JP2548148B2 - コクシジウム症予防用抗原性蛋白質およびそれを含有するワクチン - Google Patents

コクシジウム症予防用抗原性蛋白質およびそれを含有するワクチン

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本明細書を通じて、多くの文献をカツコ内の文献番号
によつて引用する。これらの引用文献は、発明の詳細な
説明の項の末尾に列記する。これらの文献における開示
すべてを、本発明の時点までの本発明技術分野における
熟練者に公知な技術状態をより完全に記述するものとし
て参考に供する。
Apicomplexa門にはEucoccidiorida目に属する何百も
の異種生物が包含される。Eimeria属は真性球虫の目に
包含される。この属に属する生物のうち、数種が養鶏産
業上きわめて重要である。これらの種には、Eimeria t
enellaE.maximaE.acervulinaE.nacatrixE.brun
ettiE.mivatiE.mitisおよびE.praecoxがある。
種の分類は、宿主内の感染部位および卵母細胞の形態
に基づいて行われる。上述のそれぞれの種についての生
化学的差異は報告されているが、生化学的マーカーがそ
の特定に用いられたことはない。
Eimeriaは、全ライフサイクルを単一の宿主内で完
了する。そのライフサイクルは複雑で、無性期と有性期
があり、Eimeria種の間で相違している。感染期は胞子
を形成した卵母細胞である。汚染された糞便、餌または
水を摂取すると、胞子を形成した卵母細胞は剪断力とス
ポロシストキヤツプの酵素的加水分解の両作用が合した
結果、消化管内で脱嚢する。遊離した種虫は、小腸の特
異的領域内における上皮細胞を動き回る。
発生はリーベルキーン線内で始まり、第1世代メロン
トのレベルまで進む。メロントはされに際立つた核を示
し、加えてエネルギー発生と蛋白質合成能が増大した円
形化生物体からなる遷移期である。第1世代種虫の発生
がメロントの多分裂によつて続く。第1世代種虫の遊離
によつて宿主細胞は破壊され、寄生体は移住して新しい
宿主細胞に感染し、第2の無性サイクルが行われる。メ
ロントと第2世代種虫のレベルまで発生し、それが遊離
するときさらに上皮細胞を破壊する。第3世代種虫の遊
離によつて、さらに宿主細胞の破壊が続く。種虫の世代
交代数はEimeriaの種によつて異なつている。
有性発生は、配偶子形成過程を経過したのち、小配偶
子および大配偶子の生成によつて始まる。遊離した小配
偶子は大配偶子と融合し、接合子を形成する。未成熟卵
母細胞の発生によつて、宿主細胞の破壊が続く。腸管内
に放出された卵母細胞は糞便を介して環境に流布され、
空気中の酸素の存在下に成熟する(胞子形成)。
宿主細胞がさらに卵母細胞を摂取しない限り、寄生体
の発生は自ら制限される。しかしながら、これは鶏がぎ
つしり詰め込まれた鶏舎では非現実的な期待である。
Eimeriaによる疾患は、飼料効率の低下と異常発現を
伴い、重大な経済的損失を招いている。
E.tenellaおよびE.necatrixによるコクシジウム症の
病変は、メロゾイトの遊離時の宿主細胞の破壊が主な部
分を占めるが、一方E.maximaの場合はE.maxima卵母細胞
の遊離時の宿主細胞の破壊が病変に重大な意味をもつて
いる。腸内の出血は、上皮に分布する毛細管の破壊によ
るものである。いつたん無性発生が確立すると、コクシ
ジウム発育阻止剤を使用しても、この疾患の進行を制御
することは困難である。二次感染がEimeriaによつて生
じる疾患を悪化させる場合も多い。E.tenella またはE.necatrixに感染した鳥では4〜7日
以内に死亡することがある。しかしながら、E.maxima
感染によつて死を招くことは稀である。
種虫がきわめて特定の組織部位内で感染を開始するこ
とは、コクシジウムの一定した性質である(39,45,5
7)。感染の部位特異性は、Eimeriaの種分化に共通して
用いられる特性である。たとえば、E.necatrixの無性段
階には、中間部小腸内の上皮細胞を侵襲する性癖がある
が、一方、有性段階では主として盲腸内で発生する。
コクシジウム症に対する免疫の研究の多くは、体液性
免疫、さらに特定すれば血清抗体に集中してきた。血清
抗体と疾患への抵抗性には相関がないとの報告もあつた
(59)。しかしながら、とくに有用なデータでは、分泌
免疫系の関与する局所反応もしくは細胞性免疫、または
その両者が防御反応にかかわつているとの主張が支持さ
れている。
宿主細胞に対する病原体の認識、浸透および/または
付着の妨害により防御効果が現れることは、ウイルス、
細菌および原生動物のモデルで示されている。主要宿主
細胞受容体または病原体付着特性の遺伝的欠失によつて
初期のコロニゼーシヨン過程が防止できる(16,54)。
また、分泌抗体は、必要な受容体に結合し、それをマス
クすることによつて、コロニゼーシヨン過程の妨害も可
能である(32,74)。1種以上の免疫グロブリンクラス
Eimeria tenellaの初期コロニゼーシヨン過程を妨害
する能力をもつとの報告もある(13)。しかしながら、
最近の報告では、分泌IgAの産生のみが、天然の保護免
疫と相関したことが示されている(12,59)。Porter &
Davis(13)および他の研究者達(19)は、分泌IgAが
病原体の細胞外段階で、その侵入を有意に制限すること
により、あるいは侵入しても以後の発生の防止可能な程
度に生物体を減弱させることにより中和すると報告して
いる。
この疾患を除去し、鶏のコクシジウム症による破壊作
用を抑制するために、世界中の生産者によつて1年間に
約5億〜10億ドルが消費されるといわれている(39,5
2)。現在用いられている制御手段によつてもなお、鶏
の損害は何百万ドルにも及ぶという(77)。
鶏に対するEimeria制御手段として、最在もつとも広
く用いられている方法は、抗原虫薬飼料添加物の応用で
ある。その組成は、使用するコクシジウム発育阻止剤の
種類によつて異なるが、それぞれの製品はコクシジウム
のライフサイクルのある段階にしか効果を示さない(3
9,51,58)。コクシジウム発育阻止剤の使用における欠
点は多い。鳥類における保護効果の短い持続性、特にみ
られる行動の低下、寄生体における抵抗性の発現、また
ある程度安全性に関する問題がある。薬剤抵抗性株の発
生により、最近の製品寿命はわずか数年といわれてい
る。このため、開発費用は増大し、たえず有効な製品の
製造が続けられているのが現状である(51)。
免疫感作による鳥類の保護はある程度成功している。
殺滅した生物体のプレパレーシヨンを用いて、限られた
保護効果を引き起こすことができている(1,41,43)。
鶏のもつと有効な免疫感作へのアプローチは、生存原生
動物製品、たとえばCoccivacの利用であつた(15)。低
用量の生存卵母細胞を含有する多価組成物である製品
を、飲水中に投与すると、鳥類に緩和な寄生体血症を生
じる。この製品の欠点は、投与後最初の1週間に鳥の行
動の低下を生じる場合があることであつた。過剰投与や
敷きわらの含水量などの変動によつて、重篤なコクシジ
ウム症の突発を招くことさえあつた。鶏の免疫感作のた
めのE.tenellaの生菌、胞子形成卵母細胞の使用に際し
ては米国特許第3,147,186号(1964)、および同じ目的
でのE.tenellaの種虫の使用に関しては米国特許第4,30
1,148号(1981)を参照されたい。
ブロイラー鶏舎への生菌ワクチンの導入の別法として
は、飼料による方法がある。これについては、最近の英
国特許(GB2,008,404A)に記載されている。飼料と混合
するに先立つて、E.tenellaの有毒な卵母細胞を水溶性
ポリサツカライド中に封入して乾燥から防御する。卵母
細胞は無症状感染を生じるのに十分な量のみ使用する。
免疫感作能が優れていることは明らかにされたが、この
方法の発展はフイールドで受け入れられることに疑問が
あつて期待できない。しかしながら、すべての重要なコ
クシジウムの減弱株が開発されれば、この操作も受け入
れられるようになるかもしれない。
実際、毒性を減弱したEimeria細胞系の開発の努力も
行われてきた。一部の種については、鶏胚継代接種によ
る減弱化に成功している(19,37,40,66)。これらの株
では、疾患を惹起する能力は低下しているが、免疫を引
き起こすだけの免疫原生は保持されていた。しかしなが
ら、これらの株の取扱いにはいくつかの問題が残つてい
る。たとえばE.necatrixの減弱変異株には継代限界があ
つて、胚継代によつて免疫原性の喪失または元の有毒型
の保持を生じることがある。さらに、一部の減弱化生物
体は、鶏による最小の戻し継代によつて有毒型に復する
ことがある(38,68)。すなわち、減弱化生物体が一定
の性状を維持することに関連した問題が明白である。
Eimeria株の孵化鶏卵による継代が容易でない場合
は、早期選択による減弱化も実行されてきた。この方法
では、完全な卵母細胞の脱皮が始まる前の感染無症候段
階の後期に、脱皮した卵母細胞を収穫する(28,48,50,6
7)。このような選択によりライフサイクルが省略され
た培養体が生じ、それに応じた毒性の減少が認められる
(28,48,50,67)。E.tenella(29)およびE.aceryulina
(49)の早熟の特性は遺伝的に安定なことが明らかにさ
れてはいるものの、この方法の養鶏産業における手段と
しての有用性を評価するには情報が十分ではない。
鳥コクシジウムの表面抗原組成についてはほとんど情
報がない。Eimeria tenellaの種虫の表面にある抗原に
対してモノクロナール抗体を分泌するハイブリドーマ細
胞系が報告されている(82)。その分子量が13〜150キ
ロダルトンであつたことを除き、抗原は同定されていな
い。また、その抗原の生物学的重要性もその抗原による
ワクチンの有効性も述べられていない。ヨーロツパ特許
公告第135,712号にも、E.tenellaの種虫と反応するモノ
クロナール抗体が開示されている。この公告によつてE.
tenella種虫抗原が開示された。さらに、ヨーロツパ特
許出願公告第135,073号には、E.tenellaのメロゾイトお
よび種虫に対して特異的に反応するモノクロナール抗体
が開示され、E.tenellaから誘導されるメロゾイト抗原
が記載されている。
M.H.Wisherの研究室におけるこれまでの研究では、E.
tenellaの脱出した種虫の表面ヨード化により同定され
る、分子量20,000〜200,000以上の約16種のポリペプチ
ドの存在が示唆されている(81)。さらに、ヨーロツパ
特許出願公告第167,443号には、コクシジウム症に対す
る防御のためのワクチンとして使用できる、E.tenella
の種虫または胞子形成卵母細胞の抽出物が開示されてい
る。これらの抽出物は複数種のポリペプチドを含有し、
その1種または2種以上がコクシジウム症を予防する抗
原として使用できる可能性がある。また、国際特許公告
第WO/00528号には、抗原性蛋白質をコードするE.tenell
aからのクローン化された遺伝子またはそのフラグメン
トが開示される。これらの蛋白質は、鳥コクシジウムの
抗原性蛋白質に対するモノクロナールまたは多価抗体と
結合する。
ワクチンの開発に対するサブユニツトによるアプロー
チは、過去1年足らずの間に成功を博してきたものであ
る。このようなアプローチでは、保護抗原の候補を同定
し、最終的大量生産の目的で性質が調べられる。寄生体
抗原の研究では、ひとつの研究グループが、Babesia bo
visの表面上に保護抗原の可能性が考えられる蛋白質を
同定するためにモノクロナール抗体を使用した(83)。
その結果、44,000ダルトンのB.bovis抗原が同定され、
これを精製して実験動物に注射したところ、初期チヤレ
ンジに対してあるレベルの防御が明らかにされた。Toxo
plasma gondiiの免疫学的に重要な30,000ダルトンの蛋
白質もモノクロナール抗体を用いて同定されている(3
1)。
1981年の中頃から、Danforthと共同研究者は、鳥Eime
ria種の抗原に対するモノクロナール抗体産生の可能性
を示すいくつかの報告を発表している(9,10,11)。同
様に、Speerら(69,70)も、E.tenellaに対するハイブ
リドーマの開発と、その生理学的性質を明らかにしてい
る。抗体分泌ハイブリドーマは、間接的螢光抗体試験に
基づいて選択された(10)。紫外線顕微鏡で観察された
反応パターンは、使用したモノクロナール抗体によつて
変化した。そのパターンには、種虫のみとの特異的反応
と種虫およびメロゾイトとの反応、種虫の前部のみの染
色と膜全体の染色、特定の内部小器官の染色と漠然とし
て内部染色等がある(11)。
モノクロナール抗体産生げつ歯類起源のハイブリドー
マの調整は、本技術に通暁した研究者が等しく実行する
ところであるが、種E.tenellおよびE.necatrixに対する
種虫中和ハイブリドーマまたは種E.maximaに対するメロ
ゾイト中和ハイブリドーマの直接的または特異的選択
で、サブユニツトワクチンの開発に有用なこれらの種の
毒性決定基の同定が可能になることを示唆するような何
の結果も得られていない。
本発明は、E.tenellaE.necatrixおよびE.maxima
よつて引き起こされるコクシジウム症に対する免疫の発
現のためのポリペプチド抗原の同定、特性づけ、製造お
よび使用に関するものである。融合蛋白質を含む組換え
ポリペプチド抗原も包含される。
抗原は、抗原の直接含量によつて正確に投与されるの
で疾患を惹起することはなく、したがつてワクチンが種
によつては疾患の突発、先祖返りまたは免疫性の変化を
生じることも回避できる。
鶏のコクシジウム症による莫大な経済的損失から、E.
tenellaE.necatrixおよびE.maximaに対するワクチン
は望まれている。ハイブリドーマ技術を用いて、本発明
者らは、サブユニツトワクチンに使用できる強力な保護
抗原を同定し、精製した。このようなサブユニツトワク
チンの使用によれば、生菌ワクチンを使用した場合に認
められるワクチン−種に関係する疾患の突発および先祖
返りまたは免疫性の変化を回避することができる。
生物体から製造できる寄生体抗原の量はきわめてわず
かで、きわめて高価につく。組換えDNAクローニングお
よび発現の技術は、大量の保護抗原を安価に生産する新
しい値を開くものである。簡単にいえば、これらの方法
は、抗体のすべてまたは部分をコードするDNA配列を、
細胞内で抗原性蛋白質を産生するのに必要な遺伝情報の
コントロール下に、細胞内に位置させることを要求す
る。遺伝情報は、合成DNA(17)、ゲノム(たとえばウ
イルス)もしくは染色体DNAまたは抗原をコードするmRN
Aから作られたcDNAである。最後に挙げたアプローチがE
imeria種のような複雑な生物体についてはもつとも直接
的な方法である。
しかしながら、cDNAは抗原のアミノ酸配列に相当する
遺伝情報しか含まないので、cDNA遺伝子の発現に必要な
遺伝シグナル(すなわち転写および翻訳)を与える発現
ベクター中に挿入する必要がある。抗原は単独に合成さ
れてもよいし、大腸菌内の他の蛋白質と融合させた生成
物として合成されてもよい。
大腸菌内での有効なサブユニツトワクチンの製造は、
ブタおよびウシの口蹄疫ウイルスの場合について報告が
ある(33,66)。口蹄疫ウイルスの表面抗原は、大腸菌
内で融合蛋白質抗原として産生された。ウシおよびブタ
をこれらの抗原で免疫感作すると、有意なレベルのウイ
ルス中和抗体が産生された。組換えDNA誘導抗原は口蹄
疫ウイルスのチヤレンジに対して保護効果を示した。
ゲノムおよび表面蛋白質について広範に研究されてい
る口蹄疫ウイルスのような単純な生物体と異なり、Eime
riaの分子生物学についてはほとんど知られていない。W
ang & Stotish(79,80)は、胞子形成開始後6〜8時
間に、E.tenella内で起こる急速かつ一過性のRNAおよび
蛋白質の合成を報告し、胞子形成時の全蛋白質および核
酸の合成はこの最初の1時間足らずの間に起こることを
示唆した。たとえば、Stotishら(72)は、胞子形成前
の卵母細胞によつて合成された種虫膜の糖蛋白質の蛋白
質成分は30,000ダルトンで、後に、胞子形成の過程で種
虫膜に導入されると述べている。最近、Stotishら(7
3)は、胞子形成前の卵母細胞、胞子形成時の卵母細胞
および種虫からのRNAの単離とin vitroでの翻訳につい
て報告している。in vitroでの翻訳生成物は10,000ダル
トン未満から200,000ダルトン以上の範囲にわたつてい
る。胞子形成前および胞子形成時卵母細胞のRNA指示蛋
白質合成のパターンは異なつていて、胞子形成時に異な
るRNA集団が存在することを示唆する。
抗原性蛋白質をコードするcDNAの製造に際しては、E.
tenellaのライフサイクルのいつ抗原性蛋白質をコード
するmRNAが生じるかを決定する必要があつた。本発明
は、抗原性蛋白質をコードするcDNAクローンの単離およ
び特性づけ、ならびに大腸菌内での操作抗原性蛋白質の
産生に関する。また、本発明は、大腸菌内で産生された
これらの蛋白質の不溶性状態からの抽出、およびこれら
の蛋白質をモノクロナール抗体と免疫反応性にする方法
に関する。最後に、本発明は、細菌で産生された抗原性
蛋白質の、E.tenellaE.necatrixおよびE.maximaによ
つて惹起されるコクシジウム症に対する免疫を鶏に産生
させる目的でのプレパレーシヨンおよび使用を提供する
ものである。
Eimeria tenellaから誘導された抗原性蛋白質および
E.tenellaによつて生じるコクシジウム症を予防するた
めの上記抗原性蛋白質含有ワクチンについては、ヨーロ
ッパ特許公告第164,176号に記載されている。
発明の要約 第5図に示した核酸配列を有し、Eimeria tenella
ら誘導される抗原性蛋白質をコードするゲノムDNA分子
が単離された。天然の蛋白質は分子量約25,000ダルトン
で、ジスルフイド結合によつて結合した2個のポリペプ
チドから構成される。一方のポリペプチドは分子量約1
7,000ダルトンで遮閉N末端アミノ酸を特徴とし、第5
図に示したアミノ酸配列を有する。他方のポリペプチド
は分子量が約8,000ダルトンであることを特徴とし、第
5図に示したアミノ酸配列を有する。
分子量約25,000ダルトンで、第7図に示した連続アミ
ノ酸配列を有する抗原性ペプチドをコードするcDNAまた
はmRNAの核酸分子も単離された。cDNA分子は、25,000ダ
ルトンのポリペプチドを直接または融合ポリペプチドと
して発現可能な発現ベクター中に挿入された。
ベクターpDET1は、分子量約25,000ダルトンで、第7
図に示す連続アミノ酸配列を有するポリペプチドをコー
ドする。このベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換に使
用され、この菌株はREN3/pDET1として(ATCC登録番号第
53316号)寄託された。
ベクターpDET2も、分子量約25,000ダルトンで、第7
図に示す連続アミノ酸配列を有するポリペプチドをコー
ドする。このベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換に使
用され、この菌株はREN3/pDET2として(ATCC登録番号第
53318号)寄託された。
ベクターpBGC23は、分子量約135,000ダルトンで、第
7図に示した25,000ダルトンのポリペプチドのアミノ酸
配列とそのアミノ末端にβ−ガラクトシダーゼのアミノ
酸配列を有する融合ポリペプチドをコードする。このベ
クターは大腸菌宿主細胞の形質転換に使用され、この菌
株はREN3/pBGC23として(ATCC登録番号第53317号)寄託
された。
ベクターpCOC12は、分子量約65,600ダルトンで、第7
図に示した25,000ダルトンポリペプチドのアミノ酸配列
とそのアミノ末端にプロキモシンのアミノ酸配列を有す
る融合ポリペプチドをコードする。このベクターは大腸
菌宿主細胞の形質転換に使用され、その菌株はREN3/PCO
C12として(ATCC登録番号第53314号)寄託された。
ベクターpCOC20は、分子量約56,500で、第7図に示し
た25,000ダルトンポリペプチドのアミノ酸配列とそのア
ミノ末端に天然配列から83個のアミノ酸が欠失したプロ
キモシンのアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドをコ
ードする。このベクターは大腸菌宿主細胞の形質転換に
使用され、その菌株はREN3/pCOC20として(ATCC登録番
号第53313号)寄託された。
抗原性ポリペプチドの製造は、本発明の任意の宿主細
胞をDNA発現とポリペプチド産生を可能にする適当な条
件下に生育させ、生成したポリペプチドを適当な条件下
に回収する方法によつて行われる。回収は、宿主細胞か
らのポリペプチドの分離、ポリペプチドの精製、ポリペ
プチドの可溶化、ポリペプチドの再生、ついで精製、可
溶化、再生を行つた抗原性ポリペプチドの回収によつて
実施される。
Eimeria tenella感染に対する能動免疫を鶏に付与す
る方法は、本発明の任意のポリペプチドの免疫感作有効
量を鶏に投与することによつて行われる。
本明細書ではNA4蛋白質またはNA4抗原とも呼ばれる精
製抗原性蛋白質は、Eimeria necatrixから単離された。
これはEimeria necatrixまたはEimeria tenella感染に
対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発すること
が可能である。E.tenellaについて見出された相同性の
抗原はTA4抗原と呼ばれる。NA4蛋白質は分子量約26,000
ダルトンで、ジスルフイド結合で結合された2個のポリ
ペプチドから構成されている。このポリペプチドの一方
は、分子量約18,000でありN末端アミノ酸が遮閉されて
いることが特徴的で、他方は分子量が約8,000であるこ
とが特徴である。両ポリペプチドのアミノ酸配列を第17
図に示す。
精製抗原性蛋白質は、E.necatrixのスポロシストから
別個に回収することによつても製造できる。すなわち、
抗原の回収は、ハイブリドーマ細胞系ATCCNo.HB8561に
よつて産生される高度に特異的なモノクロナール抗体Pt
n7.2A4/4を用いた免疫アフイニテイークロマトグラフイ
ーまたは免疫沈殿により行うことができる。別法とし
て、蛋白質はその蛋白質をコードするDNAを適当な宿主
中に導入し、宿主内にDNAを発現させ、蛋白質を回収す
ることによつても製造できる。
E.necatrixおよびE.tenella感染に対する能動免疫
は、抗原性蛋白質の免疫感作有効量を鶏に投与すること
により付与される。好ましくは、蛋白質またはそのフラ
グメントを適当な担体とともにワクチンに導入し、ワク
チンの適当用量を非免疫鶏に投与する。
Eimeria maximaの感染に対する防御機構を付与する免
疫応答を鶏に誘導でき、本明細書においては8B5蛋白質
または8B5抗原とも呼ばれるさらに精製された抗原性蛋
白質が得られた。この蛋白質は、還元性および非還元性
の両SDS−PAGEに対し約55,000ダルトンの分子量を有す
る。
E.maxima感染に対する防御機構を付与する免疫応答を
鶏に誘導する能力によつて特徴づけられる8B5蛋白質関
連ポリペプチドを得ることもできる。
55,000ダルトンの精製蛋白質抗原は、Eimeria maxima
のメロゾイトからそれを分離回収することによつて製造
できる。好ましい一態様においては、回収は、ハイブリ
ドーマ細胞系ATCCNo.HB8946によつて産生されるモノク
ロナール抗体Pmx47.8B5を用い、免疫吸着クロマトグラ
フイーまたは免疫沈殿で実施される。
E.maxima感染に対する能動免疫は、55,000ダルトン蛋
白質抗原またはその蛋白質抗原の抗原性ポリペプチドフ
ラグメントの免疫感作有効量を鶏に投与することによつ
て付与できる。好ましくは、蛋白質またはポリペプチド
を適当な担体とともにワクチンに導入し、ワクチンの適
当用量を鶏に投与する。
E.maxima感染に対する受動免疫を付与するには、モノ
クロナール抗体Pmx47.8B5またはこの種の任意の他の抗
体を、好ましくは適当な担体と混合して使用できる。さ
らに、モノクロナール抗体に対する抗イデイオタイプ抗
体を産生させ、E.maxima感染に対する能動免疫の付与に
用いることもできる。抗イデイオタイプ抗体は、適当な
担体とともに、ワクチンの形で投与することが好まし
い。
本発明はさらに、Eimeria属抗原またはエピトープに
対する抗体の産生をワクチン投与動物に誘発するのに有
効な量の任意のEimeria抗原またはエピトープの混合物
を1回投与量としたEimeriaが原因となる疾患に対する
多成分ワクチンに関する。ワクチンにはまた、医薬的に
許容される担体を加えることもできる。
Eimeria抗原は、E.tenellaE.maximaE.necatrix
たは他の任意のEimeria種の抗原である。これらは、少
なくとも1個のEimeriaエピトープを包含する遺伝子操
作抗原性融合ポリペプチドであつてもよい。
発明の詳細な記述 第5図に示した核酸配列を有し、Eimeria tenella
ら誘導される抗原性蛋白質をコードするゲノムDNA分子
が単離された。天然の蛋白質は分子量約25,000ダルトン
で、ジスルフイド結合によつて結合された2個のポリペ
プチドから構成される。ポリペプチドの一方は、分子量
約17,000ダルトンで、遮閉されたN末端アミノ酸が特徴
的であつて、第5図に示すアミノ酸配列を有する。他方
のポリペプチドは分子量約8,000ダルトンで、第5図に
示すアミノ酸配列を有する。
分子量約25,000ダルトンで、第7図に示す連続アミノ
酸配列を有する抗原性ポリペプチドをコードするcDNAま
たはmRNAである核酸分子も単離された。
本明細書で使用する「抗原性ポリペプチド」の語に
は、本明細書に述べるような非還元条件下で製造される
プレパレーシヨンで、そのプレパレーシヨン中に還元条
件下でのSDS−PAGEで一定の見かけの分子量を有するポ
リペプチドの存在によつて特徴づけられるペレパレーシ
ヨンを包含する。このようプレパレーシヨン中に存在す
る場合、ポリペプチドは他の1個または2個以上の成分
たとえば他のポリペプチドと1個または2個以上のジス
ルフイド結合で結合していてもよく、あるいはそのポリ
ペプチド内の2個またはそれ以上の領域でたがいにたと
えばジスルフイド結合で結合していてもよい。プレパレ
ーシヨン内に還元条件下のSDS−PAGEで18,000またはそ
れ以下の見かけの分子量をもつポリペプチドが存在する
プレパレーシヨンの場合、このプレパレーシヨンが完全
な抗原性蛋白質内に含有されるアミノ酸配列を包含する
との仮定で、このようなプレパレーシヨンを記述するの
にも「フラグメント」の語を使用する。さらに「フラグ
メント」の語は、抗原性蛋白質から蛋白分解消化で誘導
されるアミノ酸配列に対しても使用される。
約25,000ダルトン未満の分子量をもつ抗原性ポリペプ
チドと、第5図に示す核酸配列を有するDNAによつてコ
ードされる蛋白質のアミノ酸配列内に包含されるアミノ
酸配列とをコードするDNA分子が意図される。このDNA分
子は他のアミノ酸配列をコードする付加的DNAをもつて
いてもよく、この場合、ポリペプチドの分子量は付加的
アミノ酸配列の分子量によつて増大する。
約25,000ダルトン以上の分子量をもつ抗原性ポリペプ
チドをコードし、本発明のゲノムDNA分子と他のアミノ
酸配列をコードするDNAからなるDNA分子が意図される。
約25,000ダルトン未満の分子量をもつ抗原性ポリペプ
チドと第7図に示す核酸配列を有するDNAによつてコー
ドされるポリペプチドのアミノ酸配列内に包含されるア
ミノ酸配列とをコードするDNA分子が意図される。このD
NA分子は他のアミノ酸配列をコードする付加的DNAをも
つていてもよく、この場合、その分子量は付加的アミノ
酸配列の分子量によつて増大する。
本発明は、約25,000ダルトン以上の分子量をもつ抗原
性ポリペプチドをコードし、第7図に示す核酸分子と他
のポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNAからな
るDNA分子を提供する。
組換えクローニングビークルは、クローニングビーク
ルDNAと本発明のcDNAからなる。クローニングビークル
は第1および第2の制限酵素部位の存在によつて特徴づ
けられ、cDNAは上記部位中にクローン化される。本発明
の、pTCD26と命令されたcDNAクローンを含有し、約25,0
00ダルトンの分子量をもつ抗原性ポリペプチドと第7図
に示すアミノ酸配列をコードするクローニングビークル
が構築された。クローニングビークルは細菌宿主細胞の
形質転換に使用することができる。大腸菌宿主細胞JM83
はこのクローニングビークルで形質転換され、この菌株
はJM83/pTCD26と命名された(ATCC登録番号第53315
号)。
本発明は、適当な宿主細胞に導入した場合、25,000ダ
ルトンの抗原性蛋白質を発現することができ、適当なキ
ヤリアーDNAと第5図に示すゲノムDNAからなる発現ベク
ターを提供する。
本発明のゲノムDNAを運搬する発現ベクターの場合、
適当な宿主細胞としては真核細胞すなわち酵母細胞また
は哺乳類細胞がある。ほかに適当な宿主細胞は細菌宿主
細胞すなわち大腸菌がある。
さらに、適当な宿主細胞中に導入した場合、約25,000
ダルトン未満の分子量をもつ抗原性ポリペプチドを発現
可能な発現ベクターも意図される。このベクターは適当
なキヤリアーDNAと約25,000ダルトン未満の分子量をも
つ抗原性ポリペプチドおよび第5図または第7図に示す
核酸配列を有するDNAによつてコードされる蛋白質のア
ミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列をコードするDN
Aからなる。非キヤリアーDNAは他のアミノ酸配列をコー
ドする付加的DNAをもつていてもよく、この場合にはポ
リペプチドの分子量は付加的アミノ酸配列の分子量によ
つて増大する。
適当なキヤリアーDNAとしては、真核細胞の形質転換
に試用するために本発明のゲノムDNA分子を運搬できる
任意のDNAセグメントが用いられる。適当なキヤリアーD
NAの例としては真核生物ウイルス、好ましくは通常使用
される鳥ウイルス、たとえばマレツク病ウイルス、ニワ
トリポツクスウイルスもしくは七面鳥ヘルペスウイルス
(HVT)、またはそれらの任意の突然変異誘導体から導
かれるキヤリアーDNAがある。
さらに、適当な宿主細胞中に導入した場合、25,000ダ
ルトン以上の分子量をもつ抗原性ポリペプチドを発現可
能な発現ベクターも意図される。このベクターは適当な
キヤリアーDNAと本発明のゲノムDNA分子および他のアミ
ノ酸配列をコードするDNAからなる。
適当な宿主細胞に導入した場合、25,000ダルトンの抗
原性ポリペプチドを発現できる細菌性発現ベクターは、
プラスミドDNAと本発明のcDNAからなる。lac、lambda P
Rおよびtacプロモーターのコントロール下にある場合、
このベクターはpDET1と呼ばれる。lacおよびtacプロモ
ーターのコントロール下にある場合、このベクターはpD
ET2と呼ばれる。
適当な細菌性発現ベクターは二本鎖DNA分子で5′か
ら3′への順に、 プロモーターおよびオペレーターまたはプロモーターの
みを含有するDNA配列、 所望の遺伝子のmRNAを宿主細胞内のリボソームへ結合
可能にするためのリボソーム結合部位を含むDNA配列、 ATG開始コドン、 所望の遺伝子をベクター内に、ATG開始コドンと同位
相で挿入するための制限酵素部位、 宿主細胞内での自動複製が可能な細菌性プラスミドか
らの複製オリジンを含むDNA配列、 選択または同定可能な表現型の特徴を伴う遺伝子を含
有し、ベクターを宿主細胞内に置いた場合に表現される
DNA配列、 を包含する。
本発明は、適当な細菌性宿主細胞内に導入した場合、
約25,000ダルトン未満の分子量を有する抗原性ポリペプ
チドを発現可能な細菌性発現ベクターを意図する。この
ベクターは、プラスミドDNAと、第7図に示すアミノ酸
配列内に包含されるアミノ酸配列を有するポリペプチド
をコードするDNAからなる。非プラスミドDNAはまた、他
のアミノ酸配列をコードする付加的DNAをもつていても
よく、この場合、ポリペプチドの分子量は付加的アミノ
酸配列の分子量によつて増大する。
本発明は、適当な宿主細胞に導入した場合、約25,000
ダルトンのポリペプチドが他のアミノ酸配列に融合した
融合ポリペプチドの発現が可能な細菌性発現ベクターを
提供する。これは、プラスミドDNAと、他のアミノ酸配
列をコードするDNAに融合した本発明のcDNAから構成さ
れる。
ベクターpBGC23は、分子量約135,000ダルトンで第7
図に示すアミノ酸配列のアミノ末端にβ−ガラクトシダ
ーゼのアミノ酸配列が融合した抗原性融合ポリペプチド
をコードする。
ベクターpCOC12は、分子量約65,000ダルトンで第7図
に示すアミノ酸配列のアミノ末端にプロキモシンのアミ
ノ酸配列が融合した抗原性融合ポリペプチドをコードす
る。
ベクターpCOC20は、分子量約56,500ダルトンで第7図
に示すアミノ酸配列のアミノ末端にプロキモシンの天然
配列から83個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列が融合
した抗原性融合ポリペプチドをコードする。
本発明の細菌性発現ベクターは大腸菌宿主細胞の形質
転換に使用された。REN3/pBGC23と命名された大腸菌宿
主細胞はベクターpBGC23を(ATCC登録番号第53314
号)、REN3/pCOC20と命名された大腸菌宿主細胞はベク
ターpCOC20を(ATCC登録番号第53313号)、REN3/pDET1
と命名された大腸菌宿主細胞はベクターpDET1を(ATCC
登録番号第53316号)、REN3/pDET2と命名された大腸菌
宿主細胞はベクターpDET2を(ATCC登録番号第53318号)
含有する。
抗原性ポリペプチドの製造は、本発明の任意の宿主細
胞をDNAの発現、ポリペプチドの産生が可能な適当な条
件下に生育させ、生成したポリペプチドを適当な条件下
に回収することによつて行われる。回収工程はまず、ポ
リペプチドを宿主細胞から分離し、ついでそれを精製
し、それを可溶化し、それを再生し、最後に、精製、可
溶化、再生された抗原性ポリペプチドを回収することに
より行われる。
Eimeria tenella感染に対する能動免疫を鶏に付与す
る方法は、本発明の任意のポリペプチドの免疫感作有効
量を鶏に投与するものである。ポリペプチドは2種また
はそれ以上のポリペプチドの任意の組合せで投与するこ
ともできる。
Eimeria tenellaの感染に対する能動免疫を鶏に付与
するワクチンは、本発明のポリペプチド任意の1種の免
疫感作有効量と適当な担体を1回用量としたものであ
る。ワクチンは、本発明の2種またはそれ以上のポリペ
プチドの組合せと適当な担体からなるものであつてもよ
い。一実施態様においては、ワクチンに用いられるポリ
ペプチドは分子量約135,000ダルトンで第7図に示すア
ミノ酸配列のアミノ末端にβ−ガラクトシダーゼのアミ
ノ酸配列が融合した融合ポリペプチドである。他の実施
態様においては、ワクチンに用いられるポリペプチドは
分子量約65,600ダルトンで第7図に示すアミノ酸配列の
アミノ末端にプロキモシンのアミノ酸配列が融合した融
合ポリペプチドである。
Eimeria tenella感染からの鶏の防御は、本発明の任
意のワクチンの適当用量を鶏に投与する方法で行われ
る。
プラスミドpDTE1は、25,000ダルトンのポリペプチド
lac、lamda PRおよびtacプラモーターのコントロール
下にコードする。プラスミドpDTE2は、25,000ダルトン
のポリペプチドをlacおよびtacプロモーターのコントロ
ール下にコードする(第8図)。pDET1/pDET2蛋白質の
最大収率は、プロテアーゼ欠損大腸菌株において達成さ
れた(第9図)。pDET1およびpDET2蛋白質は、細胞溶解
物の不溶性分画に認められた。
プラスミドpBGC23は大腸菌β−ガラクトシダーゼの暗
号配列の3′末端をcDNA誘導TA4ポリペプチドの暗号配
列の5′末端に融合させることによつて構築され、約13
5,000ダルトンの融合ペプチドをコードする(第10
図)。pBGC23蛋白質は、大腸菌中で安定であるが、不溶
性である(第11図)。
プラスミドpCOC12は、ウシプロキモシンの暗号配列の
3′末端をcDNA誘導TA4ポリペプチドの暗号配列の5′
末端に融合することによつて構築され、約65,600ダルト
ンの融合蛋白質をコードする。プラスミドpCOC20は、pC
OC12から、融合蛋白質のプロキモシン領域中の欠失によ
り構築され、約56,500ダルトンの融合蛋白質をコードす
る(第13図)。pCOC12およびpCOC20蛋白質は大腸菌内で
安定であるが、不溶性である(第14図)。
不溶性の、細菌産生TA4蛋白質はE.tenella種虫対して
産生される中和モノクロナール、Ptn7.2A4/4と免疫反応
性を示さなかつた。pBGC23およびpCOC12からの不溶性蛋
白質をマウスに注射しても、E.tenellaから精製されたT
A4抗原と交差反応する抗体は産生されなかつた。
本発明はまた、細菌産生TA4蛋白質を不溶性状態から
抽出する方法およびその蛋白質をモノクロナール抗体Pt
n7.2A4/4と免疫反応性にする方法を提供する。それは、
蛋白質を8M尿素中に可溶化し、ついで希釈して、アルカ
リ性pH(pH11)で再生し、pH8.3に逆滴定する方法であ
る。別法として、蛋白質を8M尿素中に可溶化し、尿素を
透析で除去してもよい。
尿素−アルカリ可溶化/再生過程をpCOC12蛋白質に対
して用いた場合、再生蛋白質は凝乳活性とモノクロナー
ル抗体Ptn7.2A4/4との免疫活性の両者を示した。再生条
件はpCOC12蛋白質を用いて至適化した。pCOC20蛋白質お
よびpBGC23蛋白質についての至適再生条件もpCOC12の場
合と同じであることが明らかになつた。一方、pDET2蛋
白質の場合、至適再生条件はアルカリ性pHでの尿素透析
であつた。
再生pBGC23およびpCOC12蛋白質はマウスに抗体を誘導
し、これはE.tenellaから精製したTA4抗原と反応した。
鶏を再生pBGC23およびpCOC12蛋白質で免疫感作したとこ
ろ、E.tenellaの種虫に対する血清中和抗体を誘導し、
E.tenellaをチヤレンジした鶏でコクシジウム症を緩和
した。
本発明はまた、細菌性再生TA4蛋白質を鶏に投与する
ことによる、Eimeria tenella感染に対する能動免疫を
鶏に付与する方法を包含する。この方法により、非免疫
鶏に能動免疫を付与することができる。さらに、これら
の物質の投与は、以前にE.tenellaに曝露された鶏にお
ける比較的低レベルの免疫を増強するのに、また追加予
防接種に用いることができる。
細菌性TA4蛋白質は、公知の任意の方法で鶏に投与す
ることができる。望ましい投与方法には、皮下、腹腔
内、もしくは頚背部への筋肉内注射、または任意の慣用
の形式の経口投与がある。抗原の免疫感作有効量は、約
0.1μg〜約1mgの任意の量である。望ましい抗原量は約
10μg以上である。好ましい抗原量は体重1kgあたり約5
0μgである。また、投与は経口でも(たとえばカプセ
ルによる)、注射(たとえば、皮下、皮内、また好まし
くは筋肉内注射)でもよい。
投与方法が注射の場合には、任意の医薬的に許容され
る担体が使用できる。適当な担体には0.01〜0.1M好まし
くは0.05Mリン酸緩衝液、または0.8%食塩水がある。
Eimeria tenella感染に対する能動免疫を鶏に付与す
るためのワクチンは、本発明の抗原性物質、すなわち細
菌性再生TA4蛋白質の免疫感作有効量と適当な担体から
なる。ワクチン中の抗原生物質の免疫感作有効量は、鶏
の体重1kgあたり約0.1μg以上が好ましい。
さらに、担体には防腐剤も添加することが望ましい。
とくに適当な防腐剤はチメロサール(エチル水銀チオサ
リチル酸ナトリウム)であり、これは細菌および黴の両
者の発育阻止活性を有する。ワクチン中にチメロサール
を最終濃度が10-4%になるように添加するのが好まし
い。
さらに、担体は、免疫増強剤、すなわち処置動物のワ
クチンに対する免疫応答を増強する物質を含有すること
が望ましい。たとえばSalmonella minnesotaLPSを1用
量あたり10μg加える。本技術分野で公知の各種免疫増
強剤が使用である。現在用いられているアジユバントと
しては94%Drakeol6−VR、5%Arlacel A、1%Tween80
がある。Arlacel Aはマニツドモノオレエート(Sandnia
Corp.)であり、抗原と合したときに強力な免疫増強剤
活性を示す。Drakeol6−VRは低アレルギー性の軽鉱油製
品(Penreco Corp.)である。Tween80はポリオキシエチ
レンソルビタンのモノオレエート誘導体で、界面活性作
用を有する。その他の適当な担体または免疫増強剤とし
ては、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、オキシン
分子のリガンド発見サブユニツト、バオオアドヘツシ
ブ、リンホカインおよび水中乳乳化液が包含される。
このようなワクチンの適当用量を鶏に投与することに
より、鶏はE.tenellaの感染に対して防御される。1回
あたりの抗原性物質の用量は、投与された動物に抗原性
物質に対する抗体の産生を誘発するのに十分な量でなけ
ればならない。抗体の産生および防御から判断して十分
な免疫応答を得るためには、抗原性物質の1回投与量は
望ましくは、予防接種動物の体重1kgあたり約20.0μg
以上である。すなわち、1日齢、50gのヒナの場合の抗
原性物質の量は約1.0μg以上である。現時点では、抗
原性物質10μgを含有するワクチンが好ましい。一般的
に、抗原は重量ベースでワクチンの約0.002%から約0.2
%までとし、用量は約0.1mlとなる。
本発明はまた、分子量約26,000ダルトンで、ジスルフ
イド結合で結合した2個のポリペプチドから構成され、
一方のポリペプチドは分子量約18,000でN末端アミノ酸
が遮閉されていることを特徴とし、他方のポリペプチド
は分子量約8,000ダルトンであつて、Eimeria necatrix
の感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発
できる精製抗原性蛋白質(以下NA4と呼ぶ)を提供す
る。
26,000ダルトン抗原性蛋白質またはその18,000ダルト
ンおよび8,000ダルトンポリペプチド成分の抗原性類縁
体も本発明に包含される。本明細書において用いられる
「類縁体」の語は、アミノ酸配列が第17図に示した26,0
00ダルトン蛋白質ならびに18,000および8,000ダルトン
ポリペプチドについて記載した配列とは、1種または2
種のアミノ酸の置換の結果、異なるアミノ酸配列を有す
るポリペプチドを意味する。このような類縁体は、それ
E.necatrixまたはE.tenellaに対する防御を付与する
免疫応答を誘発できる抗原性を保持している限り、本発
明に包含される。
NA4蛋白質は、まずEimeria necatrixのスポロシスト
を適当な非還元条件下、プロテアーゼ阻害剤の存在下に
界面活性剤と接触させて、スポロシスト膜蛋白質を可溶
化することによつて製造される。次に、可溶化したスポ
ロシスト膜蛋白質から、適当な非還元条件下に、所望の
蛋白質を分離回収する。回収は、可溶化スポロシスト膜
蛋白質を、適当な非還元条件下に、DEAE−HPLCクロマト
グラフイーついでプレパラテイブSDSゲル電気泳動によ
つて部分精製することにより行われる。回収はまた、モ
ノクロナール抗体Ptn7.2A4/4(ATCC第HB8561号)を用い
た免疫沈殿また免疫アフイニテイークロマトグラフイー
によつても実施できる。
本発明は、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella
感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導で
き、26,000ダルトンNA4蛋白質のアミノ酸配列内に包含
されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する。
このようなポリペプチドは、NA4蛋白質からの抗原性決
定基を含有し、免疫応答を誘発できるすべてのアミノ酸
配列を包含する。このポリペプチドの類縁体およびその
ポリペプチドに対するモノクロナール抗体も、本発明に
包含される。さらに、そのモノクロナール抗体に対する
抗−イデイオタイプ抗体も、本発明に包含される。
NA4蛋白質中に存在するアミノ酸配列を包含する抗原
性ポリペプチドは、各種の方法によつて製造できる。た
とえば、化学的にもしくは酵素的に合成、組換えDNA法
によつて生産、NA4抗原から製造またはE.necatrixのス
ポロシストもしくは種虫から製造できる。
本発明の抗原は、NA4蛋白質のアミノ酸配列内に包含
されるアミノ酸配列のほかに、1種または2種以上の他
の物質、すなわち、ポリサツカライドたとえばデキスト
ラン、または他のアミノ酸配列たとえば第17図に示され
たアミノ酸配列に含まれないアミノ酸配列を含有するこ
ともできる。
また、26,000ダルトンNA4蛋白質のアミノ酸配列とさ
らに付加的アミノ酸配列を有し、Eimeria necatrixおよ
Eimeria tenellaの感染に対する防御機構を付与する
免疫応答を鶏に誘導可能な、融合抗原性ポリペプチドも
本発明に包含される。このポリペプチドの類縁体、それ
に対するモノクロナール抗体も本発明に包含される。さ
らに、このモノクロナール抗体に対する抗イデイオタイ
プ抗体も本発明に包含される。
NA4抗原の18,000ダルトンポリペプチドは、まず、Eim
eria necatrixのスポロシストを適当な条件下、プロテ
アーゼ阻害剤の存在下に界面活性剤と接触させて、スポ
ロシスト膜蛋白質を可溶化させる。ついで、可溶化した
スポロシスト膜蛋白質からポリペプチドを適当な還元性
条件下に、分離回収する。この回収工程には、可溶化ス
ポロシスト膜蛋白質の、適当な還元性条件下でのDEAE−
HPLCクロマトグラフイーついでプレパラテイブSDSゲル
電気泳動による部分精製が包含されてもよい。
本発明は、それ自体Eimeria necatrixおよびEimeria
tenellaの感染に対する防御機構を付与する免疫応答を
鶏に誘導できるNA4抗原の18,000ダルトンポリペプチド
のアミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチドを包含す
る。また、18,000ダルトンポリペプチドのフラグメント
である抗原性ポリペプチドまたは、18,000ダルトンポリ
ペプチドに付加的アミノ酸配列が融合した抗原性ポリペ
プチドも本発明に包含される。これらのフラグメントそ
れぞれの抗原性類縁体、ならびにそれぞれのフラグメン
トに対して産生する抗−イデイオタイプ抗体も、本発明
に包含される。
NA4蛋白質の他の製造方法としては、その蛋白質をコ
ードするDNA分子の製造、そのDNA分子の適当な発現ベク
ターたとえばPLもしくはlacプロモーターを含むベクタ
ー中への挿入、得られた発現ベクターの適当な宿主細胞
たとえば大腸菌への、DNAの発現および蛋白質の産生を
可能にする適当な条件での導入、および産生蛋白質の回
収による方法がある。
NA4抗原の18,000ダルトンポリペプチドの他の製造方
法としては、このポリペプチドをコードするDNAの製
造、このDNA分子の適当な発現ベクター中への挿入、得
られた発現ベクターたとえばPLまたはlacプロモーター
含有ベクターの、そのDNAの発現および蛋白質の産生を
可能にする適当な条件下での適当な宿主細胞たとえば大
腸菌への導入、および産生蛋白質の回収による方法があ
る。
胞子形成過程の多くの時点で、スポロシストからメツ
センジヤーRNAを単離することができる。これらのmRNA
サンプルは、ついで、in vitro(44)またin vivo系を
用いて翻訳することができる。次に、翻訳生成物を、モ
ノクロナール抗体(Ptn7.2A4/4)を用いて免疫沈殿させ
る。NA4抗原をコードするmRNAプレパレーシヨンを用い
て、次に、二本鎖cDNAを製造する(44)。このcDNAを適
当なクローニングベクターに挿入し、これを用いて大腸
菌を形質転換し、cDNAライブラリーを発生させる。この
cDNAライブラリーを、NA4抗原の18,000ダルトンポリペ
プチド成分からのアミノ酸配列情報に基づいて構築され
た同位元素標識オリゴヌクレオチドプローブを用い、コ
ロニーハイブリダイゼーシヨン法によつてスクリーニン
グする。18,000ダルトンポリペプチドに対するヌクレオ
チド配列を含む細菌コロニーからベクターDNAを単離
し、挿入されたコクシジウムDNAの配列を決定する。
本発明はまた、NA4抗原の8,000ダルトンポリペプチド
のアミノ酸配列を有し、Eimeria necatrixまたはEimeri
a tenella感染に対する防御機構を付与する免疫応答を
鶏に誘導できる抗原性ポリペプチドを提供する。また、
8,000ダルトンポリペプチドのフラグメントである抗原
性ポリペプチドまたは8,000ダルトンポリペプチドが付
加的アミノ酸配列に融合した抗原性ポリペプチドを提供
する。これらのフラグメントそれぞれの抗原性類縁体、
ならびに各フラグメントに対するモノクロナール抗体を
提供する。モノクロナール抗体に対する抗イデイオタイ
プ抗体も本発明に包含される。
Eimeria necatrixもしくはEimeria tenella、または
その両者による感染に対する能動免疫を鶏に付与する方
法は、NA4蛋白質、18,000ダルトンポリペプチド、8,000
ダルトンポリペプチド、それらのフラグメント、それら
の融合生成物またはそれらの類縁体の免疫感作有効量を
鶏に投与するものである。これらの各種抗原それぞれ
は、単独にまたは他の抗原1種もしくは2種以上と組合
せて使用される。これらの物質の投与は、以前にE.tene
llaまたはE.necatrixに曝露されたことがある鶏の比較
的に低レベルの免疫を増大させるため、および追加予防
接種のために、使用できる。
本発明のNA4抗原または任意の抗原性ポリペプチド
は、任意の公知の方法によつて鶏に投与することができ
る。望ましい投与方法としては、背頚部の皮下または筋
肉内注射がある。抗原の免疫感作有効量は、約0.1μg
〜約1mgの任意の量である。抗原の量は約10μg以上で
あることが望ましい。好ましい抗原量は鶏の体重1Kgあ
たり約500μgである。また、投与は、経口(たとえば
カプセルにる)または望ましくは注射(たとえば皮下、
皮内、また好ましくは筋肉内注射)によつて行われる。
投与方法が注射である場合、任意の医薬的に許容される
担体が使用できる。適当な担体としては、0.01〜0.1M好
ましくは0.05Mリン酸塩緩衝液または0.8%食塩水を挙げ
ることができる。
Eimeria necatrixもしくはEimeria tenellaまたはそ
の両者の組合による感染に対して鶏に能動免疫を付与す
るためのワクチンは、1用量あたり、NA4蛋白質、18,00
0ダルトンポリペプチド、8,000ダルトンポリペプチド、
それらのフラグメント、それらの融合蛋白質、またはそ
れらの類縁体の免疫感作有効量と、適当な担体からな
る。各種抗原はそれぞれ、単独にまたは他の抗原1種も
しくは2種以上の組合せで使用できる。免疫感作有効量
は通常、鶏1Kgあたり約0.1μg以上である。Eimeria ne
catrixもしくはEimeria tenellaのいずれかまたは両者
の組合せによる感染に対して鶏を防御する方法は、この
ワクチンの適当量を鶏に投与することである。
このようなワクチン適当用量を鶏に投与することによ
り、鶏をE.necatrixまたはE.tenella感染に対して防御
される。1用量あたりの抗原物質量は、ワクチン投与動
物に抗原性物質に対する抗体の産生を誘導するのに十分
な量でなければならない。抗体産生および防御効果の点
からみて十分な免疫応答を与えるには、1用量あたりの
抗原性物質の量は予防接種動物の体重1Kgあたり約20.0
μg以上が望ましい。すなわち、50gの1日齢ヒナの場
合の抗原性物質量は約1.0μg以上である。現時点で
は、抗原性物質10μgを含有するワクチンが好ましい。
一般的に、抗原はワクチン中約0.002重量%から0.2重量
%の割合で添加され、投与容量は約0.1mlとなる。
本発明はまた、NA4蛋白質をコードし、第17図に示し
た核酸配列を有する核酸分子を提供する。さらに、NA4
の少なくとも1種の蛋白質をコードするcRNAおよびmRNA
を提供する。これらの核酸分子はクローニングビークル
中に挿入され、これが適当な宿主細胞に中に挿入され
る。適当な宿主細胞は真核細胞、たとえば酵母細胞また
は哺乳類細胞である。
本発明はまた、NA4蛋白質をコードするcDNA分子の少
なくとも部分とクローニングベクターDNAからなる組換
えクローニングベクターを提供する。クローニングベク
ターは第1および第2の制限酵素部位の存在を特徴とす
る。cDNAはこれらの部位の間にクローン化される。
組換えクローニングベクターDNAはプラミドDNAとする
ことができる。さらに、宿主細胞は細菌性細胞とするこ
とができる。
プラスミドDNAと、NA4をコードするcDNA約90%からな
る組換えクローニングベクターが構築され、pSMACと命
名された。このプラスミドで形質転換された大腸菌宿主
細胞はJM83/pSMACと命名され、ATCCに登録番号第67 241
号で寄託されている。同じくNA4をコードするcDNA約90
%を包含する他の組換えクローニングベクターも構築さ
れ、pSS33と命名された。このベクターで形質転換され
た大腸菌宿主細胞はJM83/pSS33と命名され、ATCCに登録
番号第67 242号として寄託されている。蛋白質NA4をコ
ードするcDNA約100%を包含する組換えクローニングベ
クターがさらに構築され、pNCDと命名された。このプラ
スミドは大腸菌宿主細胞の形質転換に使用され、これは
JM83/pNCDと命名され、ATCCに登録番号第67266号として
寄託された。
本発明はまた、組換え発現ベクターを提供する。その
一実施態様においては、NA4蛋白質の少なくとも部分と
他のアミノ酸配列からなる融合ポリペプチドを可能にす
る組換え発現ベクターがある。このような発現ベクター
が構築され、pTDS1、pTDS2、pDDS1およびpDDS2と命名さ
れた。これらのプラスミドは大腸菌細胞の形質転換に使
用され、それぞれMH1/pTDS1、MH1/pTDS2、MH1/pDDS1お
よびJM83/pDDS2と命名され、ATCCに登録番号第67 240
号、第67 264号、第67 243号および第67 265号として寄
託されている。
NA4蛋白質の製造方法は、上述のクローニングベクタ
ーを、蛋白質の産生を可能にする適当な条件下に挿入さ
れた宿主細胞を生育させ、生成した蛋白質を回収するも
のである。
本発明はまた、NA4蛋白質とほぼ同じアミノ酸配列を
有するが、細菌または他の異種宿主内での発現のために
相違する蛋白質をも含有する。
さらに一態様として、NA4抗原の主たる保護的構造と
共通の空間的特徴を有する部分構造で、前述の抗原を置
換することもできる。このような組成物の例としては、
NA4蛋白質または本発明の抗原性ポリペプチドの1種に
対する抗体、たとえばモノクロナール抗体Ptn7.2A4/4
で、その構造がそれぞれの抗原決定基に対する特異性を
付与する抗体の構造に対して産生する抗イデイオタイプ
の抗体が包含される。このような抗イデイオタイプ抗体
はモノクロナール抗体とすることもできるし、ポリクロ
ナール抗体として産生させることもできる。前者の例と
しては、抗体Ptn7.2A4/4はハイブリドーマ細胞系ATCCN
o.HB8561から回収され、精製され、任意の適当なキヤリ
アー蛋白質たとえばキーホールリンペツトヘモシアニン
(KLH)に共有結合で付着させる。精製された抗体、好
ましくは精製された抗体−KLH複合体を、好ましくはフ
ロインド完全アジユバントのようなアジユバントととも
に、適当な哺乳類リンパ球ドナー好ましくはBalb/C系マ
ウスに、反復注射する。免疫処置マウスのリンパ球から
ハイブリドーマが発生する。ハイブリドーマを、モノク
ロナール抗体Ptn7.2A4/4との反応ではNA4抗原と競合す
るが、NA4抗原もPtn7.2A4/4以外のげつ歯類免疫グロブ
リンも認識しない抗体についてスクリーニングした。モ
ノクロナール抗体Ptn7.2A4/4に対する抗−イデイオタイ
プ抗体を分泌するハイブリドーマをさらに増殖させ、ク
ローン化する。抗−イデイオタイプ抗体の製造は、ハイ
ブリドーマの生育およびモノクロナール抗体の発現に適
当なメジウム中での細胞培養、または好ましいビークル
としてBalb/Cマウスを用いた抗体産生ハイブリドーマの
宿主動物中での生育によつて実施される。
抗−イデイオタイプ抗体はまた、動物へのPtn7.2A4/4
の注射によつても製造できる。好ましい一方法は、精製
したPtn7.2A4/4、500μgを適当なアジユバントたとえ
ば完全フロインドアジユバント中に処方化し、適当な動
物たとえばウサギに反復注射する方法である。十分に注
射したのち、適当な期間後に動物から血清を採取する。
ついで、抗イデイオタイプ抗体を血清から、たとえばSe
pharose のような不溶性支持体に固定化した正常マウ
ス血清に吸着させて回収した。得られた抗血清の特異性
は、モノクロナール抗体Ptn7.2A4/4と反応性を示すが正
常げつ歯類抗体に対して反応しないことで確認される。
上述のようにして製造された抗−イデイオタイプ抗体
をさらにIgGフクラシヨンのレベルまで精製する。精製
した抗−イデイオタイプ抗体は、抗原の場合に記述した
と同様、任意の公知方法で投与することができる。
本発明の抗イデイオタイプ抗体の有効量を鶏に投与す
ると、これがEimeria necatrixまたはEimeria tenella
感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法になる。この
目的でのワクチンは抗−イデイオタイプ抗体の免疫感作
有効量と適当な担体からなる。このワクチンの適当用量
を鶏に投与すると、Eimeria necatrixまたはEimeria te
nella感染に対する鶏の防御方法になる。
1用量あたりの抗イデイオタイプ抗体の量はワクチン
投与動物に抗体の産生を誘発するのに十分な量でなけれ
ばならない。抗体の産生によつて示される免疫応答の誘
発に要する1用量あたりの抗イデイオタイプ抗体量は、
予防接種する鳥の体重1Kgあたり50μg以上である。す
なわち50gの1日齢ヒナの場合、抗−イデイオタイプ抗
体2.5μgが投与される。したがつて、抗−イデイオタ
イプ抗体25μgを含むワクチンが好ましい。一般的に、
抗−イデイオタイプ抗体はワクチン中に約0.002重量%
から0.2重量%の割合で添加され、投与容量は0.2ccであ
る。
本発明はまた、Eimeria necatrixの卵母細胞から全ゲ
ノムDNAを単離し、単離されたゲノムDNAからDNAフラグ
メントを調製し、このフラグメントを適当なクローニン
グベクターにリゲートし、得られたクローンのDNAを第1
7図に示す核配配列内に存在する核酸配列を含むかまた
はそれと相補性のオリゴヌクレオチドとハーブリダイゼ
ーシヨンさせて適当なクローンを同定し、適当なクロー
ンから第17図に示す蛋白質をコードし、その核酸配列を
有するDNAを単離することによる、第17図に示す核酸配
列を有するDNAを得る方法を提供する。
NA4蛋白質は、E.necatrixのスポロシストから誘導さ
れる、精製種虫膜蛋白質である。この蛋白質は、E.neca
trixおよびE.tenella小腸内寄生体の感染に対する防御
機能を付与する免疫応答を非免疫鶏に誘導できる抗原で
ある。この蛋白質はE.necatrixから誘導され、この蛋白
質を他の方法、たとえば組換えDNA技術または全有機合
成によつて製造することが可能である。すなわち、本発
明は直接E.necatrixから製造された蛋白質に限定される
ものではなく、その製造方法とは無関係にその蛋白質自
体を包含するものである。このようにして製造された蛋
白質も寄生体から精製された構造と同一であるか、同一
の一定のフラグメントとして存在する。それは相同性ま
たは非相同性配列とNA4の融合体として存在してもよ
い。さらにそれは類縁体としてまたは同一の内部イメー
ジ(イデイオタイプ)として存在してもよい。
NA4蛋白質抗原は分子量約26,000であり、ジスルフイ
ド結合で結合した2個のポリペプチドから構成される。
このポリペプチドの一方は、分子量約18,000で遮閉され
たN末端アミノ酸が特徴的である。約16,000ダルトンの
CNBrフラグメントは以下の部分アミノ酸配列:NH2
Leu Lys Ala Ala Gly Leu Pro Glu Phe Gly Asn Ala Val Gly Ala Val Val Leu Pro Ala Tyr Serを有する。8,000ダルトンポリペプチド
のN末端アミノ酸配列は:NH2−Ala Ala Thr ? Asp Ala Val Ile Cys Leu Thr Asn Pro Ala Pro Leu Ala Ala Gly Ser Pro Pro ? Phr Asp Glu Trpである。NA4抗原をコードする遺伝子のD
NA配列から推測されるNA4蛋白質の全アミノ酸配列を第1
7図に示す。
E.necatrixからのゲノムDNAを単離し、制限エンドヌ
クレアーゼEcoRIで分解した。制限フラグメントを適当
なクローニングベクター、λ−gt wes λ−Bにリゲー
トし、ゲノムライブラリーを発生させた。ついで、ゲノ
ムライブラリーを、第2図のE.tenellaゲノムクローン
の785bpSacI−PvuIIフラグメントとのプラークハイブリ
ダイゼーシヨンによつてスクリーニングした。NA4抗原
をコードするゲノムクローンを単離したところ、DNA配
列は連続ヌクレオチド配列(第17図)によつてコードさ
れるNA4抗原の2個のペプチドを示した。18,000および
8,000ダルトンペプチドは、したがつて、1本の26,000
ダルトンペプチドの蛋白分解処理から誘導される。ま
た、シグナル配列をコードするDNA配列は、通常、多く
の分泌または膜蛋白質のアミノ末端に見出される。
本発明はさらに、Eimeria maximaの感染に対する防御
機構を付与する免疫応答を鶏に誘導できる精製抗原性蛋
白質に関する。この蛋白質は分子量約55,000ダルトン
で、抗原性ポリペプチドからなる。
本明細書においては8B5蛋白質または8B5抗原とも呼ば
れる55,000ダルトン蛋白質は、Eimeria maximaのメロゾ
イトから得られた。この蛋白質はE.maximaから誘導され
たが、この蛋白質は他の方法、たとえば組換えDNA技術
または全有機合成によつても製造できる。すなわち、本
発明は直接E.maximaから製造された蛋白質に限定される
ものではなく、その製造方法と無関係にその蛋白質自体
を包含するものである。
本発明はまた、分子量約55,000ダルトン未満で、8B5
蛋白質内に存在するアミノ酸配列を包含し、Eimeria ma
xima感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘
導できる抗原性蛋白質を提供する。このポリペプチドは
8B5蛋白質からの抗原決定基を含有し、免疫応答を誘導
可能な全アミノ酸配列を包含する。
8B5蛋白質中に存在するアミノ酸配列を含有する抗原
性ペプチドは各種方法により、たとえば化学的もしくは
酵素的合成により、組換えDNA技術により、また8B5抗原
から、またはE.maximaメロゾイトから製造できる。
本発明はまた、8B5蛋白質の製造方法を提供する。こ
の方法には、E.maximaのメロゾイトを適当な条件下、プ
ロテアーゼ阻害剤の存在下に界面活性剤と接触させて、
メロゾイト膜蛋白質を可溶化させる方法がある。ついで
この蛋白質を、蛋白質の分離および精製方法を用いて、
可溶化メロゾイト蛋白質から分離回収する。このような
方法は本発明の技術分野における通常の熟練者にはよく
知られていて、たとえば、可溶化したメロゾイト膜のイ
オン交換クロマトグラフイーによる部分精製がある。
また、8B5蛋白質は、ATCCに登録番号HB8946号で寄託
されているマウスハイブリドーマ細胞系によつて産生さ
れ、Pmx47.8B5と命名されたモノクロナール抗体のよう
に、8B5蛋白質に対するモノクロナール抗体を用いた免
疫沈殿または免疫吸着クロマトグラフイーによつて、E.
maximaメロゾイト膜蛋白質から分離回収される(上記寄
託は、特許出願のための微生物寄託の国際認知に関する
ベダペスト協定に従つて行われた)。
8B5蛋白質のポリペプチドは、8B5蛋白質の製造の場合
と同じ方法で製造できる。ついでポリペプチドは、たと
えばイオン交換クロマトグラフイーたとえばDEAE−セル
ロースでの部分精製により、またついで還元条件下にお
けるプレパラテイブSDS−電気泳動により、分離回収さ
れる。
本発明の55,000ダルトン8B5蛋白質または各種抗原性
ポリペプチドの、組換えDNA技術による製造方法も本発
明によつて提供される。すなわち、8B5蛋白質またはポ
リペプチドをコードするDNA分子を調製し、このDNA分子
を適当な発現ベクターたとえばPLまたはlacプロモータ
ー含有ベクター中に挿入する。得られた発現ベクターを
次に適当な宿主たとえば大腸菌に、DNAの発現および蛋
白質またはポリペプチドの産生を可能にする適当な条件
下に導入し、生成した蛋白質またはポリペプチドを回収
する。
メツセンジヤーRNA(mRNA)は、胞子形成の任意の時
点でメロゾイトから単離できる。これらのmRNAサンプル
in vitro(44)またはin vivo系を用いて翻訳する。
翻訳生成物は、モノクロナール抗体Pmx47.8B5または抗
メロゾイト鶏血清を用いて免疫沈殿させることができ
る。8B5抗原をコードするmRNAプレパレーシヨンを用い
て二本鎖cDNAを調製する(44)。このcDNAを次に適当な
クローニングベクターに挿入し、ついで大腸菌の形質転
換に用い、cDNAライブラリーを発生させる。このcDNAラ
イブラリーを、8B5抗原のポリペプチド成分からのアミ
ノ酸配列情報に基づいて構築された同位元素標識オリゴ
ヌクレオチドブロブを用い、コロニーハイブリダイゼー
シヨン法でスクリーニングする。ポリペプチドに対する
ヌクレオチド配列を含む細菌性コロニーからのベクター
DNAを単離し、挿入されたコクシジウムDNAの配列を決定
する(46,62)。
プラスミドDNAとモノクロナール抗体Pmx47.8B5によつ
て認識されるエピトープをもつ蛋白質をコードする核酸
分子からなる発現ベクターが構築された。融合蛋白質の
発現が可能なベクターはp5−3、p11−2、およびp13−
8と命名された。これらのベクターで形質転換された大
腸菌細胞は、それぞれSG9361p5−3、SG936/p11−2お
よびSG936/p13−8と命名され、ATCCに登録番号67253
号、67 251号および67 252号として寄託されている。
本発明はまた、本発明の8B5抗原、抗原性ポリペプチ
ドまたは他の抗原の免疫感作有効量を鶏に投与すること
による、Eimeria maximaの感染に対する能動免疫を鶏に
付与する方法を包含する。この方法により、非免疫鶏に
能動免疫を付与することができる。さらに、これらの物
質の投与は、以前にE.maximaに曝露された鶏の比較的低
レベルの免疫を増強させるため、また追加予防接種に使
用することができる。
本発明の8B5抗原または任意の抗原性ポリペプチド
は、よく知られた任意の方法で鶏に投与することができ
る。望ましい投与方法は、背頚部への皮下または筋注内
注射である。抗原の免疫処置有効量は、約0.1μgから
約1mgまでの任意の量である。抗原量は約10μg以上と
することが望ましい。好ましい抗原量は、体重1Kgあた
り約500μgである。また、投与経路は、経口(たとえ
ばカプセルによる)または望ましくは注射(たとえば皮
下、皮内または好ましくは筋肉内注射)によつて行われ
る。投与方法が注射の場合は、任意の医薬的に許容され
るキヤリアーが使用できる。適当なキヤリアーには、0.
01〜0.1M好ましくは0.05Mリン酸緩衝液または0.8%食塩
水がある。
本発明の抗原性物質、すなわち8B5抗原、抗原性ポリ
ペプチドまたは本発明の他の抗原の免疫感作有効量と適
当なキヤリヤーからなる、Eimeria maxima感染に対する
能動免疫を鶏に付与するワクチンを提供する。ワクチン
中の抗原性物質の好ましい免疫感作有効量は、鶏の体重
1Kgあたり約0.1μg以上である。
このようなワクチンの適当用量を鶏に投与することに
より、E.maxima感染に対して鶏が防御される。1用量あ
たりの抗原性物質量は、ワクチン投与動物に抗原性物質
に対する抗体産生を誘発するのに十分な量でなければな
らない。抗体産生および防御効果で評価される十分な免
疫応答を与えるための、1用量あたりの抗原物質の量
は、予防接種動物の体重1Kgあたり約20.0μg以上とす
ることが望ましい。すなわち、50gの1日齢ヒナに対す
る抗原物質の量は約1.0μgである。したがつて、ワク
チンは抗原性物質10μgを含有することが好ましい。一
般的に、抗原はワクチン中約0.002重量%〜約0.2重量%
添加され、1回投与用量は約0.1mlとする。
本発明の他の態様としては、本発明の8B5蛋白質およ
び抗原性ポリペプチドに対するモノクロナール抗体が包
含される。特定の態様としては、ハイブリドーマ細胞系
ATCC HB8946号によつて産生された上述のモノクロナー
ル抗体Pmx47.8B5を挙げることができる。
8B5抗原またはその抗原性フラグメントに対するモノ
クロナール抗体、たとえばモノクロナール抗体Pmx47.8B
5の防御有効量を鶏に投与することにより、E.maxima
染に対する受動免疫を鶏に付与することができる。この
目的に有用な組成物は、適当なモノクロナール抗体たと
えばモノクロナール抗体Pmx47.8B5の保護有効量と、適
当な担体からなる。上記組成物は、経口的に投与した場
合、感染を防御するのに十分な用量のモノクロナール抗
体から構成することができる。抗体の通常の用量は1日
1羽あたり抗体約100μgであり、水溶液または凍結乾
燥物として投与できる。組成物は飲水添加用の水溶液の
形とすることが好ましい。抗体は0.15Mリン酸塩緩衝食
塩水pH7に溶解し、メチロサールを最終蛋白質含量1〜1
00mg/mlに対して0.0001%含有させる。製品は、所望の
抗体レベルが維持されるようにした飲水から連続的に投
与される。このような組成物の適当用量の鶏への投与
が、E.maxima感染に対する受動免疫の付与方法である。
さらに他の態様によれば、8B5抗原の主たる保護構造
の特徴と共通の空間的特徴を有する部分構造で、前述の
抗原を置換する。このような組成物の例としては、8B5
蛋白質または本発明の抗原性ポリペプチドの1種、たと
えば各抗原決定基に対する特異性を付与する構造をもつ
モノクロナール抗体Pmx47.8B5の構造に対して産生した
抗−イデイオタイプ抗体が包含される。このような抗−
イデイオタイプ抗体はそれ自体本来モノクロナールであ
るが、またポリクロナール抗体として産生することもで
きる。前者の例としては、抗体Pmx47.8B5をハイブリド
ーマ細胞系ATCCNo.HB8946から回収し、精製し、任意の
適当なキヤリアー蛋白質、たとえばキーホールリンペツ
トヘモシアニン(KLH)に共有結合させる。精製された
抗体、好ましくは精製された抗体−KLH複合体を、好ま
しくはフロインド完全アジユバントのようなアジユバン
トとともに、適当な哺乳類リンパ球ドナー好ましくはBa
lb/C系マウスに、反復注射する。免疫処置マウスのリン
パ球からハイブリドーマが発生する。ハイブリドーマを
モノクロナール抗体Pmx47.8B5との反応では8B5抗原と競
合するが、8B5抗原もPmx47.8B5以外のげつ歯類免疫グロ
ブリンも認識しない抗体についてスクリーニングした。
このようなハイブリドーマが分泌する、モノクロナール
抗体Pmx47.8B5に対する抗イデイオタイプ抗体をさらに
増殖させ、クローン化する。抗−イデイオタイプ抗体の
製造は、ハイブリドーマの生育およびモノクロナール抗
体の発現に適当なメジウム中での細胞培養、または好ま
しいビークルとしてBalb/Cマウスを用いた抗体産生ハイ
ブリドーマの宿主動物中での生育によつて実施される。
抗−イデイオタイプ抗体はまた、動物へのPmx47.8B5
の注射によつても製造できる。好ましい一方法は、精製
したPmx47.8B5、500μgを適当なアジユバントたとえば
完全フロイドアジユバント中に処方し、適当な動物たと
えばウサギに反復注射する方法である。十分に注射した
のち、適当な期間後に動物から血清を採取する。つい
で、抗−イデイオタイプ抗体を血清から、たとえばSeph
arose のような不溶性支持体に固定化した正常マウス
血清に吸着させて回収した。得られた抗血清の特異性
は、モノクロナール抗体Pmx47.8B5と反応性を示すが、
正常げつ歯類抗体に対しては反応しないことで確認され
た。
上述の抗−イデイオタイプ抗体はさらに、IgGフラク
シヨンのレベルに精製される。精製された抗−イデイオ
タイプ抗体は、抗原の場合に記述したと同様、任意の公
知方法で投与することができる。
本発明の抗−イデイオタイプ抗体の有効量を鶏に投与
すると、これがEimeria maximaの感染に対する能動免疫
を鶏に付与する方法になる。この目的でのワクチンは、
抗−イデイオタイプ抗体の免疫感作有効量と適当な担体
からなる。このワクチンの適当用量を鶏に投与すると、
Eimeria maximaの感染に対する鶏の防御方法になる。
1用量あたりの抗−イデイオタイプ抗体の量はワクチ
ン投与動物に抗体の産生を誘発するのに十分な量でなけ
ればならない。抗体の産生によつて示される免疫応答の
誘発に必要な1用量あたりの抗−イデイオタイプ抗体量
は、予防接種する鳥の体重1Kgにつき50μg以上であ
る。すなわち、50gの1日齢ヒナの場合、抗−イデイオ
タイプ抗体2.5μgが投与される。したがつて、抗−イ
デイオタイプ抗体25μgを含むワクチンが好ましい。一
般的には、抗−イデイオタイプ抗体は、ワクチン中に約
0.002重量%〜0.2重量%の割合で添加され、1回投与容
量は0.2ccである。
本発明の他の態様には、8B5蛋白質をコードする核酸
分子、たとえばDNA、cDNA、RNAまたはmRNAがある。その
一態様は、本発明の抗原性ポリペプチドをコードするDN
A分子である。
他の態様としては、例えば8B5蛋白質または前述の抗
原性ポリペプチドの1種をコードする、本発明の核酸分
子からなるクローニングベクターがある。クローニング
ベクターは宿主細胞たとえば細菌宿主細胞に導入され
る。
本発明の精製された抗原性蛋白質は、8B5蛋白質をコ
ードする核酸分子を含有するクローニングビークルを含
む宿主細胞を用いて製造できる。この方法によれば、宿
主細胞を蛋白質の産生が可能になる適当な条件下で生育
させ、生成した蛋白質を回収する。本発明の抗原性ポリ
ペプチドは、そのポリペプチドをコードする適当な核酸
分子を用いて同様に製造できる。
宿主細胞が細菌細胞である場合、生成した8B5蛋白質
は天然の8B5蛋白質と同一またはほぼ同一の配列を有す
るが、細菌宿主内での発現のため、たとえばN末端メチ
オニン分子の付加により、そのアミノ酸配列またはアミ
ノ末端が異なる可能性がある。
本発明の態様としては、さらに、本発明の精製抗原性
蛋白質をコードする核酸配列を有するDNA分子を得る方
法がある。この方法には、Eimeria maximaの卵母細胞か
らゲノムDNAを単離し、単離されたゲノムDNAからDNAフ
ラグメントを、たとえば制限酵素を用いて調製する。DN
Aフラグメントをついで適当なクローニングベクターに
リゲートする。適当なクローンは、そのDNA8B5抗原をコ
ードする核酸配列を含むかまたはそれと相補性のオリゴ
ヌクレオチドとハイブリダイゼーシヨンさせて同定す
る。Pmx47.8B5免疫反応性蛋白質をコードするDNAを適当
なクローンから単離するか、または本技術分野において
公知の免疫ブロツト操作りによりPmx47.8B5免疫反応性
蛋白質の存在をスクリーニングして適当なクローンを同
定する。
本発明は、55,000ダルトン以上の分子量を有し、55,0
00ダルトン抗原性蛋白質のアミノ酸配列内に包含される
アミノ酸配列と付加的アミノ酸をもつ抗原性ポリペプチ
ドを提供する。このポリペプチドはEimeria maxima感染
に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導でき
る。付加的アミノ酸は、他のポリペプチド、たとえばβ
−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列であつてもよく、こ
の場合には、55,000ダルトン蛋白質−β−ガラクトシダ
ーゼ融合ポリペプチドが得られる。本発明はまた、この
ような融合ポリペプチドをコードするDNA分子、および
そのDNAを含有するクローニングベクターを提供する。
本発明はまた、本発明の抗原性融合ポリペプチドの免
疫感作有効量を鶏に投与することからなる、Eimeria ma
xima感染に対する能動免疫を鶏に投与する方法を提供す
る。また、本発明の抗原性融合ポリペプチドの免疫感作
有効量と、適当な担体からなる、Eimeria maximaの感染
に対する能動免疫を鶏に付与するワクチンを提供する。
本発明はさらに、Eimeria誘発疾患に対する多成分ワ
クチンを提供する。ワクチンは1用量あたり、投与動物
Eimeria抗原に対する抗体の産生を誘発するのに有効
な量の、任意のEimeria抗原またはエピトープの混合物
を含有する。1用量あたりの各抗原の量は、約10μg〜
約200μgである。ワクチンはまた、医薬的に許容され
る担体を含有する。
好ましい態様においては、Eimeria抗原は、Eimeria t
enellaE.maximaおよびE.necatrixの抗原であるが、任
意のEimeria種の抗原は同様に有効である。好ましい態
様のワクチンは、特異的抗体の結合部位により認識され
る少なくとも1個の特異的Eimeriaアミノ酸配列、すな
わち少なくとも1個の特異的Eimeriaエピトープからな
る1種または2種以上の遺伝子操作抗原性融合ポリペプ
チドを含有する。
本発明のワクチンは、各種のEimeria抗原またはその
エピトープを1種、2種または任意の数の異なる抗原ま
たはエピトープの各種組合せで含有することができる。
好ましい態様においては、ワクチンは任意のEimeria
原の混合物からなる。すなわち混合物には任意のE.tene
lla抗原を、任意のE.necatrix抗原またはE.maxima抗原
を含む他の任意のEimeria抗原と組合せて含有させるこ
とができる。好ましい抗原は、25キロダルトンのE.tene
lla抗原、26キロダルトンのE.necatrix抗原または55キ
ロダルトンのE.maxima抗原がある。
さらに、混合物は、25キロダルトンのE.tenella抗原
を、任意のE.necatrixまたはE.maxima抗原を含めた任意
の他のEimeria抗原と組合せて含有することができる。
好ましい組合せとしては、25キロダルトンのE.tenella
抗原と26キロダルトンE.necatrix抗原または55キロダル
トンE.maxima抗原がある。
本発明の態様においては、混合物は、任意のE.necatr
ix抗原の、任意のE.maxima抗原を含めた任意の他のEime
ria抗原との組合せを包含する。好ましい抗原は、25キ
ロダルトンE.necatrix抗原または55キロダルトンE.maxi
ma抗原である。混合物はまた、26キロダルトンE.necatr
ix抗原を、任意のE.maxima抗原を含めた他の任意のEime
ria抗原との組合せでもよい。
最後に、ワクチンには、任意のE.maxima抗原を、55キ
ロダルトンE.maxima抗原を含めた任意の他のEimeria
原と組合せて含有させることができる。
本発明のワクチンは、任意のEimeria抗原との任意の
トルウイルス蛋白質の混合物を含有するものであつても
よい。好ましい態様におけるトリウイルス蛋白質は、感
染性バーサル疾患ウイルスの蛋白質である。他のトリウ
イルス蛋白質としては、マレツク病ウイルスもしくはそ
のエピトープ、トリポツクスウイルスまたはそのエピト
ープ、七面鳥のヘルペスウイルスまたはそのエピトープ
を挙げることができる。
本発明に用いられる抗原性融合ポリペプチドは、遺伝
子操作技術によつて製造することができる。すなわち、
Eimeriaクローニング配列のcDNAのクローニングによつ
て製造できる。融合ポリペプチドは少なくとも1個のEi
meriaエピトープ、すなわちEimeria抗原に対する抗体に
よつて認識されるアミノ酸配列が、少なくとも1個の他
のポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも部分と融合
している。
適当な融合ポリペプチドは、β−ガラクトシダーゼま
たはプロキモシンに融合したEimeria抗原である。融合
ポリペプチドには、ベクターpDET1(ATCCNo.53316)、
ベクターpDET2(ATCCNo.53318)、ベクターpBGC23(ATC
CNo.53317)、ベクターpCOC12(ATCCNo.53314)、また
はベクターpCOC20(ATCCNo.53313)によつてコードされ
るポリペプチドを挙げることができるが、他のベクター
でコードされる融合ポリペプチドも使用できる。
最後に、本発明のワクチンは、任意の抗原性融合ポリ
ペプチドの混合物であつてもよい。好ましい態様におい
ては、融合ポプリペチドには少なくとも1個のEimeria
エピトープが包含される。
例1EIMERIA NECATRIX 及びEIMERIA TENELLAの調製:オオシ
スト、スポロシスト、スポロゾイト CoccidiaEimeria necatrix及びEimeria tenella
の精製された分離物は、元来Auburn大学のアレン・エド
ガー博士から入手したものである。各分離物の純度は、
オオシストの特徴及び感染した腸組織の組織学的観察を
もつて確認した。オオシストの大きさと形状表示はそれ
ぞれE. necatrix及びE. tenellaの範囲内であつた。
病変は、ジヨンソンとレイドの方法(30)によつて評
点をつけた。感染した鳥の病変は各々それぞれの分離物
に典型的なものであつた。5日間にわたる組織学的検査
で腸中央(E. necatrix)または盲腸(E. tenella
の上皮下に広範な第2世代のスキツオントが発見され
た。E. tenella及びE. necatrixによりその重症感染
中に(各々15,000、50,000オオシスト)死に至る場合が
あつた。単一オオシストのクローニングが各分離物の純
度を保つため、周期的に行なわれた。
オオシストの生殖。各分離物の純粋培養物を4〜6週令
のSPF白色レグホン系鶏に恒常的に継代接種した。外因
性のCoccidia感染を避けるために、鶏は生後1日目から
樹脂ガラス製の隔離鶏舎で飼育した。オオシストは感染
後7日目の盲腸から、シヤーリーのトリプシン分解法
(66)を用いた採収した。胞子の形成されたオオシスト
は、典型的方法により24℃で2%のw/v K2Cr2O7中に保存した。
スポロシストの分離。残骸から塩浮 によつて部分的に精製された胞子形成オオシスト(1×
108)は、0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4(PBS)で5回洗浄
し、重クロム酸カリウム保存液を除去した。これらのオ
オシストは、1.05%の次亜塩素酸ナトリウム中で20分間
攪拌した後にPBSで5回洗浄し残留次亜塩素酸ナトリウ
ム及び残骸を除去することによつてさらに清浄化した。
最後の洗浄にひき続き、清浄したオオシストをPBS10ml
中に再懸濁させた。懸濁したオオシストを同容量のガラ
スビーズ(1.0〜1.05mm)と一緒に振とうして機械的に
分解した。遊離したスポロシストは、グラスウールカラ
ムを通過させてオオシスト壁及び未分解オオシストから
純化され、3000kPMで10分間、4℃で遠心分離され、PBS
10ml中で再懸濁させた。
スポロゾイトの調製。新たに胞子形成されたオオシスト
は、塩浮游、反復洗浄及び1.05%の次亜塩素酸ナトリウ
ム処理により清浄した。スポロシストは、オオシストを
ガラスビーズ(1.0−1.05mm)を用いて機械的に分解し
て遊離させた。スポロゾイトを脱嚢させるために、スポ
ロシストをトリプシン及びタウロデオキシコール酸(そ
れぞれ0.25、0.50%w/v)と共に1時間、41℃でインキ
ユベートした。このようにして得られたスポロゾイトは
遠心分離法により洗浄して取り除き、ハンク培地に再懸
濁させた。新たなハンク培地を用いてスポロゾイトを作
業濃度に希釈した。
例2 ハイブリドーマの生成、同定及び特徴づけ モノクローナル抗体。モノクローナル抗体はVan Deusen
とWhetstoneの方法(77)を用いて発育されたハイブリ
ドーマから誘導した。要約すると、Bald/C ByJマウスを
106〜107のインタクトなE. tenellaスポロゾイトで繰
り返し免疫した。完全無欠なスポロゾイトの最終静注後
3日して、任意に抽出したマウスを殺し、脾切除した。
脾細胞は、脾臓の線維組織から分離し、洗浄した脾細胞
をネズミ形質細胞腫の細胞株(SP2/OM)と融合させた。
微量中和試験。微量中和試験は、E. tenellaについて
は鶏の一次腎細胞培養物を、またはE. necatrixについ
てはブタ胎児肺細胞を用いて行つた。1〜2週令の鶏を
殺し、無菌法による腎切除をした。細胞は、96穴の培養
プレートに移され、約104/wellの密度で、5%熱処理犢
胎児血清を添加したEarle's LAH培地で平地培養した。
培養は41℃、CO2 5%の環境を維持した。細胞培養が約5
0%の交会レベルに達した時、ハイブリドーマの被検検
体またはコントロール検体50μlをプレートの全ての穴
に加えた。次に、Earl's培地50μl中に約3×104懸濁
しているスポロゾイトを全てに加えた。12〜16時間後、
培養上清を新たな2%熱処理犢胎児血清を含むEarl's L
AH培地と交換した。培養は感染後40〜44時間で終了さ
せ、培養上清をプレートから除去した。その結果、細胞
を5%氷酢酸で酸性としたメタノールを加えてプレート
に固定化した。固定化された培養細胞は検査前に0.1%
トルイジン・ブルーで染色した。各培養穴は分裂生殖が
阻害につきその概略パーセンテイジレベルで採点した;
モノクローナル抗体による寄生中の中和は、スキツオン
トの成熟を完全に阻害できる血清の最大希釈倍率に基づ
いて採点された。
間接螢光抗体スクリーニング。IFA(間接螢光抗体)ス
ライドをE. tenellaまたはE. necatrixのスポロゾイ
ト(約1×106/well)を用いて調製した。スライドは各
穴に1%ウシ血清アルブミン(BSA)10μlを加える前
に、数時間ないし一晩空気乾燥させた。BSA添加5分後
に被検上清20μlを加えた。上清を37℃で20分間インキ
ユベートして、0.005%Tween−20を含む0.15MPBS(PBS
−Tween)で3回洗浄した。フルオレスセイン抱合の家
兎対マウス抗体(PBSで1:40に希釈)を標本に加え、37
℃で20分間インキユベートした。抱合体は封入剤の添加
及びカバーグラスの設置前に、PBS−Tweenで3回洗浄し
た。
結果。Eimeria tenellaに対して発育した数千のハイブ
リドーマの内、24個がスポロゾイト段階の寄生虫に対す
る中和抗体を作ることがわかつた。検査されたハイブリ
ドーマの全てが膜に結合した抗原を認識したが、1つの
ハイブリドーマから得られた抗体だけは膜内部の抗原を
認識した。In vitroで、各セルラインの最初のクローニングで得
られた数検体の上清について中和能力を比較した。ある
セルラインの上清が、E. tenellaのスポロゾイトに対
して相対的に最も大きい中和力を示した。各被検上清に
ついて含有抗体を評価した場合、ある抗体(Ptn 7.2A4/
4で示す)がスポロゾイトを中和するのに必要な量は、
次に中和力の強い抗体の20分の1であつた。詳細には、
E. tenellaの中和に必要なPtn7.2A4/4抗体の量は約3.5
×105molecules/sporozoiteであつた。Ptn7.2A4/4で示
されるモノクロナール抗体を産生するハイブリドーマ
は、ロツクビル、メリーランド、U.S.A. 20852にあるAm
erican Type Culture Collection(ATCC)に供託され、
ATCC取得No.HB8561として識別された。この供託は、特
許申請手続を目的とした微生物の供託に関する国際認定
に関するブタベスト条約(以下ブタベスト条約という)
の規定に従つて行われた。モノクロナール抗体Ptn7.2A4
/4をE. necatrixに対して評価した場合、E. tenella
と同様のフルオレセイン染色パターンが観察された。さ
らにPtn7.2A4/4について、E. necatrixに対するin vi
tro中和試験を行つた結果、同数のE. tenellaで観察さ
れたのと同等の中和活性をE. necatrixに対しても持つ
ていることがわかつた。
例3 中和モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4により認識されるE.
tenella抗原の同定 Eimeriaタンパクの125Iラベリング。E. tenellaから得
た合計2×108のオオシストについてヨウ化を行つた。
各々について、スポロシストは塩浮游及び次亜塩素酸ナ
トリウム処理のオオシストから精製され、ガラスビーズ
で破壊した後にグラスウールカラムに通した。スポロシ
スト膜は、半量のスポロシストを用い、10mMリン酸ナト
リウム、0.15M NaCl、pH7.2(PBS)1ml中でガラスビー
ズを加えて機械的分解によつて調製した。この調製はプ
ロテアーゼ・インヒビター;0.1mMフエニルメチルスルホ
ニル・フルオライド(PMSF)、0.1mM N−トシル−L−
フエニルアラニンクロロメチルケトン(TPCK)、1mM N
−α−P−トシル−L−リジンクロロメチルケトン(TL
CK)及び10KIU/mlアプロチニンの存在下で行つた。残り
のスポロシストは、トリプシンとタウロデオキシコール
酸(総容量1ml)で処理し、スポロゾイトを脱嚢させ
た。両方の調製物は45,000RPM、45分間、4℃で分離
し、再びPBS1mlに懸濁させた。超遠心を行う前にトリプ
シン−デオキシコール酸残留物をスポロゾイトからPBS
及び1mM PMSFで洗浄することにより完全に除去するよう
注意した。
1mlのサンプルを40μgのIODOGEN(1,3,4,6−テトラク
ロロ−3−α,b−α−ジフエニルグリコウリル)固相ヨ
ウ化試薬(24,53)でコーテイングされたガラスシンチ
レーシヨンバイアルに加え、窒素ガス下で乾燥させPBS
で洗浄した。各チユーブに125Iを0.5mCi加え、氷中で20
分間インキユベートした。次に1MKI100μlを各チユー
ブに加え最終濃度を100mMとし、さらに15分間反応を続
けさせた。スポロゾイト及びスポロシストの調製物は5m
MKIを含むPBS7mlに希釈して45,000RPM、45分間、4℃で
超遠心分離した。
スポロシスト及びスポロゾイト膜タンパクの抽出。
上記の超遠心で得た125Iでラベルされたスポロシスト
及びスポロゾイトのペレツトを、タンパク抽出緩衝液
(20mM Tris−HCl、pH7.5;50mM MgCl2;25mM NaCl、1%
NP40、1mM PMSF、0.1mM TPCK、1mM TLCK及び10KIU/mlア
プローチニン)1ml中に再懸濁させた。懸濁液は時々攪
拌しながら氷中で60分間インキユベートした。不溶性物
質は洗滌剤で可溶化した微酸化状のタンパクから15分
間、4℃で分離した。上清は−70℃で保存した。125 IタンパクのTCAによる沈澱。各サンプル10μlを5mM
KI90μlで希釈した。次に、各希釈サンプル10μl
を、5%トリクロロ酢酸(TCA)1ml、BSA(10mg/ml)及
び5mMKI25μlを含む溶液に加え、氷中で30分間インキ
ユベートした。沈澱したサンプルはグラスフアイバーフ
イルターでろ過して回収し、5%TCA、5mM KI5mlで2回
洗浄、95%エタノール5mlで3回洗浄をどちらも0℃で
行い、液体シンチレーシヨンカウンターでカウントし
た。モノクローナル抗体との免疫沈降反応: モノクローナル抗体50μlをモノクローナル抗体希釈緩
衝液(MAB−DIL):50mM Tris−HCl、pH8.6;150mM NaCl;
0.1%NP−40;RIA用0.1%BSA;1mMTLCK;1mMPMSF;10 KIU/m
lアプロチニン25μlに加えた。そこに125Iでラベルさ
れたタンパク20μlを加え、攪拌して4℃で一晩インキ
ユベートした。抗マウス家兎Ig血清(IgA、IgG、IgM)
をMAB−DILで1:2に希釈して10μlを各免疫沈降チユー
ブに加え、4℃で1時間インキユベートした。プロテイ
ンA−セフアロース(10%v/v)をモノクローナル抗体
洗浄緩衝液(MABW);50mM Tris−HCl、pH8.3;0.05%NP
−40;0.05% Triton X−100;150mM NaCl;0.02%NaN3;5m
MKIで1:4に希釈し400μlを各チユーブに加えた。チユ
ーブを緩やかにゆらしながら4℃で1時間インキユベー
トした。免疫沈降物は冷たいMABWで2回洗浄しさらに室
温のMABWで2回洗浄した。ペレツトはSDS−PAGEサンプ
ル緩衝液(35)50μlに再懸濁させ、5分間煮沸して微
散状態にしてプロテインA−セフアロースを除去した。
上清をカウントしてSDS−PAGEで分析した。
電気泳動によるニトロセルロース紙への抗原の移動:ヨ
ウ化されていないスポロゾイト膜タンパク(前述のとお
り洗剤で可溶化したもの)は還元または非還元的条件下
で、一次元の硫酸ドデシルナトリウム・ポリアクリルア
ミド・スラブゲルにより分離され、電気泳動によりニト
ロセルロース紙へ移動させた(75)。電気泳動ブロツト
はSharmas(64)の方法によつて処理した。但し、例外
として血清、モノクローナル抗体及び適切な抱合体[ペ
ルオキシダーゼ抱合の山羊抗鶏IgG、Kirkegaard及びペ
リー、ペルオキシダーゼ抱合の家兎抗マウスIgG(Cappe
l)は還元型ゲルのブロツト用に使われ、ネズミモノク
ローナル抗体は、非還元型ゲル(Vector Labs、バーリ
ントン、CA)としてマウスIgG用のVectastein、ABCキツ
トとの関連で使用された。ブロツトは、還元型分離にお
いては4−クロロ−1−ナフトール(シグマ:660μg/m
l)及びH2O2(0.17%)と反応させ、また非還元型分離
においてはVectastain試薬と反応させて生成した。
E.tenellaタンパクのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)。
125Iでラベルされたスポロシスト及びスポロゾイトの
膜タンパクの免疫吸収したもの及び免疫沈降タンパク
は、5〜25%の指数勾配または8〜20%の直線勾配SDS
−ポリアクリルアミドゲルを用いて25mAで分析した。ゲ
ルは乾燥させコダツクXAR−5X線フイルムを一晩−70℃
で感光させた。染色用のゲルは、Coomassie(21)また
は製造業者のラベル添付による取扱い要領にもとづいて
銀染色(ピアス、ケミカル)により目視された。
E.tenella抗原とPtn7.2A4/4モノクローナル抗体による
免疫沈降の結果。
表面がラベルされたE.tenellaのスポロゾイト調製物
は、還元型SDS−PAGEで確認された6,500と25,000の分子
量をもつた2つのヨウ化タンパクを含む。6,500ダルト
ンのタンパクは、モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4と容易
にかつ特異的に免疫沈降反応を起こす。スポロシストの
膜は、分子量17,000及び27,000の2つのヨウ化タンパク
を含むがその他にも多様な分子量をもつヨウ化タンパク
も数個存在する。125Iでラベルされたスポロシスト膜タ
ンパクの免疫沈降反応で、モノクローナル抗体Ptn7.2A4
/4と反応した抗原は、還元型SDS−PAGEで確認されたよ
うに17,000ダルトンのタンパクだけであつた。
E.tenella抗原とモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4のウエ
スタン・ブロツトの結果。
上述の様にSDS−PAGEで免疫沈降ヨウ化ポリペプタイ
ドを分析した条件下で、ジスルフイド結合で連結された
ポリペプタイドを分離した。しかしながらジスルフイド
結合の還元により、スポロシスト及びスポロゾイト膜の
調製物のウエスタン・ブロツトにおけるPtn7.2A4/4の反
応性が破壊される。ヨウ化スポロシスト及びスポロゾイ
ト膜調製物について非還元型条件でSDS−PAGEを行つた
場合、主要な放射性標識物は質量数23−25,000の位置に
移動する。さらに、この23−25,000タルトンの物質はモ
ノクローナル抗体Ptn7.2A4/4とウエスタン・ブロツトに
よる反応性を示した。これらの結果により17,000タルト
ン及び8,000ダルトンのポリペプタイドが一緒に複合し
てTA4抗原を形成することが示唆される。このTA4抗原を
構成する別のポリペプタイドがヨウ化物の免疫沈降反応
において観察されなかつたという事実は、このポリペプ
タイドがヨウ化することができるチロシンを含んでいな
い(実例5及び6のTA4抗原の8,000ダルトンのポリペプ
タイドに関する記述を参照)ことで説明できる。
例4 E.TENELLAのTA4抗原とそれの画分を含んだ断片の純化、
同定および特性 TA4抗原の17,000ダルトン ペプチド成分の純化。E. t
enellaの胞子形成した胞嚢を109個の胞嚢に対して10ml
のPBSに再懸濁し、等体積のガラス粒と共に振盪して破
壊した。膜は遠心分離(100,000xg、60分、4℃)で除
去し、その蛋白質は1%(v/v)のNP−40と、10mMのTri
s−HCl(pH7.5)と25mMのNaClと、1mMのPMSFと、1mMのT
LCKと、0.1mMのTPCKと、10KIU/mlのアプロチニン中に可
溶化した。不溶解物は更に100,000xgの回転(60分、4
℃)で遠沈団塊にした。その蛋白質は、DEAE−セルロー
ズ カラムに吸着させ、10mMのTris−HCl(pH7.7)と0.
05%のNP−40とで平衡させ、次に50mMのNaClを含むこの
緩衝液で洗滌した。200mMのNaClを含む緩衝液で溶出
後、17、000ダルトンのポリペプチドはシセトン沈澱で
濃縮し、その沈澱物は充填緩衝に再懸濁し、煮沸し、SD
S−ポリアクリルアミド(15%)中で電気泳動した。こ
の実験及び他の実験に使用した旧来のSDS−PAGEサンプ
ル緩衝液は、62.5mMのTris−HCl(pH6.8)、2%(w/
v)のドデシル硫酸ナトリウム、10%(w/v)のグリセロ
ールおよび0.001%のブロムフエノールブルーを含んで
いた。非還元條件下で行うと規定した実験の場合を除い
て、この緩衝液は又5%(v/v)のベータメルカプトエ
タノールを含んでいた。その17,000ダルトンのポリペプ
チド帯は染色(Coomassie青又はKCl)で固定した。ゲル
の適切な部分を取出し、その蛋白質を電気溶出し、アセ
トン沈澱で濃縮した。ここで、これらの操作は、蛋白質
を変性するもので、S−S結合で互に繋がつたペプチド
結合はこの方法で分割される事を銘記すべきである。こ
の方法で純化された17,000ダルトンのポリペプチドは完
全に純品であつた。
TA4抗原の純化と特性 ゲル電気泳動に代る純化法として、DEAE−セルロース
カラムから得たスポロシスト膜蛋白質を10mM Tris−HCl
(pH8)、0.05%NP−40で透析し、この緩衝で平衡にし
たDEAE−HPLCカラム(Bio Rad)にかけた。このカラム
はNaClの傾斜(0−300mM)で同じ緩衝液中で溶出し
た。17,000ダルトンのポリペプチド(ゲル電気泳動での
移動に基づいて同定)は、200mM NaClの所で溶出する物
質中に見出された。この蛋白質を含む諸画分は30mMのリ
ン酸カリウム(pH6.5)、0.05% Zwittergent゜3−12
(Calbiochem−Behring、Lajolla,CA)、0.1mMデイチオ
スレイトールで平衡にした水酸化アパタイト カラム
(HPHT−BioRad)にかけた。このカラムは平衡化緩衝液
で洗い、0.05%のZwittergent゜と0.1mMヂチオスレイト
ールを含む硫酸カリ傾斜にかけて展開した。17,000ダル
トンのポリペプチド(上記のゲル電気泳動で同定した)
は約90mMのリン酸カリウムで溶出する物質中に現れた。
この方法で純化された17,000ダルトンのポリペプチド
を含む画分は、8,000ダルトンの第二のペプチドも含ん
でいた。このペプチドは、S−S結合で17,000ダルトン
のポリペプチドに結合しているようである。若し17,000
ダルトンのペプチドを含む分画をモノクロナール抗体Pt
n7.2A4/4で免疫沈澱させ、その沈澱蛋白質を上記のよう
に、還元条件下でゲル電気泳動分析すると、17,000ダル
トンのポリペプチドも8,000ダルトンのポリペプチドも
共に免疫沈澱することは明らかである故にスポロシスト
膜調製液においては、8,000ダルトンのポリペプチドと1
7,000ダルトンのポリペプチドは、S−S結合(多分シ
ステイン橋)で結合していると思はれる。何故ならば、
このペプチドは強い還元剤が存在しない限り電気泳動で
現れなかつた。非還元条件下では、Ptn7.2A4/4の反応性
ペプチド種は見かけ上の分子量で21−24,000として移動
する。
TA4抗原の11,500ダルトン断片の調製 上記の方法によりE. tenellaのスポロサイト膜を調
製し、10mlのPBS+1%Triton X−100に再懸濁した。こ
の10mlの膜懸濁物に0.1%の8−ヒドロキシキノリンを
含む80%フエノールを10ml加へた。この懸濁は次に最大
速度で3分回渦流し、10分間4000RPMで遠沈した。この
フエノールと線條沈澱界面とは、取り出し、100mM酢酸
アンモニウムを含むメタノール5容で稀釈し、−20℃で
終夜沈澱させた。アセトンで2回の洗滌後、不溶性蛋白
質を0.5%SDS中で8時間攪拌し、不溶物は20,000RPMの
遠沈を4℃で1時間かけて除去した。この試料はAG501
−X8混合ベツド樹脂(1gm/500ml)を含むPBS(pH7.2)
で十分に透析した。TA4抗原の11,500ダルトン断片は、
次のようにして上澄からPtn7.2A4/4モノクロナール抗体
で下記のように免疫吸着させた。このポリペプチドは微
滴定プレートELISAでPtn7.2A4/4モノクロナール抗体と
反応する事が示された。
微細滴定には、ELISAポリスチレン96ウエルクラスタ
ー(Immalon II)を10mMグリシン緩衝塩液(pH9.6)中
に終夜37℃で保温し抗原で感応性をつけた。た。ウエル
を0.0005%のTween−20を含む0.15MのPBSで洗い、PBS−
Tween中で3%のBSAで反応を中止し、再洗し、PBSで稀
釈したPtn7.2A4/4単クローン抗体と共に保温した。井穴
は前と同様に洗滌し、パーオキシダーゼと複合した抗−
マウスIgG血清をPBSで稀釈したものと共に保温した。ウ
エルは再洗して、H2O2存在下に基質(2,2′−アジノー
ヂ−[3−エチル−ベンズ−チアゾリンスルフオン
酸])と共に保温した。発色は15分後にDynatech MR−5
80微細滴定板ELISA読取器で決定した。
TA4抗原の11,500ダルトン断片は微細滴定板ELISAでPt
n7.2A4/4モノクロナール抗体と反応性がある事が示され
た。
例5 E.TENELLA TA4抗原の17,000ダルトンと8,000ダルトンの
ペプチド成分のアミノ酸配列 TA4抗原の17,000ダルトンのペプチド成分のアミノ酸
配列。17,000ダルトンのペプチドのアミノ酸配列決定
は、そのN−末端アミノ酸は反応が阻止される(すなわ
ち、Edman崩壊は影響をうない(14))事が発見されて
複雑であつた。この問題を避けるために、その蛋白質を
還元し、アルキル化し、次に種々の化学試薬や酵素で分
解した。得られたペプチドは、逆相HPLCで純化した(2
6)。17,000TA4抗原のダルトンの蛋白質はCNBr(CN)、
V8プロテアーゼ(V)、チモトリプシン(CH)およびエ
ンドプロテアーゼArg−C(R)で分解した。
プロテアーゼ分解の前に、純化した。TA4抗原の18,00
0ダルトンのポリペプチドは30mMのヂチオスレイトール
と6Mのグアニヂン−HCl(pH8)とで1時間室温での処理
した。固体の沃化アセトアミドを最終濃度が100mMにな
るように加え、pHを8に調整して試料を室温で1時間保
温した。還元とアルキル化の後に試料は0.1%SDS中で平
衝化したP6DG(BioRad、Richmond CA)のスピンカラム
で0.1M、MOPS(pH7.5)か逆相HPLCを用いるかして、試
薬類を除去純化した。
CNBr分解には、蛋白質試料は70%蟻酸中の1%CNBrで
20時間4℃で処理をした。試料はSavant Speedvac遠心
分離器で乾固する迄蒸発させ、0.1%トリフロロ酢酸(T
FA)又は0.1%TFAと20%アセトニトリール(CH3CN)中
に再溶解した。V8の分解は0.1%SDSと0.1M MOPS(pH7.
5)で2時間、室温で、50ミクログラムの17,000ダルト
ンのポリペプチド対、1ミクログラムのV8の比で行つ
た。この分解の後に、試料に4倍容積のアセトンを加へ
終夜−20℃で沈澱させた。そのアセトン沈澱物は上述の
ように再溶解した。キモトリプシン消化は、0.05% Zwi
ttergent゜3−12と0.1M NH4HCO3(pH7.8)中で1時間3
7℃で17,000ダルトンのペプチド対Arg−Cの比が15:1と
して行つた。アセトン沈澱を終夜−20℃で行つた後に
は、当ペプチドは主としてアセトン上澄中にあつた。こ
の上澄液を蒸発乾固し、上述のような方法で再溶解し
た。
ペプチドはVydac C4カラム(the Separations Group
s,Inc.,Hesperia,CA)で純化し、0−100%のCH3CN傾斜
で0.1%TFA中で溶出した。
アミノ酸配列決定は、気相配列決定器(Applid Biosy
stems,Inc.,Foster City,CA)を用いてHunkapillerらの
方法(25)に従つて行つた。フエニールチオヒダントイ
ン(PTH)誘導アミノ酸はHPCLにより分析した(8)。
N−末端アミノ酸は阻止剤を取除いて直接に決定し
た。17,000ダルトンのペプチドは0.1Mのリン酸カリウム
(pH8.0)と10mMのEDTAと5%のグリセロールと5mMのヂ
チオスレイトールと0.05%のZwittergent TM3−12の中
で1時間、37℃でピログルタメート アミノペプチダー
ゼ(蛋白質:PAP=5:1)で処理した。処理後、アミノ酸
配列は決定する事が出来たが、それはN−末端アミノ酸
のグルタミンは環状化して閉鎖残基のピロリドン カル
ボキシル酸になつている事を直接示唆している。
TA4抗原の1,7000ダルトンのペプチド成分の全アミノ
酸配列はFig 1に示してある。
TA4抗原の8,000ダルトンのペプチド成分の部分的アミ
ノ酸配列。TA4抗原から還元とアルキル化で誘導した)
純化8000ダルトンのポリペプチドをEdman配列分析にけ
ると、N−末端部分のアミノ酸配列が直接に決定でき
た。このペプチドのN−末端部分の部分アミノ酸配列は
下記の通りである。
NH2−ala ala gly thr thr asp ala val ile cys leu thr asn pro ala pro leu glu ala arg ser gln pro phe asp asp glu 例6 EIMERIA TENELLA TA4抗原をコードしているゲノムDNAク
ローンの単離と特性 E.tenellaの胞子形成卵嚢からのDNA分離。胞子形成した
卵嚢(5×108)を洗滌し、上述のような方法でスポロ
シストを分離した。分離したスポロシストは2回0.1Mの
Tris−HCl、(pH8.5)、と0.2MのNaClと10mMのEDTAとで
洗滌した。このスポロサイトは0.1MのTris−HCl、(pH
8.5)と0.2MのNaClと50mMのEDTAと1%のSDSと150ミク
ログラム/mlのプロテイナーゼKとで30分間65℃に保温
して溶解した。室温迄冷却後、そのDNAは等容積の液化
フエノールで1時間穏かに抽出した。10分間3,000rpmの
遠心分離の後、水層を除去し、界面とフエノール部とは
10mMのTris−HCl(pH8)と1mMのEDTAとで再抽出した。
各水相は合併し、1回フエノールで、2回クロロフオル
ム:イソアミールアルコール(24:1)で抽出した。DNA
はエタノール沈澱で分離した。そのDNA団塊は10mMのTri
s−HCl(pH8)と1mMのEDTA中に再溶解し、0.15mg/mlのD
NAアーゼを含まぬRNAアーゼAで37℃1時間の処置をし
た。RNAアーゼ分解の後、試料は1回フエノールで、1
回クロロフオルム:イソアミールアルコールで抽出し、
次にエタノールで沈澱させた。アガロース ゲル上で、
このDNAの大きさを20キロ塩基対より大きいと決定し
た。
バクテリオ フアージλgt wesλB中でのE.tenellaゲ
ノム・ライブラリーの組立。バクテリオフアージλgt w
esλB中にE. tenellaのゲノムDNAライブラリー(36)
がManiatisによつて述べられた方法(44)を用いて組立
てられた。フアージはポリエチレングリコール沈殿とク
ロロフオルム抽出とCsCl傾斜遠心分離によつて純化され
た。純化したフアージは1%SDSと50mMのEDTA+150マイ
クログラム/mlのプロテイナーゼKとで解かれ、DNAは、
フエノール抽出とエタノール沈澱とで純化された。E. t
enellaのゲノムDNAとフアージDNAとはEcoRIで完全に断
片化した。フアージDNAの左右両腕はそれらの接着末端
においてアニイルしそれら腕は蔗糖濃度傾斜遠心分離で
純化した。EcoRIで分断したDNA腕の30ミクログラムを6
ミクログラムのEcoRIで分断したE. tenellaDNAとT4DNA
リガーゼを用いて接着した。その接着したDNAの20ミク
ログラムをフアージ粒子中にin vitroで封入し、5×10
6個の組換フアージ粒子のライブラリイを得た。
合成オリゴヌクレオチド。TA4抗体の17,000ダルトンの
ペプチド成分をコードした遺伝子部位に相補的なオリゴ
ヌクレオチドのプローブ(検針)を、Biosearch Sam I
(Biosearch,Inc.San Rafel,CA)を用いて合成した。
適切な部位に予期されるDNA配列は17,000ダルトンのペ
プチドの示すアミノ酸配列から推定した。遺伝子コード
の二義性の為、正確なDNA配列は予測できない。DNA諸配
列の混合物より成る“混合検針”を設計して合成した。
そのうちの1つは17,000ダルトンのペプチドに対して遺
伝子完全相同適合性があるべきである。
オリゴヌクレオチドCOD92は、ペプチドV1の6から12
のアミノ酸に基づいていた。(例え5の17,000ダルトン
のペプチドのアミノ酸配列を見よ) これは256個の異つた配列を含む。オリゴヌクレオチ
ドCOD92の構造は次のようである。
アミノ酸配列:Gly Asn Phc Ala Tyr Tyr Pro オリゴヌクレオチドCOD94は、17,000ダルトンのペプ
チドV2の3から6のアミノ酸に基づくものであつた。そ
れは64種の異つた配列を含んでいた: アミノ酸配列:Trp Lys Thr Glu Ile Cys オリゴヌクレオチドCOD108はペプチドV1の25−30のア
ミノ酸に基づくものであつた。これは16種の異つた配列
の混合より成る。オリゴヌクレオチドCOD−108の構造
は: アミノ酸配列は:Glu Tyr Trp Lys Gly Gly。E. tenellaゲノムDNAライブラリイの篩別E. tenellaのゲノムDNAライブラリイの組換フアージ
は、シヤーレ当り2−3×104に及ぶ高密度で15cmのシ
ヤーレにプレートした。各シヤーレのニトロセルローズ
濾紙レプリカは、BentonとDavisの方法(3)に従つて
調製した。これら濾紙は次に適切な合成オリゴヌクレオ
チドと共に保温した。すなわち(32P)−dATPとT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼで高比放射能にラベルしたもので
ある。オートラヂオグラフイーで、ポジテイブのプラー
クを同定した。オリゴヌクレオチドのCOD−92と108との
両方に交雑したプラークだけが、ポジテイブと記録され
た。
交雑DNAを含む濾紙部分に相当するシヤレの部分にあ
る。寒天小片を切り取つた。そのフアージは溶出し、低
密度(20−100/プレート)で再接種し、3つのオリゴヌ
クレオチドのプローブ全部について再篩別した。純粋な
分離ポジテイブのプラーク又はクローンを取上げた。フ
アージ108−1は、オリゴヌクレオチドCOD−92と強く交
雑し、オリゴヌクレオチドCOD−108と94とにゆるやかに
交雑する。E. tenellaイオサートの精製と特性判定の
ためフアージ108−1はより大規模の培養を行つた。フ
アージ108−1の性能検定の結果、5,500塩基対がEcoRI
挿入されている事がわかつた。
17,000ダルトンをコードするゲノムのクローンの詳細な
性能検定−制限地図。クローン108−1の5,500塩基対Ec
oRI断片挿入は、フアージベクターからプラズミドpUC9
にサブ−クローンした(78)。その組換プラズミドは、
種々の制限エンドヌクレアーゼで分断し、ゲノムDNAク
ローン中でかなめとなる制限位置の決定に用いた。DNA
内における制限分断位置は、17,000ダルトンのペプチド
遺伝子の位置と方向を決定し、EcoRIによるゲノムDNA断
片の順序づけの策を立てるに必要である。その制限酵素
分断位置地図はFig2に示してある。17,000ダルトンのペ
プチドの遺伝子位置と向きとはこの地図に示してある。
クローン108−1のDNA配列分析。クローン108−1のBgl
II−EcoRI断片で、TA4抗原の17,000ダルトンのペプチド
成分の遺伝子で含むものは、Sangerのヂオキシ法(62)
で種々の制限酵素による断片を用いて配列を決めた。DN
A合成のプライマーは、COD−92,94および108のオリゴヌ
クレオチドにも、他のオリゴヌクレオチドと同様に含有
されていた。このDNA配列はFig.3に示す。
TA4抗原をコードした遺伝子の構造。
DNAの配列は、アミノ酸配列分析で予期したものと一致
する。更に、蛋白質配列では明確でなかつた特性がこの
遺伝子には3ツあつた。蛋白質配列からの情報および分
泌性蛋白質の構造についての一般的情報を用いてTA4抗
原の遺伝子の構造が解明された。
スポロサイト膜の17,000ダルトンのペプチドの既知の
アミノ酸末端からGln−Asp−Try…(例5を見よ)この
遺伝子が上流23個のアミノ酸を余分にコードしている事
は明白である。このDNA配列は、典型的な“シグナル”
配列で、多くの分泌蛋白質又は膜蛋白質の遺伝子にある
アミノ酸末端で見られるものである(4,34)。これのコ
ードするペプチドは、それらの合成位置(細胞質)から
細胞膜或はここを通つて蛋白質を輸送するのに必要なも
のである。このシグナルペプチドは、分泌の過程で除去
されるのが常である。TA4抗体はシグナルペプチドで作
られるのは驚くに当らない。何故ならば、この蛋白質が
胞子体の外面に達するためには、細胞質膜を通過する可
能性が最も高いからである。このシグナル配列のアミノ
末端は、Metゴドンと考えられる。本質的には、それは
どの蛋白質の場合でも合成開始はメチオニンからである
為である。
この遺伝子には3ケ所で、DNA配列が蛋白質の配列符
合しない部位がある。第1は、既知の熟成17,000ダルト
ン蛋白質の配列のVal−7のためのコドン内にある101塩
基対の部分である。第2は、17,000ダルトンのペプチド
のGly−65とGly−66のためのコンドンとの間にある114
塩基対の配列である。第3は8000ダルトンのペプチドの
Asp−186コドンの中にある124塩基対の配列である。こ
れら三つの配列は、多くの真核生物遺伝子のコード部分
内に見られる典型的イントロン構造である。これらはmR
NAの前駆体の中にあつて“スプライシング”で知られる
RNA組換機構によつて除去され中断されていないコード
配列を、成熟mRNAに作る。“スプライシング接点”附近
のDNA配列は、他の真核生物遺伝子(65)に見られるも
のと一致している。
17,000ダルトンのペプチドの配列は、コドン157と158
とに相当する。Gly−Gly配列で終ると思われる。我々は
8,000ダルトンのペプチドを、Ala−162に始まりGlu−18
8に及ぶ配列で同定した。コドンの159から161に当るArg
−Arg−Leuのペプチド配列は未だ見付かつていない。こ
の三連ペプチドが他の蛋白質、例へばインシユリン(7
1)、の分割と同じ機構で除去される可能性がある。従
つてTA4抗原の2つのペプチドは、連続したヌクレオチ
ドの配列でコードされ、少くとも1つの蛋白質分解段階
がAla−162点から始まる8,000ダルトンのペプチドを発
生させる。
例7 胞子形成中のTA4抗原の出現 胞子形成のどの時期にTA4抗原が発生するかを決める
ために、特定のモノクロナール抗体Ptn9.9D12との免疫
反応によつてその出現を測定した。モノクロナール抗体
Ptn9.9D12は、TA4抗原と反応する胞子体中和性のモノク
ロナール抗体である。還元条件下では、TA4抗原のモノ
クロナール抗体Ptn7.2A4/4との反応性が破壊される。し
かし、還元状態でSDS PAGE ウエスターン ブロツト上
では、モノクロナール抗体のPtn9.9D12はTA4抗原の17,0
00ダルトンのポリペプチド成分と反応する。
最終PBS洗滌の直後に開始して(例1を見よ)1×107
卵嚢を含む等分した部分標本を24時間まで4時間の間隔
で取り出し、更に胞子形成開始後36時間から48時間にも
取り出した。胞子形成卵嚢は7−800xgで10分間遠沈
し、上澄を取り除いた。遠沈団塊はドライアイス/メタ
ノール浴で急凍結し、分析に用いる迄−70℃で保存し
た。
各団塊は20mMのTris−HCl(pH7.5)、50mMのMgCl2、2
5mMのNaClと同容積のガラス玉の中で解凍した。激しく1
0分間の振盪をした後、200ミクロリツトルの2×SDS試
料入り緩衝液(35)を加えた。試料は3分間沸騰させ、
遠沈して屑を除き、各試料の25−50ミクロリツトルをSD
Sポリアクリルアミドのゲル(25%傾斜)に加え分析に
供した。蛋白質はニトロセルローズのシートに移した
(5,75)。ニトロセルローズ上の蛋白質吸着位置の残つ
ているものは、3%の(w/v)ゼラチン、10mMのTris−H
Cl(pH7.5)、150mMのNaClと、0.05%(w/v)のNaN3
で30分間室温でブロツクした。ニトロセルローズ濾紙
は、モノクロナール抗体Ptn9.9D12(3%(w/v)の牛血
清アルブミン、10mMのTris−HCl(pH7.5)、150mMのNaC
lと0.05%(w/v)のNaN3中に約10ミクログラム/ml)と
終夜4℃で保温した。そのニトロセルローズ濾紙を、50
−100mlの抗体稀釈緩衝液で3度洗滌の後、附着したモ
ノクロナール抗体Ptn9.9D12の位置と量とをVectastain
ABCキツトのマウスIgG用(Vector Laboratories,In
c.,Burlingame,CA)を用いて決定した。そのニトロセル
ローズ濾紙は、ビオチニー化した抗マウスIgG(80ミク
ロリツトルのビオチニイル化抗マウス抗体と80ミクロリ
ツトルの正常馬血清とを20mlの抗体稀釈緩衝液に入れた
もの)に浸して、ゆるく30分間室温振盪をした。ニトロ
セルローズ濾紙を、50〜100mlのNaN3を含まない抗体稀
釈緩衝液で3回洗滌した。このニトロセルローズ濾紙は
次に、Vectastain ABC試薬で30分間室温に保温した(8
0ミクロリツトルのAvidinDH試薬Aを80ミクロリツトル
のビオチニイル化した西洋ワサビのパーオキシダーゼ試
薬BとをNaH3を含まない抗体稀釈緩衝液の15mlで混合
し、濾紙に添加する前に30分間前保温を施したもの)。
3回の洗滌後、添着した西洋ワサビのペルオキシダーゼ
を4−クロロ−1−ナフトール(Sigma Chemical Co.,S
t.Louis,MO).で呈色し測定した。このブロツトは、呈
色液(3mg4−クロロ−1−ナフトール/mlメタノールと
5ミクロリツトルの30%の過酸化水素とを、10mlの10mM
Tris−HCl(pH7.5)と150mMのNaCl中にと混ぜたもの2m
l)で10〜30分間保温した。Ptn9.9D12中の反応性物質の
位置と量を示す紫色バンドが現れた後に、そのニトロセ
ルローズのシートを2回水洗し、風乾して、暗所貯蔵し
た。
TA4抗原の17000ダルトンのポリペプチドは、モノクロ
ナール抗体Ptn9.9D12と免疫反応をするが、この成分
は、胞子形成開始後16から24時間に現れ始め、その後経
続する(図1)。この16時間は、胞子形成中の卵嚢内で
スポロサイトになるはずの4つの構造が伸長を始める時
に相当する。
例8 TA4抗原をコードしたmRNAの分離と同定 cDNAが合成される前に、TA4抗原をコードするmRNAが
胞子形成のどの時期に現われるかを決める必要があつ
た。2.5−5×108の卵嚢を含む等分した部分標本を4時
間間隔で無菌的に取出し(時間ゼロを含む)、胞子形成
開始後36時間後から48時間迄も同様に取出した。この胞
子形成中の卵嚢は7−800xgで10分間遠沈にかけ、上澄
を取除いた。その遠沈団塊はドライアイス/メタノール
浴で急速凍結し、RNAが分離される迄−70℃で保存し
た。
各団塊を、約10倍容積の5Mのグアニヂンチオシアネー
ト、20mMのTris−HCl(pH7.5)10mMのEDTA、5%(v/
v)のベーターメルカプトエタノールとの中で解凍し、
その卵嚢を等容量の1.0mmガラス玉と混ぜて10分間の強
振して速やかに破砕した。この試料を2%(w/v)のN
−ラウロイールサルコシンに入れた後、約8,000xgの遠
沈に室温でかけて屑を除去した。RNAは上澄からCsClク
ツシヨンの沈降(76)で分離した。
そのRNAの団塊を、20mMのTris−HCl(pH7.5)と50mM
のEDTA(pH8.0)、0.2%のSDSと100単位/mlのRNasinTM
(Promega Biotec,Madison,W1)及び10mMのベータメル
カプトメタノール中に再懸濁した。フエノールクロロホ
ルム:イソアミイルアルコール(24:1)とクロロホル
ム:イソアミイルアルコール(24:1)とで交互に2回づ
つ抽出した後、そのRNAを沈澱させて−20℃でエタノー
ル中に貯蔵した。全RNAで約100−300ミクログラムが、
2.5−5.5×108の卵嚢から分離された。
ポリAを含むRNAはオリゴーdTセルローズクロマトグ
ラフイ(2)で分離された。
全RNAを10mMのTris−HCl(pH7.5)、1mMのEDTAと0.2
%(w/v)のSDSと0.4MのLiCl中に入れて、オリゴdTセル
ローズ カラム(Type3、Collaborative Research,In
c.,Lexington,MA)にかけた。RNAはLiClを含まない同じ
緩衝液で40°において溶出された。約5−15ミクログラ
ムのA+RNAが2.5−5.0×108の卵嚢から分離された。
cDNA合成の鋳型としてポリA RNAを使う前に、TA4抗原
をコードしたmRNAの存在実証する事が必要でつた。TA4
抗原のmRNAが存在する事は、種々の胞子形成段階の卵嚢
から得たポリA RNAをTA4を蛋白質をコードするクローン
から得たDNAと交雑する事で実証された。胞子形成中の
各時点のポリA RNAの2ミクログラムをフオルムアルデ
ヒドを含むゲルで電気泳動した(44)。そのRNAをニト
ロセルローズ濾紙に移し、ノーザン ブロツト分析にか
けた。このニトロセルローズ濾紙を、E. tenellaのゲ
ノムのクローンで、予め[32P]−dATP(44)でニツク
翻訳してある108−1(Figure5)と呼ぶ785塩基対のSac
I−PvuII断片で検索した。TA4抗原をコードするmRNAは
胞子形成開始後約16−20時間後とそれ以後に存在した
(Figure6)。TA4抗原のmRNAが現れる時間は、TA4抗原
の17,000ダルトンでウエスタン ブロツトでモノクロナ
ール抗体Ptn9.9 D12と免疫反応するサブユニツトの出現
と完全に一致する。これらの実験から、胞子形成卵嚢か
ら得たmRNAは、cDNAをTA4抗原でコードさせるのに使用
し得る事を実証した。
例9 TA4抗原をコードするcDNAクローンの分離と特性検定 cDNA TA4抗原をコードするヌクレオチドのシーケンスは、
容易に生育する、例へば大腸菌のような細胞の遺伝子と
して用い、ある種のEimeriaで起る鶏コクシジウム症の
予防接種用TA4蛋白質生産に用い得る。TA4遺伝子(figu
re5)には、三ケ所に、DNAのシーケンスが蛋白質のシー
ケンスと合致しない部分がある。これら3つのシーケン
スは、多くの真核生物遺伝子のコード部位内に典型的に
見出されるイントロンである。しかし、大腸菌では、イ
ントロン付の遺伝子は本来の蛋白質として発現されない
ので、TA4抗原をコードするcDNAのクローンを分離する
必要があつた。このクローンは、TA4抗原をコードする
シーケンスを一つながりで含んでいる。
cDNAの合成 短述して、例3に述べたように分離した胞子形成卵嚢
mRNAは、Ullrichその他(76)に述べられたようにAMV逆
転写酵素の活動でcDNAに転写された。転写は、TA4抗体m
RNAの3′−ポリアデニン化した末端において、オリゴ
−dTをプライマーとして始まる。第二のDNA鎖は、DNAポ
リメラーゼI(クレノフ断片)を用いて複写した。2ミ
クログラムのmRNAから、340ngのcDNAを得た。
詳細には、2ミクログラムのオリゴ−dT(12−18ヌク
レオチド、Pharmacia Molecular Biology Division,Pis
cataway,NJ)は、2ミクログラムの純化mRNAの50mMのNa
Clの存在下でアニーリングさせた。この除冷接着反応は
90℃に熱して後、徐々に冷却するものである。逆転写酵
素の反応には、デオキシヌクレオシド三燐酸(A,T,G,C
の4種)を0.5mMのと40単位の酵素(Molecular Genetic
Resources,Tampa,FL)に加へた。逆転写反応緩衝は、
次の如くである:15mMのTris−HCl、pH8.3と21mMのKClと
8mMのMgCl2と0.1mMのEDTAと30mMのベーターメルカプト
エタノール。この混合物は、42℃で45分間インキユベー
トした。このRNA−DNA複鎖はフエノール クロロフオル
ムで1回抽出し、次に、エタノールで沈澱させた。団塊
にした試料は、次に100ミクロリツトルの、次に示す諸
品による反応混合物に再懸濁した:20mMのTris−HClpH7.
5と5mMのMgCl2と100mMのKClとそれぞれ250mMのdATP、dC
TP、dTTP、dGTP。
RNA分解酵素H(100単位/mlのPharmacia Molecular Bio
logy Division,Piscataway,NJ)およびDNA重合酵素I…
Klenow断片(50単位/ml Boehringer Mannheim,Indianap
olis,IN)とを、合併し、12℃で60分のインキユベート
して反応させた。これら酵素の合併活性で、そのRNA−D
NA複鎖からmRNAを取り外す、それは最初のcDNA鎖が次の
cDNA鎖の合成として用いてあるためである。この反応
は、EDTAを最終濃度を10mMに加へる事で止め、次にDNA
複鎖をフエノール:クロロフオルムで抽出しエタノール
で沈澱させた。DNAポリメラーゼIとRNAゼHの反応順序
は、3′と5′の両端で整末端のcDNA分子となる事を予
想された。3′末端が整末端である事は、以後のcDNAク
ローニングに必要である。
TA4のcDNAライブラリーの構築 DNAは、100ミクロリツトルの滅菌水に再懸濁した。cD
NAを蔵書としてクローン化するには、ゲノムのクローン
108−1のDNAシーケンスから決定してある制限分断位置
を用いた。1つのSacI位置が、TA4抗原の1,7000ダルト
ンの成熟サブユニツトのN−末端グルタミンの直ぐ上流
にある。SacI(50単位/ml)によつて、6mMのTris−HCl
(pH7.4)と6mMのMgCl2と6mMのベーターメルカプトエタ
ノール存在下で、60分間37℃で約50ngが消化された。
この試料は、フエノール:クロロフオルムで再抽出
し、エタノールで沈澱した。クローン化の段階として、
pUC18ベクター(56)を用いた。そのベクターは、Sac
SmaIとで消化を施してあつた。SmaIは、cDNAの3′
末端のリガーゼ接着に必須な整末端位置を提供した。そ
のリゲーシヨン反応は、40ngのベクターDNAと50ngのcDN
Aとを用いて行つた。リゲーシヨンは、50mMのTris−HCl
(pH7.8)と10mMのMgCl2と20mMのヂチオスレイトールと
1.0mMのrATPとのリガーゼ緩衝液に1単位のT4DNAリガー
ゼを用いて1夜12℃で行つた。
組換DNA分子は、次に形質転換で大腸菌K12、系統MH1
に導入した。この形質転換バクテリアは、抗生アムピシ
リンを濃度50ミクログラム/ml含有する寒天プレートに
拡げた。プラズミドpUC18(56)はアムピシリン耐性遺
伝子を持つので、組換プラズミドを得たバクテリアだけ
が生き残つた。これらのバクテリアは各々生育してバク
テリアコロニーを形成するため分裂した。コロニー中の
各細胞は最初の親細胞の子孫であつて、同一の組換プラ
ズミドを保有する。約6700のクローンが組換プラズミツ
ド作用のため50ナノグラムのcDNAから得られた。
TA4 cDNAクローンの同定 このcDNAライブラリーは、GrunsteinとHogness(20)に
述べてある高密度スクリーニング法でコロニー交雑によ
りスクリーニングした。ゲノムクローンの75塩基対のSa
cI−PvuII断片は純化して、ニツク−翻訳(44)によつ
32Pで標識した。ポジテイブのクローンは同定し、純化
して、又プラズミドDNAは更に分析するために分離し
た。ポジテイブのcDNAのクローンに対する制限酵素分析
は、ゲノムのクローンにおける地図と合致した。pTCD26
と呼ぶクローンのcDNA挿入は、ゲノムのクローン(62)
に対応するように作つたオリゴヌクレオチドを使つたヂ
デオキシ配列決定により配列を行つた。cDNA PTCD26ク
ローンの塩基配列は、図表7に示す。このcDNAのクロー
ンは、大腸菌の系統JM83に形質転換をし、そのJM83/pTC
D26と指定した系統はAmerican Type Culture Collectio
n,Rockville,MD,に寄託し、TACC受入番号53315を付与さ
れた。この寄託は、Budapest条約にもとづくものであ
る。そのDNA配列は、ゲノムのクローンから予測されて
いたものである。そのcDNAから予測されたアミノ酸配列
は、蛋白質の微量配列方法から得たアミノ酸配列と一致
した。
例10 大腸菌内におけるcDNA誘導TA4抗原遺伝子の発現 cDNA誘導のTA4の直接発現プラズミドの構築 cDNAのクローンは、TA4蛋白質を細菌内で合成する遺
伝子を提供する。ただし、そのcDNAは大腸菌内で転写と
翻訳をさせるに適切な信号を含まない。従つて、クロー
ン化したcDNAは、大腸菌中で挿入されたcDNAの蛋白質合
成を上流ではじめるため、RNAポリメラーゼとリボソー
ム添着位置に対する強い催進要素を含む発現ベクターに
挿入された。ここで用いられるとおりTA4蛋白質という
用語は図表7のcDNAの発現産生物又は組換TA4誘導物質
で細菌宿主細胞内で生成されたいかなるものをもいう。
TA4抗原という用語は、ゲノムのTA4DNAにより発現され
た自然発生の物質をいい、胞子小体の表面に存在する
か、又は胞子小体から分離精製されたものを指す。
発現ベクターのpWHA33とpWHA63とは、諸遺伝子を挿入
すれば、大腸菌でそれが発現できるように構築したもの
である。その技術に熟達している者には既に知られてい
る他の適切なプラズミドも同様に使用できる。プラズミ
ドpWHA33とpWHA63とは適当なプラズミドの2例である。
pWHA33プラズミドは、3つのプロモーター(lac,Lambda
PRおよびtrp)を持ち、いずれも挿入された遺伝子の転
写を指令する。これらプロモーターと、プラズミドpDR4
50からのプロモーターtac(61)Pharmacia Molecular B
iology Division,Piscatway,NJ)とを各々の組合せで所
持するプラズミドを構築した。プラズミドpWHA33とpWHA
63との構造は図表8に図示する。
TA4蛋白質を大腸菌内で合成させる1つの方策は、リ
ボソーム添着点と、コーデイングするシーケンスの前
に、メチオニンのコドン(ATG)を単に供与することで
ある。そのような直接発現プラズミドをTA4蛋白質用に
構築するには、cDNAクローンであるpTCD26をSacIで分
断して、次にDNAポリメラーゼIであるKlenow断片で処
理して両端を整末端にする。オリゴヌクレオチド連結因
子であるCOD−154を整へたSacI分断末端に結紮して蛋
白質合成を開始させるATGコドン及び、pWHA63のBamHI位
置に挿入してクローン化する時に要るBamHI位置を提供
する。COD−154の構造は: COD−154の開始コドンATGの直前にTTを挿入すると、
翻訳開始の効率を高める。
リガーゼでオリゴヌクレオチドCOD−154をpTCD26の整
末端に接着した後、その産物をBamHIで消化した。TA4遺
伝子を含む1276塩基対の断片はポリアクリルアミドのゲ
ル上で純化し、次に発現ベクターpWHA63のBamHI位置に
結紮して、プラズミドpDET1を製作した。pDET1の構造は
図表8により図示表示する。もう一つの直接発現プラズ
ミドpDET2は、pDET1から、pDET1をHindIIIで消化してla
mbda PRとLambda CIとを含むHindIII断片を取除き、残
部を再びリゲース接着して構築した。pDET1とpDET2の直
接発現ベクターは、大腸菌の系統REN3に形質転換導入し
た。
組換DNAおよび寄生微生物でここでREN3/pDET1およびR
EN3/pDET2として述べられているものは、American Type
Cultrue Collection,Rockville,MDに寄託し、ATCC受入
番号53316および53318を付与されている。これらの寄託
は、Budapest条約にもとづくものである。
クローン化した遺伝子産物の大腸菌内合成と分析 pDET1とpDET2を内蔵する細胞の溶解物は、TA4蛋白質
の有無について分析した。pDET1とpDET2とによつて合成
された蛋白質は、細胞溶解物をE. tenellaTA4抗原の、
還元して変性させた17,000ダルトンの蛋白質に対して生
成したマウス抗血清と共にウエスターンブロツト検索で
同定した。
pDET1とpDET2の発現は、先ず大腸菌系統W3110(W3110
は、野生型Lon+プロテアーゼ遺伝子を保有する)で分析
した。W3110/pDET1およびW3110/pDET2の培養物は、L−
ブロス(10g/lのトリプトン(Difco)と5g/lの酵母エキ
ス(Difco)と、5g/lのNaClとをNaOHでpH7.5としたも
の)に100ミクログラム/mlのアムピシリンを加へて生育
させた。最適の発現を得る為に、培養物は30℃で細胞密
度が1−5×108/mlになる迄振盪培養し、新しい培養液
で1:5に稀釈し、37℃で2から6時間振盪培養した。遠
心分離で細胞を収穫し、M9塩(6g/lのNa2HPO4と3g/lのK
H2PO4と0.5g/lのNaClと1g/lのNH4Cl)中で洗い、5×10
9/ml密度でLammliゲル資料緩衝(35)に再懸濁した。12
ミクロリツトルの資料を10分間、100度に熱し、12−1/2
%SDS−PAGEにかけ、Coomassieブルーで染めるか、又は
ニトロセルローズ薄片に移して1:1000稀釈のマウス抗血
清により上述したような還元変性した17,000ダルトンの
TA4ポリプチドを検索した。
TA4遺伝子のpDET1おびpDET2内での発現は、大腸菌のW
3110系では非常に低い。25,000ダルトンのTA4蛋白質
は、単に稀薄にウエスターン ブロツトに現れ、全細胞
溶解物のCoomassieブルーで染めたポリアクリルアミド
のゲルではバツクグラウンドの色の上には可視できず、
この蛋白質の合成量が大腸菌の全蛋白質の0.5%以下で
あることを示唆している。
見かけ上の、pDET1およびpDET2の低発現は、TA4蛋白
質が大腸菌W3110内で不安定なためであつたと思われ
る。その他の真核生物諸蛋白質も、大腸菌で合成される
と不安定である事が示されている(18)。従つて、プラ
ズミドpDET1とpDET2とがlonプロテアーゼを欠く大腸菌
系統MTM6(7)に形質転換導入した。MTM6はLon系AB189
9(CGSC#1899)の非ムコイド誘導体である。
TA4遺伝子のpDET1およびpDET2内での発現は、系統MTM
6(Lon-)で大幅に増進している。発現はW3110について
上述のように分析した。図表9では、W3110(Lon+)とM
TM6(Lon-)でのpDET1の合成を比較している。pDET1か
らpDET2かいづれかのDNAを内蔵する系統は、還元して変
性したE.tenellaTA4抗原に対してつくられたマウス抗血
清に免疫反応を示す25,000ダルトンのポリペプチドを生
産した。これらの結果は、TA4抗原遺伝子がコードして
いる25,000ダルトンの蛋白質が、E.tenella内ではジス
ルフイツドボンドにより結合した17,000ダルトンと8,00
0ダルトンのポリペプチドに分断されているが、この翻
訳後の処理は大腸菌内では起らないことを示している。
溶解した材料を遠心分離法により可溶成分と非可溶成
分とに分ける場合、大部分の25,000ダルトン蛋白質は不
溶性の細胞溶解物の断片内に偏在する(図表9)。この
非溶解性蛋白質は胞子体膜中でTA4抗原を認識するか、
又はジスルフイツドボンドを還元することなく胞子体膜
から抽出した単クローン抗体Ptn7.2A4/4と免疫反応を示
さない。
pDET1とpDET2との発現度はLon+の大腸菌で低いため並
びに、Lon-大腸菌は大規模培養を行うのには非実用的で
あるために、TA4蛋白質は他の蛋白質との融合によりそ
れを安定化した。適当な蛋白質は如何なるものでも、こ
の蛋白質融合に採用することができる。以下の例では、
適当と思われる2つの蛋白質のみを図示することにとど
める。即ち、ベータガラクトシダーゼおよびプロキモシ
ンである。
例11 大腸菌内におけるベーターガラクトシダーゼ融合蛋白質
としての、TA4蛋白質の発現 ベーターガラクトシダーゼ−TA4発現プラズミドの構築 プロテアーゼ欠失系統において、遺伝子工学で作るTA
4蛋白質の最大収量をうる観察は、TA4蛋白質が正常大腸
菌細胞内での劣化によることを示唆している。TA4遺伝
子融合プラズミドの構築は、TA4蛋白質を大きな蛋白質
に付着させることにより、TA4を大腸菌内で安定させる
という理由によるものである。数種の真核生物蛋白質
は、融合蛋白質(17,28)としてバクテリア内で、安定
性が更に高くなる。
組換プラズミドpBGC23は、雑種で、ベーターガラクト
シダーゼTA4抗原の融合蛋白質の発現用に構築したもの
である。それはlac調節部位を含むプラズミツドpDK
2で、実質的にはプラズミツドpBR328のEcoRIに挿入され
たlambda Plac(22,62)からのベーターガラクトシター
ゼ遺伝子(1008コードン)から、及びcDNAクローンopTC
D26から誘導される。pBGC23の構築は図式にて図表10に
示す。pDK2以外の安定したプラスミドも使用可能であ
る。プラズミドpDK2は適当なプラズミドの1つの事例で
ある。
TA4のcDNAシーケンスを含むpTCD26から得た1276塩基
対のEcoRI−BamHI断片は、pDK22を創出するため予めEco
RIとBamHIにより消化されているプラズミツドpDK2にク
ローン化されたものである。
クローンpDK22は、予期したプラズミドを含み、その
中ではTA4cDNAのシーケンスがベーターガラクトーシダ
ーゼのコードシーケンスのC末端部に、融合化されてい
たものである。しかし、このプラズミド中では、cDNA誘
導によるTA4のコーデイングシーケンスが、ベーターガ
ラクトシダーゼのものと同一位相にはない。従つて、プ
ラズミドpDK22は、EcoRIで消化され、DNAポリメラーゼI
Klenow断片で処理し、次いでTA4のコーデイングシーケ
ンスを正当な読取り枠にはめるため再結紮された。この
プラズミドはpBGC23として指定されたもので、ベーター
ガラクトシダーゼ(lacz)のc−末端部に融合したTA4
の蛋白質からなる蛋白質をコード化する雑種遺伝子を含
む。pBGC23は大腸菌の系統JM83とREN3とを形質転換する
ために使用された。
その組換DNAと、REN3/pBGC23としてここに述べるその
宿主微生物とは、American Type Culture Collection,R
ockville,MDに寄託し、ATCC受入番号53317を付与されて
いる。この寄託は、Budapest条約にもとづくものであ
る。
クローン化遺伝子産物の発現と分析 pBGC23にコード化された蛋白質は、事例10による記述
どおり純化、還元、変性した17,000ダルトン分単位のE.
tenellaTA4抗原に対し、マウス血清を使用して細胞溶
解物のウエスタンブロツトを検索することにより同化し
たものである。JM83/pBGC23およびREN3/pBGC23は、0.1
%のプドー糖と100ミクログラム/mlのアムピシリンを補
足されてL−ブロスで培養した。培養物は37℃で1晩振
とうし飽和状態に生育させた。細胞は遠心分離により収
穫し、M9塩中にて洗浄し、5×109/mlの密度でLaemmli
ゲル資料緩衝液に再懸濁した。この資料の20ミクロリツ
トルは10分間100℃で加熱し、7−1/2%のSDS−PAGEに
かけ、そしてCoomassieブルーで染色するか、又は、ウ
エスターンブロツトにかけるかの何れかによつた。
染色、免疫汚点付けしたゲル(図表11)は、予期した
135,000ダルトンの融合蛋白質がJM83/pBGC23およびREN3
/pBGC23の培養で合成されているが、JM83単独では合成
されてはいないことを示した。そのウエスターン ブロ
ツトは、その蛋白質がE. tenellaTA4抗原の還元、変性
したものに対しマウス清血を使つて免疫活性であること
を示す。図表8は、その蛋白質が細胞溶解物の不溶性断
片中にある事を示す。上述のように生育された培養物
は、リソザイムとEDTAによる処理後超音波で溶解し、次
に細胞膜は2%のトリトンで1晩4℃にて溶液化された
ものである。不溶性物質は、遠心分離法により収集さ
れ、135,000ダルトンのpBGC23の産生物はこの断片中に
あつた。
pBGC23の蛋白質は大腸菌で高水準で合成されている
が、しかし不溶性であり、単クローン抗体、Ptn7.2A4/4
に反応しない。更に、この不溶性pBGC23蛋白質はマウス
に注射した場合、天然のTA4抗原と交叉反応をする抗体
を産生しない。
例12 E.COLI中のプロキモシン融合タンパク質としてのTA4タ
ンパク質の発現 pDET1、pDET2またはpBGC23を含む細胞が生成したタン
パク質は大部分または全体的に不溶性であり、そのため
明らかにモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4に対し活性でな
い。不溶性で不活性な形でE.coli中で生成されたその他
の真核タンパク質は可溶性となり、その活性をとり戻す
ことが認められた。このようなタンパク質の1つがウシ
のプロキモシンである。TA4cDNA配列をプロキモシン用
に開発された方法により可溶化及び活性化された不溶性
融合タンパク質の生成のためにウシのプロキモシンと融
合させた。融合タンパク質の特有の再結合の範囲は、キ
モシンの活性を追跡することによりモニターすることが
できた。
プラスミドコード化プロキモシン−TA4融合タンパク
質はTA4cDNA配列をクローン化されたウシのプロキモシ
ン遺伝子pWHA43に組み入れる方法すなわちそれはE.coli
中の安定ではあるが不溶性型のプロキモシンの合成を指
令するもので、その方法により作成された(47)。その
他のプラスミドも利用できるものがある。適切なプラス
ミドの1つはpWHA43である。
プロキモシン−TA4遺伝子融合を構築するためpWHA43
を図12に示すようにpWHA93に転換した。始めにtacプロ
モーターpDR540(61)を特定制限エンドヌクレアーゼ置
換によりpWHA49を生成するためtrpプロモーターに置換
した。次にプロキモシンの正常停止コドンをpWHA93を得
るために、pMH22の修飾プロキモシンC末端部位にpWHA4
9のプロキモシン遺伝子のC末端部位を置換して取り除
いた。pMH22はcDNAのクローンP5G3の遺伝子の半分のC
末端を含み、そのC末端はプラスミドpUC18中のポリリ
ンカー及びβ−ガラクトシダーゼ遺伝子フラグメントの
プロキモシンBcl1位(停止コドンの欠失位)は融合され
たものである。プロキモシン−TA4遺伝子融合の構築で
は1294bpのフラグメントpCOC12をEcoRI及びPst1の酵素
と消化させてcDNAクローンpTCD26から取り除き、次いで
DNAブラント末端を形成するためにヤエナリヌクレアー
ゼと消化させた。プラスミドpWHA93をXbaIと消化させ、
ヤエナリヌクレアーゼと処理し、ブラント末端ベクター
を組換えプラスミドpCOC11を生成させるためTA4cDNA配
列(ヤエナリヌクレアーゼ処理後の1286bp)を持つブラ
ント末端と連結した。この連結後TA4誘導配列はプロキ
モシンのコード配列の読み取りフレームからはずれてい
ることがわかつた。読み取りフレームを変えるためpCOC
11をSac1及びヤエナリヌクレアーゼと消化し、次にpCO
C12を生成させるため再連結を行つた。pCOC12の構造は
図13に図表として示した。プラスミドpCOC12をNarIの
消化及び再連結による2つのNarIフラグメントの除去
により、プロキモシンまたはTA4配列を欠失せずにプラ
スミドの量を減らして、pCOC14に修飾した。プラスミド
pCOC14をSph1との消化及び再連結による249bpSphIフ
ラグメントの除去によりpCOC20に修飾した。pCOC20のプ
ロキモシン配列中の249ヌクレオチドの欠失は正しい読
み取り枠を保持しており、融合タンパク質のプロキモシ
ン部位の83アミノ酸の欠失を生じることになる。
発現研究のためpCOC12及びpCOC20をREN3菌株、CY1500
1のバクテリオフアージT1耐性誘導体、W3110のtrpR誘
導体中に形質転換した。REN3/pCOC12及びREN3/pCOC20と
してここで記述する組換えDNA及び宿主微生物はメリー
ランド州ロツクビルのアメリカン基準培養収集社に預託
され、ATCCの受け入れ番号がそれぞれ53314及び13313と
つけられた。これらはブタペスト条約にもとづいて実施
された。
クローン化した遺伝子生成物の発現及び分析 pCOC12及びpCOC20DNAによりコード化されたタンパク
質を、事例10に記述するとおり、電気泳動及びニトロセ
ルロース紙への移動による分別法に従い免疫学的に同定
した。
REN3/pCOC12及びREN3/pCOC20を0.1%グルコース及び1
00μg/mlアンピシリンを加えたL−ブイヨン中で30℃1
晩振とうして飽和した。細胞を遠心分離により採取しM9
塩で洗浄し、Laemmliサンプル緩衝液に再懸濁した。サ
ンプルを100℃で10分加熱しSDS中で10%ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を行い、記述どおりクーマシーブルー
で染色するかまたはニトロセルロース紙に移して免疫学
的分析を行つた。
トリトンに不溶性の物質は例11に記述するとおり、RE
N3/pCOC12及びREN3/pCOC20の培養によつて調整し、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動を行つた。
図14に示した染色されたゲル及びウエスタンブロツト
は、pCOC12DNAが、予想分子量約65,600ドルトンの還元
及び変性を受けたE. tenellaTA4抗原に対するマウス血
清に免疫活性であるポリペプチドをコード化することを
示している。予想どおりタンパク質は細胞溶解質の不溶
性分画中に存在している。プラスミドpCOC20DNAは予想
分子量56,500の免疫活性ポリペプチドをコード化する。
pCOC20のTA4タンパク質もまた細胞の不溶性分画中に存
在する。
例13 不溶性状態からのTA4タンパク質の抽出及びモノクロナ
ール抗体Ptn7.2A4/4との免疫活性の証明 プラスミドpDET1、pDET2、pBGC23、pCOC12、pCOC20で
表わされるE.coliの生成物は、すべて水にわずかしか溶
けないかまつたく不溶性である。このプラスミドはすべ
てLaemmliサンプル用緩衝液中で沸騰させると溶解し、1
7,000ドルトンのTA4抗原サブユニツトに対して隆起する
マウス抗血清と反応するようになる。しかし、この条件
ではモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4とはどれも反応しな
い。そのため、モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4と反応す
る抗原を生成するためこれらのE.coliの合成するタンパ
ク質を可溶化及び再生することが必要であつた。その結
果動物中のE. tenellaに対して反応する中和及び防御
抗体の隆起が可能となつた。
細菌的に生成したTA4タンパク質の抽出及び再生 最初にpCOC12タンパク質を活性酵素生成するためウシ
のプロキモシンの可溶化及び再生法として知られる方法
により可溶化及び再生を行つた(47)。この方法により
プロキモシン活性(キモシンに対する酸活性化後のミル
クの凝固)及びPtn7.2A4/4免疫活性の両方を持つ純粋で
水溶性pCOC12タンパク質が生成された。免疫活性の回復
条件が最適化されたので下記のとおり記述する。
プラスミドpCOC12を上記のようにウシのプロキモシン
のコード配列の3′末端とTA4ポリペプチドのコード配
列の5′末端とを融合することにより構築した。このプ
ラスミドは標準的な手法を用いるE.coli菌株REN3の形質
転換に使用され、アンピシリン耐性コロニーは精製され
て培養に使われた。新たに溝をつけた寒天プレートのア
ンピシリン耐性コロニーをL−ブイヨン及び100μg/ml
アンピシリンを含む液体培地5mlの接種に使用した。培
養物を細胞の濁りが目で見えるようになるまで、37℃で
数時間振とうして生育させた。培養物5mlが0.1%グルコ
ースを添加したL−ブイヨン/アンピシリン溶液1の
入ったフラスコに移された。この培養物を定常期に到達
するまで30℃で振とうして生育させた。細胞を遠心分離
により収集し、−70℃で冷凍保存した。pCOC12を含むE.
coli菌株REN3の凍つた細胞ペースト10gを25mMトリス塩
酸pH8、10mMEDTA、1mg/mlリゾチームを含む溶液100ml中
に懸濁させた。短時間インキユベートした後、溶解した
細胞をさらに音波により粉砕した。E.coli中で合成され
たプロキモシンは細胞膜及び膜タンパク質を溶かす非イ
オン性洗浄剤が存在していても細胞溶解質中では完全な
不溶性を示してきた。pCOC12によるコード化したプロキ
モシン−TA4融合タンパク質の部分的な精製を、細胞溶
解質の10,000gで10分間の遠心分離により行い、次いで
2%トリトンX−100洗浄剤(シグマ化学社、ミズーリ
州セントルイス)を含む緩衝液でペレツト状の細胞の残
屑の洗浄剤による抽出を1晩かけた行つた。不溶性のま
ま残つた融合タンパク質を遠心分離により収集した。
この精製法は2%トリトンX−100を含む溶液で不溶
性物質を更に洗浄することにより若干改良された。pCOC
12プロキモシン−TA4タンパク質をpH7.5の10mMリン酸ナ
トリウム緩衝液63ml或いは12.6ml中に懸濁させた。この
懸濁液に固体尿素を最終濃度がそれぞれ10ml或は20ml中
に6〜8Mとなるように添加すると懸濁液が完全に溶解す
る。
プラスミドpBGC23は、図10に図示したようにE.coliβ
−ガラクトシダーゼのコード配列3′末端をTA4ポリペ
プチド誘導cDNAのコード配列5′末端に融合することに
よりそれを構築した。このプラスミドはE.coli菌株JM83
(上述のとおり培養したもの)の形質転換に用いた。β
−ガラクトシダーゼ−TA4融合ポリペプチドは、細胞溶
解質中では不溶性であることがわかり、また上述の方法
でJM83/pBGC23の凍結細胞ペースト10gから、それを分解
再生した。プラスミドpDET2は上記の図示したとおり、
融合ポリペプチドとしてよりむしろTA4タンパク質を直
接発現するものとして構築した。pDET2の最適収量が得
られたのはプラテアーゼ欠失E.coli菌株MTM6中からであ
つた。この菌株は次の例外を除いて上述の方法で培養さ
れた。30℃で生育した培養細胞1が吸光度0.5(600nm
における吸光度)になつた時、温度は1〜2時間で37℃
まで上昇した。細胞を採集し、−70℃で冷凍保存した。
MTM6/pDET2の凍結細胞ペースト10gを上述の方法を用
いて溶解し、トリトン不溶性タンパク質を分離して上述
のとおり尿素に溶解した。可溶性タンパク質はpH8.5の
リン酸ナトリウム緩衝液10mMに対する過剰透析により再
生した。
再生サンプルの免疫検定法 モノクローナル抗体ptn7.2A4/4で再生されたpCOC12、
pCOC20、pDET2及びpBGC23タンパク質をE. tenellaスポ
ロシストから精製されたTA4抗原に関して測定した。ミ
クロタイタープレートのそれぞれの井戸(イムロンIミ
クロエリサ平底井戸プレート、ダイナテツク研究所
(株)、アレクサンドリアVI)にpH8.0、10mMリン酸水
素二ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.01%ツビツ
タージエント 3−12を含む溶液で希釈した抗原100μ
lでコートした。再生サンプルとして1:10から1:1000の
割合に希釈した抗原について試験をした。精製したE.
tenella抗原を0.5〜10ng/井戸で平行して試験した。プ
レートに室温で1時間次に4℃で1晩、抗原溶液とイン
キユベートすることにより抗原をコートした。井戸は空
にしてから0.02%(v/v)トウエーン20(PBST)を含む
リン酸緩衝液でpH7.2にした生理食塩水で3回洗浄し
た。プレートは3%(w/v)ゼラチン、10mMトリス塩酸p
H7.5、150mM塩化ナトリウム、0.005%(w/v)アジ化ナ
トリウムを含む溶液で室温で30分処理して残つているタ
ンパク質結合部位をブロツクした。それからプレートを
モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4(3%[w/v]ウシ血清
アルブミン中で30μg/ml)、10mMトリス塩酸pH7.5、150
mM塩化ナトリウム、0.05%(w/v)アジ化ナトリウムを
含む溶液で室温で2時間インキユベートした。井戸をPB
STで3回洗浄後、結合モノクローナル抗体PtnA4/4は、
マウスIgG用のベクタステインTMABCキツト(ベクター研
究所(株)カリフオルニア州バーリンガム)を用いて測
定した。プレートの各々の井戸はそれぞれビオチン化し
たウマ抗マウスIgG100μlで満たし(ビオチン化抗マウ
ス抗体40μl及び正常なウマ血清80μlを10mlPBST中に
含む)、室温で30分インキユベートした。プレートをPB
STで3回洗浄した。それからプレートにベクタステイン
ABC試薬100μl/井戸加えて室温で30分インキユベート
した(PBST中でビオチン化西洋ワサビペルオキシダーゼ
8.0μlと混合したアビジンDH試薬A80μlをプレートに
加える前に30分間プレインキユベートした)。PBSTで5
回洗浄してから結合した西洋ワサビペルオキシダーゼを
100μl基質/井戸(pH5.3の50mMクエン酸/リン酸緩衝
液中に0.1mg/mlの2.2′−アジ)−ジ−(3−エチル−
ベンズチアゾリン−6スルホン酸と0.015%(v/v)過酸
化水素を加えた溶液)を加えることにより測定した。プ
レートを暗室で室温でインキユベートした。414nmにお
ける吸光度を基質を加えてから10〜60分後にタイターテ
ツクマルチスキヤン 自動プレート読み取り器(フロー
研究所(株)、バージニア州マツクリーン)中で測定し
た。
種々の再生抗原(たとえば、pBGC23、pCOC12、pCOC20
およびpDET2によりコード化されたもの)の相対的免疫
活性をE. tenellaオオシストから抽出したTA4抗原のそ
れと比較した。それぞれのタンパク質の量の増加分をミ
クロタイタープレートの井戸に加えそれぞれの井戸中の
反応OD414を存在する抗原量に対してプロツトした(図1
5)。細菌的に生成された上述の変性/再生処理に従う
タンパク質の免疫活性は、モル平衡基準でE. tenella
から抽出されたタンパク質の活性の10〜30%の範囲であ
つた。
例14 不溶な状態からの免疫反応直接表現TA4タンパク質の抽
出 大腸菌の産物である表現プラスミド、pDET1、pDET2
pBGC23、pCOC12およびpCOC20は、全てほとんど、あるい
は全く不溶性である。これらは全て、Laemmli検体緩衝
液中で沸騰して可溶化でき、17000ダルトンのTA4抗体サ
ブユニツトに対して生成されたマウス抗血清と反応す
る。しかしながら、これらの条件下では、いずれも、モ
ノクローナル抗体、ptn7.2A4/4と反応しない。それ故、
モノクローナル抗体ptn7.2A4/4と反応し、その結果、動
物で、E.tenellaに対して中和、保護作用を有する抗体
反応を生じるような形で、抗原を生成するために、これ
らの大腸菌により合成されるタンパク質を可溶化し、復
元することが必要であつた。
TA4抗原−プロキモシン融合pCOC12の可溶化および復
元化が報告されている。
プラスミドpDET2は、上因に示されているように、融
合ポリペプチドとしてよりもむしろTA4タンパク質を直
接的に表現できるように構成されている。pDET2の最適
な収率は、プロテアーゼ欠乏症大腸菌MTM6およびSG936
で達成された。
抗原回収の培条件を最適化させ、下記に記す。
pDET2タンパク質は、TA4プロキモシン融合を可溶化
し、復元し、免疫反応抗原(例13)を生成することが知
られている方法により、可溶化、復元した。この方法で
は、ptn7.2A4/4免疫反応性を有した純粋な可溶性、pDET
2タンパク質を生成した。
プラスミドpDET2は、上述のように調製された。この
プラスミドを標準的な方法を用いて大腸菌SG936株を変
換させるために使用し、アンピシリン耐性コロニーを精
製し、培養のために用いた。新しく画線した寒天板から
のアンピシリン耐性コロニーを、L−肉汁およびアンピ
シリン100μg/mlを含む100mlの液体培養の接種に用い
た。培地は、振とう下で、30℃、一昼夜増殖させた。10
0mlの培地を、1のL−肉汁/アンピシリンを入れた
フラスコ中殺した。この培地を30℃、振とうしながら、
OD600が1.0になるまで増殖させた。IPTGを2mMに加え、
培地を30℃で、2〜3時間以上増殖させた。細胞は遠心
分離で集め、−70℃で凍結貯蔵した。pDET2を含む大腸
菌SG936の凍結細胞ペースト5gを25mMのトリスー塩酸pH
8、10mMのEDTA、0.5mg/mlのリゾチーム、40ml中に懸濁
した。短いインキユベーシヨン後、溶解細胞はさらに音
波処理により破壊した。大腸菌で合成されたpDET2タン
パク質が、細胞溶解物中に完全に不溶性であることが明
らかにされているため、pDET−2−デイング化TA4タン
パク質を100,000xgで1時間、細胞溶解物質を遠心分離
し、その後、5%トリトンX−100洗浄液(Sigma Chemi
cal Co.,セントルイス,Mo)、20mMEDTAを含む緩衝液中
で60分間、25℃、ペレツト化細胞屑を抽出して精製し
た。pDET2タンパク質は不溶状態にあり、100,000xgで遠
心分離により集めた。
pDET2不溶物質を12mlの10mM燐酸ナトリウム(pH7.5)
中に懸濁させ、残りの洗浄液を除くために、遠心分離に
より集めた。
pDET2TA4タンパク質を、10mM燐酸ナトリウム緩衝液
(pH7.5)中に、最終量が7.7nmlになるように懸濁し
た。懸濁液は、5.8gの固体尿素を最終量1200mlになるま
で加えて、十分に可溶化した。懸濁液は良く混合し、10
分間、15℃で放置する。容量12ml中8Mの溶液濃度のpH
は、その後、溶液を室温で16時間混合した。
得られた透明な液は、100容の10mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pM11.0に調整)で希釈し、最終容量が1200mlに
なるようにした。溶液をよく混合し、10分間、15℃に放
置した。溶液のpHは、0.5Nの塩酸を5分間にわたつて加
え、8.5に調整した。
得られた液は、測定と貯蔵の前に、1時間以上室温に
放置した。この液には、50−60%純粋な25,000ダルトン
のタンパク質、約10μg/mlが含まれた。例13で詳述した
ように、モノクロナール抗体Ptn7.2A4/4を用いて、検体
の免疫反応性を測定した。検体は、上述のpBGC23および
pCOC12からの復元抗原と同程度の活性を有した。タンパ
ク質は、後述のワクチン接種研究のために、2mg/mlまで
濃縮した。
例15 ニワトリでE.tenellaに対する保護反応およびスポロ
ゾイド中和血清を誘発するためのE.tenella TA4抗原お
よび11500ダルトンフラグメントの使用。
TA4抗原を用いたE.tenellaに対するスポロゾイド中和血
清反応の誘発 これらの実験で使用したTA4抗原は非還元性TA4抗原の
調製のために例4で記載した方法により、スポロシスト
から調製した。タンパク質の純度と同定は、ニワトリで
使用する前に、SDS−PAGEおよびモノクローナル抗体Ptn
7.2A4/4を用いた免疫反応性により確認した。
ワクチン製剤は、抗原1容に対し約5% Arlacel A、
94% Drakeol 6−VR、1% Tween 80から成る油状賦形
剤3容とし、各0.1mlの用量が約15μgのTA4抗原を含む
ように調製した。必要に応じて、抗原はPBS(pH7.2)で
製剤に望ましいレベルまで希釈した。ニワトリに0.1ml
を頸部筋肉用に投与した。抗原は2週間隔で同量を同一
の経路により、2回以上投与した。
タンパク質の各投与前の3日間および最終投与後11日
間、トリを浮血させ、血液検体を採取した。熱不活性代
血清は、例2で報告したようにスポロゾイト微量中和法
で独立して試験した。血清による寄生虫の中和はミゾン
トの発達を50%阻害する最大血清希釈に基づき評価し
た。
下記の表Iに記載した結果から、賦形剤のみを投与し
たワクチン非接触のトリでは、E.tenellaスポロゾイト
に対する中和抗血清価が証明されてなく、抗原の3用量
を投与したトリでは、中和抗血清価が証明されたことが
明らかにされた。表I.TA4抗原誘性スポロゾイト中和測
定法のデータ TA4抗原を用いたニワトリにおける保護反応の誘発 最終的なワクチン接種後63(82)日に数羽のトリに10
00ケの胞子形成、E.tenella卵母細胞を経口接種した。
この後、翌日に胞子形成E.tenella卵母細胞を3000ケ再
び経口接種した。
盲腸病変は最終感染後5日に評価した。結果を下記の表
IIに記載した。
TA4抗原を用いたE.tenellaに対するスポロゾイト中和
血清反応の誘発 これらの実験で使用した免疫原は、例4で記載したよ
うに、フエノール抽出法によりスポロシストから調製し
た。タンパク質の純度と同定は、ニワトリに使用の前
に、SDS−PAGEおよびモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4と
の免疫反応性により確認した。
凍結乾燥した精製抗原は、0.15Mの生理食塩水。燐酸
緩衝液中に溶解させ、約5%のArlacel A、94%Drakeol
6−VR、1%Tween 20から成る3容の賦形剤中に懸濁さ
せ最終濃度を70μg/mlとした。ニワトリの頸部筋肉に、
約14μgタンパク質/0.2ccを筋肉内投与した。その後、
2週間後に等量を同じ経路で投与した。
タンパク質の各投与の1日前、およびタンパク質の2
回目の投与後2週間にトリを浮血し、血清検体を集め
た。例2で記述したように、熱不活性化血清をスポロゾ
イト微量中和測定法で、別個に試験した。
表IIIに示した結果から賦形剤の4の投与のワクチン
非接種のトリでは、E.tenellaスポロゾイトに対する中
和抗血清価が証明されないが、抗原を2回投与したトリ
では、最大1:81までの力価の中和抗血清の証明されるこ
とが明らかにされた。
TA4抗原の11500ダルトンフラグメントを用いたニワトリ
における保護反応の誘発 ニワトリの頸部筋肉に、前述の賦形剤中に懸濁させた
約3μgの抗原を1回投与した。第2の群に賦形剤のみ
を投与した。ワクチンを接種していないもう1つの群
(見張りsentinel)のニワトリを前述の2群の各々と飼
育した。トリをE.tenellaにより汚染されたケージで飼
育し、コクシジウムに接触させた。約2週間後、ニワト
リを調べ、E.tenellaに感染していることが明らかにさ
れた。結果を、下記の表IVに示す。
上述の条件は、野外でのE.tenellaへの自然の暴露方
法と非常に良く似ているため、ここで示したデータは、
E.tenellaによるコクシジオイデス症に対する保護方法
か有用なことの明確な証拠となる。
ニワトリの中和血清抗体がTA4抗原の17,000ダルトンの
ポリペプチド成分を認識することの証明 TA4抗原の17,000ダルトンのポリペプチド成分に対す
る血清抗体の特異性の分析は、Westernブロツトを用い
て実施した(7.95)。E.tenellaスポロゾイトに対する
中和価の証明された全てのニワトリ抗血清は、TA4抗原
の17,000ダルトンのペプチド成分へ特異性を有する免疫
グロブリンを含むことが明らかにされた。逆に、無反応
あるいは対照のトリの血清は、17,000ダルトンのポリペ
プチドや他のスポロゾイトタンパク質に、特異性を示さ
なかつた。
ニワトリの中和性血清抗体がモノクローナル抗体Ptn7.2
A4/4と競合することの証明 対応する対照血清と共に、E.tenellaに対する中和抗
体価の証明された、ワクチン接種トリ血清の、スポロゾ
イト膜上の結合部位に対して、ptn7.2A4/4抗体と競合す
る能力を調べた。ポリスチレン96well elusters(Immur
on II)を、50μlのスポロゾイト膜タンパク質(10mM
グリシン緩衝液。生理食塩水、pH9.6に溶解)で、総タ
ンパク質約100μg1mlのレベルで感作した。血清の連続
2倍希釈液を、ptn7.2A4/4に結合させたアルカリ性ホス
フアターゼ1:80希釈を含む、0.0005% Tween−20添加の
0.15M燐酸緩衝液−生理食塩水中で調製し、感作プレー
トに、最終容量が75μl/ウエルになるように移した。37
℃で30分間インキユベーシヨン後、プレートを、PBS−T
wを用いた洗浄し、未反応物質を除いた。その後、1Mの
ジエタノールアミン緩衝液に溶解させたp−ホスホント
ロフエノールナトリウム塩のデイスクから成る基質(1m
g/mlの濃度)を、プレートの各ウエルに加え、最終量を
100μlとした。生じた反応生成物を、分光光度計によ
り測定した。研究から、中和や免疫斑により証明される
ように、ワクチン接種に反応したトリ血清がモノクロー
ナル抗体ptn7.2A4/4と競合する抗体を含むことを証明す
ることが可能であつた。この実験は、モノクローナルpt
n7.2A4/4を用いた免疫親和性クロマトグラフイーあるい
は通常のクロマトグラフイーにより、スポロゾイト膜か
ら精製した抗原は、ニワトリにおいてモノクローナルPt
n7.2A4/4により決定されるエピトープに対する免疫反応
を促進するという直接的な証拠を供する。
例16 ニワトリにおけるE.necatrixに対するスポロゾイト中和
血清反応を誘発するためのE.tenellaタンパク質の使用 11,500ダルトン成分を含むE.tenellaTA4抗原製剤(実
例4)で免疫したトリからの熱不活性化血清をプール
し、ブタ胚肺細胞に代用する中和測定法(実例2)で試
験した。結果を下記の表Vに示す。
このデータはトリに、TA4抗原の精製した11,500ダル
トンフラグメントを投与時にE.necatrixに対する血清中
和価の上昇していることを示す。これまでにTA4抗原の
投与が、E.tenellaに対する血清中和価を上昇させ、ま
たTA4抗原の投与がE.tenellaの感染に対して保護効果を
示すことが証明されており、またE.necatrixスポロゾイ
ト中和価が、TA4抗原の投与により上昇するためこの分
野の熟練者は、E.necatrixに対する保護が、TA4抗原の
投与によつても得られることが予想できるであろう。
例17 E.TENELLA TA4抗原と交差反応する血清抗体をマウスの
体内で増殖させるための細菌により産生れたTA4プロテ
インの使用 細菌から産生したTA4プロテインの抗原性はCB6−F1マ
ウスに皮下注射を行なう試験によつて明らかとなつた。
再形成されたpCOC12およびpBGC23プロテインをこれらの
構成体から得られた不溶性プロテインとともに試験し
た。精製したE.tenella TA4抗原をポジテイブコントロ
ールとして、また、再形成されたプロキモシン(pWHA49
を含有するREN3株から得た)をネガテイブコントロール
として使用した。一群5匹のマウスにそれぞれの抗原を
注射した。35日の間隔をおいてそれぞれのマウスに2回
ずつ注射し、注射後10日目に採血を行なつた。
E.Tenella TA4抗原の場合、抗原を含む抗原溶液3容
を、完全フロインド補助液5容と混合し、10マイクログ
ラムをそれぞれのマウスに皮下注射した(最終容量は20
0マイクロリツトル/注射)。再形成したpCOC12およびp
BGC23プロテインまたはこれらのプラスミドから得られ
た不溶性プロテインについても同様に注射を行なつた。
ただし細菌から産生したTA4プロテインの場合にはE.ten
ella抗原の場合の約2倍モル過剰量を注射した。それぞ
れの血清は例13で述べたELISA法で効力検定した。マイ
クロタイタープレートは、精製したE.tenella TA4抗原2
ng/穴で皮膜をほどこしたものを使用した。二回目の採
血で得られた血清との効力検定の結果を下表VIに示し
た。
これらの実験は再形成プロトコールで生成したpCOC12
またはpBGC23プロテインで免疫したマウスの抗体レベル
が向上し、この抗体が精製したE.tenella TA抗原と交叉
反応したことを示唆する結果を与えた。これらの血清は
少なくとも1:3000の希釈濃度において、精製したE.tene
lla TA4抗原の存在下で強いポジテイブシグナルを示し
た。他方、不溶性pCOC12およびpBGC23プロテインを注射
したマウスから得られた血清中には、たとえその血清の
希釈率が1:30のように低い場合であつても交叉反応した
抗体は本質的に存在しなかつた。これらの実験結果か
ら、精製しないプロテインまたは再形成しない不溶性pC
OC12およびpBGCプロテインは効果的なイミユノジエンで
はないことが示唆された。
例18 ニワトリの体内でE.tenellaに対する胞子小体を中和す
る血清の応答および防御的応答を誘発するための細菌に
より産生されたTA4プロテインの使用 すでにE.tenella(15マイクログラム)から精製したT
A4抗原の投与により血清抗体が生成し、この抗体がin v
itroで胞子小体を中和し、E.tenellaの攻撃からニワト
リを防御することを述べた。これらの性質に対して再形
成したpCOC12およびpBGC23プロテインがテストされた。
コントロールとしてベーターガラクトシダーゼおよび再
形成したプロキモンを使用した。再形成したpBGC23プロ
テイン、pCOC12プロテインおよびプロキモシンは、ポリ
エチレングリコールに対してあるいは空洞状の繊維濾過
器(Cartridge H1P10〜20,Amicon Corp.Danvers,MA)に
より透析され、最終濃度を0.5〜2.0mg/mlとしたものを
使用した。それぞれの抗原を濃縮されたタンパク質1容
に対し、5% Arlacel,94%Drakeol 6−VRおよび1% T
ween80を含む3容のオイルキヤリアーと混合した。使用
したそれぞれの抗原の投与量を表VIIに示した。選択し
た投与量中にはおよそ0.5〜2倍モル量の精製E.tenella
native TA4抗原が含まれている。この量の抗原が免疫
応答を誘発するのに効果的な量であることは前述したと
おりである。
実験1では前に述べたような混合法により調整された
ワクチン0.2〜0.55ccをニワトリの首に筋肉内注射し
た。更に2週間の間隔でニワトリに同様の投与法でワク
チンを2回追加注射した。実験2では前述のように調製
されたワクチン0.2〜0.45ccを十二指腸組織に注射し
た。ニワトリには更に2週間後に同様の投与法でワクチ
ンを1回追加注射した。それぞれのプロテイン投与の3
日前および最終投与の11日後に血清サンプルの収集のた
め採血を行なつた。
E.tenellaに対する胞子小体を中和する血清応答の誘発 実験1および2ではニワトリから得られた血清を加熱
により不活性化したものを使用してE.tenella胞子小体
の中和実験を行なつた。一次のニワトリの腎臓細胞培養
液を使用して次に述べる方法でミクロ中和法による効力
検定を行なつた。1〜2週齢のニワトリを殺し、防腐処
理を行なつた後、腎臓を切除した。得られた腎臓の抗ト
リプシン性を破壊し、腎細胞をウエル当たり104の濃度
で、熱で不活性化した子牛の退治の血清5%を添加した
Earles LAH培地中に、96ウエル中に移植した。培養は5
%CO2雰囲気中で41℃で行なつた。培養した細胞がだい
たい50%合流するレベルに達した時、前述の方法で希釈
した試験用の血清をミクロプレートの各穴に50マイクロ
リツトルず加えた。次いで50マイクロリツトルにつき2
〜3×104コの胞子小体を含むEarles培養液50マイクロ
リツトルをマイクロプレートの各穴に加えた。12〜16時
間後、培養液の上澄液を2%の加熱により不活性化した
子牛の胎児の血清を含む新しく調製したEarle LAH溶液
に交換した。感染後40〜44時間経過した時点で培養を停
止した。この時点で培養の上澄液をプレートから取り除
いた。引き続きメタノールを加えて細胞をプレートに固
着させ、5%氷酢酸溶液で酸性化した。固着させた培養
物を0.1%トルイジンブルーで染色した後に観察を行な
つた。それぞれの穴ごとに複分裂増員の抑制のおよその
パーセントにより評価した。繁殖体の増加を完全に抑制
する事のできる血清の希釈可能な最大希釈率を基準にし
て寄生虫の中和の程度を採点した。
表VIIIの結果は次のことを示唆している。すなわちト
リにベーターガラクトシダーゼまたは再形成したプロキ
シモシンを注射してもE.tenellaスポロゾイドを中和す
る目立つた抗血清力価は得られなかつたが、pBGC23プロ
テインまたはpCOC12プロテインを筋肉内に3回注射した
トリはスポロゾイドを中和する顕著な抗血清力価を示し
た。
E.coli産生TA4プロテインで免疫されたニワトリの中和
性血清とモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4との競争につい
ての実験 トリにワクチンを注射し、E.tenellaスポロゾイドに
対して顕著な中和力価を有する血清を準備した。また、
これに対応するコントロール血清を準備した。これらの
血清につき、スポロゾイドの膜上のバインデイングサイ
トと結合する能力を抗体ptn7.2A4/4の結合能力と競争さ
せて比較した。ポリスチレン製96穴プレート(Immulon
II)のそれぞれの穴に10mMグリシンで緩衝させ、pHを9.
6とし、約100マイクログラムトータルプロテイン/mlを
含むスポロゾイド膜プロテイン50マイクロリツトルを充
てんし、37℃で一夜インキユベートした。プレートをPB
S−Tween(0.005% Tween−20)で3回洗浄した後、PBS
に溶解した3%(W/V)子牛血清アルブミン(RIAグレー
ド,Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を添加し、1時
間インキユベートした。0.0005%のTween−20を含む0.1
5M リン酸塩緩衝血清中で血清を1:2から1:200に連続し
て2回希釈した溶液を調製し、プレートに添加して37℃
で3時間インキユベートした。その後プレートにアルカ
リ性フオスフアターゼで共役したptn7.2A4/4モノクロー
ナル抗体を添加し、37℃で1時間インキユベートした。
このプレートから(0.0005%)Tween−20を含む0.15M
リン酸塩緩衝食塩水を用いて未反応物質を完全に洗い流
した。その後、それぞれの穴に1Mジエタノールアミン緩
衝液中に1mg/mlp−フオスフオニトロフエノールナトリ
ウム塩を含有する塩基溶液100マイクロリツトルを加え
た。反応後生成した物質を分光法により検出した。非経
口的にワクチンを注射するプログラムに応答したトリの
血清にはスポロゾイドの中和により確かめられた通り、
モノクローナル抗体ptn7.2A4/4(表IX)と競争する抗体
が含まれていた。この実験により、次の様な証拠が直接
得られた。すなわち、再形成したpBGC23および、pCOC12
プロテインはニワトリの体内でTA4抗原のモノクローナ
ル抗体ptn7.2A4/4により認識される免疫応答の領域を刺
激する作用があることが明らかとなつた。
種々のTA4プロテインを用いてニワト体内でE.tenella
により感染の度合いを減少させる免疫法 最終のワクチ
ン注射後11日経過後ニワトリに低濃度のcoccidia(約30
0〜500卵母細胞)を注射して攻撃させ、床付きのオリに
入れた。卵母細胞の循環を最大とするために布団はその
ままオリに残した。最初の攻撃から1週間後に病巣の進
行の均一性を最大とするために4000〜5000の卵母細胞を
ニワトリに注射して第2の攻撃を行なつた。ニワトリは
その後6日目に殺して病巣の進行を評価した。病巣の採
点はJohnsonおよびReid(30)により開発されたパラメ
ーターによつて行なわれた。
結果を表Xに示したように、再形成されたpBGC23また
はpCOC12プロテインをワクチン注射したニワトリの病巣
を攻撃観察した結果、対応するコントロールグループの
病巣ほどひどくないことが明らかとなつた。再形成した
pBGC23または再形成したpCOC12のいずれかのワクチン注
射を行なつたニワトリでは最も重篤な病巣(レベル=
4)への進行が全く認められなかつたばかりでなく、病
巣の程度の分布が全体的に軽度の血に移行していた。ワ
クチン注射を行なつたニワトリのおよそ50〜70%は病巣
の程度が1〜2のレベルと記録されたのに対し、コント
ロールのニワトリの50〜70%は3〜4のレベルの病巣で
あると採点された。
例19 ニワトリ体内で産生した組み換えTA4(pDET)抗原への
直接の表現に対する応答 pDETをワクチン注射したニワトリのアイメリア属tene
lla抗原への血清学的応答。スポロシストにより誘導さ
れた、アイメリア属tenellaの膜プロテインに対するpDE
Tをワクチン注射されたニワトリの免疫反応性を調べる
ための実験を実施した。1つの実験につき、10羽のニワ
トリを使用してそれぞれに50マイクログラムのpDETのワ
クチン注射を行ない、産生したプロテインの直接の表現
を調べた。プロテインの産生について例10に述べた。こ
のプロテインの免疫反応性を力価検定し、実験に使用す
る前にモノクローナル抗体ptn7.2A4/4を用いて確認し
た。
ワクチンはpDETに対して3:1の比の5%Arlacel−A,94
%Drakeol 6−VRおよび1%Tween80を用いて調製し、0.
04マイクログラムのLPS(3回投与の実験の場合)また
は50マイクログラムのPHA(単回投与の実験の場合)を
添加した。次いで頭部後側の首に0.5mlの皮下投与を行
なつた。初回の実験では、2週令のLeghornを用いて開
始して、ワクチン注射規定食餌法を採用して10日間隔で
3回の投与を行なつた。これと同じ間隔でニワトリから
採血を行ない、血清を収集して凍結保存した。二番目の
実験では4日令のbroilerを使用し、ワクチン注射後5
日目に採血を行なつた。両者の実験には上記のキヤリア
ーに不活性なpDETセメント質/アジユバント;アジユバ
ント/キヤリアー;およびワクチン注射しないコントロ
ールを使用して行なつた。
ワクチン注射した実験動物およびコントロールから採
血した血清の免疫反応性は例13で述べたアイメリア族te
nellaスポロシストプロテインに対するウエスタンブロ
ツト法で分析した。次表XIに示す実験結果から、pDET抗
原をワクチン注射する3回投与の実験では、10羽のトリ
のうち9羽が最初の攻撃から10日後に該当する分子量バ
ンドでポジテイブな反応の応答があつた。その後の2回
の連続した攻撃の後は10羽のうち10羽すべてが反応し
た。第2回目の不溶性pDETの攻撃の後、数羽のトリの血
清がTA4抗原に対して反応性を示した。単回投与の実験
では、pDETのワクチン注射を行なつた10羽のトリのう
ち、10羽すべてが5日後に行なつたウエスタンプロツト
分析の結果、血清の変換を起こしたことが明らかとなつ
た。LPSまたは攻撃コントロールとしてのトリはどちら
のテストにおいても全くセロポジテイブにならなかつ
た。
pDETをワクチン注射したニワトリのアイメリア族tene
lla卵母細胞からの攻撃に対する防御。概要について前
述したワクチン3回投与計画にひきつづいて10日目にニ
ワトリにEimera tenellaの卵母細胞を接種し、寄生虫に
特有な症状の病巣を観察した。最終のワクチン注射後10
日目に前述の4つのグループ(pDET抗原、不溶性pDET、
アジユバントコントロール、ワクチンなしコントロー
ル)は6,000の胞子を形成した卵母細胞を経口投与し
た。接種物は実験に先立ち希望する程度に重篤となつた
病巣が得られるように力価測定を行なつた。この寄生虫
特有のCaecal性病巣を攻撃後5日目に例18で述べた方法
で採点した。この結果を次表XIIに示したが、pDET抗原
投与群はコントロールと比較して病巣の重篤度の軽減お
よび死亡数の減少を認めた。
pDET TA4抗原をワクチン注射したニワトリにおけるス
ポロゾイドを中和する血清反応。ワクチンを注射したト
リから得られた血清の寄生虫中和能力を検討することに
よりpDETの能力を検定するためにスポロゾイド中和効力
検定法(SNA)が適用された。例18で設定されたSNAプロ
トコールを用いて前述の単回および3回投与実験で採血
した血清を力価検定した。次表XIIIに示したようにpDET
ワクチン注射を行なつたトリは対応するコントロールと
比較して血清のスポロゾイド中和能力を有することが明
らかとなつた。
例20 モノクローナル抗体ptn7.2A4/4により認識されたE.NECA
TRIXの抗原の同定 Eimeriaプロテインの125Iラベル実験。E.necatrixか
ら得られた総計2×108コの卵母細胞のヨウ素化を行な
つた。それぞれの場合、スポロシストを塩を浮かばせた
ハイポクロライトのナトリウム塩で処理し、ガラス球で
細胞膜を破壊し、ガラス綿を充てんしたカラムを通して
精製した。スポロシスト膜を調製する場合、1.5倍容量
のスポロシスト1mlのPBSおよびガラス球とともにプロテ
アーゼインヒビターの存在下で機械的に破壊した。プロ
テアーゼインヒビターの組成は次のようである:0.1mMフ
エニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、0.1mM N
−トシル−L−フエニルアラニンクロルメチルケトン
(TPCK)、1mM N−アルフア−P−トシル−L−リジン
クロルメチルケトン(TLCK)および10KIU/mlアプロチニ
ン。残存するスポロシストを更にトリプシンおよびタウ
ロデオキシコリン酸(総容量=1ml)で処理してスポロ
ゾイトの脱のうを行なつた。両者の調製液は45分間4℃
で超遠心分離(45,000RPM)し、得られたペレツトを1ml
のリン酸塩で緩衝した食塩水(PBS)で再けん濁した。
操作上の注意点として超遠心分離を行なう前にPBSおよ
び1mMのMSFで洗浄する際、スポロゾイトからすべてのト
リプシン−デオキシコリン酸塩を完全に除去することが
あげられる。
1mlのサンプルを40マイクログラムのIODOGEN 固相ヨ
ウ素化試薬(24,54)を使用して窒素気流下で乾燥し、P
BSでリンスして得られた皮膜を容器内壁に形成したガラ
ス性シンチレーシヨンバイアルに加えた。それぞれのバ
イアルに0.5mCiの125Iを加え、サンプルを氷上で20分間
インキユベートした。その後、100マイクロリツトルのK
I(1M)をそれぞれのバイアルに加えて最終濃度を100mM
とし、氷上で更に15分間反応を進行させた。スポロゾイ
ドおよびスポロシスト調製液を次いで5mMKIを含むpBSで
7mlに希釈し、4℃で45分間、超遠心分離(45,000RPM)
によりペレツトとした。
スポロシストおよびスポロゾイド膜プロテインの抽
出。前記の超遠心分離により得られた125Iを標識したス
ポロシストおよびスポロゾイトのペレツトを1mlのプロ
テイン抽出緩衝液中に再けん濁した。けん濁液は氷上で
時々渦状に振り混ぜながら30分間インキユベートした。
不溶性の物質は4℃で15分間ミクロ遠心分離装置により
界面活性剤に可溶な物質と分離された。この上澄液は−
70℃で保存した。
125IプロテインのTCAによる沈降。それぞれのサンプ
ルの10マイクロリツトルを5mMKI溶液90マイクロリツト
ルで希釈した。希釈したそれぞれのサンプルを5%トリ
クロル酢酸(TCA)、25マイクロリツトルのBSA(10mg/m
l)および5mMのKIを含む溶液1mlに加え、氷上で30分間
インキユベートした。沈殿したサンプルを、ガラス繊維
フイルターでろ過し、0℃で5mlの5%TCAおよび5mMKI
で2回洗浄し、0℃で5mlの95%エタノールで3回洗浄
した後、液体シンチレーシヨンカウンターで10分間計測
した。
モノクローナル抗体との免疫沈殿。50マイクロリツト
ルのモノクローナル抗体を25マイクロリツトルのMAB−D
ILに加えた。20マイクロリツトルの125I標識プロテイン
を次いで加え、かき混ぜた後、4℃で一夜インキユベー
トした。ウサギの抗−マウスIg血清(IgA,IgG,IgM)をM
AB−DIL中で1:2に希釈し、その10マイクロリツトルをそ
れぞれの免疫沈殿の試験管に加え、4℃で1時間インキ
ユベートした。1:4に希釈したProtein A−Sepharose(1
0% v/v)を加え、試験官をゆるやかに振り混ぜながら
4℃で1時間インキユベートした。免疫沈殿生成物を冷
MABWで2回洗浄し、更に室温においてMABWで2回洗浄し
た。ペレツトを50マイクロリツトルのSDS−PAGEサンプ
ル緩衝液(35)で再びけん濁し、5分間沸騰させ、遠心
分離によつてprotein A−Sepharoseを分離した。上澄液
を放射活性計測し、SDS−PAGEで分析した。
E.NecatrixプロテインのSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS−PAGE)。免疫吸着された125I標識ス
ポロシストおよびスポロゾイド膜プロテイン、および免
疫沈殿プロテインのすべてを5〜25%エキスポネンシヤ
ルまたは8〜20%リニア−グラジエントSDS−ポリアク
リルアミドゲル(25mA)で分析した。ゲルを乾燥し、Ko
dak XAR−5X線フイルム上へ−70℃で一夜露出を行なつ
た。染色を目的としたゲルを製造元が添付した使用説明
書(Pierce Chemical)に従つて、Coomassie(21)また
は銀染色を行なつて視覚化した。
E.Necatrix抗原とPtn7.2A4/4モノクローナル抗体との
色疫沈殿の結果。表面が標識されたE.necatrixスポロゾ
イド標本は、2種の多重にヨウ素化されたプロテインを
含んでいた。SDS−PAGEの分析結果から判断して、これ
らのプロテインの分子量は約6,500および25,000と推定
された。このうち6,500ダルトンのプロテインはモノク
ローナル抗体Ptn7.2A4/4により容易にまた特異的に免疫
させることができた。スポロシストの膜にも多重にヨウ
素化されたプロテインが存在し、それらの分子量は約1
8,000および26,000であつた。また、これらのプロテイ
ン以外にも数種の少量のヨウ素化された種々の分子量を
有するプロテインが検出された。免疫沈殿された125I標
識スポロシスト膜プロテインの場合、モノクローナル抗
体Ptn7.2A4/4との反応により沈殿した抗原は、減力した
SDS−PAGE分析の結果、分子量18,000ダルトンのプロテ
インのみであることが確認された。
例21 E.NECATRIX NA4抗原の精製、同定および特性指摘。
NA4抗原の精製および特性指摘。胞子形成したE.necat
rixの卵母細胞を109コの卵母細胞につき10mlのPBSに再
びけん濁し、これと等容量のガラス球を加えて振り混ぜ
ることによつて細胞を破壊した。膜を遠心分離(100,00
0xg、60分、4℃)により単離し、プロテインを1%NP
−40、10mMトリス塩酸(pH7.5)、25mM塩化ナトリウ
ム、1mMPMSF、1mMTLCK、0.1mMTPCKおよび10KIU/mlアプ
ロチニンに溶解した。不溶性物質は遠心分離(100,000x
gスピン、60分、4℃)によりペレツトとした。スポロ
シスト膜プロテインは、20mMトリス塩酸(pH8.1)およ
び0.05% Zwittergent 3〜12中で平衡化したDEAE−HP
LCカラム(Bio Rad)に吸着させた。この緩衝液に0.1mM
のジチオスレイトールを含む溶液および塩化ナトリウム
グラジエント(0−500mM)でカラムから溶出を行なつ
た。ゲル電気泳動法の移動度により同定されたNA4抗原
が約275mM塩化ナトリウムで溶出した分画に含まれてい
ることが明らかとなつた。
NA4抗原を含む分画をプールし、Centricon 10 micro
concentrator(Amicon Corp.,Danvers,MA)を用いて濃
縮した。濃縮物を約10容の0.01%(w/v)SDSで希釈し、
再び濃縮して食塩およびジチオスレイトールレベルを低
下させたサンプルを緩衝液を含む62.5mMトリス塩酸(pH
6.8)2%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム塩、10%(w/
v)グリセロールおよび0.001%(w/v)ブロムフエノー
ルブルーを加えて希釈し、沸騰させた後、15% SDS−ポ
リアクリルアミドゲルで電気泳動を行なつた。これらの
減力しない条件では、およそ、26,000ダルトンの分子量
のNA抗原がKCl染色21により同定された。ゲルの該当す
る部分を切り取り、ゲルを1mlの10mM NH4HCO3、0.02%
(w/v)SDSとともに室温で4時間振り混ぜ、プロテイン
を溶出した。この方法で調製したNA4抗原は本質的に純
粋であつた。
このNA4抗原を、減力した条件(すなわちサンプル緩
衝液に5%(v/v)ベーターメルカプトエタノールで溶
かした条件)でSDS−PAGE分析を行なつた結果、NA4抗
原、分子量18,000および約8,000ダルトンの2種類のポ
リペプチドから成ることが明らかとなつた。従つて、ス
ポロシスト膜の調製液中には分子量18,000および8,000
ダルトンのポリペプチドがジスルフイド結合と結合して
いることが明らかとなつた。
In Vivoでの試験における免疫吸着技法によるE.Neca
trix抗原の精製。Kasperらの免疫吸着技法にいくつかの
変法(31)を加えた方法でE.necatrixNA4抗原の免疫吸
着を行なつた。要約すれば、すべてのE.necatrixスポロ
シスト膜は本例初頭の部分で述べたように、Ptn7.2A4/4
モノクローナル抗体の存在下で4℃で一夜インキユベー
トされた。その結果生成した反応混合物をこれらと同様
の条件下でProtein A−Sepharose(Sigma;St.Louis,M
O)により山羊の抗マウス抗血清の存在下で4℃で固化
した。このけん濁液をガラスカラムに流し込み、吸光度
のベースラインが一定になるまでPBSで結合していない
プロテインを洗浄により除去した。非特異的に結合した
プロテインをPBS(pH8.0)および酢酸塩緩衝液(0.1M.p
H4.0)で交互に洗浄することにより除去した。特異的に
結合した抗原を2%SDSを含む60mMトリス塩酸(pH6.8)
でカラムから溶出した。引き続いて、抗原を含むこの溶
出液を同様の緩衝液で平衡化したSephadexG−200カラム
を通過させ、同様の緩衝液を溶出した。ドデシル硫酸ナ
トリウムを除去するために、Extracti Gel D カラム
(Pierce;Rockford,IL)を通過させた。
例22 E.NECATRIX NA4抗原の18000及び8000ダルトンのペプチ
ド成分の部分アミノ酸配列NA4抗原の18000ダルトンのペ
プチド成分のアミノ酸配列。18000ダルトンペプチドの
アミノ酸配列決定は、N末端アミノ酸をブロツクする段
階で複雑になつた(即ち、エドマン分解を受け難かつた
(14))。この問題を克服するために、NA4抗原をCNBr
で開裂させ、約16000ダルトンのCNBr分画を逆相HPLCで
精製した(26)。CNBr開裂を行うために、約10マイクロ
グラムの蛋白質を、4℃で一夜かけて70%ギ酸中2%CN
Brに溶解させた。この資料をSavant Speedvac遠心分離
器で蒸発乾固し、0.1%TFAに再溶解した。大CNBr分画を
Vydac C4カラム(Separations Group,Hesperia,CA)で
精製し、0−100%の0.1%TFA中CH3CN:イソプロパノー
ル2:1グラジエントで溶出した。気相配列決定機(Appli
ed Biosysteme,Inc.,Foster City,CA)を用い、Hunkapi
llerら(25)の方法に従つてアミノ酸配列決定を行つ
た。フエニルチオヒダントイン(PTH)を結合させたア
ミノ酸をHPLCで解析した(5Q)。大CNBr分画の部分アミ
ノ酸配列を以下に示す。
NH2 Leu Lye Ala Ala Gly Leu Pro Glu Phe Gly Asn Ala Val Gly Ala Val Val Leu Pro Ala Tyr Ser NA4抗原の8000ダルトンのペプチド成分のアミノ酸配
列。NA4抗原の8000ダルトンのペプチド成分のN末端ア
ミノ酸配列は、直接NA4抗原の配列決定を行うことによ
り決定できた。SDS−PAGEゲルから溶出した精製NA4抗原
を、Centricon 10マイクロ濃縮機を用いて約6倍に濃縮
した。SDSゲルから溶出した試料中のグリシンを除去す
るために、20倍容量の水を濃縮物に2度添加し、この試
料を再濃縮した。濃縮した試料を、配列決定機に直接か
けた。本ペプチドのN末端部位の部分アミノ酸配列を以
下に示す: NH2−Ala Ala Thr Thr Asp Ala Val Ile Cys Leu Thr Asn Pro Ala Pro Leu Ala Ala Gly Ser Pro Pro Phe Asp Glu Trp 例23 E.NECATRIX NA4抗原をエンコーデイングしているゲノミ
ツクDNAクローンの単離と特性記述 E.Necatrixの胞子形成オオシストからのDNAの単離。胞
子形成オオシスト(5×108)を洗浄し、例6において
記述したように、スポロシストからDNAを単離した。
バクテリオフアージλgt wes λBにおけるE.Necatrix
のゲノミツクライブラリーの構築。バクテリオフアージ
λ gt wes λBにおけるE.necatrixのゲノミツクDNAラ
イブラリー(26)を、例6に記述したようにして構築し
た。15マイクログラムのEcoRIで開裂させたDNAアームを
T4 DNAリガーゼを用いて、3マイクログラムのEcoRIで
開裂させたE.necatrixDNAに結合させた。1マイクログ
ラムの結合DNAをin vitroでフアージ粒子に組み入れ、
2×206個の組み替えフアージ粒子のライブラリーを産
生した。
E.necatrixのゲノミツクDNAライブラリーのスクリーニ
ング。E.necatrixのゲノミツクDNAライブラリーの組み
替えフアージのニトロセルロースフイルター転写体につ
いて、[32P]−dATPを用いてニツク翻訳を行つたE.ten
ellaのゲノミツクローン108−1−2の785塩基対Sac I
PvuIIフラグメントを用いてスクリーニングを行つ
た。ニツク翻訳された試料に混成されたポジテイブプラ
クを突き、精製したプラク及びDNAを、前述のようにし
て調製した。E.necatrixDNA挿入体の精製及び特性記述
のために、ポジテイブフアージ7を大規模に培養した。
18,000ダルトンのペプチドをエンコーデイングしている
ゲノミツククローンの詳細な特性記述−制限マツプ。ク
ローン7の3900bp EcoRIフラグメント挿入体を、フアー
ジベクターからプラスミドpUC9(78)へ細クローン化
し、クローン7−49を産生した。組み替えプラスミドを
種々の限定エンドヌクレアーゼで開裂させ、ゲノミツク
DNAクローン中のキー限定部位の位置を決定した。DNA中
の限定部位は、18,000ダルトンのペプチド遺伝子の位置
及び方向を決定するために必要であるし、またEcoRIゲ
ノミツクDNAフラグメントの配列決定のための策略を開
発するためにも必要とされる。定マツプを、図16に示
す。18,000ダルトンペプチドの遺伝子の位置及び方向は
このマツプに示されている。
細クローン7−49のDNA配列解析。E.necatrix NA4抗原の18000ダルトンペプチド成分の遺伝
子を含有するクローン7−49のフラグメントについて、
種々の制限酵素フラグメントを用いる。Sanger(62)の
ジデオキシ法により配列決定を行つた。DNA合成のため
のプライマーには、他の合成オリゴヌクレオチドはもち
ろんのこと、オリゴヌクレオチドCOD92、94及び108等が
ある。DNA配列を図17に示す。
E.necatrixNA4抗原をエンコーデイングしている遺伝子
の構造。DNA配列は、アミノ酸の部分解析により予想さ
れたものと一致している。
非還元条件下のポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
ると、E.necatrix及びE.tenellaの両抗原は、明らかに2
5−26,000ダルトンの分子量を有する。還元条件下の電
気泳動では、両抗原がジスルフイド結合により結合した
2種のポリペプチドで構成されていることを証明した。E.necatrix 遺伝子とE.tenella遺伝子との比較では、遺
伝子構造が前に討論した3つの特徴においてE.tenella
遺伝子に類似していることを示唆している。即ち、
(1)この遺伝子は23個のアミノ酸シグナルのペプチド
をエンコードしている、(2)遺伝子内に3個のイント
ロンが存在する、および(3)この遺伝子は、18,000及
び8,000ダルトンペプチドを産生するための同一蛋白分
解作用部位(Arg−Arg−Leu)を有する26,000ダルトン
ペプチドをエンコードしている。E.tenella遺伝子と比
較したE,necatrix遺伝子のDNA配列解析から、両ペプチ
ド間の類似点及び相違点が推定される。図18は、E.tene
lla及びE.necatrix遺伝子と、予想されるアミノ酸配列
との整列を示している。3個のイントロンの入口/出口
は、両遺伝子に保存されている。2個のA抗原蛋白は、
それらのアミノ酸配列に86%の類似点を示している。す
べてのシステインアミノ酸残基及びおそらくジスルフイ
ド結合も保存されている。E.necatrixの蛋白は、E.tene
llaの蛋白の熟成した17,000ダルトンのポリペプチドの
2位と3位の間に1個のアミノ酸が挿入されていること
を示している。さらに、E.necatrixの蛋白は、E.tenell
aの蛋白の45位に存在するセリン残基を欠損している
し、また熟成したE.tenellaの蛋白中の223番から228番
までに相応するアミノ酸も欠損している。図19は、遺伝
子内の3個のイントロンの整列を示している。イントロ
ンAは、両種内の101bpであり、89%の配列類似性を示
している。イントロンBは、E.tenellaにおいては114bp
E.necatrixにおいては122bpであり、74%の配列類似性
を示している。イントロンCは、E.tenellaにおいて124
bp.E.necatrixにおいては117bpであり、77%の配列類似
性を示している。このように、イントロンは、明らかに
異なつている。
例24 NA4抗原をエンコーデイングしているmRNAの単離と同定 NA4抗原をエンコーデイングするcDNAを合成する前に、N
A4抗原をエンコーデイングするmRNAが、胞子形成中のど
の時期に現れるかを決定する必要があつた。2.5×108
オーシストを40時間軽く攪拌し、30℃で胞子を形成させ
た。胞子を形成するオーシストを、7−800×gで10分
間遠心分離し、上清を除去した。小球を、ドライアイス
/メタノール浴中で急速冷凍し、RNAを単離するまで−7
0℃で保存した。
各々の小球は、約10容量の5Mのグアニジンチオシアナ
ート,pH7.5の20mMのTris−HCl,10mMのEDTA,5%(v/v)
ベータメルカプトエタノール中で解凍し、オーシスト
を、同容量の1.0mmのガラスビーズを用いて10分間激し
く攪拌することにより急激に破壊した。このサンプルを
2%(w/v)N−ラウロイルサルコシンに添加した後
に、約8000×g、室温で遠心分離して不溶物を除去し
た。CsClクツシヨンを通して沈殿させることにより上清
からRNAを単離した(76)。
RNAの小球を、pH7.5の20mMのTris−HCl,pH8.0の50mMのE
DTA、0.2%SDS,100units/mlのRNasin(Promega Biotec,
Madison,WI,10mMベータメルカプトエタノール)中に再
懸濁させた。フエノール−クロロホルム:イソアミルア
ルコール(24:1)及びクロロホルム:イソアミルアルコ
ール(24:1)の何れかを用いて抽出した後に、RNAを沈
殿させ、−20℃でエタノール中に保存した。約85−150
マイクログラムの総RNAを、(0.5−1.0×109)のオーシ
ストから単離した。オリゴdTセルロースクロマトグラフ
イーにより、ポリAを含有するRNAを単離した(2)。p
H7.5の10mMのTris−HCl,1mMのEDTA、0.2%(w/v)SDS、
0.4MのLiClを用い、総RNAをオリゴdTセルロースカラム
(Type 3,Collaborative Research,Inc.Lexington,MA)
にかけた。LiClを含まない同一緩衝液を用い、4℃でRN
Aを溶出した。5.0×108のオーシストから、約10マイク
ログラムのA+RNAを単離した。
ポリA RNAが、cDNA合成の鋳型として使用される前に、N
A4抗原をエンコーデイングするmRNAの存在を実証する必
要があつた。NA4抗原mRNAの存在は、充分に胞子形成を
行つた(40時間)オーシストから得たポリA RNAを、TA4
の蛋白をエンコーデイングするクローンから得たDNAと
混成することにより証明した。胞子形成オーシストから
単離した10マイクログラムの総RNAを、ホルムアルデヒ
ドを含むゲルを用いて電気泳動させた(44)。RNAをナ
イロンフイルターに転移させて、Northern blot解析を
行つた。ナイロンフイルターは、TA4 cDNAクローンの最
初の約300bpからから成る、TA4 cDNAフラグメントの最
初の約300bpから構成されている、[32P]でニツク翻訳
された(44)DNAフラグメントを用いて精査した。この
フラグメントのDNA配列は、それに対応するNA4遺伝子配
列中の部位と80%以上類似しているので、適切な試料と
して選択される。NA4抗原をエンコーデイングするmRNA
は、40時間胞子形成したオーシスト中に確かに存在し
た。これらの実験は、40時間胞子形成したオーシストか
ら得られたmRNAを用いると、NA4抗原をエンコーデイン
グするcDNAを産生することを実証している。
例25 NA4抗原をエンコーデイングするcDNAクローンの単離と
特性記述 cDNA NA4抗原をエンコーデイングするヌクレオチド配列を、
大腸菌のような容易に増殖する細胞中の遺伝子として使
用し、ある種のアイメリア属により引き起こされるコク
シジウム症に対する鶏のワクチン接種のためのNA4蛋白
を産生した。DNA配列が蛋白配列と一致しない部位は、N
A4遺伝子(図17)には3ケ所ある。これら3個の配列
は、多くの成熟核遺伝子のコーデイング部位内に典型的
に見出されるイントロンである。しかしながら、イント
ロンを含む遺伝子は、大腸菌において固有の蛋白を表わ
さないと思われるので、NA4抗原をエンコーデイングす
るcDNAクローンを単離する必要があつた。このクローン
は、NA4抗原に対して連続するコーデイング配列を含ん
でいる。
cDNAの合成 簡単に、例24に記述したようにして単離した胞子形成オ
ーシストのmRNAを、Amersham(Amersham Corporation,A
rlington Heights,IL)から購入したcDNA合成キツトを
用いてcDNAに転写し、それらの指針に従つて使用した。
2マイクログラムのmRNAから、約400ngのcDNAを得た。
NA4cDNAライブラリーの構築 cDNAを、20マイクロリツターの6mM Tris−HCl,pH7.4の6
mM Mg Cl2,6mMベータメルカプトエタノール中に再懸濁
した。cDNAをライブラリーにクローン化するために、NA
4ゲノミツククローンDNA配列から決定された制限部位を
使用した。SacI部位は、NA4抗原の熟成18,000ダルトン
のサブユニツトのN−末端グルタミンの即上流にあり、
第2のSacI部位は、最初のものから60bp下流にある。c
DNAを、6mM Tris−HCl(pH7.4)、6mM MgCl2、及び6mM
ベータメルカプトエタノールの存在下、12ユニツトのSa
cIを用いて37℃150分間消化させた。
cDNAの主要部位、即ち第2のSacI部位から遺伝子の末
端までをクローニングするために、pUCl((56)を使用
した。ベクターをSacI及びSmaIを用いて開裂させた。
SmaIは、cDNAの3′末端の結合に必要な鈍い末端部位
を与えた。結合反応は、約40ngのベクターDNAと40ngのc
DNAを用いて行つた。結合は、1ユニツトのT4 DNAリガ
ーゼを用いる50mMTris−HCl(pH7.8)、10mMMgCl2,20mM
ジチオトレイトール、1.0mMrATPのリガーゼ緩衝液中
で、12℃一夜かけて行つた。
組み替えてDNA分子をその後、変換により大腸菌K−12
株MH1に導入した。変換された菌を50マイクログラム/ml
の濃度の抗生物質アンピシリンを含む寒点平板培地に塗
り広げた。プラスミドpUCl8(56)は、アンピシリン耐
性遺伝子を含有するので、組み替えプラスミドを獲得し
た菌のみが生存した。これらの菌は、それぞれ増殖し分
裂して菌コロニーを形成する。コロニーのそれぞれの細
胞は、オリジナルの親細胞の子孫であり、同一の組み替
えプラスミドを含有している。20ナノグラムのSacIで
開裂したcDNAから約20,000クローンを得、組み替えプラ
スミドを作つた。
NA4cDNAクローンの同定 本cDNAライブラリーを、Grunstein及びHogness(20)に
より記述された高密度スクリーニング法を用い、コロニ
ー混成によりスクリーニングを行つた。前に記述した、
mRNAに対して混成するために使用されたTA4cDNAクロー
ンの同一300bpフラグメントを精製し、ニツク翻訳によ
32Pで標識した(44)。ポジテイブクローンを同定
し、精製し、さらに解析を行うために、プラスミドDNA
を単離した。ポジテイブcDNAクローンpSMACの限定解析
は、NA4ゲノミツククローンから予想されたマツプと一
致した。pSMACと表わされるクローンのcDNA挿入体につ
いて、ゲノミツククローンに対応させるためのオリゴヌ
クレオチドプライマーを用いるジデオキシ配列決定によ
り配列決定を行つた(62)。pSMACの構築を図20に示
す。本cDNAクローンを大腸菌JM83株に変換し、JM83/pSM
ACと表わされる菌株は、American Type Culture Collec
tion,Rockville,MDに寄託され、また、ATCC Accession
No.67 241と指定された。この寄託はBudapest Treatyに
従つて作製した。
DNA配列は、ゲノミツククローンから予想されたものに
一致した。
プラスミドpSMACは、90%以上のNA4cDNAをエンコードし
ているが、熟成NA4蛋白に対するcDNA配列の初めの60bp
を欠損している。簡略化するために、我々は、NA4ゲノ
ミツククローン7から予想される配列を用いて、cDNAの
これら60bpを合成することを選択した。COD391とCOD392
の2種のオリゴヌクレオチドを、Biosearch8,600DNA合
成機(Biosearch,San Rafael,California)で合成し、H
PLCで精製し、等量に混合し、5分間で90°まで加熱
し、22℃まで放冷した。これら2種のオリゴヌクレオチ
ドを焼きもどすと、遺伝子の5′末端近くの2つのSac
I部位の間のNa4遺伝子の配列と同一のSacI末端を有す
るDNAフラグメントを形成する。この合成フラグメント
を、SacIで消化させたpSMACに結合させ、得られる組み
替え分子をMH1に変換し、変換体をDNA配列決定によりス
クリーニングし、何れのクローンが正しい方向にSac
SacI60bpフラグメントを有し、世紀の長さのNA4cDNA
をエンコードしているかを決定した。pSS33が、このプ
ラスミドである。pSS33の構造は図21に示してある。NA4
cDNA表現プラスミドの構築を促進するために、正規の長
さのNA4cDNAをエンコードしている第2のプラスミドを
構築した。このプラスミドがpNCDである。pNCDは、pSS3
3中のNA4cDNAの5′末端をマークしているSacI部位
の、pUCl8配列の即上流に挿入された、もう一つのヌク
レオチド塩基対を含有している。この塩基対を加えると
解読機構をシフトさせるので、牛プロキモシン(pWHA9
3)又は大腸菌ベータガラクトシダーゼ(pDK2)の何れ
かのEcoRIの場合には、解読機構は維持されるであろう
し、プロキモシン−NA4、又は、ベータガラクトシダー
ゼ−NA4の縮合蛋白が産生され得るのである。
pSS33を創出するために使用した方法と同様にして、pSM
ACからpMCDを誘導した。合成オリゴヌクレオチドCOD395
とCOD396を作製し、精製し、アニーリングした。アニー
リングした時にそれらが形成するDNAフラグメントはEco
RI末端とSacI末端を有する。このフラグメントを、Eco
RI−SacI開裂させたpSMACに結合させ、得られる組み替
えプラスミドを大腸菌K−12株Mhlに変換した。pNCDの
構築は、ジデオキシ配列決定により証明した。pNCDの構
築を図22に示す。
pNCDを大腸菌ホスト細胞JM83に変換し、Accession No.6
7266でATCCに寄託した。
例26 大腸菌におけるcDNA由来のNA4抗原遺伝子の表現 cDNA由来NA4表現プラスミドの構築 cDNAクローンは、菌においてNA4蛋白合成のための遺伝
子を与える。しかしながら、cDNAは、大腸菌において転
写及び翻訳を可能にするための固有のシグナルを含有し
てない。それゆえ、クローン化cDNAを、RNAポリメラー
ゼに対する強いプロモーターを含み、また大腸菌の挿入
cDNAの上流において蛋白合成を開始するリボゾーム結合
部位も含む所の表現ベクターに挿入した。ここにおいて
使用する様に、NA4蛋白という語句は、pSS33又はpNCDの
何れかの誘導体、又は細菌ホスト細胞中で産生された何
れかの組み替えNA4−誘導物質によりエンコードされたN
A4蛋白の表現産物に関するものである。NA4抗原という
語句は、胞子小体の表面に存在する様な、又は胞子小体
から除去された様なゲノミツクNA4 DNAにより表現され
る天然生成物に関するものである。
pWHA93とpDK2の表現ベクターに遺伝子を挿入して大腸菌
における表現を獲得出来るように、pWHA93とpDK2の表現
ベクターを構築した。技術に熟練した人に知られている
他の好適なプラスミドも使用され得た。pWHA93とpDK2の
プラスミドは、好適なプラスミドの2例である。pWHA93
プラスミドは、lac及びtacという2つのプロモーターを
有し(tacプロモーターは、プラスミドpDR450由来のも
のである;34;Pharmacia Molecular Biology Division,P
iscataway,NJ)、それぞれのものは、押入された遺伝子
の転写を方向付けることが出来る。プラスミドpWHA93の
構造を図12に示す。
類似のE.tenella蛋白TA4の表現レベルは、直接表現し
たものよりも縮合蛋白として表現された時の方がはるか
に高いので、NA4蛋白は、他の蛋白に縮合することによ
り安定化される。何れの好適な蛋白も本蛋白縮合に利用
出来る。以下の例は、好適な2つの蛋白のみについて、
即ちベータガラクトシダーゼとプロキモシンについて説
明する。
例27 大腸菌におけるベータガラクトシダーゼ縮合蛋白として
のNA4蛋白の表現 ベータガラクトシダーゼ−NA4表現プラスミドの構築。N
A4蛋白を大蛋白に結合させると大腸菌の中で安定化する
ので、NA4遺伝子縮合プラスミドを構築した。数種の成
熟核蛋白は、縮合蛋白として細菌中でより安定である
(17,27)。組み替えプラスミドであるpTDS1とpTDS2
は、ベータガラクトシダーゼ−NA4抗原縮合蛋白の表現
のために構築された混成体である。これらのものは、プ
ラスミドpDK2由来のものであり、lac調節部位を含有
し、またプラスミドpBR328のEcoRI部位に押入されたラ
ムダplac(22,63)由来の、及びcDNAクローンpSMAC及び
pNCD由来の総ベータガラクトシダーゼ遺伝子も含有して
いる。pDK2以外の好適なプラスミドも使用され得る。プ
ラスミドpDK2は好適なプラスミドの一例である。pSMAC
及びpNCD由来の1.3kb EcoRI−BamHIフラグメントは、そ
れぞれ90%あるいは全NA4cDNA配列を含有するが、この
フラグメントを、EcoRI及びBamHIで開裂させて、それぞ
れプラスミドpTDS1及びpTDS2を産生させた所のpDK2プラ
スミドDNAにクローン化させた。クローンpTDS1及びpTDS
2は、90%又は全NA4cDNA配列が、解読機構においてベー
タガラクトシダーゼのコーデイング配列のC末端部位に
縮合している所の期待されたプラスミドを含有してい
た。pTDS1及びpTDS2の構築を図23A及び23Bに示す。
ここでMH1/pTDS1及びMH1/pTDS2と記述した組み替えDNA
とそのホスト微生物は、American Type Culture Collec
tion,Rocksville,MDに寄託され、それぞれATCC Accessi
onナンバー67 240及び67 264と指定された。これらの寄
託は、Budapest Treatyに準じて行つた。
pTDS1及びpTDS32蛋白を大腸菌で高濃度に合合したが、
不溶性でありモノクロナル抗体Ptn7.2A4/4と反応しな
い。
例28 大腸菌におけるプロキモシン縮合蛋白としてのNA4蛋白
の表現 pTDS1及びpTDS2を含有する細胞によつて産生された蛋白
は、大いに又は全体的に不溶性であり、そのために明ら
かにモノクロナル抗体Ptn7.2A4/4との反応性はない。大
腸菌において産生された、不溶性で不活性な他の成熟核
の蛋白を可溶化すると、その活性が回復することが観察
された。このような蛋白の一つは牛プロキモシンであ
る。NA4cDNA配列を牛プロキモシン遺伝子に縮合させ
て、可溶化され得る、またプロキモシンそのものに対し
て開発された方法により活性化される所の不溶性縮合蛋
白を産生した。縮合蛋白の固有再賦活の程度は、プレー
トELISAにおけるモノクロナル抗体Ptn7.2A4/4との免疫
反応性によりモニターされ得た。
プラスミドをエンコードしたプロキモシン−NA4縮合蛋
白は、NA4 cDNA配列をクローン化したpWHA93のプロキモ
シン遺伝子(例12において記述した)に結合させること
により創出した。他のプラスミドも利用され得る。好適
なプラスミドの一つは、pWHA93である。プロキモシン−
NA4遺伝子縮合体であるpDDS1及びpDDS2の構築におい
て、約1.3kbフラグメントを、酵素EcoRI及びHindIIIを
用いて開裂させることにより、それぞれのcDNAクローン
pSMAC及びpNCDから取り除いた。プラスミドpWHA93を同
様にしてEcoRI及びHindIIIを用いて開裂させ、その様に
して産生した2つのフラグメントのうちの大きい方を、
pSMAC及びpNCD由来のNA4cDNA配列を含有するそれぞれの
EcoRI−HindIIIフラグメントと結合させ、それぞれの組
み替えプラスミドpDDS1とpDDS2を産生した。pDDS1とpDD
S2の構築を図24Aと24Bに示す。
ここでMH1/pDDS1及びJM83/PDPS2と記述した組み替えD
NA及びホスト微生物は、American Type Culture Collec
tion,Rockville,MDに寄託され、それぞれATCC Accessio
nナンバー67 243及び と指定された。これらの寄託
は、Budapest条約に準じて行つた。
例29 不溶性状態からのNA4蛋白の抽出及びモノクロナル抗体P
TN7.2A4/4との免疫反応性の実証 表現プラスミドpTDS1,pTDS2,pDDS1,及びpDDS2の大腸菌
産生物は、すべて大いに、又は全体的に不溶性である。
すべとのプラスミドは、Laemmliサンプル緩衝液中で煮
沸することにより可溶化することが出来るし、また、NA
4抗原のサブユニツト部分に高度に一致する所の17,000
ダルトンのTA4抗原のサブユニツトに対して産生させた
マウスの抗血清と反応するであろう。しかしながら、こ
れらの条件下では何れのプラスミドも、モノクロナル抗
体Ptn7.2A4/4とは反応しない。それゆえ、これらの大腸
菌で合成した蛋白を可溶化し再賦活して、モノクロナル
抗体Ptn7.2A4/4と反応できる形で、またそれゆえ動物に
おいてE.necatrix及びE.tenellaに対して中和し保護す
る抗体反応を起し得る形で、抗原を産生することが必要
である。
細菌により産生されたNA4縮合蛋白の抽出及び再賦活化 最初に、牛プロキモシンを可溶化し再賦活して活性酵素
を産生するための既知方法によつて、NA4縮合蛋白を可
溶化し再賦活させた(47)。この方法により、Ptn7.2A4
/4免疫反応性を有する純粋な可溶性のNA4縮合蛋白を産
生した。免疫反応性を回復するための最適な条件を設定
し、以下に記述する。
上述のようにして、プラスミドpTDS1、pTDS2、pDDS1、
及びpDDS2を構築した。これらのプラスミドを用いて、
標準法により大腸菌SG936株を変換し、アンピシリン耐
性のコロニーを精製し、培養に供した。それぞれの場
合、新たにしまを付けた寒点平板培地から採取したアン
ピシリン耐性コロニーを用いて、L−ブロスとアンピシ
リンを100マイクログラム/ml含む100mlの液体培地に接
種した。この培地を30℃で振とうさせて培養し、1.0のO
D600とした。IPTGを2mMに添加し、培地を30℃で2−3
時間以上培養した。遠心分離を行つて細胞を収集し、−
70℃で冷凍して貯蔵した。それぞれNA4表現プラスミド
の一つを含有する大腸菌SG936株のペースト状の冷凍細
胞を、それぞれ40mlのpH8の25mMのTris−HCl、10mMEDT
A、0.5mg/mlリゾチームに懸濁した。少時のインキユベ
ーシヨンの後、溶解した細胞を音波振動によりさら崩壊
させた。大腸菌において合成されたNA4縮合蛋白は、細
胞溶解質に全く不溶性であることが判つているので、プ
ラスミドをエンコードしたNA4蛋白は、100,000×gで1
時間細胞溶解質を遠心分離し、その後5%Tritin X−10
0洗浄剤(Sigma Chemical Co.,St Louis,MO)、20mM ED
TAを含む緩衝液を用いて小球にした細胞片を25℃60分洗
浄剤抽出することにより精製した。NA4縮合蛋白は不溶
のまま残り、25℃であつた。NA4縮合蛋白は不溶のまま
であり、100,000×gで遠心分離して収集した。不溶性
物質を12mlの10mMリン酸ナトリウム(pH7.5)にけん濁
し、遠心分離により収集し、残存する洗浄剤を除去し
た。NA4縮合蛋白をpH7.5の10mMリン酸ナトリウム緩衝液
中に懸濁し、最終容量を7.7mlとした。この懸濁液に5.8
gの固体尿素を添加することにより充分に可溶化し、最
終濃度を容量12ml中8Mとし、その後室温で16時間混合し
た。
得られた澄明な液を、それぞれpH11.0に調節した100容
の10mMリン酸ナトリウム緩衝液に希釈し、最終容量を12
00mlとした。この溶液を完全に混合し、15℃で10分放置
した。この溶液のpHを、0.5N HClを5分間にわたつて添
加することにより滴定し、pH8.5とした。得られた溶液
は、検定又は貯蔵する前に室温で1時間以上放置した。
試料は、モノクロナル抗体Ptn7.2A4/4との免疫反応性に
ついて検定した。この試料は、以下に記述するように、
pCOC20由来の際賦活した抗原に匹敵する活性を有してい
た。
再賦活化サンプルのイムノアツセイ 再賦活化したpTDS1,pTDS2,pDDS1,及びpDDS2蛋白とモノ
クロナル抗体Ptn7.2A4/4との免疫反応性を測定した。マ
イクロ力価プレート(Immulon i micro ELISA flat−bo
ttom well plates,Dynatech Laboratories,Inc.,Alexan
dria VA)のそれぞれのウエルを、10mM Na2HPO4,150mM
NaCl,0.01%(w/v)Zwittergent 3−12,pH8.0に希釈し
た100マイクロリツターの抗原で覆つた。再賦活した試
料に対しては、1:10〜1:1000希釈の抗原についてアツセ
イを行つた。プレートを、抗原溶液で室温で1時間、そ
の後4℃で一夜インキユベートすることにより抗原で被
覆した。ウエルを空にした後に、0.02%(v/v)Tween−
20(PBST)を含むpH7.2のリン酸緩衝生理食塩液で3回
洗浄した。プレートを3%(w/v)ゼラチン、pH7.5の10
mM Tris−HCl,150mM NaCl,0.05%(w/v)NaN3で室温30
分間処理し、残余の蛋白結合部位をブロツクした。その
後プレートを、100マイクロリツターのモノクロナル抗
体Ptn7.2A4/4(3%[w/v]牛血清アルブミン中30マイ
クログラム/ml)、pH7.5の10mMTris−HCl、150mM NaC
l、0.05%(w/v)NaN3)で、室温で2時間インキユベー
トした。PBSTで3回ウエルを洗浄した後、結合したモノ
クロナル抗体Ptn7.2A4/4を、マウスIgGに対するVectast
atin ABC Kit(Vector Laboratories,Inc.,Burlingame,
CA)を用いて定量した。プレートのそれぞれのウエル
を、100マイクロリツターのビオチニル化した馬抗マウ
スIgG(40マイクロリツターのビオチニル化抗マウス抗
体、10mlPBST中80マイクロリツターの正常馬血清)で充
填し、室温で30分間インキユベートした。プレートをPB
STで3回洗浄した。その後、プレートを100マイクロリ
ツター/ウエルのVectastain ABC Reagentを用い室温で
30分インキユベートした(プレートに添加する前に30分
間、予めインキユベートしたPBST中80マイクロリツター
のビオチニル化された西洋ワサビのパーオキシダーゼ R
eagent Bと混合した80マイクロリツターのAvidin DH Re
agent A)。PBSTで5回洗浄した後に、結合した西洋ワ
サビのパーオキシダーゼについて、100マイクロリツタ
ー基質/ウエル(50mMクエン酸塩/リン酸塩緩衝液pH5.
3,0.015%(v/v)過酸化水素中0.1mg/mlの2,2′−アジ
ノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン)6−スルホ
ン酸)を添加することにより測定した。プレートを室温
で暗所でインキユベートした。4/4nmの吸光度を、Titer
tek Multiscan自動プレートreader(Flow Laboratorie
s,Inc.,Mc Clean,VA)中で基質添加を行つて10−60分後
に測定した。
NA4縮合蛋白の免疫反応性は、TA4縮合蛋白pCOC20に匹敵
することが判つた。
例30 ひよこにおけるE.TENELLAに対するスポロゾイト中和血
清反応を誘起するための精製E. NECATRIX NA4蛋白質の使用 これらの実験に使用した抗原は、例21に述べたようにし
てスポロシストから作つた。ひよこに使用する前に、SD
S−PAGEならびにモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4による
免疫反応性によつて、この蛋白質の同定と純度を確認し
た。0.15Mリン酸緩衝塩化ナトリウム水溶液に希釈した
精製抗原1、約5%Alracel A、94% Drakeol 6−VR、
1% Tween 20から成るキヤリア3部に乳化させ最終量1
mlとした。ひよこに、頸部へ1回量15マイクログラム抗
原/0.2ccを投与した。14日間隔で更に2回、同じ投与径
路で抗原を投与した。
蛋白質各投与前3日と最終投与後11日目に、血清試料収
集のためひよこから採血した。血清を熱により不活性化
させ、例2で述べたスホロゾイト微量中和定量法にて別
々に調べた。
下の表14に述べてある結果によれば、ワクチン接種せず
キヤリアだけを投与したひよこは、E. tenellaスポロ
ゾイトに対して明白な中和抗血清力価を示さないが、こ
の抗原の3回投与を受けたひよこは中和抗血清を示し
た。
例31E.TENELLA 攻撃に対する防御反応を誘起するためのE.NEC
ATRIX NA4蛋白質の使用。
4週令白色レグホンひよこに、頸部筋肉へ筋肉内径路に
より、免疫親和力を利用して精製したNA4蛋白質15マイ
クログラム/0.2ccの一回量を14日間隔で3回投与した。
この抗原はPBS中に調製され、前述のキヤリア3部に乳
化させて60マイクログラム/mlで最終量とした。第2グ
ループのひよこにはキヤリア基質のみを投与した。第3
グループはワクチン接種しなかつた。第4グループの、
NA4ワクチン接種したひよこと同じケージ中で飼つた接
種していないひよこは、前哨として役立つた。ひよこを
E.tenellaで汚染させた一群の中に無作為に入れた。E.t
enellaに触れさせてから10日後に、ひよこを1×104
E.tenellaオーシスト経口投与量で攻撃した。24時間後
再び、ひよこに3×104オーシストを経口的に与えた。
E.tenellaの最終経口量を与えてから5日後に、すべて
のひよこを殺し、病巣を評価した。下の表15にその結果
を示す。
表15 処置グループ 病巣評価 (X+標準偏差) キヤリアのみ 4.0+0.0 キヤリア/蛋白質 2.4+1.3 ワクチン接種なしの 対照群 3.4+0.6 当該分野熟知の人には、この結果は、NA4蛋白質を投与
されたひよこが、E.tenellaの苛酷な攻撃による疾患に
対して、ある程度防御されたことを示唆している。NA4
蛋白質を投与されたグループの病巣評価は各々の対照標
準グループより低かつた。
例32 組換えEIMERIA NECATRIX(NA4)抗原にさらされたひよ
この反応およびE.TENELLAとの交差反応性 Eimeria necatrixとE.tenellaに対する、NA4ワクチン接
種ひよこの特異反応。E.necatrixE.tenellaのスポロ
シストから誘導した膜蛋白質に対するNA4ワクチン接種
ひよこの免疫反応性を証明し、又それらを同じ寄生原虫
に対するTA4ワクチン接種ひよこの反応と比較する実験
を行なつた。この実験では、10羽のひよこをPTDS1(ベ
ータガラクトシダーゼ/NA4融合生成物、例27参照)のワ
クチン接種を行い、10羽には、PDDS1(プロキモシン/NA
4融合生成物、例28参照)のワクチン接種した。これら
を10羽のpCOC20(プロキモシン/TA4融合生成物、例12参
照)のワクチン接種したひよこと比較した。これらの蛋
白質の免疫反応性は、実験に参加する前に、モノクロー
ナル抗体Ptn7.2A4/4を用いて定量し確認した。抗原は、
5% Arlacel−A、94% Drakeol 6−Vr、1% Tween 8
0から成るキヤリアを、免疫強化因子としてLPS4マイク
ログラムを含む抗原50マイクログラムに対して3:1の比
にして調製した。この処方は、1回皮下投与量を0.5−m
lとして後頭部へ与えた。ワクチン接種方式は、10日間
隔で3回投与し、各ワクチン接種時にひよこから採血
し、血清を集め、凍結保存した。実験の対照群は、pCOC
20TA4抗原/キヤリア/LPS;キヤリア/LPS;ワクチン接種
しない対照群から成り立つていた。
ワクチン接種群と対照群からの血清に対して、例13で述
べたようにウエスタンブロツトによつてE.necatrixE.
tenellaのスポロシスト蛋白質に対する免疫反応性を定
量した。
下の表16から分かるように、ひよこへのpDDS1、pTDS1、
PCOC20抗原のワクチン接種から均一と不均一の寄生種に
対する比血清反応性がわかる。
NA4組換え蛋白質のワクチン接種したひよこにおける防
御反応性 上記に概略したワクチン接種方式を施工して
から10日後、ひよこにE.necatrixまたはE.tenellaオー
シストを接種し、それら寄生虫に特徴的な病巣について
調べた。種種の処置群のひよこに、E.tenellaの胞子化
オーシスト5,000個とE.necatrixのオーシスト60,000個
を接種した。接種物は、予め、望ましい病変重症度にな
るように調節し、例18の如く、攻撃5日後に病巣を評価
した。
次の表17に示してある結果は、対照群と比較して、ワ
クチン接種群における病巣重症度の減少を示している。
組換えNA4抗原をワクチン接種したひよこにおけるスポ
ロゾイト中和血清反応性。
ならびにpTDS1の、ワクチン接種ひよこの血清へ寄生虫
中和能を付与するPDDS1とPTDS1の能力を判定するために
スポロゾイト中和定量法(SNA)を利用した。例18にお
いて確立させたSNAプロトコールを用いて、前述したワ
クチン接種群と対照群の血清について、スポロゾイド中
和能を定量した。
下記の表18に示すように、pTDS1とpDDS1のワクチン接種
したひよこから、三回目のワクチン接種後に集めた血清
は、一次merontsの発生阻止に有効であつた。
例33 EIMERIA MAXIMAのオーシスト、スポロゾイト、メロゾイ
トの作成。
コクシジユウム。Eimeria maximaの精製野外分野体
を、最初はアウバーン大のアレンイガー博士から購入し
た。この分離体の各々の純度はオーシストの特徴、感染
腸組織の組織学を使用して確かめられた。オーシストの
大きさ・形の指数はE.maximaの範囲内にあつた。
ジヨンソンとライド法によつて病巣を評価した。感染ひ
よこの病巣はこの分離体に典型的なものであつた。病理
学は腸中間部に限られ、粘液様滲出物と懐死性腸炎があ
つた。感染後4日目の組織検査から、腸中間部上皮に小
さな3代・4代目のスキゾントが見い出された。重度感
染中(1,000,000オーシストまで)、E.maximaによつて
死にはいたらなかつた。分離体各々の純度を確保するた
め、オーシストの一回クローニングを定期的に行なつ
た。
オーシストの増殖。一般的には、2から6週令SPF白色
レグホンひよこに、分離体各々の純培養液を通過させ
た。外部からのコクシジユム感染を避けるため、ひよこ
を生後1日からプレキシガラス製隔離室で飼育した。感
染から8日後に糞便中からオーシストを採集した。胞子
化したオーシストを、一般的には、2%w/v K2Cr2O7中2
4℃で保存した。
メロゾイト調整。4週令ブロイラーひよこ5羽にE.maxi
maの胞子化オーシスト1×106個を経口的に接種した。
接種してから4日後に、ひよこを殺した。腸中間部を取
り出し、PBSを急激に流し、切開した。上皮層をガラス
スライドで剥離し、1%ヒアルロニダーゼPBSの入いつ
ているビーカーに入れた。室温にて1/2時間培養後、そ
の消化物質を粗目の布に通した。懸濁液を50ml管に入
れ、1000RPMで10分間遠心分離した。上澄液を取つてお
き、沈澱物を2度洗浄した。上澄液を合わせ、3000RPM
で10分間遠心分離した。沈澱物を再懸濁し、ガラスウー
ルカラムに通した。この懸濁液を遠心分離による収集を
する前に2度洗浄した(1000RPM、4分間)。
In Vivo E.Maximaメロゾイト中和定量 E.Maximaメロゾイト中和定量のため、メロゾイトを数
え、処置群1グループ当り、ひよこ1羽当り1×107
ロゾイトになるよう希釈液を調整した。各処置群は3羽
の1週令ブロイラーひよこから構成されている。各処置
群用のプールメロゾイトは、遠沈させてから、熱で不活
性にした試験上澄液または血清(56℃、30分間)3mlに
再懸濁させた。メロゾイトを接種前に37℃にて30分間培
養した。接種のため十二指腸を外科的に露出させ、メロ
ゾイトを含む試験上澄液又は血清1mlを内腔へ注入し
た。切開部を閉じ、ひよこを処置に従つて隔離ケージに
隔離した。攻撃後1日から4日間、ロング等(1976)
(42)により記述された方法を用いて、オーシスト産生
数を数えた。
例34 E.MAXIMAに対するハイブリドーマの産生、同定、特徴。
単一クローン性抗体。ウアンドイセン、ウエトストン法
(77)を使用して開発したハイブリドーマから単一クロ
ーン性抗体を誘導した。簡単に述べると、Balb/c ByJマ
ウスを、106−107無欠E.maximaメロゾイテで繰返し免疫
にした。無欠メロゾイテの最終静脈内注射から3日後
に、無差別に選んだマウスを殺し、脾臓を摘出した。脾
細胞を器官の線維組織から分離し、洗浄してからネズミ
の形質細胞腫細胞系(sp2/OM)と融合させた。
E.Maximaメロゾイト−特異性ひよこ抗血清 SPF白色レグホン型ひよこにおいて、Eimeria maxima
ロゾイトに対して免疫性のひよこ血清を調整した。簡単
に述べると、1〜2週令のひよこに、14日毎に、凍結/
溶融したメロゾイトを四回注射した。各々のひよこに、
一回目の注射では4×10-5メロゾイトを、次に1.4×107
メロゾイトを含む注射液を更に4−5回与えた。最終接
腫後5日目に心蔵穿刺によつて血液を得た。血清を集め
−20℃で保存した。
間接蛍光抗体スクリーニング。E.maximaのメロゾイド
(約1×106/容器)を用いてIFAスライドを作製した。
スライドを数時間から一夜風乾し、次に1%牛血清アル
ブミン(BSA)10マイクロリツトルを各間の容器に加え
た。BSA添加から5分後に、試験上澄液20マイクロリツ
トルを加えた。上澄液を37℃、20分間培養し、次に、0.
05%ツイーン−20を含むPBS(PBS−ツイーン)で三回洗
浄した。蛍光結合ウサギ抗体(PBSで1:40に希釈)を試
料に加え、37℃にて20分間培養した。その結合体をPBS
−ツイーンで3回洗浄したのち、スライド液とカバーグ
ラスを載せた。
結果。E.maximaメロゾイトに対して開発された多くのハ
イブリドーマのうち、8種がこの寄生虫のメロゾイト段
階に対する中和抗体を産生することが判明した。研究し
たハイブリドーマすべては、膜結合抗原を認識する抗体
を産生した。ハイブリドーマ細胞系ATCC No.HB 8946が
産生し、Pm×47.8B5と表わされる単一クローン性抗体は
E.maximaオーシスト産生を減少させる傾向を持つため選
択された。
例35 中和モノクローナル抗体PMX47.8B5及びE.MAXIMA分裂小
体特異性ニワトリ抗血清の両方により認識されたE.MAXI
MA抗原の同定 ニトロセルロース紙への抗原の電気泳動移動:分裂小体
膜タンパク質(例36の記載に従つて化溶化した洗剤)を
一次元ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドスラ
ブゲル(35)を用いて還元或は非還元条件で分離し、電
気泳動によりニトロセルロース紙への移動を行つた
(5)。電気泳動ブロツトはSharmaらの方法(64)で作
製したが、例外として血清、モノクローナル抗体及び特
定の抱合体(ヤギ抗ニワトリIgGと接合したペルオキシ
ダーゼ(KirkegaardとPerryによる)、ウサギ抗マウスI
gGと接合したペルオキシダーゼ(Cappelによる))を用
いた。ブロツトはこれらを4−クロロ−1−ナフトール
(シグマ社;660μg/ml)及びH2O2(0.17%)と反応させ
て展開した。
Pmx47.8B5 モノクローナル抗体によるE.maxima抗原の
免疫ブロツトの結果。いくつかのE.maxima分裂小体タン
パク質と反応させて調製したモノクローナル抗体は、1
つはみかけの分子量が55,000ドルトンであり、もう1つ
はみかけの分子量が42,000ドルトンである(還元或は非
還元の条件でのSDS−PAGEにおいて)。しかし、Pmx47.8
B5がいくつかのアイメリア抗原に共通のエピトープを認
識すると思はれている。
例36 アイメリアMAXIMA8B5抗原の精製及び特性 モノクローナル抗体Pmx47.8B5の精製。アフイニテイー
クロマトグラフイー用の固相にPmx47.8B5モノクローナ
ル抗体を結合させる前にHB101無血清培地中にみられる
汚染成分及びタンパク質(すなわち、BSA、トランスフ
エリン、インスリン、成長因子等)を取り除くための精
製を行つた。この精製機構の第一段階は製造者の示す使
用方法に基づき上澄に含まれるPmx47.8B5から過剰のBSA
を取り除くためにDEAE−AFFiゲルブルーカラム(BIO−R
AD)を通すことであつた。この後で次に示す陰イオン或
は陽イオン交換クロマトグラフイーによる精製を行つ
た。部分的に精製された抗体をpH8.0の20mMリン酸ナト
リウム緩衝液でDEAE−セフアデツクスカラムに乗せ、同
じ緩衝液中で塩化ナトリウム濃度を0〜500mMにグラジ
エントさせて流出させた。陽イオン交換方法は、Carlss
onらの方法(6)に基づいたが、SP−セフアデツクスの
代わりにリン酸セルロース樹脂(BIO−RAD)を用いた。
流出分画中の抗体の位置はELISAにより測定し、純度はS
DS−PAGEにより決定した。
Pmx47.8B5アフィニテイー樹脂の作製。精製後、Pmx47.8
B5モノクローナル抗体を製造者の示す方法に基づき、CN
Br活性化セフアロース4B(フアルマシア社)或はベツク
マン ULTRAFFINTTY −EPカラム(ベツクマン社)と連
鎖させた。
分子量55,000ドルトンの8B5抗原の精製。E.MAXIMA分裂
小体を20mMトリス塩酸(pH7.5)、25mM塩化ナトリウ
ム、50mM塩化マグネシウム、1%(v/v)トリトンX−1
00、1mMPMSF、1mMTLCK、0.1mMTPCK及び10KIU/mlアプロ
チニンを含む溶液中に再懸濁させ、最終的な濃度を108
分裂小体/mlとした。1時間インキユベート後、28,000g
で回転(10分4℃)させると不溶性物質がペレツト状と
なつた。
サンプルをAG501−X8混合ベツド樹脂を含むPBS(pH7.
2)に対して広範囲の透折を行つた。分子量55,000ドル
トンの8B5抗原をPmx47.8B5モノクローナル抗体を用いて
上澄から免疫吸着させた。非特異結合タンパク質はpH7.
5(高)或はpH4.0(低)の洗浄により取り除いた。結合
分画は500mM水酸化ナトリウム1ml中にグリシン(pH3.
0)を0から1Mまで増加させて1mlずつの分画として流出
させた。精製されたポリペプチドは、ミクロタイタープ
レートELISAにより、Pmx47.8B5モノクローナル抗体との
反応性があることを示した。
例37 E.COLI中のE.MAXIMA λgtllゲノム表記ライブラリーの
構成 本研究に用いられた組換え体DNAライブラリーは脱リン
酸化されたλgtllアーム中に連結された(ベクタークロ
ーニングシステム)E.maximaの完全なEcoRI消化によつ
て作られた。アームは0〜7kbpの長さの部位に挿入でき
る。E.maxima DNAは次の手法を用いて3.6×107の胞子形
成されたオオシストから精製されたものであつた。胞子
形成されたオオシストを洗浄し、スポロシストは前に述
べた方法で分離した。分離したスポロシストを0.1Mトリ
ス塩酸(pH8.5)、0.2M塩化ナトリウム、10mM EDTAを用
いて2回洗浄した。スポロシストを0.1Mトリス塩酸(pH
8.5)、0.2M塩化ナトリウム、50mMEDTA、1%SDS、150
μg/mlプロテイナーゼKを含む溶液中で65℃30分インキ
ユベートして溶解した。室温まで冷却後、DNAを同体積
の液化フエノールを用いて1時間かけて徐々に抽出し
た。3000rpmで10分間遠心分離後、水相を取り除き、境
界面及びフエノールを10mMトリス塩酸(pH8)、1mMEDTA
を用いて再抽出した。水相を混合しフエノールで1回及
びクロロホルム:イリアミルアルコール(24:1)で2回
抽出した。DNAをエタノール分画法により分離した。DNA
ペレツトを10mMトリス塩酸(pH8)、1mMEDTAに再溶解、
37℃で1時間0.15mg/mlのDNアーゼ遊離RNアーゼAを用
いて処理した。RNアーゼの消化後、サンプルをフエノー
ルで1回、クロロホルム・イソアミルアルコール混液で
1回それぞれ抽出してからエタノールで沈澱させた。Ec
oRI−切断E.maxima DNA(0.4μg)をT4DNA連結酵素(I
BI、0.5ユニツト)を5μlの総体積に含むインターナ
シヨナルバイオテクノロジー社(IBI)製のT4DNA連結緩
衝液中の脱リン酸化λgtllアーム(2.0μg)を用いて1
2℃で15時間インキユベートした。この反応混合物4μ
gをベクタークローニングシステム(ギガパツクGP10)
から使用方法のとおりに凍結溶解及び音波パツケージン
グ抽出法を用いてランダプラーク形成単位(pfu)中に
組み合わせた。反応をCHCl3の添加により停止させ、SM
溶液で希釈した。SMの組成は 0.58%塩化ナトリウム≡(0.1M) 0.2%硫酸マグネシウム・7H2O 50mMトリス7.5 0.01%ゼラチン ライブラリー中の組換えフアージの数を査定するため組
み合わせたDNAの一部をE.Coli菌株Y1090.r(プロメガ、
バイオテク:EColi Lac U169 ΔLon ara D139 strA
supF[trpC22::Tn10]hsd R(PMC9−−))の後期ロ
グ培養200μlに吸着させた。これらの培養物は5mMIPTG
を含むMZCYM上層寒天(44)の中のX−ガルアンピシリ
ン(100μg/ml)のプレート上(55)にうえつけた。組
換え体はこの方法では無色のプラークを形成し一方非組
換え体は青いプラークを形成した。このライブラリーは
この方法では95%以上の組換えを示し、10°pfuを含ん
でいることを示した(これは非拡大ライブラリーであ
る)。
Pmx47.8B5に反応性を持つ抗原を表わすクローンのライ
ブラリーのスクリーニング。ライブラリーはNZYアンピ
シリン(100μg/ml)上層寒天(44)中の5×104pfu/16
0mmL−アンピシリン寒天プレートにうえつけた。プレー
トを上むきにして42℃で3.5時間インキユベートした
後、10mMのIPTGで飽和して空気乾燥させたBA85ニトロセ
ルロース濾紙(Schleicher & Schnell)を用いて過剰
に乗せた。プレートを次にさらに4時間38℃でインキユ
ベートした。濾紙を取り除きTBST(50mMトリスpH8.0、1
50mM塩化ナトリウム、0.05% Tween 20)溶液を用いて
洗浄した。
濾紙をWestern Blocking緩衝液(3%ゼラチン、10mM
トリス 0.9%塩化ナトリウム、0.05%アジ化物)中で1
5〜30分間インキユベートした。ブロツキング緩衝液を
除き、濾紙を最初(一次)の抗体として10-4パーツの8B
5腹水液を含む最初の抗体緩衝液(3%BSA、10mMトリ
ス、0.9%塩化ナトリウム、0.05%アジ化物)中に置い
た。濾紙をこの溶液中で22℃で4時間或は4℃で1晩イ
ンキユベートした。それから濾紙を二次抗体としてビオ
チン化したウマ抗マウス、アビジン共役ペルオキシダー
ゼ及び発色剤として4−クロロ−1−ナフトールを用い
て(ベクタステインキツト試薬及び標準手法)展開し
た。
10個のプレートから作成された5×105pfuに等しい濾
紙は、以上の方法でスクリーニングされPmx47.8B5に特
異的に反応する23pfuが同定された。
例38 Pmx47.8B5免疫活性物質を精製するλgtllE.MAXIMAクロ
ーンの特性 Pmx47.8B5と反応する23個のクローンはそれぞれプラ
ーク精製であつた。クローンを次に培養して、DNAをHel
msら(23)の方法によつてこれらのクローンから精製し
た。DNAをEcoRIで消化し、それぞれのクローンに挿入し
EcoRIの大きさをアガロース或はアクリルアミドゲル
(表XIX 1行目)による電気泳動によつて同定した。
それに加えて、それぞれのλgtllE.maximaクローンの溶
原をE.coli株菌Y1088(Y1090に対する溶原、Y1088はhf1
A及びHsd+であることは例外)を用いて作成した。それ
ぞれの溶原の誘導培養物が成長してから、凍結溶解によ
り細胞抽出を行つた。これらの抽出は重複還元SDSアク
リルアミドゲル(10%或は5%のアクリルアミド)によ
る電気泳動により分画された。次に、これらは、フアー
ジ表現ベクトルλgtll(表XIX、第2段と第3段目)で
コードされたβガラクトシダーゼを含むタンパク質融合
として組換え抗原が表現されているか否かを調べるため
に、最初の抗体として8B5腹水液或はウサギ抗β−ガラ
クトシダーゼを使用するウエスタンブロツト法により分
析した。これらのうち、2つのPmx47.8B5クローンは45K
d−220kdのタンパク質と反応した。ブロツトの重複セツ
トのための最初の抗体として使用されたウサギ抗β−ガ
ラクトシダーゼは、Pmx47.8B5により同定されたものと
同じタンパク質バンド或は116kdタンパク質、β−ガラ
クトシダーゼのM.W.のいずれかと反応した。前者の反応
パターンによれば、問題のクローンがハイブリツド或は
融合タンパク質をコードすることを示している(E.maxi
maタンパク質はC−末端に近いところでβ−ガラクトシ
ダーゼと融合した)。後者の反応パターンによれば、分
析されたクローンがλgtllのβ−ガラクトシダーゼ遺伝
子と融合しないE.maximaタンパク質をコードすることを
示している。このようにウエスタンブロツト分析により
23個のクローンが融合及び非融合のカテゴリーにグルー
プ分けされる。
上述のウエスタンブロツト分析によるデータとそれぞれ
のクローンに挿入されたEcoRI E.maximaの大きさについ
ての知見とを組み合わせることで23個のクローン間の同
胞グループを同定することが可能になつた。この分析結
果より、もとの23個のクローン中13個の中から独立(非
同胞)クローンを同定した。これらの13のうち7個がβ
−ガラクトシダーゼ−E.maxima融合タンパク質にコード
される。この中には、クローン5,11及び13が含まれてい
る(表XIX 4段目)。一方、他の6個はクローン4及び1
8が含まれており非融合タンパク質にコードされる。p14
−9と呼ばれる付加的サブクローンも、Pmx47.4B5に免
疫反応性を持つβ−ガラクトシダーゼ−E.maxima融合タ
ンパク質を生成するものとして同定された。このサブク
ローンはサブクローンpB−8と同様のE.maxima構造を持
つ独立分離であると考えられる。
クローン5,11及び13は融合タンパク質をコードするクロ
ーンの例である。クローン5,11及び13の溶原はそれぞれ
約120,160及び180kdのPmx47.8B5−免疫反応性を持つタ
ンパク質を表現している。E.maximaのPmx47.8B5−標的
抗原を表わすβ−ガラクトシダーゼとも反応するタンパ
ク質はλgtllのβ−ガラクトシダーゼにより融合され
る。
λgtllクローン5,11及び13(それぞれ約0.24,0.8及び3.
8kb)から挿入されるEcoRIは、E.coliからβ−ガラクト
シダーゼ遺伝子を挿入されたpBR322から誘導されたプラ
スミドPDK2中にサブクローンされた。サブクローンp5−
3、p11−2及びp13−8(E.coliを宿主とするD1210)
はPmx47.8B5及びウサギ抗−β−ガラクトシダーゼの両
方に免疫反応性を持つタンパク質120,160及び180kdをそ
れぞれ表現していた。
サブクローンD1210/p5−3、D1210/p11−2及びD1210/p
13−8からのミニスクリーンDNAはE.coliを宿主とするM
HI(Hsd R-M+)に形質転換され、次いでラクトースプロ
モーター及びオペレーターの制御下で組換え体抗原の表
記を特に調製するリプレツサー分子をコードするのを助
けるプラスミドボルネLaci 0 を含むLon-及びLon+宿主へ
と形質転換された。遺伝子の表現はIPTGの添加によりこ
れらの培養物中に誘導された。またそれぞれの宿主によ
り生成された組換え体抗原のレベルは7.5%SDS−PAGEを
用いた電気泳動による調製及び分画されたセル抽出物に
よつて決定された。
対照的に、λgtll−maximaクローン18の溶原はβ−ガ
ラクトシダーゼ抗体とは反応しない約100kdのPmx47.8B5
との反応性を持つタンパク質を表現していた。このよう
に、クローン18はλgtllのβ−ガラクトシダーゼタンパ
ク質と融合しないPmx47.8B5に反応性を持つタンパク質
をコードする。
クローン18のDNAを精製し、EcoRIで消化しプラスミドベ
クトルpUC18中にサブクローンさせた。E.coli株菌JM83
ara(am)‐‐Δ‐‐lac prostrA thi(−80d
laci 0 ΔZM15))の白色コロニー形成の質転換細胞をX
−ガル−アンピシリンプレートから取り出し、ミニスク
リーンDNAを12のこのような候補から調製した。ミニス
クリーンDNAをEcoRIで消化し、1%アガロースゲル上の
電気泳動により分画した。1mlの培養物をλgtllクロー
ン18中に存在するEcoRI−挿入(3.6kb)量と同量を含む
これらのサブクローンから生育させた。これらの培養物
の細胞溶解質はPmx47.8B5を用いたウエスタンブロツト
法で分析した。分析した培養物の約半分はおよそ100kd
のPmx47.4B5−反応性を持つタンパク質であり残りはそ
うではなかつた。この結果は、クローン18中に挿入され
EcoRIによりコードされたE.maximaタンパク質の表現
はpuC18プラスミド内への挿入の定位に依存しているこ
とを示していた。おそらくE.maximaDNAは翻訳開始の信
号を含んでいるが抗原の符号づけの続発の転写はλgtll
−β−ガラクトシダーゼプロモーターによる読み取り転
写に依存している。
サブクローンp18〜39(Pmx47.8B5反応性を持つタンパク
質)のミニスクリーンDNAはJM83及びSG936(テキスト中
の他の場所の遺伝子型を見よ)に形質転換された。組換
え体抗原の表現レベルはSDS−PAGE及びウエスタンブロ
ツトを用いた電気泳動による分画細胞抽出により測定し
た。この条件の下での、表現レベルは総細胞タンパク質
の1%以下であつた。
λgtllE.maximaクローン4をクローン18と平行して分析
を行つた。この結果は検査されたクローン4のサブクロ
ーン18個すべてがPmx47.8B5−反応性を持つタンパク質
(この場合は約50kd)を表現したという点で異つてい
た。サブクローンの制限マツピングによればEcoRI挿入
の可能な2つの定位は検査した18の中に示されているこ
とを示していた。これらの結果はλgtllクローン4中で
クローンされたEcoRI−E.maximaDNAは翻訳及び転写開始
の信号を備えていて、この信号はE.coliを宿主とするJM
83中でも確認されること(すなわち表現が定位に存在し
ていないこと)を示している。
例39 サブクローンP5−3、P11−2、P13−8からのベーター
ガラクトシダーゼ−E、MAXIMA融合蛋白質の精製 P5−3、P11−2、P13−8と指定されるλgtll−E.ma
ximaクローン5,11,13のプラスミドPDK2中のサブクロー
ンは、Pmx47.8B5及びベーターガラクトシダーゼに対す
るウサギの抗体により免疫反応を起こすベータガラクト
シダーゼ−E.maxima融合蛋白質をコード化している。こ
の融合蛋白質を精製するめに、これら3個のサブクロー
ンからなるDNAを重要な濃度の融合蛋白質が発現するE.c
oli菌株SG936(F- lac(am) trp(am) pho(am) s
upC(ts) rpsL mal(am) htpR(an) tsx::Tn 1
0 lonR9)に形質変換した。
SG936中のサブクローンp5−3、p11−2、p13−8の
培養液1リツトルを、L−アンピシリン肉汁中30℃でO.
D.600が約1.5まで増殖した。無効用誘導物質IPTGを添加
して1mMにし培養液を30℃でさらに2時間培養した。4
℃、6000rpm,15分間遠心分離(Sorvall,GS3ローター)
して細胞を集めた。ペレツトを1×M9塩(55)中で洗浄
し、−20℃で凍結した。次にペレツトを溶かし、10mMリ
ン酸緩衝液、pH7.5及び0.5mg/mlリゾチーム40mlに再懸
濁し、室温で30分間培養した。この懸濁液を、サンプル
の粘度が有意に減少するまで超音波処理(30秒の破裂)
した。サンプルを、AH641ローターで、30,000rpm、4
℃、60分間、遠心分離した。ペレツトをピペツトで取
り、超音波処理して、10mMリン酸緩衝液40ml、pH5、中
で再懸濁し、次にEDTA(20mM)とTriton X−100(5
%)を加えた。サンプルを室温で1時間穏やかに混合
し、次にT865ローターで4℃、30,000rpmで60分間遠心
分離した。このように調製したペレツトは、サブクロー
ンp5−3、p11−2及びp13−8の純度がそれぞれ約70
%、20%及び30%である所望の出発蛋白質の約60%を含
有していた。
例40 ひな鶏におけるメロゾイトを中和する血清反応とE.MAXI
MAに対する防御反応を誘発させるためのE.MAXIMA8B5抗
原の使用 8B5抗原を使用したE.MAXIMAに対するメロゾイトを中和
する血清反応の誘発 これらの実験に使用する8B5は、
実施例36に記載されている還元されていないそのままの
8B5抗原の調製の方法によつて、メロゾイトから調製し
た。この蛋白質の純度と同一性は、ひな鶏で使用する前
に、SDS−PAGE及びモノクローナル抗体Ptn47.8B5との免
疫反応によつて確かめた。
ワクチン製剤は、規定方式に従つて、投与量0.2mlに
つき約50マイクログラムの8B5抗原が含有されるよう
に、抗原1容量に対して5%Arlacel A、94% Drakeol
6−VR,1%Tweenから成るオイルキヤリアー3容量の濃度
で調製した。必要な場合は、抗原をPBS(pH7.2)で希釈
して規定方式に所望される濃度にした。ひな鶏の頸の筋
肉に0.2mlを筋肉内投与した。抗原を同量、同じ経路で
2週間間隔でさらに2回投与した。
蛋白質をそれぞれ投与する3日前及び最終投与の11日
後に、血清サンプルを採取するために鶏を脱血した。心
臓の不活性化した血清をメロゾイトマイクロ中和検定
(実施例33)で別々に試験した。代表的なものとして
は、3×107の新たに調製したE.maximaのメロゾイトを
試験血清1.5ml中で室温で15−30分間培養した。培養
後、1×107のメロゾイト(0.5ml)を、2週齢の焼肉用
の鶏の外科的に露出した十二指腸に接種した。鶏を個別
ケージに収容し、卵母細胞の産生量を、感染後1−4日
に収集した糞便を十分混合して、各処置群ごとに計つ
た。McMaster血球計算板を用いて卵母細胞を数えた。下
の表XXに示した結果は、キヤリアーを投与されワクチン
処理をされていない鶏にはE.maximaメロゾイトに対する
はつきりとして中和抗血清力価がなかつたが、抗原を3
回投与された鶏にははつきりとした中和抗血清力価があ
つたことを示している。
8B5蛋白質を使用したひな鶏における防御反応の誘発
最終ワクチン接種の6週間後に、なん匹かの鶏に、40,0
00の胞子に変態させたE.maxima卵母細胞を経口試用投与
した。投与の5日後から10日後の間に産生した卵母細胞
を数えた。この細果は、下の表XXIに示した。
表XXI E.maxima胞子虫症に対する8B5抗体ワクチン接種鶏の防
ワクチン接種群 卵母細胞の産生 ワクチン接種していない 対照 29.0×106 (n=17)アジユバンドのみ (n=5) 22.5×106 8B5抗原/アジユ バンド 15.1×106 ワクチン接種(n=8) 実施例41 ひな鶏においてメロゾイトを中和する血清反応及びE.
MAXIMAに対する防御反応を誘発させるための非−再生組
換型のEIMERIA MAXIMA(8B5)抗源の使用 組換型の8B5抗原5個を用いたW.Maximaに対するメロ
ゾイトを中和する血清反応の誘発 これらの実験に用い
られた3個の8B5組換型の抗源は、実施例36に記載され
ている方法によつて組換型の細菌から調製した。この蛋
白質の純度と同一性は、ひな鶏に用いる前に、SDS−PAG
E及びモノクロナール抗体Pmx47.8B5との免疫は反応性に
よつて確認した。
抗源の調製試料は、各0.2mlの投与量に約100マイクロ
グラムの組換型の8B5抗原と0.04mgのLPSが含有されるよ
うに、抗源1容量に対して、5%Arlacel−A、94% Dr
akeol6−VR、1% Tween80から成るオイルキヤリアー3
容量の濃度で規定方式に従つて調製した。必要な場合
は、抗源をPBS(pH7.2)で希釈して規定方式で調製する
に必要な濃度にした。ひな鶏に、0.5mlを2週間間隔で
さらに3回同経路で同量ずつ投与した。
蛋白質をそれぞれ投与する1日前及び最終投与の14日
後に血清サンプルを採取するために鶏を脱血した。放血
の群と時間との関連においてプールされた2回目、3回
目及び4回目の放血で得られた血清を、実施例33に記載
されているようにin vivoのメロゾイトの中和検定で試
験した。2回目の放血でプールされた血清を熱不活性化
し、一方、3,4回目の放血で得られた血清は熱不活性化
しなかつた。
下の表XXIIに示した結果は、キヤリアー及びアジュバ
ントのみを投与された鶏の血清はE.maximaメロゾイトを
中和しなかつたことを示している。しかしながら、抗源
を投与されたいく羽かの鶏の血清はメロゾイトを中和し
た。
2回目の放血に関しては、実施例40に記載されている
ようにSG936/p5−3組換型抗源又は可溶化したE.maxima
メロゾイト蛋白質をワクチン接種した群の血清で処理し
たメロゾイトを投与された鶏にだけ、卵母細胞産生の減
少が起つた。3,4回目のワクチン接種の後に、ほかのワ
クチン群の血清が卵母細胞の中和を示した。これらの群
の中で、卵母細胞の産生の減少が最も一定した群はSG93
6/5−3であつた。
8B5組換型抗源を投与された鶏に関するin vivoEime
ria maximaメロゾイト中和検定 E.maximaメロゾイト組換型抗源(8B5)を用いたひな
鶏における防御反応の誘発。
最終ワクチン接種の14日後に、鶏に20,000個の胞子に変
体させたE.maximaを経口投与した。糞便を、投与の5日
後と10日後の間に収集した。各処理群ごとの卵母細胞の
全産生量を、実施例40に記載した方法を用いて求めた。
下記の表XXIIIの結果は、卵母細胞の全産生数の減少は8
B5組換型の抗源をワクチン接種した鶏に観察されたこと
を示している。
8B5組換型抗源のワクチン接種をした鶏のE.maxima
もとづく胞子虫症に対する防御 例42 E.tene11a及びE.maxima等の多くのEimeria種によつて
引き起される胞子虫症に対して鶏を免疫化するためのワ
クチンは、遺伝子工学的に処理したE. tene11aTA4胞子
虫の膜蛋白質及びモノクロナール抗体Pm×47.8B5または
任意のこれに類似した組成をもつものによつて同定され
る元の分子量が55,000のE.maxima8B5抗源から調製され
る。抗源の適当なキヤリア−は、5%Arlacel A.94%Dr
akeol 6−VR,1%Tween−80である。ワクチンの調製は、
抗源水溶液1部とArlacel A/Drakeol 6−VR 3部を用い
て投与量あたり各抗原が10から200マイクログラムの最
終濃度に形成するごとく行なう。各投与量には、Salmon
e11a minnesotaLPS等の免疫増強剤も10マイクログラム
/投与量含めることができる。ワクチンは、どのような
年齢の鶏にも、またどのような経路によつても、たとえ
ば筋肉内経路、投与してよい。適切にワクチン接種した
鶏は、ワクチンに含まれている種を野外投与することに
よつて引き起される活動の低下ろ死を含む病気から守ら
れる。
例43 胞子虫症や他の病源物質に対して鶏を免疫化するため
のワクチンは、遺伝子工学的に処理したE. tene11aTA4
胞子虫の膜蛋白質と鳥類のバイアル抗原、即ち、感染性
の滑液包嚢の病原ウイルス、からも調製してもよい。こ
の組合わせの抗原の適切なキヤリアーは、5%Arlacel
A.94% Drakeol 6−VR,1% Tween 80である。このワク
チンの調製は、抗源水溶液1部とArlacel A/Drakeol 6
−VR3部を用いて投与量あたり各抗源が10から200マイク
ログラムの最終濃度に形成するごとく行なう。ワクチン
は、どのような年齢の鶏にも又どのような経路によつて
も、たとえば筋肉内経路で投与してよい。適切にワクチ
ン接種した鶏は、少なくとも1個のEimeria抗源エピト
ープがあるワクチンに含まれる種を野外試用投与するこ
とによつて引き起される病気(活動の低下や死を含む)
から守られる。下記の記述部分は主張所見の形で提出さ
れる好ましい形体で1〜249にわたるものである。
例44 組換えEIMERIA TENELA(TA4)抗源及び組換えEIMERIA M
AXIMA抗源のマルチ−成分暴露に対するニワトリの応答 E.terella(pCOC20)及びE.maxima組換え抗原(p5−
3、p14−9、又はp11−2)を用いてワクチン投与した
トリの免疫活性を証明するために実験を行なつた。トリ
は次の如くグループ分けした。
ワクチンを例42及び43と同様にして、担体と抗原の比
3:1(v/v)で製剤化した。Salmonella minnesotaLPSを加えて終濃度8micrograms/
mlとし、全抗原濃度は、1ml当り、100microgram又は200
microgramとした。この製剤は、頭の後へ0.5ml皮下投与
するのに供した。ワクチン投与を2週令のレグホンに行
ない、10日間の間隔で3回投与を行ない、ワクチン後、
血清を採取し凍結した。コントロールは、担体/LPSを用
いた場合を使用した。ワクチン化したニワトリ及びコン
トロール投与のニワトリからの血清について、膜蛋白か
ら得られるE.tenellaスポロシスト及びE.maxima全メロ
ゾイト蛋白に対する免疫活性を、ウエスタンブロツト分
析及び直接蛍光抗体染色により評価した。
最後のワクチン投与10日後、すべてのグループについ
て、500E.tenella及び/又は100E.maxima感染オオシス
トを接種し、次いて5日後に、2回目の4000E.tenella
及び40,000E.maxima感染オオシストの接種を行なつた。
E.tenellaによる盲腸の病変、E.maximaによる十二指腸
の病変、それぞれの病原体に対する特徴点を、2回目の
接種5日後に記録した。E.tenella及びE.maximaの組換
え抗原によりワクチン投与したトリの血清応答を評価す
るため、寄生生物中和化分析を用いた。E.maximaに対す
る活性は、例33で記述したin vivo中和化分析を用いて
評価した。得られた結果は、表XXIV、XXV、XXVI及びXXV
IIにまとめた。
例45 pCOC20でワクチン化後のニワトリの体重増加 pCOC20(TA4)抗原の3つの異なるロツトについて、
単回投与ワクチン/チヤレンジ研究にて評価した。ブロ
イラーに、PHA(50microgram)とともに抗原(100micro
gram)を、首の後に皮下投与して接種した。ワクチン化
は5−6日令について行なつた。14日後トリを生育し、
体重をはかり、担汁を採取し、次いで5,000の胞子形成
したE.tenellaオオシストを接種した。接種材料は、あ
らかじめ滴定し、重い病変が生じることを確認した。チ
ヤレンジ6日後、トリを育て、再び体重を測つて、2,3
のトリを殺し、病変を記録した。残りのトリについて、
チヤレンジ後10日目で再び体重を計つた。ワクチン投与
したトリの病変は、非ワクチン投与のトリのそれと有意
差はなかつた。体重増加を表XXVIIIに示した。
10日間チヤレンジ後の体重増加%から、pCOC20でワク
チン投与した場合に、チヤレンジに対する保護の程度が
分かる。キモシン/アジユバント及びアジユバントのみ
のグループは、非ワクチン投与チヤレンジグルートと相
異はなかつた。
以下に本発明の好ましい態様1〜247項を示す。
(1)第5図に示す核酸配列を有し、Eimeria tenella
から誘導される、分子量約25,000ダルトン、ジスルフイ
ド結合で結合した2個のポリペプチドから構成され、一
方のポリペプチドは分子量約17,000でN末端が遮閉され
ていることを特徴として第5図に示すアミノ酸配列を有
し、他方のポリペプチドは分子量約8,000ダルトンで第
5図に示すアミノ酸配列を有する抗原性蛋白質をコード
する単離ゲノムDNA (2)分子量約25,000ダルトンで第7図に示す連続アミ
ノ酸配列を有する抗原性ポリペプチドをコードする核酸
分子 (3)第2項に記載のcDNA (4)第2項に記載のmRNA (5)分子量約25,000ダルトン未満で、第1項に記載の
DNAによつてコードされる蛋白質のアミノ酸酸配列内に
包含されるアミノ酸配列の抗原性ポリペプチドをコード
するDNA分子 (6)第5項に記載のDNA分子と他のアミノ酸配列をコ
ードするDNAからなるDNA分子 (7)約25,000ダルトン以上の分子量を有する抗原性ポ
リペプチドをコードするDNA分子であつて、第1項に記
載のDNA分子および他のアミノ酸配列をコードするDNAか
らなるDNA分子 (8)約25,000ダルトン未満の分子量を有する抗原性ポ
リペプチドと、第2項に記載の核酸配列によつてコード
されるポリペプチド内に包含されるアミノ酸配列とをコ
ードするDNA分子 (9)第8項に記載のDNA分子と他のアミノ酸配列をコ
ードするDNAからなるDNA分子 (10)約25,000ダルトン以上の分子量を有する抗原性ポ
リペプチドをコードするDNA分子であつて、第2項に記
載の核酸分子と他のアミノ酸配列をコードするDNAから
なるDNA分子 (11)クローニングビークルDNAと第3項記載のcDNAか
らなり、クローニングビークル DNAには第1および第
2の制限酵素部位が存在し、cDNAはこの部位にクローン
化される組換えクローニングビークル (12)第11項記載のクローニングビークルをもつ細菌宿
主細胞 (13)名称JM83/pTCD26,ATCC登録番号第53315号である
第12項記載の大腸菌宿主細胞 (14)適当なキヤリアーDNAおよび第1項記載のゲノムD
NAからなり、適当な宿主細胞中に導入すると25,000ダル
トン抗原性蛋白質を発現できる発現ベクター (15)適当なキアリアーDNAおよび第5項記載のDNAから
なり、適当な宿主細胞中に導入すると、分子量約25,000
未満の抗原性ポリペプチドを発現できる発現ベクター (16)適当な宿主細胞に導入すると、適当なキヤリアー
DNAおよび第6項記載のDNAからなる抗原性ポリペプチド
を発現できる発現ベクター (17)適当な宿主細胞に導入すると、適当なキヤリアー
DNAと第7項記載のDNAからなる分子量25,000ダルトン以
上の抗原性ポリペプチドを発現できる発現ベクター (18)プラスミドDNAと第3項記載のcDNAからなり、適
当な細菌性宿主細胞に導入すると分子量25,000ダルトン
の抗原性ポリペプチドを発現できる細菌性発現ベクター (19)pDET1と命名された第18項記載のベクター (20)pDTE2と命名された第18項記載のベクター (21)プラスミドDNAは、5′から3′の順序に、 プロモーターまたはプロモーターとオペレーターのい
ずれかを含むDNA配列、 所望の遺伝子のmRNAを宿主細胞内のリボソームに結合
できるようにするリボソーム結合部位を含むDNA配列、 ATG 開始コドン、 所望の遺伝子をATG開始コドンと同相に挿入できる制
限酵素部位、 宿主細胞内で自動複製できる、細菌プラスミドからの
複製オリジンを含むDNA配列、 ベクターが宿主細胞内にあると表現される、選択また
は同定可能な表現型特性を伴う遺伝子を含むDNA配列、 を包含する二本鎖DNAからなる第18項記載のベクター (22)適当な細菌宿主細胞内に導入すると分子量約25,0
00ダルトン未満の抗原性ポリペプチドを発現できる、プ
ラスミドDNAと第8項記載のDNAからなる細菌性発現ベク
ター (23)適当な細菌宿主細胞内に導入すると抗原性ポリペ
プチドを発現できる、プラスミドDNAと第9項記載のDNA
からなる細菌性発現ベクター (24)適当な宿主細胞内に導入すると、25,000ダルトン
のポリペプチドが他のアミノ酸配列に融合した融合ポリ
ペプチドを発現できる、プラスミドDNAと第10項記載のD
NAからなる細菌性発現ベクター (25)他のアミノ酸配列をコードするDNAはβ−ガラク
トシダーゼをコードし、融合ポリペプチドの分子量は約
135,000ダルトンである第24項記載のベクター (26)pBGC23と命名された第25項記載のベクター (27)他のアミノ酸配列をコードするDNAはプロキモシ
ンをコードし、融合ポリペプチドの分子量は約65,600ダ
ルトンである第24項記載のベクター (28)pCOC12と命名された第27項記載のベクター (29)他のアミノ酸配列をコードするDNAは、SphI消化
によつて修飾され、その結果249bpの欠失を生じたプロ
キモシンをコードし、融合ポリペプチドの分子量は約5
6,500ダルトンである第24項記載のベクター (30)pCOC20と命名された第29項記載のベクター (31)第14項記載の発現ベクターを含む宿主細胞 (32)第18項記載の発現ベクターを含む宿主細胞 (33)第32項記載の大腸菌宿主細胞 (34)ベクターpBGC23を含有し、ATCC登録番号53317号
の、REN3/pBGC23大腸菌宿主細胞 (35)ベクターpCOC12を含有し、ATCC登録番号53314号
の、REN3/pCOC12大腸菌宿主細胞 (36)ベクターpCOC20を含有し、ATCC登録番号53313号
の、REN3/pCOC20大腸菌宿主細胞 (37)ベクターpDET1を含有し、ATCC登録番号53316号
の、REN3/pDET1大腸菌宿主細胞 (38)ベクターpDET2を含有し、ATCC登録番号53318号
の、REN3/pDET2大腸菌宿主細胞 (39分子量約25,000ダルトンで、第7図に示すアミノ酸
配列を有する抗原性蛋白質 (40)分子量約25,000ダルトン未満で、第7図のアミノ
酸配列内に含有されるアミノ酸配列を有する抗原性ポリ
ペプチド (41)第7図に示すアミノ酸配列からなり、その配列の
アミノ末端に付加的アミノ酸を有する抗原性ポリペプチ
ド (42)第7図に示すアミノ酸配列内に包含されるアミノ
酸配列と付加的アミノ酸からなる抗原性ポリペプチド (43)分子量約135,000ダルトンで、第7図に示すアミ
ノ酸配列からなり、その配列のアミノ末端にβ−ガラク
トシダーゼのアミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチド (44)分子量約65,600ダルトンで、第7図に示すアミノ
酸配列からなり、その配列のアミノ末端にプロキモシン
のアミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチド (45)分子量約56,500ダルトンで、第7図に示すアミノ
酸配列からなり、その配列のアミノ末端に、プロキモシ
ンの天然配列から83個のアミノ酸を欠失させたアミノ酸
配列を有する抗原性ポリペプチド (46)第34項から第38項までに記載のいずれかの宿主細
胞をDNA発現およびポリペプチド産生を可能にする適当
な条件下に生育させ、生成したポリペプチドを適当な条
件下に回収する抗原性ポリペプチドの製造方法 (47)回収は、 a)宿主細胞からのポリペプチドの分離、 b)ポリペプチドの精製、 c)ポリペプチドの可溶化、 d)ポリペプチドの再生、および e)精製、可溶化、再生された抗原性ポリペプチドの回
収 の各工程からなる第46項記載の方法 (48)第39項から第45項までのいずれかに記載のポリペ
プチドの免疫感作有効量を鶏に投与する、Eimeria tene
lla感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (49)第39項から第45項までのいずれかに記載のポリペ
プチド2種またはそれ以上の免疫感作有効量を鶏に投与
する、Eimeria tenella感染に対する能動免疫を鶏に付
与する方法 (50)免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0mlである第48
項記載の方法 (51)免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0mgである第49
項記載の方法 (52)第39項から第45項までに記載のポリペプチドの1
種の免疫感作有効量と医薬的に許容される担体を1用量
とした、Eimeria tenella感染に対する能動免疫を鶏に
付与するワクチン (53)第39項から第45項までに記載のポリペプチドの2
種またはそれ以上の免疫感作有効量と医薬的に許容され
る担体を1用量とした、Eimeria tenella感染に対する
能動免疫を鶏に付与するワクチン (54)第44項に記載の抗原性ポリペプチドの免疫感作有
効量と医薬的に許容される担体からなる、Eimeria tene
lla感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (55)第44項に記載の抗原性ポリペプチドの免疫感作有
効量と医薬的に許容される担体からなる、Eimeria tene
lla感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (56)免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μg
以上とする第52項記載のワクチン (57)免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μg
以上とする第23項記載のワクチン (58)第52項記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria tenellaの感染に対する防御方法 (59)第53項に記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria tenellaの感染に対する防御方法 (60)第54項に記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria tenellaの感染に対する防御方法 (61)第55項に記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria tenellaの感染に対する防御方法 (62)投与は慣用の任意の形の経口投与である第58項記
載の方法 (63)投与は注射によつて行われ、ポリペプチドは医薬
的に許容される担体中に加える、第58項記載の方法 (64)分子量約26,000ダルトンで、ジスルフイド結合で
結合した2個のポリペプチドから構成され、一方のポリ
ペプチドは分子量約18,000、N末端が遮閉されているこ
とを特徴とし、他方のポリペプチドは分子量約8,000で
あり、Eimeria necatrixまたはEimeria tenellaの感染
に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘導でき
る、精製、抗原性蛋白質 (65)(a)Eimeria necatrixのスポロシストを、適当
な非還元条件下、プロテアーゼ阻害剤の存在下に界面活
性剤と接触させて、スポロシスト膜蛋白質を可溶化し、
(b)可溶化されたスポロシスト膜蛋白質から適当な非
還元性条件下に蛋白質を分離回収する、第64項記載の蛋
白質の製造方法 (66)分離回収は、非還元性条件下におけるDEAE−HPLC
ついでプレパラテイブSDSゲル電気泳動による、可溶化
されたスポロシスト膜蛋白質の部分精製からなる第65項
記載の方法 (67)分離回収は、モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4(AT
CC No.HB8561)による免疫沈殿または免疫アフイニテイ
ークロマトグラフイーによつて行われる第65項記載の方
法 (68)(a)Eimeria necatrixのスポロシストをプロテ
アーゼ阻害剤の存在下適当な条件で界面活性剤と接触さ
せて、スポロシストの膜蛋白質を可溶化し、(b)可溶
化したスポロシストの膜蛋白質から適当な条件下にポリ
ペプチドを分離回収する、第64項記載の18,000ダルトン
ポリペプチド成分の製造方法 (69)分離回収は、可溶化したスポロシストの膜蛋白質
を適当な還元性条件下に、DEAE−HPLC上クロマトグラフ
イー、ついでプレパラテイブSDSゲル電気泳動により部
分精製することからなる第68項記載の方法 (70)第64項記載の蛋白質を製造するにあたり、その蛋
白質をコードするDNA分子を製造し、このDNA分子を適当
な発現ベクターに挿入し、得られた発現ベクターをDNA
の発現および蛋白質の産生を可能にする適当な条件下に
適当な宿主中に導入し、生成した蛋白質を回収する方法 (71)第64項記載の18,000ダントルポリペプチド成分を
製造するにあたり、そのポリペプチドをコードするDNA
分子を製造し、このDNA分子を適当な発現ベクターに挿
入し、得られた発現ベクターをDNAの発現およびポリペ
プチドの産生を可能にする適当な条件下に適当な宿主中
に導入し、生成したポリペプチドを回収する方法。
(72)第64項記載の蛋白質の免疫感作有効量を鶏に投与
する、Eimeria necatrixの感染に対する能動免疫を鶏に
付与する方法 (73)第64項記載の蛋白質の免疫感作有効量を鶏に投与
する、Eimeria tenellaの感染に対する能動免疫を鶏に
付与する方法 (74)第64項記載のポリペプチドの免疫感作有効量を鶏
に投与する、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella
の感染に対する能動免疫を鶏に付与する方法 (75)免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0mgである第72
項記載の方法 (76)免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0mgである第73
項記載の方法 (77)免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0mgである第74
項記載の方法 (78)第64項記載の蛋白質の免疫感作有効量と医薬的に
許容される担体を1用量としたEimeria necatrixの感染
に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (79)第64項記載の蛋白質の免疫感作有効量と医薬的に
許容される担体を1用量としたEimeria tenellaの感染
に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (80)第64項記載のポリペプチドの免疫感作有効量と医
薬的に許容される担体を1用量としたEimeria necatrix
またはEimerica tenellaの感染に対する能動免疫を鶏に
付与するワクチン (81)免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μg
である第78項記載のワクチン (82)免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μg
である第79項記載のワクチン (83)免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μg
である第80項記載のワクチン (84)第78項記載のワクチン適当用量を鶏に投与する、
Eimeria necatrixの感染から鶏を予防する方法 (85)第79項記載のワクチン適当用量を鶏に投与する、
Eimeria tenellaの感染から鶏を予防する方法 (86)第80項記載のワクチン適当用量を鶏に投与する、
Eimeria necatrixおよびEimeria tenellaの感染から鶏
を予防する方法 (87)第64項記載の蛋白質の少なくとも部分をコードす
る核酸分子 (88)第87項記載の単離ゲノムDNA (89)第17図に示した核酸配列の少なくとも部分である
第87項記載の核酸分子 (90)他のアミノ桟配列をコードする核酸配列を包含す
る第89項記載の核酸分子 (91)第87項記載のcDNA分子 (92)第87項記載のmRNA分子 (93)クローニングベクターDNAおよび第91項記載のcDN
Aからなり、クローニングベクターDNAは第1および第2
の制限酵素部位が存在し、cDNAはこの部位にクローン化
された組換えクローニングベクター (94)クローニングベクターDNAはプラスミドDNAからな
る第93項記載の組換えクローニングベクター (95)第93項記載のクローニグベクターを含有する宿主
細胞 (96)第95項記載の細菌宿主 (97)プラスミドpSMACからなる第94項記載の組換えク
ローニングベクター (98)第97項記載のクローニンベクターを含有する細菌
宿主細胞 (99)名称JM83/pSMAC、ATCC登録番号67 241号である第
98項記載の大腸菌宿主細胞 (100)プラスミドpSS33からなる第94項記載の組換えク
ローニングベクター (101)第100項記載のクローニングベクターを含有する
細菌宿主細胞 (102)名称JM83/pSS33、ATCC登録番号67 242号である
第101項記載の大腸菌宿主細胞 (103)プラスミドpNCDからなる第94項記載の組換えク
ローニングベクター (104)第103項記載のクローニングベクターを含有する
細菌宿主細胞 (105)名称JM83/pNCD、ATCC登録番号67 266号である第
104項記載の大腸菌宿主細胞 (106)クローニングベクターDNAと第90項記載の核酸配
列からなり、クローニングベクターDNAは第1および第
2の制限酵素部位を有し、第90項記載の核酸配列はこの
部位にクローン化された組換え発現ベクター (107)適当な宿主細胞に導入すると、融合ポリペプチ
ドを発現できる第106項記載の組換え発現ベクター (108)名称はpTDS1である第107項記載の組換え発現ベ
クター (109)第108項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (110)名称MH1/pTDS1、ATCC登録番号67 240号である第
109項記載の大腸菌宿主細胞 (111)名称はpTDS2である第107項記載の組換え発現ベ
クター (112)第111項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (113)名称MH1/pTDS2、ATCC登録番号67 264号である第
112項記載の大腸菌宿主細胞 (114)名称はpDDS2である第107項記載の組換え発現ベ
クター (115)第114項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (116)名称JM83/pDDS2、ATCC登録番号67 265号である
第115項記載の大腸菌宿主細胞 (117)名称はpDDS1である第107項記載の組換え発現ベ
クター (118)第117項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (119)名称MH1/pDDS1、ATCC登録番号67 243号である第
118項記載の大腸菌宿主細胞 (120)第95項記載の宿主細胞を蛋白質の産生を可能に
する適当な条件下に生育させ、生成した蛋白質を回収す
る、Eimeria necatrixおよびEimeria tenellaの感染に
対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる蛋
白質の製造方法 (121)ほぼ同一の配列を有するが細菌宿主内での発現
のために異なる第64項記載の蛋白質 (122)Eimeria necatrixから全ゲノムDNAを単離し、単
離したゲノムDNAからDNAフラグメントを調製し、得られ
たフラグメントを適当なクローニングベクターにリゲー
トし、生成したクローンのDNAを第17図に示した核酸配
列内に存在する核酸配列を含むかまたはそれと相補性の
オリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーシヨンさせて適
当なクローンを同定し、ついで、適当なクローンから第
17図に示した核酸配列を有し、蛋白質をコードするDNA
を単離する、第89項記載のDNAを得る方法 (123)分子量約26,000未満で、第64項記載の蛋白質の
アミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列を有し、Eime
ria necatrixおよびEimeria tenellaの感染に対する防
御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリ
ペプチド (124)分子量約26,000以上で、第64項記載の蛋白質の
アミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列と付加的アミ
ノ酸配列を有し、Eimeria necatrixおよびEimeria tene
llaの感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に
誘発できる抗原性ポリペプチド (125)第64項記載の蛋白質の類縁体である抗原性ポリ
ペプチド (126)第123項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (127)第124項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (128)第64項記載の蛋白質の18,000ダルトンポリペプ
チド成分のアミノ酸配列を有し、分子量は18,000ダルト
ンであつて、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella
の感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発
できる抗原性ポリペプチド (129)第64項記載の蛋白質の8,000ダルトンポリペプチ
ド成分のアミノ酸配列を有し、分子量は、8,000ダルト
ンであつて、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella
の感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発
できる抗原性ポリペプチド (130)分子量約18,000ダルトン未満で、第128項記載の
ポリペプチドのアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配
列と付加的アミノ酸配列を有し、Eimeria necatrixおよ
Eimeria tenella感染に対する防御機構を付与する免
疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリペプチド (131)分子量約18,000ダルトン以上で、第128項記載の
ポリペプチドのアミノ酸配列と付加的アミノ酸配列を有
し、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella感染に対
する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原
性ポリペプチド (132)第128項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (133)第130項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (134)第131項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (135)分子量約8,000未満で、第129項記載のポリペプ
チドのアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列を有
し、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella感染に対
する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原
性ポリペプチド(136)分子量約8,000以上で、第129項
記載のポリペプチドのアミノ酸配列と付加的アミノ酸配
列を有し、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella
染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発でき
る抗原性ポリペプチド (137)第129項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (138)第135項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (139)第136項記載のポリペプチドの類縁体である抗原
性ポリペプチド (140)第123,124,128〜131,135または136項記載の任意
の1種のポリペプチドの免疫感作有効量と医薬的に許容
される担体を1用量としてEimeria necatrixおよびEime
ria tenella感染に対する能動免疫を鶏に付与するワク
チン (141)第123,124,128〜131,135または136項記載のポリ
ペプチド2種または3種以上の免疫感作有効量と医薬的
に許容される担体を1用量としたEimeria necatrixおよ
Eimeria tenella感染に対する能動免疫を鶏に付与す
るワクチン (142)免疫感作有効量は鶏の体重1kgあたり約0.1μg
以上である第140項記載のワクチン (143)免疫感作有効量は、鶏の体重1kgあたり約0.1μ
g以上である第141項記載のワクチン (144)第140項記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella感染から
鶏を予防する方法 (145)第141項記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria necatrixおよびEimeria tenella感染から
鶏を予防する方法 (146)第64項記載の蛋白質に対するモノクローナル抗
体 (147)第146項記載のモノクローナル抗体に対する抗−
イデイオタイプ抗体 (148)分子量は約55,000ダルトンで、Eimeria maxima
感染に対する防御機構を付与する免疫応答を鶏に誘発で
きる精製抗原性蛋白質 (149)分子量約55,000ダルトン未満で、第148項記載の
蛋白質のアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列を有
し、Eimeria maxima感染に対する防御機構を付与する免
疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリペプチド (150)第149項記載の抗原性ポリペプチドからなる、Ei
meria maxima感染に対する防御機構を付与する免疫応答
を鶏に誘発できる抗原 (151)第148項記載の蛋白質を製造するにあたり、
(a)Eimeria maximaのメロゾイトをプロテアーゼ阻害
剤の存在下、適当な非還元性条件で、界面活性剤と接触
させて、メロゾイトの膜蛋白質を可溶化し、(b)可溶
化されたメロゾイトの膜蛋白質から適当な非還元性条件
下に蛋白質を分離回収する方法 (152)分離回収は、イオン交換クロマトグラフイーに
よる可溶化メロゾイト膜蛋白質の部分精製からなる第15
1項記載の方法 (153)分離回収は、モノクローナル抗体Pmx47.8B5によ
る免疫沈殿または免疫アフイニテイークロマトグラフイ
ーからなる第151項記載の方法 (154)第148項記載の蛋白質を製造するにあたり、その
蛋白質をコードするDNA分子を製造し、そのDNA分子を適
当な発現ベクターに挿入し、得られた発現ベクターをDN
Aの発現および蛋白質の産生を可能にする適当な条件下
に適当な宿主に導入し、生成した蛋白質を回収する方法 (155)第149項記載のポリペプチドを製造するにあた
り、そのポリペプチドをコードするDNA分子と製造し、
そのDNA分子を適当な発現ベクターに挿入し、得られた
発現ベクターをDNAの発現およびポリペプチトの産生を
可能にする適当な条件下に適当な宿主に導入し、生成し
たポリペプチドを回収する方法 (156)第148項記載の蛋白質の免疫感作有効量を鶏に投
与するEimeria maxima感染に対する能動免疫を鶏に付与
する方法 (157)第149項記載のポリペプチドの免疫感作有効量を
鶏に投与するEimeria maxima感染に対する能動免疫を鶏
に付与する方法 (158)第150項記載のポリペプチドの免疫感作有効量を
鶏に投与するEimeria maxima感染に対する能動免疫を鶏
に付与する方法 (159)免疫感作有効量は約0.1μg〜約1.0mgである第1
56項記載の方法 (160)第148項記載の蛋白質の免疫感作有効量と医薬的
に許容される担体を1用量とした、Eimeria maxima感染
に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (161)第149項記載のポリペプチドの免疫感作有効量と
医薬的に許容される担体を1用量とした、Eimeria maxi
ma感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (162)第150項記載のポリペプチドの免疫感作有効量と
医薬的に許容される担体を1用量とした、Eimeria maxi
ma感染に対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (163)免疫感作有効量は鶏の体重1kgあたり約0.1μg
である第160項記載のワクチン (164)免疫感作有効量は鶏の体重1kgあたり約0.1μg
である第161項記載のワクチン (165)第161項記載のワクチン適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria maxima感染から鶏を予防する方法 (166)第148項記載の蛋白質に対するモノクロナール抗
体 (167)第149項記載のポリペプチドに対するモノクロナ
ール抗体 (168)ハイブリドーマ細胞系ATCC No.HB8946によつて
産生されるモノクロナール抗体Pmx47.8B5 (169)第166,167または168項記載の抗体の予防有効量
を鶏に投与する、Eimeria maxima感染に対する受動免疫
を付与する方法 (170)第166,167または168項記載のモノクロナール抗
体の予防有効量と医薬的に許容される担体からなるEime
ria maxima感染に対する受動免疫を鶏に付与するための
組成物 (171)第170項記載の組成物の適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria maxima感染に対する受動免疫を鶏に付与す
る方法 (172)第168項記載のモノクロナール抗体に対する抗−
イデイオタイプ抗体 (173)(a)ハイブリドーマ細胞系(ATCC No.HB 894
6)からモノクロナール抗体Pmx47.8B5を回収し、(b)
モノクロナール抗体を精製し、(c)精製モノクロナー
ル抗体を適当なアジユバントとともに適当な動物に注射
し、(d)注射した動物から血清を採取し、(e)その
血清から抗−イデイオタイプ抗体を回収する、第172項
記載の抗−イデイオタイプ抗体の製造方法 (174)第172項記載の抗−イデイオタイプ抗体の免疫感
作有効量を鶏に投与する、Eimeria maxima感染に対する
能動免疫を鶏に付与する方法 (175)第172項記載の抗イデイオタイプ抗体の免疫感作
有効量と医薬的に許容される担体からなる、Eimeria ma
xima感染に対する能動免疫を鶏に付与するためのワクチ
ン (176)第175項記載のワクチンの適当用量を鶏に投与す
る、Eimeria maxima感染から鶏を予防する方法 (177)モノクロナール抗体Pmx47.8B5によつて認識され
るエピトープからなる蛋白質をコードする核酸分子 (178)他のアミノ酸配列をコードする核酸配列を包含
する第177項記載の核酸分子 (179)第177項記載のcDNA分子 (180)第177項記載のmRNA分子 (181)第149項または第150項のいずれかに記載のポリ
ペプチドをコードするDNA分子 (182)第177項記載の核酸分子を含有するクローニング
ベクター (183)第182項記載のクローニングベクターを含有する
宿主細胞 (184)細菌宿主である第183項記載の宿主細胞 (185)クローニングベクターDNAと第177項記載の核酸
配列からなり、クローニングベクターDNAには第1およ
び第2の制限酵素部位が存在し、第177項記載の核酸配
列はその部位にクローン化された組換え発現ベクター (186)適当な宿主内に導入すると、融合ポリペプチド
を発現できる第185項記載の組換え発現ベクター (187)名称がp5−3である第186項記載の組換え発現ベ
クター (188)第187項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (189)名称がSG936/p5−3であり、ATCC登録番号が67
253号である第188項記載の大腸菌宿主細胞 (190)名称がp11−2である第186項記載の組換え発現
ベクター (191)第190項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (192)名称がSG936/p11−2、ATCC登録番号が67 251号
である第191項記載の大腸菌宿主細胞 (193)名称がp13−8である第186項記載の組換え発現
ベクター (194)第193項記載の発現ベクターを含有する細菌宿主
細胞 (195)名称がSG936/p13−8、ATCC登録番号が67 252号
である第194項記載の大腸菌宿主細胞 (196)Eimeria maxima感染に対する防御機構を付与す
る免疫応答を鶏に誘発できる抗原性蛋白質を製造するに
あたり、第183項記載の宿主細胞を上記蛋白質の産生を
可能にする適当な条件下に生育させ、生成した蛋白質を
回収する方法 (197)ほぼ同一の配列を有するが、細菌宿主内での発
現のために異なる第148項記載の蛋白質 (198)第177項記載のDNAを得るにあたり、Eimeria max
imaの卵母細胞から全ゲノムDNAを単離し、単離されたゲ
ノムDNAからDNAフラグメントを製造し、得られたフラグ
メントを存在する核酸配列を含有するかまたはそれと相
補性を示すオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーシヨ
ンによつてリゲートして適当なクローンを同定し、適当
なクローンから蛋白質をコードするDNAを単離する方法 (199)分子量55,000ダルトン以上で、第148項記載の蛋
白質のアミノ酸配列内に包含されるアミノ酸配列と付加
的アミノ酸を有し、Eimeria maxima感染に対する防御機
構を付与する免疫応答を鶏に誘発できる抗原性ポリペプ
チド (200)付加的アミノ酸配列はβ−ガラクトシダーゼの
アミノ酸配列からなる第199項記載のポリペプチド (201)第199項記載のポリペプチドをコードするDNA分
子 (202)第201項記載のDNAを含有するクローニングベク
ター (203)第199項記載のポリペプチドの免疫感作有効量を
鶏に投与するEimeria maxima感染に対する能動免疫を鶏
に付与する方法 (204)第199項記載のポリペプチドの免疫感作有効量と
医薬的に許容される担体からなるEimeria maxima感染に
対する能動免疫を鶏に付与するワクチン (205)ワクチン投与動物にEimeria抗原に対する抗体の
産生を誘発するのに有効な量のEimeria抗原またはエピ
トープの混合物と医薬的に許容される担体を1用量とし
た、Eimeriaによつて惹起される疾患に対する多成分ワ
クチン (206)疾患はコクシジウム症である第205項記載のワク
チン (207)動物は鶏である第205項記載のワクチン (208)Eimeria抗原はE.tenellaE.maximaE.necatri
xまたは他のEimeria種の抗原である第205項記載のワク
チン (209)Eimeria抗原は、Eimeriaエピトープ少なくとも
1個を含有し、遺伝子操作による抗原性融合ポリペプチ
ド1種または2種以上からなる第205項記載のワクチン (210)1用量あたりの各抗原の量は約10μgから約200
μgである第205項記載のワクチン (211)医薬的に許容される担体は、約5%のArlacel
A、約94%のDrakeol6−VRおよび約1%のTween−80か
らなる第205項記載のワクチン (212)医薬的に許容される担体は、約1部の抗原水溶
液と、約5%のArlacel A、約94%のDrakeol 6−VRおよ
び約1%のTween80を含む溶液約3部からなる第205項記
載のワクチン (213)医薬的に許容される担体は免疫増強剤を含有す
る第205項記載のワクチン (214)免疫増強剤はSalmonella minnesotaLPSである第
211項記載のワクチン (215)医薬的に許容される担体は1用量あたりSalmone
lla minnesotaLPS,10μgを含有する第211項記載のワク
チン (216)ワクチン混合物はE.tenella抗原と他のEimeria
抗原からなる第205項記載のワクチン(217)他のEimeri
a抗原は25キロダルトンE.tenella抗原でからなる第216
項記載のワクチン (218)他のEimeria抗原は任意のE.necatrix抗原からな
る第216項記載のワクチン (219)他のEimeria抗原は26キロダルトンE.necatrix
原からなる第216項記載のワクチン (220)他のEimeria抗原は任意のE.maxima抗原からなる
第216項記載のワクチン (221)他のEimeria抗原は55キロダルトンE.maxima抗原
からなる第216項記載のワクチン (222)混合物は25キロダルトンE.tenella抗原と任意の
他のEimeria抗原の組合せである第205項記載のワクチン (223)他のEimeria抗原は任意のE.necatrix抗原からな
る第222項記載のワクチン (224)他のEimeria抗原は、26キロダルトンE.necatrix
抗原からなる第222項記載のワクチン (225)他のEimeria抗原は任意のE.maxima抗原である第
222項記載のワクチン (226)他のEimeria抗原は55キロダルトンE.maxima抗原
である第222項記載ワクチン (227)混合物はE.necatrix抗原と他の任意のEimeria
原との組合せである第205項記載のワクチン (228)他のEimeria抗原は26キロダルトンE.necatrix
原からなる第227項記載のワクチン (229)ワクチンはE.necatrix抗原の混合物と他の任意
E.maxima抗原の組合せなる第227項記載のワクチン (230)他のEimeria抗原は55キロダルトンE.maxima抗原
からなる第227項記載のワクチン (231)混合物は26キロダルトンE.necatrix抗原と他の
任意のEimeria抗原の組合せである第205項記載のワクチ
ン (232)他のEimeria抗原は任意のE.maxima抗原からなる
第231項記載のワクチン (233)他のEimeria抗原は55キロダルトンE.maxima抗原
からなる第231項記載のワクチン (234)ワクチンは任意のE.maxima抗原の混合物と他の
任意のEimeria抗原の組合せからなる第205項記載のワク
チン (235)他のEimeria抗原は55キロダルトンE.maxima抗原
からなる第234項記載のワクチン (236)ワクチンは任意のEimeria抗原の混合物と任意の
トリウイルス蛋白質の組合せからなる第205項記載のワ
クチン (237)トリウイルス蛋白質はマレツク病ウイルスまた
はそのエピトープである第236項記載のワクチン (238)トリウイルス蛋白質は感染性バーサル疾患ウイ
ルスまたはそのエピトープである第236項記載のワクチ
ン (239)トリウイルス蛋白質は七面鳥ヘルペスウイルス
またはそのエピトープである第236項記載のワクチン (240)混合物は任意のEimeria抗原と抗原性融合ポリペ
プチドの組合せであり、ポリペプチドは少なくとも1個
Eimeriaエピトープが少なくとも1個の他のポリペプ
チドのアミノ酸配列の少なくとも部分と融合してなる、
第205項記載のワクチン (241)他のポリペプチドはβ−ガラクトシダーゼであ
る第240項記載のワクチン (242)ポリペプチドはプロキモシンである第240項記載
のワクチン (243)抗原性融合ポリペプチドはベクターpBGC23によ
つてコードされるポリペプチドである第240項記載の方
法 (244)抗原性融合ポリペプチドはベクターpCOC12によ
つてコードされるポリペプチドである第240項記載の方
法 (245)抗原性融合ポリペプチドはベクターpCOC20によ
つてコードされるポリペプチドである第240項記載の方
法 (246)ワクチンは任意の抗原性融合ポリペプチドであ
り、ポリペプチドは少なくとも1個のEimeriaエピトー
プが少なくとも1個の他のポリペプチドのアミノ酸配列
の少なくとも部分と融合してなる第205項記載のワクチ
ン (247)ワクチンは、少なくとも1個のEimeriaエピトー
プを包含する任意の抗原性融合ポリペプチドの混合物で
ある第248項記載のワクチン 文献 1.Ali,N.S.,Binnerts,W.T.and Klimes,B.(1972).Immu
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【図面の簡単な説明】
第1図は、微小配列決定法により決定したE.tenella(T
A4)抗原の17,000ダルトンポリペプチドのアミノ酸配列
である。第1図はまた種々の化学的および酵素的消化に
より生成した重複ペプチドも示している。図中、>はペ
プチド配列は連続しているかもしれないが、追跡するに
は弱すぎることを、}はペプチドのC末端を示してい
る。()はDNA配列によつて確認された考えられるアミ
ノ酸である。′は二次配列を示す。CNはシアノゲンブロ
ミドフラグメント、CHはカイモトリプシンフラグメン
ト、RはArg−Cフラグメント、VはV8フラグメント、P
ARはピログルタメートアミノペプチダーゼ処理17kd蛋白
質である。 第2図は、TA4抗原をコードするE.tenellaゲノムクロー
ン108−1の制限酵素地図である。第2図はまた、5,500
bpE.tenella EcoRI DNAフラグメント内のTA4抗原遺伝子
の位置および方向性も示している。示されたPstIおよ
BalI部位は最も右側の部位であるが、唯一の部位で
ない。BamHI、EcoRV、NruI、SalI、SmaIおよびPvu
の部位はない。 第3図は、第2図に示したゲノムクローン108−1のBgl
II−EcoRI DNAフラグメントのDNAヌクレオチド配列であ
る。さらに第3図には、シグナルペプチドならびにTA4
抗原の17,000ダルトンおよび8,000ダルトンポリペプチ
ドのアミノ酸配列も示す。第3図には、遺伝子内のイン
トロンも示す。図中、*は17,000ダルトンペプチドの最
先アミノ酸を、**は17,000ダルトンペプチドの最終ア
ミノ酸を、+は8,000ダルトンペプチドの最先アミノ酸
を、++は8,000ダルトンペプチドの最終アミノ酸を示
す。不明確な塩基については、3,4,5,6はそれぞれC,T,
A,Gと考えられる;7,8,9,0はそれぞれ多分C,T,A,G;RはA
またはG,YはCまたはT,JはCまたはA,KまたはTまたは
G,LはTまたはA,MはCまたはGを意味する。 第4図は、モノクロナール抗体Ptn9.9D12と免疫反応性
を示す17,000ダルトンサブユニツトの出現によつて測定
した、胞子形成時のTA4抗原の出現を示している。 第5図は、TA4蛋白質をコードするE.tenellaゲノムクロ
ーン108−1のBglII−EcoRI DNAフラグメントのDNAヌ
クレオチド配列である。シグナルペプチドならびに胞子
小体の膜中に生じるTA4抗原の17,000および8,000ダルト
ンポリペプチド成分のアミノ酸配列も示す。また、遺伝
子内のイントロンならびにハイブリダイゼーシヨンによ
りmRNAを同定するために用いられるSacI−PvuII DNAお
よびTA4蛋白質をコードするcDNAクローンも示す。図中
の記号および不明確な塩基の表示は第3図の場合と同じ
である。 第6図は、TA4遺伝子のゲノムクローンからの内部制限
フラグメントのハイブリダイゼーシヨンにより測定し
た、胞子形成時におけるTA4抗原mRNAの出現を示す。 第7図は、TA4抗原をコードするcDNAクローンpTCD26のD
NA配列を示す。 第8図は、発現ベクターpWHA63の構築、ならびに発現ベ
クターpDET1およびpDET2を生成するためのcDNAクローン
pTCD26からのDNAの発現ベクターpWHA63への挿入を図式
的に示したものである。 第9図は、大腸菌のLon+対Lon-プロテアーゼ欠損株内で
のpDET1/pDET2蛋白質の産生を示す、pDET1およびpDET2
蛋白質の分析図である。AはpDET1の染色ゲル法、Bはp
DET1の免疫ブロツト法、CはpDET2の染色ゲル法により
分析結果である。 第10図は、cDNA誘導抗原性ポリペプチドをコードする配
列の5′末端にlacZ遺伝子の3′末端を融合した発現
ベクターpBGC23の構築を図式的に示したものである。 第11図は、大腸菌内でのpBGC23蛋白質の産生を示す図で
ある。pBGC蛋白質のAは染色ゲル法、Bは免疫ブロツト
法による分析結果を示す。 第12図は、ウシプロキモシン発現ベクターpWHA93の構築
を図式的に示したものである。 第13図は、cDNA誘導抗原性ポリペプチドをコードする配
列の5′末端に、ウシプロキモシンをコードする配列の
3′末端を融合させることによるpCOC12の構築を図式的
に示したものである。第13図には、pCOC12からのpCOC20
の誘導も示す。 第14図は、大腸菌内でのECOC12およびpCOC20蛋白質の産
生を示す。Aは染色ゲル法、Bは免疫ブロツト法による
PCOC12蛋白質の、Cは染色ゲル法によるPCOC20蛋白質の
分析結果を示す。 第15図は、TA4抗原および再正常化細菌TA4蛋白質のモノ
クロナール抗体Ptn7.2A4/4との免疫反応性をELISAで測
定した結果である。 第16図は、NA4抗原をコードするE.necatrixゲノムクロ
ーン7−49の制限酵素地図、ならびにNA4抗原の遺伝子
の3900bpE.necatrixEcoRI DNAフラグメント内における
位置および方向性を示す。 第17図は、第16図に示したゲノムクローン7−49の2440
塩基のDNAヌクレオチド配列を記す。この配列は、第16
図に示した全HindIII−BalI領域を包含する。また、E.
necatrixNA4抗原について推測されるアミノ酸配列も示
す。図中、シトシン、チミン、アデニン、グアニンは、
それぞれ確定的なものをC,T,A,Gで、考えられるものを
3,4,5,6で、不明のものはNで、CまたはAはJで、T
またはAはLで表示した。*は18,000ダルトンペプチド
の最先アミノ酸と考えられるものを、**は18,000ダル
トンペプチドの最終アミノ酸と考えられるものを、+は
8,000ダルトンペプチドの最先アミノ酸と考えられるも
のを表示している。 第18図は、TA4およびNA4抗原間のアミノ酸配列の相同性
を示す図である。図中、*は相同のアミノ酸を、+はE.
tenellaA4抗原の17,000ダルトンポリペプチド成分の最
初を、§はE.tenellaA4抗原の8,000ダルトンポリペプチ
ド成分の最初を表示している。C=Cys,H=His,I=Ile,
M=Met,S=Ser,V=Val,A=Ala,G=Gly,L=Leu,P=Pro,T
=Thr,F=Phe,R=Arg,Y=Tyr,W=Trp,D=Asp,N=Asn,B
=Asx,E=Glu,Q=Gln,Z=Glx,K=Lysである。E.tenella
アミノ酸配列中のスペースはE.tenella配列に比べてE.n
ecatrix配列中に付加的アミノ酸があることを、E.necat
rixアミノ酸配列中のスペースは、E.tenella配列に比べ
E.necatrix配列中にはそのアミノ酸がないことを示
す。 第19図は、それぞれTA4およびNA4抗原をコードするE.te
nellaおよびE.necatrix遺伝子内の3個ののイントロン
の相同性を示す図である。図中、*は相同の塩基を示
す。E.tenellaDNA配列中のスペースはE.tenella配列に
比べてE.necatrix配列中に付加的塩基があることを、E.
necatrixDNA配列中のスペースはE.tenella配列に比べて
E.necatrix配列中にそのアミノ酸がないことを示す。不
明確な塩基について、4はTと考えられる、7は多分C,
LはTまたはAを表示する。 第20図は、組換えベクターpSMACの構築を図式的に示し
ている。 第21図は、組換えベクターpSS33の構築を図式的に示し
ている。 第22図は、組換えベクターpNCDの構築を図式的に示して
いる。 第23図は、発現ベクターpTDS1(A)およびpTDS2(B)
の構築を図式的に示している。 第24図は、発現ベクターpDDS1(A)およびpDDS2(B)
の構築を、図式的に示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 微生物の受託番号 ATCC 67264 微生物の受託番号 ATCC 67265 微生物の受託番号 ATCC 67266 微生物の受託番号 ATCC 67240 微生物の受託番号 ATCC 67241 微生物の受託番号 ATCC 67242 微生物の受託番号 ATCC 67243 微生物の受託番号 ATCC 53313 微生物の受託番号 ATCC 53314 微生物の受託番号 ATCC 53315 微生物の受託番号 ATCC 53316 微生物の受託番号 ATCC 53317 微生物の受託番号 ATCC 53318 微生物の受託番号 ATCC 67251 微生物の受託番号 ATCC 67252 微生物の受託番号 ATCC 67253 (72)発明者 トーマス シー.ゴアー アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シイテイ,ヒルドレス ストリート 1106 (72)発明者 レイ−ジエン チヤング アメリカ合衆国カリフオルニア州フオス ター シイテイ,セント クロイツクス レーン 602 (72)発明者 ジヨン エル.テデスコ アメリカ合衆国ミズーリ州セント ピー ターズ,ノベラ ドライブ 5 (72)発明者 ウイリアム エツチ.アンドリューズ アメリカ合衆国カリフオルニア州ベルモ ント,ジエラルダイン ウエイ 1210, アパートメント 201 (72)発明者 ゲイリイ アール.ピーターセン アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シイテイ,セカンド アベニユー 210 (72)発明者 アイリーン クーン アメリカ合衆国カリフオルニア州サンフ ランシスコ,アツシユベリイ 625,ア パートメント 12 (72)発明者 バージニア エム.ブラザーズ アメリカ合衆国カリフオルニア州アルバ ニイ,ペラルタ アベニユー 988 (72)発明者 マイクル テイー.マツキヤマン アメリカ合衆国カリフオルニア州サン ブルノ,チエリイ アベニユー 746 (72)発明者 ジエームス ジー.フイルズ アメリカ合衆国カリフオルニア州ベルモ ント,リヨン アベニユー 1911 (72)発明者 ステイシイ アール.シアス アメリカ合衆国カリフオルニア州サン アンセルモ,カールソン コート 37 (72)発明者 アール.エム.ノードグレン アメリカ合衆国アイオワ州チャールズ シテイ,ルーラル ルート 1 (72)発明者 イー.エイ.ドラゴン アメリカ合衆国カリフオルニア州オリン ダ,パーク レーン ドライブ 42 (56)参考文献 特開 昭60−67499(JP,A) 特開 昭61−18724(JP,A) 特表 昭61−502586(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Eimeria tenellaの感染に対する防御機構
    を付与する免疫応答を誘導することができる抗原性ポリ
    ペプチドであって、 分子量約25,000ダルトンであって以下に記載のアミノ酸
    配列を有するポリペプチド; 分子量約135,000ダルトンのポリペプチドであって、分
    子量約25,000ダルトンで以下に記載のアミノ酸配列を有
    するポリペプチド及びその配列のアミノ末端におけるβ
    −ガラクトシダーゼのアミノ酸配列から構成されるポリ
    ペプチド; 分子量約65,600ダルトンのポリペプチドであって、分子
    量約25,000ダルトンで以下に記載のアミノ酸配列を有す
    るポリペプチド及びその配列のアミノ末端におけるプロ
    キモシンのアミノ酸配列から構成されるポリペプチド; 及び 分子量約56,500ダルトンのポリペプチドであって、分子
    量約25,000ダルトンで以下に記載のアミノ酸配列を有す
    るポリペプチド及びその配列のアミノ末端におけるプロ
    キモシンのアミノ酸配列であってプロキモシンの天然配
    列から83個のアミノ酸が欠失しているアミノ酸配列から
    構成されるポリペプチド; からなる群より選ばれる抗原性ポリペプチド。
  2. 【請求項2】Eimeria tenellaの感染に対する防御機構
    を付与する免疫応答を誘導することができる抗原性ポリ
    ペプチドであって、 分子量約25,000ダルトンであって以下に記載のアミノ酸
    配列を有するポリペプチド; 分子量約135,000ダルトンのポリペプチドであって、分
    子量約25,000ダルトンで以下に記載のアミノ酸配列を有
    するポリペプチド及びその配列のアミノ末端におけるβ
    −ガラクトシダーゼのアミノ酸配列から構成されるポリ
    ペプチド; 分子量約65,600ダルトンのポリペプチドであって、分子
    量約25,000ダルトンで以下に記載のアミノ酸配列を有す
    るポリペプチド及びその配列のアミノ末端におけるプロ
    キモシンのアミノ酸配列から構成されるポリペプチド; 及び 分子量約56,500ダルトンのポリペプチドであって、分子
    量約25,000ダルトンで以下に記載のアミノ酸配列を有す
    るポリペプチド及びその配列のアミノ末端におけるプロ
    キモシンのアミノ酸配列であってプロキモシンの天然配
    列から83個のアミノ酸が欠失しているアミノ酸配列から
    構成されるポリペプチド; からなる群より選ばれる抗原性ポリペプチドの1種また
    は2種以上の免疫感作有効量と医薬的に許容される担体
    を1回用量として含有するEimeria tenellaの感染に対
    する能動免疫を鶏に付与するワクチン。
  3. 【請求項3】抗原性ポリペプチドの1種または2種以上
    に加えて、更に投与動物にEimeria抗原に対する抗体の
    産生を誘発するのに有効な量の任意のEimeria抗原また
    はエピトープを1回用量として含有する、Eimeriaが原
    因となる疾患に対する多価ワクチンである請求項2のワ
    クチン。
  4. 【請求項4】コクシジウム症の治療のための請求項2又
    は3のワクチン。
  5. 【請求項5】Eimeria抗原は、E.tenellaE.maximaE.
    necatrixまたは他の任意のEimeriaの種の抗原である請
    求項3のワクチン。
  6. 【請求項6】Eimeria抗原は、少なくとも1種のEimeria
    エピトープからなる1種または2種以上の遺伝子操作抗
    原性融合ポリペプチドである請求項3のワクチン。
  7. 【請求項7】医薬的に許容される担体は免疫増強剤を含
    有する請求項2から6のいずれかのワクチン。
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