JPH082412B2 - 多層複合分離膜 - Google Patents

多層複合分離膜

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JPH082412B2
JPH082412B2 JP14551890A JP14551890A JPH082412B2 JP H082412 B2 JPH082412 B2 JP H082412B2 JP 14551890 A JP14551890 A JP 14551890A JP 14551890 A JP14551890 A JP 14551890A JP H082412 B2 JPH082412 B2 JP H082412B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ガス分離、溶剤分離、脱気等に用いられる
高性能な多層複合分離膜に関する。
[従来の技術] 物質を分離精製する技術は、古くから数多くの方法が
開発され改良が重ねられてきた。膜分離技術もその一つ
であるが、その改良の経過を見ると優れた膜素材の開発
と分離効率を高めるための薄膜化技術の開発が大きな技
術開発の流れであった。
薄膜化技術の一つとして、多孔質の基材の上にコート
法や蒸着法によって薄膜を形成させる方法が盛んに行わ
れているが、多孔質基材上にコートするために、基材の
細孔に薄膜材料が侵入して実質的な薄膜が得られにくか
った。また、この欠点を解消するものとして、多孔質基
材の細孔を予め溶解性物質で埋めておいて表面に薄膜層
を形成した後に、多孔質基材内の溶解性物質を溶出する
方法がある。しかし、この方法においても、均質な薄膜
層が得られ難く、また溶出過程で薄膜層が傷つきやすか
ったり、得られた複合膜から薄膜層が剥れやすく、適用
できる膜形態にも制限があるという問題点があった。
分離膜を薄膜化して工業的に製造できる膜構造とした
ものとして特開昭62−1404号公報に開示された多層複合
膜中空糸膜などが知られている。これらの複合膜の膜構
造は、第4図、第5図に示すように、補強機能を受け持
つ多孔質層1と、分離機能を受け持つ分離層2が交互に
積層された構造になっている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの複合膜の膜構造は、第4図、
第5図から明らかなように、分離機能を受け持つ分離層
1が、中空糸タイプの複合膜では同心円状に、また、平
膜タイプの複合膜では平面状に補強機能を受け持つ多孔
質層2中に収納されていた。
多層複合分離膜としての性能指標の一つに透過速度が
あるが、膜素材が同じであれば透過速度を高くするため
には分離層をより薄膜化するとともに分離層の膜面積を
増大させることが重要である。更に、補強機能を受け持
つ多孔質層の孔径、空孔率、膜厚を透過の抵抗にならな
いように設定することも重要である。
分離層を薄膜化していくと膜欠陥の発生率が大きくな
るため薄膜化には限界がある。従って、分離層の有効面
積を大きくすることは非常に有効な手段である。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、分離機能を受け持つ分離層Aと
補強機能を受け持つ多孔質層Bとが交互に積層され、そ
の両面が多孔質層Bからなる多層複合分離膜において、
該分離層Aがその断面が波形を有する形態の層として多
孔質層B中に収納されていることを特徴とする多層複合
分離膜である。
[作 用] 本発明は、多層複合分離膜の外観形態を従来と同様に
保ちながら、分離層をその断面が波形を有する形態の層
とすることによりその有効膜面積を増大させ、透過速度
を従来の多層複合分離膜のそれよりも高くした多層複合
分離膜を提供するものである。
以下、図面を参照しつつ本発明の多層複合分離膜(以
下、「複合膜」と略称する)について説明する。
第1図は中空糸状の複合膜の断面図の例であり、第2
図はフィルム状の複合膜の断面図の例を示したものであ
る。このように本発明の複合膜の膜形態は中空糸状膜で
も平膜でもよい。内表面と外表面あるいは両外表面に補
強機能を有する多孔質層Bが配され、これら多孔質層B
の間に分離機能を有する分離層Aがその断面が波形を有
する形態の層として形成されて積層された膜構造を有し
ている。
すなわち、本発明の複合膜は、少なくとも三層構造か
らなっている。基本的には分離層Aは一層で充分である
が、目的に応じて二層以上の多層構造としてもよい。分
離膜においては分離機能を行う層が最も重要であり、こ
の分離層が最外層にあると取り扱い時等に表面に傷が生
ずるおそれがあるが、本発明の複合膜では多孔質層中に
収納された形で分離層が配されているためにこのような
危険性が無い。
複合膜としての膜性能(分離性能)は、多孔質層の空
孔率、孔径、厚みが同じであれば、多孔質層中に収納さ
れた分離層Aの膜厚と膜面積によって決定される。した
がって、分離層Aを薄膜化し、収納される膜面積を大き
くすることにより膜性能は高くなる。膜厚を薄くする方
法は、製造方法あるいは素材等により限界がある。ま
た、薄膜化すればするほど膜欠陥発生の危険性が増加す
る。したがって薄膜化が限界に近くなった場合、あるい
は膜欠陥発生の危険性を少なくし、複合膜としての膜性
能を高度なものとするには、多孔質層中に収納されてい
る分離層の膜面積を増加させることが有効である。
本発明の複合膜においては、分離層の膜面積を増加さ
せるために、従来はその横断面で観察した場合にほぼ直
線状を呈する平膜(第5図)あるいは平滑な円や楕円状
を呈する円筒状膜(第4図)の形態であった分離層を、
その断面が波形を有する形態の層として形成している。
ここで、波形を有する形態とは、正弦波が代表的なもの
であるが、例えば第2図に示したパルス状波、第3図に
示した三角状波のような形態のものであってもよい。ま
た複合膜が中空糸状膜の場合には、分離層の断面がこれ
らの波形を有しつつ全体としては閉じた円または楕円状
の層を形成するものをいう。
なお、本発明にいう波形を有する形態とは、同寸法の
複合膜の分離層が単なる平膜あるいは単なる平滑な円筒
膜である場合に比べて、少なくとも20%以上膜面積が増
大するように上記の波形形態を有していることをいう。
また、その断面が波形を有する形態とは、必ずしも複合
膜の任意の切断面において波形が表われる必要はなく、
特定の切断面において波形が表われればよい。通常は、
本発明の複合膜を製造する際の延伸方向に対して垂直な
切断面において波形が表われる。さらに、分離層Aが多
孔質層B中に収納されているとは、多孔質層Bの分離層
との境界面も分離層とほぼ同形の波形を有する表面形態
で、かつ両層がほぼ密着する状態で形成されており、多
孔質層と分離層との間に特別な空隙部が存在しない状態
をいうものとする。
分離層Aは分離機能を有する部分であり、透過速度を
高い値に維持するにはできるだけ薄いことが好ましい。
したがって、この分離層の厚みが2.0μmを超えると複
合膜による薄膜化の意味が薄れる。一方、分離層の厚み
の下限値は特に限定されないが、およそ0.005μm以上
であることが好ましく、0.01μm以上であることがより
好ましい。
分離層Aが多孔質層B中に収納される位置範囲として
は、分離層Aを取り扱い時等の外傷から保護するために
も、多孔質層Bの外表面より1μm、より好ましくは2
μm以上内側の部分に収納することが好ましい。
補強機能を有する多孔質層Bは、補強、保護を受け持
つ以外に分離層Aを薄膜化させる際に膜欠陥の発生防止
に効果を発揮する層である。複合膜において分離層Aを
薄くする場合、分離層Aが薄膜になればなるほど多孔質
層Bの孔径を小さく設定しなければ分離層Aに欠陥が発
生しやすくなる。したがって、分離層Aの分離機能を膜
欠陥の発生がない状態で充分発現でき、更に分離層Aの
分離機能発現のための抵抗にならないような多孔質層B
の好ましい多孔質構造は、孔径が0.005〜0.5μm、好ま
しくは0.01〜0.3μm、空孔率が20〜90%、好ましくは3
0〜70%、複合膜全体の膜厚が10〜1000μm、好ましく
は20〜500μmである。孔径が0.005μm未満では分離対
象物質の透過の抵抗が増大し、0.5μmを超えると分離
層の膜欠陥発生の原因となりやすい。空孔率が20%未満
では多孔質層の細孔の開口部に臨む分離層の割合が少な
すぎて分離層の有効利用率が著しく減少し、90%を超え
ると複合膜の補強保持が難しくなる。複合膜の膜厚が10
μm未満では強度的に不十分となりやすい。多孔質層中
に波状に収納された分離層の膜面積を増加させるには、
複合膜の膜厚が大きい方が有利であるが、1000μmを超
えると分離対象物質の多孔層での抵抗が過大となりやす
い。なお、ここでいう細孔の孔径とは、水銀ポロシメー
ターで測定し、細孔径と細孔容量の関係から細孔容量が
1/2となる孔径をいう。
本発明の複合膜において分離層Aに用いられる重合体
A′としては、シリコーンゴム、シリコーンとポリカー
ボネートの共重合体等シリコーン系重合体;ポリ4−メ
チルペンテン−1、線状低密度ポリエチレン等のポリオ
レフィン系重合体;パーフロロアルキル系フッ素含有重
合体;ポリウレタン系重合体;エチルセルロース等のセ
ルロース系重合体;ポリフェニレンオキシド、ポリ4−
ビニルピリジン;およびこれら重合体を構成するモノマ
ーの共重合体;およびこれらの混合物があげられる。
多孔質層Bに用いられる重合体B′としては、延伸操
作によって多孔化が可能な素材であればどの重合体を使
用してもよいが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン;およびポ
リフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン等ハロゲン
含有ポリオレフィン等の結晶性ポリマーが好ましい。
本発明の複合膜は、例えば次のようにして製造され
る。
重合体B′及び重合体A′を交互に積層し、かつ重合
体A′層の断面が波形を有する形態を呈するようにして
積層した複合膜の先駆体を、溶融賦形温度150℃〜300℃
の範囲、ドラフト比5〜9000の範囲で形成する。
溶融形成された複合膜先駆体は、必要に応じてアニー
ル処理した後、延伸処理により重合体B′の層を多孔化
する。延伸多孔化の方法としては、ポリオレフィンで行
われている公知の方法が採用できる。すなわち、常温付
近での少量の延伸によって重合体B′層にミクロクラッ
クを発生させて白化させ、続いて加熱延伸によって孔の
拡大と孔形状の安定化を図ることができる。この間、重
合体A′は多孔化されないので延伸倍率の増加に伴い薄
膜化される。
延伸条件も特に限定されず、重合体の種類に応じて最
適条件を設定しうるが、例えば重合体B′にポリエチレ
ンを用いる場合には、冷延伸条件としては常温下で40〜
200%、熱延伸条件としては80〜125℃、好ましくは90〜
105℃で全延伸倍率が100〜300%程度とする条件が採用
される。更に、熱安定性を改良するために、80〜125
℃、好ましくは105〜120℃で定長若しくは緩和熱処理し
てもよい。
[実施例] 以下、実施例により説明する。
実施例1 外層の外表面と内層の内表面とが同心円を形成し、こ
の外層と内層の間に中間層(分離層)が波形を有する閉
じた円型層を形成するように配置された3つの吐出口を
有する中空糸製造用ノズルに対し、外層と内層に供給す
るポリマー素材として密度0.968g/cc、メルトインデッ
クス値が5.5の高密度ポリエチレン(三井石油化学
(株)製、ハイゼックス2200J)を、中間層に供給する
ポリマー素材としてセグメント化ポリウレタン(サーメ
デックス社製、テコフレックスEG−80A)を用い、吐出
温度165℃、巻取り速度205m/minで溶融紡糸した。得ら
れた中空未延伸糸は、第1図のような膜形態を有し、中
間層が波形を有する閉じ円型層としてポリエチレン層内
に収納された三層構造であり、内径230μm、膜厚35μ
m、最内表面側及び最外表面側に位置する中間層の内、
外表面からの距離はそれぞれ5μmであり、中間層の膜
層は1.0μmであった。この中間未延伸糸を115℃で1時
間アニール処理をした。次いでアニール処理糸を常温下
で140%冷延伸を行い、引き続き105℃に加熱された加熱
炉中で総延伸倍率が170%になるまで熱延伸を行い、更
に120℃の加熱された加熱炉中で総延伸倍率が100℃にな
るように緩和熱セットを行った。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価
した結果、空孔率は40.2%、平均孔径0.155μm、内径2
00μm、膜厚30μm、中間層の膜厚0.7μm、最内表面
側および最外表面側に位置する中間層の内、外表面から
のそれぞれの距離は3.0μmであった。また、得られた
複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温で
酸素透過速度(QO2)は1.47×10-5cm3/cm2・sec・cmH
g、窒素透過速度(QN2)は5.37×10-6cm3/cm2・sec・cm
Hgであり、分離係数(QO2/QN2)は2.7であった。空孔率
と平均孔径は水銀ポロシメーターで測定し、細孔径と細
孔容量の関係から細孔容量が1/2のときの細孔径を平均
孔径とした。また、中間層の膜厚は電子顕微鏡観察で測
定した。
比較例1 同心円状に配置された3つの吐出口を有する中空糸製
造用ノズルで実施例1と同様のポリマーを用いて、同様
の紡糸条件で紡糸した。得られた中空未延伸糸は内径23
0μmであり、最内層から各々17.5μm、1.0μmおよび
16.5μmの厚さを有する同心円状に配された第4図の記
載のような三層からなっている。この中空未延伸糸を実
施例1と同様のアニール、冷延伸、熱延伸、緩和熱セッ
トを行い膜性能を評価した。得られた複合中空糸膜を評
価した結果、空孔率40.2%、平均孔径0.155μm、内径2
00μmであり、最内層から各々15.0μm、0.7μmおよ
び14.3μmの厚さを有する同心円状に配された三層から
なっていた。又、得られた複合中空糸膜の空気透過性能
を測定したところ、室温下で酸素透過速度(QO2)は8.6
5×10-6cm3/cm2・sec・cmHg、窒素透過速度(QN2)は3.
20×10-6cm3/cm2・sec・cmHgであり、分離係数(QO2/QN
2)は2.7であった。
実施例2 外層の外表面と内層の内表面とが同心円を形成し、こ
の外層と内層の間に中間層(分離層)が波形を有する閉
じた円型層を形成するように配置された3つの吐出口を
有する中空糸製造用ノズルに対し、外層と内層に供給す
るポリマー素材としてポリ4−メチルペンテン−1(三
井石油化学(株)製、TPX MX007)を、中間層に供給す
るポリマー素材としてシリコンとポリカーボネートの共
重合体(G.E.社製Copel L.R.3320)を用い、吐出温度2
70℃、巻取り速度120m/minで溶融紡糸した。得られた中
空未延伸糸は、第1図のような膜形態を有し、中間層が
波形を有する閉じた円型層としてポリ4−メチルペンテ
ン−1層内に収納された三層構造であり、内径250μm,
膜厚40μm,最内表面側及び最外表面側に位置する中間層
の内、外表面からの距離はそれぞれ6μmであり、中間
層の膜厚は0.7μmであった。この中空未延伸糸を160℃
で1時間アニール処理をした。次いでアニール処理糸を
常温下で40%冷延伸を行い、引き続き140℃に加熱され
た加熱炉中で総延伸倍率が200%になるまで熱延伸を行
い、更に160℃の加熱された加熱炉中で総延伸倍率が150
%になるように緩和熱セットを行った。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価
した結果、空孔率は42.0%、平均孔径0.18μm、内径21
0μm、膜厚35μm、中間層の膜厚0.5μm、最内表面側
および最外表面側に位置する中間層の内、外表面からの
それぞれの距離は4.0μmであった。また、得られた複
合中間糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温で酸
素透過速度(QO2)は1.77×10-4cm3/cm2・sec・cmHg,窒
素透過速度(QN2)は7.38×10-5cm3/cm2・sec・cmHgで
あり、分離係数(QO2/QN2)は2.4であった。
比較例2 同心円状に配置された3つの吐出口を有する中空糸製
造用ノズルで実施例2と同様のポリマーを用いて、同様
の紡糸条件で紡糸した。得られた中空未延伸糸は内径25
0μmであり、最内層から各々20.0μm、0.7μmおよび
19.3μmの厚さを有する同心円状に配された第4図のよ
うな三層からなっている。この中空未延伸糸を実施例2
と同様のアニール、冷延伸、熱延伸、緩和熱セットを行
った。得られた複合中空糸膜を評価した結果、空孔率4
2.0%、平均孔径0.18μm、内径210μmであり、最内層
から各々17.5μm、0.5μmおよび17.0μmの厚さを有
する同心円状に配された三層からなっていた。又、得ら
れた複合中空糸膜の空気透過性能を測定したところ、室
温下で酸素透過速度(QO2)は1.04×10-4cm3/cm2・sec
・cmHg、窒素透過速度(QN2)は4.33×10-5cm3/cm2・se
c・cmHgであり、分裂係数(QO2/QN2)は2.4であった。
実施例3 外層の外表面と内層の内表面とが同心円を形成し、こ
の外層と内層の間に中間層(分離層)が波形を有する閉
じた円型層を形成するように配置された3つの吐出口を
有する中空糸製造用ノズルに対し、外層と内層に供給す
るポリマー素材としてポリ4−メチルペンテン−1(三
井石油化学(株)製、TPX RT31)を、中間層に供給す
るポリマー素材としてポリ4−メチルペンテン−1(三
井石油化学(株)製、TPX MX002)を用い、吐出口温度
270℃、巻取り速度120m/minで溶融紡糸した。得られた
中空未延伸糸は、第1図のような膜形態を有し、中間層
が波形を有する閉じた円型層としてポリ4−メチルペン
テン−1層内に収納された三層構造であり、内径250μ
m、膜厚40μm、最内表面側及び最外表面側に位置する
中間層の内、外表面からの距離はそれぞれ6μmであ
り、中間層の膜厚は0.7μmであった。この中空未延伸
糸を160℃で1時間アニール処理をした。次いでアニー
ル処理糸を常温下で40%冷延伸を行い、引き続き140℃
に加熱された加熱炉中で総延伸倍率が200%になるまで
熱延伸を行い、更に160℃の加熱された加熱炉中で総延
伸倍率が150%になるように緩和熱セットを行った。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価
した結果、空孔率は42.0%、平均孔径0.18μm、内径21
0μm、膜厚35μm、中間層の膜厚0.5μm、最内表面側
および最外表面側に位置する中間層の内、外表面からの
それぞれの距離は4.0μmであった。また、得られた複
合中間糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温で酸
素透過速度(QO2)は7.23×10-5cm3/cm2・sec・cmHg、
窒素透過速度(QN2)は1.81×10-5cm3/cm2・sec・cmHg
であり、分離係数(QO2/QN2)は4.0であった。
比較例3 同心円状に配置された3つの吐出口を有する中空糸製
造用ノズルで実施例3と同様のポリマーを用いて、同様
の紡糸条件で紡糸した。得られた中空未延伸糸は内径25
0μmであり、最内層から各々20.0μm、0.7μmおよび
19.3μmの厚さを有する同心円状に配された第4図のよ
うな三層からなっている。この中空未延伸糸を実施例3
と同様のアニール、冷延伸、熱延伸、緩和熱セットを行
った。得られた複合中空糸膜を評価した結果、空孔率4
2.0%、平均孔径0.18μm、内径210μmであり、最内層
から各々17.5μm、0.5μmおよび17.0μmの厚さを有
する同心円状に配された三層からなっていた。又、得ら
れた複合中空糸膜の空気透過性能を測定したところ、室
温下で酸素透過速度(QO2)は4.25×10-5cm3/cm2・sec
・cmHg、窒素透過速度(QN2)は1.06×10-5cm3/cm2・se
c・cmHgであり、分離係数(QO2/QN2)は4.0であった。
[発明の効果] 実施例からも明らかなように、本発明の多層複合分離
膜においては、多孔質層中に分離層が波形を有する形態
の層として収納されているので、多孔質層の細孔構造と
分離層の膜厚が従来の多層複合分離膜と同一であっても
ガス透過性能が1.7倍程度大きくなっており、分離層の
膜面積が増加したことによる膜性能の向上が図られた。
また、本発明の複合膜を用いることで、従来の複合膜
を用いた各種の膜モジュールをさらに小型化することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、分離層が多孔質層中に波状に収納された本発
明の多層複合分離中空糸膜の模式断面図であり、第2図
および第3図は、分離層が多孔質層中にパルス状波また
は三角状の形で収納された本発明の多層複合分離平膜の
模式断面図である。第4図および第5図は、従来の多層
複合分離膜の模式断面図である。 1……多孔質層、2……分離層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−62305(JP,A) 特開 昭59−66308(JP,A) 特開 昭62−1404(JP,A) 特開 平3−143531(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分離機能を受け持つ分離層Aと補強機能を
    受け持つ多孔質層Bとが交互に積層され、その両表面が
    多孔質層Bからなる多層複合分離膜において、該分離層
    Aがその断面が波形を有する形態の層として多孔質層B
    中に収納されていることを特徴とする多層複合分離膜。
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