JPH08241084A - 吸音構造体 - Google Patents

吸音構造体

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Publication number
JPH08241084A
JPH08241084A JP7043875A JP4387595A JPH08241084A JP H08241084 A JPH08241084 A JP H08241084A JP 7043875 A JP7043875 A JP 7043875A JP 4387595 A JP4387595 A JP 4387595A JP H08241084 A JPH08241084 A JP H08241084A
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JP
Japan
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sound absorbing
absorbing structure
fiber
air
sound
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Application number
JP7043875A
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English (en)
Inventor
Kyoichi Watanabe
恭一 渡辺
Koichi Nemoto
好一 根本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸音させることが困難である500Hz以下
の低周波数領域において、効果的な吸音性能を有するダ
クト用吸音構造体を提供すること。 【構成】 少なくとも2以上の略平行に位置する多孔質
吸音材の組み合わせからなる吸音構造体であって、前記
多孔質吸音材の面密度が10〜1000g/m2の範囲
にある繊維集合体から構成され、かつ該繊維集合体を構
成する繊維の直径が0.1〜60μmの範囲にあること
を特徴とする吸音構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸音構造体に関し、特に
吸音させることが困難である500Hz以下の低周波数
領域において、効果的な吸音性能を有するダクト用吸音
構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、吸音材は騒音を低減させるため
に、家屋、鉄道車両、航空機及び車両等の様々な部位に
使用されており、非常に高いニーズがある。吸音材はこ
れらの使用部位で、スペース等の制限を受けるため、使
用に際して最も適したタイプを選出することが重要であ
る。特に車両に用いる吸音材は重量やスペース等に多大
な制約条件が加味されることとなるので、より軽く、し
かもスペースをとらない吸音材であることが必要であ
る。
【0003】従来の吸音材は、フェルト等の天然繊維で
構成される不織布を吸音の必要な部位に設置し、十分な
吸音性能を確保するためにその使用量を増加させてい
た。しかしながら、この手法による吸音材は、その吸音
性能が吸音材の使用量に依存するため、その増加には常
にコスト増や重量増が伴っていた。更に、500Hz以
下の低周波領域の吸音は、従来の吸音材では効果的に行
うことができなかった。
【0004】一方、エンジンルーム内では吸気系の騒音
に関する問題が大きくなっている。この騒音を低減させ
るために、気化器とエアクリーナとを連結する吸気管に
多数の小孔を設け、更に小孔部の外側に吸音材を装着す
るタイプ(特開昭53−148617号公報、実開昭5
5−167562号公報)と、内然機関側とエアクリー
ナエレメント側とを仕切る仕切り壁を配置し、この仕切
り壁に絞り孔を設けたタイプ(特開昭64−53055
号公報)とが提案されている。
【0005】また、特定周波数の吸音を意図したレゾネ
ータ(共鳴型消音機)を用いたものに、エレメント室の
中心部に配設したレゾネータ内蔵型エアクリーナ(特開
昭62−110722号公報)と、内燃機関の吸気管圧
力変化に応じて共鳴室容積を変化させる共鳴周波数可変
型レゾネータ(特開昭55−60444号公報)と、エ
ンジンの回転数の変化によって生ずる吸気圧変化に応じ
てレゾネータの容積を制御するタイプ(特開平2−19
644号公報)とが提案されている。
【0006】更に、エアクリーナケースや各ダクトに減
衰を目的としたバイパスチューブを用いたタイプ(特開
平5−18329号公報)と、特殊な共鳴ダクトをエア
クリーナケースに連通接続して特定周波数領域の共鳴を
減衰させるタイプ(特開平5−18330号公報)とが
提案されている。
【0007】また、特定周波数を音響的に遮断する構造
としては、開口端近傍に吸音材を設置するタイプが提案
されている(特開昭53−14867号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載された従来の吸音材を用いたタイプでは、特定
周波数を選択的に低減させることが困難であった。ま
た、サイドブランチやレゾネータ等の吸音構造体を用い
るタイプでは、特定周波数のみを低減させるには有効で
あるが、幅広い周波数領域において吸音を行なうことは
困難であった。更に、車両用吸音材のように限られたス
ペース内に用いる場合には、大きな背後空気層や大容量
のレゾネータ等を使用することは困難であるため、低周
波領域の吸音は困難であった。
【0009】一方、車両の吸気系の騒音は、エンジンの
種類に応じて違いはあるものの基本的には500Hz以
下の低周波数領域の騒音が問題となっている。
【0010】従って本発明の目的は、特に500Hz以
下の低周波数領域において吸音性能を任意に設定するこ
とができ、また高周波数側でも十分な吸音性能を有し、
更にスペースを取らないコンパクトな吸音構造体を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
少なくとも2以上の略平行に位置する多孔質吸音材の組
み合わせからなる吸音構造体であって、前記多孔質吸音
材の面密度が10〜1000g/m2 の範囲にある繊維
集合体から構成され、かつ該繊維集合体を構成する繊維
の直径が0.1〜60μmの範囲にあることを特徴とす
る吸音構造体により達成された。
【0012】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0013】本発明は、吸音構造体を気流に垂直で、で
きるだけ粒子速度の大きな(粒子速度最大)位置に用い
る吸音構造体であり、特に吸音性能と共に気流に逆らわ
ないための穴部を有する吸音構造体であることが好まし
い。
【0014】ダクト内部に流れる空気によって引き起こ
される騒音は、主として500Hz以下の低周波数領域
の音である。この騒音を低減させるためには、少なくと
も2以上の略平行な多孔質吸音材が必要となる。
【0015】本発明は、略平行の多孔質吸音材を少なく
とも2以上配置することによって、音響遮断壁を形成さ
せることにより一定周波数以上の騒音を排除しつつ、多
孔質吸音材本来の吸音性能を有し、更に空気の通気量を
十分に確保することができる構成となっている。
【0016】多孔質吸音材を構成する繊維集合体の面密
度は10〜1000g/m2 の範囲であることが必要で
ある。面密度が10g/m2 未満になると、吸音材とし
ての性能が得られず、1000g/m2 を超えると空気
の通気量が大幅に減少し、ダクト内部に設置する吸音材
として相応しくない。
【0017】繊維集合体を構成する繊維の直径は0.1
〜60μmの範囲にあることが必要である。本発明の吸
音構造体は気流に対し垂直な方向に設置するため、繊維
径が0.1μm未満なると、繊維集合体としての剛性が
得られない。一方、吸音性能は繊維径に依存し、繊維径
が細いほど一般的に高くなるので、60μmを超える繊
維径では吸音性能が十分に得られず相応しくない。
【0018】繊維集合体は構成される繊維の太さや繊維
の量によって見かけの開口部を有し、その開口部によっ
て擬似の音響遮断壁を形成し、更に開口率によって周波
数が決定される。従って、図1,2に示すように繊維集
合体を加工することなく、少なくとも2以上の繊維集合
体を略平行に配列することにより本発明は構成される。
ここで、図1は本発明の吸音構造体を示す外観図であ
り、2つの略平行に位置する多孔質吸音材を構成する繊
維集合体1,2を組み合わせてなる吸音構造体を示す。
また、図2も同様に本発明の吸音構造体を示す外観図で
あり、2つの略平行に位置する穴部を有する多孔質吸音
材を構成する繊維集合体3,4を組み合わせてなる吸音
構造体を示す。
【0019】音響遮断壁構造は図3に示すようにモデル
化することができ、理論的には音の進入6を繊維集合体
1の開口部の空気のm(マス)1と、繊維集合体2の開
口部の空気のm2と、繊維集合体の間にできる空気層5
のばね定数kとによって数1により算出し、fo以上の
周波数の騒音を排除することができる。
【数1】
【0020】従って、低周波域から幅広く騒音を遮断す
るためにはfoを小さくする必要がある。上記数1に示
すように、foを小さくするためにはkを小さくする
か、mを大きくすればよい。
【0021】ここで、kは繊維集合体の間隔に反比例
し、間隔が大きいほど小さくなるが、スペースが必要に
なるため、ある程度以上にはできない。繊維集合体の間
隔は40mm以下が適しているが、特に限定しない。一
方、mを大きくするためには開口率を上げればよいが、
開口率をあげるとそれに起因しkも大きくなり、実際に
はfoは大きくなってしまうため、foを小さくするた
めには開口率を小さくすることが必要である。しかし、
開口率を下げると通気量が低下するので、これらの兼合
で開口率は決定される。開口率は10〜80%が適して
いるが、特に限定しない。また繊維集合体の開口率は、
ほぼ繊維集合体の密度に比例するため低周波数側にfo
を設定するためには密度が高いほうが適している。面密
度として400〜1000g/m2 の範囲が良好である
が、特に限定しない。
【0022】通気量を上げたい場合や設定周波数の調整
等の理由で、図2に示す繊維集合体に形状を問わない穴
部を形成させることは非常に有効である。このとき穴部
を形成させるために繊維集合体の全体の開口率は上昇す
るが、繊維集合体の密度を変化させることにより、穴部
の開口率に独立して周波数foを設定することができる
ことを見いだした。これにより十分に通気量を確保しつ
つ、500Hz以下の比較的低周波域からの音響遮断壁
を形成することができた。更に、繊維集合体はそれ自体
が吸音材であり、中周波数から高周波数にわたり高い吸
音性能を有する。
【0023】本発明の吸音構造体は、500Hz以上の
領域に周波数を設定することは可能であるが、公知の吸
音材でも十分に効果が出せるので、複雑な構造の吸音構
造体にする意味がない。
【0024】吸音構造体の繊維集合体の数は、2以上で
あっても良く、この場合でも本発明の目的を十分に達成
することができるため、特に限定はしない。但し、実験
の結果、3以上でも吸音性能が2のときと大きく変わら
ないため、実用的には2で十分であると考えられる。
【0025】吸音構造体をダクト内に設置する場合に
は、吸排気口若しくはエアクリーナ室に出来るだけ近い
場所が良い。ダクト内部には、気流の定在波が形成され
ており、空気粒子の速度分布が存在している。吸音構造
体の効力は粒子速度の大きさに比例するため、一般に吸
音構造体を粒子速度最大の位置に設置することが効果を
十分に得るために必要である。
【0026】ここで、ダクトの吸入口、排出口又はエア
クリーナ室近傍が粒子速度が最大となる位置の一つであ
る。これは基準となる大気圧(0気圧とする)から、ダ
クト内にある圧力(p気圧)になる境であるので、自ず
と空気粒子は速度が最大となるからである。
【0027】また、その他の部位に吸音構造体を設置す
る場合には、ダクト内の定在波の粒子速度最大の位置が
好ましい。これは上記と同な理由による。ダクト内の定
在波の波長は、ダクトの長さに依存し、2次共鳴、3次
共鳴等(n次共鳴)があり、その共鳴した周波数の音が
一般的なダクト内の騒音となる。
【0028】従って、その共鳴に起因して形成される速
度分布の中で粒子速度の高い部位に吸音構造体を設置す
ることが、ダクト内の騒音を低減させるのに効果があ
る。ダクトの開口部付近に吸音構造体を設置することが
できないときには、ダクトの長さから粒子速度の最大位
置を見積もり、吸音構造体を設置すれば良い。
【0029】繊維集合体を構成する繊維は、天然繊維で
も合成繊維でも良いが、特に繊維の太さや繊維の単位長
さ、また繊維体の分布等全て規定することができ、常に
同じものを作製することができ、均一な密度分布の作製
が可能な合成繊維を使用することが好ましい。
【0030】本発明においては、繊維集合体を構成する
合成繊維としては、公知の合成繊維の中から適宜選択し
て使用することができ、例えばナイロン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリポロピ
レン、線状ポリエステル、ポリアミド等を好適に使用す
ることができる。
【0031】これらの合成繊維の中でも、特に吸音材の
リサイクルや同時一体成形性及び形状を維持することが
できる等のメリット等を鑑みると軟化点の異なる繊維の
配合が可能なポリエステル系繊維やポリプロピレン系繊
維を使用することが好ましい。
【0032】ポリエステル繊維は溶融紡糸法等の工法を
用いて製造された平均径10〜40μmの範囲にあるも
のが好ましい。溶融紡糸法で製造されたポリエステル繊
維は、最も一般的であり経済的である。この工法では1
0μm未満のものを製造することが困難であり、繊維の
表面積に依存する吸音性能を確保するためには40μm
以下であることが効果的である。
【0033】ポリプロピレン繊維は、特に溶融した樹脂
を細孔から圧力をかけて押し出し、繊維化するメルトブ
ローン法によって、数ミクロンレベルの超極細繊維とし
て得られるため、吸音性能を向上させるために効果があ
る。このポリプロピレン繊維はその平均径が1〜15μ
mの範囲であることが効果的である。上記工法では1μ
m未満の繊維を製造することが困難であり、逆に、15
μmを超えると経済的に不利益となる。
【0034】吸音性能を向上させるには、メルトブロー
ン法によるポリプロピレン繊維が有効であるが、繊維径
が15μmを超える場合には、性能や経済性の観点から
溶融紡糸法によるポリエステル繊維が有効となる。
【0035】吸音材自体の剛性は極細繊維では得られな
いため、上記した2種類の繊維を混合して、吸音性能及
び剛性を合わせもつ吸音材とすることができ、気流が強
い所に用いる場合など非常に効果がある。
【0036】繊維集合体には、軟化点が少なくとも20
℃異なる繊維を配合することが好ましい。このように軟
化点が少なくとも20℃違う繊維を配合することによっ
て、繊維集合体としての形状を維持させながら、加熱し
プレス成形し製品を作成することができる。
【0037】一方、軟化点の差が20℃より小さくなる
と、その軟化点の差に応じて一部の繊維のみを軟化させ
る温度範囲で、その軟化する繊維をバインダーとして繊
維集合体に形状を付与させることができなくなる。即
ち、繊維集合体全体が軟化し融解すると考えられ、この
結果、繊維集合体を維持することができなくなり、板状
になってしまう。
【0038】また、ニードルパンチ等の工法を用いて繊
維体を成形し繊維集合体にしたものも有効である。この
繊維集合体は軟化点の等しい、1種類の繊維のみで不織
布を作製することが可能であり、比較的高価な軟化点の
異なる繊維を用いることなく吸音材を形成することがで
きる。
【0039】本発明の吸音構造体は自動車等の車両に有
効に用いることができる。スペース、重量及びコスト的
制限の特に厳しい車両においては、低周波側の騒音を低
減させることが特に困難であり、本発明の吸音構造体を
用いることで効果的に性能を向上させることができる。
【0040】本発明の吸音構造体は車両用のエアクリー
ナーシステム系の内部に用いることが特に有効である。
エンジンの吸気ダクトにおいて、吸気により発生する騒
音は車両騒音の音源の一つであり、これを効率良く吸音
する方法が求められている。この騒音の領域のうち、特
に低周波領域の騒音を低減させるために、現在は目的周
波数に容量を設定したレゾネーターや共鳴ダクトを用い
ている。これは吸音材では500Hz以下の低周波の吸
音を行なうことは困難だからである。
【0041】また、本発明の吸音構造体は、同様に排気
系の騒音を低減させる場合に用いることも有効であると
共に、更に車両等の内装材用吸音材にも使用がすること
ができ、通気が必要な部位にも効果があるが特に限定は
行なわない。
【0042】
【作用】次に、本発明の作用の説明をする。本発明の吸
音構造体を家屋の送風機ダクト内及び車両用エアクリー
ナシステム用エアダクト内に設置した結果、特に低周波
領域において高性能でコンパクトに収まる吸音構造体と
なることを確認することができた。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0044】実施例1 繊維径3〜5μmのポリプロピレン繊維を用い、面密度
400g/m2 の繊維集合体に面積比で開口率30%と
なるように円形の穴部を開け繊維集合体1とした。更
に、同一の繊維集合体を繊維集合体2とし、繊維集合体
1及び2を略平行に30mm離して設置し、吸音構造体
(1)を作製した。
【0045】実施例2 穴部の開口率を20%とした以外は、実施例1と全く同
様にして吸音構造体(2)を作製した。
【0046】実施例3 穴部の開口率を10%とした以外は、実施例1と全く同
様にして吸音構造体(3)を作製した。
【0047】実施例4 繊維径3〜5μmのポリプロピレン繊維を用い、面密度
400g/m2 の繊維集合体を繊維集合体1とし、同一
の繊維集合体を繊維集合体2とし、繊維集合体1及び2
を略平行に30mm離して設置し、繊維集合体(4)を
作製した。
【0048】実施例5 繊維集合体1と繊維集合体2との面密度を共に20g/
2 とした以外は、実施例4と全く同様にして繊維集合
体(5)を作製した。
【0049】実施例6 1繊維集合体1と繊維集合体2との面密度を共に800
g/m2 とした以外は、実施例4と全く同様にして繊維
集合体(6)を作製した。
【0050】実施例7 繊維集合体2の面密度を800g/m2 とした以外は、
実施例4と全く同様にして吸音構造体(7)を作製し
た。
【0051】実施例8 繊維径10〜20μmのポリエステル繊維を用い、面密
度400g/m2 の繊維集合体に面積比で開口率30%
となるように円形の穴部を開け繊維集合体1とした。更
に、同一の繊維集合体を繊維集合体2とし、繊維集合体
1及び2を略平行に30mm離して設置し、吸音構造体
(8)を作製した。
【0052】実施例9 繊維径3〜5μmのポリプロピレン繊維50重量%と繊
維径10〜20μmのポリエステル繊維50重量%とを
混合し、面密度400g/m2 の繊維集合体に面積比で
開口率30%となるように円形の穴部を開け繊維集合体
1を成形した。更に、同一の繊維集合体を繊維集合体2
とし、繊維集合体1及び2を略平行に30mm離して設
置し、吸音構造体(9)を作製した。
【0053】実施例10 繊維径3〜5μmのポリプロピレン繊維を用い、面密度
400g/m2 の繊維集合体に面積比で開口率30%と
なるように円形の穴部を開け繊維集合体1とした。更
に、同一の繊維集合体を繊維集合体2及び繊維集合体3
とし、繊維集合体1、2及び3を略平行に15mm間隔
で設置し、吸音構造体(10)を作製した。
【0054】比較例1 繊維集合体1と繊維集合体2との面密度を共に5g/m
2 とした以外は、実施例4と全く同様にして吸音構造体
を作製した。しかし、測定の途中で気流により破れが生
じた。
【0055】比較例2 繊維集合体1と繊維集合体2との面密度を共に1200
g/m2 とした以外は、実施例4と全く同様にして吸音
構造体を作製した。しかし、測定中にダクト内に設置し
たときにダクト内の通気が極端に低下した。
【0056】比較例3 繊維径が0.1μm以下の繊維を用いて繊維集合体を成
形しようとしたが剛性がなく、ダクト中に設置すること
ができなかった。
【0057】比較例4 繊維径70〜100μmのポリエステル繊維を用いた以
外は、実施例8と全く同様にして吸音構造体を作製し
た。
【0058】参考例1 吸音構造体(1)を図4に示すように車両の吸気ダクト
に接続し、エンジンをかけて各周波数毎の音圧レベルを
測定したところ、設定周波数の400Hzにおいて、吸
音構造体がないときに比べ20dBの向上代が得られ
た。更に、全周波数平均でも5dBの向上代が得られ
た。ここで、図4は車両の吸気系のダクト内に吸音構造
体を設置した図であり、7は吸音構造体、8は吸気ダク
ト、9はエアフィルター、10はエアクリーナ室であ
る。
【0059】参考例2 吸音構造体(5)を図4に示すように車両の吸気ダクト
に接続し、エンジンをかけて各周波数毎の音圧レベルを
測定したところ、設定周波数の120Hzにおいて、吸
音構造体がないときに比べ10dBの向上代が得られ
た。更に、全周波数平均でも6dBの向上代が得られ
た。
【0060】参考例3 吸音構造体(1)を図5に示すように車両のエアクリー
ナ室に設置し、エンジンをかけて各周波数毎の音圧レベ
ルを測定したところ、設定周波数の400Hzにおい
て、吸音構造体がないときに比べ11dBの向上代が得
られた。更に、全周波数平均でも7dBの向上代が得ら
れた。ここで、図5は車両エアクリーナ室内に吸音構造
体を設置した図であり、11は吸音構造体である。
【0061】参考例4 吸音構造体(1)を家屋の送風機付きエアダクト内に使
用したところ、通気を妨げることなく、設定周波数40
0Hzの周波数で、吸音構造体がないときに比べ10d
Bの向上代が得られた。
【0062】従来例4 開繊された天然繊維及び合成繊維より構成された面密度
1.0kg/m2 のフェルト1m×1mを吸音材として
使用した。
【0063】試験例 上記実施例、比較例及び従来例において得られた低周波
数用吸音材について、以下の試験を実施した。
【0064】上記の各実施例及び比較例の方法によって
得られた吸音構造体を、半無響音室に設置した4気筒エ
ンジンのエアクリーナーダクトに取付け、ダクトの一方
から吸気が行われるようにして、その吸気口から約10
cmの場所に測定用のマイクを設置した。測定時におい
て、エンジンは外部のモーターにより回転させ、そのと
きの吸気音の音圧レベルをdB表示で各周波数毎のデー
タと、トラッキングデータとを測定した。このとき吸音
構造体の無いダクトのみの音圧レベルを基準とし、その
差を表示した。
【0065】また、従来例と比較するために、エンジン
ルーム内に吸音材を設置したとみたて、エンジンの約1
m離れた周囲に従来例1の吸音材を設置し、比較した。
これらの試験結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1から、実施例で作成された各種吸音構
造体は、従来例に比べ500Hz以下の設定周波数及び
全周波数平均において、優れた吸音特性を示し、従来の
レゾネータ等に比べ、場所を取らず、チューニング性や
取付け性に優れる吸音構造体であることが確認された。
【0068】また、本発明の規定範囲より外れる仕様で
作成した比較例は、性能的、スペース的及び実用面で満
足できないことが確認された。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸音構造
体は主としてダクト内を流れる気流による騒音を低減さ
せるのに効果があり、特に500Hz以下の低周波数に
吸音性能を設定することができ、且つ優れた吸音性能を
有すると共に、スペースの限られた場所で低周波領域の
吸音性能を向上させる吸音構造体として非常に効果的で
ある。従って本発明の吸音構造体は、建築材料はもちろ
んのこと、自動車用、電車用等の車両又は航空機、船内
等の内燃機関等特に十分にスペースのとれない場所に好
適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音構造体を示す外観図である。
【図2】本発明の吸音構造体を示す外観図(穴部有り)
である。
【図3】本発明の吸音構造体を示すモデル図である。
【図4】車両の吸気系のダクト内に吸音構造体を設置し
た図である。
【図5】車両エアクリーナ室内に吸音構造体を設置した
図である。
【符号の説明】
1,2 繊維集合体 3,4 繊維集合体(穴部有り) 5 空気層 6 音の侵入 7 吸音構造体 8 吸気ダクト 9 エアフィールター 10 エアクリーナ室 11 吸音構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 35/14 F02M 35/14 G G10K 11/172 G10K 11/16 E 11/16 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2以上の略平行に位置する多
    孔質吸音材の組み合わせからなる吸音構造体であって、
    前記多孔質吸音材の面密度が10〜1000g/m2
    範囲にある繊維集合体から構成され、かつ該繊維集合体
    を構成する繊維の直径が0.1〜60μmの範囲にある
    ことを特徴とする吸音構造体。
  2. 【請求項2】 多孔質吸音材に大きさ、形状を問わない
    穴部を有し、該穴部に形成される空気質量と、前記多孔
    質吸音材の間の空気層に形成される空気バネの振動系と
    により共振振動周波数を可変設定することができること
    を特徴とする請求項1記載の吸音構造体。
  3. 【請求項3】 繊維集合体を構成する繊維が平均径10
    〜40μmの範囲にあるポリエステル繊維及び/又は平
    均径1〜15μmの範囲にあるポリプロピレン繊維であ
    ることを特徴とする請求項1又は2項記載の吸音構造
    体。
  4. 【請求項4】 多孔質吸音材の内部に存在する空気と、
    2つの多孔質吸音材の中間の空気層からなる振動系と、
    穴部に形成される空気質量と、2つの多孔質吸音材の間
    の空気層に形成される空気バネの振動系とにより、共振
    振動周波数を1〜500Hzの範囲に可変設定すること
    ができることを特徴とする請求項1乃至3項記載の吸音
    構造体。
  5. 【請求項5】 吸音構造体を車両に用いることを特徴と
    する請求項1乃至4記載の吸音構造体。
  6. 【請求項6】 吸音構造体を車両のエアクリーナシステ
    ム系の内部に用いることを特徴とする請求項1乃至5記
    載の吸音構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019074061A1 (ja) * 2017-10-11 2019-04-18 富士フイルム株式会社 箱型防音構造体および輸送機器
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