JPH08242799A - 鞘付の冷凍味付枝豆およびその製造方法 - Google Patents

鞘付の冷凍味付枝豆およびその製造方法

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JPH08242799A
JPH08242799A JP8316895A JP8316895A JPH08242799A JP H08242799 A JPH08242799 A JP H08242799A JP 8316895 A JP8316895 A JP 8316895A JP 8316895 A JP8316895 A JP 8316895A JP H08242799 A JPH08242799 A JP H08242799A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ビールのつまみ等に好適な塩味付の鞘付枝豆
を冷凍食品として保存し流通させることが出来、必要に
応じて自然解凍あるいは流水解凍またはレンジ解凍する
だけで、手軽に好ましい塩味または旨味に味付され、か
つ色調に優れた鞘付枝豆として喫食できる鞘付の冷凍味
付枝豆とその製造方法の提供。 【構成】 鞘付き原料枝豆をブランチングして枝豆内の
酵素を不活性化させ、冷凍保存による品質劣化と緑色の
退色を可及的に防止、かつ、原料枝豆の組織を適度に軟
化させる。これを凍結し解凍して原料枝豆の鞘の組織を
凍結変性させて鞘内部に調味液が浸透し易い状態として
適度に温めた高濃度調味液に浸漬し、程好い茹で上げと
鞘内部の枝豆にまで味付けをして冷凍することにより、
解凍するだけで好ましい味付がされており色調等外観の
優れた鞘付枝豆として喫食できるようにした鞘付の冷凍
味付枝豆。及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビールのつまみ等に好
適な塩味付の鞘付枝豆を冷凍食品として保存し流通させ
ることが出来、しかも必要に応じて自然解凍あるいは流
水解凍またはレンジ解凍するだけで、手軽に好ましい塩
味または旨味に味付され、かつ色調に優れた鞘付枝豆と
して喫食することができる鞘付の冷凍味付枝豆とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より疏菜類の冷凍食品化は技術的に
困難とされてきた。その理由は、疏菜類というのは、無
処理のまま冷凍保存すると品質の劣化が著しいからであ
る。しかるに近年、ビールのつまみとして人気のある鞘
付枝豆の冷凍食品が商品化され、市場に出回るようにな
った。これは、鞘付枝豆の品質の劣化が、原料中に含ま
れている酵素作用に起因すること、特に酵素が解凍中に
酸化等の悪影響を促進するためであることが解り、対応
策として、ブランチング処理により酵素を不活性化させ
れば解決することが解ったからである。しかし、出回っ
ているいずれの冷凍枝豆もブランチング処理により、冷
凍による品質劣化を止めただけのもので、調味としての
食塩等の添加は行われていない。そのため、喫食するに
は結局、再度熱湯でゆで上げ、塩をまぶすなど味付け処
理を加える必要のある商品であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近はコンビニエンス
ストアなどでそのまま或は簡易に喫食できるデリカ食品
やインスタント食品の需要が増大し、種々の酒のつまみ
についても、出来るだけ簡便に食することの出来るよう
にすることが望まれている。ビールのつまみとして人気
のある冷凍の鞘付枝豆も、解凍しただけでそのまま食す
ることの出来る塩味などの味付の冷凍鞘付枝豆の商品化
が強く要望されている。
【0004】このような、鞘付の冷凍味付枝豆の商品化
のためには、次のような課題を克服する必要がある。第
1に、解凍しただけで鞘内の枝豆にまで適度に味付けが
なされており、しかも適度に茹で上がっていて、そのま
ま美味しく食べられること。第2に、解凍した際、鞘付
枝豆の緑色がきれいなうえ、品質劣化しておらず、外観
も好ましい状態であること。
【0005】発明者は、当初、原料鞘付枝豆を最初から
高濃度食塩水などの高濃度調味液で茹で上げ処理を行
い、鞘内の枝豆までの味付けと茹で上げとを同時にして
そのまま喫食できる状態にしたうえで、冷凍してみた。
ところが、これは到底商品化できる物ではないことが解
った。それは鞘内の枝豆の茹で上がりと味付けを好まし
いものにすると、外観的な退色と渇変がひどくなって商
品化は無理となる。また逆に外観的な劣化が起こらない
程度に短時間茹でると、枝豆への味付けが不十分となっ
たり、枝豆の茹で上がりが不十分となって、これも要請
されている商品にはならない。つまり、本発明にあって
は、加熱調理具合と味付け具合と食欲をそそる好ましい
外観とを同時に満足させることが、非常に困難な技術的
課題なのである。
【0006】また、発明者は、先行技術調査をしたとこ
ろ、特開平6−327399号公開特許公報を見付け、
その技術内容を検討した。当該特許公報には、「塩味茹
枝豆の冷凍品及びその包装品」という発明が記載されて
いる。その記載されている発明の技術要旨は、特許を受
けようとする第1発明が「豆の薄皮に塩味が感じられ、
かつ、豆の中心まで薄塩味が浸透しているソフト感のあ
る塩味茹枝豆の冷凍品。」であり、第2発明が「塩味茹
枝豆が、0.3kg〜0.6kgの範囲にある前記第1
発明に係る塩味茹枝豆の冷凍品。」であり、第3発明が
「茹枝豆が、塩水の熱水中でのブランチングおよびスチ
ームブランチングの処理工程を経て製造したものである
前記第1発明、第2発明に係る塩味茹枝豆の冷凍品。」
であり、第4発明が「茹枝豆が、塩水の熱水中でのブラ
ンチングおよびスチームブランチングの処理工程の前又
は後で、少なくとも塩水浸漬処理することを特徴とする
前記第1発明、第2発明、第2発明に係る塩味茹枝豆の
冷凍品。」である。
【0007】当該先行発明の開発ニーズの認識と開発目
標は、本発明とほぼ同じであると考えられる。しかし、
具体的にめざそうとする塩味茹枝豆は、本発明と明確な
差異がある。当該先行発明は、第1発明に明記するよう
に「豆の薄皮に塩味が感じられ、かつ、豆の中心まで薄
塩味が浸透しているソフト感のある塩味茹枝豆。」であ
る。つまり、塩味は薄くソフト感のあるものに限られて
いる。また、先行発明の第3発明は、発明者による前記
実験と実質的に同じ処理である。第3発明について追試
をおこなってみたが、その茹で上がり状態と塩味の付き
具合と加熱による緑色の退色劣化とのバランスとが、ど
うしてもとれず、生原料枝豆を喫食直前に適度にい茹で
上げ、塩をまぶした人気のある理想的な塩味枝豆の品質
と比較すると、商品としての品質に満足できないもので
あった。更に、第4発明についても追試をおこなってみ
た。この場合には、第3発明よりはソフト感のある塩味
と緑色の保持についての両立がなされている。しかし、
喫食直前に茹で上げ塩をまぶした塩味枝豆の代替えにな
り得る程の鮮度や味付けや見映えがするものではなく、
商品価値があまり高くなかった。しかも、食塩水への浸
漬時間に3時間もかかっているため、その製造作業に時
間がかかるなどの欠点がある。
【0008】鞘付の味付茹枝豆の冷凍食品の製造にあっ
ては、加熱の時間と温度と方法が、品質に大きな影響を
与える要因となる。加熱温度が高く、加熱時間が長いほ
ど、緑色が退色し、品質が変性し、鮮度感が失われてい
く傾向がある。また、鞘付枝豆にあっては、外側の鞘部
分と内側の豆部分とで、加熱変性、味付き具合に差が出
易い構造になっている。このため、食欲をそそる色や形
や鮮度などの外観を保持することに重点をおけば、外側
の鞘部分を基準とした調理加工処理となり、食する豆の
食感(固さ)や味付け状態などの味覚を重視すれば、内
側の豆部分を基準とした調理加工処理とならざるを得な
い。原料鞘付枝豆の場合、その組織、構造をそのままに
して両立する調理加工処理をすることは難しい。
【0009】発明者等は、前記技術的課題を克服すべく
研究した結果、鞘付枝豆に対するブランチング処理の効
果と、冷凍変性処理の効果とに着目し、これら両処理を
組合わせると鞘付枝豆の組織や物性が好ましくを変性す
ることに気付いた。更に、組織や物性の変性した鞘付枝
豆を適度に温い高濃度調味液に浸漬すると、枝豆に対す
る補充茹で上げ効果と適度な味付けが同時にできること
を見出した。つまり、『鞘付枝豆の組織や物性の変性処
理』ー『温い高濃度調味液への浸漬による豆への味付け
処理』によって枝豆の程好い茹で上げと味付けと食欲を
そそる外観維持とを同時に満足させることができ、しか
もこのように加工したものを再度冷凍保存しても、冷凍
変性による品質劣化が起こりにくく、長期保存が可能な
商品となった。
【0010】本発明者は、これらの新しい知見により、
解凍をするだけで、簡易にそのまま美味しく食すること
のでき、しかも外観も美しく食欲をそそるなど、高品質
の鞘付の冷凍味付枝豆の商品化とその製造方法を具現化
できたのである。
【0011】
【課題が解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、鞘付き原料枝豆をブランチングにより、枝豆
内の酵素を不活性化させて冷凍保存による品質劣化と緑
色の退色を可及的に防止するとともに、半茹でにして原
料枝豆の組織を適度に軟化させるようになし、これを凍
結し解凍することにより、原料枝豆の鞘の組織を凍結変
性させて鞘内部に調味液が浸透し易い状態となし、その
うえで当該鞘付枝豆を適度に温めた高濃度調味液に浸漬
することにより、程好い茹で上げと鞘内部の枝豆にまで
味付けとをなし、これを冷凍することにより、解凍する
だけで、好ましい味付がされており、かつ色調等外観の
優れた鞘付枝豆として喫食できるようにしたことを特徴
とする鞘付の冷凍味付枝豆である。
【0012】当該第1発明は、解凍するだけでそのまま
美味しく食することのできること、鞘付枝豆の形や緑色
など外観が美しく食欲をそそること、冷凍による長期保
存性に優れていること、といった要請を同時に満足させ
た商品価値の高い鞘付の冷凍味付枝豆の発明である。
【0013】第1発明に係る鞘付の冷凍味付枝豆の構成
は、原料鞘付枝豆をブランチング処理、凍結しその後解
凍する処理、適度に温めた高濃度調味液に浸漬して鞘内
部の枝豆に味付けする処理、冷凍処理という4処理を順
次施したときに調理加工されて出来た構造と状態になっ
ている。この構成を具体的に特定すると、次のようにな
る。
【0014】a)原料鞘付き原料枝豆をブランチング処
理することにより、当該原料の組織を次のような構
成に変性させたものである。 原料の体内にある酵素、主として酸化酵素を加熱で不
活性化し、冷凍保存による品質劣化と緑色の退色を可及
的に防止するようにした。 原料を半茹でにすると共に加熱によって原料の組織を
軟化させて、氷結膨張に耐えやすくする。尚、ブランチ
ングは熱湯またはスチーム中に原料枝豆を入れて行うの
が一般的であるが、スチームの場合には熱湯よりやや時
間がかかる。
【0015】b)次に、これを一旦凍結しその後解凍す
る処理をすることにより、原料枝豆の鞘の組織を凍結変
性による損傷を与えて鞘内部に調味液が浸透し易い状態
に構成する。
【0016】c)原料鞘付枝豆の鞘内部を調味液が浸透
し易い状態に変性させたうえで、適度に温めた高濃度調
味液に浸漬することにより、温い高濃度調味液が鞘内に
すぐ浸透してきて、程好い茹で上げと、鞘内部の枝豆へ
の味付けとしっかりと調理加工した構成となる。ここに
高濃度調味液とは、濃度10〜20%食塩水または、濃
度10〜20%食塩水を主体に必要に応じて、だし、だ
しの素、化学調味料、香料など調味材料から少なくとも
1つ選定して組合わせ調合した調味用液体であり、その
高濃度調味液の温度が40〜60℃である。
【0017】d)そのまま冷凍することにより、以上
a)b)c)に記載した調理加工により出来た素材の特
徴を凍結保存できるように構成してなる鞘付の冷凍味付
枝豆である。
【0018】本発明にかかる鞘付の冷凍味付枝豆は、叙
上のような構成にしたので、冷凍食品として流通保存が
でき、喫食時には、自然解凍、流水解凍またはレンジ解
凍など適宜の方法で解凍するだけでそのまま食すること
のでき、食欲をそそる緑色と形崩れのない外観を維持し
ており、食べて美味しい味のしっかり付いた味付枝豆で
ある。
【0019】特許を受けようとする第2発明は、選別、
洗浄などの前処理した原料鞘付枝豆を、お湯またはスチ
ームによりブランチングした後、当該鞘付枝豆を一旦冷
凍したうえ解凍し、そのうえで適度に温めた高濃度調味
液に浸漬して鞘内部の枝豆にまで調味液による味付けを
おこない、その後冷凍したことを特徴とする鞘付の冷凍
味付枝豆の製造方法である。
【0020】特許を受けようとする第3発明は、第2発
明に記載する適度に温めた高濃度調味液とは、濃度10
〜30%食塩水または、濃度10〜30%食塩水を主体
に必要に応じて、だし、だしの素、化学調味料、香料な
ど調味材料から少なくとも1つ選定して組合わせ調合し
た調味用液体であり、その高濃度調味液の温度が40〜
65℃であることを特徴とする鞘付の冷凍味付枝豆の製
造方法である。
【0021】特許を受けようとする第4発明は、選別、
洗浄などの前処理した原料鞘付枝豆を、お湯またはスチ
ームによりブランチングした後、当該鞘付枝豆を冷凍し
た状態で、食塩水を主体とする高温(70〜95℃)の
高濃度調味液(10〜30%)内に入れることにより、
冷凍枝豆を解凍すると共に高濃度調味液の温度を40〜
50℃に下げた後、当該高濃度調味液内に5〜15分間
浸漬して鞘内部の枝豆にまで味付けをおこない、その後
水切りして冷凍したことを特徴とする鞘付の冷凍味付枝
豆の製造方法である。
【0022】第2発明乃至第4発明は、第1発明に記載
したような鞘付の冷凍味付枝豆を製造する方法の発明で
ある。いずれの発明も基本的な製造工程は、『ブランチ
ング−凍結・解凍−温かい高濃度調味液浸漬−凍結』で
ある。以下、各工程について説明する。
【0023】先ず、この製造方法においてのブランチン
グ処理は、お湯またはスチームにより短時間加熱する処
理であるが、これには、詳細に述べると次のような効果
がある。 原料の体内にある酵素、主として酸化酵素を加熱で不
活性化し、冷凍保存による品質劣化と緑色の退色を可及
的に防止するようにした。 原料を半茹でにすると共に加熱によって原料の組織を
軟化させて、氷結膨張に耐えやすくする。 原料に付着している微生物を加熱して殺し、保存効果
を高める。 原料の内部にある空気を加熱で膨張して対外に逃が
す。 加熱によって水分の若干を対外に出す。 加熱によって澱粉をα型へ変える。
【0024】尚、ブランチングに使用する熱水に、少量
の食塩や重曹をいれることがある。これは、葉緑体の蛋
白質が熱変性によってクロロフィルの状態変化を生じさ
せ、鞘付枝豆緑色を鮮やかにするためである。
【0025】次に、この製造方法において、ブランチン
グ済の鞘付枝豆を冷凍して凍結枝豆とするのは、原料枝
豆の鞘の組織を凍結変性による損傷を与えて鞘内部に調
味液が浸透し易い状態にするための処理である。外側の
鞘と内部の豆とからなる鞘付枝豆の構造から起こし易
い、外側の過加熱と内部の味付け不足を克服し、理想的
な内部豆までの程好い味付けと程好い茹で上り状態を実
現するための重要な前処理である。前記公知文献(特開
平6−327399号公開特許公報)には、このような
発想と処理工程がない。
【0026】次の温かい高濃度調味液浸漬処理は、前工
程である凍結・解凍による冷凍変性と相まって、短時間
に効率良く内部の豆にまで味付けをするとともに、過剰
な加熱により熱変性しないで適度に茹で上げる処理であ
る。前記公知文献(特開平6−327399号公開特許
公報)でも、塩水浸漬処理により塩味を付けることが記
載されているが、その塩水浸漬時間は、3時間となって
おり、それでも薄味しか付かないこととなっている。本
願発明の場合には、5〜15分間で充分で、その製造時
間は、先行技術と比較して1/12以下と非常に製造効
率良い製法である。尚、枝豆は、これを少しでも過剰に
加熱すると、すぐ黄色味を増し、軟化ししんなりしすぎ
て鮮度を感じなくなり、鞘の接合部が弱くなって鞘割れ
を起こし易くなり、外観上の見映えと品位が急激に低下
する。このようになると、食欲や購買意欲を失わせて鞘
付の味付枝豆としての商品価値を著しく低下させてしま
う。調理済のデリカ食品として市場で認知してもらい、
産業化する際には致命的な欠点となる。
【0027】本発明の場合には、鞘付の味付枝豆を食す
ると、茹で上がり状態が丁度良いだけでなく、内部の豆
まで調味液の味付けが十分なされており、しかも鞘等の
緑色も鮮やかで、鞘割れもない良好な外観を呈するもの
となっている。従って、本発明の製造方法による鞘付の
味付枝豆の場合には、このような技術課題を解決し、外
観上の良好性を保った調理済食品となっている点で、実
用性の高いものである。
【0028】最後に、以上のように加工調理された鞘付
の味付枝豆を水切りして急速凍結するのである。この工
程は、冷凍食品の常法による製造方法である。しかし、
本発明の場合には、鞘付枝豆としては2度目の凍結とな
る。このように再凍結であるため冷凍変性による品質低
下が少なく、長期保存後、喫食のために解凍したときで
も、鞘付の味付枝豆としての高品質を維持したものとな
る。
【0029】即ち、本発明に係る製造方法によってはじ
めて、実用性のある調理済食品である鞘付の味付枝豆の
冷凍食品化に成功し、低温流通と長期保存が可能になっ
た。しかも、喫食したい時には解凍しただけで喫食でき
るようになったが、その際の鞘付枝豆の茹で上がり状態
が丁度良く、内部の豆まで十分な味付けがなされており
美味しいものとなっている。しかもその鞘等の緑色も鮮
やかで、鞘割れも殆ど無く、食欲をそそる外観を呈して
いる。そのため、本発明により製造された鞘付の冷凍味
付枝豆は、その商品価値が高く、喫食直前に茹でたり調
味したりした鞘付の味付枝豆と遜色のないものとなっ
た。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0031】<実施例1> 第一工程:原料の枝豆100kgを分離し、商品化に好
ましい大きさの枝豆のみを選択し、洗浄する。 第二工程:洗浄した枝豆を熱湯で1〜2分間ブランチン
グ処理する。これで、枝豆の緑色が鮮やかなものとな
り、鞘が少し軟らかくなって折れたり割れたりしにくく
なった。 第三工程:ブランチング処理を行った枝豆を凍結し、解
凍する。冷凍少なくとも−30℃以下の条件で実施し、
その状況下での保存も−18℃以下が望ましい。保存し
た後、お湯を掛けて解凍する。枝豆の鞘の組織は凍結変
性により鞘内部に調味液が浸透し易い状態となってい
る。 第四工程:解凍された鞘付の冷凍枝豆を,温度40℃〜
65℃の高濃度食塩水(10%、15%、20%)に5
〜15分間浸漬して味付けした。食塩の味付け状態は浸
漬の時間と濃度によって変化するし、茹であげ状態も時
間によって変化する。また、枝豆の大きさによっても味
付けや茹であげ状態差異がでる。本実験では、浸漬時間
が10分前後の場合に、鞘内部の豆の味付け具合と茹で
上げ状態のバランスが良好であった。 第五工程:味付した枝豆を水切りした後、凍結して鞘付
の冷凍味付枝豆にする工程である。この凍結も少なくと
もー30℃以下で実施し、凍結後には冷凍庫にて−18
℃以下で保存した。 第六工程:鞘付の冷凍味付枝豆を200gづつ所定の小
袋に詰めて冷凍食品としての商品化をした。 解凍・喫食:一週間後、冷凍庫より商品化した鞘付の冷
凍味付枝豆を解凍し、そのまま喫食してみた。解凍した
ときの鞘付の味付枝豆は、鞘等の緑色が鮮やかで、鞘割
れも殆ど無く、食欲をそそる外観を呈していた。次に、
そのまま喫食してみたところ、鞘付枝豆の茹で上がり状
態が丁度良く、内部の豆まで十分な味付けがなされて美
味しい鞘付の味付枝豆であった。
【0032】<実施例2> 第一工程:原料の枝豆100kgを分離し、商品化に好
ましい大きさの枝豆のみを選択し、洗浄する。 第二工程:洗浄した枝豆をスチームで2〜4分間ブラン
チング処理する。これで、枝豆の緑色が鮮やかなものと
なり、鞘が少し軟らかくなって折れたり割れたりしにく
くなった。 第三工程:ブランチング処理を行った枝豆を−30℃以
下の条件で凍結し、その後−18℃以下の冷凍庫に保存
した。 第四工程:得られた冷凍枝豆を,温度70℃〜95℃の
高濃度調味液(10%、15%、20%)に入れて解凍
するとともに、温度40℃〜65℃の高濃度調味液に下
げた状態で5〜15分間浸漬して味付けする。ここで高
濃度調味液は、濃度10〜30%食塩水を主体にだしの
素、化学調味料、香料などを調合した調味用液体であ
る。この工程でも加熱するので、鞘付枝豆は、茹で上が
り状態となった。また、枝豆の鞘の組織は凍結変性によ
り鞘内部に調味液が浸透し易い状態となっているため、
短時間に鞘の内部の豆まで味付けがなされた。 第五工程:味付した鞘付枝豆を水切りした後、凍結して
鞘付の冷凍味付枝豆にする工程である。この凍結も少な
くとも−30℃以下で実施し、凍結後には冷凍庫にて−
18℃以下で保存した。 第六工程:鞘付の冷凍味付枝豆を200gづつ所定の小
袋に詰めて冷凍食品としての商品化をした。 解凍・喫食:一週間後、冷凍庫より商品化した鞘付の冷
凍味付枝豆を解凍し、そのまま喫食してみた。解凍した
ときの鞘付の味付枝豆は、鞘等の緑色も鮮やかで、鞘割
れも殆ど無く、食欲をそそる外観を呈していた。次に、
そのまま喫食してみたところ、鞘付枝豆の茹で上がり状
態が丁度良く、内部の豆まで十分な調味液の味付けがな
されて美味しい鞘付の味付枝豆であった。
【0033】
【発明の効果】第1発明により得られる鞘付の冷凍味付
け枝豆は、調理済の鞘付の枝豆を冷凍食品化することに
成功したもので、低温流通帯にて保存と流通が可能であ
り、喫食する際に、常法による解凍をするだけで、手軽
に鞘の内部の豆まで好ましい塩味または旨味に味付さ
れ、かつ色調に優れた鞘付枝豆として喫食することがで
きる。特に、本発明の特徴は、加熱をブランチングと温
かい高濃度調味液への短時間浸漬とに分割し、高温過剰
加熱によっておこる品質低下を可及的に防ぎ、しかも高
濃度調味液への浸漬処理の前に枝豆の鞘の組織を凍結変
性により鞘内部に調味液が浸透し易い状態にしておくこ
とにより、外側の鞘への味付けと内部の豆への味付けの
バランスが良くなり、茹で上げ状態も適切なものとな
る。しかも最終工程で、調味加工後に冷凍食品化するた
めの凍結をするが、それより前の処理工程で一度凍結し
ているので、解凍したときの凍結変性が殆どなく、調味
加工直後の美味しさや茹で上げ状態を再現できる。この
ため、おいしさ、食欲をそそる見た目などの品質レベル
を高く維持でき、従来技術的に困難とさていた調理済の
鞘付の枝豆の冷凍食品としての商品化が可能となった。
【0034】第2発明から第4発明は、前記第1発明の
かかる鞘付の枝豆の冷凍食品の製造方法を具現化するも
のである。本願発明の基本的構成は『ブランチング−凍
結・解凍−温かい高濃度調味液浸漬−凍結』という手順
をとるもので、これに具体的な条件を選定して鞘付の枝
豆の冷凍食品を製造する方法である。本願発明のこのよ
うな発明は、従来公開されている茹枝豆の冷凍食品の製
造方法と比較して短時間に高品質な調理加工が出来るこ
ととなった点で、画期的なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鞘付き原料枝豆をブランチングにより、
    枝豆内の酵素を不活性化させて冷凍保存による品質劣化
    と緑色の退色を可及的に防止するとともに、半茹でにし
    て原料枝豆の組織を適度に軟化させるようになし、これ
    を凍結し解凍することにより、原料枝豆の鞘の組織を凍
    結変性させて鞘内部に調味液が浸透し易い状態となし、
    その上で当該鞘付枝豆を適度に温めた高濃度調味液に浸
    漬することにより、程好い茹で上げと鞘内部の枝豆にま
    で味付けをなし、これを冷凍することにより、解凍する
    だけで、好ましい味付がされており、かつ色調等外観の
    優れた鞘付枝豆として喫食できるようにしたことを特徴
    とする鞘付の冷凍味付枝豆。
  2. 【請求項2】 選別、洗浄などの前処理した原料鞘付枝
    豆を、お湯またはスチームによりブランチングした後、
    当該鞘付枝豆を一旦冷凍したうえ解凍し、そのうえで適
    度に温めた高濃度調味液に浸漬して鞘内部の枝豆にまで
    調味液による味付けをおこない、その後冷凍したことを
    特徴とする鞘付の冷凍味付枝豆の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載する適度に温めた高濃度
    調味液とは、濃度10〜30%食塩水または、濃度10
    〜30%食塩水を主体に必要に応じて、だし、だしの
    素、化学調味料、香料など調味材料から少なくとも1つ
    選定して組合わせ調合した調味用液体であり、その高濃
    度調味液の温度が40〜65℃であることを特徴とする
    鞘付の冷凍味付枝豆の製造方法。
  4. 【請求項4】 選別、洗浄などの前処理した原料鞘付枝
    豆を、お湯またはスチームによりブランチングした後、
    当該鞘付枝豆を冷凍した状態で、食塩水を主体とする高
    温(70〜95℃)の高濃度調味液(10〜30%)内
    に入れることにより、冷凍枝豆を解凍すると共に高濃度
    調味液の温度を40〜50℃に下げた後、当該高濃度調
    味液内に5〜15分間浸漬して鞘内部の枝豆にまで味付
    けをおこない、その後水切りして冷凍したことを特徴と
    する鞘付の冷凍味付枝豆の製造方法。
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