JPH08240A - 解凍装置 - Google Patents

解凍装置

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Publication number
JPH08240A
JPH08240A JP13692794A JP13692794A JPH08240A JP H08240 A JPH08240 A JP H08240A JP 13692794 A JP13692794 A JP 13692794A JP 13692794 A JP13692794 A JP 13692794A JP H08240 A JPH08240 A JP H08240A
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thawing
thawed
temperature
cold air
heating
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JP13692794A
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Hidenori Kako
英徳 加古
Junko Takechi
純子 武知
Takayasu Narita
隆保 成田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、被解凍物に適した終了温度まで温
度むらなく高品位の解凍を行うことを目的とする。 【構成】 解凍室3内への冷気の流入を調節する冷風調
節手段13,19と、高周波で被解凍物4を加熱する第
1の加熱手段15と、ジュール熱で被解凍物4を加熱す
る第2の加熱手段22と、解凍室3内の温度を検出する
温度検出手段18と、被解凍物4に応じた解凍モードを
選ぶ解凍モード選択手段11と、温度検出結果及び選択
された解凍モードに応じて冷却手段14、冷風調節手段
13,19及び第1、第2の加熱手段15,22を制御
する解凍制御手段17とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍した食品等を解凍
する解凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】解凍する食品にはマグロやいかなどの魚
類だけでなく挽き肉、ステーキ肉、薄切り肉などの肉類
やアイスクリーム、ケーキ等の菓子類などがあるが、そ
れぞれ食品ごとの解凍終了温度は異なっている。例え
ば、マグロなどの刺身類は食味に適した温度は10℃前
後である。しかし、この温度の短冊上のマグロを薄く切
るには、うまく切らないとドリップが出てしまったり、
形がくずれたりするのでたいへん切りにくい。特に、短
時間で解凍したマグロでは表面と中心の温度差があり、
中心付近がまだ半解凍で一部凍っていたりすると、かな
り力をいれないと上手く切れない。この時に、表面周辺
の身は圧迫されて変形しドリップがたくさん出てしま
い、味覚を大いに損なうことがある。そこで、刺身のよ
うなものは包丁で切りやすくドリップが出ない氷温帯の
半解凍の状態を解凍終了とした解凍装置が多かった。ま
た、肉類の解凍条件として挽き肉ではほぐせるとか薄切
り肉では一枚一枚にはがせなければならない。このため
に食品の温度は10℃程度まで加熱する必要がある。同
様にアイスクリームでは−5℃から−10℃ぐらいに、
ケーキ類は10℃程度までといった具合に、解凍する食
品によって調理のしやすさ、食べやすさから終了温度は
決まってくる。
【0003】ところで、冷凍物の解凍方法は、自然放置
解凍、冷蔵庫の冷蔵室放置解凍、解凍室での伝導熱や輻
射熱、温風利用解凍、また電子レンジによる解凍などが
ある。しかし、いずれも非常に時間がかかったり、温度
むら(すなわち解凍むら)が大きいため高品質な解凍は
望めないという欠点があった。特に、高周波加熱の電子
レンジでは被解凍物が解凍されて表面付近の温度が0℃
以上に融けてくると、高周波加熱特有の氷と水の誘電率
の違いからその部分がさらに加熱されて温度むらが大き
くなる特性がある。したがって、電子レンジは短時間で
解凍できるが加熱しすぎると温度むらが大きくなってし
まっていた。
【0004】この問題を解決すべく、冷気を被解凍物の
表面に吹き付けながら、高周波加熱を利用して解凍を行
い時間を短縮する方法が考えられている。これによる
と、被解凍物が冷凍するような温度の冷気により被解凍
物表面の温度上昇を抑えるので、一部の温度が異常に高
くなったりすることなく、被解凍物の中心も表面付近も
温度差が少なくむらのない解凍が可能となる。しかし、
この解凍方法は0℃付近の氷温帯まで加熱する刺身等の
食品には有効であるが、これ以上の温度まで解凍しよう
とした場合には先に述べた高周波加熱特有の融けたとこ
ろが加熱されて温度むらが大きくなってしまう。したが
って、冷風と高周波加熱を用いた解凍も肉類等の終了温
度が高い被解凍物によっては高品位な解凍ができずまだ
不十分であった。また、冷風と高周波加熱等を用いた解
凍後、引き続き食品の温度を氷温温度に保持して食品の
品質劣化を抑制するようにした食品の解凍方法等がある
(特開昭61−5745号公報、特開昭63−2593
73号公報)。しかし、前述したように、食品の種類に
より調理のしやすさ、食べやすさ等から解凍終了温度は
異なってくる。このため、解凍後、ただ氷温温度で一定
に保持するだけのこの解凍方法によっても、食品の種類
に適した終了温度まで高品位な解凍を実現することは困
難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、高周波
照射と冷気循環による解凍方法は、通常の高周波加熱の
みと比べて被解凍物表面を冷やしながら加熱するため中
心付近と表面の温度差が少なく良好な解凍が期待でき
る。しかしながら、解凍終了温度が0℃以上と高い食品
を温度むらが少なく高品位な解凍を行うには、高周波加
熱特有の加熱されやすさの違いから融けたところから温
度が上昇して温度むらが大きくなるという問題があっ
た。また、高周波照射と冷気循環等による解凍後、引き
続きその食品を氷温温度で一定に保持するようにした解
凍方法でも、食品の種類により調理のしやすさ、食べや
すさ等から解凍終了温度は異なってくるため、食品の種
類に適した終了温度まで高品位な解凍を実現することは
困難であった。さらに上記の解凍装置では、冷気をつく
るための冷却器が除霜中の場合は解凍機能を使うことが
できなかった。
【0006】そこで、本発明は、被解凍物ごとに最適な
解凍パターンで加熱し保存することができて被解凍物に
適した終了温度まで温度むらなく高品位な解凍を行うこ
とができ、また冷却手段が除霜中でも解凍が可能な解凍
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、被解凍物を収容して解凍する解
凍室と、冷気をつくる冷却手段と、前記解凍室内への前
記冷却手段でつくられた冷気の流入を調節する冷風調節
手段と、高周波を照射して前記被解凍物を加熱する第1
の加熱手段と、ジュール熱で前記被解凍物を加熱する第
2の加熱手段と、前記解凍室内の温度を検出する温度検
出手段と、前記被解凍物に応じた解凍モードを選ぶ解凍
モード選択手段と、前記温度検出手段の検出結果及び前
記解凍モード選択手段の選択結果に応じて前記冷却手
段、前記冷風調節手段及び前記第1、第2の加熱手段を
制御する解凍制御手段とを有することを要旨とする。
【0008】第2に、前記解凍制御手段は、前記解凍モ
ード選択手段で選択された解凍モードに従い前記被解凍
物が第1の温度帯に達するまで加熱した後、前記被解凍
物に適した第2の温度帯に前記解凍室内を保持する制御
を行うことを要旨とする。
【0009】第3に、前記解凍制御手段は、前記解凍モ
ード選択手段で選択された解凍モードに従い解凍開始時
は前記冷却手段と冷風調節手段で前記解凍室内に冷風を
流入させながら前記第1の加熱手段で被解凍物を加熱
し、被解凍物が略氷温帯に達した後、前記第1の加熱手
段での加熱を停止し前記冷風調節手段で解凍室内に流入
する冷風の量を制限するとともに前記第2の加熱手段で
解凍室内を被解凍物に適した温度に保持する制御を行う
ことを要旨とする。
【0010】第4に、前記解凍制御手段は、前記解凍モ
ード選択手段で選択された解凍モードに従い解凍開始時
は前記冷却手段と冷風調節手段で前記解凍室内に冷風を
流入させながら前記第1の加熱手段で被解凍物を加熱
し、被解凍物が略氷温帯に達した後、前記第1の加熱手
段での加熱を停止し前記冷風調節手段で解凍室内に流入
する冷風の量を制限するとともに前記第2の加熱手段で
解凍室内を被解凍物に適した第1の温度に保持し、被解
凍物が調理された後解凍室内に戻されたとき第2の温度
に保持する制御を行うことを要旨とする。
【0011】第5に、前記冷却手段の除霜運転中は、こ
れを表示する表示手段を備えるとともに、前記解凍モー
ド選択手段は前記冷却手段による冷気循環のない別の解
凍モードを有し前記除霜運転中でも被解凍物を解凍可能
としてなることを要旨とする。
【0012】
【作用】上記構成において、第1に、解凍モード選択手
段で被解凍物に応じた解凍モードを選択することによ
り、その被解凍物に合わせた加熱及び冷気の流入調節が
行われ、まず例えば氷温帯までの温度上昇が行われ、次
いでその被解凍物の調理等に適した温度に保存される。
これにより、高周波加熱で起りやすい部分的な過解凍が
抑えられ、被解凍物に適した終了温度まで温度むらなく
高品位な解凍が実現される。
【0013】第2に、解凍制御手段は、解凍モード選択
手段で選択された解凍モードに従い、上記のように、被
解凍物を第1の温度帯、例えば氷温帯まで加熱した後、
その被解凍物の調理のしやすさ、食べやすさ等に適した
第2の温度帯に保持するように制御を実行する。これに
より被解凍物の品質を低下させることなく、使用者は、
調理したいとき等に、その被解凍物をいつでも取り出す
ことが可能となる。
【0014】第3に、具体的には、最初の氷温帯までの
加熱は、高周波照射による第1の加熱手段で行われ、そ
の後、その被解凍物の調理等に適した温度での保持は、
ジュール熱による第2の加熱手段の加熱制御により行わ
れる。これにより、被解凍物に適した終了温度までの温
度むらのない高品位な解凍がより良く実現される。
【0015】第4に、例えば、マグロの刺身等では、0
℃付近の半解凍の状態においてドリップが出ることなく
薄く切りやすいが、食味に適した温度はこれより高い1
0℃前後である。そこでこのような種類の被解凍物で
は、第1の加熱手段で氷温帯まで加熱した後、第2の加
熱手段の加熱制御により調理に適した第1の温度に保持
され、調理が行われて再び解凍室内に戻されたときに食
味に適した第2の温度に保持する制御が行われる。した
がって使用者は、必要なときにこれを取り出せば、適温
状態でいつでもこれを味わうことが可能となる。
【0016】第5に、ときには、冷却手段が除霜状態に
あるときでも、被解凍物を解凍したい場合が生じる。こ
のような場合は、冷気循環のない状態で例えば第2の加
熱手段をオフし、第1の加熱手段だけで低出力で徐々に
被解凍物を加熱するようなモードで解凍が行われる。こ
れにより、使用者はとりあえず解凍装置を機能させるこ
とができて冷却手段除霜時の不便を解消することが可能
となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図8を用い
て説明する。図1に示すように、解凍装置1には、高周
波の漏洩を防止する機構の付いた開閉自在の扉2、周囲
が金属でできた解凍室3、被解凍物4を載せて回転させ
るための回転皿5、高周波を解凍室3に送り込む導波管
開口部6、解凍室3に冷気を循環させるための冷気流入
口7及び冷気流出口8が備えられ、解凍室3の外側には
表示部9、操作部10、解凍に必要な条件を入力する解
凍モード選択手段11が備えられている。冷気流入口7
と冷気流出口8は高周波を遮断する通風口で例えばパン
チングメタルでできている。また、図2に示すように、
解凍室3と冷気の循環通路21は断熱材12で被われて
おり、冷気循環ファン13を回して冷却手段としての冷
却器14で冷やされた空気を解凍室3に送り込むように
なっている。冷却器14は圧縮器16と接続されてお
り、冷媒の圧縮、膨張で冷やされる。第1の加熱手段と
しての高周波発生装置15は図示しない導波管で導波管
開口部6に接続されている。高周波発生装置15は解凍
制御手段17によって動作、停止や出力を制御される。
回転皿5上の被解凍物4は加熱開始とともに回転皿モー
タ20によって回転する構成となっている。また冷気流
入口7の冷気循環通路21側には、冷気の流れを作る冷
気循環ファン13と冷気流入口7へ流れ込む冷気の量を
調整するダンパ19が設けてあり、冷気循環ファン13
を回転させたり停止したり、またダンパ19を開けたり
閉めたりすることによって、冷気流入口7から冷気が出
てくる風量を変更することが可能となっている。即ち、
冷気循環ファン13とダンパ19により冷風調節手段が
構成されている。さらに、冷気流入口7の後方には第2
の加熱手段としてのシーズヒータ22が設けられてい
る。18は解凍室3内の温度を検出する温度検出手段と
しての例えばサーミスタであり、これにより解凍制御手
段17に温度情報を送る。
【0018】次に、上記構成の解凍装置1の動作につい
て説明する。まず、事前に解凍装置1は圧縮器16を運
転して冷却器14で空気を冷やし、冷気循環ファン13
を回転させダンパ19を開くとともにサーミスタ18で
解凍室3内の温度を測定し、解凍室3を十分に例えば0
℃に冷却しておく。扉2を開け、被解凍物4を回転皿5
に載せて扉2を閉め、この被解凍物4の解凍条件に必要
な条件を解凍モード選択手段11から入力し、操作部1
0を操作することによって解凍が開始される。このと
き、表示部9には入力内容や動作状況が表示される。解
凍開始の操作にともない、回転皿モータ20に通電して
被解凍物4を回転させ、高周波発生装置15から解凍室
3に高周波を供給して被解凍物4を加熱する。加熱パタ
ーンは入力情報に従って予め解凍制御手段17内で計算
され、被解凍物4の種類や分量に適した内容で行われ
る。このとき、同時に解凍制御手段17は、圧縮器1
6、冷気循環ファン13を連続的に運転あるいは断続運
転して冷気流入口7から解凍室3内に例えば−10℃の
冷気を吹き込み、被解凍物4に冷気を当てながら高周波
加熱で解凍する。図3は、上記の制御系統をブロック図
で表したものである。また図4は解凍モード選択手段1
1の一例を示したもので、それぞれボタンスイッチから
なっている。解凍モードは、たとえば肉類等に適したモ
ード、魚類に適したモード、除霜中で冷却が十分に
行えない場合のためのモードがある。これに、被解凍
物4の分量を入力するキーが設けてあり、この情報が解
凍制御手段17に入力される。これに従って、前記した
第1、第2の加熱手段、冷却手段が制御される。なお、
この例では使用者によって分量をキー入力する場合を示
したが、電子レンジで使用されているような重量センサ
を用いて自動的に検出してもかまわない。
【0019】次に、具体的な制御方法を図5乃至図8を
用いて説明する。これらの各図は、シーズヒータ22の
ON/OFF(a)、ダンパ19の開閉(b)、冷気循
環ファン13のON/OFF(c)、高周波加熱手段1
5の加熱電力(d)、解凍室3内の温度(e)及び被解
凍物4の温度(f)をそれぞれ示している。
【0020】図5は、モードを選択した場合で、肉類
等に適した制御である。冷凍庫で−20℃に凍結された
被解凍物4を解凍室3内の回転皿5上に設置して解凍を
開始する。このとき、ダンパ19はずっと解放状態で、
解凍室3内の温度を−3℃に維持し高周波電力を加えて
加熱する。開始直後は強めに加熱して被解凍物4の温度
が−5℃付近まで上昇するまで徐々に加熱電力を低下さ
せる制御を行う。こうすることによって、解凍時間を短
縮させる効果がある。被解凍物4の温度が0℃に近づく
と冷気循環ファン13を連続的にONさせ、被解凍物4
を十分に冷却させ局部的に温度が上昇するのを防ぎ、被
解凍物4が全体的に0℃になるまで続ける。これまでの
制御時間はあらかじめ解凍制御手段17に入力された情
報で決まる。この後、ダンパ19を閉じ、シーズヒータ
22をONして解凍室3の温度を10℃まで上昇させて
この状態を維持させ、被解凍物4が調理に適した温度に
なるまで加熱する。これによって使用者は、解凍加熱終
了後被解凍物4が調理に適した温度に保持されているの
で、品質を低下させることなく、調理したいときにいつ
でも取り出して使うことができる。
【0021】図6は、モードを選択した場合で、魚類
等に適した制御である。冷凍庫で−20℃に凍結された
被解凍物4を解凍室3内の回転皿5上に設置して解凍を
開始する。このとき、ダンパ19はのモードと同様に
ずっと解放状態で、解凍室3内の温度をできるだけ被解
凍物4の中央と周辺の温度差を生じないようにモード
より低い温度に維持し高周波電力を加えてややゆっくり
と被解凍物4を加熱する。同様に開始直後は強めに加熱
して被解凍物4の温度が0℃付近まで上昇するまで徐々
に加熱電力を低下させる制御を行う。被解凍物4の温度
が0℃に近づくと冷気循環ファン13を連続的にONさ
せ、被解凍物4を十分に冷却させ局部的に温度が上昇す
るのを防ぎ、被解凍物4が全体に0℃になるまで続け
る。この後、高周波加熱を停止し、ダンパ19は開いた
ままで冷気循環ファン13をON/OFF制御し、解凍
室3の温度を0℃付近に維持し、被解凍物4を調理に適
した温度に保持する。同様に、使用者は解凍加熱終了後
被解凍物4が調理に適した温度に保持されているので、
品質を低下させることなく、調理したいときにいつでも
取り出して食味に適した状態に加工することができる。
特に、マグロのような刺身類は0℃付近の半解凍の状態
でないと、切り難くドリップがでてしまう上、形も崩れ
て外見も損なってしまうが、これによると全体に均一温
度の解凍を実現でき調理もしやすく食品のうま味を損な
うこともない解凍を実現できる。
【0022】図7は、モードを選択した場合である。
このモードは主に冷却器16が除霜状態にあるときにど
うしても被解凍物4を解凍したい場合に使用するモード
である。このとき、表示部9に例えば除霜中との表示を
行う。冷却系は使用できないので通常と異なる加熱パタ
ーンで解凍を行えるように制御する。ダンパ19を閉じ
て冷気循環ファン13とシーズヒータ22をOFFした
ままで、高周波加熱だけで低出力でゆっくりと被解凍物
4を加熱する制御を行う。これによって使用者はとりあ
えず解凍器が使えて除霜時の不便を解消することができ
るといった効果を持つ。
【0023】図8は魚類に適したモード(図6)に付
加機能をつけ加えたものである。使用者がのモードで
被解凍物4の解凍を行い、ほぼ0℃まで解凍した被解凍
物4を解凍室3から取り出し、包丁で薄く切り皿に盛り
つける。しかし、このままではまだ食品の温度が低いの
ですぐに食べる状態にはない。そこで、再び解凍室3内
に調理した被解凍物4を収容して、室内の温度を食味に
適した温度に保持しておく。このとき、ダンパ19を一
度閉めてシーズヒータ22をON/OFF制御し解凍室
3内を例えば10℃程度に維持するように制御を行う。
使用者は必要なときにこれを取り出せば、適温状態でい
つでもこれを味わうことができる。例えば、これは扉2
を閉めて解凍モード選択手段11のキーをもう一度押す
ことによって次のモードを実行することができる。
【0024】以上のように解凍モード選択手段11によ
ってキー入力の操作をすれば、自動的に選択したモード
で解凍を行い、そのままその食品に適した温度で保存す
ることができる。
【0025】また、本実施例は解凍装置についてのもの
であるが、この解凍室3が冷蔵庫に組み込まれたもので
あってもさしつかえない。図9は解凍装置を冷蔵庫に組
み込んだ場合の構成例を示したもので、高周波加熱装置
15を断熱材12の外側で背面上部に設置し、冷蔵庫2
4の冷却器14と圧縮器16を共用する構造にすること
も容易に実現できるからである。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項記載の発
明によれば、それぞれ次のような効果を奏する。
【0027】請求項1記載の発明によれば、解凍室内へ
の冷却手段でつくられた冷気の流入を調節する冷風調節
手段と、高周波を照射して被解凍物を加熱する第1の加
熱手段と、ジュール熱で前記被解凍物を加熱する第2の
加熱手段と、前記解凍室内の温度を検出する温度検出手
段と、前記被解凍物に応じた解凍モードを選ぶ解凍モー
ド選択手段と、前記温度検出手段の検出結果及び前記解
凍モード選択手段の選択結果に応じて前記冷却手段、前
記冷風調節手段及び前記第1、第2の加熱手段を制御す
る解凍制御手段とを具備させたため、被解凍物ごとに最
適な解凍パターンで加熱し保存することができてその被
解凍物に適した終了温度まで温度むらなく高品位な解凍
を行うことができる。またこの解凍制御を自動的に行う
ことができて解凍装置の使い方がたいへん簡便になり、
そのまま、放置しておけるので使用者が安心して使用す
ることができる。
【0028】請求項2記載の発明によれば、解凍制御手
段は、前記解凍モード選択手段で選択された解凍モード
に従い前記被解凍物が第1の温度帯、例えば氷温帯に達
するまで加熱した後、その被解凍物に適した第2の温度
帯に解凍室内を保持する制御を行うようにしたため、被
解凍物に適した終了温度まで温度むらのない高品位な解
凍を適切に実現することができる。
【0029】請求項3記載の発明によれば、解凍制御手
段は、具体的には、解凍モード選択手段で選択された解
凍モードに従い解凍開始時は冷却手段と冷風調節手段で
解凍室内に冷風を流入させながら第1の加熱手段で被解
凍物を加熱し、被解凍物が略氷温帯に達した後、前記第
1の加熱手段での加熱を停止し前記冷風調節手段で解凍
室内に流入する冷風の量を制限するとともに第2の加熱
手段で解凍室内を被解凍物に適した温度に保持する制御
を行うようにしたため、被解凍物に適した終了温度まで
の温度むらのない高品位な解凍をより良く実現すること
ができる。
【0030】請求項4記載の発明によれば、例えばマグ
ロの刺身等では、0℃付近の半解凍の状態においてドリ
ップが出ることなく薄く切りやすいが、食味に適した温
度はこれより高い10℃前後である。そこで、このよう
な種類の被解凍物に対しては、第1の加熱手段で被解凍
物を加熱し、被解凍物が略氷温帯に達した後、前記第1
の加熱手段での加熱を停止し冷風調節手段で解凍室内に
流入する冷風の量を制限するとともに第2の加熱手段で
解凍室内を被解凍物に適した第1の温度に保持し、被解
凍物が調理された後解凍室内に戻されたとき第2の温度
に保持する制御を行うことにより、食味に適した終了温
度まで温度むらなく高品位な解凍を行うことができて、
使用者は必要なときにこれを取り出せば適温状態でいつ
でもこれを味わうことができる。
【0031】請求項5記載の発明によれば、冷却手段の
除霜運転中は、これを表示する表示手段を備えるととも
に、解凍モード選択手段は前記冷却手段による冷気循環
のない別の解凍モードを有し前記除霜運転中でも被解凍
物を解凍可能としたため、冷却手段が除霜状態にあると
きでも、使用者はとりあえず解凍装置を機能させること
ができて冷却手段除霜時の不便を解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る解凍装置の実施例において扉を開
いた状態を示す斜視図である。
【図2】上記実施例の内部構造を示す断面図である。
【図3】上記実施例の制御系統を示すブロック図であ
る。
【図4】上記実施例における解凍モード選択手段の一例
を示す図である。
【図5】上記実施例において解凍モードの第1例におけ
る各部の温度変化や制御状態を示す図である。
【図6】上記実施例において解凍モードの第2例におけ
る各部の温度変化や制御状態を示す図である。
【図7】上記実施例において解凍モードの第3例におけ
る各部の温度変化や制御状態を示す図である。
【図8】上記実施例において解凍モードの第4例におけ
る各部の温度変化や制御状態を示す図である。
【図9】本発明の解凍装置を冷蔵庫に組み込んだ構造例
を示す概略断面図である。
【符号の説明】
3 解凍室 4 被解凍物 7 冷気流入口 8 冷気流出口 9 表示部(表示手段) 11 解凍モード選択手段 13 冷気循環ファン 14 冷却器(冷却手段) 15 高周波発生装置(第1の加熱手段) 16 圧縮器 17 解凍制御手段 18 サーミスタ(温度検出手段) 19 冷気循環ファンとともに冷風調節手段を構成する
ダンパ 22 シーズヒータ(第2の加熱手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被解凍物を収容して解凍する解凍室と、
    冷気をつくる冷却手段と、前記解凍室内への前記冷却手
    段でつくられた冷気の流入を調節する冷風調節手段と、
    高周波を照射して前記被解凍物を加熱する第1の加熱手
    段と、ジュール熱で前記被解凍物を加熱する第2の加熱
    手段と、前記解凍室内の温度を検出する温度検出手段
    と、前記被解凍物に応じた解凍モードを選ぶ解凍モード
    選択手段と、前記温度検出手段の検出結果及び前記解凍
    モード選択手段の選択結果に応じて前記冷却手段、前記
    冷風調節手段及び前記第1、第2の加熱手段を制御する
    解凍制御手段とを有することを特徴とする解凍装置。
  2. 【請求項2】 前記解凍制御手段は、前記解凍モード選
    択手段で選択された解凍モードに従い前記被解凍物が第
    1の温度帯に達するまで加熱した後、前記被解凍物に適
    した第2の温度帯に前記解凍室内を保持する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の解凍装置。
  3. 【請求項3】 前記解凍制御手段は、前記解凍モード選
    択手段で選択された解凍モードに従い解凍開始時は前記
    冷却手段と冷風調節手段で前記解凍室内に冷風を流入さ
    せながら前記第1の加熱手段で被解凍物を加熱し、被解
    凍物が略氷温帯に達した後、前記第1の加熱手段での加
    熱を停止し前記冷風調節手段で解凍室内に流入する冷風
    の量を制限するとともに前記第2の加熱手段で解凍室内
    を被解凍物に適した温度に保持する制御を行うことを特
    徴とする請求項1記載の解凍装置。
  4. 【請求項4】 前記解凍制御手段は、前記解凍モード選
    択手段で選択された解凍モードに従い解凍開始時は前記
    冷却手段と冷風調節手段で前記解凍室内に冷風を流入さ
    せながら前記第1の加熱手段で被解凍物を加熱し、被解
    凍物が略氷温帯に達した後、前記第1の加熱手段での加
    熱を停止し前記冷風調節手段で解凍室内に流入する冷風
    の量を制限するとともに前記第2の加熱手段で解凍室内
    を被解凍物に適した第1の温度に保持し、被解凍物が調
    理された後解凍室内に戻されたとき第2の温度に保持す
    る制御を行うことを特徴とする請求項1記載の解凍装
    置。
  5. 【請求項5】 前記冷却手段の除霜運転中は、これを表
    示する表示手段を備えるとともに、前記解凍モード選択
    手段は前記冷却手段による冷気循環のない別の解凍モー
    ドを有し前記除霜運転中でも被解凍物を解凍可能として
    なることを特徴とする請求項1記載の解凍装置。
JP13692794A 1994-06-20 1994-06-20 解凍装置 Pending JPH08240A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002090052A (ja) * 2000-09-19 2002-03-27 Matsushita Refrig Co Ltd 低温調理方法とその装置
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WO2024002090A1 (zh) * 2022-06-30 2024-01-04 青岛海尔电冰箱有限公司 冷藏冷冻装置

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