ
ペプチドの分子量は付加的アミノ酸配列の分子量によっ
て増大する。約25,000ダルトン以上の分子量をも
つ抗原性ポリペプチドをコードし、本発明のゲノムDN
A分子と他のアミノ酸配列をコードするDNAからなる
DNA分子が意図される。約25,000ダルトン未満
の分子量をもつ抗原性ポリペプチドと図7に示す核酸配
列を有するDNAによってコードされるポリペプチドの
アミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列とをコードす
るDNA分子が意図される。このDNA分子は他のアミ
ノ酸配列をコードする付加的DNAをもっていてもよ
く、この場合、その分子量は付加的アミノ酸配列の分子
量によって増大する。本発明は、約25,000ダルト
ン以上の分子量をもつ抗原性ポリペプチドをコードし、
図7に示す核酸分子と他のポリペプチドのアミノ酸配列
をコードするDNAからなるDNA分子を提供する。
【0026】組換えクローニングビークルは、クローニ
ングビークルDNAと本発明のcDNAからなる。クロ
ーニングビークルは第1および第2の制限酵素部位の存
在によって特徴づけられ、cDNAは上記部位中にクロ
ーン化される。本発明の、pTCD26と命名されたc
DNAクローンを含有し、約25,000ダルトンの分
子量をもつ抗原性ポリペプチドと図7に示すアミノ酸配
列をコードするクローニングビークルが構築された。ク
ローニングビークルは細菌宿主細胞の形質転換に使用す
ることができる。大腸菌宿主細胞JM83はこのクロー
ニングビークルで形質転換され、この菌株はJM83/
pTCD26と命名された(ATCC登録番号第533
15号)。
【0027】本発明は、適当な宿主細胞に導入した場
合、25,000ダルトンの抗原性蛋白質を発現するこ
とができ、適当なキャリアーDNAと図5に示すゲノム
DNAからなる発現ベクターを提供する。本発明のゲノ
ムDNAを運搬する発現ベクターの場合、適当な宿主細
胞としては真核細胞すなわち酵母細胞または哺乳類細胞
がある。ほかに適当な宿主細胞は細菌宿主細胞すなわち
大腸菌がある。さらに、適当な宿主細胞中に導入した場
合、約25,000ダルトン未満の分子量をもつ抗原性
ポリペプチドを発現可能な発現ベクターも意図される。
このベクターは適当なキャリアーDNAと約25,00
0ダルトン未満の分子量をもつ抗原性ポリペプチドおよ
び図5または図7に示す核酸配列を有するDNAによっ
てコードされる蛋白質のアミノ酸配列内に包含されるア
ミノ酸配列をコードするDNAからなる。非キャリアー
DNAは他のアミノ酸配列をコードする付加的DNAを
もっていてもよく、この場合にはポリペプチドの分子量
は付加的アミノ酸配列の分子量によって増大する。
【0028】適当なキャリアーDNAとしては、真核細
胞の形質転換に使用するために本発明のゲノムDNA分
子を運搬できる任意のDNAセグメントが用いられる。
適当なキャリアーDNAの例としては真核生物ウイル
ス、好ましくは通常使用される鳥ウイルス、たとえばマ
レック病ウイルス、ニワトリポックスウイルスもしくは
七面鳥ヘルペスウイルス(HVT)、またはそれらの任
意の突然変異誘導体から導かれるキャリアーDNAがあ
る。さらに、適当な宿主細胞中に導入した場合、25,
000ダルトン以上の分子量をもつ抗原性ポリペプチド
を発現可能な発現ベクターも意図される。このベクター
は適当なキャリアーDNAと本発明のゲノムDNA分子
および他のアミノ酸配列をコードするDNAからなる。
適当な宿主細胞に導入した場合、25,000ダルトン
の抗原性ポリペプチドを発現できる細菌性発現ベクター
は、プラスミドDNAと本発明のcDNAからなる。
ac、lambda PR およびtacプロモーターの
コントロール下にある場合、このベクターはpDET1
と呼ばれる。lacおよびtacプロモーターのコント
ロール下にある場合、このベクターはpDET2と呼ば
れる。
【0029】適当な細菌性発現ベクターは二本鎖DNA
分子で5′から3′への順に、プロモーターおよびオペ
レーターまたはプロモーターのみを含有するDNA配
列、所望の遺伝子のmRNAを宿主細胞内のリボソーム
へ結合可能にするためのリボソーム結合部位を含むDN
A配列、ATG開始コドン、所望の遺伝子をベクター内
に、ATG開始コドンと同位相で挿入するための制限酵
素部位、宿主細胞内での自動複製が可能な細菌性プラス
ミドからの複製オリジンを含むDNA配列、選択または
同定可能な表現型の特徴を伴う遺伝子を含有し、ベクタ
ーを宿主細胞内に置いた場合に表現されるDNA配列、
を包含する。
【0030】本発明は、適当な細菌性宿主細胞内に導入
した場合、約25,000ダルトン未満の分子量を有す
る抗原性ポリペプチドを発現可能な細菌性発現ベクター
を意図する。このベクターは、プラスミドDNAと、図
7に示すアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドをコードするDNAからなる。非プラ
スミドDNAはまた、他のアミノ酸配列をコードする付
加的DNAをもっていてもよく、この場合、ポリペプチ
ドの分子量は付加的アミノ酸配列の分子量によって増大
する。本発明は、適当な宿主細胞に導入した場合、約2
5,000ダルトンのポリペプチドが他のアミノ酸配列
に融合した融合ポリペプチドの発現が可能な細菌性発現
ベクターを提供する。これは、プラスミドDNAと、他
のアミノ酸配列をコードするDNAに融合した本発明の
cDNAから構成される。
【0031】ベクターpBGC23は、分子量約13
5,000ダルトンで図7に示すアミノ酸配列のアミノ
末端にβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列が融合した
抗原性融合ポリペプチドをコードする。ベクターpCO
C12は、分子量約65,000ダルトンで図7に示す
アミノ酸配列のアミノ末端にプロキモシンのアミノ酸配
列が融合した抗原性融合ポリペプチドをコードする。ベ
クターpCOC20は、分子量約56,500ダルトン
で図7に示すアミノ酸配列のアミノ末端にプロキモシン
の天然配列から83個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列が融合した抗原性融合ポリペプチドをコードする。本
発明の細菌性発現ベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換
に使用された。REN3/pBGC23と命名された大
腸菌宿主細胞はベクターpBGC23を(ATCC登録
番号第53314号)、REN3/pCOC20と命名
された大腸菌宿主細胞はベクターpCOC20を(AT
CC登録番号第53313号)、REN3/pDET1
と命名された大腸菌宿主細胞はベクターpDET1を
(ATCC登録番号第53316号)、REN3/pD
ET2と命名された大腸菌宿主細胞はベクターpDET
2を(ATCC登録番号第53318号)含有する。
【0032】抗原性ポリペプチドの製造は、本発明の任
意の宿主細胞をDNAの発現、ポリペプチドの産生が可
能な適当な条件下に生育させ、生成したポリペプチドを
適当な条件下に回収することによって行われる。回収工
程はまず、ポリペプチドを宿主細胞から分離し、ついで
それを精製し、それを可溶化し、それを再生し、最後
に、精製、可溶化、再生された抗原性ポリペプチドを回
収することにより行われる。Eimeria tene
lla感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法は、本
発明の任意のポリペプチドの免疫感作有効量を鶏に投与
するものである。ポリペプチドは2種またはそれ以上の
ポリペプチドの任意の組合せで投与することもできる。
【0033】Eimeria tenellaの感染に
対する能動免疫を鶏に付与するワクチンは、本発明のポ
リペプチド任意の1種の免疫感作有効量と適当な担体を
1回用量としたものである。ワクチンは、本発明の2種
またはそれ以上のポリペプチドの組合せと適当な担体か
らなるものであってもよい。一実施態様においては、ワ
クチンに用いられるポリペプチドは分子量約135,0
00ダルトンで図7に示すアミノ酸配列のアミノ末端に
β−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列が融合した融合ポ
リペプチドである。他の実施態様においては、ワクチン
に用いられるポリペプチドは分子量約65,600ダル
トンで図7に示すアミノ酸配列のアミノ末端にプロキモ
シンのアミノ酸配列が融合した融合ポリペプチドであ
る。Eimeria tenella感染からの鶏の防
御は、本発明の任意のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る方法で行われる。
【0034】プラスミドpDTE1は、25,000ダ
ルトンのポリペプチドをlac、lamda PR およ
tacプロモーターのコントロール下にコードする。
プラスミドpDTE2は、25,000ダルトンのポリ
ペプチドをlacおよびtacプロモーターのコントロ
ール下にコードする(図8)。pDET1/pDET2
蛋白質の最大収率は、プロテアーゼ欠損大腸菌株におい
て達成された(図9)。pDET1およびpDET2蛋
白質は、細胞溶解物の不溶性分画に認められた。プラス
ミドpBGC23は大腸菌β−ガラクトシダーゼの暗号
配列の3′末端をcDNA誘導TA4ポリペプチドの暗
号配列の5′末端に融合させることによって構築され、
約135,000ダルトンの融合ペプチドをコードする
(図10)。pBGC23蛋白質は、大腸菌中で安定で
あるが、不溶性である(図11)。プラスミドpCOC
12は、ウシプロキモシンの暗号配列の3′末端をcD
NA誘導TA4ポリペプチドの暗号配列の5′末端に融
合することによって構築され、約65,600ダルトン
の融合蛋白質をコードする。プラスミドpCOC20
は、pCOC12から、融合蛋白質のプロキモシン領域
中の欠失により構築され、約56,500ダルトンの融
合蛋白質をコードする(図13)。pCOC12および
pCOC20蛋白質は大腸菌内で安定であるが、不溶性
である(図14)。不溶性の、細菌産生TA4蛋白質は
E.tenella種虫対して産生される中和モノクロ
ナール、Ptn7.2A4/4と免疫反応性を示さなか
った。pBGC23およびpCOC12からの不溶性蛋
白質をマウスに注射しても、E.tenellaから精
製されたTA4抗原と交差反応する抗体は産生されなか
った。
【0035】本発明はまた、細菌産生TA4蛋白質を不
溶性状態から抽出する方法およびその蛋白質をモノクロ
ナール抗体Ptn7.2A4/4と免疫反応性にする方
法を提供する。それは、蛋白質を8M尿素中に可溶化
し、ついで希釈して、アルカリ性pH(pH11)で再
生し、pH8.3に逆滴定する方法である。別法とし
て、蛋白質を8M尿素中に可溶化し、尿素を透析で除去
してもよい。尿素−アルカリ可溶化/再生過程をpCO
C12蛋白質に対して用いた場合、再生蛋白質は凝乳活
性とモノクロナール抗体Ptn7.2A4/4との免疫
活性の両者を示した。再生条件はpCOC12蛋白質を
用いて至適化した。pCOC20蛋白質およびpBGC
23蛋白質についての至適再生条件もpCOC12の場
合と同じであることが明らかになった。一方、pDET
2蛋白質の場合、至適再生条件はアルカリ性pHでの尿
素透析であった。
【0036】再生pBGC23およびpCOC12蛋白
質はマウスに抗体を誘導し、これはE.tenella
から精製したTA4抗原と反応した。鶏を再生pBGC
23およびpCOC12蛋白質で免疫感作したところ、
E.tenellaの種虫に対する血清中和抗体を誘導
し、E.tenellaをチャレンジした鶏でコクシジ
ウム症を緩和した。本発明はまた、細菌性再生TA4蛋
白質を鶏に投与することによる、Eimeria te
nella感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法を
包含する。この方法により、非免疫鶏に能動免疫を付与
することができる。さらに、これらの物質の投与は、以
前にE.tenellaに曝露された鶏における比較的
低レベルの免疫を増強するのに、また追加予防接種に用
いることができる。
【0037】細菌性TA4蛋白質は、公知の任意の方法
で鶏に投与することができる。望ましい投与方法には、
皮下、腹腔内、もしくは頚背部への筋肉内注射、または
任意の慣用の形式の経口投与がある。抗原の免疫感作有
効量は、約0.1μg〜約1mgの任意の量である。望
ましい抗原量は約10μg以上である。好ましい抗原量
は体重1kgあたり約500μgである。また、投与は
経口でも(たとえばカプセルによる)、注射(たとえ
ば、皮下、皮内、また好ましくは筋肉内注射)でもよ
い。投与方法が注射の場合には、任意の医薬的に許容さ
れる担体が使用できる。適当な担体には0.01〜0.
1M好ましくは0.05Mリン酸緩衝剤、または0.8
%食塩水がある。Eimeria tenella感染
に対する能動免疫を鶏に付与するためのワクチンは、本
発明の抗原性物質、すなわち細菌性再生TA4蛋白質の
免疫感作有効量と適当な担体からなる。ワクチン中の抗
原性物質の免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約
0.1μg以上が好ましい。さらに、担体には防腐剤も
添加することが望ましい。とくに適当な防腐剤はチメロ
サール(エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム)であ
り、これは細菌および黴の両者の発育阻止活性を有す
る。ワクチン中にチメロサールを最終濃度が10 -4%に
なるように添加するのが好ましい。
【0038】さらに、担体は、免疫増強剤、すなわち処
置動物のワクチンに対する免疫応答を増強する物質を含
有することが望ましい。たとえばSalmonella
minnesota LPSを1用量あたり10μg
加える。本技術分野で公知の各種免疫増強剤が使用であ
る。現在用いられているアジュバントとしては94%D
rakeol 6−VR、5%Arlacel A、1
%Tween 80がある。Arlacel Aはマニ
ッドモノオレエート(Sandnia Corp.)で
あり、抗原と合したときに強力な免疫増強剤活性を示
す。Drakeol 6−VRは低アレルギー性の軽鉱
油製品(Penreco Corp.)である。Twe
en 80はポリオキシエチレンソルビタンのモノオレ
エート誘導体で、界面活性作用を有する。その他の適当
な担体または免疫増強剤としては、硫酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、オキシン分子のリガンド発見サブユ
ニット、バオオアドヘッシブ、リンホカインおよび水中
乳乳化液が包含される。
【0039】このようなワクチンの適当用量を鶏に投与
することにより、鶏はE.tenellaの感染に対し
て防御される。1回あたりの抗原性物質の用量は、投与
された動物に抗原性物質に対する抗体の産生を誘発する
のに十分な量でなければならない。抗体の産生および防
御から判断して十分な免疫応答を得るためには、抗原性
物質の1回投与量は望ましくは、予防接種動物の体重1
kgあたり約20.0μg以上である。すなわち、1日
齢、50gのヒナの場合の抗原性物質の量は約1.0μ
g以上である。現時点では、抗原性物質10μgを含有
するワクチンが好ましい。一般的に、抗原は重量ベース
でワクチンの約0.002%から約0.2%までとし、
用量は約0.1mlとなる。本発明はまた、分子量約2
6,000ダルトンで、ジスルフィド結合で結合した2
個のポリペプチドから構成され、一方のポリペプチドは
分子量約18,000でN末端アミノ酸が遮閉されてい
ることを特徴とし、他方のポリペプチドは分子量約8,
000ダルトンであって、Eimeria necat
rixの感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏
に誘発できる精製抗原性蛋白質(以下NA4と呼ぶ)を
提供する。
【0040】26,000ダルトン抗原性蛋白質または
その18,000ダルトンおよび8,000ダルトンポ
リペプチド成分の抗原性類縁体も本発明に包含される。
本明細書において用いられる「類縁体」の語は、アミノ
酸配列が図17に示した26,000ダルトン蛋白質な
らびに18,000および8,000ダルトンポリペプ
チドについて記載した配列とは、1種または2種のアミ
ノ酸の置換の結果、異なるアミノ酸配列を有するポリペ
プチドを意味する。このような類縁体は、それがE.n
ecatrixまたはE.tenellaに対する防御
を付与する免疫応答を誘発できる抗原性を保持している
限り、本発明に包含される。
【0041】NA4蛋白質は、まずEimeria n
ecatrixのスポロシストを適当な非還元条件下、
プロテアーゼ阻害剤の存在下に界面活性剤と接触させ
て、スポロシスト膜蛋白質を可溶化することによって製
造される。次に、可溶化したスポロシスト膜蛋白質か
ら、適当な非還元条件下に、所望の蛋白質を分離回収す
る。回収は、可溶化スポロシスト膜蛋白質を、適当な非
還元条件下に、DEAE−HPLCクロマトグラフィー
ついでプレパラティブSDSゲル電気泳動によって部分
精製することにより行われる。回収はまた、モノクロナ
ール抗体Ptn7.2A4/4(ATCC第HB856
1号)を用いた免疫沈殿また免疫アフィニティークロマ
トグラフィーによっても実施できる。本発明は、Eim
eria necatrixおよびEimeria t
enella感染に対する防御機構を付与する免疫応答
を鶏に誘導でき、26,000ダルトンNA4蛋白質の
アミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドを提供する。このようなポリペプチドは、NA
4蛋白質からの抗原性決定基を含有し、免疫応答を誘発
できるすべてのアミノ酸配列を包含する。このポリペプ
チドの類縁体およびそのポリペプチドに対するモノクロ
ナール抗体も、本発明に包含される。さらに、そのモノ
クロナール抗体に対する抗−イデイオタイプ抗体も、本
発明に包含される。
【0042】NA4蛋白質中に存在するアミノ酸配列を
包含する抗原性ポリペプチドは、各種の方法によって製
造できる。たとえば、化学的にもしくは酵素的に合成、
組換えDNA法によって生産、NA4抗原から製造また
E.necatrixのスポロシストもしくは種虫か
ら製造できる。本発明の抗原は、NA4蛋白質のアミノ
酸配列内に包含されるアミノ酸配列のほかに、1種また
は2種以上の他の物質、すなわち、ポリサッカライドた
とえばデキストラン、または他のアミノ酸配列たとえば
図17に示されたアミノ酸配列に含まれないアミノ酸配
列を含有することもできる。また、26,000ダルト
ンNA4蛋白質のアミノ酸配列とさらに付加的アミノ酸
配列を有し、Eimeria necatrixおよび
Eimeria tenellaの感染に対する防御機
構を付与する免疫応答を鶏に誘導可能な、融合抗原性ポ
リペプチドも本発明に包含される。このポリペプチドの
類縁体、それに対するモノクロナール抗体も本発明に包
含される。さらに、このモノクロナール抗体に対する抗
イデイオタイプ抗体も本発明に包含される。
【0043】NA4抗原の18,000ダルトンポリペ
プチドは、まず、Eimerianecatrixのス
ポロシストを適当な条件下、プロテアーゼ阻害剤の存在
下に界面活性剤と接触させて、スポロシスト膜蛋白質を
可溶化させる。ついで、可溶化したスポロシスト膜蛋白
質からポリペプチドを適当な還元性条件下に、分離回収
する。この回収工程には、可溶化スポロシスト膜蛋白質
の、適当な還元性条件下でのDEAE−HPLCクロマ
トグラフィーついでプレパラティブSDSゲル電気泳動
による部分精製が包含されてもよい。
【0044】本発明は、それ自体Eimeria ne
catrixおよびEimeriatenellaの感
染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導でき
るNA4抗原の18,000ダルトンポリペプチドのア
ミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチドを包含する。ま
た、18,000ダルトンポリペプチドのフラグメント
である抗原性ポリペプチドまたは、18,000ダルト
ンポリペプチドに付加的アミノ酸配列が融合した抗原性
ポリペプチドも本発明に包含される。これらのフラグメ
ントそれぞれの抗原性類縁体、ならびにそれぞれのフラ
グメントに対して産生する抗−イデイオタイプ抗体も、
本発明に包含される。NA4蛋白質の他の製造方法とし
ては、その蛋白質をコードするDNA分子の製造、その
DNA分子の適当な発現ベクターたとえばPLもしくは
lacプロモーターを含むベクター中への挿入、得られ
た発現ベクターの適当な宿主細胞たとえば大腸菌への、
DNAの発現および蛋白質の産生を可能にする適当な条
件での導入、および産生蛋白質の回収による方法があ
る。NA4抗原の18,000ダルトンポリペプチドの
他の製造方法としては、このポリペプチドをコードする
DNAの製造、このDNA分子の適当な発現ベクター中
への挿入、得られた発現ベクターたとえばPLまたはl
acプロモーター含有ベクターの、そのDNAの発現お
よび蛋白質の産生を可能にする適当な条件下での適当な
宿主細胞たとえば大腸菌への導入、および産生蛋白質の
回収による方法がある。
【0045】胞子形成過程の多くの時点で、スポロシス
トからメッセンジャーRNAを単離することができる。
これらのmRNAサンプルは、ついで、in vitr
(44)またin vivo系を用いて翻訳すること
ができる。次に、翻訳生成物を、モノクロナール抗体
(Ptn7.2A4/4)を用いて免疫沈殿させる。N
A4抗原をコードするmRNAプレパレーションを用い
て、次に、二本鎖cDNAを製造する(44)。このc
DNAを適当なクローニングベクターに挿入し、これを
用いて大腸菌を形質転換し、cDNAライブラリーを発
生させる。このcDNAライブラリーを、NA4抗原の
18,000ダルトンポリペプチド成分からのアミノ酸
配列情報に基づいて構築された同位元素標識オリゴヌク
レオチドプローブを用い、コロニーハイブリダイゼーシ
ョン法によってスクリーニングする。18,000ダル
トンポリペプチドに対するヌクレオチド配列を含む細菌
コロニーからベクターDNAを単離し、挿入されたコク
シジウムDNAの配列を決定する。
【0046】本発明はまた、NA4抗原の8,000ダ
ルトンポリペプチドのアミノ酸配列を有し、Eimer
ia necatrixまたはEimeria ten
ella感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏
に誘導できる抗原性ポリペプチドを提供する。また、
8,000ダルトンポリペプチドのフラグメントである
抗原性ポリペプチドまたは8,000ダルトンポリペプ
チドが付加的アミノ酸配列に融合した抗原性ポリペプチ
ドを提供する。これらのフラグメントそれぞれの抗原性
類縁体、ならびに各フラグメントに対するモノクロナー
ル抗体を提供する。モノクロナール抗体に対する抗イデ
イオタイプ抗体も本発明に包含される。
【0047】Eimeria necatrixもしく
Eimeria tenella、またはその両者に
よる感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法は、NA
4蛋白質、18,000ダルトンポリペプチド、8,0
00ダルトンポリペプチド、それらのフラグメント、そ
れらの融合生成物またはそれらの類縁体の免疫感作有効
量を鶏に投与するものである。これらの各種抗原それぞ
れは、単独にまたは他の抗原1種もしくは2種以上と組
合せて使用される。これらの物質の投与は、以前にE.
tenellaまたはE.necatrixに曝露され
たことがある鶏の比較的に低レベルの免疫を増大させる
ため、および追加予防接種のために、使用できる。
【0048】本発明のNA4抗原または任意の抗原性ポ
リペプチドは、任意の公知の方法によって鶏に投与する
ことができる。望ましい投与方法としては、背頚部の皮
下または筋肉内注射がある。抗原の免疫感作有効量は、
約0.1μg〜約1mgの任意の量である。抗原の量は
約10μg以上であることが望ましい。好ましい抗原量
は鶏の体重1kgあたり約500μgである。また、投
与は、経口(たとえばカプセルによる)または望ましく
は注射(たとえば皮下、皮内、また好ましくは筋肉内注
射)によって行われる。投与方法が注射である場合、任
意の医薬的に許容される担体が使用できる。適当な担体
としては、0.01〜0.1M好ましくは0.05Mリ
ン酸塩緩衝液または0.8%食塩水を挙げることができ
る。Eimeria necatrixもしくはEim
eria tenellaまたはその両者の組合による
感染に対して鶏に能動免疫を付与するためのワクチン
は、1用量あたり、NA4蛋白質、18,000ダルト
ンポリペプチド、8,000ダルトンポリペプチド、そ
れらのフラグメント、それらの融合蛋白質、またはそれ
らの類縁体の免疫感作有効量と、適当な担体からなる。
各種抗原はそれぞれ、単独にまたは他の抗原1種もしく
は2種以上の組合せで使用できる。免疫感作有効量は通
常、鶏1kgあたり約0.1μg以上である。Eime
rianecatrixもしくはEimeria te
nellaのいずれかまたは両者の組合せによる感染に
対して鶏を防御する方法は、このワクチンの適当量を鶏
に投与することである。
【0049】このようなワクチン適当用量を鶏に投与す
ることにより、鶏をE.necatrixまたはE.t
enella感染に対して防御される。1用量あたりの
抗原物質量は、ワクチン投与動物に抗原性物質に対する
抗体の産生を誘導するのに十分な量でなければならな
い。抗体産生および防御効果の点からみて十分な免疫応
答を与えるには、1用量あたりの抗原性物質の量は予防
接種動物の体重1kgあたり約20.0μg以上が望ま
しい。すなわち、50gの1日齢ヒナの場合の抗原性物
質量は約1.0μg以上である。現時点では、抗原性物
質10μgを含有するワクチンが好ましい。一般的に、
抗原はワクチン中約0.002重量%から0.2重量%
の割合で添加され、投与容量は約0.1mlとなる。
【0050】本発明はまた、NA4蛋白質をコードし、
図17に示した核酸配列を有する核酸分子を提供する。
さらに、NA4の少なくとも1種の蛋白質をコードする
cRNAおよびmRNAを提供する。これらの核酸分子
はクローニングビークル中に挿入され、これが適当な宿
主細胞に中に挿入される。適当な宿主細胞は真核細胞、
たとえば酵母細胞または哺乳類細胞である。本発明はま
た、NA4蛋白質をコードするcDNA分子の少なくと
も部分とクローニングベクターDNAからなる組換えク
ローニングベクターを提供する。クローニングベクター
は第1および第2の制限酵素部位の存在を特徴とする。
cDNAはこれらの部位の間にクローン化される。組換
えクローニングベクターDNAはプラスミドDNAとす
ることができる。さらに、宿主細胞は細菌性細胞とする
ことができる。
【0051】プラスミドDNAと、NA4をコードする
cDNA約90%からなる組換えクローニングベクター
が構築され、pSMACと命名された。このプラスミド
で形質転換された大腸菌宿主細胞はJM83/pSMA
Cと命名され、ATCCに登録番号第67 241号で
寄託されている。同じくNA4をコードするcDNA約
90%を包含する他の組換えクローニングベクターも構
築され、pSS33と命名された。このベクターで形質
転換された大腸菌宿主細胞はJM83/pSS33と命
名され、ATCCに登録番号第67 242号として寄
託されている。蛋白質NA4をコードするcDNA約1
00%を包含する組換えクローニングベクターがさらに
構築され、pNCDと命名された。このプラスミドは大
腸菌宿主細胞の形質転換に使用され、これはJM83/
pNCDと命名され、ATCCに登録番号第67266
号として寄託された。本発明はまた、組換え発現ベクタ
ーを提供する。その一実施態様においては、NA4蛋白
質の少なくとも部分と他のアミノ酸配列からなる融合ポ
リペプチドを可能にする組換え発現ベクターがある。こ
のような発現ベクターが構築され、pTDS1、pTD
S2、pDDS1およびpDDS2と命名された。これ
らのプラスミドは大腸菌細胞の形質転換に使用され、そ
れぞれMH1/pTDS1、MH1/pTDS2、MH
1/pDDS1およびJM83/pDDS2と命名さ
れ、ATCCに登録番号第67 240号、第67 2
64号、第67 243号および第67 265号とし
て寄託されている。
【0052】NA4蛋白質の製造方法は、上述のクロー
ニングベクターを、蛋白質の産生を可能にする適当な条
件下に挿入された宿主細胞を生育させ、生成した蛋白質
を回収するものである。本発明はまた、NA4蛋白質と
ほぼ同じアミノ酸配列を有するが、細菌または他の異種
宿主内での発現のために相違する蛋白質をも包含する。
さらに一態様として、NA4抗原の主たる保護的構造と
共通の空間的特徴を有する部分構造で、前述の抗原を置
換することもできる。
【0053】このような組成物の例としては、NA4蛋
白質または本発明の抗原性ポリペプチドの1種に対する
抗体、たとえばモノクロナール抗体Ptn7.2A4/
4で、その構造がそれぞれの抗原決定基に対する特異性
を付与する抗体の構造に対して産生する抗イデイオタイ
プの抗体が包含される。このような抗イデイオタイプ抗
体はモノクロナール抗体とすることもできるし、ポリク
ロナール抗体として産生させることもできる。前者の例
としては、抗体Ptn7.2A4/4はハイブリドーマ
細胞系ATCC No.HB8561から回収され、精
製され、任意の適当なキャリアー蛋白質たとえばキーホ
ールリンペットヘモシアニン(KLH)に共有結合で付
着させる。精製された抗体、好ましくは精製された抗体
−KLH複合体を、好ましくはフロインド完全アジュバ
ントのようなアジュバントとともに、適当な哺乳類リン
パ球ドナー好ましくはBalb/C系マウスに、反復注
射する。免疫処置マウスのリンパ球からハイブリドーマ
が発生する。ハイブリドーマを、モノクロナール抗体P
tn7.2A4/4との反応ではNA4抗原と競合する
が、NA4抗原もPtn7.2A4/4以外のげっ歯類
免疫グロブリンも認識しない抗体についてスクリーニン
グした。モノクロナール抗体Ptn7.2A4/4に対
する抗−イデイオタイプ抗体を分泌するハイブリドーマ
をさらに増殖させ、クローン化する。抗−イデイオタイ
プ抗体の製造は、ハイブリドーマの生育およびモノクロ
ナール抗体の発現に適当なメジウム中での細胞培養、ま
たは好ましいビークルとしてBalb/Cマウスを用い
た抗体産生ハイブリドーマの宿主動物中での生育によっ
て実施される。
【0054】抗−イデイオタイプ抗体はまた、動物への
Ptn7.2A4/4の注射によっても製造できる。好
ましい一方法は、精製したPtn7.2A4/4、50
0μgを適当なアジュバントたとえば完全フロインドア
ジュバント中に処方化し、適当な動物たとえばウサギに
反復注射する方法である。十分に注射したのち、適当な
期間後に動物から血清を採取する。ついで、抗イデイオ
タイプ抗体を血清から、たとえばSepharoseTM
のような不溶性支持体に固定化した正常マウス血清に吸
着させて回収した。得られた抗血清の特異性は、モノク
ロナール抗体Ptn7.2A4/4と反応性を示すが正
常げっ歯類抗体に対して反応しないことで確認される。
【0055】上述のようにして製造された抗−イデイオ
タイプ抗体をさらにIgGフラクションのレベルまで精
製する。精製した抗−イデイオタイプ抗体は、抗原の場
合に記述したと同様に、任意の公知方法で投与すること
ができる。本発明の抗イデイオタイプ抗体の有効量を鶏
に投与すると、これがEimeria necatri
またはEimeria tenella感染に対する
能動免疫を鶏に付与する方法になる。この目的でのワク
チンは抗−イデイオタイプ抗体の免疫感作有効量と適当
な担体からなる。このワクチンの適当用量を鶏に投与す
ると、Eimeria necatrixまたはEim
eria tenella感染に対する鶏の防御方法に
なる。1用量あたりの抗イデイオタイプ抗体の量はワク
チン投与動物に抗体の産生を誘発するのに十分な量でな
ければならない。抗体の産生によって示される免疫応答
の誘発に要する1用量あたりの抗イデイオタイプ抗体量
は、予防接種する鳥の体重1kgあたり50μg以上で
ある。すなわち50gの1日齢ヒナの場合、抗−イデイ
オタイプ抗体2.5μgが投与される。したがって、抗
−イデイオタイプ抗体25μgを含むワクチンが好まし
い。一般的に、抗−イデイオタイプ抗体はワクチン中に
約0.002重量%から0.2重量%の割合で添加さ
れ、投与容量は0.2ccである。
【0056】本発明はまた、Eimeria neca
trixの卵母細胞から全ゲノムDNAを単離し、単離
されたゲノムDNAからDNAフラグメントを調製し、
このフラグメントを適当なクローニングベクターにリゲ
ートし、得られたクローンのDNAを図17に示す核酸
配列内に存在する核酸配列を含むかまたはそれと相補性
のオリゴヌクレオチドとハーブリダイゼーションさせて
適当なクローンを同定し、適当なクローンから図17に
示す蛋白質をコードし、その核酸配列を有するDNAを
単離することによる、図17に示す核酸配列を有するD
NAを得る方法を提供する。
【0057】NA4蛋白質は、E.necatrix
スポロシストから誘導される、精製種虫膜蛋白質であ
る。この蛋白質は、E.necatrixおよびE.t
enella小腸内寄生体の感染に対する防御機能を付
与する免疫応答を非免疫鶏に誘導できる抗原である。こ
の蛋白質はE.necatrixから誘導されたが、こ
の蛋白質を他の方法、たとえば組換えDNA技術または
全有機合成によって製造することが可能である。すなわ
ち、本発明は直接E.necatrixから製造された
蛋白質に限定されるものではなく、その製造方法とは無
関係にその蛋白質自体を包含するものである。このよう
にして製造された蛋白質も寄生体から精製された構造と
同一であるか、同一の一定のフラグメントとして存在す
る。それは相同性または非相同性配列とNA4の融合体
として存在してもよい。さらにそれは類縁体としてまた
は同一の内部イメージ(イデイオタイプ)として存在し
てもよい。NA4蛋白質抗原は分子量約26,000で
あり、ジスルフィド結合で結合した2個のポリペプチド
から構成される。このポリペプチドの一方は、分子量約
18,000で遮閉されたN末端アミノ酸が特徴的であ
る。
【0058】約16,000ダルトンのCNBrフラグ
メントは以下の部分アミノ酸配列:
【化4】 を有する。8,000ダルトンポリペプチドのN末端ア
ミノ酸配列は:
【化5】 である。NA4抗原をコードする遺伝子のDNA配列か
ら推測されるNA4蛋白質の全アミノ酸配列を図17に
示す。E.necatrixからのゲノムDNAを単離
し、制限エンドヌクレアーゼEcoRIで分解した。制
限フラグメントを適当なクローニングベクター、λ−g
t wes λ−Bにリゲートし、ゲノムライブラリー
を発生させた。
【0059】ついで、ゲノムライブラリーを、図2の
E.tenellaゲノムクローンの785bpSac
I−PvuIIフラグメントとのプラークハイブリダイ
ゼーションによってスクリーニングした。NA4抗原を
コードするゲノムクローンを単離したところ、DNA配
列は連続ヌクレオチド配列(図17)によってコードさ
れるNA4抗原の2個のペプチドを示した。18,00
0および8,000ダルトンペプチドは、したがって、
1本の26,000ダルトンペプチドの蛋白分解処理か
ら誘導される。また、シグナル配列をコードするDNA
配列は、通常、多くの分泌または膜蛋白質のアミノ末端
に見出される。本発明はさらに、Eimeria ma
ximaの感染に対する防御機構を付与する免疫応答を
鶏に誘導できる精製抗原性蛋白質に関する。この蛋白質
は分子量約55,000ダルトンで、抗原性ポリペプチ
ドからなる。
【0060】本明細書においては8B5蛋白質または8
B5抗原とも呼ばれる55,000ダルトン蛋白質は、
Eimeria maximaのメロゾイトから得られ
た。この蛋白質はE.maximaから誘導されたが、
この蛋白質は他の方法、たとえば組換えDNA技術また
は全有機合成によっても製造できる。すなわち、本発明
は直接E.maximaから製造された蛋白質に限定さ
れるものではなく、その製造方法と無関係にその蛋白質
自体を包含するものである。本発明はまた、分子量約5
5,000ダルトン未満で、8B5蛋白質内に存在する
アミノ酸配列を包含し、Eimeria maxima
感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導で
きる抗原性蛋白質を提供する。このポリペプチドは8B
5蛋白質からの抗原決定基を含有し、免疫応答を誘導可
能な全アミノ酸配列を包含する。
【0061】8B5蛋白質中に存在するアミノ酸配列を
含有する抗原性ペプチドは各種方法により、たとえば化
学的もしくは酵素的合成により、組換えDNA技術によ
り、また8B5抗原から、またはE.maximaメロ
ゾイトから製造できる。本発明はまた、8B5蛋白質の
製造方法を提供する。この方法には、E.maxima
のメロゾイトを適当な条件下、プロテアーゼ阻害剤の存
在下に界面活性剤と接触させて、メロゾイト膜蛋白質を
可溶化させる方法がある。ついでこの蛋白質を、蛋白質
の分離および精製方法を用いて、可溶化メロゾイト蛋白
質から分離回収する。このような方法は本発明の技術分
野における通常の熟練者にはよく知られていて、たとえ
ば、可溶化したメロゾイト膜のイオン交換クロマトグラ
フィーによる部分精製がある。また、8B5蛋白質は、
ATCCに登録番号HB8946号で寄託されているマ
ウスハイブリドーマ細胞系によって産生され、Pmx4
7.8B5と命名されたモノクロナール抗体のように、
8B5蛋白質に対するモノクロナール抗体を用いた免疫
沈殿または免疫吸着クロマトグラフィーによって、E.
maximaメロゾイト膜蛋白質から分離回収される
(上記寄託は、特許出願のための微生物寄託の国際認知
に関するブタペスト協定に従って行われた)。
【0062】8B5蛋白質のポリペプチドは、8B5蛋
白質の製造の場合と同じ方法で製造できる。ついでポリ
ペプチドは、たとえばイオン交換クロマトグラフィーた
とえばDEAE−セルロースでの部分精製により、また
ついで還元条件下におけるプレパラティブSDS−電気
泳動により、分離回収される。本発明の55,000ダ
ルトン8B5蛋白質または各種抗原性ポリペプチドの、
組換えDNA技術による製造方法も本発明によって提供
される。すなわち、8B5蛋白質またはポリペプチドを
コードするDNA分子を調製し、このDNA分子を適当
な発現ベクターたとえばPL またはlacプロモーター
含有ベクター中に挿入する。得られた発現ベクターを次
に適当な宿主たとえば大腸菌に、DNAの発現および蛋
白質またはポリペプチドの産生を可能にする適当な条件
下に導入し、生成した蛋白質またはポリペプチドを回収
する。
【0063】メッセンジャーRNA(mRNA)は、胞
子形成の任意の時点でメロゾイトから単離できる。これ
らのmRNAサンプルをin vitro(44)また
in vivo系を用いて翻訳する。翻訳生成物は、
モノクロナール抗体Pmx47.8B5または抗メロゾ
イト鶏血清を用いて免疫沈殿させることができる。8B
5抗原をコードするmRNAプレパレーションを用いて
二本鎖cDNAを調製する(44)。このcDNAを次
に適当なクローニングベクターに挿入し、ついで大腸菌
の形質転換に用い、cDNAライブラリーを発生させ
る。このcDNAライブラリーを、8B5抗原のポリペ
プチド成分からのアミノ酸配列情報に基づいて構築され
た同位元素標識オリゴヌクレオチドブロブを用い、コロ
ニーハイブリダイゼーション法でスクリーニングする。
ポリペプチドに対するヌクレオチド配列を含む細菌性コ
ロニーからのベクターDNAを単離し、挿入されたコク
シジウムDNAの配列を決定する(46,62)。
【0064】プラスミドDNAとモノクロナール抗体P
mx47.8B5によって認識されるエピトープをもつ
蛋白質をコードする核酸分子からなる発現ベクターが構
築された。融合蛋白質の発現が可能なベクターはp5−
3、p11−2、およびp13−8と命名された。これ
らのベクターで形質転換された大腸菌細胞は、それぞれ
SG9361p5−3、SG936/p11−2および
SG936/p13−8と命名され、ATCCに登録番
号67 253号、67 251号および67252号
として寄託されている。本発明はまた、本発明の8B5
抗原、抗原性ポリペプチドまたは他の抗原の免疫感作有
効量を鶏に投与することによる、Eimeria ma
ximaの感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法を
包含する。この方法により、非免疫鶏に能動免疫を付与
することができる。さらに、これらの物質の投与は、以
前にE.maximaに曝露された鶏の比較的低レベル
の免疫を増強させるため、また追加予防接種に使用する
ことができる。
【0065】本発明の8B5抗原または任意の抗原性ポ
リペプチドは、よく知られた任意の方法で鶏に投与する
ことができる。望ましい投与方法は、背頚部への皮下ま
たは筋肉内注射である。抗原の免疫処置有効量は、約
0.1μgから約1mgまでの任意の量である。抗原量
は約10μg以上とすることが望ましい。好ましい抗原
量は、体重1kgあたり約500μgである。また、投
与経路は、経口(たとえばカプセルによる)または望ま
しくは注射(たとえば皮下、皮内または好ましくは筋肉
内注射)によって行われる。投与方法が注射の場合は、
任意の医薬的に許容されるキャリアーが使用できる。適
当なキャリアーには、0.01〜0.1M好ましくは
0.05Mリン酸緩衝液または0.8%食塩水がある。
本発明の抗原性物質、すなわち8B5抗原、抗原性ポリ
ペプチドまたは本発明の他の抗原の免疫感作有効量と適
当なキャリアーからなる、Eimeria maxim
感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチンを提供
する。ワクチン中の抗原性物質の好ましい免疫感作有効
量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μg以上である。
【0066】このようなワクチンの適当用量を鶏に投与
することにより、E.maxima感染に対して鶏が防
御される。1用量あたりの抗原性物質量は、ワクチン投
与動物に抗原性物質に対する抗体産生を誘発するのに十
分な量でなければならない。抗体産生および防御効果で
評価される十分な免疫応答を与えるための、1用量あた
りの抗原物質の量は、予防接種動物の体重1kgあたり
約20.0μg以上とすることが望ましい。すなわち、
50gの1日齢ヒナに対する抗原物質の量は約1.0μ
gである。したがって、ワクチンは抗原性物質10μg
を含有することが好ましい。一般的に、抗原はワクチン
中約0.002重量%〜約0.2重量%添加され、1回
投与用量は約0.1mlとする。本発明の他の態様とし
ては、本発明の8B5蛋白質および抗原性ポリペプチド
に対するモノクロナール抗体が包含される。特定の態様
としては、ハイブリドーマ細胞系ATCC HB894
6号によって産生された上述のモノクロナール抗体Pm
x47.8B5を挙げることができる。
【0067】8B5抗原またはその抗原性フラグメント
に対するモノクロナール抗体、たとえばモノクロナール
抗体Pmx47.8B5の防御有効量を鶏に投与するこ
とにより、E.maxima感染に対する受動免疫を鶏
に付与することができる。この目的に有用な組成物は、
適当なモノクロナール抗体たとえばモノクロナール抗体
Pmx47.8B5の保護有効量と、適当な担体からな
る。上記組成物は、経口的に投与した場合、感染を防御
するのに十分な用量のモノクロナール抗体から構成する
ことができる。抗体の通常の用量は1日1羽あたり抗体
約100μgであり、水溶液または凍結乾燥物として投
与できる。組成物は飲水添加用の水溶液の形とすること
が好ましい。抗体は0.15Mリン酸塩緩衝食塩水pH
7に溶解し、チメロサールを最終蛋白質含量1〜100
mg/mlに対して0.0001%含有させる。製品
は、所望の抗体レベルが維持されるようにした飲水から
連続的に投与される。このような組成物の適当用量の鶏
への投与が、E.maxima感染に対する受動免疫の
付与方法である。
【0068】さらに他の態様によれば、8B5抗原の主
たる保護構造の特徴と共通の空間的特徴を有する部分構
造で、前述の抗原を置換する。このような組成物の例と
しては、8B5蛋白質または本発明の抗原性ポリペプチ
ドの1種、たとえば各抗原決定基に対する特異性を付与
する構造をもつモノクロナール抗体Pmx47.8B5
の構造に対して産生した抗−イデイオタイプ抗体が包含
される。このような抗−イデイオタイプ抗体はそれ自体
本来モノクロナールであるが、またポリクロナール抗体
として産生することもできる。前者の例としては、抗体
Pmx47.8B5をハイブリドーマ細胞系ATCC
No.HB8946から回収し、精製し、任意の適当な
キャリアー蛋白質、たとえばキーホールリンペットヘモ
シアニン(KLH)に共有結合させる。精製された抗
体、好ましくは精製された抗体−KLH複合体を、好ま
しくはフロインド完全アジュバントのようなアジュバン
トとともに、適当な哺乳類リンパ球ドナー好ましくはB
alb/C系マウスに、反復注射する。免疫処置マウス
のリンパ球からハイブリドーマが発生する。
【0069】ハイブリドーマをモノクロナール抗体Pm
x47.8B5との反応では8B5抗原と競合するが、
8B5抗原もPmx47.8B5以外のげっ歯類免疫グ
ロブリンも認識しない抗体についてスクリーニングし
た。このようなハイブリドーマが分泌する、モノクロナ
ール抗体Pmx47.8B5に対する抗イデイオタイプ
抗体をさらに増殖させ、クローン化する。抗−イデイオ
タイプ抗体の製造は、ハイブリドーマの生育およびモノ
クロナール抗体の発現に適当なメジウム中での細胞培
養、または好ましいビークルとしてBalb/Cマウス
を用いた抗体産生ハイブリドーマの宿主動物中での生育
によって実施される。抗−イデイオタイプ抗体はまた、
動物へのPmx47.8B5の注射によっても製造でき
る。好ましい一方法は、精製したPmx47.8B5、
500μgを適当なアジュバントたとえば完全フロイン
ドアジュバント中に処方し、適当な動物たとえばウサギ
に反復注射する方法である。十分に注射したのち、適当
な期間後に動物から血清を採取する。ついで、抗−イデ
イオタイプ抗体を血清から、たとえばSepharos
TMのような不溶性支持体に固定化した正常マウス血清
に吸着させて回収した。得られた抗血清の特異性は、モ
ノクロナール抗体Pmx47.8B5と反応性を示す
が、正常げっ歯類抗体に対しては反応しないことで確認
された。
【0070】上述の抗−イデイオタイプ抗体はさらに、
IgGフラクションのレベルに精製される。精製された
抗−イデイオタイプ抗体は、抗原の場合に記述したと同
様、任意の公知方法で投与することができる。本発明の
抗−イデイオタイプ抗体の有効量を鶏に投与すること、
これがEimeria maximaの感染に対する能
動免疫を鶏に付与する方法になる。この目的でのワクチ
ンは、抗−イデイオタイプ抗体の免疫感作有効量と適当
な担体からなる。このワクチンの適当用量を鶏に投与す
ると、Eimeria maximaの感染に対する鶏
の防御方法になる。
【0071】1用量あたりの抗−イデイオタイプ抗体の
量はワクチン投与動物に抗体を産生を誘発するのに十分
な量でなければならない。抗体の産生によって示される
免疫応答の誘発に必要な1用量あたりの抗−イデイオタ
イプ抗体量は、予防接種する鳥の体重1kgにつき50
μg以上である。すなわち、50gの1日齢ヒナの場
合、抗−イデイオタイプ抗体2.5μgが投与される。
したがって、抗−イデイオタイプ抗体25μgを含むワ
クチンが好ましい。一般的には、抗−イデイオタイプ抗
体は、ワクチン中に約0.002重量%〜0.2重量%
の割合で添加され、1回投与容量は0.2ccである。
本発明の他の態様には、8B5蛋白質をコードする核酸
分子、たとえばDNA、cDNA、RNAまたはmRN
Aがある。その一態様は、本発明の抗原性ポリペプチド
をコードするDNA分子である。
【0072】他の態様としては、たとえば8B5蛋白質
または前述の抗原性ポリペプチドの1種をコードする、
本発明の核酸分子からなるクローニングベクターがあ
る。クローニングベクターは宿主細胞たとえば細菌宿主
細胞に導入される。本発明の精製された抗原性蛋白質
は、8B5蛋白質をコードする核酸分子を含有するクロ
ーニングビークルを含む宿主細胞を用いて製造できる。
この方法によれば、宿主細胞を蛋白質の産生が可能にな
る適当な条件下で生育させ、生成した蛋白質を回収す
る。本発明の抗原性ポリペプチドは、そのポリペプチド
をコードする適当な核酸分子を用いて同様に製造でき
る。宿主細胞が細菌細胞である場合、生成した8B5蛋
白質は天然の8B5蛋白質と同一またはほぼ同一の配列
を有するが、細菌宿主内での発現のため、たとえばN末
端メチオニン分子の付加により、そのアミノ酸配列また
はアミノ末端が異なる可能性がある。
【0073】本発明の態様としては、さらに、本発明の
精製抗原性蛋白質をコードする核酸配列を有するDNA
分子を得る方法がある。この方法には、Eimeria
maximaの卵母細胞からゲノムDNAを単離し、
単離されたゲノムDNAからDNAフラグメントを、た
とえば制限酵素を用いて調製する。DNAフラグメント
をついで適当なクローニングベクターにリゲートする。
適当なクローンは、そのDNAを8B5抗原をコードす
る核酸配列を含むかまたはそれと相補性のオリゴヌクレ
オチドとハイブリダイゼーションさせて同定する。Pm
x47.8B5免疫反応性蛋白質をコードするDNAを
適当なクローンから単離するか、または本技術分野にお
いて公知の免疫ブロット操作りによりPmx47.8B
5免疫反応性蛋白質の存在をスクリーニングして適当な
クローンを同定する。本発明は、55,000ダルトン
以上の分子量を有し、55,000ダルトン抗原性蛋白
質のアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列と付加的
アミノ酸をもつ抗原性ポリペプチドを提供する。このポ
リペプチドはEimeria maxima感染に対す
る防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導できる。付加
的アミノ酸は、他のポリペプチド、たとえばβ−ガラク
トシダーゼのアミノ酸配列であってもよく、この場合に
は、55,000ダルトン蛋白質−β−ガラクトシダー
ゼ融合ポリペプチドが得られる。本発明はまた、このよ
うな融合ポリペプチドをコードするDNA分子、および
そのDNAを含有するクローニングベクターを提供す
る。
【0074】本発明はまた、本発明の抗原性融合ポリペ
プチドの免疫感作有効量を鶏に投与することからなる、
Eimeria maxima感染に対する能動免疫を
鶏に付与する方法を提供する。また、本発明の抗原性融
合ポリペプチドの免疫感作有効量と、適当な担体からな
る、Eimeria maximaの感染に対する能動
免疫を鶏に付与するワクチンを提供する。本発明はさら
に、Eimeria誘発疾患に対する多成分ワクチンを
提供する。ワクチンは1用量あたり、投与動物にEim
eria抗原に対する抗体の産生を誘発するのに有効な
量の、任意のEimeria抗原またはエピトープの混
合物を含有する。1用量あたりの各抗原の量は、約10
μg〜約200μgである。ワクチンはまた、医薬的に
許容される担体を含有する。
【0075】好ましい態様においては、Eimeria
抗原は、Eimeria tenellaE.max
imaおよびE.necatrixの抗原であるが、任
意のEimeria種の抗原は同様に有効である。好ま
しい態様のワクチンは、特異的に抗体の結合部位により
認識される少なくとも1個の特異的Eimeriaアミ
ノ酸配列、すなわち少なくとも1個の特異的Eimer
iaエピトープからなる1種または2種以上の遺伝子操
作抗原性融合ポリペプチドを含有する。本発明のワクチ
ンは、各種のEimeria抗原またはそのエピトープ
を1種、2種または任意の数の異なる抗原またはエピト
ープの各種組合せで含有することができる。好ましい態
様においては、ワクチンは任意のEimeria抗原の
混合物からなる。すなわち混合物には任意のE.ten
ella抗原を、任意のE.necatrix抗原また
E.maxima抗原を含む他の任意のEimeri
抗原と組合せて含有させることができる。好ましい抗
原は、25キロダルトンのE.tenella抗原、2
6キロダルトンのE.necatrix抗原または55
キロダルトンのE.maxima抗原がある。
【0076】さらに、混合物は、25キロダルトンの
E.tenella抗原を、任意のE.necatri
またはE.maxima抗原を含めた任意の他のEi
meria抗原と組合せて含有することができる。好ま
しい組合せとしては、25キロダルトンのE.tene
lla抗原と26キロダルトンE.necatrix
原または55キロダルトンE.maxima抗原があ
る。本発明の態様においては、混合物は、任意のE.n
ecatrix抗原の、任意のE.maxima抗原を
含めた任意の他のEimeria抗原との組合せを包含
する。好ましい抗原は、25キロダルトンE.neca
trix抗原または55キロダルトンE.maxima
抗原である。混合物はまた、26キロダルトンE.ne
catrix抗原を、任意のE.maxima抗原を含
めた他の任意のEimeria抗原との組合せでもよ
い。最後に、ワクチンには、任意のE.maxima
原を、55キロダルトンE.maxima抗原を含めた
任意の他のEimeria抗原と組合せて含有させるこ
とができる。
【0077】本発明のワクチンは、任意のEimeri
抗原と任意のトリウイルス蛋白質の混合物を含有する
ものであってもよい。好ましい態様におけるトリウイル
ス蛋白質は、感染性バーサル疾患ウイルスの蛋白質であ
る。他のトリウイルス蛋白質としては、マレック病ウイ
ルスもしくはそのエピトープ、トリポックスウイルスま
たはそのエピトープ、七面鳥のヘルペスウイルスまたは
そのエピトープを挙げることができる。本発明に用いら
れる抗原性融合ポリペプチドは、遺伝子操作技術によっ
て製造することができる。すなわち、Eimeria
ローニング配列のcDNAのクローニングによって製造
できる。融合ポリペプチドは少なくとも1個のEime
riaエピトープ、すなわちEimeria抗原に対す
る抗体によって認識されるアミノ酸配列が、少なくとも
1個の他のポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも部
分と融合している。
【0078】適当な融合ポリペプチドは、β−ガラクト
シダーゼまたはプロキモシンに融合したEimeria
抗原である。融合ポリペプチドには、ベクターpDET
1(ATCC No.53316)、ベクターpDET
2(ATCC No.53318)、ベクターpBGC
23(ATCC No.53317)、ベクターpCO
C12(ATCC No.53314)、またはベクタ
ーpCOC20(ATCC No.53313)によっ
てコードされるポリペプチドを挙げることができるが、
他のベクターでコードされる融合ポリペプチドも使用で
きる。最後に、本発明のワクチンは、任意の抗原性融合
ポリペプチドの混合物であってもよい。好ましい態様に
おいては、融合ポリペプチドには少なくとも1個のEi
meriaエピトープが包含される。
【0079】例 1 EIMERIA NECATRIX 及びEIMERIA
TENELLAの調製:オオシスト、スポロシスト、
スポロゾイトCoccidiaEimeria necatrix
及びEimeriatenellaの精製された分離物
は、元来Auburn大学のアレン・エドガー博士から
入手したものである。各分離物の純度は、オオシストの
特徴及び感染した腸組織の組織学的観察をもって確認し
た。オオシストの大きさと形状表示はそれぞれE.
ecatrix及びE. tenellaの範囲内であ
った。病変は、ジョンソンとレイドの方法(30)によ
って評点をつけた。感染した鳥の病変は各々それぞれの
分離物に典型的なものであった。5日間にわたる組織学
的検査で腸中央(E. necatrix)または盲腸
E. tenella)の上皮下に広範な第2世代の
スキツオントが発見された。E. tenella及び
E. necatrixによりその重症感染中に(各々
15,000、50,000オオシスト)死に至る場合
があった。単一オオシストのクローニングが各分離物の
純度を保つため、周期的に行なわれた。
【0080】オオシストの生殖。 各分離物の純粋培養
物を4〜6週令のSPF白色レグホン系鶏に恒常的に継
代接種した。外因性のCoccidia感染を避けるた
めに、鶏は生後1日目から樹脂ガラス製の隔離鶏舎で飼
育した。オオシストは感染後7日目に盲腸から、シャー
リーのトリプシン分解法(66)を用いて採収した。胞
子の形成されたオオシストは、典型的方法により24℃
で2%のw/v K2 Cr2 7 中に保存した。スポロシストの分離 。 残骸から塩浮游によって部分的
に精製された胞子形成オオシスト(1×108 )は、
0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4(PBS)で5回洗
浄し、重クロム酸カリウム保存液を除去した。これらの
オオシストは、1.05%の次亜塩素酸ナトリウム中で
20分間攪拌した後にPBSで5回洗浄し残留次亜塩素
酸ナトリウム及び残骸を除去することによってさらに清
浄化した。最後の洗浄にひき続き、清浄したオオシスト
をPBS10ml中に再懸濁させた。懸濁したオオシス
トを同容量のガラスビーズ(1.0〜1.05mm)と
一緒に振とうして機械的に分解した。遊離したスポロシ
ストは、グラスウールカラムを通過させてオオシスト壁
及び未分解オオシストから純化され、3000kPMで
10分間、4℃で遠心分離され、PBS10ml中で再
懸濁させた。
【0081】スポロゾイトの調製。 新たに胞子形成さ
れたオオシストは、塩浮游、反復洗浄及び1.05%の
次亜塩素酸ナトリウム処理により清浄した。スポロシス
トは、オオシストをガラスビーズ(1.0−1.05m
m)を用いて機械的に分解して遊離させた。スポロゾイ
トを脱嚢させるために、スポロシストをトリプシン及び
タウロデオキシコール酸(それぞれ0.25、0.50
%w/v)と共に1時間、41℃でインキュベートし
た。このようにして得られたスポロゾイトは遠心分離法
により洗浄して取り除き、ハンク培地に再懸濁させた。
新たなハンク培地を用いてスポロゾイトを作業濃度に希
釈した。
【0082】例 2 ハイブリドーマの生成、同定及び特徴づけ モノクロナール抗体 。 モノクロナール抗体はVan
DeusenとWhetstoneの方法(77)を用
いて発育されたハイブリドーマから誘導した。要約する
と、Bald/C ByJマウスを106 〜107 のイ
ンタクトなE.tenellaスポロゾイトで繰り返し
免疫した。完全無欠なスポロゾイトの最終静注後3日し
て、任意に抽出したマウスを殺し、脾切除した。脾細胞
は、脾臓の線維組織から分離し、洗浄した脾細胞をネズ
ミ形質細胞腫の細胞株(SP2/OM)と融合させた。微量中和試験 。 微量中和試験は、E. tenell
については鶏の一次腎細胞培養物を、またはE.
ecatrixについてはブタ胎児肺細胞を用いて行っ
た。1〜2週令の鶏を殺し、無菌法による腎切除をし
た。細胞は、96穴の培養プレートに移され、約104
/wellの密度で、5%熱処理犢胎児血清を添加した
Earle’s LAH培地で平地培養した。培養は4
1℃、CO25%の環境を維持した。細胞培養が約50
%の交会レベルに達した時、ハイブリドーマの被検検体
またはコントロール検体50μlをプレートの全ての穴
に加えた。次に、Earl’s培地50μl中に約3×
104 懸濁しているスポロゾイトを全てに加えた。12
〜16時間後、培養上清を新たな2%熱処理犢胎児血清
を含むEarl’s LAH培地と交換した。培養は感
染後40〜44時間で終了させ、培養上清をプレートか
ら除去した。その結果、細胞を5%氷酢酸で酸性とした
メタノールを加えてプレートに固定化した。固定化され
た培養細胞は検査前に0.1%トルイジン・ブルーで染
色した。各培養穴は分裂生殖が阻害につきその概略パー
センテイジレベルで採点した;モノクロナール抗体によ
る寄生虫の中和は、スキツオントの成熟を完全に阻害で
きる血清の最大希釈倍率に基づいて採点された。
【0083】間接螢光抗体スクリーニング。 IFA
(間接螢光抗体)スライドをE. tenellaまた
E. necatrixのスポロゾイト(約1×10
6 /well)を用いて調製した。スライドは各穴に1
%ウシ血清アルブミン(BSA)10μlを加える前
に、数時間ないし一晩空気乾燥させた。BSA添加5分
後に被検上清20μlを加えた。上清を37℃で20分
間インキュベートして、0.005% Tween−2
0を含む0.15MPBS(PBS−Tween)で3
回洗浄した。フルオレスセイン抱合の家兎対マウス抗体
(PBSで1:40に希釈)を標本に加え、37℃で2
0分間インキュベートした。抱合体は封入剤の添加及び
カバーグラスの設置前に、PBS−Tweenで3回洗
浄した。
【0084】結 果Eimeria tennel
laに対して発育した数千のハイブリドーマの内、24
個がスポロゾイト段階の寄生虫に対する中和抗体を作る
ことがわかった。検査されたハイブリドーマの全てが膜
に結合した抗原を認識したが、1つのハイブリドーマか
ら得られた抗体だけは膜内部の抗原を認識した。In
vitroで、各セルラインの最初のクローニングで得
られた数検体の上清について中和能力を比較した。ある
セルラインの上清が、E. tenellaのスポロゾ
イトに対して相対的に最も大きい中和力を示した。各被
検上清について含有抗体を評価した場合、ある抗体(P
tn 7.2A4/4で示す)がスポロゾイトを中和す
るのに必要な量は、次に中和力の強い抗体の20分の1
であった。詳細には、E. tenellaの中和に必
要なPtn 7.2A4/4抗体の量は約3.5×10
5 molecules/sporozoiteであっ
た。Ptn7.2A4/4で示されるモノクロナール抗
体を産生するハイブリドーマは、ロックビル、メリーラ
ンド、U.S.A.20852にあるAmerican
Type Culture Collection
(ATCC)に供託され、ATCC取得No.HB85
61として識別された。
【0085】この供託は、特許申請手続を目的とした微
生物の供託に関する国際認定に関するブタベスト条約
(以下ブタベスト条約という)の規定に従って行われ
た。モノクロナール抗体Ptn7.2A4/4をE.
necatrixに対して評価した場合、E. ten
ellaと同様のフルオレセイン染色パターンが観察さ
れた。さらにPtn7.2A4/4について、E.
ecatrixに対するin vitro中和試験を行
った結果、同数のE. tenellaで観察されたの
と同等の中和活性をE. necatrixに対しても
持っていることがわかった。
【0086】例 3 中和モノクロナール抗体Ptn7.2A4/4により認
識されるE.tenella抗原の同定 Eimeriaタンパクの 125IラベリングE.
tenellaから得た合計2×108 のオオシストに
ついてヨウ化を行った。各々について、スポロシストは
塩浮游及び次亜塩素酸ナトリウム処理のオオシストから
精製され、ガラスビーズで破壊した後にグラスウールカ
ラムに通した。スポロシスト膜は、半量のスポロシスト
を用い、10mMリン酸ナトリウム、0.15M Na
Cl、pH7.2(PBS)1ml中でガラスビーズを
加えて機械的分解によって調製した。この調製はプロテ
アーゼ・インヒビター;0.1mMフェニルメチルスル
ホニル・フルオライド(PMSF)、0.1mM N−
トシル−L−フェニルアラニンクロロメチルケトン(T
PCK)、1mM N−α−P−トシル−L−リジンク
ロロメチルケトン(TLCK)及び10KIU/mlア
プロチニンの存在下で行った。残りのスポロシストは、
トリプシンとタウロデオキシコール酸(総容量1ml)
で処理し、スポロゾイトを脱嚢させた。両方の調製物は
45,000RPM、45分間、4℃で分離し、再びP
BS1mlに懸濁させた。超遠心を行う前にトリプシン
−デオキシコール酸残留物をスポロゾイトからPBS及
び1mM PMSFで洗浄することにより完全に除去す
るよう注意した。
【0087】1mlのサンプルを40μgのIODOG
EN(1,3,4,6−テトラクロロ−3−α,b−α
−ジフェニルグリコウリル)固相ヨウ化試薬(24,5
3)でコーティングされたガラスシンチレーションバイ
アルに加え、窒素ガス下で乾燥させPBSで洗浄した。
各チューブに 125Iを0.5mCi加え、氷中で20分
間インキュベートした。次に1MKI 100μlを各
チューブに加え最終濃度を100mMとし、さらに15
分間反応を続けさせた。スポロゾイト及びスポロシスト
の調製物は5mM Klを含むPBS7mlに希釈して
45,000RPM、45分間、4℃で超遠心分離し
た。スポロシスト及びスポロゾイト膜タンパクの抽出。 上記
の超遠心で得た 125Iでラベルされたスポロシスト及び
スポロゾイトのペレットを、タンパク抽出緩衝液(20
mM Tris−HCl、pH7.5;50mM Mg
Cl2 ;25mM NaCl、1%NP40、1mM
PMSF、0.1mM TPCK、1mM TLCK及
び10KIU/mlアプローチニン)1ml中に再懸濁
させた。懸濁液は時々攪拌しながら氷中で60分間イン
キュベートした。不溶性物質は洗滌剤で可溶化した微酸
化状のタンパクから15分間、4℃で分離した。上清は
−70℃で保存した。
【0088】 125IタンパクのTCAによる沈澱。
サンプル10μlを5mM KI90μlで希釈した。
次に、各希釈サンプル10μlを、5%トリクロロ酢酸
(TCA)1ml、BSA(10mg/ml)及び5m
M KI25μlを含む溶液に加え、氷中で30分間イ
ンキュベートした。沈澱したサンプルはグラスファイバ
ーフィルターでろ過して回収し、5%TCA、5mM
KI5mlで2回洗浄、95%エタノール5mlで3回
洗浄をどちらも0℃で行い、液体シンチレーションカウ
ンターでカウントした。
【0089】モノクロナール抗体との免疫沈降反応:モ
ノクロナール抗体50μlをモノクロナール抗体希釈緩
衝液(MAB−DIL):50mM Tris−HC
l、pH8.6;150mM NaCl;0.1%NP
−40;RIA用0.1%BSA;1mM TLCK;
1mM PMSF;10KIU/mlアプロチニン25
μlに加えた。そこに 125Iでラベルされたタンパク2
μlを加え、攪拌して4℃で一晩インキュベートした。
抗マウス家兎Ig血清(IgA、IgG、IgM)をM
AB−DILで1:2に希釈して10μlを各免疫沈降
チューブに加え、4℃で1時間インキュベートした。プ
ロテインA−セファロース(10%v/v)をモノクロ
ナール抗体洗浄緩衝液(MABW);50mM Tri
s−HCl、pH8.3;0.05%NP−40;0.
05%Triton X−100;150mM NaC
l;0.02%NaN3 ;5mM KIで1:4に希釈
し400μlを各チューブに加えた。チューブを緩やか
にゆらしながら4℃で1時間インキュベートした。免疫
沈降物は冷たいMABWで2回洗浄しさらに室温のMA
BWで2回洗浄した。ペレットはSDS−PAGEサン
プル緩衝液(35)50μlに再懸濁させ、5分間煮沸
して微散状態にしてプロテインA−セファロースを除去
した。上清をカウントしてSDS−PAGEで分析し
た。
【0090】電気泳動によるニトロセルロース紙への抗
原の移動:ヨウ化されていないスポロゾイト膜タンパク
(前述のとおり洗剤で可溶化したもの)は還元または非
還元的条件下で、一次元の硫酸ドデシルナトリウム・ポ
リアクリルアミド・スラブゲルにより分離され、電気泳
動によりニトロセルロース紙へ移動させた(75)。電
気泳動ブロットはSharmas(64)の方法によっ
て処理した。但し、例外として血清、モノクロナール抗
体及び適切な抱合体〔ペルオキシダーゼ抱合の山羊抗鶏
IgG、Kirkegaard及びペリー、ペルオキシ
ダーゼ抱合の家兎抗マウスIgG(Cappel)は還
元型ゲルのブロット用に使われ、ネズミモノクロナール
抗体は、非還元型ゲル(Vector Labs、バー
リントン、CA)としてマウスIgG用のVectas
tein、ABCキットとの関連で使用された。ブロッ
トは、還元型分離においては4−クロロ−1−ナフトー
ル(シグマ:660μg/ml)及びH2 2 (0.1
7%)と反応させ、また非還元型分離においてはVec
tastain試薬と反応させて生成した。
【0091】E.tenellaタンパクのSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)。
125Iでラベルされたスポロシスト及びスポロゾイトの
膜タンパクの免疫吸収したもの及び免疫沈降タンパク
は、5〜25%の指数勾配または8〜20%の直線勾配
SDS−ポリアクリルアミドゲルを用いて25mAで分
析した。ゲルは乾燥させコダックXAR−5X線フィル
ムを一晩−70℃で感光させた。染色用のゲルは、Co
omassie(21)または製造業者のラベル添付に
よる取扱い要領にもとづいて銀染色(ピアス、ケミカ
ル)により目視された。
【0092】E.tenella抗原とPtn7.2A
4/4モノクロナール抗体による免疫沈降の結果。表面
がラベルされたE.tenellaのスポロゾイト調製
物は、還元型SDS−PAGEで確認された6,500
と25,000の分子量をもった2つのヨウ化タンパク
を含む。6,500ダルトンのタンパクは、モノクロナ
ール抗体Ptn7.2A4/4と容易にかつ特異的に免
疫沈降反応を起こす。スポロシストの膜は、分子量1
7,000及び27,000の2つのヨウ化タンパクを
含むがその他にも多数な分子量をもつヨウ化タンパクも
数個存在する。 125Iでラベルされたスポロシスト膜タ
ンパクの免疫沈降反応で、モノクロナール抗体Ptn
7.2A4/4と反応した抗原は、還元型SDS−PA
GEで確認されたように17,000ダルトンのタンパ
クだけであった。
【0093】E.tenella抗原とモノクロナール
抗体Ptn7.2A4/4のウエスタン・ブロットの結
。上述の様にSDS−PAGEで免疫沈降ヨウ化ポリ
ペプタイドを分析した条件下で、ジスルフィド結合で連
結されたポリペプタイドを分離した。しかしながらジス
ルフィド結合の還元により、スポロシスト及びスポロゾ
イト膜の調製物のウエスタン・ブロットにおけるPtn
7.2A4/4の反応性が破壊される。ヨウ化スポロシ
スト及びスポロゾイト膜調製物について非還元型条件下
でSDS−PAGEを行った場合、主要な放射性標識物
は質量数23−25,000の位置に移動する。さら
に、この23−25,000ダルトンの物質はモノクロ
ナール抗体Ptn7.2A4/4とウエスタン・ブロッ
トによる反応性を示した。これらの結果により17,0
00ダルトン及び8,000ダルトンのポリペプタイド
が一緒に複合してTA4抗原を形成することが示唆され
る。このTA4抗原を構成する別のポリペプタイドがヨ
ウ化物の免疫沈降反応において観察されなかったという
事実は、このポリペプタイドがヨウ化することができる
チロシンを含んでいない(実例5及び6のTA4抗原の
8,000ダルトンのポリペプタイドに関する記述を参
照)ことで説明できる。
【0094】例 4 E.TENELLAのTA4抗原とそれの画分を含んだ
断片の純化、同定および特性 TA4抗原の17,000ダルトン ペプチド成分の純
化。 E. tenellaの胞子形成した胞嚢を10
9 個の胞嚢に対して10mlのPBSに再懸濁し、等体
積のガラス粒と共に振盪して破壊した。膜は遠心分離
(100,000xg、60分、4℃)で除去し、その
蛋白質は1%(v/v)のNP−40と、10mMのT
ris−HCl(pH7.5)と25mMのNaCl
と、1mMのPMSFと、1mMのTLCKと、0.1
mMのTPCKと、10KIU/mlのアプロチニン中
に可溶化した。不溶解物は更に100,000xgの回
転(60分、4℃)で遠沈団塊にした。その蛋白質は、
DEAE−セルローズ カラムに吸着させ、10mMの
Tris−HCl(pH7.7)と0.05%のNP−
40とで平衡させ、次に50mMのNaClを含むこの
緩衝液で洗滌した。200mMのNaClを含む緩衝液
で溶出後、17,000ダルトンのポリペプチドはアセ
トン沈澱で濃縮し、その沈澱物は充填緩衝に再懸濁し、
煮沸し、SDS−ポリアクリルアミド(15%)中で電
気泳動した。
【0095】この実験及び他の実験に使用した旧来のS
DS−PAGEサンプル緩衝液は、62.5mMのTr
is−HCl(pH6.8)、2%(w/v)のドデシ
ル硫酸ナトリウム、10%(w/v)のグリセロールお
よび0.001%のブロムフェノールブルーを含んでい
た。非還元條件下で行うと規定した実験の場合を除い
て、この緩衝液は又5%(v/v)のベータメルカプト
エタノールを含んでいた。その17,000ダルトンの
ポリペプチド帯は染色(Coomassie青又はKC
l)で固定した。ゲルの適切な部分を取出し、その蛋白
質を電気溶出し、アセトン沈澱で濃縮した。ここで、こ
れらの操作は、蛋白質を変性するもので、S−S結合で
互に繋がったペプチド結合はこの方法で分割される事を
銘記すべきである。この方法で純化された17,000
ダルトンのポリペプチドは完全に純品であった。
【0096】TA4抗原の純化と特性 ゲル電気泳動に代る純化法として、DEAE−セルロー
スカラムから得たスポロシスト膜蛋白質を10mM T
ris−HCl(pH8)、0.05%NP−40で透
析し、この緩衝で平衡にしたDEAE−HPLCカラム
(Bio Rad)にかけた。このカラムはNaClの
傾斜(0−300mM)で同じ緩衝液中で溶出した。1
7,000ダルトンのポリペプチド(ゲル電気泳動での
移動に基づいて同定)は、200mM NaClの所で
溶出する物質中に見出された。この蛋白質を含む諸画分
は30mMのリン酸カリウム(pH6.5)、0.05
%Zwittergent°3−12(Calbioc
hem−Behring、Lajolla,CA)0.
1mMディチオスレイトールで平衡にした水酸化アパタ
イト カラム(HPHT−BioRad)にかけた。こ
のカラムは平衡化緩衝液で洗い、0.05%のZwit
tergent°と0.1mMヂチオスレイトールを含
む硫酸カリ傾斜にかけて展開した。17,000ダルト
ンのポリペプチド(上記のゲル電気泳動で同定した)は
約90mMのリン酸カリウムで溶出する物質中に現れ
た。
【0097】この方法で純化された17,000ダルト
ンのポリペプチドを含む画分は、8,000ダルトンの
第二のペプチドも含んでいた。このペプチドは、S−S
結合で17,000ダルトンのポリペプチドに結合して
いるようである。若し17,000ダルトンのペプチド
を含む分画をモノクロナール抗体Ptn7.2A4/4
で免疫沈澱させ、その沈澱蛋白質を上記のように、還元
条件下でゲル電気泳動分析すると、17,000ダルト
ンのポリペプチドも8,000ダルトンのポリペプチド
も共に免疫沈澱することは明らかである故にスポロシス
ト膜調製液においては、8,000ダルトンのポリペプ
チドと17,000ダルトンのポリペプチドは、S−S
結合(多分システイン橋)で結合していると思われる。
何故ならば、このペプチドは強い還元剤が存在しない限
り電気泳動で現れなかった。非還元条件下では、Ptn
7.2A4/4の反応性ペプチド種は見かけ上の分子量
で21−24,000として移動する。
【0098】TA4抗原の11,500ダルトン断片の
調製 上記の方法によりE. tenellaのスポロサイト
膜を調製し、10mlのPBS+1%Triton X
−100に再懸濁した。この10mlの膜懸濁物に0.
1%の8−ヒドロキシキノリンを含む80%フェノール
を10ml加えた。この懸濁は次に最大速度で3分回渦
流し、10分間4000RPMで遠沈した。このフェノ
ールと線状沈澱界面とは、取り出し、100mM酢酸ア
ンモニウムを含むメタノール5容で稀釈し、−20℃で
終夜沈澱させた。アセトンで2回の洗滌後、不溶性蛋白
質を0.5%SDS中で8時間攪拌し、不溶物は20,
000RPMの遠沈を4℃で1時間かけて除去した。こ
の試料はAG501−X8混合ベッド樹脂(1gm/5
00ml)を含むPBS(pH7.2)で十分に透析し
た。TA4抗原の11,500ダルトン断片は、次のよ
うにして上澄からPtn7.2A4/4モノクロナール
抗体で下記のように免疫吸着させた。このポリペプチド
は微滴定プレートELISAでPtn7.2A4/4モ
ノクロナール抗体と反応する事が示された。
【0099】微細滴定には、ELISAポリスチレン9
6ウェルクラスター(Immalon II)を10m
Mグリシン緩衝塩液(pH9.6)中に終夜37℃で保
温し抗原で感応性をつけた。ウェルを0.0005%の
Tween−20を含む0.15MのPBSで洗い、P
BS−Tween中で3%のBSAで反応を中止し、再
洗し、PBSで稀釈したPtn7.2A4/4単クロー
ン抗体と共に保温した。井穴は前と同様に洗滌し、パー
オキシダーゼと複合した抗−マウスIgG血清をPBS
で稀釈したものと共に保温した。ウェルは再洗して、H
2 2 存在下に基質(2,2′−アジノ−ヂ−〔3−エ
チル−ベンズ−チアゾリンスルフォン酸〕)と共に保温
した。発色は15分後にDynatech MR−58
0微細滴定板ELISA読取器で決定した。TA4抗原
の11,500ダルトン断片は微細滴定板ELISAで
Ptn7.2A4/4モノクロナール抗体と反応性があ
る事が示された。
【0100】例 5 E.TENELLA TA4抗原の17,000ダルト
ンと8,000ダルトンのペプチド成分のアミノ酸配列 TA4抗原の17,000ダルトンのペプチド成分のア
ミノ酸配列。 17,000ダルトンのペプチドのアミ
ノ酸配列決定は、そのN−末端アミノ酸は反応が阻止さ
れる(すなわち、Edman崩壊は影響をうけない(1
4))事が発見されて複雑であった。この問題を避ける
ために、その蛋白質を還元し、アルキル化し、次に種々
の化学試薬や酵素で分解した。得られたペプチドは、逆
相HPLCで純化した(26)。17,000TA4抗
原のダルトンの蛋白質はCNBr(CN)、V8プロテ
アーゼ(V)、チモトリプシン(CH)およびエンドプ
ロテアーゼArg−C(R)で分解した。プロテアーゼ
分解の前に、純化した。TA4抗原の18,000ダル
トンのポリペプチドは30mMのヂチオスレイトールと
6Mのグアニヂン−HCl(pH8)とで1時間室温で
の処理した。固体の沃化アセトアミドを最終濃度が10
0mMになるように加え、pHを8に調整して試料を室
温で1時間保温した。還元とアルキル化の後に試料は
0.1%SDS中で平衡化したP6DG(BioRa
d、Richmond CA)のスピンカラムで0.1
M、MOPS(pH7.5)か逆相HPLCを用いるか
して、試薬類を除去純化した。
【0101】CNBr分解には、蛋白質試料は70%蟻
酸中の1%CNBrで20時間4℃で処理した。試料は
Savant Speedvac遠心分離器で乾固する
迄蒸発させ、0.1%トリフロロ醋酸(TFA)又は
0.1%TFAと20%アセトニトリール(CH3
N)中に再溶解した。V8の分解は0.1%SDSと
0.1M MOPS(pH7.5)で2時間、室温で、
50ミクログラムの17,000ダルトンのポリペプチ
ド対、1ミクログラムのV8の比で行った。この分解の
後に、試料に4倍容積のアセトンを加え終夜−20℃で
沈澱させた。そのアセトン沈澱物は上述のように再溶解
した。キモトリプシン消化は、0.05%Zwitte
rgent°3−12と0.1M NH4 HCO3 (p
H7.8)中で1時間37℃で17,000ダルトンの
ペプチド対Arg−Cの比が15:1として行った。ア
セトン沈澱を終夜−20℃で行った後には、当ペプチド
は主としてアセトン上澄中にあった。この上澄液を蒸発
乾固し、上述のような方法で再溶解した。ペフチドはV
ydac C4カラム(the Separation
s Groups,Inc.,Hesperia,C
A)で純化し、0−100%のCH 3 CN傾斜で0.1
%TFA中で溶出した。
【0102】アミノ酸配列決定は、気相配列決定器(A
pplid Biosystems,Inc.,Fos
ter City,CA)を用いてHunkapill
erらの方法(25)に従って行った。フェニールチオ
ヒダントイン(PTH)誘導アミノ酸はHPLCにより
分析した(8)。N−末端アミノ酸は阻止剤を取除いて
直接に決定した。17,000ダルトンのペプチドは
0.1Mのリン酸カリウム(pH8.0)と10mMの
EDTAと5%のグリセロールと5mMのヂチオスレイ
トールと0.05%のZwittergentTM3−1
2の中で1時間、37℃でピログルタメート アミノペ
プチターゼ(蛋白質:PAP=5:1)で処理した。処
理後、アミノ酸配列は決定する事が出来たが、それはN
−末端アミノ酸のグルタミンは環状化して閉鎖残基のピ
ロリドン カルボキシル酸になっている事を直接示唆し
ている。TA4抗原の17,000ダルトンのペプチド
成分の全アミノ酸配列はFig1に示してある。
【0103】TA4抗原の8,000ダルトンのペプチ
ド成分の部分的アミノ酸配列。 TA4抗原から還元と
アルキル化で誘導した)純化8000ダルトンのポリペ
プチドをEdman配列分析にけると、N−末端部分の
アミノ酸配列が直接に決定できた。このペプチドのN−
末端部分の部分アミノ酸配列は下記の通りである。
【化6】
【0104】例 6 EIMERIA TENELA TA4抗原をコードし
ているゲノムDNAクローンの単離と特性 E.tenellaの胞子形成卵嚢からのDNA分離。
胞子形成した卵嚢(5×108 )を洗滌し、上述のよ
うな方法でスポロシストを分離した。分離したスポロシ
ストは2回0.1MのTris−HCl、(pH8.
5)、と0.2MのNaClと10mMのEDTAとで
洗滌した。このスポロサイトは0.1MのTris−H
Cl、(pH8.5)と0.2MのNaClと50mM
のEDTAと1%のSDSと150ミクログラム/ml
のプロティナーゼKとで30分間65℃に保温して溶解
した。室温迄冷却後、そのDNAは等容積の液化フェノ
ールで1時間穏かに抽出した。10分間3,000rp
mの遠心分離の後、水層を除去し、界面とフェノール部
とは10mMのTris−HCl(pH8)と1mMの
EDTAとで再抽出した。各水相は合併し、1回フェノ
ールで、2回クロロフォルム:イソアミールアルコール
(24:1)で抽出した。DNAはエタノール沈澱で分
離した。そのDNA団塊は10mMのTris−HCl
(pH8)と1mMのEDTA中に再溶解し、0.15
mg/mlのDNAアーゼを含まぬRNAアーゼAで3
7℃1時間の処置をした。RNAアーゼ分解の後、試料
は1回フェノールで、1回クロロフォルム:イソアミー
ルアルコールで抽出し、次にエタノールで沈澱させた。
アガロース ゲル上で、このDNAの大きさを20キロ
塩基対より大きいと決定した。
【0105】バクテリオ ファージλgt wesλB
中でのE.tenellaゲノム・ライブラリーの組
立。 バクテリオファージλgt wesλB中にE. te
nellaのゲノムDNAライブラリー(36)がMa
niatisによって述べられた方法(44)を用いて
組立てられた。ファージはポリエチレングリコール沈澱
とクロロフォルム抽出とCsCl傾斜遠心分離によって
純化された。純化したファージは1%SDSと50mM
のEDTA+150マイクログラム/mlのプロティナ
ーゼKとで解かれ、DNAは、フェノール抽出とエタノ
ール沈澱とで純化された。E.tenellaのゲノム
DNAとファージのDNAとはEcoRIで完全に断片
化した。ファージDNAの左右両腕はそれらの接着末端
においてアニイルしそれら腕は蔗糖濃度傾斜遠心分離で
純化した。EcoRIで分断したDNA腕の30ミクロ
グラムを6ミクログラムのEcoRIで分断したE.
tenella DNAとT4DNAリガーゼを用いて
接着した。その接着したDNAの20ミクログラムをフ
ァージ粒子中にin vitroで封入し、5×106
個の組換ファージ粒子のライブラリィを得た。
【0106】合成オリゴヌクレオチド。 TA4抗体の
17,000ダルトンのペプチド成分をコードした遺伝
子部位に相補的なオリゴヌクレオチドのプローブ(検
針)を、Biosearch Sam I(Biose
arch,Inc.San Rafael,CA)を用
いて合成した。適切な部位に予期されるDNA配列は1
7,000ダルトンのペプチドの示すアミノ酸配列から
推定した。遺伝子コードの二義性の為、正確なDNA配
列は予測できない。DNA諸配列の混合物より成る“混
合検針”を設計して合成した。そのうちの1つは17,
000ダルトンのペプチドに対して遺伝子完全相同適合
性があるべきである。オリゴヌクレオチドCOD92
は、ペプチドV1の6から12のアミノ酸に基づいてい
た。(例5の17,000ダルトンのペプチドのアミノ
酸配列を見よ)これは256個の異った配列を含む。オ
リゴヌクレオチドCOD92の構造は次のようである。
【0107】
【化7】 オリゴヌクレオチドCOD94は、17,000ダルト
ンのペプチドV2の3から6のアミノ酸に基づくもので
あった。それは64種の異った配列を含んでいた:
【化8】
【0108】オリゴヌクレオチドCOD108はペプチ
ドV1の25−30のアミノ酸に基づくものであった。
これは16種の異った配列の混合より成る。オリゴヌク
レオチドCOD−108の構造は:
【化9】
【0109】E.tenellaゲノムDNAライブラ
リィの篩別 E. tenellaのゲノムDNAライブラリィの組
換ファージは、シャーレ当り2−3×104 に及ぶ高密
度で15cmのシャーレにプレートした。各シャーレの
ニトロセルローズ濾紙レプリカは、BentonとDa
visの方法(3)に従って調製した。これら濾紙は次
に適切な合成オリゴヌクレオチドと共に保温した。すな
わち(32P)−dATPとT4 ポリヌクレオチドキナー
ゼで高比放射能にラベルしたものである。オートラヂオ
グラフィーで、ポジティブのプラークを同定した。オリ
ゴヌクレオチドのCOD−92と108との両方に交雑
したプラークだけが、ポジティブと記録された。交雑D
NAを含む濾紙部分に相当するシャーレの部分にある。
寒天小片を切り取った。そのファージは溶出し、低密度
(20−100/プレート)で再接種し、3つのオリゴ
ヌクレオチドのプローブ全部について再篩別した。純粋
な分離ポジティブのプラーク又はクローンを取上げた。
ファージ108−1は、オリゴヌクレオチドCOD−9
2と強く交雑し、オリゴヌクレオチドCOD−108と
94とにゆるやかに交雑する。E. tenella
オサートの精製と特性判定のためファージ108−1は
より大規模の培養を行った。ファージ108−1の性能
検定の結果、5,500塩基対がEcoRI挿入されて
いる事がわかった。
【0110】17,000ダルトンをコードするゲノム
のクローンの詳細な性能検定−制限地図。 クローン1
08−1の5,500塩基対EcoRI断片挿入は、フ
ァージベクターからプラスミドpUC9にサブ−クロー
ンした(78)。その組換プラズミドは、種々の制限エ
ンドヌクレアーゼで分断し、ゲノムDNAクローン中で
かなめとなる制限位置の決定に用いた。DNA内におけ
る制限分断位置は、17,000ダルトンのペプチド遺
伝子の位置と方向を決定し、EcoRIによるゲノムD
NA断片の順序づけの策を立てるに必要である。その制
限酵素分断位置地図はFig2に示してある。17,0
00ダルトンのペプチドの遺伝子位置と向きとはこの地
図に示してある。
【0111】クローン108−1のDNA配列分析
クローン108−1のBglII−EcoRI断片で、
TA4抗原の17,000ダルトンのペプチド成分の遺
伝子で含むものは、Sangerのヂオキシ法(62)
で種々の制限酵素による断片を用いて配列を決めた。D
NA合成のプライマーは、COD−92,94および1
08のオリゴヌクレオチドにも、他のオリゴヌクレオチ
ドと同様に含有されていた。このDNA配列はFig.
3に示す。TA4抗原をコードした遺伝子の構造 。DNAの配列
は、アミノ酸配列分析で予期したものと一致する。更
に、蛋白質配列では明確でなかった特性がこの遺伝子に
は3ツあった。蛋白質配列からの情報および分泌性蛋白
質の構造についての一般的情報を用いてTA4抗原の遺
伝子の構造が解明された。スポロサイト膜の17,00
0ダルトンのペプチドの既知のアミノ酸末端からGln
−Asp−Try…(例5を見よ)この遺伝子が上流2
3個のアミノ酸を余分にコードしている事は明白であ
る。このDNA配列は、典型的な“シグナル”配列で、
多くの分泌蛋白質又は膜蛋白質の遺伝子にあるアミノ酸
末端で見られるものである(4,34)。これのコード
するペプチドは、それらの合成位置(細胞質)から細胞
質膜或はここを通って蛋白質を輸送するのに必要なもの
である。
【0112】このシグナルペプチドは、分泌の過程で除
去されるのが常である。TA4抗体はシグナルペプチド
で作られるのは驚くに当らない。何故ならば、この蛋白
質が胞子体の外面に達するためには、細胞質膜を通過す
る可能性が最も高いからである。このシグナル配列のア
ミノ末端は、Metゴドンと考えられる。本質的には、
それはどの蛋白質の場合でも合成開始はメチオニンから
である為である。この遺伝子には3ヶ所で、DNA配列
が蛋白質の配列符合しない部位がある。第1は、既知の
熟成17,000ダルトン蛋白質の配列のVal−7の
ためのコドン内にある101塩基対の部分である。第2
は、17,000ダルトンのペプチドのGly−65と
Gly−66のためのコドンとの間にある114塩基対
の配列である。第3は8000ダルトンのペプチドのA
sp−186コドンの中にある124塩基対の配列であ
る。これら三つの配列は、多くの真核生物遺伝子のコー
ド部分内に見られる典型的イントロン構造である。これ
らはmRNAの前駆体の中にあって“スプライシング”
で知られるRNA組換機構によって除去され中断されて
いないコード配列を、成熟mRNAに作る。“スプライ
シング接点”附近のDNA配列は、他の真核生物遺伝子
(65)に見られるものと一致している。
【0113】17,000ダルトンのペプチドの配列
は、コドン157と158とに相当する。Gly−Gl
y配列で終ると思われる。我々は8,000ダルトンの
ペプチドを、Ala−162に始まりGlu−188に
及ぶ配列で同定した。コドンの159から161に当る
Arg−Arg−Leuのペプチド配列は未だ見付かっ
ていない。この三連ペプチドが他の蛋白質、例えばイン
シュリン(71)、の分割と同じ機構で除去される可能
性がある。従ってTA4抗原の2つのペプチドは、連続
したヌクレオチドの配列でコードされ、少くとも1つの
蛋白質分解段階がAla−162点から始まる8,00
0ダルトンのペプチドを発生させる。
【0114】例 7 胞子形成中のTA4抗原の出現 胞子形成のどの時期にTA4抗原が発生するかを決める
ために、特定のモノクロナール抗体Ptn9.9D12
との免疫反応によってその出現を測定した。モノクロナ
ール抗体Ptn9.9D12は、TA4抗原と反応する
胞子体中和性のモノクロナール抗体である。還元条件下
では、TA4抗原のモノクロナール抗体Ptn7.2A
4/4との反応性が破壊される。しかし、還元状態でS
DS PAGE ウエスターン ブロット上では、モノ
クロナール抗体のPtn9.9D12はTA4抗原の1
7,000ダルトンのポリペプチド成分と反応する。最
終PBS洗滌の直後に開始して(例1を見よ)1×10
7 卵嚢を含む等分した部分標本を24時間まで4時間の
間隔で取り出し、更に胞子形成開始後36時間から48
時間にも取り出した。胞子形成卵嚢は7−800xgで
10分間遠沈し、上澄を取り除いた。遠沈団塊はドライ
アイス/メタノール浴で急凍結し、分析に用いる迄−7
0℃で保存した。
【0115】各団塊は20mMのTris−HCl(p
H7.5)、50mMのMgCl2、25mMのNaC
lと同容積のガラス玉の中で解凍した。激しく10分間
の振盪をした後、200ミクロリットルの2×SDS試
料入り緩衝液(35)を加えた。試料は3分間沸騰さ
せ、遠沈して屑を除き、各試料の25−50ミクロリッ
トルをSDSポリアクリルアミドのゲル(25%傾斜)
に加え分析に供した。蛋白質はニトロセルローズのシー
トに移した(5,75)。ニトロセルローズ上の蛋白質
吸着位置の残っているものは、3%の(w/v)ゼラチ
ン、10mMのTris−HCl(pH7.5)、15
0mMのNaClと、0.05%(w/v)のNaN3
とで30分間室温でブロックした。ニトロセルローズ濾
紙は、モノクロナール抗体Ptn9.9D12(3%
(w/v)の牛血清アルブミン、10mMのTris−
HCl(pH7.5)、150mMのNaClと0.0
5%(w/v)のNaN3 中に約10ミクログラム/m
l)と終夜4℃で保温した。
【0116】そのニトロセルローズ濾紙を、50−10
0mlの抗体稀釈緩衝液で3度洗滌の後、附着したモノ
クロナール抗体Ptn9.9D12の位置と量とをVe
ctastainTM ABCキットのマウスIgG用
(Vector Laboratories,In
c.,Burlingame,CA)を用いて決定し
た。そのニトロセルローズ濾紙は、ビオチニー化した抗
マウスIgG(80ミクロリットルのビオチニイル化抗
マウス抗体と80ミクロリットルの正常馬血清とを20
mlの抗体稀釈緩衝液に入れたもの)に浸して、ゆるく
30分間室温振盪をした。ニトロセルローズ濾紙を、5
0〜100mlのNaN3 を含まない抗体稀釈緩衝液で
3回洗滌した。このニトロセルローズ濾紙は次に、Ve
ctastain TMABC試薬で30分間室温に保温し
た(80ミクロリットルのAvidinDH試薬Aを8
0ミクロリットルのビオチニイル化した西洋ワサビのパ
ーオキシダーゼ試薬BとをNaH3 を含まない抗体稀釈
緩衝液の15mlで混合し、濾紙に添加する前に30分
間前保温を施したもの)。
【0117】3回の洗滌後、添着した西洋ワサビのペル
オキシダーゼを4−クロロ−1−ナフトール(Sigm
a Chemical Co.,St.Louis,M
O).で呈色し測定した。このブロットは、呈色液(3
mg4−クロロ−1−ナフトール/mlメタノールと5
ミクロリットルの30%の過酸化水素とを、10mlの
10mM Tris−HCl(pH7.5)と150m
MのNaCl中にと混ぜたもの2ml)で10〜30分
間保温した。Ptn9.9D12中の反応性物質の位置
と量を示す紫色バンドが現れた後に、そのニトロセルロ
ーズのシートを2回水洗し、風乾して、暗所貯蔵した。
TA4抗原の17000ダルトンのポリペプチドは、モ
ノクロナール抗体Ptn9.9D12と免疫反応をする
が、この成分は、胞子形成開始後16から24時間に現
れ始め、その後経続する(図1)。この16時間は、胞
子形成中の卵嚢内でスポロサイトになるはずの4つの構
造が伸長を始める時に相当する。
【0118】例 8 TA4抗原をコードしたmRNAの分離と同定 cDNAが合成される前に、TA4抗原をコードするm
RNAが胞子形成のどの時期に現われるかを決める必要
があった。2.5−5×108 の卵嚢を含む等分した部
分標本を4時間間隔で無菌的に取出し(時間ゼロを含
む)、胞子形成開始後36時間後から48時間迄も同様
に取出した。この胞子形成中の卵嚢は7−800xgで
10分間遠沈にかけ、上澄を取除いた。その遠沈団塊は
ドライアイス/メタノール浴で急速凍結し、RNAが分
離される迄−70℃で保存した。各団塊を、約10倍容
積の5Mのグアニヂンチオシアネート、20mMのTr
is−HCl(pH7.5)10mMのEDTA、5%
(v/v)のベーターメルカプトエタノールとの中で解
凍し、その卵嚢を等容量の1.0mmガラス玉と混ぜて
10分間の強振して速かに破砕した。この試料を2%
(w/v)のN−ラウロイールサルコシンに入れた後、
約8,000xgの遠沈に室温でかけて屑を除去した。
RNAは上澄からCsClクッションの沈降(76)で
分離した。
【0119】そのRNAの団塊を、20mMのTris
−HCl(pH7.5)と50mMのEDTA(pH
8.0)、0.2%のSDSと100単位/mlのRN
asinTM(Promega Biotec,Madi
son,W1)及び10mMのベータメルカプトメタノ
ール中に再懸濁した。フェノールクロロホルム:イソア
ミイルアルコール(24:1)とクロロホルム:イソア
ミイルアルコール(24:1)とで交互に2回づつ抽出
した後、そのRNAを沈澱させて−20℃でエタノール
中に貯蔵した。全RNAで約100−300ミクログラ
ムが、2.5−5.5×108 の卵嚢から分離された。
【0120】ポリAを含むRNAはオリゴ−dTセルロ
ーズクロマトグラフィ(2)で分離された。全RNAを
10mMのTris−HCl(pH7.5)、1mMの
EDTAと0.2%(w/v)のSDSと0.4MのL
iCl中に入れて、オリゴdTセルローズ カラム(T
ype3、Collaborative Resear
ch,Inc.,Lexington,MA)にかけ
た。RNAはLiClを含まない同じ緩衝液で40°に
おいて溶出された。約5−15ミクログラムのA+ RN
Aが2.5−5.0×108 の卵嚢から分離された。
【0121】cDNA合成の鋳型としてポリA RNA
を使う前に、TA4抗原をコードしたmRNAの存在実
証する事が必要であった。TA4抗原のmRNAが存在
する事は、種々の胞子形成段階の卵嚢から得たポリA
RNAをTA4蛋白質をコードするクローンから得たD
NAと交雑する事で実証された。胞子形成中の各時点の
ポリA RNAの2ミクログラムをフォルムアルデヒド
を含むゲルで電気泳動した(44)。そのRNAをニト
ロセルローズ濾紙に移し、ノーザン ブロット分析にか
けた。このニトロセルローズ濾紙を、E. tenel
laのゲノムのクローンで、予め〔32P〕−dATP
(44)でニック翻訳してある108−1(Figur
e5)と呼ぶ785塩基対のSacI−PvuII断片
で検索した。TA4抗原をコードするmRNAは胞子形
成開始後約16−20時間後とそれ以後に存在した(F
igure6)。TA4抗原のmRNAが現れる時間
は、TA4抗原の17,000ダルトンでウエスタン
ブロットでモノクロナール抗体Ptn9.9D12と免
疫反応するサブユニットの出現と完全に一致する。これ
らの実験から、胞子形成卵嚢から得たmRNAは、cD
NAをTA4抗原でコードさせるのに使用し得る事を実
証した。
【0122】例 9 TA4抗原をコードするcDNAクローンの分離と特性
検定 cDNA TA4抗原をコードするヌクレオチドのシーケンスは、
容易に生育する、例えば大腸菌のような細胞の遺伝子と
して用い、ある種のEimeriaで起る鶏コクシジウ
ム症の予防接種用TA4蛋白質生産に用い得る。TA4
遺伝子(Figure5)には、三ヶ所に、DNAのシ
ーケンスが蛋白質のシーケンスと合致しない部分があ
る。これらの3つのシーケンスは、多くの真核生物遺伝
子のコード部位内に典型的に見出されるイントロンであ
る。しかし、大腸菌では、イントロン付の遺伝子は本来
の蛋白質として発現されないので、TA4抗原をコード
するcDNAのクローンを分離する必要があった。この
クローンは、TA4抗原をコードするシーケンスを一つ
ながりで含んでいる。
【0123】cDNAの合成 短述して、例3に述べたように分離した胞子形成卵嚢m
RNAは、Ullrichその他(76)に述べられた
ようにAMV逆転写酵素の活動でcDNAに転写され
た。転写は、TA4抗体mRNAの3′−ポリアデニン
化した末端において、オリゴ−dTをプライマーとして
始まる。第二のDNA鎖は、DNAポリメラーゼI(ク
レノフ断片)を用いて複写した。2ミクログラムのmR
NAから、340ngのcDNAを得た。詳細には、2
ミクログラムのオリゴ−dT(12−18ヌクレオチ
ド、Pharmacia Molecular Bio
logy Division,Piscataway,
NJ)は、2ミクログラムの純化mRNAと50mMの
NaClの存在下でアニーリングさせた。
【0124】この除冷接着反応は90℃に熱して後、徐
々に冷却するものである。逆転写酵素の反応には、デオ
キシヌクレオシド三燐酸(A,T,G,Cの4種)を
0.5mMのと40単位の酵素(Molecular
Genetic Resources,Tampa,F
L)に加えた。逆転写反応緩衝は、次の如くである:1
5mMのTris−HCl、pH8.3と21mMのK
Clと8mMのMgCl 2 と0.1mMのEDTAと3
0mMのベータ−メルカプトエタノール。この混合物
は、42℃で45分間インキュベートした。このRNA
−DNA複鎖はフェノール クロロフォルムで1回抽出
し、次に、エタノールで沈澱させた。団塊にした試料
は、次に100ミクロリットルの、次に示す諸品による
反応混合物に再懸濁した:20mMのTris−HCl
pH7.5と5mMのMgCl2 と100mMのKC
lとそれぞれ250mMのdATP、dCTP、dTT
P、dGTP。RNA分解酵素H(100単位/mlの
Pharmacia Molecular Biolo
gy Division,Piscataway,N
J)およびDNA重合酵素I…Klenow断片(50
単位/ml Boehringer Mannhei
m,Indianapolis,IN)とを、合併し、
12℃で60分のインキュベートして反応させた。これ
ら酵素の合併活性で、そのRNA−DNA複鎖からmR
NAを取り外す、それは最初のcDNA鎖が次のcDN
A鎖の合成として用いてあるためである。この反応は、
EDTAを最終濃度を10mMに加える事で止め、次に
DNA複鎖をフェノール:クロロフォルムで抽出しエタ
ノールで沈澱させた。DNAポリメラーゼIとRNAポ
リメラーゼHの反応順序は、3′と5′の両端で整末端
のcDNA分子となる事を予想された。3′末端が整末
端である事は、以後のcDNAクローニングに必要であ
る。
【0125】TA4のcDNAライブラリーの構築 DNAは、100ミクロリットルの滅菌水に再懸濁し
た。cDNAを蔵書としてクローン化するには、ゲノム
のクローン108−1のDNAシーケンスから決定して
ある制限分断位置を用いた。1つのSacI位置が、T
A4抗原の1,700ダルトンの成熟サブユニットのN
−末端グルタミンの直ぐ上流にある。SacI(50単
位/ml)によって、6mMのTris−HCl(pH
7.4)と6mMのMgCl2 と6mMのベータ−メル
カプトエタノール存在下で、60分間37℃で約50n
gが消化された。この試料は、フェノール:クロロフォ
ルムで再抽出し、エタノールで沈澱した。クローン化の
段階として、pUC18ベクター(56)を用いた。そ
のベクターは、SacIとSmaIとで消化を施してあ
った。SmaIは、cDNAの3′末端のリガーゼ接着
に必須な整末端位置を提供した。そのリゲーション反応
は、40ngのベクターDNAと50ngのcDNAと
を用いて行った。リゲーションは、50mMのTris
−HCl(pH7.8)と10mMのMgCl2 と20
mMのヂチオスレイトールと1.0mMのrATPとの
リガーゼ緩衝液に1単位のT4 DNAリガーゼを用いて
1夜12℃で行った。
【0126】組換DNA分子は、次に形質転換で大腸菌
K12、系統MH1に導入した。この形質転換バクテリ
アは、抗生アムピシリンを濃度50ミクログラム/ml
含有する寒天プレートに拡げた。プラズミドpUC18
(56)はアムピシリン耐性遺伝子を持つので、組換プ
ラズミドを得たバクテリアだけが生き残った。これらの
バクテリアは各々生育してバクテリアコロニーを形成す
るため分裂した。コロニー中の各細胞は最初の親細胞の
子孫であって、同一の組換プラズミドを保有する。約6
700のクローンが組換プラズミッド作用のため50ナ
ノグラムのcDNAから得られた。
【0127】TA4 cDNAクローンの同定 このcDNAライブラリーは、GrunsteinとH
ogness(20)に述べてある高密度スクリーニン
グ法でコロニー交雑によりスクリーニングした。ゲノム
クローンの75塩基対のSacI−PvuII断片は純
化して、ニック−翻訳(44)によって32Pで標識し
た。ポジティブのクローンは同定し、純化して、又プラ
ズミドDNAは更に分析するために分離した。ポジティ
ブのcDNAのクローンに対する制限酵素分析は、ゲノ
ムのクローンにおける地図と合致した。pTCD26と
呼ぶクローンのcDNA挿入は、ゲノムのクローン(6
2)に対応するように作ったオリゴヌクレオチドを使っ
たヂデオキシ配列決定により配列を行った。cDNA
pTCD26クローンの塩基配列は、図表7に示す。こ
のcDNAのクローンは、大腸菌の系統JM83に形質
転換をし、そのJM83/pTCD26と指定した系統
はAmerican Type Culture Co
llection,Rockville,MD,に寄託
し、ATCC受入番号53315を付与された。この寄
託は、Budapest条約にもとづくものである。そ
のDNA配列は、ゲノムのクローンから予測されていた
ものである。そのcDNAから予測されたアミノ酸配列
は、蛋白質の微量配列方法から得たアミノ酸配列と一致
した。
【0128】例 10 大腸菌内におけるcDNA誘導TA4抗原遺伝子の発現 cDNA誘導のTA4直接発現プラズミドの構築 cDNAのクローンは、TA4蛋白質を細菌内で合成す
る遺伝子を提供する。ただし、そのcDNAは大腸菌内
で転写と翻訳をさせるに適切な信号を含まない。従っ
て、クローン化したcDNAは、大腸菌中で挿入された
cDNAの蛋白質合成を上流ではじめるため、RNAポ
リメラーゼとリボソーム添着位置に対する強い催進要素
を含む発現ベクターに挿入された。ここで用いられると
おりTA4蛋白質という用語は図表7のcDNAの発現
産生物又は組換TA4誘導物質で細菌宿主細胞内で生成
されたいかなるものをもいう。TA4抗原という用語
は、ゲノムのTA4DNAにより発現された自然発生の
物質をいい、胞子小体の表面に存在するか、又は胞子小
体から分離精製されたものを指す。
【0129】発現ベクターのpWHA33とpWHA6
3とは、諸遺伝子を挿入すれば、大腸菌でそれが発現で
きるように構築したものである。その技術に熟達してい
る者には既に知られている他の適切なプラズミドも同様
に使用できる。プラズミドpWHA33とpWHA63
とは適当なプラズミドの2例である。pWHA33プラ
ズミドは、3つのプロモーター(lac,Lambda
R およびtrp)を持ち、いずれも挿入された遺伝
子の転写を指令する。これらプロモーターと、プラズミ
ドpDR450からのプロモーターtac(61)Ph
armaciaMolecular Biology
Division,Piscataway,NJ)とを
種々の組合せで所持するプラズミドを構築した。プラズ
ミドpWHA33とpWHA63との構造は図表8に図
示する。TA4蛋白質を大腸菌内で合成させる1つの方
策は、リボソーム添着点と、コーディングするシーケン
スの前に、メチオニンのコドン(ATG)を単に供与す
ることである。そのような直接発現プラズミドをTA4
蛋白質用に構築するには、cDNAクローンであるpT
CD26をSacIで分断して、次にDNAポリメラー
ゼIであるKlenow断片で処理して両端を整末端に
する。オリゴヌクレオチド連結因子であるCOD−15
4を整えたSacI分断末端に結紮して蛋白質合成を開
始させるATGコドン及び、pWHA63のBamHI
位置に挿入してクローン化する時に要るBamHI位置
を提供する。COD−154の構造は:
【0130】
【化10】
【0131】COD−154の開始コドンATGの直前
にTTを挿入すると、翻訳開始の効率を高める。リガー
ゼでオリゴヌクレオチドCOD−154をpTCD26
の整末端に接着した後、その産物をBamHIで消化し
た。TA4遺伝子を含む1276塩基対の断片はポリア
クリルアミドのゲル上で純化し、次に発現ベクターpW
HA63のBamHI位置に結紮して、プラズミドpD
ET1を製作した。pDET1の構造は図表8により図
示表示する。もう一つの直接発現プラズミドpDET2
は、pDET1から、pDET1をHindIIIで消
化してlambda PRとlambda CIとを含
HindIII断片を取除き、残部を再びリゲース接
着して構築した。pDET1とpDET2の直接発現ベ
クターは、大腸菌の系統REN3に形質転換導入した。
組換DNAおよび寄生微生物でここでREN3/pDE
T1およびREN3/pDET2として述べられている
ものは、American Type Culture
Collection,Rockville,MDに
寄託し、ATCC受入番号53316および53318
を付与されている。これらの寄託は、Budapest
条約にもとづくものである。
【0132】クローン化した遺伝子産物の大腸菌内合成
と分析 pDET1とpDET2を内蔵する細胞の溶解物は、T
A4蛋白質の有無について分析した。pDET1とpD
ET2とによって合成された蛋白質は、細胞溶解物を、
tenellaTA4抗原の、還元して変性させた
17,000ダルトンの蛋白質に対して生成したマウス
抗血清と共にウエスターンブロット検索で同定した。p
DET1とpDET2の発現は、先ず大腸菌系統W31
10(W3110は、野性型Lon+ プロテアーゼ遺伝
子を保有する)で分析した。W3110/pDET1お
よびW3110/pDET2の培養物は、L−ブロス
(10g/lのトリプトン(Difco)と5g/lの
酵母エキス(Difco)と、5g/lのNaClとを
NaOHでpH7.5としたもの)に100ミクログラ
ム/mlのアムピシリンを加えて生育させた。最適の発
現を得る為に、培養物は30℃で細胞密度が1−5×1
8 /mlになる迄振盪培養し、新しい培養液で1:5
に稀釈し、37℃で2から6時間振盪培養した。遠心分
離で細胞を収穫し、M9塩(6g/lのNa2 HPO4
と3g/lのKH2 PO4 と0.5g/lのNaClと
1g/lのNH4 Cl)中で洗い、5×109 /ml密
度でLaemmliゲル資料緩衝(35)に再懸濁し
た。12ミクロリットルの資料を10分間、100度に
熱し、12−1/2%SDS−PAGEにかけ、Coo
massieブルーで染めるか、又はニトロセルローズ
薄片に移して1:1000稀釈のマウス抗血清により上
述したような還元変性した17,000ダルトンのTA
4ポリペプチドを検索した。
【0133】TA4遺伝子のpDET1およびpDET
2内での発現は、大腸菌のW3110系では非常に低
い。25,000ダルトンのTA4蛋白質は、単に稀薄
にウエスターン ブロットに現れ、全細胞溶解物のCo
omassieブルーで染めたポリアクリルアミドのゲ
ルではバックグラウンドの色の上には可視できず、この
蛋白質の合成量が大腸菌の全蛋白質の0.5%以下であ
ることを示唆している。見かけ上の、pDET1および
pDET2の低発現は、TA4蛋白質が大腸菌W311
0内で不安定なためであったと思われる。その他の真核
生物諸蛋白質も、大腸菌で合成されると不安定である事
が示されている(18)。従って、プラズミドpDET
1とpDET2とがlonプロテアーゼを欠く大腸菌系
統MTM6(7)に形質転換導入した。MTM6はLo
n系AB1899(CGSC#1899)の非ムコイド
誘導体である。
【0134】TA4遺伝子のpDET1およびpDET
2内での発現は、系統MTM6(Lon- )で大幅に増
進している。発現はW3110について上述のように分
析した。図表9では、W3110(Lon+ )とMTM
6(Lon- )でのpDET1の合成を比較している。
pDET1からpDET2かいづれかのDNAを内蔵す
る系統は、還元して変性したE.tenella TA
4抗原に対してつくられたマウス抗血清に免疫反応を示
す25,000ダルトンのポリペプチドを生産した。こ
れらの結果は、TA4抗原遺伝子がコードしている2
5,000ダルトンの蛋白質が、E.tenella
ではジスルフィッドボンドにより結合した17,000
ダルトンと8,000ダルトンのポリペプチドに分断さ
れているが、この翻訳後の処理は大腸菌内では起らない
ことを示している。溶解した材料を遠心分離法により可
溶成分と非可溶成分とに分ける場合、大部分の25,0
00ダルトン蛋白質は不溶性の細胞溶解物の断片内に偏
在する(図表9)。この非溶解性蛋白質は胞子体膜中で
TA4抗原を認識するか、又はジスルフィッドボンドを
還元することなく胞子体膜から抽出した単クローン抗体
Ptn7.2A4/4と免疫反応を示さない。
【0135】pDET1とpDET2との発現度はLo
+ の大腸菌で低いため並びに、Lon- 大腸菌は大規
模培養を行うのには非実用的であるために、TA4蛋白
質は他の蛋白質との融合によりそれを安定化した。適当
な蛋白質は如何なるものでも、この蛋白質融合に採用す
ることができる。以下の例では、適当と思われる2つの
蛋白質のみを図示することにとどめる。即ち、ベータガ
ラクトシダーゼおよびプロキモシンである。
【0136】例 11 大腸菌内におけるベータ−ガラクトシダーゼ融合蛋白質
としての、TA4蛋白質の発現 ベータ−ガラクトシダーゼ−TA4発現プラズミドの構
プロテアーゼ欠失系統において、遺伝子工学で作るTA
4蛋白質の最大収量をうる観察は、TA4蛋白質が正常
大腸菌細胞内での劣化によることを示唆している。TA
4遺伝子融合プラズミドの構築は、TA4蛋白質を大き
な蛋白質に付着させることにより、TA4を大腸菌内で
安定させるという理由によるものである。数種の真核生
物蛋白質は、融合蛋白質(17,28)としてバクテリ
ア内で、安定性が更に高くなる。組換プラズミドpBG
C23は、雑種で、ベータ−ガラクトシダーゼTA4抗
原の融合蛋白質の発現用に構築したものである。それは
lac調節部位を含むプラズミッドpDK2 で、実質的
にはプラズミッドpBR328のEcoRIに挿入され
たlambda plac(22,62)からのベータ
−ガラクトシダーゼ遺伝子(1008コードン)から、
及びcDNAクローンpTCD26から誘導される。p
BGC23の構築は図式にて図表10に示す。pDK2
以外の安定したプラスミドも使用可能である。プラズミ
ドpDK2 は適当なプラズミドの1つの事例である。
【0137】TA4のcDNAシーケンスを含むpTC
D26から得た1276塩基対のEcoRI−Bam
I断片は、pDK22を創出するため予めEcoRIと
BamHIにより消化されているプラズミッドpDK2
にクローン化されたものである。クローンpDK22
は、予期したプラズミドを含み、その中ではTA4cD
NAのシーケンスがベータ−ガラクトシダーゼのコード
シーケンスのC末端部に、融合化されていたものであ
る。しかし、このプラズミド中では、cDNA誘導によ
るTA4のコーディングシーケンスが、ベータ−ガラク
トシダーゼのものと同一位相にはない。従って、プラズ
ミドpDK22は、EcoRIで消化され、DNAポリ
メラーゼI Klenow断片で処理し、次いでTA4
のコーディングシーケンスを正当な読取り枠にはめるた
め再結紮された。このプラズミドはpBGC23として
指定されたもので、ベータ−ガラクトシダーゼ(lac
z)のc−末端部に融合したTA4の蛋白質からなる蛋
白質をコード化する雑種遺伝子を含む。pBGC23は
大腸菌の系統JM83とREN3とを形質転換するため
に使用された。
【0138】その組換DNAと、REN3/pBGC2
3としてここに述べるその宿主微生物とは、Ameri
can Type Culture Collecti
on,Rockville,MDに寄託し、ATCC受
入番号53317を付与されている。この寄託は、Bu
dapest条約にもとづくものである。
【0139】クローン化遺伝子産物の発現と分析 pBGC23にコード化された蛋白質は、事例10によ
る記述どおり純化、還元、変性した17,000ダルト
ン単位のtenella TA4抗原に対し、マウ
ス血清を使用して細胞溶解物のウエスタンブロットを検
索することにより同化したものである。JM83/pB
GC23およびREN3/pBGC23は、0.1%の
プドー糖と100ミクログラム/mlのアムピシリンを
補足されてL−ブロスで培養した。培養物は37℃で1
晩振とうし飽和状態に生育させた。細胞は遠心分離によ
り収穫し、M9塩中にて洗浄し、5×109 /mlの密
度でLaemmliゲル資料緩衝液に再懸濁した。この
資料の20ミクロリットルは10分間100℃で加熱
し、7−1/2%のSDS−PAGEにかけ、そしてC
oomassieブルーで染色するか、又は、ウエスタ
ーンブロットにかけるかの何れかによった。
【0140】染色、免疫汚点付けしたゲル(図表11)
は、予期した135,000ダルトンの融合蛋白質がJ
M83/pBGC23およびREN3/pBGC23の
培養で合成されているが、JM83単独では合成されて
はいないことを示した。そのウエスターンブロットは、
その蛋白質がtenella TA4抗原の還元、
変性したものに対しマウス清血を使って免疫活性である
ことを示す。図表8は、その蛋白質が細胞溶解物の不溶
性断片中にある事を示す。上述のように生育された培養
物は、リソザイムとEDTAによる処理後超音波で溶解
し、次に細胞膜は2%のトリトンで1晩4℃にて溶液化
されたものである。不溶性物質は、遠心分離法により収
集され、135,000ダルトンのpBGC23の産生
物はこの断片中にあった。
【0141】pBGC23の蛋白質は大腸菌で高水準で
合成されているが、しかし不溶性であり、単クローン抗
体、Ptn7.2A4/4に反応しない。更に、この不
溶性pBGC23蛋白質はマウスに注射した場合、天然
のTA4抗原と交叉反応をする抗体を産生しない。
【0142】例 12 E.COLI中のプロキモシン融合タンパク質としての
TA4タンパク質の発現 pDET1、pDET2またはpBGC23を含む細胞
が生成したタンパク質は大部分または全体的に不溶性で
あり、そのため明らかにモノクローナル抗体Ptn7.
2A4/4に対し活性でない。不溶性で不活性な形で
coli中で生成されたその他の真核タンパク質は
可溶性となり、その活性をとり戻すことが認められた。
このようなタンパク質の1つがウシのプロキモシンであ
る。TA4cDNA配列をプロキモシン用に開発された
方法により可溶化及び活性化された不溶性融合タンパク
質の生成のためにウシのプロキモシンと融合させた。融
合タンパク質の特有の再結合の範囲は、キモシンの活性
を追跡することによりモニターすることができた。
【0143】プラスミドコード化プロキモシン−TA4
融合タンパク質はTA4cDNA配列をクローン化され
たウシのプロキモシン遺伝子pWHA43に組み入れる
方法すなわちそれはE.coli中の安定ではあるが不
溶性型のプロキモシンの合成を指令するもので、その方
法により作成された(47)。その他のプラスミドも利
用できるものがある。適切なプラスミドの1つはpWH
A43である。
【0144】プロキモシン−TA4遺伝子融合を構築す
るためpWHA43を図12に示すようにpWHA93
に転換した。初めにtacプロモーターpDR540
(61)を特定制限エンドヌクレアーゼ置換によりpW
HA49を生成するためtrpプロモーターに置換し
た。次にプロキモシンの正常停止コドンをpWHA93
を得るために、pMH22の修飾プロキモシンC末端部
位にpWHA49のプロキモシン遺伝子のC末端部位を
置換して取り除いた。pMH22はcDNAのクローン
P5G3の遺伝子の半分のC末端を含み、そのC末端は
プラスミドpUC18中のポリリンカー及びβ−ガラク
トシダーゼ遺伝子フラグメントのプロキモシンBcl1
位(停止コドンの欠失位)は融合されたものである。プ
ロキモシン−TA4遺伝子融合の構築では1294bp
のフラグメントpCOC12をEcoRI及びPst
の酵素と消化させてcDNAクローンpTCD26から
取り除き、次いでDNAブラント末端を形成するために
ヤエナリヌクレアーゼと消化させた。プラスミドpWH
A93をXbaIと消化させ、ヤエナリヌクレアーゼと
処理し、ブラント末端ベクターを組換えプラスミドpC
OC11を生成させるためTA4cDNA配列(ヤエナ
リヌクレアーゼ処理後の1286bp)を持つブラント
末端と連結した。
【0145】この連結後TA4誘導配列はプロキモシン
のコード配列の読み取りフレームからはずれていること
がわかった。読み取りフレームを変えるためpCOC1
1をSac1及びヤエナリヌクレアーゼと消化し、次に
pCOC12を生成させるため再連結を行った。pCO
C12の構造は図13に図表として示した。プラスミド
pCOC12をNarIの消化及び再連結による2つの
NarIフラグメントの除去により、プロキモシンまた
はTA4配列を欠失せずにプラスミドの量を減らして、
pCOC14に修飾した。プラスミドpCOC14を
ph1との消化及び再連結による249bpSphIフ
ラグメントの除去によりpCOC20に修飾した。pC
OC20のプロキモシン配列中の249ヌクレオチドの
欠失は正しい読み取り枠を保持しており、融合タンパク
質のプロキモシン部位の83アミノ酸の欠失を生じるこ
とになる。
【0146】発現研究のためpCOC12及びpCOC
20をREN3菌株、CY15001のバクテリオファ
ージT1耐性誘導体、W3110のtrpR誘導体中に
形質転換した。REN3/pCOC12及びREN3/
pCOC20としてここで記述する組換えDNA及び宿
主微生物はメリーランド州ロックビルのアメリカン基準
培養収集社に預託され、ATCCの受け入れ番号がそれ
ぞれ53314及び13313とつけられた。これらは
ブタペスト条約にもとづいて実施された。
【0147】クローン化した遺伝子生成物の発現及び分
pCOC12及びpCOC20DNAによりコード化さ
れたタンパク質を、事例10に記述するとおり、電気泳
動及びニトロセルロース紙への移動による分別法に従い
免疫学的に同定した。REN3/pCOC12及びRE
N3/pCOC20を0.1%グルコース及び100μ
g/mlアンピシリンを加えたL−ブイヨン中で30℃
1晩振とうして飽和した。細胞を遠心分離により採取し
M9塩で洗浄し、Laemmliサンプル緩衝液に再懸
濁した。サンプルを100℃で10分加熱しSDS中で
10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、記述ど
おりクーマシーブルーで染色するかまたはニトロセルロ
ース紙に移して免疫学的分析を行った。トリトンに不溶
性の物質は例11に記述するとおり、REN3/pCO
C12及びREN3/pCOC20の培養によって調整
し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。図14
に示した染色されたゲル及びウエスタンブロットは、p
COC12DNAが、予想分子量約65,600ドルト
ンの還元及び変性を受けたtenella TA4
抗原に対するマウス血清に免疫活性であるポリペプチド
をコード化することを示している。予想どおりタンパク
質は細胞溶解質の不溶性分画中に存在している。プラス
ミドpCOC20DNAは予想分子量56,500の免
疫活性ポリペプチドをコード化する。pCOC20のT
A4タンパク質もまた細胞の不溶性分画中に存在する。
【0148】例 13 不溶性状態からのTA4タンパク質の抽出及びモノクロ
ーナル抗体ptn7.2A4/4との免疫活性の証明 プラスミドpDET1、pDET2、pBGC23、p
COC12、pCOC20で表わされるcoli
生成物は、すべて水にわずかしか溶けないかまったく不
溶性である。このプラスミドはすべてLaemmliサ
ンプル用緩衝液中で沸騰させると溶解し、17,000
ドルトンのTA4抗原サブユニットに対して隆起するマ
ウス抗血清と反応するようになる。しかし、この条件で
はモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4とはどれも
反応しない。そのため、モノクローナル抗体Ptn7.
2A4/4と反応する抗原を生成するためこれらの
coliの合成するタンパク質を可溶化及び再生するこ
とが必要であった。その結果動物中のtenell
に対して反応する中和及び防御抗体の隆起が可能とな
った。
【0149】細菌的に生成したTA4タンパク質の抽出
及び再生 最初にpCOC12タンパク質を活性酵素生成するため
ウシのプロキモシンの可溶化及び再生法として知られる
方法により可溶化及び再生を行った(47)。この方法
によりプロキモシン活性(キモシンに対する酸活性化後
のミルクの凝固)及びPtn7.2A4/4免疫活性の
両方を持つ純粋で水溶性pCOC12タンパク質が生成
された。免疫活性の回復条件が最適化されたので下記の
とおり記述する。プラスミドpCOC12を上記のよう
にウシのプロキモシンのコード配列の3′末端とTA4
ポリペプチドのコード配列の5′末端とを融合すること
により構築した。このプラスミドは標準的な手法を用い
るE.coli菌株REN3の形質転換に使用され、ア
ンピシリン耐性コロニーは精製されて培養に使われた。
新たに溝をつけた寒天プレートのアンピシリン耐性コロ
ニーをL−ブイヨン及び100μg/mlアンピシリン
を含む液体培地5mlの接種に使用した。培養物を細胞
の濁りが目で見えるようになるまで、37℃で数時間振
とうして生育させた。培養物5mlが0.1%グルコー
スを添加したL−ブイヨン/アンピシリン溶液1リット
ルの入ったフラスコに移された。
【0150】この培養物を定常期に到達するまで30℃
で振とうして生育させた。細胞を遠心分離により収集
し、−70℃で冷凍保存した。pCOC12を含む
coli菌株REN3の凍った細胞ペースト10gを2
5mMトリス塩酸pH8、10mM EDTA、1mg
/mlリゾチームを含む溶液100ml中に懸濁させ
た。短時間インキュベートした後、溶解した細胞をさら
に音波により粉砕した。coli中で合成されたプ
ロキモシンは細胞膜及び膜タンパク質を溶かす非イオン
性洗浄剤が存在していても細胞溶解質中では完全な不溶
性を示してきた。pCOC12によるコード化したプロ
キモシン−TA4融合タンパク質の部分的な精製を、細
胞溶解質の10,000gで10分間の遠心分離により
行い、次いで2%トリトンX−100洗浄剤(シグマ化
学社、ミズーリ州セントルイス)を含む緩衝液でペレッ
ト状の細胞の残屑の洗浄剤による抽出を1晩かけて行っ
た。不溶性のまま残った融合タンパク質を遠心分離によ
り収集した。
【0151】この精製法は2%トリトンX−100を含
む溶液で不溶性物質を更に洗浄することにより若干改良
された。pCOC12プロキモシン−TA4タンパク質
をpH7.5の10mMリン酸ナトリウム緩衝液63m
l或いは12.6ml中に懸濁させた。この懸濁液に固
体尿素を最終濃度がそれぞれ10ml或は20ml中に
6〜8Mとなるように添加すると懸濁液が完全に溶解す
る。このようにして生じた透明な溶液を最終体積が10
00m/sとなるようpH11.0に調製したリン酸ナ
トリウム緩衝液10mlを加えて100または50倍に
希釈した。溶液を全て混合し15〜25℃で20分放置
した。それから溶液のpHが8.3となるように0.2
N塩酸を3分以上にわたり添加した。
【0152】このようにして生じた溶液を分析または保
管前に1時間以上室温で放置した。この溶液には純度8
0〜90%の分子量65,600ドルトンのタンパク質
が約100μg/ml含まれていた。サンプルのキモシ
ン酵素活性またはモノクローナル抗体Ptn7.2A4
/4に対する免疫活性を以下詳述するとおり分析した。
キモシン活性の分析は適切に再生されたタンパク質の回
復をモニターする上で便利な方法であった。酸活性化に
続くミルク凝固の測定によるpCOC12タンパク質の
キモシン活性の回復とPtn7.2A4/4の免疫活性
の回復はよい相関がみられた。pCOC12タンパク質
の免疫活性の回復については下記に記述し図15に示
す。
【0153】以上記述したその他のタンパク質及びタン
パク質融合は同様または同一の方法により可溶化及び再
生された。プラスミドpCOC20は図13に図示した
ようにpCOC14融合タンパク質のプロキモシン成分
中のSphI欠失により構築された。この欠失は遺伝子
融合中の正しい読み取り枠を保持しておりpCOC20
融合タンパク質の不溶性またはそれに続く可溶化または
再生に何の影響も与えなかった。一方pCOC20融合
タンパク質はそのTA4エピトープの免疫活性を保持し
ており欠失含有プロキモシン域はミルク凝固活性を持つ
形には活性化されなかった。プラスミドpCOC20は
上述のとおり培養されたcoli菌株REN3の形
質転換に使用した。不溶性pCOC20プロキモシンT
A4タンパク質は上記の方法でREN3/pCOC20
の凍結細胞ペースト10gから分離、再生した。
【0154】プラスミドpBGC23は、図10に図示
したようにcoliβ−ガラクトシダーゼのコード
配列3′末端をTA4ポリペプチド誘導cDNAのコー
ド配列5′末端に融合することによりそれを構築した。
このプラスミドはcoli菌株JM83(上述のと
おり培養したもの)の形質転換に用いた。β−ガラクト
シダーゼ−TA4融合ポリペプチドは、細胞溶解質中で
は不溶性であることがわかり、また上述の方法でJM8
3/pBGC23の凍結細胞ペースト10gから、それ
を分離再生した。
【0155】プラスミドpDET2は上記に図示したと
おり、融合ポリペプチドとしてよりむしろTA4タンパ
ク質を直接発現するものとして構築した。pDET2の
最適収量が得られたものはプロテアーゼ欠失col
菌株MTM6中からであった。この菌株は次の例を除
いて上述の方法で培養された。30℃で生育した培養細
胞1リットルが吸光度0.5(600nmにおける吸光
度)になった時、温度は1〜2時間で37℃まで上昇し
た。細胞を採集し、−70℃で冷凍保存した。MTM6
/pDET2の凍結細胞ペースト10gを上述の方法を
用いて溶解し、トリトン不溶性タンパク質を分離して上
述のとおり尿素に溶解した。可溶性タンパク質はpH
8.5のリン酸ナトリウム緩衝液10mMに対する過剰
透析により再生した。
【0156】再生サンプルの免疫検定法 モノクローナル抗体ptn7.2A4/4で再生された
pCOC12、pCOC20、pDET2及びpBGC
23タンパク質をtenellaスポロシストから
精製されたTA4抗原に関して測定した。ミクロタイタ
ープレートのそれぞれの井戸(イムロンIミクロエリサ
平底井戸プレート、ダイナテック研究所(株)、アレク
サンドリアVI)にpH8.0、10mMリン酸水素二
ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.01%ツ
ビッタージェントTM3−12を含む溶液で希釈した抗原
100μlでコートした。再生サンプルとして1:10
から1:1000の割合に希釈した抗原について試験を
した。精製したtenella抗原を0.5〜10
ng/井戸で平行して試験した。プレートに室温で1時
間次に4℃で1晩、抗原溶液とインキュベートすること
により抗原をコートした。井戸は空にしてから0.02
%(v/v)トウェーン20(PBST)を含むリン酸
緩衝液でpH7.2にした生理食塩水で3回洗浄した。
プレートは3%(w/v)ゼラチン、10mMトリス塩
酸pH7.5、150mM塩化ナトリウム、0.05%
(w/v)アジ化ナトリウムを含む溶液で室温で30分
処理して残っているタンパク質結合部位をブロックし
た。
【0157】それからプレートをモノクローナル抗体P
tn7.2A4/4(3%〔w/v〕ウシ血清アルブミ
ン中で30μg/ml)、10mMトリス塩酸pH7.
5、150mM塩化ナトリウム、0.05%(w/v)
アジ化ナトリウムを含む溶液で室温で2時間インキュベ
ートした。井戸をPBSTで3回洗浄後、結合モノクロ
ーナル抗体PtnA4/4は、マウスIgG用のベクタ
ステインTMABCキット(ベクター研究所(株)カリフ
ォルニア州バーリンガム)を用いて測定した。プレート
の各々の井戸はそれぞれビオチン化したウマ抗マウスI
gG 100μlで満たし(ビオチン化抗マウス抗体4
0μl及び正常なウマ血清80μlを10ml PBS
T中に含む)、室温で30分インキュベートした。プレ
ートをPBSTで3回洗浄した。それからプレートにベ
クタステインTMABC試薬100μl/井戸加えて室温
で30分インキュベートした(PBST中でビオチン化
西洋ワサビペルオキシダーゼ8.0μlと混合したアビ
ジンDH試薬A80μlをプレートに加える前に30分
間プレインキュベートした)。
【0158】PBSTで5回洗浄してから結合した西洋
ワサビペルオキシダーゼを100μl基質/井戸(pH
5.3の50mMクエン酸/リン酸緩衝液中に0.1m
g/mlの2,2′−アジ)−ジ−(3−エチル−ベン
ズチアゾリン−6スルホン酸と0.015%(v/v)
過酸化水素を加えた溶液)を加えることにより測定し
た。プレートを暗室で室温でインキュベートした。41
4nmにおける吸光度を基質を加えてから10〜60分
後にタイターテックマルチスキャンTM自動プレート読み
取り器(フロー研究所(株)、バージニア州マックリー
ン)中で測定した。種々の再生抗原(たとえば、pBG
C23、pCOC12、pCOC20及びpDET2に
よりコード化されたもの)の相対的免疫活性をte
nellaオオシストから抽出したTA4抗原のそれと
比較した。それぞれのタンパク質の量の増加分をミクロ
タイタープレートの井戸に加えそれぞれの井戸中の反応
のOD414 を存在する抗原量に対してプロットした(図
15)。細菌的に生成された上述の変性/再生処理に従
うタンパク質の免疫活性は、モル平衡基準でten
ellaから抽出されたタンパク質の活性の10〜30
%の範囲であった。
【0159】例 14 不溶な状態からの免疫反応直接表現TA4タンパク質の
抽出 大腸菌の産物である表現プラスミド、pDET1 、pD
ET2 、pBGC23、pCOC12およびpCOC20は、
全てほとんど、あるいは全く不溶性である。これらは全
て、Laemmli検体緩衝液中で沸騰して可溶化で
き、17000ダルトンのTA4抗体サブユニットに対
して生成されたマウス抗血清と反応する。しかしなが
ら、これらの条件下では、いずれも、モノクローナル抗
体、ptn7.2A4/4と反応しない。それ故、モノ
クローナル抗体ptn7.2A4/4と反応し、その結
果、動物で、E.tenellaに対して中和、保護作
用を有する抗体反応を生じるような形で、抗原を生成す
るために、これらの大腸菌により合成されるタンパク質
を可溶化し、復元することが必要であった。TA4抗原
−プロキモシン融合pCOC12の可溶化および復元化が
報告されている。
【0160】プラスミドpDET2 は、上因に示されて
いるように、融合ポリペプチドとしてよりもむしろTA
4タンパク質を直接的に表現できるように構成されてい
る。pDET2 の最適な収率は、プロテアーゼ欠乏症大
腸菌MTM6 およびSG936で達成された。抗原回収の
培養条件を最適化させ、下記に記す。pDET2 タンパ
ク質は、TA4プロキモシン融合を可溶化し、復元し、
免疫反応抗原(例13)を生成することが知られている
方法により、可溶化、復元した。この方法では、ptn
7.2A4/4免疫反応性を有した純粋な可溶性、pD
ET2 タンパク質を生成した。
【0161】プラスミドpDET2 は、上述のように調
製された。このプラスミドを標準的な方法を用いて大腸
菌SG936 株を変換させるために使用し、アンピシリン
耐性コロニーを精製し、培養のために用いた。新しく画
線した寒天板からのアンピシリン耐性コロニーを、L−
肉汁およびアンピシリン100μg/mlを含む100
mlの液体培養の接種に用いた。培地は、振とう下で、
30℃、一昼夜増殖させた。100mlの培地を、1リ
ットルのL−肉汁/アンピシリンを入れたフラスコ中殺
した。この培地を30℃、振とうしながら、OD600
1.0になるまで増殖させた。IPTGを2mMに加
え、培地を30℃で、2〜3時間以上増殖させた。細胞
は遠心分離で集め、−70℃で凍結貯蔵した。pDET
2 を含む大腸菌SG936 の凍結細胞ペースト5gを25
mMのトリス−塩酸pH8、10mMのEDTA、0.
5mg/mlのリゾチーム、40ml中に懸濁した。短
いインキュベーション後、溶解細胞はさらに音波処理に
より破壊した。大腸菌で合成されたpDET2 タンパク
質が、細胞溶解物中に完全に不溶性であることが明らか
にされているため、pDET−2−ディング化TA4タ
ンパク質を100,000xgで1時間、細胞溶解物質
を遠心分離し、その後、5%トリトンX−100洗浄液
(Sigma Chemical Co.,セントルイ
ス,Mo)、20mM EDTAを含む緩衝液中で60
分間、25℃、ペレット化細胞屑を抽出して精製した。
pDET2 タンパク質は不溶状態にあり、100,00
0xgで遠心分離により集めた。
【0162】pDET2 不溶物質を12mlの10mM
燐酸ナトリウム(pH7.5)中に懸濁させ、残りの洗
浄液を除くために、遠心分離により集めた。pDET2
TA4タンパク質を、10mM燐酸ナトリウム緩衝液
(pH7.5)中に、最終量が7.7mlになるように
懸濁した。懸濁液は、5.8gの固体尿素を最終量12
00mlになるまで加えて、十分に可溶化した。懸濁液
は良く混合し、10分間、15℃で放置する。容量12
ml中8Mの溶液濃度のpHは、その後、溶液を室温で
16時間混合した。得られた透明な液は、100容の1
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pM11.0に調整)
で希釈し、最終容量が1200mlになるようにした。
溶液をよく混合し、10分間、15℃に放置した。溶液
のpHは、0.5Nの塩酸を5分間にわたって加え、
8.5に調整した。
【0163】得られた液は、測定と貯蔵の前に、1時間
以上室温に放置した。この液には、50−60%純粋な
25,000ダルトンのタンパク質、約10μg/ml
が含まれた。例13で詳述したように、モノクローナル
抗体Ptn7.2A4/4を用いて、検体の免疫反応性
を測定した。検体は、上述のpBGC23およびpCO
C12からの復元抗原と同程度の活性を有した。タンパ
ク質は、後述のワクチン接種研究のために、2mg/m
lまで濃縮した。
【0164】例 15 ニワトリでE.tenellaに対する保護反応および
スポロゾイド中和血清を誘発するためのE.tenel
la TA4抗原および11500ダルトンフラグメン
トの使用。TA4抗原を用いたE.tenellaに対するスポロ
ゾイド中和血清反応の誘発 これらの実験で使用したTA4抗原は非還元性TA4抗
原の調製のために例4で記載した方法により、スポロシ
ストから調製した。タンパク質の純度と同定は、ニワト
リで使用する前に、SDS−PAGEおよびモノクロー
ナル抗体Ptn7.2A4/4を用いた免疫反応性によ
り確認した。
【0165】ワクチン製剤は、抗原1容に対し約5%
Arlacel A、94% Drakeol 6−V
R、1% Tween 80から成る油状賦形剤3容と
し、各0.1mlの用量が約15μgのTA4抗原を含
むように調製した。必要に応じて、抗原はPBS(pH
7.2)で製剤に望ましいレベルまで希釈した。ニワト
リに0.1mlを頸部筋肉用に投与した。抗原は2週間
隔で同量を同一の経路により、2回以上投与した。
【0166】タンパク質の各投与前の3日間および最終
投与後11日間、トリを浮血させ、血液検体を採取し
た。熱不活性代血清は、例2で報告したようにスポロゾ
イト微量中和法で独立して試験した。血清による寄生虫
の中和はミゾントの発達を50%阻害する最大血清希釈
に基づき評価した。下記の表Iに記載した結果から、賦
形剤のみを投与したワクチン非接種のトリでは、E.t
enellaスポロゾイトに対する中和抗血清価が証明
されてなく、抗原の3用量を投与したトリでは、中和抗
血清価が証明されたことが明らかにされた。
【0167】
【表1】
【0168】TA4抗原を用いたニワトリにおける保護
反応の誘発 最終的なワクチン接種後63(82)日に数羽のトリに
1000ケの胞子形成、E.tenella卵母細胞を
経口接種した。この後、翌日に胞子形成E.tenel
la卵母細胞を3000ケ再び経口接種した。盲腸病変
は最終感染後5日に評価した。結果を下記の表IIに記
載した。
【0169】
【表2】
【0170】TA4抗原を用いたE.tenellaに
対するスポロゾイト中和血清反応の誘発 これらの実験で使用した免疫原は、例4で記載したよう
に、フェノール抽出法によりスポロシストから調製し
た。タンパク質の純度と同定は、ニワトリに使用の前
に、SDS−PAGEおよびモノクローナル抗体Ptn
7.2A4/4との免疫反応性により確認した。
【0171】凍結乾燥した精製抗原は、0.15Mの生
理食塩水。燐酸緩衝液中に溶解させ、約5%のArla
cel A、94% Drakeol 6−VR、1%
Tween 20から成る3容の賦形剤中に懸濁させ
最終濃度を70μg/mlとした。ニワトリの頸部筋肉
に、約14μgタンパク質/0.2ccを筋肉内投与し
た。その後、2週間後に等量を同じ経路で投与した。タ
ンパク質の各投与前の1日前、およびタンパク質の2回
目の投与後2週間にトリを浮血し、血清検体を集めた。
例2で記述したように、熱不活性化血清をスポロゾイト
微量中和測定法で、別個に試験した。表IIIに示した
結果から賦形剤の4の投与のワクチン非接種のトリで
は、E.tenellaスポロゾイトに対する中和抗血
清価が証明されないが、抗原を2回投与したトリでは、
最大1:81までの力価の中和抗血清の証明されること
が明らかにされた。
【0172】
【表3】
【0173】TA4抗原の11500ダルトンフラグメ
ントを用いたニワトリにおける保護反応の誘発 ニワトリの頸部筋肉に、前述の賦形剤中に懸濁させた約
3μgの抗原を1回投与した。第2の群に賦形剤のみを
投与した。ワクチンを接種していないもう1つの群(見
張りsentinel)のニワトリを前述の2群の各々
と飼育した。トリをE.tenellaにより汚染され
たケージで飼育し、コクシジウムに接触させた。約2週
間後、ニワトリを調べ、E.tenellaに感染して
いることが明らかにされた。結果を、下記の表IVに示
す。
【0174】
【表4】
【0175】上述の条件は、野外でのE.tenell
aへの自然の暴露方法と非常に良く似ているため、ここ
で示したデータは、E.tenellaによるコクシジ
オイデス症に対する保護方法が有用なことの明確な証拠
となる。
【0176】ニワトリの中和血清抗体がTA4抗原の1
7,000ダルトンのポリペプチド成分を認識すること
の証明 TA4抗原の17,000ダルトンのポリペプチド成分
に対する血清抗体の特異性の分析は、Westernブ
ロットを用いて実施した(7.59)。E.tenel
laスポロゾイトに対する中和価の証明された全てのニ
ワトリ抗血清は、TA4抗原の17,000ダルトンの
ペプチド成分へ特異性を有する免役グロブリンを含むこ
とが明らかにされた。逆に、無反応あるいは対照のトリ
の血清は、17,000ダルトンのポリペプチドや他の
スポロゾイトタンパク質に、特異性を示さなかった。
【0177】ニワトリの中和性血清抗体がモノクローナ
ル抗体Ptn7.2A4/4と競合することの証明 対応する対照血清と共に、E.tenellaに対する
中和抗体価の証明された、ワクチン接種トリ血清の、ス
ポロゾイト膜上の結合部位に対して、ptn7.2A4
/4抗体と競合する能力を調べた。ポリスチレン96w
ell elusters(Immuron II)
を、50μlのスポロゾイト膜タンパク質(10mMグ
リシン緩衝液。生理食塩水、pH9.6に溶解)で、総
タンパク質約100μg 1mlのレベルで感作した。
血清の連続2倍希釈液を、ptn7.2A4/4に結合
させたアルカリ性ホスファターゼ1:80希釈を含む、
0.0005% Tween−20添加の0.15M燐
酸緩衝液−生理食塩水中で調製し、感作プレートに、最
終容量が75μl/ウェルになるように移した。
【0178】37℃で30分間インキュベーション後、
プレートを、PBS−Twを用いて洗浄し、未反応物質
を除いた。その後、1Mのジエタノールアミン緩衝液に
溶解させたp−ホスホントロフェノールナトリウム塩の
ディスクから成る基質(1mg/mlの濃度)を、プレ
ートの各ウェルに加え、最終量を100μlとした。生
じた反応生成物を、分光光度計により測定した。研究か
ら、中和や免役斑により証明されるように、ワクチン接
種に反応したトリ血清がモノクローナル抗体Ptn7.
2A4/4と競合する抗体を含むことを証明することが
可能であった。この実験は、モノクローナル抗体ptn
7.2A4/4を用いた免役親和性クロマトグラフィー
あるいは通常のクロマトグラフィーにより、スポロゾイ
ト膜から精製した抗原が、ニワトリにおいてモノクロー
ナル抗体Ptn7.2A4/4により決定されるエピト
ープに対する免役反応を促進するという直接的な証拠を
供する。
【0179】例 16 ニワトリにおける E.necatrixに対するスポロ
ゾイト中和血清反応を誘発するためのE.tenell
aタンパク質の使用 11,500ダルトン成分を含むE.tenella
TA4抗原製剤(実例4)で免役したトリからの熱不活
性化血清をプールし、ブタ胚肺細胞に代用する中和測定
法(実例2)で試験した。結果を下記の表Vに示す。
【0180】
【表5】
【0181】このデータはトリに、TA4抗原の精製し
た11,500ダルトンフラグメントを投与時にE.n
ecatrixに対する血清中和価の上昇していること
を示す。これまでにTA4抗原の投与が、E.tene
llaに対する血清中和価を上昇させ、またTA4抗原
の投与がE.tenellaの感染に対して保護効果を
示すことが証明されており、またE.necatrix
スポロゾイト中和価が、TA4抗原の投与により上昇す
るためこの分野の熟練者は、E.necatrixに対
する保護が、TA4抗原の投与によっても得られること
が予想できるであろう。
【0182】例 17 E.TENELLA TA4抗原と交差反応する血清抗
体をマウスの体内で増殖させるための細菌により産生さ
れたTA4プロテインの使用 細菌から産生したTA4プロテインの抗原性はCB6−
F1マウスに皮下注射を行なう試験によって明らかとな
った。再形成されたpCOC12およびpBGC23プ
ロテインをこれらの構成体から得られた不溶性プロテイ
ンとともに試験した。精製したE.tenella T
A4抗原をポジティブコントロールとして、また、再形
成されたプロキモシン(pWHA49を含有するREN
3株から得た)をネガティブコントロールとして使用し
た。一群5匹のマウスにそれぞれの抗原を注射した。3
5日の間隔をおいてそれぞれのマウスに2回ずつ注射
し、注射後10日間に採決を行なった。
【0183】E.Tenella TA4抗原の場合、
抗原を含む抗原溶液3容を、完全フロインド補助液5容
と混合し、10マイクログラムをそれぞれのマウスに皮
下注射した(最終容量は200マイクロリットル/注
射)。再形成したpCOC12およびpBGC23プロ
テインまたはこれらのプラスミドから得られた不溶性プ
ロテインについても同様に注射を行なった。ただし細菌
から産生したTA4プロテインの場合にはE.tene
lla抗原の場合の約2倍モル過剰量を注射した。それ
ぞれの血清は例13で述べたELISA法で効力検定し
た。マイクロタイタープレートは、精製したE.ten
ella TA4抗原2ng/穴で皮膜をほどこしたも
のを使用した。二回目の採血で得られた血清との効力検
定の結果を下表VIに示した。
【0184】
【表6】 これらの実験は再形成プロトコールで生成したpCOC
12またはpBGC23プロテインで免疫したマウスの
抗体レベルが向上し、この抗体が精製したE.tene
lla TA4抗原と交叉反応したことを示唆する結果
を与えた。これらの血清は少なくとも1:3000の希
釈濃度において、精製したE.tenella TA4
抗原の存在下で強いポジティブシグナルを示した。他
方、不溶性pCOC12およびpBGC23プロテイン
を注射したマウスから得られた血清中には、たとえその
血清の希釈率が1:30のように低い場合であっても交
叉反応した抗体は本質的に存在しなかった。これらの実
験結果から、精製しないプロテインまたは再形成しない
不溶性pCOC12およびpBG23プロテインは効果
的なイミュノジエンではないことが示唆された。
【0185】例 18 ニワトリの体内でE.tenellaに対する胞子小体
を中和する血清の応答および防御的応答を誘発するため
の細菌により産生されたTA4プロテインの使用 すでにE.tenella(15マイクログラム)から
精製したTA4抗原の投与により血清抗体が生成し、こ
の抗体がin vitroで胞子小体を中和し、E.t
enellaの攻撃からニワトリを防御することを述べ
た。これらの性質に対して再形成したpCOC12およ
びpBGC23プロテインがテストされた。コントロー
ルとしてベーターガラクトシダーゼおよび再形成したプ
ロキモンを使用した。再形成したpBGC23プロテイ
ン、pCOC12プロテインおよびプロキモシンは、ポ
リエチレングリコールに対してあるいは空洞状の繊維濾
過器(Cartridge H1P10〜20,Ami
con Corp. Danvers,MA)により透
析され、最終濃度を0.5〜2.0mg/mlとしたも
のを使用した。それぞれの抗原を濃縮されたタンパク質
1容に対し、5%Arlacel,94% Drake
ol 6−VRおよび1% Tween80を含む3容
のオイルキャリアーと混合した。使用したそれぞれの抗
原の投与量を表VIIに示した。選択した投与量中には
およそ0.5〜2倍モル量の精製E.tenella
native TA4抗原が含まれている。この量の抗
原が免疫応答を誘発するのに効果的な量であることは前
述したとおりである。
【0186】
【表7】
【0187】実験1では前に述べたような混合法により
調整されたワクチン0.2〜0.55ccをニワトリの
首に筋肉内注射した。更に2週間の間隔でニワトリに同
様の投与法でワクチンを2回追加注射した。実験2では
前述のように調製されたワクチン0.2〜0.45cc
を十二指腸組織に注射した。ニワトリには更に2週間後
に同様の投与法でワクチンを1回追加注射した。それぞ
れのプロテイン投与の3日前および最終投与の11日後
に血清サンプルの収集のため採血を行なった。
【0188】E.tenellaに対する胞子小体を中
和する血清応答の誘発 実験1および2ではニワトリから得られた血清を加熱に
より不活性化したものを使用してE.tenella胞
子小体の中和実験を行なった。一次のニワトリの腎臓細
胞培養液を使用して次に述べる方法でミクロ中和法によ
る効力検定を行なった。1〜2週齢のニワトリを殺し、
防腐処理を行なった後、腎臓を切除した。得られた腎臓
の抗トリプシン性を破壊し、腎細胞をウェル当たり10
4 の濃度で、熱で不活性化した子牛の退治の血清5%を
添加したEarles LAH培地中に、96ウェル中
に移植した。培養は5%CO2 雰囲気中で41℃で行な
った。培養した細胞がだいたい50%合流するレベルに
達した時、前述の方法で希釈した試験用の血清をミクロ
プレートの各穴に50マイクロリットルずつ加えた。次
いで50マイクロリットルにつき2〜3×104 コの胞
子小体を含むEarles培養液50マイクロリットル
をマイクロプレートの各穴に加えた。12〜16時間
後、培養液の上澄液を2%の加熱により不活性化した子
牛の胎児の血清を含む新しく調製したEarle LA
H溶液に交換した。感染後40〜44時間経過した時点
で培養を停止した。この時点で培養の上澄液をプレート
から取り除いた。引き続きメタノールを加えて細胞をプ
レートに固着させ、5%氷酢酸溶液で酸性化した。固着
させた培養物を0.1%トルイジンブルーで染色した後
に観察を行なった。
【0189】それぞれの穴ごとに複分裂増員の抑制のお
よそのパーセントにより評価した。繁殖体の増加を完全
に抑制する事のできる血清の希釈可能な最大希釈率を基
準にして寄生虫の中和の程度を採点した。表VIIIの
結果は次のことを示唆している。すなわちトリにベータ
ーガラクトシダーゼまたは再形成したプロキシモシンを
注射してもE.tenellaスポロゾイドを中和する
目立った抗血清力価は得られなかったが、pBGC23
プロテインまたはpCOC12プロテインを筋肉内に3
回注射したトリはスポロゾイドを中和する顕著な抗血清
力価を示した。
【0190】
【表8】
【0191】E.coli産生TA4プロテインを免疫
されたニワトリの中和性血清とモノクローナル抗体 P
tn7.2A4/4との競争についての実験 トリにワクチンを注射し、E.tenellaスポロゾ
イドに対して顕著な中和力価を有する血清を準備した。
また、これに対応するコントロール血清を準備した。こ
れらの血清につき、スポロゾイドの膜上のバインディン
グサイトと結合する能力を抗体ptn7.2A4/4の
結合能力と競争させて比較した。ポリスチレン製96穴
プレート(Immulon II)のそれぞれの穴に1
0mMグリシンで緩衝させ、pHを9.6とし、約10
0マイクログラムトータルプロテイン/mlを含むスポ
ロゾイド膜プロテイン50マイクロリットルを充てん
し、37℃で一夜インキュベートした。プレートをPB
S−Tween(0.005%Tween−20)で3
回洗浄した後、PBSに溶解した3%(W/V)子牛血
清アルブミン(RIAグレード,Sigma Chem
ical Co.,St.Louis,MO)を添加
し、1時間インキュベートした。0.0005%のTw
een−20を含む0.15Mリン酸塩緩衝血清中で血
清を1:2から1:200に連続して2回希釈した溶液
を調製し、プレートに添加して37℃で3時間インキュ
ベートした。その後プレートにアルカリ性フォスファタ
ーゼで共役したptn7.2A4/4モノクローナル抗
体を添加し、37℃で1時間インキュベートした。
【0192】このプレートから(0.0005%)Tw
een−20を含む0.15Mリン酸塩緩衝食塩水を用
いて未反応物質を完全に洗い流した。その後、それぞれ
の穴に1Mジエタノールアミン緩衝液中に1mg/ml
p−フォスフォニトロフェノールナトリウム塩を含有
する基質溶液100マイクロリットルを加えた。反応後
生成した物質を分光法により検出した。非経口的にワク
チンを注射するプログラムに応答したトリの血清にはス
ポロゾイドの中和により確かめられた通り、モノクロー
ナル抗体ptn7.2A4/4(表IX)と競争する抗
体が含まれていた。この実験により、次の様な証拠が直
接得られた。すなわち、再形成したpBGC23およ
び、pCOC12プロテインはニワトリの体内でTA4
抗原のモノクローナル抗体ptn7.2A4/4により
認識される免疫応答の領域を刺激する作用があることが
明らかとなった。
【0193】
【表9】
【0194】種々のTA4プロテインを用いてニワトリ
体内でE.tenellaにより感染の度合いを減少さ
せる免疫法 最終のワクチン注射後11日経過後ニワト
リに低濃度のcoccidia(約300〜500卵母
細胞)を注射して攻撃させ、床付きのオリに入れた。卵
母細胞の循環を最大とするために布団はそのままオリに
残した。最初の攻撃から1週間後に病巣の進行の均一性
を最大とするために4000〜5000の卵母細胞をニ
ワトリに注射して第2の攻撃を行なった。ニワトリはそ
の後6日目に殺して病巣の進行を評価した。病巣の採点
はJohnsonおよびReid(30)により開発さ
れたパラメータによって行なわれた。
【0195】結果を表Xに示したように、再形成された
pBGC23またはpCOC12プロテインをワクチン
注射したニワトリの病巣を攻撃観察した結果、対応する
コントロールグループの病巣ほどひどくないことが明ら
かとなった。再形成したpBGC23または再形成した
pCOC12のいずれかのワクチン注射を行なったニワ
トリでは最も重篤な病巣(レベル=4)への進行が全く
認められなかったばかりでなく、病巣の程度の分布が全
体的に軽度の値に移行していた。ワクチン注射を行なっ
たニワトリのおよそ50〜70%は病巣の程度が1〜2
のレベルと記録されたのに対し、コントロールのニワト
リの50〜70%は3〜4のレベルの病巣であると採点
された。
【0196】
【表10】
【0197】
【表11】
【0198】例 19 ニワトリ体内で産生した組み換えTA4(pDET)抗
原への直接の表現に対する応答 pDETをワクチン注射したニワトリのアイメリア属t
enella抗原への血清学的応答。スポロシストによ
り誘導された、アイメリア属tenellaの膜プロテ
インに対するpDETをワクチン注射されたニワトリの
免疫反応性を調べるための実験を実施した。1つの実験
につき、10羽のニワトリを使用してそれぞれに50マ
イクログラムのpDETのワクチン注射を行ない、産生
したプロテインの直接の表現を調べた。プロテインの産
生について例10に述べた。このプロテインの免疫反応
性を力価検定し、実験に使用する前にモノクローナル抗
体Ptn7.2A4/4を用いて確認した。
【0199】ワクチンはpDETに対して3:1の比の
5% Arlacel−A,94%Drakeol 6
−VRおよび1% Tween−80を用いて調製し、
0.04マイクログラムのLPS(3回投与の実験の場
合)または50マイクログラムのPHA(単回投与の実
験の場合)を添加した。次いで頭部後側の首に0.5m
lの皮下投与を行なった。初回の実験では、2週令のL
eghornを用いて開始して、ワクチン注射規定食餌
法を採用して10日間隔で3回の投与を行なった。これ
と同じ間隔でニワトリから採血を行ない、血清を収集し
て凍結保存した。二番目の実験では4日令のbroil
erを使用し、ワクチン注射後5日目に採血を行なっ
た。両者の実験には上記のキャリアーに不活性なpDE
Tセメント質/アジュバント;アジュバント/キャリア
ー;およびワクチン注射しないコントロールを使用して
行なった。
【0200】ワクチン注射した実験動物およびコントロ
ールから採血した血清の免疫反応性は例13で述べたア
イメリア族tenellaスポロシストプロテインに対
するウエスタンブロット法で分析した。次表XIに示す
実験結果から、pDET抗原をワクチン注射する3回投
与の実験では、10羽のトリのうち9羽が最初の攻撃か
ら10日後に該当する分子量バンドでポジティブな反応
の応答があった。その後の2回の連続した攻撃の後は1
0羽のうち10羽すべてが反応した。第2回目の不溶性
pDETの攻撃の後、数羽のトリの血清がTA4抗原に
対して反応性を示した。単回投与の実験では、pDET
のワクチン注射を行なった10羽のトリのうち、10羽
すべてが5日後に行なったウエスタンプロット分析の結
果、血清の変換を起こしたことが明らかとなった。LP
Sまたは攻撃コントロールとしてのトリはどちらのテス
トにおいても全くセロポジティブにならなかった。
【0201】
【表12】
【0202】pDETをワクチン注射したニワトリのア
イメリア族tenella卵母細胞からの攻撃に対する
防御。概要について前述したワクチン3回投与計画にひ
きつづいて10日目にニワトリにEimera ten
ellaの卵母細胞を接種し、寄生虫に特有な症状の病
巣を観察した。最終のワクチン注射後10日目に前述の
4つのグループ(pDET抗原、不溶性pDET、アジ
ュバントコントロール、ワクチンなしコントロール)は
6,000の胞子を形成した卵母細胞を経口投与した。
接種物は実験に先立ち希望する程度に重篤となった病巣
が得られるように力価測定を行なった。この寄生虫特有
のCaecal性病巣を攻撃後5日目に例18で述べた
方法で採点した。この結果を次表XIIに示したが、p
DET抗原投与群はコントロールと比較して病巣の重篤
度の軽減および死亡数の減少を認めた。
【0203】
【表13】
【0204】pDET TA4抗原をワクチン注射した
ニワトリにおけるスポロゾイドを中和する血清反応。ワ
クチンを注射したトリから得られた血清の寄生虫中和能
力を検討することによりpDETの能力を検定するため
にスポロゾイド中和効力検定法(SNA)が適用され
た。例18で設定されたSNAプロトコールを用いて前
述の単回および3回投与実験で採血した血清を力価検定
した。次表XIIIに示したようにpDETワクチン注
射を行なったトリは対応するコントロールと比較して血
清のスポロゾイド中和能力を有することが明らかとなっ
た。
【0205】
【表14】
【0206】例 20 モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4により認識さ
れたE.NECATRIXの抗原の同定 Eimeriaプロテインの 125Iラベル実験。E.n
ecatrixから得られた総計2×128 コの卵母細
胞のヨウ素化を行なった。それぞれの場合、スポロシス
トを塩を浮かばせたハイポクロライトのナトリウム塩で
処理し、ガラス球で細胞膜を破壊し、ガラス綿を充てん
したカラムを通して精製した。スポロシスト膜を調製す
る場合、1.5倍容量のスポロシスト1mlのPBSお
よびガラス球とともにプロテアーゼインヒビターの存在
下で機械的に破壊した。プロテアーゼインヒビターの組
成は次のようである:0.1mMフェニルメチルスルホ
ニルフルオリド(PMSF)、0.1mM N−トシル
−L−フエニルアラニンクロルメチルケトン(TPC
K)、1mM N−アルファ−P−トシル−L−リジン
クロルメチルケトン(TLCK)および10KIU/m
lアプロチニン。残存するスポロシストを更にトリプシ
ンおよびタウロデオキシコリン酸(総容量=1ml)で
処理してスポロゾイトの脱のうを行なった。両者の調製
液は45分間4℃で超遠心分離(45,000RPM)
し、得られたペレットを1mlのリン酸塩で緩衝した食
塩水(PBS)で再けん濁した。操作上の注意点として
超遠心分離を行なう前にPBSおよび1mMのMSFで
洗浄する際、スポロゾイトからすべてのトリプシン−デ
オキシコリン酸塩を完全に除去することがあげられる。
【0207】1mlのサンプルを40マイクログラムの
IODOGENTM固相ヨウ素化試薬(24,54)を使
用して窒素気流下で乾燥し、PBSでリンスして得られ
た皮膜を容器内壁に形成したガラス性シンチレーション
バイアルに加えた。それぞれのバイアルに0.5mCi
125Iを加え、サンプルを氷上で20分間インキュベ
ートした。その後、100マイクロリットルのKI(1
M)をそれぞれのバイアルに加えて最終濃度を100m
Mとし、氷上で更に15分間反応を進行させた。スポロ
ゾイドおよびスポロシスト調製液を次いで5mM KI
を含むpBSで7mlに希釈し、4℃で45分間、超遠
心分離(45,000RPM)によりペレットとした。
【0208】スポロシストおよびスポロゾイド膜プロテ
インの抽出。前記の超遠心分離により得られた 125Iを
標識したスポロシストおよびスポロゾイトのペレットを
1mlのプロテイン抽出緩衝液中に再けん濁した。けん
濁液は氷上で時々渦状に振り混ぜながら30分間インキ
ュベートした。不溶性の物質は4℃で15分間ミクロ遠
心分離装置により界面活性剤に可溶な物質と分離され
た。この上澄液は−70℃で保存した。125Iプロテイ
ンのTCAによる沈降。それぞれのサンプルの10マイ
クロリットルを5mM KI溶液90マイクロリットル
で希釈した。希釈したそれぞれのサンプルを5%トリク
ロル酢酸(TCA)、25マイクロリットルのBSA
(10mg/ml)および5mMのKIを含む溶液1m
lに加え、氷上で30分間インキュベートした。沈殿し
たサンプルを、ガラス繊維フィルターでろ過し、0℃で
5mlの5%TCAおよび5mM KIで2回洗浄し、
0℃で5mlの95%エタノールで3回洗浄した後、液
体シンチレーションカウンターで10分間計測した。
【0209】モノクローナル抗体との免疫沈殿。50マ
イクロリットルのモノクローナル抗体を25マイクロリ
ットルのMAB−DILに加えた。20マイクロリット
ルの 125I標識プロテインを次いで加え、かき混ぜた
後、4℃で一夜インキュベートした。ウサギの抗−マウ
スIg血清(IgA,IgG,IgM)をMAB−DI
L中で1:2に希釈し、その10マイクロリットルをそ
れぞれの免疫沈殿の試験管に加え、4℃で1時間インキ
ュベートした。1:4に希釈したproteinA−S
epharose(10% v/v)を加え、試験管を
ゆるやかに振り混ぜながら4℃で1時間インキュベート
した。免疫沈殿生成物を冷MABWで2回洗浄し、更に
室温においてMABWで2回洗浄した。ペレットを50
マイクロリットルのSDS−PAGEサンプル緩衝液
(35)で再びけん濁し、5分間沸騰させ、遠心分離に
よってprotein A−Sepharoseを分離
した。上澄液を放射活性計測し、SDS−PAGEで分
析した。
【0210】E.NecatrixプロテインのSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)。免疫吸着された 125I標識スポロシストおよびス
ポロゾイド膜プロテイン、および免疫沈殿プロテインの
すべてを5〜25%エキスポネンシャルまたは8〜20
%リニア−グラジェントSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル(25mA)で分析した。ゲルを乾燥し、Kodak
XAR−5X線フィルム上へ−70℃で一夜露出を行
なった。染色を目的としたゲルを製造元が添付した使用
説明書(Pierce Chemical)に従って、
Coomassie(21)または銀染色を行なって視
覚化した。E.Necatrix抗原とPtn7.2A
4/4モノクローナル抗体との免疫沈殿の結果。表面が
標識されたE.Necatrixスポロゾイド標本は、
2種の多重にヨウ素化されたプロテインを含んでいた。
SDS−PAGEの分析結果から判断して、これらのプ
ロテインの分子量は約6,500および25,000と
推定された。このうち6,500ダルトンのプロテイン
はモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4により容易
にまた特異的に免疫させることができた。スポロシスト
の膜にも多重にヨウ素化されたプロテインが存在し、そ
れらの分子量は約18,000および26,000であ
った。また、これらのプロテイン以外にも数種の少量の
ヨウ素化された種々の分子量を有するプロテインが検出
された。免疫沈殿された 125I標識スポロシスト膜プロ
テインの場合、モノクローナル抗体Ptn7.2A4/
4との反応により沈殿した抗原は、減力したSDS−P
AGE分析の結果、分子量18,000ダルトンのプロ
テインのみであることが確認された。
【0211】例 21 E.NECATRIX NA4抗原の精製、同定および
特性指摘。 NA4抗原の精製および特性指摘。胞子形成
したE.necatrixの卵母細胞を109 コの卵母
細胞につき10mlのPBSに再びけん濁し、これと等
容量のガラス球を加えて振り混ぜることによって細胞を
破壊した。膜を遠心分離(100,000xg、60
分、4℃)により単離し、プロテインを1%NP−4
0、10mMトリス塩酸(pH7.5)、25mM塩化
ナトリウム、1mM PMSF、1mM TLCK、
0.1mM TPCKおよび10KIU/mlアプロチ
ニンに溶解した。不溶性物質は遠心分離(100,00
0xgスピン、60分、4℃)によりペレットとした。
スポロシスト膜プロテインは、20mMトリス塩酸(p
H8.1)および0.05% Zwittergent
TM3〜12中で平衡化したDEAE−HPLCカラム
(Bio Rad)に吸着させた。
【0212】この緩衝液に0.1mMのジチオスレイト
ールを含む溶液および塩化ナトリウムグラジェント(0
−500mM)でカラムから溶出を行なった。ゲル電気
泳動法の移動度により同定されたNA4抗原が約275
mM塩化ナトリウムで溶出した分画に含まれていること
が明らかとなった。NA4抗原を含む分画をプールし、
CentriconTM10microconcentr
ator(Amicon Corp.,Danver
s,MA)を用いて濃縮した。濃縮物を約10容の0.
01%(w/v)SDSで希釈し、再び濃縮して食塩お
よびジチオスレイトールレベルを低下させたサンプルを
緩衝液を含む62.5mMトリス塩酸(pH6.8)2
%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム塩、10%(w/
v)グリセロールおよび0.001%(w/v)ブロム
フェノールブルーを加えて希釈し、沸騰させた後、15
% SDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動を行な
った。これらの減力しない条件では、およそ、26,0
00ダルトンの分子量のNA抗原がKCl染色21によ
り同定された。ゲルの該当する部分を切り取り、ゲルを
1mlの10mM NH4 HCO3 、0.02%(w/
v)SDSとともに室温で4時間振り混ぜ、プロテイン
を溶出した。この方法で調製したNA4抗原は本質的に
純粋であった。
【0213】このNA4抗原を、減力した条件(すなわ
ちサンプル緩衝液に5%(v/v)ベーターメルカプト
エタノールで溶かした条件)でSDS−PAGE分析を
行なった結果、NA4抗原、分子量18,000および
約8,000ダルトンの2種類のポリペプチドから成る
ことが明らかとなった。従って、スポロシスト膜の調製
液中には分子量18,000および8,000ダルトン
のポリペプチドがジスルフィド結合と結合していること
が明らかとなった。
【0214】In Vivoでの試験における免疫吸着
技法によるE.Necatrix抗原の精製。Kasp
erらの免疫吸着技法にいくつかの変法(31)を加え
た方法でE.necatrix NA4抗原の免疫吸着
を行なった。要約すれば、すべてのE.necatri
xスポロシスト膜は本例初頭の部分で述べたように、P
tn7.2A4/4モノクローナル抗体の存在下で4℃
で一夜インキュベートされた。その結果生成した反応混
合物をこれらと同様の条件下でProteinA−Se
pharose(Sigma;St.Louis,M
O)により山羊の抗マウス抗血清の存在下で4℃で固化
した。このけん濁液をガラスカラムに流し込み、吸光度
のベースラインが一定になるまでPBSで結合していな
いプロテインを洗浄により除去した。非特異的に結合し
たプロテインをPBS(pH8.0)および酢酸塩緩衝
液(0.1M.pH4.0)で交互に洗浄することによ
り除去した。特異的に結合した抗原を2%SDSを含む
60mMトリス塩酸(pH6.8)でカラムから溶出し
た。引き続いて、抗原を含むこの溶出液を同様の緩衝液
で平衡化したSephadex G−200カラムを通
過させ、同様の緩衝液を溶出した。ドデシル硫酸ナトリ
ウムを除去するために、Extracti Gel D
TMカラム(Pierce;Rockford,IL)を
通過させた。
【0215】例 22 E.NECATRIX NA4抗原の18000及び8
000ダルトンのペプチド成分の部分アミノ酸配列NA
4抗原の18000ダルトンのペプチド成分のアミノ酸
配列。 18000ダルトンペプチドのアミノ酸配列決
定は、N末端アミノ酸をブロックする段階で複雑になっ
た(即ち、エドマン分解を受け難かった(14))。こ
の問題を克服するために、NA4抗原をCNBrで開裂
させ、約16000ダルトンのCNBr分画を逆相HP
LCで精製した(26)。CNBr開裂を行うために、
約10マイクログラムの蛋白質を、4℃で一夜かけて7
0%ギ酸中2%CNBrに溶解させた。この試料をSa
vant Speedvac遠心分離器で蒸発乾固し、
0.1%TFAに再溶解した。大CNBr分画をVyd
ac C4カラム(Separations Grou
p,Hesperia,CA)で精製し、0−100%
の0.1%TFA中CH3 CN:イソプロパノール2:
1グラジェントで溶出した。
【0216】気相配列決定機(Applied Bio
systeme,Inc.,Foster City,
CA)を用い、Hunkapillerら(25)の方
法に従ってアミノ酸配列決定を行った。フェニルチオヒ
ダントイン(PTH)を結合させたアミノ酸をHPLC
で解析した(5Q)。大CNBr分画の部分アミノ酸配
列を以下に示す。
【0217】
【化11】 NA4抗原の8000ダルトンのペプチド成分のアミノ
酸配列。 NA4抗原の8000ダルトンのペプチド成
分のN末端アミノ酸配列は、直接NA4抗原の配列決定
を行うことにより決定できた。SDS−PAGEゲルか
ら溶出した精製NA4抗原を、Centricon 1
0マイクロ濃縮機を用いて約6倍に濃縮した。SDSゲ
ルから溶出した試料中のグリシンを除去するために、2
0倍容量の水を濃縮物に2度添加し、この試料を再濃縮
した。濃縮した試料を、配列決定機に直接かけた。本ペ
プチドのN末端部位の部分アミノ酸配列を以下に示す:
【0218】
【化12】
【0219】例 23 E.NECATRIX NA4抗原をエンコーディング
しているゲノミックDNAクローンの単離と特性記述
E.Necatrixの胞子形成オオシストからのDN
Aの単離。 胞子形成オオシスト(5×108 )を洗浄
し、例6において記述したように、スポロシストからD
NAを単離した。バクテリオファージλgt wes λBにおけるE.
Necatrixのゲノミックライブラリーの構築。
バクテリオファージλgt wes λBにおけるE.
NecatrixのゲノミックDNAライブラリー(2
6)を、例6に記述したようにして構築した。15マイ
クログラムのEcoRIで開裂させたDNAアームをT
4 DNAリガーゼを用いて、3マイクログラムのEc
RIで開裂させたE.necatrix DNAに結
合させた。1マイクログラムの結合DNAをin vi
troでファージ粒子に組み入れ、2×206 個の組み
替えファージ粒子のライブラリーを産生した。
【0220】E.necatrixのゲノミックDNA
ライブラリーのスクリーニング。 E.necatri
のゲノミックDNAライブラリーの組み替えファージ
のニトロセルロースフィルター転写体について、
32P〕−dATPを用いてニック翻訳を行ったE.t
enellaのゲノミックローン108−1−2の78
5塩基対Sac I−PvuIIフラグメントを用いて
スクリーニングを行った。ニック翻訳された試料に混成
されたポジティブプラクを突き、精製したプラク及びD
NAを、前述のようにして調製した。E.necatr
ix DNA挿入体の精製及び特性記述のために、ポジ
ティブファージ7を大規模に培養した。
【0221】18,000ダルトンのペプチドをエンコ
ーディングしているゲノミッククローンの詳細な特性記
述−制限マップ。 クローン7の3900bp Eco
RIフラグメント挿入体を、ファージベクターからプラ
スミドpUC9(78)へ細クローン化し、クローン7
−49を産生した。組み替えプラスミドを種々の限定エ
ンドヌクレアーゼで開裂させ、ゲノミックDNAクロー
ン中のキー限定部位の位置を決定した。DNA中の限定
部位は、18,000ダルトンのペプチド遺伝子の位置
及び方向を決定するために必要であるし、またEco
IゲノミックDNAフラグメントの配列決定のための策
略を開発するためにも必要とされる。定マップを、図1
6に示す。18,000ダルトンペプチドの遺伝子の位
置及び方向はこのマップに示されている。
【0222】細クローン7−49のDNA配列解析。
E.necatrix NA4抗原の18000ダルト
ンペプチド成分の遺伝子を含有するクローン7−49の
フラグメントについて、種々の制限酵素フラグメントを
用いる。Sanger(62)のジデオキシ法により配
列決定を行った。DNA合成のためのプライマーには、
他の合成オリゴヌクレオチドはもちろんのこと、オリゴ
ヌクレオチドCOD92、94及び108等がある。D
NA配列を図17に示す。
【0223】E.necatrix NA4抗原をエン
コーディングしている遺伝子の構造。DNA配列は、ア
ミノ酸の部分解析により予想されたものと一致してい
る。非還元条件下のポリアクリルアミドゲル電気泳動に
よると、E.necatrix及びE.tenella
の両抗原は、明らかに25−26,000ダルトンの分
子量を有する。還元条件下の電気泳動では、両抗原がジ
スルフィド結合により結合した2種のポリペプチドで構
成されていることを証明した。E.necatrix
伝子とE.tenella遺伝子との比較では、遺伝子
構造が前に討論した3つの特徴においてE.tenel
la遺伝子に類似していることを示唆している。即ち、
(1)この遺伝子は23個のアミノ酸シグナルのペプチ
ドをエンコードしている、(2)遺伝子内に3個のイン
トロンが存在する、および
【0224】(3)この遺伝子は、18,000及び
8,000ダルトンペプチドを産生するための同一蛋白
分解作用部位(Arg−Arg−Leu)を有する2
6,000ダルトンペプチドをエンコードしている。
E.tenella遺伝子と比較したE.necatr
ix遺伝子のDNA配列解析から、両ペプチド間の類似
点及び相違点が推定される。図18は、E.tenel
la及びE.necatrix遺伝子と、予想されるア
ミノ酸配列との整列を示している。3個のイントロンの
入口/出口は、両遺伝子に保存されている。2個のA4
抗原蛋白は、それらのアミノ酸配列に86%の類似点を
示している。
【0225】すべてのシステインアミノ酸残基及びおそ
らくジスルフィド結合も保存されている。E.neca
trixの蛋白は、E.tenellaの蛋白の熟成し
た17,000ダルトンのポリペプチドの2位と3位の
間に1個のアミノ酸が挿入されていることを示してい
る。さらに、E.necatrixの蛋白は、E.te
nellaの蛋白の45位に存在するセリン残基を欠損
しているし、また熟成したE.tenellaの蛋白中
の223番から228番までに相応するアミノ酸も欠損
している。図19は、遺伝子内の3個のイントロンの整
列を示している。イントロンAは、両種内の101bp
であり、89%の配列類似性を示している。イントロン
Bは、E.tenellaにおいては114bp E.
necatrixにおいては122bpであり、74%
の配列類似性を示している。イントロンCは、E.te
nellaにおいては124bp.E.necatri
においては117bpであり、77%の配列類似性を
示している。このように、イントロンは、明らかに異な
っている。
【0226】例 24 NA4抗原をエンコーティングしているmRNAの単離
と同定 NA4抗原をエンコーディングするcDNAを合成する
前に、NA4抗原をエンコーディングするmRNAが、
胞子形成中のどの時期に現れるかを決定する必要があっ
た。2.5×108 のオーシストを40時間軽く攪拌
し、30℃で胞子を形成させた。胞子を形成するオーシ
ストを、7−800xgで10分間遠心分離し、上清を
除去した。小球を、ドライアイス/メタノール浴中で急
速冷凍し、RNAを単離するまで−70℃で保存した。
各々の小球は、約10容量の5Mのグアニジンチオシア
ナート,pH7.5の20mMのTris−HCl,1
0mMのEDTA,5%(v/v)ベータメルカプトエ
タノール中で解凍し、オーシストを、同容量の1.0m
mのガラスビーズを用いて10分間激しく攪拌すること
により急激に破壊した。このサンプルを2%(w/v)
N−ラウロイルサルコシンに添加した後に、約8000
xg、室温で遠心分離して不溶物を除去した。CsCl
クッションを通して沈殿させることにより上清からRN
Aを単離した(76)。
【0227】RNAの小球を、pH7.5の20mMの
Tris−HCl,pH8.0の50mMのEDTA,
0.2%SDS,100units/mlのRNasi
n(Promega Biotec,Madison,
WI,10mMベータメルカプトエタノール)中に再懸
濁させた。フェノール−クロロホルム:イソアミルアル
コール(24:1)及びクロロホルム:イソアミルアル
コール(24:1)の何れかを用いて抽出した後に、R
NAを沈殿させ、−20℃でエタノール中に保存した。
約85−150マイクログラムの総RNAを、(0.5
−1.0×10 9 の)オーシストから単離した。オリゴ
dTセルロースクロマトグラフィーにより、ポリAを含
有するRNAを単離した(2)。pH7.5の10mM
のTris−HCl,1mMのEDTA、0.2%(w
/v)SDS、0.4MのLiClを用い、総RNAを
オリゴdTセルロースカラム(Type 3,Coll
aborative Research,Inc.Le
xington,MA)にかけた。LiClを含まない
同一緩衝液を用い、4℃でRNAを溶出した。5.0×
108 のオーシストから、約10マイクログラムのA+
RNAを単離した。
【0228】ポリA RNAが、cDNA合成の鋳型と
して使用される前に、NA4抗原をエンコーディングす
るmRNAの存在を実証する必要があった。NA4抗原
mRNAの存在は、充分に胞子形成を行った(40時
間)オーシストから得たポリARNAを、TA4の蛋白
をエンコーディングするクローンから得たDNAと混成
することにより証明した。胞子形成オーシストから単離
した10マイクログラムの総RNAを、ホルムアルデヒ
ドを含むゲルを用いて電気泳動させた(44)。RNA
をナイロンフィルターに転移させて、Northern
blot解析を行った。ナイロンフィルターは、TA
4 cDNAクローンの最初の約300bpから成る、
TA4 cDNAフラグメントの最初の約300bpか
ら構成されている、〔32P〕でニック翻訳された(4
4)DNAフラグメントを用いて精査した。このフラグ
メントのDNA配列は、それに対応するNA4遺伝子配
列中の部位と80%以上類似しているので、適切な試料
として選択される。NA4抗原をエンコーディングする
mRNAは、40時間胞子形成したオーシスト中に確か
に存在した。これらの実験は、40時間胞子形成したオ
ーシストから得られたmRNAを用いると、NA4抗原
をエンコーディングするcDNAを産生することを実証
している。
【0229】例 25 NA4抗原をエンコーディングするcDNAクローンの
単離と特性記述 cDNA NA4抗原をエンコーディングするヌクレオチド配列
を、大腸菌のような容易に増殖する細胞中の遺伝子とし
て使用し、ある種のアイメリア属により引き起こされる
コクシジウム症に対する鶏のワクチン接種のためのNA
4蛋白を産生した。DNA配列が蛋白配列と一致しない
部位は、NA4遺伝子(図17)には3ケ所ある。これ
ら3個の配列は、多くの成熟核遺伝子のコーディング部
位内に典型的に見出されるイントロンである。しかしな
がら、イントロンを含む遺伝子は、大腸菌において固有
の蛋白を表わさないと思われるので、NA4抗原をエン
コーディングするcDNAクローンを単離する必要があ
った。このクローンは、NA4抗原に対して連続するコ
ーディング配列を含んでいる。
【0230】cDNAの合成 簡単に、例24に記述したようにして単離した胞子形成
オーシストのmRNAを、Amersham(Amer
sham Corporation,Arlingto
n Heights,IL)から購入したcDNA合成
キットを用いてcDNAに転写し、それらの指針に従っ
て使用した。2マイクログラムのmRNAから、約40
0ngのcDNAを得た。
【0231】NA4cDNAライプラリーの構築 cDNAを、20マイクロリッターの6mM Tris
−HCl,pH7.4の6mM MgCl2 ,6mMベ
ータメルカプトエタノール中に再懸濁した。cDNAを
ライブラリーにクローン化するために、NA4ゲノミッ
ククローンDNA配列から決定された制限部位を使用し
た。SacI部位は、NA4抗原の熟成18,000ダ
ルトンのサブユニットのN−末端グルタミンの即上流に
あり、第2のSacI部位は、最初のものから60bp
下流にある。cDNAを、6mMTris−HCl(p
H7.4)、6mM MgCl2 、及び6mMベータメ
ルカプトエタノールの存在下、12ユニットのSac
を用いて37℃150分間消化させた。
【0232】cDNAの主要部位、即ち第2のSac
部位から遺伝子の末端までをクローニングするために、
pUCl(56)を使用した。ベクターをSacI及び
SmaIを用いて開裂させた。SmaIは、cDNAの
3′末端の結合に必要な鈍い末端部位を与えた。結合反
応は、約40ngのベクターDNAと40ngのcDN
Aを用いて行った。結合は、1ユニットのT4 DNA
リガーゼを用いる50mM Tris−HCl(pH
7.8)、10mM MgCl2 ,20mMジチオトレ
イトール、1.0mM rATPのリガーゼ緩衝液中
で、12℃一夜かけて行った。
【0233】組み替えてDNA分子をその後、変換によ
り大腸菌K−12株MH1に導入した。変換された菌を
50マイクログラム/mlの濃度の抗生物質アンピシリ
ンを含む寒天平板培地に塗り広げた。プラスミドpUC
l 8(56)は、アンピシリン耐性遺伝子を含有する
ので、組み替えプラスミドを獲得した菌のみが生存し
た。これらの菌は、それぞれ増殖し分裂して菌コロニー
を形成する。コロニーのそれぞれの細胞は、オリジナル
の親細胞の子孫であり、同一の組み替えプラスミドを含
有している。20ナノグラムのSacIで開裂したcD
NAから約20,000クローンを得、組み替えプラス
ミドを作った。
【0234】NA4cDNAクローンの同定 本cDNAライブラリーを、Grunstein及びH
ogness(20)により記述された高密度スクリー
ニング法を用い、コロニー混成によりスクリーニングを
行った。前に記述した、mRNAに対して混成するため
に使用されたTA4cDNAクローンの同一300bp
フラグメントを精製し、ニック翻訳により32Pで標識し
た(44)。ポジティブクローンを同定し、精製し、さ
らに解析を行うために、プラスミドDNAを単離した。
ポジティブcDNAクローンpSMACの限定解析は、
NA4ゲノミッククローンから予想されたマップと一致
した。pSMACと表わされるクローンのcDNA挿入
体について、ゲノミッククローンに対応させるためのオ
リゴヌクレオチドプライマーを用いるジデオキシ配列決
定により配列決定を行った(62)。pSMACの構築
を図20に示す。本cDNAクローンを大腸菌JM83
株に変換し、JM83/pSMACと表わされる菌株
は、American Type Culture C
ollection,Rockville,MDに寄託
され、また、ATCC Accession No.
7 241と指定された。この寄託はBudapest
Treatyに従って作製した。DNA配列は、ゲノ
ミッククローンから予想されたものに一致した。
【0235】プラスミドpSMACは、90%以上のN
A4cDNAをエンコードしているが、熟成NA4蛋白
に対するcDNA配列の初めの60bpを欠損してい
る。簡略化するために、我々は、NA4ゲノミッククロ
ーン7から予想される配列を用いて、cDNAのこれら
60bpを合成することを選択した。COD391とC
OD392の2種のオリゴヌクレオチドを、Biose
arch 8,600DNA合成機(Biosearc
h,San Rafael,California)で
合成し、HPLCで精製し、等量に混合し、5分間で9
0°まで加熱し、22℃まで放冷した。これら2種のオ
リゴヌクレオチドを焼きもどすと、遺伝子の5′末端近
くの2つのSacI部位の間のNa4遺伝子の配列と同
一のSacI末端を有するDNAフラグメントを形成す
る。この合成フラグメントを、SacIで消化させたp
SMACに結合させ、得られる組み替え分子をMH1に
変換し、変換体をDNA配列決定によりスクリーニング
し、何れのクローンが正しい方向にSacI−Sac
60bpフラグメントを有し、正規の長さのNA4cD
NAをエンコードしているかを決定した。pSS33
が、このプラスミドである。pSS33の構築は図21
に示してある。
【0236】NA4cDNA表現プラスミドの構築を促
進するために、正規の長さのNA4cDNAをエンコー
ドしている第2のプラスミドを構築した。このプラスミ
ドがpNCDである。pNCDは、pSS33中のNA
4cDNAの5′末端をマークしているSacI部位
の、pUCl8配列の即上流に挿入された、もう一つの
ヌクレオチド塩基対を含有している。この塩基対を加え
ると解読機構をシフトさせるので、牛プロキモシン(p
WHA93)又は大腸菌ベータガラクトシダーゼ(pD
K2)の何れかのEcoRIの場合には、解読機構は維
持されるであろうし、プロキモシン−NA4、又は、ベ
ータガラクトシダーゼ−NA4の縮合蛋白が産生され得
るのである。
【0237】pSS33を創出するために使用した方法
と同様にして、pSMACからpMCDを誘導した。合
成オリゴヌクレオチドCOD395とCOD396を作
製し、精製し、アニーリングした。アニーリングした時
にそれらが形成するDNAフラグメントはEcoRI末
端とSacI末端を有する。このフラグメントを、Ec
RI−SacI開裂させたpSMACに結合させ、得
られる組み替えプラスミドを大腸菌K−12株Mhlに
変換した。pNCDの構築は、ジデオキシ配列決定によ
り証明した。pNCDの構築を図22に示す。pNCD
を大腸菌ホスト細胞JM83に変換し、Accessi
on No.67266でATCCに寄託した。
【0238】例 26 大腸菌におけるcDNA由来のNA4抗原遺伝子の表現 cDNA由来NA4表現プラスミドの構築 cDNAクローンは、菌においてNA4蛋白合成のため
の遺伝子を与える。しかしながら、cDNAは、大腸菌
において転写及び翻訳を可能にするための固有のシグナ
ルを含有していない。それゆえ、クローン化cDNA
を、RNAポリメラーゼに対する強いプロモーターを含
み、また大腸菌の挿入cDNAの上流において蛋白合成
を開始するリボゾーム結合部位も含む所の表現ベクター
に挿入した。ここにおいて使用する様に、NA4蛋白と
いう語句は、pSS33又はpNCDの何れかの誘導
体、又は細菌ホスト細胞中で産生された何れかの組み替
えNA4−誘導物質によりエンコードされたNA4蛋白
の表現産物に関するものである。NA4抗原という語句
は、胞子小体の表面に存在する様な、又は胞子小体から
除去された様なゲノミックNA4 DNAにより表現さ
れる天然生成物に関するものである。
【0239】pWHA93とpDK2の表現ベクターに
遺伝子を挿入して大腸菌における表現を獲得出来るよう
に、pWHA93とpDK2の表現ベクターを構築し
た。技術に熟練した人に知られている他の好適なプラス
ミドも使用され得た。pWHA93とpDK2のプラス
ミドは、好適なプラスミドの2例である。pWHA93
プラスミドは、lac及びtacという2つのプロモー
ターを有し(tacプロモーターは、プラスミドpDR
450由来のものである;34;Pharmacia
Molecular Biology Divisio
n,Piscataway,NJ)、それぞれのもの
は、押入された遺伝子の転写を方向付けることが出来
る。プラスミドpWHA93の構造を図12に示す。
【0240】類似のE.tenella蛋白TA4の表
現レベルは、直接表現したものよりも縮合蛋白として表
現された時の方がはるかに高いので、NA4蛋白は、他
の蛋白に縮合することにより安定化される。何れの好適
な蛋白も本蛋白縮合に利用出来る。以下の例は、好適な
2つの蛋白のみについて、即ちベータガラクトシダーゼ
とプロキモシンについて説明する。
【0241】例 27 大腸菌におけるベータガラクトシダーゼ縮合蛋白として
のNA4蛋白の表現ベータガラクトシダーゼ−NA4表
現プラスミドの構築。 NA4蛋白を大蛋白に結合させ
ると大腸菌の中で安定化するので、NA4遺伝子縮合プ
ラスミドを構築した。数種の成熟核蛋白は、縮合蛋白と
して細菌中でより安定である(17,27)。組み替え
プラスミドであるpTDS1とpTDS2は、ベータガ
ラクトシダーゼ−NA4抗原縮合蛋白の表現のために構
築された混成体である。これらのものは、プラスミドp
DK2由来のものであり、lac調節部位を含有し、ま
たプラスミドpBR328のEcoRI部位に押入され
たラムダplac(22,63)由来の、及びcDNA
クローンpSMAC及びpNCD由来の総ベータガラク
トシダーゼ遺伝子も含有している。pDK2以外の好適
なプラスミドも使用され得る。
【0242】プラスミドpDK2は好適なプラスミドの
一例である。pSMAC及びpNCD由来の1.3kb
EcoRI−BamHIフラグメントは、それぞれ9
0%あるいは全NA4cDNA配列を含有するが、この
フラグメントを、EcoRI及びBamHIで開裂させ
て、それぞれプラスミドpTDS1及びpTDS2を産
生させた所のpDK2プラスミドDNAにクローン化さ
せた。クローンpTDS1及びpTDS2は、90%又
は全NA4cDNA配列が、解読機構においてベータガ
ラクトシダーゼのコーディング配列のC末端部位に縮合
している所の期待されたプラスミドを含有していた。p
TDS1及びpTDS2の構築を図23A及び23Bに
示す。ここでMH1/pTDS1及びMH1/pTDS
2と記述した組み替えDNAとそのホスト微生物は、A
merican Type Culture Coll
ection,Rocksville,MDに寄託さ
れ、それぞれATCCAccessionナンバー67
240及び67 264と指定された。これらの寄託
は、Budapest Treatyに準じて行った。
pTDS1及びpTDS32蛋白を大腸菌で高濃度に合
合したが、不溶性でありモノクロナル抗体Ptn7.2
A4/4と反応しない。
【0243】例 28 大腸菌におけるプロキモシン縮合蛋白としてのNA4蛋
白の表現 pTDS1及びpTDS2を含有する細胞によって産生
された蛋白は、大いに又は全体的に不溶性であり、その
ために明らかにモノクロナル抗体Ptn7.2A4/4
との反応性はない。大腸菌において産生された、不溶性
で不活性な他の成熟核の蛋白を可溶化すると、その活性
が回復することが観察された。このような蛋白の一つは
牛プロキモシンである。NA4cDNA配列を牛プロキ
モシン遺伝子に縮合させて、可溶化され得る、またプロ
キモシンそのものに対して開発された方法により活性化
される所の不溶性縮合蛋白を産生した。縮合蛋白の固有
再賦活の程度は、プレートELISAにおけるモノクロ
ナル抗体Ptn7.2A4/4との免疫反応性によりモ
ニターされ得た。
【0244】プラスミドをエンコードしたプロキモシン
−NA4縮合蛋白は、NA4 cDNA配列をクローン
化したpWHA93のプロキモシン遺伝子(例12にお
いて記述した)に結合させることにより創出した。他の
プラスミドも利用され得る。好適なプラスミドの一つ
は、pWHA93である。プロキモシン−NA4遺伝子
縮合体であるpDDS1及びpDDS2の構築におい
て、約1.3kbフラグメントを、酵素EcoRI及び
HindIIIを用いて開裂させることにより、それぞ
れのcDNAクローンpSMAC及びpNCDから取り
除いた。プラスミドpWHA93を同様にしてEco
I及びHindIIIを用いて開裂させ、その様にして
産生した2つのフラグメントのうちの大きい方を、pS
MAC及びpNCD由来のNA4cDNA配列を含有す
るそれぞれのEcoRI−HindIIIフラグメント
と結合させ、それぞれの組み替えプラスミドpDDS1
とpDDS2を産生した。pDDS1とpDDS2の構
築を図24Aと24Bに示す。ここでMH1/pDDS
1及びJM83/PDPS2と記述した組み替えDNA
及びホスト微生物は、American Type C
ulture Collection,Rocksvi
lle,MDに寄託され、それぞれATCCAcces
sionナンバー67 243及び と指定
された。これらの寄託は、Budapest条約に準じ
て行った。
【0245】例 29 不溶性状態からのNA4蛋白の抽出及びモノクロナル抗
体PTN7.2A4/4との免疫反応性の実証 表現プラスミドpTDS1,pTDS2,pDDS1,
及びpDDS2の大腸菌産生物は、すべて大いに、又は
全体的に不溶性である。すべてのプラスミドは、Lae
mmliサンプル緩衝液中で煮沸することにより可溶化
することが出来るし、また、NA4抗原のサブユニット
部分に高度に一致する所の17,000ダルトンのTA
4抗原のサブユニットに対して産生させたマウスの抗血
清と反応するであろう。しかしながら、これらの条件下
では何れのプラスミドも、モノクロナル抗体Ptn7.
2A4/4とは反応しない。それゆえ、これらの大腸菌
で合成した蛋白を可溶化し再賦活して、モノクロナル抗
体Ptn7.2A4/4と反応できる形で、またそれゆ
え動物においてE.necatrix及びE.tene
llaに対して中和し保護する抗体反応を起し得る形
で、抗原を産生することが必要である。
【0246】細菌により産生されたNA4縮合蛋白の抽
出及び再賦活化 最初に、牛プロキモシンを可溶化し再賦活して活性酵素
を産生するための既知方法によって、NA4縮合蛋白を
可溶化し再賦活させた(47)。この方法により、Pt
n7.2A4/4免疫反応性を有する純粋な可溶性のN
A4縮合蛋白を産生した。免疫反応性を回復するための
最適な条件を設定し、以下に記述する。上述のようにし
て、プラスミドpTDS1、pTDS2、pDDS1、
及びpDDS2を構築した。これらのプラスミドを用い
て、標準法により大腸菌SG936株を変換し、アンピ
シリン耐性のコロニーを精製し、培養に供した。それぞ
れの場合、新たにしまを付けた寒天平板培地から採取し
たアンピシリン耐性コロニーを用いて、L−ブロスとア
ンピシリンを100マイクログラム/ml含む100m
lの液体培地に接種した。この培地を30℃で振とうさ
せて培養し、1.0のOD600 とした。IPTGを2m
Mに添加し、培地を30℃で2−3時間以上培養した。
遠心分離を行って細胞を収集し、−70℃で冷凍して貯
蔵した。それぞれNA4表現プラスミドの一つを含有す
る大腸菌SG936株のペースト状の冷凍細胞を、それ
ぞれ40mlのpH8の25mMのTris−HCl、
10mM EDTA、0.5mg/mlリゾチームに懸
濁した。少時のインキュベーションの後、溶解した細胞
を音波振動によりさらに崩壊させた。
【0247】大腸菌において合成されたNA4縮合蛋白
は、細胞溶解質に全く不溶性であることが判っているの
で、プラスミドをエンコードしたNA4蛋白は、10
0,000xgで1時間細胞溶解質を遠心分離し、その
後5%Tritin X−100洗浄剤(Sigma
Chemical Co.,St Louis,M
O)、20mM EDTAを含む緩衝液を用いて小球に
した細胞片を25℃60分洗浄剤抽出することにより精
製した。NA4縮合蛋白は不溶のまま残り、25℃であ
った。NA4縮合蛋白は不溶のままであり、100,0
00xgで遠心分離して収集した。不溶性物質を12m
lの10mMリン酸ナトリウム(pH7.5)にけん濁
し、遠心分離により収集し、残存する洗浄剤を除去し
た。NA4縮合蛋白をpH7.5の10mMリン酸ナト
リウム緩衝液中に懸濁し、最終容量を7.7mlとし
た。この懸濁液に5.8gの固体尿素を添加することに
より充分に可溶化し、最終濃度を容量12ml中8Mと
し、その後室温で16時間混合した。
【0248】得られた澄明な液を、それぞれpH11.
0に調節した100容の10mMリン酸ナトリウム緩衝
液に希釈し、最終容量を1200mlとした。この溶液
を完全に混合し、15℃で10分放置した。この溶液の
pHを、0.5N HClを5分間にわたって添加する
ことにより滴定し、pH8.5とした。得られた溶液
は、検定又は貯蔵する前に室温で1時間以上放置した。
試料は、モノクロナル抗体Ptn7.2A4/4との免
疫反応性について検定した。この試料は、以下に記述す
るように、pCOC20由来の際賦活した抗原に匹敵す
る活性を有していた。
【0249】再賦活化サンプルのイムノアッセイ 再賦活化したpTDS1,pTDS2,pDDS1,及
びpDDS2蛋白とモノクロナル抗体Ptn7.2A4
/4との免疫反応性を測定した。マイクロ力価プレート
(Immulon I micro ELISA fl
at−bottom well plates,Dyn
atech Laboratories,Inc.,A
lexandria VA)のそれぞれのウェルを、1
0mMNa2 HPO4 ,150mM NaCl,0.0
1%(w/v)Zwittergent 3−12,p
H8.0に希釈した100マイクロリッターの抗原で覆
った。再賦活した試料に対しては、1:10〜1:10
00希釈の抗原についてアッセイを行った。プレート
を、抗原溶液で室温で1時間、その後4℃で一夜インキ
ュベートすることにより抗原で被覆した。ウェルを空に
した後に、0.02%(v/v)Tween−20(P
BST)を含むpH7.2のリン酸緩衝生理食塩液で3
回洗浄した。プレートを3%(w/v)ゼラチン、pH
7.5の10mM Tris−HCl,150mM N
aCl,0.05%(w/v)NaN 3 で室温30分間
処理し、残余の蛋白結合部位をブロックした。
【0250】その後プレートを、100マイクロリッタ
ーのモノクロナル抗体Ptn7.2A4/4(3%〔w
/v〕牛血清アルブミン中30マイクログラム/m
l)、pH7.5の10mM Tris−HCl、15
0mM NaCl,0.05%(w/v)NaN3 で、
室温で2時間インキュベートした。PBSTで3回ウェ
ルを洗浄した後、結合したモノクロナル抗体Ptn7.
2A4/4を、マウスIgGに対するVectasta
tin ABC Kit(Vector Labora
tories,Inc.,Burlingame,C
A)を用いて定量した。プレートのそれぞれのウェル
を、100マイクロリッターのビオチニル化した馬抗マ
ウスIgG(40マイクロリッターのビオチニル化抗マ
ウス抗体、10ml PBST中80マイクロリッター
の正常馬血清)で充填し、室温で30分間インキュベー
トした。プレートをPBSTで3回洗浄した。その後、
プレートを100マイクロリッター/ウェルのVect
astain ABC Reagentを用い室温で3
0分インキュベートした(プレートに添加する前に30
分間、予めインキュベートしたPBST中80マイクロ
リッターのビオチニル化された西洋ワサビのパーオキシ
ダーゼReagent Bと混合した80マイクロリッ
ターのAvidin DH Reagent A)。
【0251】PBSTで5回洗浄した後に、結合した西
洋ワサビのパーオキシダーゼについて、100マイクロ
リッター基質/ウェル(50mMクエン酸塩/リン酸塩
緩衝液pH5.3,0.015%(v/v)過酸化水素
中0.1mg/mlの2,2′−アジノ−ジ−(3−エ
チル−ベンズチアゾリン)6−スルホン酸)を添加する
ことにより測定した。プレートを室温で暗所でインキュ
ベートした。4/4nmの吸光度を、Titertek
Multiscan自動プレートreader(Fl
ow Laboratories,Inc.,Mc C
lean,VA)中で基質添加を行って10−60分後
に測定した。NA4縮合蛋白の免疫反応性は、TA4縮
合蛋白pCOC20に匹敵することが判った。
【0252】例 30 ひよこにおけるE.TENELLAに対するスポロゾイ
ト中和血清反応を誘起するための精製 E.NECAA
TRIX NA4蛋白質の使用 これらの実験に使用した抗原は、例21に述べたように
してスポロシストから作った。ひよこに使用する前に、
SDS−PAGEならびにモノクローナル抗体Ptn
7.2A4/4による免疫反応性によって、この蛋白質
の同定と純度を確認した。0.15Mリン酸緩衝塩化ナ
トリウム水溶液に希釈した精製抗原1、約5% Alr
acel A、94% Drakeol 6−VR、1
% Tween 20から成るキャリア3部に乳化させ
最終量1mlとした。ひよこに、頸部へ1回量15マイ
クログラム抗原/0.2ccを投与した。14日間隔で
更に2回、同じ投与経路で抗原を投与した。蛋白質各投
与前3日と最終投与後11日目に、血清試料収集のため
ひよこから採血した。血清を熱により不活性化させ、例
2で述べたスホロゾイト微量中和定量法にて別々に調べ
た。下の表14に述べてある結果によれば、ワクチン接
種せずキャリアだけを投与したひよこは、E.tene
llaスポロゾイトに対して明白な中和抗血清力価を示
さないが、この抗原の3回投与を受けたひよこは中和抗
血清を示した。
【0253】
【表15】
【0254】例 31 E.TENELLA攻撃に対する防御反応を誘起するた
めのE.NECATRIX NA4蛋白質の使用。 4週
令白色レグホンひよこに、頸部筋肉へ筋肉内径路によ
り、免疫親和力を利用して精製したNA4蛋白質15マ
イクログラム/0.2ccの一回量を14日間隔で3回
投与した。この抗原はPBS中に調製され、前述のキャ
リア3部に乳化させて60マイクログラム/mlで最終
量とした。第2グループのひよこにはキャリア基質のみ
を投与した。第3グループはワクチン接種しなかった。
第4グループの、NA4ワクチン接種したひよこと同じ
ケージ中で飼った接種していないひよこは、前哨として
役立った。ひよこをE.tenellaで汚染させた一
群の中に無作為に入れた。E.tenellaに触れさ
せてから10日後に、ひよこを1×10 4 E.tene
llaオーシスト経口投与量で攻撃した。24時間後再
び、ひよこに3×104 オーシストを経口的に与えた。
E.tenellaの最終経口量を与えてから5日後
に、すべてのひよこを殺し、病巣を評価した。下の表1
5にその結果を示す。
【0255】
【表16】 当該分野熟知の人には、この結果は、NA4蛋白質を投
与されたひよこが、E.tenellaの苛酷な攻撃に
よる疾患に対して、ある程度防御されたことを示唆して
いる。NA4蛋白質を投与されたグループの病巣評価は
各々の対照標準グループより低かった。
【0256】例 32 組換えEIMERIA NECATRIX(NA4)
原にさらされたひよこの反応およびE.TENELLA
との交差反応性Eimeria necatrixとE.tenell
aに対する、NA4ワクチン接種雛の特異反応。 E.
necatrixE.tenellaのスポロシスト
から誘導した膜蛋白質に対するNA4ワクチン接種ひよ
この免疫反応性を証明し、又それらを同じ寄生原虫に対
するTA4ワクチン接種ひよこの反応と比較する実験を
行なった。この実験では、10羽のひよこをPTDS1
(ベータガラクトシダーゼ/NA4融合生成物、例27
参照)のワクチン接種を行い、10羽には、PDDS1
(プロキモシン/NA4融合生成物、例28参照)のワ
クチン接種した。これらを10羽のpCOC20(プロ
キモシン/TA4融合生成物、例12参照)のワクチン
接種したひよこと比較した。これらの蛋白質の免疫反応
性は、実験に参加する前に、モノクローナル抗体Ptn
7.2A4/4を用いて定量し確認した。
【0257】抗原は、5% Arlacel−A、94
% Drakeol 6−Vr、1% Tween 8
0から成るキャリアを、免疫強化因子としてLPS4マ
イクログラムを含む抗原50マイクログラムに対して
3:1の比にして調製した。この処方は、1回皮下投与
量を0.5−mlとして後頭部へ与えた。ワクチン接種
方式は、10日間隔で3回投与し、各ワクチン接種時に
ひよこから採血し、血清を集め、凍結保存した。実験の
対照群は、pCOC20TA4抗原/キャリア/LP
S;キャリア/LPS;ワクチン接種しない対照群から
成り立っていた。ワクチン接種群と対照群からの血清に
対して、例13で述べたようにウェスタンブロットによ
ってE.necatrixE.tenellaのスポ
ロシスト蛋白質に対する免疫反応性を定量した。下の表
16から分かるように、ひよこへのpDDS1、pTD
S1、pCOC20抗原のワクチン接種から均一と不均
一の寄生種に対する比血清反応性がわかる。
【0258】
【表17】
【0259】NA4組換え蛋白質のワクチン接種したひ
よこにおける防御反応性 上記に概略したワクチン接種
方式を施行してから10日後、ひよこにE.necat
rixまたはE.tenellaオーシストを接種し、
それら寄生虫に特徴的な病巣について調べた。種々の処
置群のひよこに、E.tenellaの胞子化オーシス
ト5,000個とE.necatrixのオーシスト6
0,000個を接種した。接種物は、予め、望ましい病
巣重症度になるように調節し、例18の如く、攻撃5日
後に病巣を評価した。次の表17に示してある結果は、
対照群と比較して、ワクチン接種群における病巣重症度
の減少を示している。
【0260】
【表18】
【0261】組換えNA4抗原をワクチン接種したひよ
こにおけるスポロゾイト中和血清反応性。ならびにpT
DS1の、ワクチン接種ひよこの血清へ寄生虫中和能を
付与するpDDS1とpTDS1の能力を判定するため
にスポロゾイト中和定量法(SNA)を利用した。例1
8において確立させたSNAプロトコールを用いて、前
述したワクチン接種群と対照群の血清について、スポロ
ゾイド中和能を定量した。下記の表18に示すように、
pTDS1とpDDS1のワクチン接種したひよこか
ら、三回目のワクチン接種後に集めた血清は、一次me
rontsの発生阻止に有効であった。
【0262】
【表19】
【0263】例 33 EIMERIA MAXIMAのオーシスト、スポロゾ
イト、メロゾイトの作成。コクシジュウム。 Eime
ria maximaの精製野外分野体を、最初はアウ
バーン大のアレンイガー博士から購入した。この分離体
の各々の純度はオーシストの特徴、感染腸組織の組織学
を使用して確かめられた。オーシストの大きさ・形の指
数はE.maximaの範囲内にあった。ジョンソンと
ライド法によって病巣を評価した。感染ひよこの病巣は
この分離体に典型的なものであった。病理学は腸中間部
に限られ、粘液様滲出物と壊死性腸炎があった。感染後
4日目の組織検査から、腸中間部上皮に小さな3代・4
代目のスキゾントが見い出された。重度感染中(1,0
00,000オーシストまで)、E.maximaによ
って死にはいたらなかった。分離体各々の純度を確保す
るため、オーシストの一回クローニングを定期的に行な
った。
【0264】オーシストの増殖。 一般的には、2から
6週令SPF白色レグホンひよこに、分離体各々の純培
養液を通過させた。外部からのコクシジウム感染を避け
るため、ひよこを生後1日からプレキシガラス製隔離室
で飼育した。感染から8日後に糞便中からオーシストを
採集した。胞子化したオーシストを、一般的には、2%
w/v K2 Cr2 7 中24℃で保存した。
【0265】メロゾイト調整。 4週令ブロイラーひよ
こ5羽にE.maximaの胞子化オーシスト1×10
6 個を経口的に接種した。接種してから4日後に、ひよ
こを殺した。腸中間部を取り出し、PBSを急激に流
し、切開した。上皮層をガラススライドで剥離し、1%
ヒアルロニダーゼPBSの入いっているビーカーに入れ
た。室温にて1/2時間培養後、その消化物質を粗目の
布に通した。懸濁液を50ml管に入れ、1000RP
Mで10分間遠心分離した。上澄液を取っておき、沈澱
物を2度洗浄した。上澄液を合わせ、3000RPMで
10分間遠心分離した。沈澱物を再懸濁し、ガラスウー
ルカラムに通した。この懸濁液を遠心分離による収集を
する前に2度洗浄した(1000RPM、4分間)。
【0266】In Vivo E.Maximaメロゾ
イト中和定量 E.maximaメロゾイト中和定量のため、メロゾイ
トを数え、処置群1グループ当り、ひよこ1羽当り1×
107 メロゾイトになるよう希釈液を調整した。各処置
群は3羽の1週令ブロイラーひよこから構成されてい
る。各処置群用のプールメロゾイトは、遠沈させてか
ら、熱で不活性にした試験上澄液または血清(56℃、
30分間)3mlに再懸濁させた。メロゾイトを接種前
に37℃にて30分間培養した。接種のため十二指腸を
外科的に露出させ、メロゾイトを含む試験上澄液又は血
清1mlを内腔へ注入した。切開部を閉じ、ひよこを処
置に従って隔離ケージに隔離した。攻撃後1日から4日
間、ロング等(1976)(42)により記述された方
法を用いて、オーシスト産生数を数えた。
【0267】例 34 E.MAXIMAに対するハイブリドーマの産生、同
定、特徴。 単一クローン性抗体。 ヴァンドイセン、ウエトストン
法(77)を使用して開発したハイブリドーマから単一
クローン性抗体を誘導した。簡単に述べると、Balb
/C ByJマウスを、106 −107 無欠E.max
imaメロゾイテで繰返し免疫にした。無欠メロゾイテ
の最終静脈内注射から3日後に、無差別に選んだマウス
を殺し、脾臓を摘出した。脾細胞を器官の線維組織から
分離し、洗浄してからネズミの形質細胞腫細胞系(sp
2/OM)と融合させた。
【0268】E.Maximaメロゾイト−特異性ひよ
こ抗血清 SPF白色レグホン型ひよこにおいて、Eimeria
maximaメロゾイトに対して免疫性のひよこ血清
を調整した。簡単に述べると、1〜2週令のひよこに、
14日毎に、凍結/溶融したメロゾイトを四回注射し
た。各々のひよこに、一回目の注射では4×10-5メロ
ゾイトを、次に1.4×107 メロゾイトを含む注射液
を更に4−5回与えた。最終接種後5日目に心蔵穿刺に
よって血液を得た。血清を集め−20℃で保存した。
【0269】間接蛍光抗体スクリーニング。 E.ma
ximaのメロゾイド(約1×106/容器)を用いて
IFAスライドを作製した。スライドを数時間から一夜
風乾し、次に1%牛血清アルブミン(BSA)10マイ
クロリットルを各々の容器に加えた。BSA添加から5
分後に、試験上澄液20マイクロリットルを加えた。上
澄液を37℃、20分間培養し、次に、0.05%ツイ
ーン−20を含むPBS(PBS−ツイーン)で三回洗
浄した。蛍光結合ウサギ抗体(PBSで1:40に希
釈)を試料に加え、37℃にて20分間培養した。その
結合体をPBS−ツイーンで3回洗浄したのち、スライ
ド液とカバーグラスを載せた。
【0270】結果。 E.maximaメロゾイトに対
して開発された多くのハイブリドーマのうち、8種がこ
の寄生虫のメロゾイト段階に対する中和抗体を産生する
ことが判明した。研究したハイブリドーマすべては、膜
結合抗原を認識する抗体を産生した。ハイブリドーマ細
胞系ATCC No. HB 8946が産生し、Pm
x47.8B5と表わされる単一クローン性抗体はE.
maximaオーシスト産生を減少させる傾向を持つた
め選択された。
【0271】例 35 中和モノクローナル抗体PMX47.8B5及びE.M
AXIMA分裂小体特異性ニワトリ抗血清の両方により
認識されたE.MAXIMA抗原の同定 ニトロセルロース紙への抗原の電気泳動移動: 分裂小体
膜タンパク質(例36の記載に従って可溶化した洗剤)
を一次元ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドス
ラブゲル(35)を用いて還元或は非還元条件で分離
し、電気泳動によりニトロセルロース紙への移動を行っ
た(5)。電気泳動ブロットはSharmaらの方法
(64)で作製したが、例外として血清、モノクローナ
ル抗体及び特定の抱合体(ヤギ抗ニワトリIgGと接合
したペルオキシダーゼ(KirkegaardとPer
ryによる)、ウサギ抗マウスIgGと接合したペルオ
キシダーゼ(Cappelによる))を用いた。ブロッ
トはこれらを4−クロロ−1−ナフトール(シグマ社;
660μg/ml)及びH2 2 (0.17%)と反応
させて展開した。
【0272】Pmx47.8B5 モノクローナル抗体
によるE.maxima抗原の免疫ブロットの結果。
いくつかのE.maxima分裂小体タンパク質と反応
させて調製したモノクローナル抗体は、1つはみかけの
分子量が55,000ドルトンであり、もう1つはみか
けの分子量が42,000ドルトンである(還元或は非
還元の条件でのSDS−PAGEにおいて)。しかし、
Pmx47.8B5がいくつかのアイメリア抗原に共通
のエピトープを認識すると思われている。
【0273】例 36 アイメリアMAXIMA8B5抗原の精製及び特性 モノクローナル抗体Pmx47.8B5の精製。 アフィ
ニティークロマトグラフィー用の固相にPmx47.8
B5モノクローナル抗体を結合させる前にHB101無
血清培地中にみられる汚染成分及びタンパク質(すなわ
ち、BSA、トランスフェリン、インスリン、成長因子
等)を取り除くための精製を行った。この精製機構の第
一段階は製造者の示す使用方法に基づき上澄に含まれる
Pmx47.8B5から過剰のBSAを取り除くために
DEAE−Affiゲルブルーカラム(BIO−RA
D)を通すことであった。この後で次に示す陰イオン或
は陽イオン交換クロマトグラフィーによる精製を行っ
た。部分的に精製された抗体をpH8.0の20mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液でDEAE−セファデックスカラ
ムに乗せ、同じ緩衝液中で塩化ナトリウム濃度を0〜5
00mMにグラジェントさせて流出させた。陽イオン交
換方法は、Carlssonらの方法(6)に基づいた
が、SP−セファデックスの代わりにリン酸セルロース
樹脂(BIO−RAD)を用いた。流出分画中の抗体の
位置はELISAにより測定し、純度はSDS−PAG
Eにより決定した。
【0274】Pmx47.8B5アフィニティー樹脂の
作製。精製後、Pmx47.8B5モノクローナル抗体
を製造者の示す方法に基づき、CNBr活性化セファロ
ース4B(ファルマシア社)或はベックマンULTRA
FFINTTYTM−EPカラム(ベックマン社)と連鎖
させた。
【0275】分子量55,000ドルトンの8B5抗原
の精製。 E.MAXIMA分裂小体を20mMトリス
塩酸(pH7.5)、25mM塩化ナトリウム、50m
M塩化マグネシウム、1%(v/v)トリトンX−10
0、1mM PMSF、1mMTLCK、0.1mM
TPCK及び10KIU/mlアプロチニンを含む溶液
中に再懸濁させ、最終的な濃度を108 分裂小体/ml
とした。1時間インキュベート後、28,000gで回
転(10分4℃)させると不溶性物質がペレット状とな
った。
【0276】サンプルをAG501−X8混合ベッド樹
脂を含むPBS(pH7.2)に対して広範囲の透析を
行った。分子量55,000ドルトンの8B5抗原をP
mx47.8B5モノクローナル抗体を用いて上澄から
免疫吸着させた。非特異結合タンパク質はpH7.5
(高)或はpH4.0(低)の洗浄により取り除いた。
結合分画は500mM水酸化ナトリウム1ml中にグリ
シン(pH3.0)を0から1Mまで増加させて1ml
ずつの分画として流出させた。精製されたポリペプチド
は、ミクロタイタープレートELISAにより、Pmx
47.8B5モノクローナル抗体との反応性があること
を示した。
【0277】例 37 E.COLI中のE.MAXIMA λgtllゲノム
表記ライブラリーの構成 本研究に用いられた組換え体DNAライブラリーは脱リ
ン酸化されたλgtllアーム中に連結された(ベクタ
ークローニングシステム)E.maximaの完全な
coRI消化によって作られた。アームは0〜7kbp
の長さの部位に挿入できる。E.maxima DNA
は次の手法を用いて3.6×107 の胞子形成されたオ
オシストから精製されたものであった。胞子形成された
オオシストを洗浄し、スポロシストは前に述べた方法で
分離した。分離したスポロシストを0.1Mトリス塩酸
(pH8.5)、0.2M塩化ナトリウム、10mM
EDTAを用いて2回洗浄した。スポロシストを0.1
Mトリス塩酸(pH8.5)、0.2M塩化ナトリウ
ム、50mM EDTA、1%SDS、150μg/m
lプロティナーゼKを含む溶液中で65℃30分インキ
ュベートして溶解した。
【0278】室温まで冷却後、DNAを同体積の液化フ
ェノールを用いて1時間かけて徐々に抽出した。300
0rpmで10分間遠心分離後、水相を取り除き、境界
面及びフェノールを10mMトリス塩酸(pH8)、1
mM EDTAを用いて再抽出した。水相を混合しフェ
ノールで1回及びクロロホルム:イソアミルアルコール
(24:1)で2回抽出した。DNAをエタノール分画
法により分離した。DNAペレットを10mMトリス塩
酸(pH8)、1mM EDTAに再溶解し、37℃で
1時間0.15mg/mlのDNアーゼ遊離RNアーゼ
Aを用いて処理した。RNアーゼの消化後、サンプルを
フェノールで1回、クロロホルム・イソアミルアルコー
ル混液で1回それぞれ抽出してからエタノールで沈澱さ
せた。
【0279】EcoRI−切断E.maxima DN
A(0.4μg)をT4DNA連結酵素(IBI、0.
5ユニット)を5μlの総体積に含むインターナショナ
ルバイオテクノロジー社(IBI)製のT4DNA連結
緩衝液中の脱リン酸化λgtllアーム(2.0μg)
を用いて12℃で15時間インキュベートした。この反
応混合物4μlをベクタークローニングシステム(ギガ
パックGP10)から使用方法のとおりに凍結溶解及び
音波パッケージング抽出法を用いてランダプラーク形成
単位(pfu)中に組み合わせた。反応をCHCl3
添加により停止させ、SM溶液で希釈した。SMの組成
は 0.58%塩化ナトリウム≡(0.1M) 0.2%硫酸マグネシウム・7H2 O 50mMトリス7.5 0.01%ゼラチン
【0280】ライブラリー中の組換えファージの数を査
定するため組み合わせたDNAの一部をColi菌
株Y1090.r(プロメガ、バイオテク:Col
iLac U169 ΔLon ara D139
trA supF〔trpC22::Tn10〕hsd
R(PMC9−−))の後期ログ培養200μlに吸
着させた。これらの培養物は5mM IPTGを含むM
ZCYM上層寒天(44)の中のX−ガルアンピシリン
(100μg/ml)のプレート上(55)にうえつけ
た。組換え体はこの方法では無色のプラークを形成し一
方非組換え体は青いプラークを形成した。このライブラ
リーはこの方法では95%以上の組換えを示し、10°
pfuを含んでいることを示した(これは非拡大ライブ
ラリーである)。
【0281】Pmx47.8B5に反応性を持つ抗原を
表わすクローンのライブラリーのスクリーニング。
イブラリーはNZYアンピシリン(100μg/ml)
上層寒天(44)中の5×104 pfu/160mm
L−アンピシリン寒天プレートにうえつけた。プレート
を上むきにして42℃で3.5時間インキュベートした
後、10mMのIPTGで飽和して空気乾燥させたBA
85ニトロセルロース濾紙(Schleicher &
Schnell)を用いて過剰に乗せた。プレートを
次にさらに4時間38℃でインキュベートした。濾紙を
取り除きTBST(50mMトリスpH8.0、150
mM塩化ナトリウム、0.05% Tween 20)
溶液を用いて洗浄した。濾紙をWestern Blo
cking緩衝液(3%ゼラチン、10mMトリス
0.9%塩化ナトリウム、0.05%アジ化物)中で1
5〜30分間インキュベートした。ブロッキング緩衝液
を除き、濾紙を最初(一次)の抗体として10-4パーツ
の8B5腹水液を含む最初の抗体緩衝液(3%BSA、
10mMトリス、0.9%塩化ナトリウム、0.05%
アジ化物)中に置いた。濾紙をこの溶液中で22℃で4
時間或は4℃で1晩インキュベートした。それから濾紙
を二次抗体としてビオチン化したウマ抗マウス、アビジ
ン共役ペルオキシダーゼ及び発色剤として4−クロロ−
1−ナフトールを用いて(ベクタステインキット試薬及
び標準手法)展開した。10個のプレートから作成され
た5×105 pfuに等しい濾紙は、以上の方法でスク
リーニングされPmx47.8B5に特異的に反応する
23pfuが同定された。
【0282】例 38 Pmx47.8B5免疫活性物質を生成するλgtll
E.MAXIMAクローンの特性 Pmx47.8B5と反応する23個のクローンはそれ
ぞれプラーク精製であった。クローンを次に培養して、
DNAをHelmsら(23)の方法によってこれらの
クローンから精製した。DNAをEcoRIで消化し、
それぞれのクローンに挿入したEcoR1の大きさをア
ガロース或はアクリルアミドゲル(表XIX 1行目)
による電気泳動によって同定した。それに加えて、それ
ぞれのλgtllE.maximaクローンの溶原を
E.coli菌株Y1088(Y1090に対する溶
原、Y1088はhflA及びHsd+ であることは例
外)を用いて作成した。それぞれの溶原の誘導培養物が
成長してから、凍結溶解により細胞抽出を行った。これ
らの抽出は重複還元SDSアクリルアミドゲル(10%
或は5%のアクリルアミド)による電気泳動により分画
された。
【0283】次に、これらは、ファージ表現ベクトルλ
gtll(表XIX、第2段と第3段目)でコードされ
たβガラクトシダーゼを含むタンパク質融合として組換
え抗原が表現されているか否かを調べるために、最初の
抗体として8B5腹水液或はウサギ抗β−ガラクトシダ
ーゼを使用するウエスタンブロット法により分析した。
これらうち、2つのPmx47.8B5クローンは45
kd−220kdのタンパク質と反応した。ブロットの
重複セットのための最初の抗体として使用されたウサギ
抗β−ガラクトシダーゼは、Pmx47.8B5により
同定されたものと同じタンパク質バンド或は116kd
タンパク質、β−ガラクトシダーゼのM.W.のいずれ
かと反応した。前者の反応パターンによれば、問題のク
ローンがハイブリッド或は融合タンパク質をコードする
ことを示している(maximaタンパク質はC−
末端に近いところでβ−ガラクトシダーゼと融合し
た)。後者の反応パターンによれば、分析されたクロー
ンがλgtllのβ−ガラクトシダーゼ遺伝子と融合し
ないmaximaタンパク質をコードすることを示
している。このようにウエスタンブロット分析により2
3個のクローンが融合及び非融合のカテゴリーにグルー
プ分けされる。
【0284】上述のウエスタンブロット分析によるデー
タとそれぞれのクローンに挿入されたEcoRI
maximaの大きさについての知見とを組み合わせる
ことで23個のクローン間の同胞グループを同定するこ
とが可能になった。この分析結果より、もとの23個の
クローン中13個の中から独立(非同胞)クローンを同
定した。これらの13のうち7個がβ−ガラクトシダー
ゼ−maxima融合タンパク質にコードされる。
この中には、クローン5,11及び13が含まれている
(表XIX 4段目)。一方、他の6個はクローン4及
び18が含まれており非融合タンパク質にコードされ
る。p14−9と呼ばれる付加的サブクローンも、Pm
x47.4B5に免疫反応性を持つβ−ガラクトシダー
ゼ−maxima融合タンパク質を生成するものと
して同定された。このサブクローンはサブクローンpB
−8と同様のmaxima構造を持つ独立分離であ
ると考えられる。
【0285】クローン5,11及び13は融合タンパク
質をコードするクローンの例である。クローン5,11
及び13の溶原はそれぞれ約120,160及び180
kdのPmx47.8B5−免疫反応性を持つタンパク
質を表現している。E.maximaのPmx47.8
B5−標的抗原を表わすβ−ガラクトシダーゼとも反応
するタンパク質はλgtllのβ−ガラクトシダーゼに
より融合される。λgtllクローン5,11及び13
(それぞれ約0.24,0.8及び3.8kb)から挿
入されるEcoRIは、Coliからβ−ガラクト
シダーゼ遺伝子を挿入されたpBR322から誘導され
たプラスミドPDK2中にサブクローンされた。サブク
ローンp5−3、p11−2及びp13−8(Co
liを宿主とするD1210)はPmx47.8B5及
びウサギ抗−β−ガラクトシダーゼの両方に免疫反応性
を持つタンパク質120,160及び180kdをそれ
ぞれ表現していた。
【0286】サブクローンD1210/p5−3、D1
210/p11−2及びD1210/p13−8からの
ミニスクリーンDNAはE.Coliを宿主とするMH
I(Hsd R- + )に形質転換され、次いでラクト
ースプロモーター及びオペレーターの制御下で組換え体
抗原の表記を特に調製するリプレッサー分子をコードす
るのを助けるプラスミドボルネL.aci 0 を含むLo
- 及びLon+ 宿主へと形質転換された。遺伝子の表
現はIPTGの添加によりこれらの培養物中に誘導され
た。またそれぞれの宿主により生成された組換え体抗原
のレベルは7.5%SDS−PAGEを用いた電気泳動
による調製及び分画されたセル抽出物によって決定され
た。
【0287】対照的に、λgtll−maximaクロ
ーン18の溶原はβ−ガラクトシダーゼ抗体とは反応し
ない約100kdのPmx47.8B5との反応性を持
つタンパク質を表現していた。このように、クローン1
8はλgtllのβ−ガラクトシダーゼタンパク質と融
合しないPmx47.8B5に反応性を持つタンパク質
をコードする。クローン18のDNAを精製し、Eco
RIで消化しプラスミドベクトルpUC18中にサブク
ローンさせた。Coli菌株JM83(ara(a
m)--Δ--(lac prostrA thi(−8
0d laci 0 ΔZM15))の白色コロニー形成の
質転換細胞をX−ガル−アンピシリンプレートから取り
出し、ミニスクリーンDNAを12のこのような候補か
ら調製した。ミニスクリーンDNAをEcoRIで消化
し、1%アガロースゲル上の電気泳動により分画した。
1mlの培養物をλgtllクローン18中に存在する
EcoRI−挿入(3.6kb)量と同量を含むこれら
のサブクローンから生育させた。これらの培養物の細胞
溶解質はPmx47.8B5を用いたウエスタンブロッ
ト法で分析した。
【0288】分析した培養物の約半分はおよそ100k
dのPmx47.4B5−反応性を持つタンパク質であ
り残りはそうではなかった。この結果は、クローン18
中に挿入されたEcoRIによりコードされたE.ma
ximaタンパク質の表現はpuC18プラスミド内へ
の挿入の定位に依存していることを示していた。おそら
E.maximaDNAは翻訳開始の信号を含んでい
るが抗原の符号づけの続発の転写はλgtll−β−ガ
ラクトシダーゼプロモーターによる読み取り転写に依存
している。サブクローンp18−39(Pmx47.8
B5反応性を持つタンパク質)のミニスクリーンDNA
はJM83及びSG936(テキスト中の他の場所の遺
伝子型を見よ)に形質転換された。組換え体抗原の表現
レベルはSDS−PAGE及びウエスタンブロットを用
いた電気泳動による分画細胞抽出により測定した。この
条件の下での、表現レベルは総細胞タンパク質の1%以
下であった。
【0289】λgtllmaximaクローン4を
クローン18と平行して分析を行った。この結果は検査
されたクローン4のサブクローン18個すべてがPmx
47.8B5−反応性を持つタンパク質(この場合は約
50kd)を表現したという点で異っていた。サブクロ
ーンの制限マッピングによればEcoRI挿入の可能な
2つの定位は検査した18の中に示されていることを示
していた。これらの結果はλgtllクローン4中でク
ローンされたEcoRI−maximaDNAは翻
訳及び転写開始の信号を備えていて、この信号はE.c
oliを宿主とするJM83中でも確認されること(す
なわち表現が定位に依存していないこと)を示してい
る。
【0290】例 39 サブクローンP5−3、P11−2、P13−8からの
ベーターガラクトシダーゼ−E、MAXIMA融合蛋白
質の精製 P5−3、P11−2、P13−8と指定されるλgt
ll−maximaクローン5,11,13のプラ
スミドPDK2中のサブクローンは、Pmx47.8B
5及びベーターガラクトシダーゼに対するウサギの抗体
により免疫反応を起こすベータガラクトシダーゼ−
maxima融合蛋白質をコード化している。この融合
蛋白質を精製するために、これら3個のサブクローンか
らなるDNAを重要な濃度の融合蛋白質が発現する
coli菌株SG936(F - lac(am)trp
(am) pho(am) supC(ts) rps
mal(am)htpR(am)tsx::Tn 1
lonR9)に形質転換した。SG936中のサブ
クローンp5−3、p11−2、p13−8の培養液1
リットルを、L−アンピシリン肉汁中30℃でO.D.
600が約1.5まで増殖した。無効用誘導物質IPT
Gを添加して1mMにし培養液を30℃でさらに2時間
培養した。4℃、6000rpm,15分間遠心分離
(Sorvall,GS3ローター)して細胞を集め
た。ペレットを1×M9塩(55)中で洗浄し、−20
℃で凍結した。
【0291】次にペレットを溶かし、10mMリン酸緩
衝液、pH7.5及び0.5mg/mlリゾチーム40
mlに再懸濁し、室温で30分間培養した。この懸濁液
を、サンプルの粘度が有意に減少するまで超音波処理
(30秒の破裂)した。サンプルを、AH641ロータ
ーで、30,000rpm、4℃、60分間、遠心分離
した。ペレットをピペットで取り、超音波処理して、1
0mMリン酸緩衝液40ml、pH5、中で再懸濁し、
次にEDTA(20mM)とTriton X−100
(5%)を加えた。サンプルを室温で1時間穏やかに混
合し、次にT865ローターで4℃、30,000rp
mで60分間遠心分離した。このように調製したペレッ
トは、サブクローンp5−3、p11−2及びp13−
8の純度がそれぞれ約70%、20%及び30%である
所望の出発蛋白質の約60%を含有していた。
【0292】
【表20】
【0293】例 40 ひな鶏におけるメロゾイトを中和する血清反応とE.M
AXIMAに対する防御反応を誘発させるためのE.M
AXIMA8B5抗原の使用 8B5抗原を使用したE.MAXIMAに対するメロゾ
イトを中和する血清反応の誘発 これらの実験に使用
する8B5は、実施例36に記載されている還元されて
いないそのままの8B5抗原の調製の方法によって、メ
ロゾイトから調製した。この蛋白質の純度と同一性は、
ひな鶏で使用する前に、SDS−PAGE及びモノクロ
ーナル抗体Ptn47.8B5との免疫反応によって確
かめた。ワクチン製剤は、規定方式に従って、投与量
0.2mlにつき約50マイクログラムの8B5抗原が
含有されるように、抗原1容量に対して5%Arlac
el A、94% Drakeol 6−VR,1%T
weenから成るオイルキャリアー3容量の濃度で調製
した。必要な場合は、抗原をPBS(pH7.2)で希
釈して規定方式に所望される濃度にした。ひな鶏の頸の
筋肉に0.2mlを筋肉内投与した。抗原を同量、同じ
経路で2週間間隔でさらに2回投与した。
【0294】蛋白質をそれぞれ投与する3日前及び最終
投与の11日後に、血清サンプルを採取するために鶏を
脱血した。心臓の不活性化した血清をメロゾイトマイク
ロ中和検定(実施例33)で別々に試験した。代表的な
ものとしては、3×107 の新たに調製したmax
imaのメロゾイトを試験血清1.5ml中で室温で1
5−30分間培養した。培養後、1×107 のメロゾイ
ト(0.5ml)を、2週齢の焼肉用の鶏の外科的に露
出した十二指腸に接種した。鶏を個別ケージに収容し、
卵母細胞の産生量を、感染後1−4日に収集した糞便を
十分混合して、各処置群ごとに計った。McMaste
r血球計算板を用いて卵母細胞を数えた。下の表XXに
示した結果は、キャリアーを投与されワクチン処理をさ
れていない鶏にはmaximaメロゾイトに対する
はっきりとして中和抗血清力価がなかったが、抗原を3
回投与された鶏にははっきりとした中和抗血清力価があ
ったことを示している。
【0295】
【表21】
【0296】8B5蛋白質を使用したひな鶏における防
御反応の誘発 最終ワクチン接種の6週間後に、なん匹
かの鶏に、40,000の胞子に変態させたmax
ima卵母細胞を経口試用投与した。投与の5日後から
10日後の間に産生した卵母細胞を数えた。この結果
は、下の表XXIに示した。
【0297】
【表22】
【0298】実施例 41 ひな鶏においてメロゾイトを中和する血清反応及びE.
MAXIMAに対する防御反応を誘発させるための非−
再生組換型のEIMERIA MAXIMA(8B5)
に抗原の使用組換型の8B5抗原5個を用いたE.maximaに対
するメロゾイトを中和する血清反応の誘発 これらの実
験に用いられた3個の8B5組換型の抗原は、実施例3
6に記載されている方法によって組換型の細菌から調製
した。この蛋白質の純度と同一性は、ひな鶏に用いる前
に、SDS−PAGE及びモノクローナル抗体Pmx4
7.8B5との免疫は反応性によって確認した。抗原の
調製試料は、各0.2mlの投与量に約100マイクロ
グラムの組換型の8B5抗原と0.04mgのLPSが
含有されるように、抗原1容量に対して、5%Arla
cel−A、94% Drakeol 6−VR、1%
Tween80から成るオイルキャリアー3容量の濃
度で規定方式に従って調製した。必要な場合は、抗原を
PBS(pH7.2)で希釈して規定方式で調製するに
必要な濃度にした。ひな鶏に、0.5mlを2週間間隔
でさらに3回同経路で同量ずつ投与した。
【0299】蛋白質をそれぞれ投与する1日前及び最終
投与の14日後に血清サンプルを採取するために鶏を脱
血した。放血の群と時間との関連においてプールされた
2回目、3回目及び4回目の放血で得られた血清を、実
施例33に記載されているようにin vivoのメロ
ゾイトの中和検定で試験した。2回目の放血でプールさ
れた血清を熱不活性化し、一方、3,4回目の放血で得
られた血清は熱不活性化しなかった。下の表XXIIに
示した結果は、キャリアー及びアジュバントのみを投与
された鶏の血清はE.maximaメロゾイトを中和し
なかったことを示している。しかしながら、抗原を投与
されたいく羽かの鶏の血清はメロゾイトを中和した。
【0300】2回目の放血に関しては、実施例40に記
載されているようにSG936/p5−3組換型抗原又
は可溶化したE.maximaメロゾイト蛋白質をワク
チン接種した群の血清で処理したメロゾイトを投与され
た鶏にだけ、卵母細胞産生の減少が起った。3,4回目
のワクチン接種の後に、ほかのワクチン群の血清が卵母
細胞の中和を示した。これらの群の中で、卵母細胞の産
生の減少が最も一定した群はSG936/5−3であっ
た。 8B5組換型抗原を投与された鶏に関するin viv
Eimeriamaximaメロゾイト中和検定
【0301】
【表23】
【0302】E.maximaメロゾイト組換型抗原
(8B5)を用いたひな鶏における防御反応の誘発。
終ワクチン接種の14日後に、鶏に20,000個の胞
子に変体させたmaximaを経口投与した。糞便
を、投与の5日後と10日後の間に収集した。各処理群
ごとの卵母細胞の全産生量を、実施例40に記載した方
法を用いて求めた。下記の表XXIIIの結果は、卵母
細胞の全産生数の減少は8B5組換型の抗原をワクチン
接種した鶏に観察されたことを示している。8B5組換
型抗原のワクチン接種をした鶏のE.maximaにも
とづく胞子虫症に対する防御
【0303】
【表24】
【0304】例 42 tenella及びmaxima等の多くの
imeria種によって引き起される胞子虫症に対して
鶏を免疫化するためのワクチンは、遺伝子工学的に処理
したE.tenella TA4胞子虫の膜蛋白質及び
モノクローナル抗体Pmx47.8B5または任意のこ
れに類似した組成をもつものによって同定される元の分
子量が55,000のmaxima8B5抗原から
調製される。抗原の適当なキャリアーは、5%、Arl
acel A.94% Drakeol 6−VR,1
%Tween−80である。ワクチンの調製は、抗原水
溶液1部とArlacel A/Drakeol 6−
VR 3部を用いて投与量あたり各抗原が10から20
0マイクログラムの最終濃度に形成するごとく行なう。
各投与量には、Salmonella minneso
ta LPS等の免疫増強剤も10マイクログラム/投
与量含めることができる。ワクチンは、どのような年齢
の鶏にも、またどのような経路によっても、たとえば筋
肉内経路、投与してよい。適切にワクチン接種した鶏
は、ワクチンに含まれている種を野外投与することによ
って引き起される活動の低下や死を含む病気から守られ
る。
【0305】例 43 胞子虫症や他の病源物質に対して鶏を免疫化するための
ワクチンは、遺伝子工学的に処理したE.tenell
TA4胞子虫の膜蛋白質と鳥類のバイアル抗原、即
ち、感染性の滑液包嚢の病原ウイルス、から調製しても
よい。この組合わせの抗原の適切なキャリアーは、5%
Arlacel A.94% Drakeol 6−V
R.1% Tween80である。このワクチンの調製
は、抗原水溶液1部とArlacel A/Drake
ol 6−VR3部を用いて投与量あたり各抗原が10
から200マイクログラムの最終濃度に形成するごとく
行なう。ワクチンは、どのような年齢の鶏にも又どのよ
うな経路によっても、たとえば筋肉内経路で投与してよ
い。適切にワクチン接種した鶏は、少なくとも1個の
imeria抗原エピトープがあるワクチンに含まれる
種を野外試用投与することによって引き起される病気
(活動の低下や死を含む)から守られる。下記の記述部
分は主張所見の形で提出される好ましい形体で1〜24
9にわたるものである。
【0306】例 44 組換えEIMRIA TENELA (TA4)抗原及
び組換えEIMERIAMAXIMA抗原のマルチ−成
分暴露に対するニワトリの応答 E.terella (pCOC20)及びE.max
ima組換え抗原(p5−3、p14−9、又はp11
−2)を用いてワクチン投与したトリの免疫活性を証明
するために実験を行なった。トリは次の如くグループ分
けした。
【0307】
【表25】
【0308】ワクチンを例42及び43と同様にして、
担体と抗原の比3:1(v/v)で製剤化した。Sal
monella minnesota LPSを加えて
終濃度8micrograms/mlとし、全抗原濃度
は、1ml当り、100microgram又は200
microgramとした。この製剤は、頭の後へ0.
5ml皮下投与するのに供した。ワクチン投与を2週令
のレグホンに行ない、10日間の間隔で3回投与を行な
い、ワクチン後、血清を採取し凍結した。コントロール
は、担体/LPSを用いた場合を使用した。ワクチン化
したニワトリ及びコントロール投与のニワトリからの血
清について、膜蛋白から得られるtenella
ポロシスト及びmaxima全メロゾイト蛋白に対
する免疫活性を、ウエスタンブロット分析及び直接蛍光
抗体染色により評価した。最後のワクチン投与10日
後、すべてのグループについて、500tenel
la及び/又は100maxima感染オオシスト
を接種し、次いで5日後に、2回目の4000te
nella及び40,000maxima感染オオ
シストの接種を行なった。tenellaによる盲
腸の病変、maximaによる十二指腸の病変、そ
れぞれの病原体に対する特徴点を、2回目の接種5日後
に記録した。tenella及びmaxima
の組換え抗原によりワクチン投与したトリの血清応答を
評価するため、寄生生物中和化分析を用いた。ma
ximaに対する活性は、例33で記述したin vi
vo中和化分析を用いて評価した。得られた結果は、表
XXIV、XXV、XXVI及びXXVIIにまとめ
た。
【0309】
【表26】
【0310】
【表27】
【0311】
【表28】 *:トリは、100maximaオオシスト、50
tenellaオオシストであらかじめさらし
た。あるいはまたトリを、実験4日前に、両者でさらし
た。
【0312】
【表29】
【0313】例 45 pCOC20でワクチン化後のニワトリの体重増加 pCOC20(TA4)抗原の3つの異なるロットにつ
いて、単回投与ワクチン/チャレンジ研究にて評価し
た。ブロイラーに、PHA(50microgram)
とともに抗原(100microgram)を、首の後
に皮下投与して接種した。ワクチン化は5−6日令につ
いて行なった。14日後トリを生育し、体重をはかり、
担汁を採取し、次いで5,000の胞子形成した
enellaオオシストを接種した。接種材料は、あら
かじめ滴定し、重い病変が生じることを確認した。チャ
レンジ6日後、トリを育て、再び体重を測って、2,3
のトリを殺し、病変を記録した。残りのトリについて、
チャレンジ後10日目で再び体重を計った。ワクチン投
与したトリの病変は、非ワクチン投与のトリのそれと有
意差はなかった。体重増加を表XXVIIIに示した。
【0314】
【表30】
【0315】10日間チャレンジ後の体重増加%から、
pCOC20でワクチン投与した場合に、チャレンジに
対する保護の程度が分かる。キモシン/アジュバント及
びアジュバントのみのグループは、非ワクチン投与チャ
レンジグルートと相異はなかった。以下に本発明の好ま
しい態様1〜247項を示す。
【0316】(1) 第5図に示す核酸配列を有し、
imeria tenellaから誘導される、分子量
約25,000ダルトン、ジスルフィド結合で結合した
2個のポリペプチドから構成され、一方のポリペプチド
は分子量約17,000でN末端が遮閉されていること
を特徴として図5に示すアミノ酸配列を有し、他方のポ
リペプチドは分子量約8,000ダルトンで図5に示す
アミノ酸配列を有する抗原性蛋白質をコードする単離ゲ
ノムDNA
【0317】(2) 分子量約25,000ダルトンで
図7に示す連続アミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチ
ドをコードする核酸分子 (3) 第2項に記載のcDNA (4) 第2項に記載のmRNA (5) 分子量約25,000ダルトン未満で、第1項
に記載のDNAによってコードされる蛋白質のアミノ酸
配列内に包含されるアミノ酸配列の抗原性ポリペプチド
をコードするDNA分子
【0318】(6) 第5項に記載のDNA分子と他の
アミノ酸配列をコードするDNAからなるDNA分子 (7) 約25,000ダルトン以上の分子量を有する
抗原性ポリペプチドをコードするDNA分子であって、
第1項に記載のDNA分子および他のアミノ酸配列をコ
ードするDNAからなるDNA分子 (8) 約25,000ダルトン未満の分子量を有する
抗原性ポリペプチドと、第2項に記載の核酸配列によっ
てコードされるポリペプチド内に包含されるアミノ酸配
列とをコードするDNA分子 (9) 第8項に記載のDNA分子と他のアミノ酸配列
をコードするDNAからなるDNA分子 (10) 約25,000ダルトン以上の分子量を有す
る抗原性ポリペプチドをコードするDNA分子であっ
て、第2項に記載の核酸分子と他のアミノ酸配列をコー
ドするDNAからなるDNA分子 (11) クローニングビークルDNAと第3項記載の
cDNAからなり、クローニングビークルDNAには第
1および第2の制限酵素部位が存在し、cDNAはこの
部位にクローン化される組換えクローニングビークル (12) 第11項記載のクローニングビークルをもつ
細菌宿主細胞 (13) 名称JM83/pTCD26,ATCC登録
番号第53315号である第12項記載の大腸菌宿主細
胞 (14) 適当なキャリアーDNAおよび第1項記載の
ゲノムDNAからなり、適当な宿主細胞中に導入すると
25,000ダルトン抗原性蛋白質を発現できる発現ベ
クター
【0319】(15) 適当なキャリアーDNAおよび
第5項記載のDNAからなり、適当な宿主細胞中に導入
すると、分子量約25,000未満の抗原性ポリペプチ
ドを発現できる発現ベクター (16) 適当な宿主細胞に導入すると、適当なキャリ
アーDNAおよび第6項記載のDNAからなる抗原性ポ
リペプチドを発現できる発現ベクター (17) 適当な宿主細胞に導入すると、適当なキャリ
アーDNAと第7項記載のDNAからなる分子量25,
000ダルトン以上の抗原性ポリペプチドを発現できる
発現ベクター (18) プラスミドDNAと第3項記載のcDNAか
らなり、適当な細菌性宿主細胞に導入すると分子量2
5,000ダルトンの抗原性ポリペプチドを発現できる
細菌性発現ベクター
【0320】(19) pDET1と命名された第18
項記載のベクター (20) pDET2と命名された第18項記載のベク
ター (21) プラスミドDNAは、5′から3′の順序
に、プロモーターまたはプロモーターとオペレーターの
いずれかを含むDNA配列、所望の遺伝子のmRNAを
宿主細胞内のリボソームに結合できるようにするリボソ
ーム結合部位を含むDNA配列、ATG 開始コドン、
所望の遺伝子をATG開始コドンと同相に挿入できる制
限酵素部位、宿主細胞内で自動複製できる、細菌プラス
ミドからの複製オリジンを含むDNA配列、ベクターが
宿主細胞内にあると表現される、選択または同定可能な
表現型特性を伴う遺伝子を含むDNA配列、を包含する
二本鎖DNAからなる第18項記載のベクター
【0321】(22) 適当な細菌宿主細胞内に導入す
ると分子量約25,000ダルトン未満の抗原性ポリペ
プチドを発現できる、プラスミドDNAと第8項記載の
DNAからなる細菌性発現ベクター (23) 適当な細菌宿主細胞内に導入すると抗原性ポ
リペプチドを発現できる、プラスミドDNAと第9項記
載のDNAからなる細菌性発現ベクター (24) 適当な宿主細胞内に導入すると、25,00
0ダルトンのポリペプチドが他のアミノ酸配列に融合し
た融合ポリペプチドを発現できる、プラスミドDNAと
第10項記載のDNAからなる細菌性発現ベクター
【0322】(25) 他のアミノ酸配列をコードする
DNAはβ−ガラクトシダーゼをコードし、融合ポリペ
プチドの分子量は約135,000ダルトンである第2
4項記載のベクター (26) pBGC23と命名された第25項記載のベ
クター
【0323】(27) 他のアミノ酸配列をコードする
DNAはプロキモシンをコードし、融合ポリペプチドの
分子量は約65,600ダルトンである第24項記載の
ベクター (28) pCOC12と命名された第27項記載のベ
クター
【0324】(29) 他のアミノ酸配列をコードする
DNAは、SphI消化によって修飾され、その結果2
49bpの欠失を生じたプロキモシンをコードし、融合
ポリペプチドの分子量は約56,500ダルトンである
第24項記載のベクター (30) pCOC20と命名された第29項記載のベ
クター (31) 第14項記載の発現ベクターを含む宿主細胞 (32) 第18項記載の発現ベクターを含む宿主細胞 (33) 第32項記載の大腸菌宿主細胞 (34) ベクターpBGC23を含有し、ATCC登
録番号53317号の、REN3/pBGC23大腸菌
宿主細胞 (35) ベクターpCOC12を含有し、ATCC登
録番号53314号の、REN3/pCOC12大腸菌
宿主細胞 (36) ベクターpCOC20を含有し、ATCC登
録番号53313号の、REN3/pCOC20大腸菌
宿主細胞 (37) ベクターpDET1を含有し、ATCC登録
番号53316号の、REN3/pDET1大腸菌宿主
細胞
【0325】(38) ベクターpDET2を含有し、
ATCC登録番号53318号の、REN3/pDET
2大腸菌宿主細胞 (39) 分子量約25,000ダルトンで、図7に示
すアミノ酸配列を有する抗原性蛋白質 (40) 分子量約25,000ダルトン未満で、図7
のアミノ酸配列内に含有されるアミノ酸配列を有する抗
原性ポリペプチド (41) 図7に示すアミノ酸配列からなり、その配列
のアミノ末端に付加的アミノ酸を有する抗原性ポリペプ
チド (42) 図7に示すアミノ酸配列内に包含されるアミ
ノ酸配列と付加的アミノ酸からなる抗原性ポリペプチド (43) 分子量約135,000ダルトンで、図7に
示すアミノ酸配列からなり、その配列のアミノ末端にβ
−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列を有する抗原性ポリ
ペプチド (44) 分子量約65,600ダルトンで、図7に示
すアミノ酸配列からなり、その配列のアミノ末端にプロ
キモシンのアミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチド
【0326】(45) 分子量約56,500ダルトン
で、図7に示すアミノ酸配列からなり、その配列のアミ
ノ末端に、プロキモシンの天然配列から83個のアミノ
酸を欠失させたアミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチ
ド (46) 第34項から第38項までに記載のいずれか
の宿主細胞をDNA発現およびポリペプチド産生を可能
にする適当な条件下に生育させ、生成したポリペプチド
を適当な条件下に回収する抗原性ポリペプチドの製造方
法 (47) 回収は、 a) 宿主細胞からのポリペプチドの分離、 b) ポリペプチドの精製、 c) ポリペプチドの可溶化、 d) ポリペプチドの再生、および e) 精製、可溶化、再生された抗原性ポリペプチドの
回収の各工程からなる第46項記載の方法
【0327】(48) 第39項から第45項までのい
ずれかに記載のポリペプチドの免疫感作有効量を鶏に投
与する、Eimeria tenella感染に対する
能動免疫を鶏に付与する方法 (49) 第39項から第45項までのいずれかに記載
のポリペプチド2種またはそれ以上の免疫感作有効量を
鶏に投与する、Eimeria tenella感染に
対する能動免疫を鶏に付与する方法 (50) 免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0m
gである第48項記載の方法 (51) 免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0m
gである第49項記載の方法 (52) 第39項から第45項までに記載のポリペプ
チドの1種の免疫感作有効量と医薬的に許容される担体
を1用量とした、Eimeria tenella感染
に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (53) 第39項から第45項までに記載のポリペプ
チドの2種またはそれ以上の免疫感作有効量と医薬的に
許容される担体を1用量とした、Eimeriaten
ella感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン
【0328】(54) 第43項に記載の抗原性ポリペ
プチドの免疫感作有効量と医薬的に許容される担体から
なる、Eimeria tenella感染に対する能
動免疫を鶏に付与するワクチン (55) 第44項に記載の抗原性ポリペプチドの免疫
感作有効量と医薬的に許容される担体からなる、Eim
eria tenella感染に対する能動免疫を鶏に
付与するワクチン (56) 免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約
0.1μg以上とする第52項記載のワクチン (57) 免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約
0.1μg以上とする第23項記載のワクチン (58) 第52項記載のワクチンの適当用量を鶏に投
与する、Eimeriatenellaの感染に対する
防御方法 (59) 第53項に記載のワクチンの適当用量を鶏に
投与する、Eimeria tenellaの感染に対
する防御方法
【0329】(60) 第54項に記載のワクチンの適
当用量を鶏に投与する、Eimeria tenell
の感染に対する防御方法 (61) 第55項に記載のワクチンの適当用量を鶏に
投与する、Eimeria tenellaの感染に対
する防御方法 (62) 投与は慣用の任意の形の経口投与である第5
8項記載の方法 (63) 投与は注射によって行われ、ポリペプチドは
医薬的に許容される担体中に加える、第58項記載の方
法 (64) 分子量約26,000ダルトンで、ジスルフ
ィド結合で結合した2個のポリペプチドから構成され、
一方のポリペプチドは分子量約18,000、N末端が
遮閉されていることを特徴とし、他方のポリペプチドは
分子量約8,000であり、Eimeria neca
trixまたはEimeria tenellaの感染
に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導でき
る、精製、抗原性蛋白質
【0330】(65)(a) Eimeria nec
atrixのスポロシストを、適当な非還元条件下、プ
ロテアーゼ阻害剤の存在下に界面活性剤と接触させて、
スポロシスト膜蛋白質を可溶化し、(b)可溶化された
スポロシスト膜蛋白質から適当な非還元性条件下に蛋白
質を分離回収する、第64項記載の蛋白質の製造方法 (66) 分離回収は、非還元性条件下におけるDEA
E−HPLCついでプレパラティブSDSゲル電気泳動
による、可溶化されたスポロシスト膜蛋白質の部分精製
からなる第65項記載の方法 (67) 分離回収は、モノクロナール抗体Ptn7.
2A4/4(ATCCNo.HB8561)による免疫
沈殿または免疫アフィニティークロマトグラフィーによ
って行われる第65項記載の方法 (68) (a)Eimeria necatrix
スポロシストをプロテアーゼ阻害剤の存在下適当な条件
で界面活性剤と接触させて、スポロシストの膜蛋白質を
可溶化し、(b)可溶化したスポロシストの膜蛋白質か
ら適当な条件下にポリペプチドを分離回収する、第64
項に記載の18,000ダルトンポリペプチド成分の製
造方法
【0331】(69) 分離回収は、可溶化したスポロ
シストの膜蛋白質を適当な還元性条件下に、DEAE−
HPLC上クロマトグラフィー、ついでプレパラティブ
SDSゲル電気泳動により部分精製することからなる第
68項記載の方法 (70) 第64項記載の蛋白質を製造するにあたり、
その蛋白質をコードするDNA分子を製造し、このDN
A分子を適当な発現ベクターに挿入し、得られた発現ベ
クターをDNAの発現および蛋白質の産生を可能にする
適当な条件下に適当な宿主中に導入し、生成した蛋白質
を回収する方法 (71) 第64項記載の18,000ダルトンポリペ
プチド成分を製造するにあたり、そのポリペプチドをコ
ードするDNA分子を製造し、このDNA分子を適当な
発現ベクターに挿入し、得られた発現ベクターをDNA
の発現およびポリペプチドの産生を可能にする適当な条
件下に適当な宿主中に挿入し、生成したポリペプチドを
回収する方法
【0332】(72) 第64項記載の蛋白質の免疫感
作有効量を鶏に投与する、Eimeria necat
rixの感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (73) 第64項記載の蛋白質の免疫感作有効量を鶏
に付与する、Eimeria tenellaの感染に
対する能動免疫を鶏に付与する方法 (74) 第64項記載のポリペプチドの免疫感作有効
量を鶏に付与する、Eimeria necatrix
およびEimeria tenellaの感染に対する
能動免疫を鶏に付与する方法 (75) 免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0m
gである第72項記載の方法 (76) 免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0m
gである第73項記載の方法 (77) 免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0m
gである第74項記載の方法 (78) 第64項記載の蛋白質の免疫感作有効量と医
薬的に許容される担体を1用量としたEimeria
necatrixの感染に対する能動免疫を鶏に付与す
るワクチン
【0333】(79) 第64項記載の蛋白質の免疫感
作有効量と医薬的に許容される担体を1用量としたEi
meria tenellaの感染に対する能動免疫を
鶏に付与するワクチン (80) 第64項記載のポリペプチドの免疫感作有効
量と医薬的に許容される担体を1用量としたEimer
ia necatrixまたはEimeriatene
llaの感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (81) 免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約
0.1μgである第78項記載のワクチン (82) 免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約
0.1μgである第79項記載のワクチン (83) 免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約
0.1μgである第80項記載のワクチン (84) 第78項記載のワクチン適当用量を鶏に投与
する、Eimerianecatrixの感染から鶏を
予防する方法 (85) 第79項記載のワクチン適当用量を鶏に投与
する、Eimeriatenellaの感染から鶏を予
防する方法
【0334】(86) 第80項記載のワクチン適当用
量を鶏に投与する、Eimerianecatrix
よびEimeria tenellaの感染から鶏を予
防する方法 (87) 第64項記載の蛋白質の少なくとも部分をコ
ードする核酸分子 (88) 第87項記載の単離ゲノムDNA (89) 図17に示した核酸配列の少なくとも部分で
ある第87項記載の核酸分子 (90) 他のアミノ酸配列をコードする核酸配列を包
含する第89項記載の核酸分子 (91) 第87項記載のcDNA分子 (92) 第87項記載のmRNA分子 (93) クローニングベクターDNAおよび第91項
記載のcDNAからなり、クローニングベクターDNA
は第1および第2の制限酵素部位が存在し、cDNAは
この部位にクローン化された組換えクローニングベクタ
ー (94) クローニングベクターDNAはプラスミドD
NAからなる第93項記載の組換えクローニングベクタ
【0335】(95) 第93項記載のクローニングベ
クターを含有する宿主細胞 (96) 第95項記載の細菌宿主 (97) プラスミドpSMACからなる第94項記載
の組換えクローニングベクター (98) 第97項記載のクローニングベクターを含有
する細菌宿主細胞 (99) 名称JM83/pSMAC、ATCC登録番
号67 241号である第98項記載の大腸菌宿主細胞 (100) プラスミドpSS33からなる第94項記
載の組換えクローニングベクター (101) 第100項記載のクローニングベクターを
含有する細菌宿主細胞 (102) 名称JM83/pSS33、ATCC登録
番号67 242号である第101項記載の大腸菌宿主
細胞 (103) プラスミドpNCDからなる第94項記載
の組換えクローニングベクター
【0336】(104) 第103項記載のクローニン
グベクターを含有する細菌宿主細胞 (105) 名称JM83/pNCD、ATCC登録番
号67 266号である第104項記載の大腸菌宿主細
胞 (106) クローニングベクターDNAと第90項記
載の核酸配列からなり、クローニングベクターDNAは
第1および第2の制限酵素部位を有し、第90項記載の
核酸配列はこの部位にクローン化された組換え発現ベク
ター (107) 適当な宿主細胞に導入すると、融合ポリペ
プチドを発現できる第106項記載の組換え発現ベクタ
ー (108) 名称はpTDS1である第107項記載の
組換え発現ベクター (109) 第108項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (110) 名称MH1/pTDS1、ATCC登録番
号67 240号である第109項記載の大腸菌宿主細
【0337】(111) 名称はpTDS2である第1
07項記載の組換え発現ベクター (112) 第111項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (113) 名称はMH1/pTDS2、ATCC登録
番号67 264号である第112項記載の大腸菌宿主
細胞 (114) 名称はpDDS2である第107項記載の
組換え発現ベクター (115) 第114項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (116) 名称JM83/pDDS2、ATCC登録
番号67 265号である第115項記載の大腸菌宿主
細胞 (117) 名称はpDDS1である第107項記載の
組換え発現ベクター (118) 第117項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (119) 名称MH1/pDDS1、ATCC登録番
号67 243号である第118項記載の大腸菌宿主細
【0338】(120) 第95項記載の宿主細胞を蛋
白質の産生を可能にする適当な条件下に生育させ、生成
した蛋白質を回収する、Eimeria necatr
ixおよびEimeria tenellaの感染に対
する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる蛋白
質の製造方法 (121) ほぼ同一の配列を有するが細菌宿主内での
発現のために異なる第64項記載の蛋白質 (122) Eimeria necatrixから全
ゲノムDNAを単離し、単離したゲノムDNAからDN
Aフラグメントを調製し、得られたフラグメントを適当
なクローニングベクターにリゲートし、生成したクロー
ンのDNAを図17に示した核酸配列内に存在する核酸
配列を含むかまたはそれと相補性のオリゴヌクレオチド
とハイブリダイゼーションさせて適当なクローンを同定
し、ついで、適当なクローンから図17に示した核酸配
列を有し、蛋白質をコードするDNAを単離する、第8
9項記載のDNAを得る方法
【0339】(123) 分子量約26,000未満
で、第64項記載の蛋白質のアミノ酸配列内に包含され
るアミノ酸配列を有し、Eimeria necatr
ixおよびEimeria tenellaの感染に対
する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原
性ポリペプチド (124) 分子量約26,000以上で、第64項記
載の蛋白質のアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列
と付加的アミノ酸配列を有し、Eimerianeca
trixおよびEimeria tenellaの感染
に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる
抗原性ポリペプチド (125) 第64項記載の蛋白質の類縁体である抗原
性ポリペプチド (126) 第123項記載のポリペプチドの類縁体で
ある抗原性ポリペプチド (127) 第124項記載のポリペプチドの類縁体で
ある抗原性ポリペプチド (128) 第64項記載の蛋白質の18,000ダル
トンポリペプチド成分のアミノ酸配列を有し、分子量は
18,000ダルトンであって、Eimerianec
atrixおよびEimeria tenellaの感
染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発でき
る抗原性ポリペプチド
【0340】(129) 第64項記載の蛋白質の8,
000ダルトンポリペプチド成分のアミノ酸配列を有
し、分子量は、8,000ダルトンであって、Eime
rianecatrixおよびEimeria ten
ellaの感染に対する防御機構を付与する免疫応答を
鶏に誘発できる抗原性ポリぺプチド (130) 分子量約18,000ダルトン未満で、第
128項記載のポリぺプチドのアミノ酸配列内に包含さ
れるアミノ酸配列と付加的アミノ酸配列を有し、Eim
eria necatrixおよびEimeria t
enella感染に対する防御機構を付与する免疫応答
を鶏に誘発できる抗原性ポリぺプチド (131) 分子量約18,000ダルトン以上で、第
128項記載のポリぺプチドのアミノ酸配列と付加的ア
ミノ酸配列を有し、Eimeria necatrix
およびEimeria tenella感染に対する防
御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリ
ぺプチド
【0341】(132) 第128項記載のポリぺプチ
ドの類縁体である抗原性ポリぺプチド (133) 第130項記載のポリぺプチドの類縁体で
ある抗原性ポリぺプチド (134) 第131項記載のポリぺプチドの類縁体で
ある抗原性ポリぺプチド (135) 分子量約8,000未満で、第129項記
載のポリぺプチドのアミノ酸配列内に包含されるアミノ
酸配列を有し、Eimeria necatrixおよ
Eimeria tenella感染に対する防御機
構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリぺプ
チド (136) 分子量約8,000以上で、第129項記
載のポリぺプチドのアミノ酸配列と付加的アミノ酸配列
を有し、Eimeria necatrixおよびEi
meria tenella感染に対する防御機構を付
与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリぺプチド (137) 第129項記載のポリぺプチドの類縁体で
ある抗原性ポリぺプチド (138) 第135項記載のポリぺプチドの類縁体で
ある抗原性ポリぺプチド
【0342】(139) 第136項記載のポリぺプチ
ドの類縁体である抗原性ポリぺプチド (140) 第123,124,128〜131,13
5または136項記載の任意の1種のポリぺプチドの免
疫感作有効量と医薬的に許容される担体を1用量として
Eimeria necatrixおよびEimeri
a tenella感染に対する能動免疫を鶏に付与す
るワクチン (141) 第123,124,128〜131,13
5または136項記載のポリぺプチド2種または3種以
上の免疫感作有効量と医薬的に許容される担体を1用量
としたEimeria necatrixおよびEim
eria tenella感染に対する能動免疫を鶏に
付与するワクチン (142) 免疫感作有効量は鶏の体重1kgあたり約
0.1μg以上である第140項記載のワクチン (143) 免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり
約0.1μg以上である第141項記載のワクチン
【0343】(144) 第140項記載のワクチンの
適当用量を鶏に投与する、Eimeria necat
rixおよびEimeria tenella感染から
鶏を予防する方法 (145) 第141項記載のワクチンの適当用量を鶏
に投与する、Eimeria necatrixおよび
Eimeria tenella感染から鶏を予防する
方法 (146) 第64項記載の蛋白質に対するモノクロナ
ール抗体 (147) 第146項記載のモノクロナール抗体に対
する抗−イデイオタイプ抗体 (148) 分子量は約55,000ダルトンで、Ei
meria maxima感染に対する防御機構を付与
する免疫応答を鶏に誘発できる精製抗原性蛋白質 (149) 分子量約55,000ダルトン未満で、第
148項記載の蛋白質のアミノ酸配列内に包含されるア
ミノ酸配列を有し、Eimeria maxima感染
に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる
抗原性ポリぺプチド (150) 第149項記載の抗原性ポリぺプチドから
なる、Eimeriamaxima感染に対する防御機
構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原
【0344】(151) 第148項記載の蛋白質を製
造するにあたり、(a)Eimeria maxima
のメロゾイトをプロテアーゼ阻害剤の存在下、適当な非
還元性条件で、界面活性剤と接触させて、メロゾイトの
膜蛋白質を可溶化し、(b)可溶化されたメロゾイトの
膜蛋白質から適当な非還元性条件下に蛋白質を分離回収
する方法 (152) 分離回収は、イオン交換クロマトグラフィ
ーによる可溶化メロゾイト膜蛋白質の部分精製からなる
第151項記載の方法 (153) 分離回収は、モノクロナール抗体Pmx4
7.8B5による免疫沈殿または免疫アフィニティーク
ロマトグラフィーからなる第151項記載の方法 (154) 第148項記載の蛋白質を製造するにあた
り、その蛋白質をコードするDNA分子を製造し、その
DNA分子を適当な発現ベクターに挿入し、得られた発
現ベクターをDNAの発現および蛋白質の産生を可能に
する適当な条件下に適当な宿主に導入し、生成した蛋白
質を回収する方法
【0345】(155) 第149項記載のポリぺプチ
ドを製造するにあたり、そのポリぺプチドをコードする
DNA分子と製造し、そのDNA分子を適当な発現ベク
ターに挿入し、得られた発現ベクターをDNAの発現お
よびポリぺプチドの産生を可能にする適当な条件下に適
当な宿主に導入し、生成したポリぺプチドを回収する方
法 (156) 第148項記載の蛋白質の免疫感作有効量
を鶏に投与するEimeria maxima感染に対
する能動免疫を鶏に付与する方法 (157) 第149項記載のポリぺプチドの免疫感作
有効量を鶏に投与するEimeria maxima
染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (158) 第150項記載のポリぺプチドの免疫感作
有効量を鶏に投与するEimeria maxima
染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (159) 免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0
mgである第156項記載の方法 (160) 第148項記載の蛋白質の免疫感作有効量
と医薬的に許容される担体を1用量とした、Eimer
ia maxima感染に対する能動免疫を鶏に付与す
るワクチン
【0346】(161) 第149項記載のポリぺプチ
ドの免疫感作有効量と医薬的に許容される担体を1用量
とした、Eimeria maxima感染に対する能
動免疫を鶏に付与するワクチン (162) 第150項記載のポリぺプチドの免疫感作
有効量と医薬的に許容される担体を1用量とした、Ei
meria maxima感染に対する能動免疫を鶏に
付与するワクチン (163) 免疫感作有効量は鶏の体重1kgあたり約
0.1μgである第160項記載のワクチン (164) 免疫感作有効量は鶏の体重1kgあたり約
0.1μgである第161項記載のワクチン (165) 第161項記載のワクチン適当用量を鶏に
投与する、Eimeria maxima感染から鶏を
予防する方法 (166) 第148項記載の蛋白質に対するモノクロ
ナール抗体 (167) 第149項記載のポリぺプチドに対するモ
ノクロナール抗体
【0347】(168) ハイブリドーマ細胞系ATC
C No.HB8946によって産生されるモノクロナ
ール抗体Pmx47.8B5 (169) 第166,167または168項記載の抗
体の予防有効量を鶏に投与する、Eimeria ma
xima感染に対する受動免疫を付与する方法 (170) 第166,167または168項記載のモ
ノクロナール抗体の予防有効量と医薬的に許容される担
体からなるEimeria maxima感染に対する
受動免疫を鶏に付与するための組成物 (171) 第170項記載の組成物の適当用量を鶏に
投与する、Eimeria maxima感染に対する
受動免疫を鶏に付与する方法 (172) 第168項記載のモノクロナール抗体に対
する抗−イデイオタイプ抗体
【0348】(173) (a)ハイブリドーマ細胞系
(ATCC No.HB8946)からモノクロナール
抗体Pmx47.8B5を回収し、(b)モノクロナー
ル抗体を精製し、(c)精製モノクロナール抗体を適当
なアジュバントとともに適当な動物に注射し、(d)注
射した動物から血清を採取し、(e)その血清から抗−
イデイオタイプ抗体を回収する、第172項記載の抗−
イデイオタイプ抗体の製造方法 (174) 第172項記載の抗−イデイオタイプ抗体
の免疫感作有効量を鶏に投与する、Eimeria m
axima感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (175) 第172項記載の抗イデイオタイプ抗体の
免疫感作有効量と医薬的に許容される担体からなる、
imeria maxima感染に対する能動免疫を鶏
に付与するためのワクチン (176) 第175項記載のワクチンの適当用量を鶏
に投与する、Eimeria maxima感染から鶏
を予防する方法 (177) モノクロナール抗体Pmx47.8B5に
よって認識されるエピトープからなる蛋白質をコードす
る核酸分子
【0349】(178) 他のアミノ酸配列をコードす
る核酸配列を包含する第177項記載の核酸分子 (179) 第177項記載のcDNA分子 (180) 第177項記載のmRNA分子 (181) 第149項または第150項のいずれかに
記載のポリぺプチドをコードするDNA分子 (182) 第177項記載の核酸分子を含有するクロ
ーニングベクター (183) 第182項記載のクローニングベクターを
含有する宿主細胞 (184) 細菌宿主である第183項記載の宿主細胞 (185) クローニングベクターDNAと第177項
記載の核酸配列からなり、クローニングベクターDNA
には第1および第2の制限酵素部位が存在し、第177
項記載の核酸配列はその部位にクローン化された組換え
発現ベクター (186) 適当な宿主内に導入すると、融合ポリぺプ
チドを発現できる第185項記載の組換え発現ベクター
【0350】(187) 名称がp5−3である第18
6項記載の組換え発現ベクター (188) 第187項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (189) 名称がSG936/p5−3であり、AT
CC登録番号が67 253号である第188項記載の
大腸菌宿主細胞 (190) 名称がp11−2である第186項記載の
組換え発現ベクター (191) 第190項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (192) 名称がSG936/p11−2、ATCC
登録番号が67 251号である第191項記載の大腸
菌宿主細胞 (193) 名称がp13−8である第186項記載の
組換え発現ベクター (194) 第193項記載の発現ベクターを含有する
細菌宿主細胞 (195) 名称がSG936/p13−8、ATCC
登録番号が67 252号である第194項記載の大腸
菌宿主細胞
【0351】(196) Eimeria maxim
感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発
できる抗原性蛋白質を製造するにあたり、第183項記
載の宿主細胞を上記蛋白質の産生を可能にする適当な条
件下に生育させ、生成した蛋白質を回収する方法 (197) ほぼ同一の配列を有するが、細菌宿主内で
の発現のために異なる第148項記載の蛋白質 (198) 第177項記載のDNAを得るにあたり、
Eimeria maximaの卵母細胞から全ゲノム
DNAを単離し、単離されたゲノムDNAからDNAフ
ラグメントを製造し、得られたフラグメントを存在する
核酸配列を含有するかまたはそれと相補性を示すオリゴ
ヌクレオチドとハイブリダイゼーションによってリゲー
トして適当なクローンを同定し、適当なクローンから蛋
白質をコードするDNAを単離する方法 (199) 分子量55,000ダルトン以上で、第1
48項記載の蛋白質のアミノ酸配列内に包含されるアミ
ノ酸配列と付加的アミノ酸を有し、Eimeria m
axima感染に対する防御機構を付与する免疫応答を
鶏に誘発できる抗原性ポリぺプチド
【0352】(200) 付加的アミノ酸配列はβ−ガ
ラクトシダーゼのアミノ酸配列からなる第199項記載
のポリぺプチド (201) 第199項記載のポリぺプチドをコードす
るDNA分子 (202) 第201項記載のDNAを含有するクロー
ニングベクター (203) 第199項記載のポリぺプチドの免疫感作
有効量を鶏に投与するEimeria maxima
染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (204) 第199項記載のポリぺプチドの免疫感作
有効量と医薬的に許容される担体からなるEimeri
a maxima感染に対する能動免疫を鶏に付与する
ワクチン (205) ワクチン投与動物にEimeria抗原に
対する抗体の産生を誘発するのに有効な量のEimer
ia抗原またはエピトープの混合物と医薬的に許容され
る担体を1用量とした、Eimeriaによって惹起さ
れる疾患に対する多成分ワクチン (206) 疾患はコクシジウム症である第205項記
載のワクチン
【0353】(207) 動物は鶏である第205項記
載のワクチン (208) Eimeria抗原はE.tenell
E.maximaE.necatrixまたは他
Eimeria種の抗原である第205項記載のワク
チン (209) Eimeria抗原は、Eimeria
ピトープ少なくとも1個を含有し、遺伝子操作による抗
原性融合ポリぺプチド1種または2種以上からなる第2
05項記載のワクチン (210) 1用量あたりの各抗原の量は約10μgか
ら約200μgである第205項記載のワクチン (211) 医薬的に許容される担体は、約5%のAr
lacel A、約94%のDrakeol 6−VR
および約1%のTween−80からなる第205項記
載のワクチン
【0354】(212) 医薬的に許容される担体は、
約1部の抗原水溶液と、約5%のArlacel A、
約94%のDrakeol 6−VRおよび約1%のT
ween 80を含む溶液約3部からなる第205項記
載のワクチン (213) 医薬的に許容される担体は免疫増強剤を含
有する第205項記載のワクチン (214) 免疫増強剤はSalmonella mi
nnesota LPSである第211項記載のワクチ
ン (215) 医薬的に許容される担体は1用量あたり
almonella minnesota LPS、1
0μgを含有する第211項記載のワクチン (216) ワクチン混合物はE.tenella抗原
と他のEimeria抗原からなる第205項記載のワ
クチン (217) 他のEimeria抗原は25キロダルト
E.tenella抗原からなる第216項記載のワ
クチン (218) 他のEimeria抗原は任意のE.ne
catrix抗原からなる第216項記載のワクチン (219) 他のEimeria抗原は26キロダルト
E.necatrix抗原からなる第216項記載の
ワクチン
【0355】(220) 他のEimeria抗原は任
意のE.maxima抗原からなる第216項記載のワ
クチン (221) 他のEimeria抗原は55キロダルト
ンE.maxima抗原からなる第216項記載のワク
チン (222) 混合物は25キロダルトンE.tenel
la抗原と任意の他のEimeria抗原の組合せであ
る第205項記載のワクチン (223) 他のEimeria抗原は任意のE.ne
catrix抗原からなる第222項記載のワクチン (224) 他のEimeria抗原は、26キロダル
トンE.necatrix抗原からなる第222項記載
のワクチン (225) 他のEimeria抗原は任意のE.ma
xima抗原である第222項記載のワクチン (226) 他のEimeria抗原は55キロダルト
E.maxima抗原である第222項記載のワクチ
ン (227) 混合物はE.necatrix抗原と他の
任意のEimeria抗原との組合せである第205項
記載のワクチン
【0356】(228) 他のEimeria抗原は2
6キロダルトンE.necatrix抗原からなる第2
27項記載のワクチン (229) ワクチンは、E.necatrix抗原の
混合物と他の任意のE.maxima抗原の組合せなる
第227項記載のワクチン (230) 他のEimeria抗原は55キロダルト
E.maxima抗原からなる第227項記載のワク
チン (231) 混合物は26キロダルトンE.necat
rix抗原と他の任意のEimeria抗原の組合せで
ある第205項記載のワクチン (232) 他のEimeria抗原は任意のE.ma
xima抗原からなる第231項記載のワクチン (233) 他のEimeria抗原は55キロダルト
E.maxima抗原からなる第231項記載のワク
チン (234) ワクチンは任意のE.maxima抗原の
混合物と他の任意のEimeria抗原の組合せからな
る第205項記載のワクチン
【0357】(235) 他のEimeria抗原は5
5キロダルトンE.maxima抗原からなる第234
項記載のワクチン (236) ワクチンは任意のEimeria抗原の混
合物と任意のトリウイルス蛋白質の組合せからなる第2
05項記載のワクチン (237) トリウイルス蛋白質はマレック病ウイルス
またはそのエピトープである第236項記載のワクチン (238) トリウイルス蛋白質は感染性バーサル疾患
ウイルスまたはそのエピトープである第236項記載の
ワクチン (239) トリウイルス蛋白質は七面鳥ヘルペスウイ
ルスまたはそのエピトープである第236項記載のワク
チン (240) 混合物は任意のEimeria抗原と抗原
性融合ポリぺプチドの組合せであり、ポリぺプチドは少
なくとも1個のEimeriaエピトープが少なくとも
1個の他のポリぺプチドのアミノ酸配列の少なくとも部
分と融合してなる、第205項記載のワクチン
【0358】(241) 他のポリぺプチドはβ−ガラ
クトシダーゼである第240項記載のワクチン (242) ポリぺプチドはプロキモシンである第24
0項記載のワクチン (243) 抗原性融合ポリぺプチドはベクターpBG
C23によってコードされるポリぺプチドである第24
0項記載の方法 (244) 抗原性融合ポリぺプチドはベクターpCO
C12によってコードされるポリぺプチドである第24
0項記載の方法 (245) 抗原性融合ポリぺプチドはベクターpCO
C20によってコードされるポリぺプチドである第24
0項記載の方法 (246) ワクチンは任意の抗原性融合ポリぺプチド
であり、ポリぺプチドは少なくとも1個のEimeri
aエピトープが少なくとも1個の他のポリぺプチドのア
ミノ酸配列の少なくとも部分と融合してなる第205項
記載のワクチン (247) ワクチンは、少なくとも1個のEimer
iaエピトープを包含する任意の抗原性融合ポリぺプチ
ドの混合物である第248項記載のワクチン
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and sequencing with synth
etic universalprimers.Gen
19,259−268. 79. Wang,C.C.Biochemistry a
nd physiology of Coccidi
a.In The Biology of the C
occidia,Long,P.L.,ed.,(19
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s,Baltimore,pp.167−228. 80. Wang,C.C.and Stotish,R.
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the oocysts of Eimeria te
nella during sporulation.
J.Protozool.22(3),438. 81. Wisher,M.H.(1983).Sporo
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【0374】82. Wong,R.B.and Sche
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acey−Patte,P.D.,Donaldso
n,R.A.,Goodger,B.V.,Walti
sbuhl,O.J.and Mahoney,D.
F.(1983).Babesia bovis:Is
olation of a protective a
ntigen by using monoclona
l antibody.Infection and
Immunity41,244.
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、微小配列決定により決定したE.te
nella(TA4)抗原の17,000ダルトンポリ
ぺプチドのアミノ酸配列である。図1はまた種々の化学
的および酵素的消化により生成した重複ぺプチドも示し
ている。図中、>はぺプチド配列は連続しているかもし
れないが、追跡するには弱すぎることを、}はぺプチド
のC末端を示している。( )はDNA配列によって確
認された考えられるアミノ酸である。′は二次配列を示
す。CNはシアノゲンブロミドフラグメント、CHはカ
イモトリプシンフラグメント、RはArg−Cフラグメ
ント、VはV8フラグメント、PARはピログルタメー
トアミノぺプチダーゼ処理17kd蛋白質である。
【図2】図2は、TA4抗原をコードするE.tene
llaゲノムクローン108−1の制限酵素地図であ
る。図2はまた、5,500bp E.tenella
EcoRI DNAフラグメント内のTA4抗原遺伝子
の位置および方向性も示している。示されたPstIお
よびBalI部位は最も右側の部位であるが、唯一の部
位ではない。BamHI、EcoRV、NruI、Sa
I、SmaIおよびPvuIの部位はない。
【図3A】図3Aは、図2に示したゲノムクローン10
8−1のBglII−EcoRIDNAフラグメントの
DNAヌクレオチド配列である。さらに図3には、シグ
ナルぺプチドならびにTA4抗原の17,000ダルト
ンおよび8,000ダルトンポリぺプチドのアミノ酸配
列も示す。図3には、遺伝子内のイントロンも示す。図
中、*は17,000ダルトンぺプチドの最先アミノ酸
を、**は17,000ダルトンぺプチドの最終アミノ
酸を、+は8,000ダルトンぺプチドの最先アミノ酸
を、++は8,000ダルトンぺプチドの最終アミノ酸
を示す。不明確な塩基については、3,4,5,6はそ
れぞれC,T,A,Gと考えられる;7,8,9,0は
それぞれ多分C,T,A,G;RはAまたはG,YはC
またはT,JはCまたはA,KまたはTまたはG,Lは
TまたはA,MはCまたはGを意味する。
【図3B】図3Bは、図2に示したゲノムクローン10
8−1のBglII−EcoRIDNAフラグメントの
DNAヌクレオチド配列である。さらに図3には、シグ
ナルぺプチドならびにTA4抗原の17,000ダルト
ンおよび8,000ダルトンポリぺプチドのアミノ酸配
列も示す。図3には、遺伝子内のイントロンも示す。図
中、*は17,000ダルトンぺプチドの最先アミノ酸
を、**は17,000ダルトンぺプチドの最終アミノ
酸を、+は8,000ダルトンぺプチドの最先アミノ酸
を、++は8,000ダルトンぺプチドの最終アミノ酸
を示す。不明確な塩基については、3,4,5,6はそ
れぞれC,T,A,Gと考えられる;7,8,9,0は
それぞれ多分C,T,A,G;RはAまたはG,YはC
またはT,JはCまたはA,KまたはTまたはG,Lは
TまたはA,MはCまたはGを意味する。
【図3C】図3Cは、図2に示したゲノムクローン10
8−1のBglII−EcoRIDNAフラグメントの
DNAヌクレオチド配列である。さらに図3には、シグ
ナルぺプチドならびにTA4抗原の17,000ダルト
ンおよび8,000ダルトンポリぺプチドのアミノ酸配
列も示す。図3には、遺伝子内のイントロンも示す。図
中、*は17,000ダルトンぺプチドの最先アミノ酸
を、**は17,000ダルトンぺプチドの最終アミノ
酸を、+は8,000ダルトンぺプチドの最先アミノ酸
を、++は8,000ダルトンぺプチドの最終アミノ酸
を示す。不明確な塩基については、3,4,5,6はそ
れぞれC,T,A,Gと考えられる;7,8,9,0は
それぞれ多分C,T,A,G;RはAまたはG,YはC
またはT,JはCまたはA,KまたはTまたはG,Lは
TまたはA,MはCまたはGを意味する。
【図4】図4は、モノクロナール抗体Ptn9.9D1
2と免疫反応性を示す17,000ダルトンサブユニッ
トの出現によって測定した、胞子形成時のTA4抗原の
出現を示している。
【図5A】図5Aは、TA4蛋白質をコードするE.t
enellaゲノムクローン108−1のBglII−
EcoRI DNAフラグメントのDNAヌクレオチド
配列である。シグナルぺプチドならびに胞子小体の膜中
に生じるTA4抗原の17,000および8,000ダ
ルトンポリぺプチド成分のアミノ酸配列も示す。また、
遺伝子内のイントロンならびにハイブリダイゼーション
によりmRNAを同定するために用いられるSacI−
PvuII DNAおよびTA4蛋白質をコードするc
DNAクローンも示す。図中の記号および不明確な塩基
の表示は図3の場合と同じである。
【図5B】図5Bは、TA4蛋白質をコードするE.t
enellaゲノムクローン108−1のBglII−
EcoRI DNAフラグメントのDNAヌクレオチド
配列である。シグナルぺプチドならびに胞子小体の膜中
に生じるTA4抗原の17,000および8,000ダ
ルトンポリぺプチド成分のアミノ酸配列も示す。また、
遺伝子内のイントロンならびにハイブリダイゼーション
によりmRNAを同定するために用いられるSacI−
PvuII DNAおよびTA4蛋白質をコードするc
DNAクローンも示す。図中の記号および不明確な塩基
の表示は図3の場合と同じである。
【図5C】図5Cは、TA4蛋白質をコードするE.t
enellaゲノムクローン108−1のBglII−
EcoRI DNAフラグメントのDNAヌクレオチド
配列である。シグナルぺプチドならびに胞子小体の膜中
に生じるTA4抗原の17,000および8,000ダ
ルトンポリぺプチド成分のアミノ酸配列も示す。また、
遺伝子内のイントロンならびにハイブリダイゼーション
によりmRNAを同定するために用いられるSacI−
PvuII DNAおよびTA4蛋白質をコードするc
DNAクローンも示す。図中の記号および不明確な塩基
の表示は図3の場合と同じである。
【図6】図6は、TA4遺伝子のゲノムクローンからの
内部制限フラグメントのハイブリダイゼーションにより
測定した、胞子形成時におけるTA4抗原mRNAの出
現を示す。
【図7】図7は、TA4抗原をコードするcDNAクロ
ーンpTCD26のDNA配列を示す。
【図8】図8は、発現ベクターpWHA63の構築、な
らびに発現ベクターpDET1およびpDET2を生成
するためのcDNAクローンpTCD26からのDNA
の発現ベクターpWHA63への挿入を図式的に示した
ものである。
【図9】図9は、大腸菌のLon+ 対Lon- プロテア
ーゼ欠損株内でのpDET1/pDET2蛋白質の産生
を示す、pDET1およびpDET2蛋白質の分析図で
ある。AはpDET1の染色ゲル法、BはpDET1の
免疫ブロット法、CはpDET2の染色ゲル法により分
析結果である。
【図10】図10は、cDNA誘導抗原性ポリぺプチド
をコードする配列の5′末端にlacZ遺伝子の3′末
端を融合した発現ベクターpBGC23の構築を図式的
に示したものである。
【図11】図11は、大腸菌内でのpBGC23蛋白質
の産生を示す図である。pBGC23蛋白質のAは染色
ゲル法、Bは免疫ブロット法による分析結果を示す。
【図12】図12は、ウシ プロキモシン発現ベクター
pWHA93の構築を図式的に示したものである。
【図13】図13は、cDNA誘導抗原性ポリぺプチド
をコードする配列の5′末端に、ウシプロキモシンをコ
ードする配列の3′末端を融合させることによるpCO
C12の構築を図式的に示したものである。図13に
は、pCOC12からのpCOC20の誘導も示す。
【図14】図14は、大腸菌内でのECOC12および
pCOC20蛋白質の産生を示す。Aは染色ゲル法、B
は免疫ブロット法によるPCOC12蛋白質の、Cは染
色ゲル法によるPCOC20蛋白質の分析結果を示す。
【図15】図15は、TA4抗原および再正常化細菌T
A4蛋白質のモノクロナール抗体Ptn7.2A4/4
との免疫反応性をELISAで測定した結果である。
【図16】図16は、NA4抗原をコードするE.ne
catrixゲノムクローン7−49の制限酵素地図、
ならびにNA4抗原の遺伝子の3900bp E.ne
catrix EcoRI DNAフラグメント内にお
ける位置および方向性を示す。
【図17A】図17Aは、図16に示したゲノムクロー
ン7−49の2440塩基のDNAヌクレオチド配列を
示す。この配列は、図16に示した全HindIII−
BalI領域を包含する。また、E.necatrix
NA4抗原について推測されるアミノ酸配列も示す。
図中、シトシン、チミン、アデニン、グアニンは、それ
ぞれ確定的なものをC,T,A,Gで、考えられるもの
を3,4,5,6で、不明のものはNで、CまたはAは
Jで、TまたはAはLで表示した。*は18,000ダ
ルトンぺプチドの最先アミノ酸と考えられるものを、*
*は18,000ダルトンぺプチドの最終アミノ酸と考
えられるものを、+は8,000ダルトンぺプチドの最
先アミノ酸と考えられるものを表示している。
【図17B】図17Bは、図16に示したゲノムクロー
ン7−49の2440塩基のDNAヌクレオチド配列を
示す。この配列は、図16に示した全HindIII−
BalI領域を包含する。また、E.necatrix
NA4抗原について推測されるアミノ酸配列も示す。
図中、シトシン、チミン、アデニン、グアニンは、それ
ぞれ確定的なものをC,T,A,Gで、考えられるもの
を3,4,5,6で、不明のものはNで、CまたはAは
Jで、TまたはAはLで表示した。*は18,000ダ
ルトンぺプチドの最先アミノ酸と考えられるものを、*
*は18,000ダルトンぺプチドの最終アミノ酸と考
えられるものを、+は8,000ダルトンぺプチドの最
先アミノ酸と考えられるものを表示している。
【図18】図18は、TA4およびNA4抗原間のアミ
ノ配列の相同性を示す図である。図中、*は相同のアミ
ノ酸を、+はE.tenella A4抗原の17,0
00ダルトンポリぺプチド成分の最初を、§はE.te
nella A4抗原の8,000ダルトンポリぺプチ
ド成分の最初を表示している。C=Cys,H=Hi
s,I=Ile,M=Met,S=Ser,V=Va
l,A=Ala,G=Gly,L=Leu,P=Pr
o,T=Thr,F=Phe,R=Arg,Y=Ty
r,W=Trp,D=Asp,N=Asn,B=As
x,E=Glu,Q=Gln,Z=Glx,K=Lys
である。E.tenellaアミノ酸配列中のスペース
E.tenella配列に比べてE.necatri
配列中に付加的アミノ酸があることを、E.neca
trixアミノ酸配列中のスペースは、E.tenel
la配列に比べてE.necatrix配列中にはその
アミノ酸がないことを示す。
【図19】図19は、それぞれTA4およびNA4抗原
をコードするE.tenellaおよびE.necat
rix遺伝子内の3個のイントロンの相同性を示す図で
ある。図中、*は相同の塩基を示す。E.tenell
DNA配列中のスペースはE.tenella配列
に比べてE.necatrix配列中に付加的塩基があ
ることを、E.necatrix DNA配列中のスペ
ースはE.tenella配列に比べてE.necat
rix配列中にそのアミノ酸がないことを示す。不明確
な塩基について、4はTと考えられる、7は多分C,L
はTまたはAを表示する。
【図20】図20は、組換えベクターpSMACの構築
を図式的に示している。
【図21】図21は、組換えベクターpSS33の構築
を図式的に示している。
【図22】図22は、組換えベクターpNCDの構築を
図式的に示している。
【図23A】図23Aは、発現ベクターpTDS1
(A)およびpTDS2(B)の構築を図式的に示して
いる。
【図23B】図23Bは、発現ベクターpTDS1
(A)およびpTDS2(B)の構築を図式的に示して
いる。
【図24A】図24Aは、発現ベクターpDDS1
(A)およびpDDS2(B)の構築を図式的に示して
いる。
【図24B】図24Bは、発現ベクターpDDS1
(A)およびpDDS2(B)の構築を図式的に示して
いる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 8828−4B C12N 1/21 C12P 21/02 C12P 21/02 C (C12N 15/09 ZNA C12R 1:90) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (31)優先権主張番号 807497 (32)優先日 1985年12月11日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 トーマス シー.ゴアー アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シ イテイ,ヒルドレス ストリート 1106 (72)発明者 レイ − ジエン チヤング アメリカ合衆国カリフオルニア州フオスタ ー シイテイ,セント クロイツクス レ ーン 602 (72)発明者 ジヨン エル.テデスコ アメリカ合衆国ミズーリ州セント ピータ ーズ,ノベラ ドライブ 5 (72)発明者 ウイリアム エツチ.アンドリユーズ アメリカ合衆国カリフオルニア州ベルモン ト,ジエラルダイン ウエイ 1210,アパ ートメント 201 (72)発明者 ゲイリイ アール.ピーターセン アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シ イテイ,セカンド アベニユー 210 (72)発明者 アイリーン クーン アメリカ合衆国カリフオルニア州サンフラ ンシスコ,アツシユベリイ 625,アパー トメント 12 (72)発明者 バージニア エム.ブラザーズ アメリカ合衆国カリフオルニア州アルバニ イ,ペラルタ アベニユー 988 (72)発明者 マイクル テイー.マツキヤマン アメリカ合衆国カリフオルニア州サン ブ ルノ,チエリイ アベニユー 746 (72)発明者 ジエームス ジー.フイルズ アメリカ合衆国カリフオルニア州ベルモン ト,リヨン アベニユー 1911 (72)発明者 ステイシイ アール.シアス アメリカ合衆国カリフオルニア州サン ア ンセルモ,カールソン コート 37 (72)発明者 アール.エム.ノードグレン アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シ テイ,ルーラル ルート 1 (72)発明者 イー.エイ.ドラゴン アメリカ合衆国カリフオルニア州オリン ダ,パーク レーン ドライブ 42

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Eimeria tenellaから誘
    導される抗原性蛋白質、すなわち分子量約25,000
    ダルトンであって、ジスルフィド結合により結合した2
    個のポリペプチドから構成され、その一方のポリペプチ
    ドは分子量約17,000ダルトンでN末端アミノ酸が
    遮閉されていることを特徴として以下に示すアミノ酸配
    列を有し、他方のポリペプチドは分子量約8,000ダ
    ルトンで以下に示すアミノ酸配列を有する蛋白質をコー
    ドし、以下に示す核酸配列を有する単離ゲノムDNA。 【化1】
  2. 【請求項2】 分子量約25,000ダルトンで、以下
    に示す連続アミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチドを
    コードするcDNA分子またはmRNA分子のような核
    酸分子。 【化2】
  3. 【請求項3】 分子量約26,000ダルトンで、ジス
    ルフィド結合により結合した2個のポリペプチドから構
    成され、その一方のポリペプチドは分子量約18,00
    0ダルトンでN末端アミノ酸が遮閉されていることを特
    徴とし、他方のポリペプチドは分子量約8,000ダル
    トンであり、Eimeria necatrixまたは
    Eimeria tenellaの感染に対する防御機
    構を付与する免疫応答を鶏に誘導することができ、以下
    に示すアミノ酸配列を有する精製抗原性蛋白質。 【化3】
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の蛋白質の少なくとも一
    部をコードするcDNA分子またはmRNA分子のよう
    な核酸分子、あるいは分子量約26,000ダルトンで
    ジスルフィド結合により結合した2個のポリペプチドか
    ら構成され請求項3に記載のアミノ酸配列を有する抗原
    性蛋白質をコードするmRNA分子。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の抗原性蛋白質、 またはEimeria tenellaの感染に対する
    防御機構を付与する免疫応答を付与することができる抗
    原性ポリペプチドであって、 分子量約25,000ダルトンであって請求項2に記載
    のアミノ酸配列を有するポリペプチド;分子量約13
    5,000ダルトンのポリペプチドであって、分子量約
    25,000ダルトンで請求項2に記載のアミノ酸配列
    を有する上記ポリペプチド及びその配列のアミノ末端に
    おけるβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列から構成さ
    れるポリペプチド;分子量約65,600ダルトンのポ
    リペプチドであって、分子量約25,000ダルトンで
    請求項2に記載のアミノ酸配列を有する上記ポリペプチ
    ド及びその配列のアミノ末端におけるプロキモシンのア
    ミノ酸配列から構成されるポリペプチド;及び、 分子量約56,500ダルトンのポリペプチドであっ
    て、分子量約25,000ダルトンで請求項2に記載の
    アミノ酸配列を有する上記ポリペプチド及びその配列の
    アミノ末端におけるプロキモシンのアミノ酸配列であっ
    てプロキモシンの天然配列から83個のアミノ酸が欠失
    しているアミノ酸配列から構成されるポリペプチド;か
    らなる群より選ばれる抗原性ポリペプチド、 をコードするDNA分子。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の抗原性ポリペプチドの
    1種または2種以上の免疫感作有効量と医薬的に許容さ
    れる担体を1回用量として含有するEimeria
    ecatrixの感染に対する能動免疫を鶏に付与する
    ワクチン。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の抗原性ポリペプチドの
    1種または2種以上に加えて、更に投与動物にEime
    ria抗原に対する抗体の産生を誘発するのに有効な量
    の任意のEimeria抗原またはエピトープを1回用
    量として含有する、Eimeriaが原因となる疾患に
    対する多価ワクチンである請求項6のワクチン。
  8. 【請求項8】 コクシジウム症の治療のための請求項6
    又は7のワクチン。
  9. 【請求項9】 Eimeria抗原は、E.tenel
    laE.maximaE.necatrixまたは
    他の任意のEimeriaの種の抗原である請求項7の
    ワクチン。
  10. 【請求項10】 Eimeria抗原は、少なくとも1
    種のEimeriaエピトープからなる1種または2種
    以上の遺伝子操作抗原性融合ポリペプチドである請求項
    7のワクチン。
  11. 【請求項11】 医薬的に許容される担体は免疫増強剤
    を含有する請求項6から10のいずれかのワクチン。
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