JPH08242826A - 保存可能な野菜搾汁液の製造法 - Google Patents

保存可能な野菜搾汁液の製造法

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JPH08242826A
JPH08242826A JP7079351A JP7935195A JPH08242826A JP H08242826 A JPH08242826 A JP H08242826A JP 7079351 A JP7079351 A JP 7079351A JP 7935195 A JP7935195 A JP 7935195A JP H08242826 A JPH08242826 A JP H08242826A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 野菜を破砕・搾汁して野菜汁とし、次いでク
エン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、L−アスコルビン酸
等の有機酸を添加した後、この野菜汁を弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂にて処理することを特徴とする保存可能な野
菜搾汁液の製造法。 【効果】 本発明方法によれば、従来、常温保存時に発
生する漬物臭等と表現される異臭を防ぐことができず、
事実上商品として提供できなかった、キャベツ、ブロッ
コリーを含め多くの野菜類の野菜搾汁を通常の常温保管
商品とすることが可能となる。 従って、簡単に摂取す
ることのできる新しいタイプの野菜飲料を提供すること
ができるので、食品産業上の意義の大きいものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は野菜ジュース等として利
用される野菜搾汁液の製造法に関し、更に詳細には、室
温等で保存しても特有の臭気がほとんど発生しない保存
可能な野菜搾汁液の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の健康意識向上に伴い、簡
単に摂取することのできる野菜飲料への期待が高まりを
見せている。しかし、現在商品として提供されている野
菜飲料は、90%程度のトマトジュースにその他の野菜
汁を10%程度混合したトマトミックスジュースであっ
たり、比較的臭気の少ないニンジンやホウレンソウ等の
野菜汁を多くの果汁分と混合してミックスジュースの形
で商品化されているに過ぎず、純粋な意味での野菜ジュ
ースは、トマトジュースを別として未だ商品として提供
されていないのが現状である。
【0003】例えば、キャベツ、ブロッコリー、芽キャ
ベツ、カリフラワー、コールラビー等の、ある種のガン
成育をさまたげる働きがあると報告されているあぶらな
科の野菜類や、大根、オニオン、なす等の野菜を搾汁し
た後、単独もしくは果汁等との混合等により飲料とした
場合、これを室温レベルの温度にて保存すると、特有の
臭気が発生し、缶詰やアセプティック充填での紙容器製
品等「常温流通品」としての商品化がなしえないのが現
状であった。
【0004】従来、野菜から搾汁を得るためには、生体
酵素失活やアク抜きを兼ね、原料を熱湯もしくはスチー
ムを用い「ブランチング処理」加熱をすることが多い
が、十分な目的を達する為の加熱処理を施すと、キャベ
ツ、ブロッコリー、カリフラワー等は加熱により組織の
軟化が起こり、通常のプレス搾汁等での搾汁収率は上が
らず、処理中の熱水中への成分流失と共に、成分回収率
は極端に低いものとなるという問題があった。このブラ
ンチング処理後の軟化した破砕物は、薄膜式プレス搾汁
機で搾汁効率を幾分上げることは可能であるが、機器設
備費用が莫大であり経済的に引き合うものではない。
【0005】一方、未加熱で搾汁(ブランチング処理と
対比するため「低温搾汁」と称する)するとこれら野菜
汁はいわゆる「青汁」となり、強烈な「青臭さ」を発生
する。 低温搾汁でのこのような青臭さの発生は、搾汁
時にアスコルビン酸を添加することでかなり回避出来る
が、完全というわけではない。
【0006】更に、野菜搾汁液の最大の問題は、キャベ
ツ類の野菜汁をブランチング処理で、あるいは低温搾汁
で得たとしても、これを用いて飲料化したものでは40
℃以上の高温保存時に、「漬物臭」等と表現される異臭
発生が回避出来ない点にある。
【0007】すなわち、野菜ジュース等の「常温保存」
の条件は、通常15℃〜25℃を指し、「常温保存品」
の賞味期間は4ケ月としているのが現状一般である。
そして、この条件を厳守すれば劣化臭発生はなく、商品
として問題の生じないものもあるが、現在の流通システ
ムではかならずしもこの通常の常温管理がなされてはい
ない事が問題として上げられる。特に夏場のコンテナ輸
送時や一般倉庫等にて直射日光が当たる場合には、製品
品温が一時的に常温を上回るものとなることがあり、劣
化臭の発生の危険性を常にはらんでいる。
【0008】結局、現在の技術では飲料として製品化は
可能であっても、商品の搬送・保存時に高温下におかれ
た場合、異臭が発生し、商品価値を大幅に低下させてし
まうという問題があり、これを解決することはできなか
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、高温下で搬送
・保存しても異臭を発生することのない、いわゆる「常
温流通」に耐える野菜搾汁液の提供が求められており、
本発明はこれを満足する野菜搾汁液の製造法を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく研究した結果、野菜汁に有機酸を添加した
後、これを弱塩基性陰イオン交換樹脂処理すれば、高温
保存時においても異臭発生しないかあるいは異臭発生が
極めて少ない野菜搾汁液が得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は野菜を破砕・搾汁して
野菜汁とし、次いで有機酸を添加し、更にこの野菜汁を
弱塩基性陰イオン交換樹脂にて処理することを特徴とす
る保存可能な野菜搾汁液の製造法である。
【0012】本発明方法では、まず、野菜を破砕・搾汁
して野菜汁を得ることが必要である。 野菜汁を得る方
法としては、従来法によりブランチング処理・破砕・搾
汁して得ても、また、低温搾汁して得てもよいが、野菜
をアスコルビン酸存在下、低温で破砕・搾汁し、これを
加熱して生体酵素を失活させる方法を採用することが好
ましく、この方法で得た野菜汁を利用することが結果的
により良い風味のものを得ることができる。搾汁時に野
菜に添加するアスコルビン酸の濃度は、60〜200m
g%とすることが好ましい。
【0013】次に、上記のようにして得られた野菜汁
に、有機酸を添加する。添加する有機酸としては、クエ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、L−アスコルビン酸等
が挙げられ、その添加量は、野菜汁のpHを3.0〜4.
5程度、特に3.5〜4.0程度とする量であることが好
ましい。
【0014】前記のようにして有機酸を添加した野菜汁
は、更に弱塩基性陰イオン交換樹脂処理に付される。こ
の処理において使用される弱塩基性陰イオン交換樹脂と
しては、脱塩・脱酸用でポーラス化した弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂が使用され、その例としては、ダイアイオン
WA20、WA21、WA30、アンバーライトIR
A−93ZU等が挙げられるが、樹脂再生時の酸洗浄の
耐性の面からアンバーライトIRA94S、アンバーラ
イトIRA−94S−HG(オルガノ(株)製)等が好ま
しい。
【0015】弱塩基性陰イオン交換樹脂処理は、所謂バ
ッチ法や、バッチ法の一部とされる、網目かごに樹脂を
詰めジュースの入ったタンク中で上下させる半連続法で
あっても良く、これらでも少量生産は実施可能である
が、樹脂再生法を考え、また大量・連続・省力化生産の
経済性をも考慮すればカラム式イオン交換法を用いて連
続処理する方法が勝る。
【0016】以下、カラム式イオン交換法による連続処
理方法を例に挙げ、具体的に弱塩基性陰イオン交換樹脂
処理を説明する。まず、前記の弱塩基性陰イオン交換樹
脂を所定量カラムに詰め、再生処理を行った後、他から
供給されるイオン交換水にて洗浄が終了している事を確
認する。再生処理は、アルカリ洗浄、酸洗浄、アルカリ
洗浄の順で行うことが好ましく、再生終了の確認は排出
水の臭気、pH、フェノールフタレインの着色のない事
等で行う。
【0017】カラムに充填する樹脂量は、処理すべき野
菜汁の濃度によるが、ストレート濃度[例えばキャベツ
汁ならばブリックス糖度5゜(以下、ブリックス糖度を
「Bx」と略記する)]であれば100部に対し容量比
10〜30部程度、望ましくは15〜25部程度とすれ
ばよい。
【0018】一方、処理すべき野菜汁を予め濃縮してお
き、搾汁時期と樹脂処理時期を分け、野菜汁の保管コス
ト軽減やタンク等付帯設備の小型化を図ることもでき
る。この場合は、前工程で得られた野菜汁を凍結保存と
しておき、樹脂処理開始前に解凍することになる。
【0019】この結果、処理すべき野菜汁の濃度が高く
なるが、野菜汁のBxと使用樹脂量には比例関係がある
ので、野菜汁のBxに応じて適宜樹脂量を決めることが
望ましい。 例えばキャベツ汁のBxが10°となれ
ば、使用樹脂量は前記の2倍量、15°であれば前記の
3倍量程度にすればよい。 なお、野菜汁の濃縮は、粘
度の影響、タンク等関連設備、回収収率等を考えると1
5°Bx処理(樹脂量は野菜汁100部に対し60部程
度)位とすることが最も扱い易く、好ましい。
【0020】上記のように搾汁した野菜汁またはこれを
濃縮したものを弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカ
ラムに流し込み、弱塩基性陰イオン交換樹脂処理を行
う。野菜汁をカラムに流し込む速度は、SV(空間速
度;Spaced Velocity)を2〜12BV(ベッドボリュ
ーム:樹脂容量)/h程度、すなわち、5分〜30分で
樹脂1容量分の野菜汁を流す程度であり、望ましくはS
Vが8〜10程度である。
【0021】野菜汁を下向流とする場合は、上部より野
菜汁を流し始めると1BV通過時間よりやや早めに初流
の排出が見られるが、野菜汁が天然成分として塩類をも
つことから、この初流は極めてpHの高いものである。
そして、初流時のBx値は水との置き換え時期でもあ
り、回収液が薄まったものとなることおよび初流には時
として辛味・渋みを伴った風味上好ましくない部分が集
中して排出される事があることなどから、原液の1/3
程度の濃度となるまでの初流は廃棄したほうが良い。
なお、この初流廃棄の判断は、野菜汁の成分流出をも加
味したうえで行われるべきである。
【0022】カラムから所定濃度の野菜汁が排出されて
きたら、これをそのまま製品とすることも可能ではある
が、より優れた保存風味変化の少ない野菜搾汁液を得る
ためにはカラム排出液を原液に戻し循環処理を行うこと
が好ましい。
【0023】循環処理を終了する時間は、循環処理を続
けるうちに、カラム排出液(循環液)のpHは徐々に低
下して来るので、このpHを測定し、判断すればよい。
すなわち、所要循環時間は流速と初発原液のpHによる
が、原液pHが4.0付近であれば8.5以下となった時
点、望ましくは8.0を切った時点を終点とし、以後の
排出液は循環させず、最後の水押しを含めて可能な限り
回収し、野菜搾汁液とすることが好ましい。
【0024】上記弱塩基性陰イオンカラム処理におい
て、流速を遅くしても徐々にpHが低下し所定pHに達
するが、樹脂接触時間が長いといわゆる樹脂臭を含みや
すくなるので、風味上あまり好ましくない。この樹脂臭
発現のメカニズムは定かではないが、イオン交換法によ
る各種飲料原料素材加工(例えば果汁の減酸、脱苦味
等)の場合に発現する事が多く、その臭気は「しつこい
アミン臭」等と表現されることが多いことから、樹脂に
含まれる反応基であるアミン類の不完全結合による微量
分の流出によるものが推定される。
【0025】本発明方法では、このような風味上マイナ
スとなる樹脂臭の発生を抑制するために、処理流速を一
定速度以上に保ち、また、適切に循環終了時を判断する
ことが好ましい他、前記したようなアルカリ洗浄、酸洗
浄、アルカリ洗浄の順で樹脂再生処理を行うことも好適
である。 これらを採用することにより、樹脂臭の発生
はほとんど防ぐことが可能となる。
【0026】なお、樹脂処理中発生し得るいかなるアミ
ン結合物をも安全なレベルで保持するためにも、処理対
象野菜汁にアスコルビン酸をストレート濃度当たり60
mg%以上含有している事が望ましい。
【0027】本発明の野菜汁としては、透明化された野
菜汁として得ることが好ましく、このような透明化され
た野菜汁を得るために、各処理工程の何れかの工程の前
後に少なくとも1回の透明化処理工程を行うことが好ま
しい。 透明化処理には、例えば、破砕・搾汁した野菜
汁に有機酸を添加して懸濁物沈殿を促した後、ペクチナ
ーゼ等による酵素処理にて透明化する方法や、野菜汁を
UF膜を利用して透明化する方法が挙げられる。
【0028】上記した方法のうち、ペクチナーゼ等によ
る酵素処理後の透明化は、従来から行われている濾過処
理法で十分であり、また、透明化に使用した酵素の失活
は85℃以上の加熱処理が行われる。 特に、有機酸添
加後の低pH状態の野菜汁を酵素処理し、酵素失活のた
め加熱することは、同時にタンパク質等の二次沈殿物形
成を促し、これを遠心分離・ケイソウ土濾過等で除去で
きるので効率的である。
【0029】以上のようにして得られた野菜搾汁液(回
収液)は、混在する可能性のある樹脂破片等を除去する
ため、仕上げ濾過し、必要に応じて濃縮処理を行って製
品とする。また、このようにして得られた樹脂処理(回
収)野菜搾汁液はそのままでは高pHであり、微生物の
増殖の問題等や以後の使用性を考えて有機酸等を添加し
低pH製品とすると扱い易いものとなる。
【0030】更に、保存劣化を防ぐ能力をつけ加える意
味で、β−サイクロデキストリンをストレート濃度(B
x5°の野菜汁)当り0.1〜0.5%添加、溶解するこ
とも一法である。更にまた、保存劣化を防ぐ能力をつけ
加える意味で、食塩をストレート濃度当り0.08〜0.
3%添加溶解することも効果的である。
【0031】かくして得られた本発明方法による野菜搾
汁液は、たとえば低温搾汁時に加え、樹脂処理を開始す
る直前に含まれていたアスコルビン酸を60%以上残存
しており、含有していたアミノ態窒素成分も平均で90
%以上の残存を示し、野菜中の有効成分がほとんど残存
しているものである。
【0032】本発明の野菜搾汁液は、そのままで飲用に
供することもできるが、必要に応じて味覚や風味を調整
するための各種の添加物、例えば、塩、砂糖等の甘味
料、酸味料、香料、保存料等を加えることも可能であ
り、本発明中にそのような工程を加えることができる。
また、透明もしくは混濁果物ジュースと混合し、ミッ
クスジュースとすることも可能である。
【0033】更に、本発明の透明野菜汁液は、飲料とし
てのみならず、これを例えばペクチン、寒天、カラギナ
ン等の増粘もしくはゲル化多糖類、発酵乳、卵黄等と組
合せ、例えば、野菜ゼリー、野菜入りヨーグルト、野菜
プリン、ジャム等の食品とすることも可能である。ま
た、グミ、チョコレート、パン、飴等の食品への利用も
可能である。
【0034】
【作用】本発明方法により保存風味変化の少ない野菜搾
汁液が得られる作用機序は明らかではないが、有機酸が
弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されることで錯イオン
を形成することが知られていることから、野菜汁に添加
した有機酸が弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されるこ
とにより、樹脂表面に新たな架橋体が生まれ、野菜臭の
原因となる臭気物質もしくはその前駆物質が吸着するこ
とにより除去されるものと推定される。
【0035】
【実施例】以下、実施例、比較例及び評価例を挙げ、本
発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等
になんら制約されるものではない。
【0036】実 施 例 1 (1)キャベツを芯抜きし、カッターにて上部より十字
に4分割し、巻葉をバラバラにした後、食品用洗剤にて
洗浄した。 水シャワーにて洗剤をリンスした後、0.3
%のアスコルビン酸溶液に3分間浸漬した。
【0037】キャベツ9部に対し1部の割合で1.5%
のアスコルビン酸溶液をミクログレーダー上部より滴下
しつつ破砕を行った。 破砕されたキャベツをフェッタ
ー型スクリュープレスにて搾汁し、集液した。 この搾
汁液を110℃、10秒の高温短時間加熱を行い、アス
コルビン酸102mg%を含むpH5.8のキャベツ粗
汁を得た。
【0038】(2)キャベツ粗汁にクエン酸0.25%
を添加し、pHが4.0付近であることを確認したの
ち、ペクチナーゼSS(ヤクルト薬品工業(株))を0.
05%添加し、45℃で1時間の酵素反応を行った。酵
素反応後、95℃、10秒の短時間加熱を行い、冷却し
た後、ドラバル型遠心分離機にて懸濁物の除去を行っ
た。 更に#200のケイ藻土を用い仕上げ濾過を行った
のち、Bx30゜まで減圧濃縮を行った。
【0039】(3)濃縮野菜汁をBx15°に希釈し、
処理用野菜汁(アスコルビン酸300mg%、pH3.
97、クエン酸酸度1.4%、アミノ態窒素248mg
%)を得た。 この野菜汁 1600kgを、IRA−9
4Sカラム(樹脂容量: 1000リットル)を用い、
下向流にて処理した。 樹脂処理条件は、通液スピード
がSV 3、1000リットル/20分で流し、Bx5
°までの初流は廃棄し、Bx5°以上のものを元液に戻
し循環処理した。
【0040】カラムからの排出液のpHが8.0になっ
た所で循環をやめて野菜汁の回収を開始し、更に最後に
イオン交換水にて水押しを行い、カラムからの排出液の
Bxが2.0を切った所で回収を終了した。得られた野
菜汁(回収液)は、Bxが11.0、pHが7.80で、
その回収液量は1960リットルであった。
【0041】(4) なお、上記(3)で用いたIRA
−94Sカラムは、次の様にして樹脂再生洗浄を行っ
た。すなわち、(3)の循環処理終了後、イオン交換水
2BV以上を流し、内容物の水洗浄を行った後、1Nの
NaOHにより2BV分をSV=3程度で流す。これに
より内容物の特に着色成分の洗浄が行える。続いてイオ
ン交換水にて5BV以上の洗浄を行った後、1Nの塩酸
2BV分をSV=3程度で流す。
【0042】更に、イオン交換水にて5BV以上の洗浄
を行った後、1NのNaOHを2BV分をSV=3程度
で流す。この2度目のアルカリ洗浄は樹脂を塩基性に戻
す事を目的に行うものである。以上の処理方法により樹
脂は再生され、以後樹脂能力は通常のレベルを維持出来
る。
【0043】実 施 例 2 実施例1で得た野菜汁(11.0Bx)100部に0.4
部のβ−サイクロデキストリンを加え20分間攪拌溶解
した。
【0044】実 施 例 3 実施例2で得た野菜汁(12.2Bx)100部に0.2
部の食塩を添加し、20分間攪拌溶解した。
【0045】比 較 例 1 (1)キャベツを芯抜きしカッターにて上部より十字に
4分割し、巻葉をバラバラにした後食品用洗剤にて洗浄
した。水シャワーにて洗剤をリンスした後、0.3%の
アスコルビン酸溶液に3分間浸漬した。キャベツ9部に
対し1部の割合で1.5%のアスコルビン酸溶液をミク
ログレーダー上部より適下しつつ破砕を行った。破砕さ
れたキャベツをフェッター型スクリュープレスにて搾汁
し、集液した。この搾汁液を110℃、10秒の高温短
時間加熱を行い、アスコルビン酸105mg%を含むp
H5.7のキャベツ粗汁を得た。
【0046】(2)キャベツ粗汁にクエン酸0.25%
を添加し、pHが4.0付近であることを確認した後、
ペクチナーゼSS(ヤクルト薬品工業(株))を0.05
%添加し、45℃で1時間の酵素反応を行った。 酵素
反応後、95℃、10秒の短時間加熱を行い、冷却した
後、ドラバル型遠心分離機にて懸濁物の除去を行った。
更に#200のケイ藻土を用い仕上げ濾過を行ったの
ち、Bx30゜まで減圧濃縮を行った。
【0047】比 較 例 2 (1)キャベツを芯抜きしカッターにて上部より十字に
4分割し、巻葉をバラバラにした後食品用洗剤にて洗浄
した。 水リンス後、熱水にてキャベツの芯様の最厚部
の中心が85℃に達するまで加熱した。グレーダにて破
砕後油圧プレスにて搾汁を行い、集液後110℃、10
秒の高温短時間加熱の後アスコルビン酸100mg%を
添加し、Bx5.2、pH5.9のキャベツ粗汁を得た。
【0048】(2)キャベツ粗汁にクエン酸0.25%
を添加し、pHが4.0付近であることを確認した後、
ペクチナーゼSS(ヤクルト薬品工業(株))を0.05
%添加し、45℃、1時間の酵素反応を行った。 95
℃、10秒の短時間加熱を行い、冷却後ドラバル型遠心
分離機にて生成した懸濁物の除去を行った。更に、#
00のケイ藻土濾過を行ったのち#200のケイ藻土で
仕上げ濾過を行い、可溶性固形分30%まで濃縮を行
い、濃縮野菜汁を得た。
【0049】評 価 例 1 実施例1〜3ならびに比較例1および2で得られた野菜
汁を各原液(オリジナル)Bx換算1.5°の濃度に調
整した後、クエン酸を添加し全てのpHを4.0とし、
100ml瓶にホットパックし成分比較を行った。 こ
の結果を表1に示す。
【0050】
【0051】評 価 例 2 上記の評価例1で用いた各野菜汁を、85℃加熱後、倒
置2分でガラス容器にそれぞれホットパックした。 製
造日のものと製造後37℃にて所定日数保存したもの
を、それぞれ冷却して官能検査に供した。
【0052】官能検査は果汁系飲料開発を行っている研
究員8名のパネルにより、キャベツ感、異臭(漬物
臭、古漬臭…あらかじめ同様の臭いで訓練した)を官能
評価し、以下の6段階で評価した。 パネルの評価の平
均を表2に示す。
【0053】評価基準: 評 点 0 臭いが全くない。 1 臭いがあるかないかの程度である。 2 臭いがわずかにある。 3 臭いがややある。 4 臭いがかなりある。 5 臭いが強烈にある。
【0054】
【0055】以上の評価例1および2から明らかなよう
に、本発明方法による野菜搾汁液は、成分的に従来法と
ほとんど変わらないにもかかわらず、37℃、4週間の
保存によっても、ほとんど異臭を発生させないものであ
った。
【0056】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来、常温保存時
に発生する漬物臭等と表現される異臭を防ぐことができ
ず、事実上商品として提供できなかった、キャベツ、ブ
ロッコリーを含め多くの野菜類の野菜搾汁液を通常の常
温保管商品とすることが可能となる。従って、簡単に摂
取することのできる新しいタイプの野菜飲料を提供する
ことができるので、食品産業上の意義の大きいものであ
る。 以 上

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野菜を破砕・搾汁して野菜汁とし、次い
    で有機酸を添加し、更にこの野菜汁を弱塩基性陰イオン
    交換樹脂にて処理することを特徴とする保存可能な野菜
    搾汁液の製造法。
  2. 【請求項2】 弱塩基性陰イオン交換樹脂による処理
    を、野菜汁のpHが8.5以下となるまでの循環処理で
    行う請求項第1項記載の保存可能な野菜搾汁液の製造
    法。
  3. 【請求項3】 弱塩基性陰イオン交換樹脂による処理
    を、搾汁した野菜汁100部に対し、10部〜100部
    の弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いて行う請求項第1項
    または第2項記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。
  4. 【請求項4】 各処理工程のいずれかに少なくとも1回
    の透明化処理を行う請求項第1項〜第3項のいずれかの
    項記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。
  5. 【請求項5】 野菜汁に、更にサイクロデキストリンを
    添加することを特徴とする請求項第1項〜第4項のいず
    れかの項記載の保存可能な野菜搾汁液の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項第1項〜第5項のいずれかの項記
    載の方法により製造された野菜搾汁液を含有する食品。
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