JP2008011749A - チリメン加工食品及びその製造方法 - Google Patents

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数義 正木
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Abstract

【課題】従来の醤油風味から一新された爽やかな梅風味を有し、食感、旨味、外観、安全性等の品質を促進するチリメン加工食品及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のチリメン加工食品は、縮緬雑魚を調味液で煮染めたものであり、この調味液が梅肉を含み、梅風味を有している。本発明のチリメン加工食品の製造方法は、縮緬雑魚を脱塩及び膨潤させる前処理工程と、前処理後の縮緬雑魚を調味液に浸漬する調味液浸漬工程と、縮緬雑魚を調味液に浸漬した状態で加熱する煮染め工程とを有し、調味液が真水、酒、梅肉及び甘味料を含んでいる。調味液の梅肉の含有量は、縮緬雑魚の質量の0.15倍以上0.9倍以下が好ましい。煮染め工程は、初期に短時間強火で加熱する強火ボイル工程と、その後に弱火で加熱する弱火ボイル工程とを有するとよい。弱火ボイル工程において他の食品を添加するとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、縮緬雑魚を主材料とし、梅風味を有するチリメン加工食品及びその製造方法にするものである。
縮緬雑魚(一般に「チリメン」と略称される)とは、カタクチイワシ等の稚魚を塩水で湯がき、乾燥させたものである。この縮緬雑魚は、カルシウムが豊富で、カロリーが低いため、古来より広く食されている。
かかる縮緬雑魚を用いた2次加工品であるチリメン加工食品としては、縮緬雑魚の佃煮が代表的である。縮緬雑魚の佃煮は、一般的には原料の縮緬雑魚を水洗いして塩抜きした後、醤油、砂糖、水飴等からなる調味液に漬け、調味液が魚体内部まで充分にしみ込むよう煮染めることで製造される。
上述のように縮緬雑魚が高カルシウム及び低カロリーで食品として優れているにも関わらず、その縮緬雑魚を用いたチリメン加工食品としては、アルカリ塩水溶液への浸漬によりソフト化を図る技術(特開2005−253333号公報等参照)や山椒の佃煮等の他の食品と混ぜ合わせる技術などが開発されているものの、相変わらず醤油風味の佃煮系味付けから抜け出していないというのが現状である。
特開2005−253333号公報
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、従来の醤油風味から一新された爽やかな梅風味を有し、食感、旨味、外観、安全性等の品質を促進することができるチリメン加工食品及びその製造方法の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
縮緬雑魚を調味液で煮染めたチリメン加工食品であって、
この調味液が梅肉を含み、
梅風味を有していることを特徴とするチリメン加工食品である。
当該チリメン加工食品は、縮緬雑魚の煮染めのための調味液に梅肉を含んでいることから、従来のチリメン加工食品のような醤油風味を一新した梅風味を有しており、爽やかでかつ非常に美味しいものとなる。また当該チリメン加工食品は、縮緬雑魚の味付けに天然由来の梅肉を使用しているため、食品としての安全性が促進され、かつ梅肉に含まれるクエン酸、リンゴ酸等により縮緬雑魚の食感が高められる。
当該チリメン加工食品は、上記縮緬雑魚がピンク系に着色されるとよい。このように梅肉の添加量等の調整により縮緬雑魚をピンク系に着色することで、上述の梅風味と相俟って当該チリメン加工食品の外観が向上され、食欲を増進することができる。
また当該チリメン加工食品は、紫蘇の葉、山椒の実又は梅の果肉が混合されるとよい。このように紫蘇の葉、山椒の実又は梅の果肉を混合することで、当該チリメン加工食品に対する紫蘇風味又は山椒風味の付加や梅風味の増強が可能であり、食感、旨味、外観等の品質を向上することができる。
上記課題を解決するためになされた製造方法に係る発明は、
(a)縮緬雑魚を脱塩及び膨潤させる前処理工程と、
(b)前処理後の縮緬雑魚を調味液に浸漬する調味液浸漬工程と、
(c)縮緬雑魚を調味液に浸漬した状態で加熱する煮染め工程とを有しており、
この調味液が真水、酒、梅肉及び甘味料を含むチリメン加工食品の製造方法である。
当該チリメン加工食品の製造方法は、前処理工程により乾燥した縮緬雑魚を所定の塩分濃度に塩抜きし、かつ所定の水分量に膨潤させ、調味液浸漬工程により調味液に浸漬して馴染ませ、煮染め工程により縮緬雑魚に梅肉を含む調味液を浸透させることで、梅風味を有する当該チリメン加工食品を得ることができる。このチリメン加工食品の製造方法は、調味液に含まれる梅肉がクエン酸、リンゴ酸等の酸成分を含有していることから、調味液浸漬工程において縮緬雑魚を調味液に浸漬すると、縮緬雑魚の表層のタンパク質が上記酸成分によって変性され、その結果縮緬雑魚の中身の柔らかさを維持しつつ表面の硬度及び弾性を高めることができる。従って、当該チリメン加工食品の製造方法によれば、煮染め工程を経ても縮緬雑魚の身くずれを抑制でき、加えて柔らかくかつ腰等を有する優れた食感のチリメン加工食品を得ることができる。
上記調味液における梅肉の含有量としては、縮緬雑魚の質量の0.15倍以上0.9倍以下が好ましい。このように調味液の梅肉の含有量を上記範囲とすることで、当該製造方法によって得られるチリメン加工食品の梅風味の強さを程良い程度に調整することができる。
上記煮染め工程としては、
(d)初期に短時間強火で加熱する強火ボイル工程と、
(e)その後に弱火で加熱する弱火ボイル工程と
を有するとよい。このように煮染め工程を比較的短時間の強火ボイル工程とその後の弱火ボイル工程との2段階に分けることで、梅肉の風味を損なうことなく、効果的に縮緬雑魚に梅風味を浸透させることができる。
上記弱火ボイル工程において、他の食品を添加する添加工程を有するとよい。このように弱火ボイル工程において他の食品を添加する添加工程を有することで、他の食品の風味の低下を抑制しつつ、チリメン加工食品に他の食品の風味を付加し、かつ他の食品が渾然一体としたチリメン加工食品を製造することができる。
上記他の食品としては、紫蘇の葉、山椒の実又は梅の果肉を用いることができる。このように紫蘇の葉、山椒の実又は梅の果肉を添加することで、当該チリメン加工食品に対する紫蘇風味又は山椒風味の付加や梅風味の増強が可能であり、食感、旨味、外観等の品質を向上することができる。
ここで、「チリメン加工食品」とは、縮緬雑魚を主材料とする2次加工品を意味する。「梅肉」とは、梅干から種を取り除いてペースト状にしたものを意味する。
以上説明したように、本発明のチリメン加工食品は、従来のチリメン加工食品のような醤油風味を一新した梅風味を有しており、爽やかで非常に美味しく、かつ食感、外観、安全性等の品質を促進することができる。また本発明のチリメン加工食品の製造方法は、上述のような優れた品質を有する斬新なチリメン加工食品を容易かつ確実に製造することができる。従って、当該チリメン加工食品及びその製造方法は、従来のチリメン加工食品と比較して優れた旨味、食感、外観、安全性等の品質を有し、縮緬雑魚の需要の増大を図ることができる。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係るチリメン加工食品の製造方法を示すフロー図、図2は図1のチリメン加工食品の製造方法における前処理工程の細工程を示すフロー図、図3は図1のチリメン加工食品の製造方法における煮染め工程の細工程を示すフロー図である。
図1のチリメン加工食品の製造方法は、縮緬雑魚Xを主原料としてチリメン加工食品Yを製造する方法であり、前処理工程(STP1)、調味液浸漬工程(STP2)、煮染め工程(STP3)及び後処理工程(STP4)を有している。
縮緬雑魚Xは、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ、セグロイワシ、ヒラゴイワシ等の稚魚を主原料とし、所定の濃度の塩水で湯がき、天日乾燥等の手段により所定の水分含有量に乾燥させたものである。縮緬雑魚Xとしては、製造後の味付けの均一性等から同程度の大きさに選別したものが好ましい。
縮緬雑魚Xの水分含有量の下限としては、30質量%が好ましく、33質量%が特に好ましい。一方、縮緬雑魚Xの水分含有量の上限としては、45質量%が好ましく、38質量%が特に好ましい。縮緬雑魚Xの水分含有量が上記下限より小さいと、後述する調味液浸漬工程(STP2)及び煮染め工程(STP3)による縮緬雑魚Xへの調味液の風味付けが困難になり、製造されるチリメン加工食品Yの食感が硬くなりすぎるおそれがある。一方、縮緬雑魚Xの水分含有量が上記上限を超えると、後述する調味液浸漬工程(STP2)及び煮染め工程(STP3)で縮緬雑魚Xの形が崩れるおそれがあり、製造されるチリメン加工食品Yの食感が柔らかくなりすぎるおそれがある。
前処理工程(STP1)は、縮緬雑魚Xを脱塩(塩抜き)し、かつ所定の水分量に膨潤させて軟質化する工程である。この前処理工程(STP1)は、図2に示すように、水浸漬工程(STP11)及び水切り工程(STP12)からなる細工程を有している。
水浸漬工程(STP11)は、縮緬雑魚Xを真水に所定時間浸漬し、縮緬雑魚Xを脱塩及び膨潤させる工程である。この縮緬雑魚Xを浸漬させる真水の量としては、縮緬雑魚Xの質量の約5倍程度が好ましい。また縮緬雑魚Xの浸漬時間としては、5分以上120分以下が好ましく、8分以上15分以下が特に好ましい。真水の量及び浸漬時間を上記範囲とすることで、縮緬雑魚Xの身くずれを抑制しつつ、後述する調味液による風味付けに好適な程度に脱塩及び軟質化が可能となる。
水切り工程(STP12)は、水浸漬工程(STP11)により脱塩及び膨潤した縮緬雑魚Xを水から取り出して水切りする工程である。この水切り工程(STP12)における水切り時間としては10分以上30分以下が好ましい。この程度の水切り時間とすることで、水浸漬工程(STP11)によって膨潤した縮緬雑魚Xの内部の水分量の低下を抑制しつつ、縮緬雑魚Xの表面の水を切ることができる。
上記前処理工程(STP1)を経た縮緬雑魚X(つまり膨潤した縮緬雑魚X)の質量としては、元の縮緬雑魚Xの質量の1.3倍以上1.7倍以下が好ましく、約1.5倍が特に好ましい。このように前処理工程(STP1)後の縮緬雑魚Xの質量を上記範囲に調整することで、後述する調味液浸漬工程(STP2)及び煮染め工程(STP3)において縮緬雑魚Xへの調味液の風味付けが良好になり、かつ得られるチリメン加工食品Yの食感(柔らかさ等)の低下や縮緬雑魚Xの身くずれを抑制することができる。
調味液浸漬工程(STP2)は、前処理工程(STP1)後の縮緬雑魚Xを調味液に浸漬する工程である。この調味液浸漬工程(STP2)で用いる調味液は、真水、酒、梅肉及び甘味料を含んでいる。このように調味液の風味付けのベースとして醤油替えて梅肉を用いることで、梅風味を有するチリメン加工食品Yを製造することができる。また酒により縮緬雑魚Xの臭みを消し、甘味料による甘味の隠し味的付加により梅風味を程良くする効果がある。
上記甘味料は天然甘味料と合成甘味料に大別される。天然甘味料としては、例えばみりん、水あめ、還元水あめ、蔗糖(上白糖、氷砂糖、ざらめ、グラニュー糖など)、蜂蜜、麦芽糖、ソルビトール、ブドウ糖、オリゴ糖などが挙げられる。合成甘味料としては、例えばアスパラチルフェニルアラニンメチルエステルなどが挙げられる。
上記調味液における各配合要素の含有量を以下に説明する。真水の含有量としては、縮緬雑魚Xの質量の3倍以上7.5倍以下が好ましく、4.5倍が特に好ましい。酒の含有量としては、縮緬雑魚Xの質量の0.3倍以上3倍以下が好ましく、0.75倍が特に好ましい。梅肉の含有量としては、縮緬雑魚Xの質量の0.15倍以上0.9倍以下が好ましく、0.3倍以上0.6倍以下が特に好ましい。甘味料の含有量としては、縮緬雑魚Xの質量の0.015倍以上1.5倍以下が好ましい。梅肉等の含有量を上記範囲に調整した調味液を用いることで、得られるチリメン加工食品Yの梅風味の強さや甘味等とのバランスを一般的に美味しいと感じる程度に制御することができる。
調味液浸漬工程(STP2)において、縮緬雑魚Xの調味液への浸漬時間としては、30分以上15時間以下が好ましく、1時間以上2時間以下が特に好ましい。縮緬雑魚Xの調味液への浸漬時間を上記範囲とすることで、縮緬雑魚Xを調味液に馴染ませ、調味液をある程度縮緬雑魚Xに浸透させ、加えて梅肉に含まれるクエン酸、リンゴ酸等の酸成分によって縮緬雑魚Xの表層のタンパク質が変性され、その結果縮緬雑魚Xの中身の柔らかさを維持しつつ縮緬雑魚Xの表面の硬度及び弾性が若干高められる。
煮染め工程(STP3)は、調味液浸漬工程(STP2)後に縮緬雑魚Xを調味液に浸漬した状態で加熱して煮染める工程である。この煮染め工程(STP3)は、図3に示すように、強火ボイル工程(STP31)、弱火ボイル工程(STP32)及び添加工程(STP33)からなる細工程を有している。
強火ボイル工程(STP31)は、初期に短時間強火で加熱する工程である。この強火ボイル工程(STP31)における加熱温度及び加熱時間としては、約98℃及び約1分間が好ましい。
弱火ボイル工程(STP32)は、強火ボイル工程(STP31)後に弱火で加熱する工程である。この弱火ボイル工程(STP32)は、調味液が完全に無くなるか、又はその少し手前の状態になるまで行う。弱火ボイル工程(STP32)における加熱温度としては、60℃以上90℃以下が好ましく、80℃程度が特に好ましい。
煮染め工程(STP3)を初期の比較的短時間の強火ボイル工程(STP31)とその後の弱火ボイル工程(STP32)との2段階に分けることで、梅肉の風味を損なうことなく、効果的に縮緬雑魚Xに梅風味を浸透させることができる。
添加工程(STP33)は、弱火ボイル工程(STP32)において他の食品を添加する工程である。この添加工程(STP33)において、添加する他の食品としては、特に限定されるものではなく、梅風味のチリメン加工食品Yに味覚的に合うものが用いられ、例えば紫蘇の葉、山椒の実、梅の果肉、又はこれらを原料とする漬物、佃煮等の加工食品が好適に用いられる。この他の食品としては、特に紫蘇(赤紫蘇の葉)の漬物、青山椒の実又は硬質梅干の果肉が好ましい。このように紫蘇の葉を添加することで、得られるチリメン加工食品Yに紫蘇風味を付加することができる。また山椒の実を添加することで、得られるチリメン加工食品Yに山椒の風味が付加され、梅風味の所謂チリメン山椒を製造することができる。また梅の果肉を添加することで、得られるチリメン加工食品Yの梅風味及び梅食感を増強することができる。かかる他の食品は、縮緬雑魚Xに混合するよう適当な大きさに裁断、粉砕等するとよい。なお、「硬質梅干」とは、果肉が比較的硬質を維持するよう漬けられた梅干を意味し、所謂「カリカリ梅」と称されるものを意味する。
添加工程(STP33)における他の食品の添加量としては、縮緬雑魚Xの0.5質量%以上3質量%以下が好ましく、1質量%が特に好ましい。他の食品の添加量を上記範囲とすることで、チリメン加工食品Yが有する梅風味及び縮緬雑魚風味を損なうことなく他の風味を付加し、旨味、外観及び食感等の品質を向上することができる。
添加工程(STP33)における他の食品の添加タイミングとしては、弱火ボイル工程(STP32)の開始から4分後以上14分後以下が好ましい。添加工程(STP33)の添加タイミングを上記範囲とすることで、添加される他の食品の風味の低下を抑制し、同時に添加される他の食品との渾然一体化を促進することができる。
後処理工程(STP4)は、煮染め工程(STP3)後に常温付近まで冷ます工程と、その後に製品化する工程とを有している。この製品化工程としては、特に限定されるものではなく、得られるチリメン加工食品Yの使用用途、流通過程等を考慮して適宜決定される。具体的な製品化工程としては、例えば計量、袋詰、密封、殺菌、乾燥、検査、凍結、包装などが挙げられる。
以上説明したように、当該チリメン加工食品の製造方法によれば、前処理工程(STP1)によって縮緬雑魚Xを所定の塩分濃度に塩抜きし、かつ所定の水分量に膨潤させて軟質化し、次いで調味液浸漬工程(STP2)によって調味液に浸漬して馴染ませ、煮染め工程(STP3)によって縮緬雑魚Xに梅肉を含む調味液を浸透させ、後処理工程(STP4)によって冷却等を行い、チリメン加工食品Yを製造することができる。
当該チリメン加工食品Yは、爽やかな梅風味を有し、調味液に含まれる梅肉からピンク系に着色され、添加される他の食品の風味をも加えられており、その結果従来の醤油風味のチリメン加工食品と比較して斬新で非常に美味しくかつ見た目もよいものとなる。また当該チリメン加工食品Yは、調味液に含まれる梅肉がクエン酸、リンゴ酸等の酸成分を含有していることから、調味液浸漬工程(STP2)において縮緬雑魚Xの表層のタンパク質が上記酸成分によって変性され、縮緬雑魚Xの中身の柔らかさを維持しつつ縮緬雑魚Xの表面の硬度及び弾性が若干高められ、その結果、縮緬雑魚Xの身くずれを防止しかつ腰、歯応え等の縮緬雑魚Xの食感を向上することができる。
なお、本発明のチリメン加工食品及びその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、調味液は、真水、酒、梅肉及び甘味料以外に、醤油、みりん、食塩、出汁などが含まれてもよい。前処理工程(STP1)は、縮緬雑魚を脱塩及び膨潤させることができる工程であればよく、上記水浸漬工程(STP11)及び水切り工程(STP12)に限定されるものではない。煮染め工程(STP3)は、縮緬雑魚Xを調味液で煮染めることができる工程であればよく、上記強火ボイル工程(STP31)及び弱火ボイル工程(STP32)に限定されるものではない。
また、調味液に赤色系着色料を配合してもよい。このように赤色系着色料を配合した調味液で縮緬雑魚Xを煮染めることで、チリメン加工食品Yを美しいピンク系に着色することができる。赤色系着色料には天然着色料と合成着色料とがある。天然着色料としては、例えばウコン色素、クチナシ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、カラメル色素、アナトー色素、コウリャン色素、コチニール色素、スピルリナ色素、ビートレッド、ラック色素等が挙げられる。合成着色料としては、例えばアマランス、エリスロシン、アルラレッド、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド等が挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例]
縮緬雑魚として、水分含有量が約35質量%の所謂上干チリメン(カタクチイワシの稚魚を塩水でボイルし、天日乾燥し、所定の大きさに選別したもの)を用意した。前処理工程用の真水として、縮緬雑魚の質量の5倍の常温の真水を容易した。調味液として、縮緬雑魚の質量に対し、4.5倍の真水と0.75倍の酒と0.5倍の梅肉と0.1倍のみりんとを混合した水溶液を用意した。他の食品として、縮緬雑魚の1質量%の青山椒の実を用意した。
この縮緬雑魚を、前処理工程用の真水に12分間浸漬し、20分間水切りすることで、脱塩及び膨潤(1.5倍の質量に増量)させた。この脱塩及び膨潤した縮緬雑魚を調味液に1.5時間浸漬する。その後、縮緬雑魚を調味液に浸漬した状態のまま火にかけ、まず強火で加熱することで98℃で1分間ボイルし、次いで弱火で加熱することで80℃程度に調味液の水温を調節する。弱火にしてから10分後に他の食品(青山椒の実)を投入する。調味液が無くなると加熱を止め、縮緬雑魚が常温付近になるまで自然冷却する。このようにすることで、梅風味を有する実施例のチリメン加工食品を得た。
[比較例]
市販されている所謂チリメン山椒(縮緬雑魚及び山椒を醤油、ミリン等で煮付けた一般的な醤油風味の佃煮)を用意し、比較例のチリメン加工食品とした。
[特性の評価]
上記実施例のチリメン加工食品と比較例のチリメン加工食品とを50人のパネラーに試食してもらい、
(1)どちらが美味しいと感じるか
(2)どちらの方が食感がよいか
(3)今後も食べたいと思うか
を問うアンケート調査を行った。
その結果、90%のパネラーが醤油風味を有する比較例のチリメン加工食品よりも梅風味を有する実施例のチリメン加工食品の方が美味しいと答え、94%のパネラーが比較例のチリメン加工食品よりも実施例のチリメン加工食品の方が食感がよいと答え、90%のパネラーが実施例のチリメン加工食品を今後も食べたいと答えた。
以上のように、本発明のチリメン加工食品は、ご飯等の主食の食欲を増進するための副食として有用であり、特に高カルシウム及び低カロリーの健康食品として好適に使用される。
本発明の一実施形態に係るチリメン加工食品の製造方法を示すフロー図 図1のチリメン加工食品の製造方法における前処理工程の細工程を示すフロー図 図1のチリメン加工食品の製造方法における煮染め工程の細工程を示すフロー図
符号の説明
X 縮緬雑魚
Y チリメン加工食品
STP1 前処理工程
STP11 水浸漬工程
STP12 水切り工程
STP2 調味液浸漬工程
STP3 煮染め工程
STP31 強火ボイル工程
STP32 弱火ボイル工程
STP33 添加工程
STP4 後処理工程

Claims (8)

  1. 縮緬雑魚を調味液で煮染めたチリメン加工食品であって、
    この調味液が梅肉を含み、
    梅風味を有していることを特徴とするチリメン加工食品。
  2. 上記縮緬雑魚がピンク系に着色されている請求項1に記載のチリメン加工食品。
  3. 紫蘇の葉、山椒の実又は梅の果肉が混合されている請求項1又は請求項2に記載のチリメン加工食品。
  4. 縮緬雑魚を脱塩及び膨潤させる前処理工程と、
    前処理後の縮緬雑魚を調味液に浸漬する調味液浸漬工程と、
    縮緬雑魚を調味液に浸漬した状態で加熱する煮染め工程とを有しており、
    この調味液が真水、酒、梅肉及び甘味料を含んでいるチリメン加工食品の製造方法。
  5. 上記調味液における梅肉の含有量が、縮緬雑魚の質量の0.15倍以上0.9倍以下である請求項4に記載のチリメン加工食品の製造方法。
  6. 上記煮染め工程が、
    初期に短時間強火で加熱する強火ボイル工程と、
    その後に弱火で加熱する弱火ボイル工程と
    を有している請求項4及び請求項5に記載のチリメン加工食品の製造方法。
  7. 上記弱火ボイル工程において、他の食品を添加する添加工程を有している請求項4、請求項5又は請求項6に記載のチリメン加工食品の製造方法。
  8. 上記他の食品として、紫蘇の葉、山椒の実又は梅の果肉を用いている請求項7に記載のチリメン加工食品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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