JPH08239685A - ドコサヘキサエン酸類の安定化剤 - Google Patents

ドコサヘキサエン酸類の安定化剤

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JPH08239685A
JPH08239685A JP7047188A JP4718895A JPH08239685A JP H08239685 A JPH08239685 A JP H08239685A JP 7047188 A JP7047188 A JP 7047188A JP 4718895 A JP4718895 A JP 4718895A JP H08239685 A JPH08239685 A JP H08239685A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ドコサヘキサエン酸類の経時的変化を防止す
る優れた安定化剤を提供する。 【構成】 南天の葉の抽出エキス及びビタミンCを有効
成分として含有するドコサヘキサエン酸および/または
魚油の安定化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドコサヘキサエン酸およ
び/または魚油(以下両者を合わせてDHA類と略称す
る)の安定化剤に関する。更に詳しくは南天の葉の抽出
エキス及びビタミンCを有効成分として含有するDHA
類の安定化剤並びに該エキスが水および/または極性有
機溶媒で抽出して得られることを特徴とするDHA類の
安定化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸(以下DHAと略称
する)、エイコサペンタエン酸(以下EPAと略称す
る)等のω−3系高度不飽和脂肪酸は、コレステロール
低下、血栓生成の予防、制ガン作用などの生理作用を有
しており、また最近の研究で、DHAが記憶力・学習能
力の向上、幼児の脳の発達など他のω−3脂肪酸にはな
い生理作用を有していることが指摘されてから注目され
はじめ、機能性食品、健康食品の素材や医薬品原料とし
ての応用開発が盛んに行われるようになった。これら高
度不飽和脂肪酸は、イワシ、サバ、カツオ、マグロ等の
魚油中に遊離脂肪酸あるいは脂肪の構成脂肪酸として多
く含まれ、特にカツオ、マグロの頭部に存在する眼窩脂
肪には30〜40%のDHAが含まれていると言われてい
る。
【0003】しかしながら、これら高度不飽和脂肪酸お
よび魚油は、精製した当初は魚臭特有の不快な異味異臭
はないが、不飽和結合を多く有しているため不安定で、
時間の経過と共に酸素、光、熱、微生物などの作用を受
けて劣化し、異味異臭が発生してくる。この異味異臭は
いわゆる戻り臭(オフフレーバー)と言われており、こ
の戻り臭の発生は、DHA類を配合した商品の価値を著
しく低下させるという使用上のトラブルを引き起こすた
め、DHA類が各種の機能性を有しているにもかかわら
ず、DHA類含有製品の開発を困難にしており、DHA
類の劣化あるいは戻り臭の防止が緊急に解決すべき課題
となっている。
【0004】上述の課題を解決する目的で幾つかの提案
がなされており、例えば、茶抽出物を含む水溶液を必要
に応じて相乗剤と共に一種または二種以上の特定量の親
油性乳化剤で乳化した親油性抗酸化剤が提案され、そし
て該抗酸化剤は、バター、魚油などの動植物油脂の酸化
防止に効果があると記載されている(特公平3−49315
号公報参照)。また茶葉抽出成分、一種または二種以上
のポリヒドロキシ化合物、一種または二種以上の有機酸
および水からなる水産品の品質保持剤(特公昭5−6608
4 号公報参照)、更に構成脂肪酸として高度不飽和脂肪
酸(DHA、EPA)を含有する脂質を含む食品中に脂
溶性ジンジャーフレーバーを存在させる魚臭のマスキン
グ方法(特開平6−189717号公報参照)等が提案されて
いる。
【0005】一方、南天の葉のエキスに関しては、例え
ば南天の葉を粉砕、乾燥させ、非極性有機溶媒で非極性
物質を除去し、極性有機溶媒で極性物質を抽出し、減圧
乾固後、pH3に調整してクロロホルム可溶部を除去
し、水可溶部をpH12に調整してクロロホルム可溶部を
抽出し、再び減圧乾固後、分取薄層クロマトグラフ法に
より得られる天然抗酸化物質を製造する方法が開示され
ている。更にこの天然抗酸化物質は、リノール酸に対し
て酸化防止効果を有していると記載されている(特開平
5−271654号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、時間の
経過と共に発現するDHA類の経時変化に伴う劣化臭あ
るいは戻り臭などのトラブルを防止する上で、従来提案
された技術はそれなりの成果はあるものの、必ずしも満
足できるものではなく、更に優れたDHA類の経時変化
に伴う劣化臭ないし戻り臭を防止することのできる安定
化剤の開発が強く望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来から
生薬をはじめとする各種天然抽出物の機能性に着目し、
特にDHA類の安定化に寄与する天然物エキスについて
鋭意研究を行ってきた。その結果、従来リノール酸に対
しては酸化防止機能を有することが知られている南天の
葉の抽出エキスとビタミンCを併用することにより、南
天の葉の抽出エキスを単独で用いた場合と比較して、D
HA類の経時変化に伴う劣化臭ないし戻り臭を防止する
のに著しい効果が発揮され、従来の課題を一挙に解決で
きることを発見した。更に研究を続けたところ、南天の
葉の抽出エキスを水および/または極性有機溶媒で抽出
した場合に、特に効果が著しいことを見出し本発明を完
成した。
【0008】即ち本発明は、南天の葉の抽出エキスとビ
タミンCを有効成分として含有することを特徴とするD
HA類の安定化剤であり、且つ水および/または極性有
機溶媒で抽出して得られる南天の葉の抽出エキスとビタ
ミンCを有効成分として含有するDHA類の安定化剤で
ある。
【0009】以下、本発明の実施の態様について更に具
体的に説明する。本発明で使用する南天(Nandina dome
stica Thunb )は、わが国の暖かい地方の山地に野生し
あるいは庭木として植えられており、その葉は惣菜の添
え物に、また果実は生薬(鎮咳薬)として利用されてお
り、容易に入手することができる。南天の葉は生もしく
は乾燥したものでもよく、これらの葉は抽出効率を向上
させるため予め粉砕した葉を用いるのが好ましい。
【0010】粉砕した南天の葉の抽出は、特別に制約さ
れることはなく、例えば極性もしくは無極性有機溶媒抽
出、水抽出、超臨界抽出などの従来公知の抽出方法で行
うことができるが、好ましくは極性有機溶媒抽出、水抽
出あるいは水と極性有機溶媒を混合した含水極性有機溶
媒抽出などを挙げることができる。従って水と極性有機
溶媒の混合割合は全く制限がなく、水に対して該溶媒0
〜100 重量%の範囲を例示することができる。また極性
有機溶媒の種類としては、例えばメタノール、エタノー
ル、アセトンなどを挙げることができる。
【0011】抽出の好ましい例を示すと、例えば粉砕し
た南天の葉に、重量で約10〜20倍の水またはメタノー
ル、エタノールなどのアルコール類あるいは含水アルコ
ール類を添加して、例えば約70〜80℃で、約1時間ない
し約2時間加熱しながら撹拌抽出する。抽出する際に、
南天の葉から溶出してくるクロロフィル等の色素成分を
吸着除去する目的で活性炭などの吸着剤の存在下で処理
するのが好ましい。抽出処理終了後、抽出液を冷却し不
溶性固形分を分離除去するため濾紙で濾過を行い、濾液
は濃縮し濃縮液を得る。このようにして得られる濃縮液
を本発明の有効成分として用いることもできるが、この
濃縮液を更に精製して使用するのが好ましい。精製手段
としては、通常行われている方法でよく、例えばケイソ
ウ土等の濾過剤と濃縮液を接触させる濾過精製法あるい
はセパビーズSP−207 〔三菱化学(株)製商品名〕、
デュオライトXAD−7等の多孔性樹脂と濃縮液を接触
させる樹脂吸着精製法などを採用することができる。濾
過精製法を採用した場合は、濾液を濃縮することにより
本発明に供される南天葉エキスとすることができ、また
樹脂吸着精製法を採用した場合は樹脂に吸着された有効
成分をエタノール等で溶出させ、溶出液を濃縮すること
により、本発明で使用する南天葉エキスを得ることがで
きる。
【0012】本発明で南天葉抽出エキスと併用するビタ
ミンCは、L−アスコルビン酸と言われているもので、
無色の結晶で水によく溶け、爽快な酸味を呈し、市場で
容易に入手できる。本発明における南天の葉の抽出エキ
スとビタミンCとの配合割合は、特別に制約されるもの
ではないが、例えば南天葉抽出エキス1重量部に対し
て、ビタミンCを0.01〜20重量部、より好ましくは0.5
〜5重量部の範囲を例示できる。この範囲を外れてビタ
ミンCを多く配合するとビタミンCに由来する香味上の
問題があり、また少なすぎると該エキスとビタミンCの
併用による相乗効果は認められず、DHA類の安定化剤
としての効果はあまり期待できない。
【0013】本発明の安定化剤の使用対象となるDHA
類としては、DHA、魚油及び魚油にDHAを配合した
DHAと魚油の混合物が挙げられる。DHAは、イワ
シ、サバ、カツオ、マグロ等の魚油中に遊離の脂肪酸ま
たはトリグリセリドとして存在している。
【0014】本発明の安定化剤の使用対象となるDHA
類としては、イワシ、サバ、カツオ、マグロ等の魚から
得られる魚油が例示され、特にカツオ、マグロの頭部か
ら採取したものは、多量のDHAを含有する魚油として
好ましく例示することができる。これらの魚油はそのま
まで各種用途に供することもできるが、精製してDHA
高含有魚油とするのが好ましい。精製法としては、例え
ばカツオ、マグロの頭部に存在する眼窩脂肪を加熱し、
油分を分離したものを活性炭処理により脱色・脱臭し、
−20〜−40℃で結晶物を除去する(ウィンタリング)等
の工程を経て行う方法がある。眼窩脂肪のDHA含量
は、マグロでは約20〜30重量%、カツオでは約30〜45重
量%であり、上述の処理を行うことによりそれぞれ約30
〜40重量%、約35〜50重量%までDHA含有量が高める
ことができる。
【0015】さらにカツオ、マグロの眼窩脂肪以外のD
HA原料、例えば、カツオ、マグロ、イワシ、サバなど
の魚油の精製法としては、例えば蒸留、分別結晶、クロ
マトグラフィーなどの物理的な分離手段による精製法;
該魚油を濃度60%以上の硝酸銀溶液と混合し、DHAの
銀との結合性を利用して他の脂肪酸から分離するなどの
化学的手段による精製法などがあり、またリパーゼを使
用したエステル交換反応によりトリグリセリド中のDH
A含量を高める方法等により、DHA含量を20%以上に
高めた魚油およびこれらの任意の混合物もまたDHA高
含有魚油として各種用途に使用することができる。
【0016】本発明の安定化剤は、前記のようにして得
られる南天の葉抽出エキスおよびビタミンCからなる混
合物のみからなるものであってもよいし、該混合物と適
当な希釈剤もしくは担体との組成物の形態であってもよ
い。このような希釈剤もしくは担体としては、例えばア
ラビアガム、デキストリン、グルコース、シュクロース
などの固体希釈剤もしくは担体、また水やエタノール、
プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類あ
るいはポリグリセリンの脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル等の液体希釈剤もしくは担体を例示すること
ができる。
【0017】本発明の安定化剤は任意の剤形としてよ
く、例えば、粉末状、顆粒状、液状、乳液状、ペースト
状その他適宜の剤形で使用可能である。例えば、アラビ
アガム、デキストリンなどを添加して粉末状、顆粒状な
どの剤形で使用してもよく、また例えば、エタノール、
プロピレングリコール、グリセリンや乳化剤あるいはこ
れらの混合物に溶解させ、乳化・分散させた液状剤形と
して使用することもできる。更に本発明においては、本
発明の安定化剤とその他既知の安定化剤、例えば茶抽出
物、ビタミンE、ローズマリー抽出物、酵素処理ルチ
ン、甘草抽出物、レシチン、没食子酸エステル等を配合
した混合物の形態であってもよい。
【0018】南天の葉の抽出エキスとビタミンCからな
る本発明の安定化剤は、DHA類に直接添加、混合する
ことによって該DHA類の光、酸素、熱、微生物などに
よる経時変化に伴う劣化臭ないし戻り臭を防止すること
ができるし、あるいは該DHA類を配合した製品に添加
することによって、製品中のDHA及び該製品の光、酸
素、熱、微生物などによる経時変化に伴う劣化臭ないし
戻り臭を効果的に防止することもできる。このような製
品としては、飲食物・嗜好品類、餌飼料類、保健・医薬
品類、香粧品類などを挙げることができる。例えば、個
々の商品としては無果汁飲料、果汁入り飲料、乳酸菌飲
料、粉末飲料などの飲料類;アイスクリーム、シャーベ
ット、氷菓などの冷菓類;プリン、ゼリー、ババロア、
ヨーグルトなどのデザート類;その他ドロップ、キャン
ディー、チョコレート、餡、畜肉加工食品、焼肉たれ、
漬物などのような飲食品・嗜好品類;錠剤、液状経口
薬、粉末状の経口薬、湿布薬などのような保健・医薬品
類;石鹸、洗剤、シャンプーのような香粧品類の安定化
剤として有用である。
【0019】本発明における南天の葉の抽出エキスとビ
タミンCからなる安定化剤の添加量は、DHA類の含有
量または濃度などによって適宜選択することができる
が、一般的にはDHA類に対して約35〜40重量%程度の
範囲がしばしば採用される。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明の安定化剤について
更に詳しく説明する。 (南天エキスの製造例1)乾燥した南天葉の粉砕物50g
に水1,000 g及び活性炭2g加えて、70℃で1時間撹拌
抽出した。冷却後、濾紙による濾過を行い、不溶性固形
分を除去して、抽出液1,140 gを得た。次いでこの抽出
液をSP−207 (前出)70mlを充填したカラム中に徐
々に流した。次いで樹脂を充分に水洗した後95重量%エ
タノール水溶液210 gを流して樹脂に吸着した物質を溶
出させた。得られた溶液を減圧濃縮後、乾燥することに
より南天葉エキス23.3gを得た。(南天エキス1)
【0021】(南天エキスの製造例2)乾燥した南天葉
の粉砕物50gに60重量%エタノール水溶液500 g及び活
性炭2gを加えて 70 ℃で1時間撹拌抽出した。冷却
後、濾紙による濾過を行い不溶性固形分を除去して抽出
液454 gを得た。次いでこの抽出液をケイソウ土と撹拌
しながら接触させた後濾過した。得られた濾液を減圧濃
縮後、乾燥することにより南天葉エキス40.6gを得た。
(南天エキス2)
【0022】実施例1 南天葉エキス2を4gおよびビタミンC10gを軟水86g
に溶解し、本発明の安定化剤100 gを得た。
【0023】25重量%DHA含有精製魚油150 g、グリ
セリン540 g、デカグリセリンモノオレエート60g、軟
水150 g及び上記安定化剤100 gを混合する。この混合
液を予備撹拌して分散させた後、T. K. ホモミキサー
(特殊機化工業製)を用い500 rpm で10分間乳化し、粒
子径約0.3 〜0.5 μm の均一な乳化組成物1,000 gを得
た。
【0024】比較例1 25重量%DHA含有精製魚油150 g、グリセリン540
g、デカグリセリンモノオレエート60g、軟水246 g及
び南天葉エキス2を4g混合する。この混合液の乳化処
理は、実施例1の方法と同様にして均一な乳化組成物1,
000 gを得た。
【0025】比較例2 25重量%DHA含有精製魚油150 g、グリセリン540
g、デカグリセリンモノオレエート60g及び軟水250 g
を混合する。この混合液の乳化処理は、実施例1の方法
と同様にして均一な乳化組成物1,000 gを得た。
【0026】(DHA含有精製魚油乳化組成物の保存安
定性試験)実施例1、比較例1及び比較例2の乳化組成
物各20gをそれぞれ100 ccの透明ガラスビンに入れ、遮
光下、50℃で30日間保存し、香味の経時変化を比較し
た。その結果を表1に示す。但し、表中の各記号は下記
の評価を示す。(以下表2〜表3についても全く同様) − :異味異臭の発生が認められない。 ± :異味異臭の発生がわずかに認められる。 + :やや不快な異味異臭の発生が認められる。 ++ :かなり不快な異味異臭の発生が認められる。 +++:著しく不快な異味異臭の発生が認められる。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から明らかなように、実施例1
の乳化組成物は30日後においても香味の変化はなく安定
であったのに対し、比較例のものは異味、異臭が認めら
れ、特に比較例2のものは10日後において既にかなり不
快な異味、異臭の発生が認められ、香味の保存安定性は
悪かった。また南天葉エキス1についても同様にして保
存安定性試験を行ったところ、優れた効果が認められ
た。
【0029】実施例2及び比較例3〜4 (DHA含有精製魚油飲料の耐熱性及び耐光性試験)グ
ラニュー糖240 g、クエン酸8gを水に溶解し、飲料用
シロップ2,000 gを調製した。このシロップ200 g入り
の容器3本に、実施例1、比較例1及び比較例2の各乳
化組成物0.4 gをそれぞれ添加したものを、実施例2及
び比較例3〜4として、各々別のガラスビンに90℃でホ
ットパック充填した後冷却し、DHA含有精製魚油飲料
を得た。
【0030】耐熱性試験 上述のようにして得た各飲料を40℃で14日間保存し、風
味の経時変化を官能的に観察、試験した。その結果を表
2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果から明らかなように、実施例2
のDHA含有精製魚油飲料は14日後でわずかに風味の劣
化は認められるものの7日後までは風味の劣化は全くな
く、優れた効果が認められる。一方、比較例のDHA含
有精製魚油飲料は異味、異臭が認められ、特に比較例4
のDHA含有精製魚油飲料は7日後において既にかなり
不快な異味異臭の発生が認められ、風味の保存安定性は
悪かった。また南天葉エキス1についても南天葉エキス
2と同様にして耐熱性試験を行ったところ、優れた効果
が認められた。
【0033】実施例3及び比較例5〜6 耐光性試験 実施例2及び比較例3〜4で調製したDHA含有精製魚
油飲料に対して日光を照射(1,200 ラングレー)し(こ
れらを各々実施例3及び比較例5〜6とする)、風味の
経時変化を官能的に評価した。また、日光照射後の飲料
中のDHAの酸化状態を評価するため、TBA値を測定
した。その結果を表3に示す。尚TBA値の測定は、油
化学18,699 〜718 ( 1969)に記載の方法に従って行っ
た。
【0034】
【表3】
【0035】表3の結果から明らかなように、実施例3
のDHA含有精製魚油飲料は比較例5〜6のそれに比較
して耐光性に優れた効果が認められる。また南天葉エキ
ス1についても南天エキス2と同様にして耐光性試験を
行ったところ、優れた効果が認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明の安定化剤を使用すれば、酸素、
光、熱、微生物などに起因するドコサヘキサエン酸類の
劣化を十分に防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/50 9450−4H C07C 51/50 57/03 9450−4H 57/03 C09K 15/34 C09K 15/34 (72)発明者 房 ▲き▼ 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川香 料株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 南天の葉の抽出エキス及びビタミンCを
    有効成分として含有することを特徴とするドコサヘキサ
    エン酸および/または魚油の安定化剤。
  2. 【請求項2】 抽出エキスが水および/または極性有機
    溶媒で抽出して得られることを特徴とする請求項1記載
    の安定化剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001047377A3 (en) * 1999-12-28 2002-05-30 Pronova Biocare As Drinkable omega 3-preparation and storage stabilization
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