JPH08239296A - ダイアモンド単結晶膜の製造方法 - Google Patents

ダイアモンド単結晶膜の製造方法

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JPH08239296A
JPH08239296A JP4328795A JP4328795A JPH08239296A JP H08239296 A JPH08239296 A JP H08239296A JP 4328795 A JP4328795 A JP 4328795A JP 4328795 A JP4328795 A JP 4328795A JP H08239296 A JPH08239296 A JP H08239296A
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健 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的広い基板上に単結晶ダイアモンドの厚
膜を均質に得るための手段の提供。 【構成】 ダイアモンドの結晶構造に近いSiCの単結
晶を基板としてエピタキシャル成長を利用するもので、
単結晶成長のための被膜として結晶化容易なアモルファ
ス炭素膜を用い、これに、ダイアモンド単結晶化に必要
なエネルギーを与える。さらに、得られたダイアモンド
単結晶膜上、に炭素含有ガスを導入してダイアモンド単
結晶膜をエピタキシャル成長させて厚膜のダイアモンド
単結晶膜とする。基板としてダイアモンドの結晶構造に
近いSiCの単結晶を基板と結晶化容易なアモルファス
炭素膜を用いるので、エピタキシャル成長に必要な要素
である基板の格子点並みの数の核発生を実現でき、ま
た、核の成長方位を制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積のダイアモンド
単結晶膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイアモンド単結晶膜は、バンドギャッ
プおよび電子とホールの移動速度がSi、SiC単結晶
より大きく、熱伝導度が各種材料の中で最大であり、ま
た、各種波長の光の透過率が大きい点においても優れて
おり、これらの特性を活かして半導体基板、発光素子、
レンズ、窓材、反射鏡、ヒートシンク、メモリー材、磁
気ヘッド等の広い用途への利用が期待されている。
【0003】このダイアモンド単結晶膜の製造法として
は、従来から多く開示されている。
【0004】例えば、特開昭63−252997号公報
には、Si単結晶基板上にマイクロ波プラズマCVD法
等によって、ダイアモンド単結晶膜を得ることが記載さ
れているが、マイクロ波プラズマCVD法だけではダイ
アモンド結晶膜の単結晶化、多結晶化を決定する要因で
ある核の方位、発生密度のコントロールができず、実際
には多結晶ダイアモンド膜しか得られない。
【0005】また、「NIKKEI NEW MATE
RIALS 1990年11月12日号」、「NIKK
EI NEW MATERIALS 1991年4月8
日号」には、C−BNあるいはNi単結晶基板上に、マ
イクロ液プラズマCVD法を適用したエピタキシャル成
長を利用して単結晶のダイアモンド膜を得たとの報告が
あるが、適用できる基板自体は、精々数100μm径程
度の小面積であって具体的な用途への利用には程遠い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広い
基板上に均質なダイアモンド単結晶の厚膜を形成した基
板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイアモンド
(格子定数が3.567Å)の結晶構造に近い大面積の
製造が可能なβ−SiC(格子定数が4.360Å)単
結晶を基板としてエピタキシャル成長を利用するもの
で、単結晶成長のための被膜として結晶化容易なアモル
ファス炭素膜を用い、これに、ダイアモンド単結晶化に
必要なエネルギーを与えることを特徴とする。
【0008】アモルファス炭素膜はSiC単結晶基板界
面上ではごく薄い層厚で単結晶膜化しており、熱エネル
ギーを与えることで単結晶膜が全層厚にわたり成長す
る。
【0009】さらに、得られたダイアモンド単結晶膜上
に炭素含有ガスを導入してダイアモンド単結晶膜をエピ
タキシャル成長させることができるので、厚膜のダイア
モンド単結晶膜とすることができる。また、析出時間を
十分にとれば、ダイアモンドの単結晶のブロックも形成
できる。
【0010】ダイアモンドの結晶構造に近いSiCの単
結晶の基板としては、例えば、昇華法やCVD法を用い
てSi単結晶基板上にエピタキシャル成長させることに
よって得たものが好適に利用できる。
【0011】また、単結晶成長のための被膜としてのア
モルファス炭素膜は、高周波プラズマCVD法によって
得た炭素の結合手に水素が結合しているものが好まし
い。
【0012】その理由は、グラファイト的な構造の核が
成長したものが存在すると、エネルギーを与えると水素
の存在により炭化水素の形でアモルファス炭素膜から抜
けて行き、ダイアモンド核の成長、再配列、単結晶化の
みが促進されるためである。
【0013】また、グラファイトの膜又はグラファイト
の構造が主体の膜を用いても、グラファイトは熱的に安
定なためダイアモンド膜は形成されない。結晶化が容易
なアモルファス炭素膜を用いる必要がある。
【0014】さらに、このアモルファス炭素膜へ与えら
れるエネルギーとして、炭素結合の再構築を図るために
加熱による方法が適用できるが、水素が結合している炭
素骨格を選択的に切り、ダイアモンドの骨格である炭素
のSP3 混成軌道による炭素の結合である核を選択的に
再配列可能なイオン衝撃、イオン注入のエネルギーを利
用することが、半導体形成のための各種元素のドーピン
グができることからも有利である。なお、現在大面積の
基板が得られていないが、C−BN、Ni、Cu、G
e、Au、Pd、Pt、Au、V、Rhの単結晶基板上
でも本発明の方法でダイアモンドの単結晶膜を得ること
ができる。
【0015】例えば、C−BN単結晶の場合を例にとる
と、ダイアモンド単結晶の高圧合成法と同様な方法で合
成したC−BN単結晶塊の直径約1000μmの(11
1)面が現れている結晶面上に、上記と同様なアモルフ
ァス炭素膜を成膜して、加熱又は各種イオンの注入によ
り単結晶化のためのエネルギーを与えることにより、ダ
イアモンドの単結晶膜を得ることができた。他の結晶面
上でも同様にして合成できる。格子定数がダイアモンド
に近いGe、Au、Pd、Pt、Au、V、Rhの単結
晶面上でも、本発明の方法により同様にしてダイアモン
ドの単結晶膜を得ることができる。
【0016】
【作用】本発明は基板としてダイアモンドの結晶構造に
近いSiCの単結晶を基板と結晶化容易な水素化したア
モルファス炭素膜を用いるので、エピタキシャル成長に
必要な要素である基板の格子点並みの数の核発生を実現
でき、また、核の成長方位を制御できる。
【0017】
【実施例】
実施例1 直径2インチ、厚さ100μmの(110)面配向をし
たSi単結晶ウェハーを準備し、このSi単結晶ウェハ
ーの(110)面上にCVD法または昇華法によって1
0μm厚のSiC単結晶膜をエピタキシャル成長させS
iC単結晶基板を製作した。このSiC単結晶基板を
1.01×104 Paに維持した周波数13.56MH
zの高周波プラズマCVD装置の反応容器内に配置し
た。基板の温度を200〜900℃の温度に保持し、こ
の反応室内にCH4 を2ml/minとH2 を40ml
/minとを導入し、50〜800Wの出力で2μmの
層厚を有するアモルファス炭素膜を形成した。つぎに、
このようにしてアモルファス炭素膜を形成した基板をH
2 雰囲気中で500〜1100℃の温度で3〜12時間
保持した。加熱は、カーボン基板上に試料を置いて誘導
加熱、レーザー光の照射による加熱、赤外線の照射によ
る加熱方法、電子ビーム照射による方法を採ったが、同
様な加熱効果を得ることができた。これによって、基板
を観察すると無色で透明度のある表面の膜を形成した。
その基板表面はSiC単結晶基板並みの平滑性を有する
ものであった。この試料を入射角0.5°でX線回折の
パターンを観察したが、(110)配向のダイアモンド
の回折角の位置だけにピークが現れており、他の面のピ
ークは現れていなかった。他の炭素の同素体のピークは
現れておらず、ダイアモンド膜が単結晶であることが判
明した。また、ラマンスペクトルによって同膜を観察し
たが、ダイアモンド特有の波数1332cm-1にシャー
プなピークが観察されたが、他の位置には観察されなか
った。そしてこの試料表面の低速電子線回折パターンを
見るとダイアモンド単結晶独特の回折パターンを示すも
のであった。
【0018】実施例2 実施例1は、アモルファス炭素膜のダイアモンド膜単結
晶化のための結晶化エネルギーを外部からの加熱により
得たものであるが、イオンの注入によっても上記アモル
ファス炭素膜を結晶化して単結晶ダイアモンド膜に変化
できる例を示す。
【0019】実施例1によって得たアモルファス炭素膜
を形成した試料を、イオン注入装置のチャンバーに冷却
水によって冷却された試料セット台上にセットして、N
2 +を0.1−2MeVの加速電圧で、1×1012−1
×1818+ /cm2 注入した。この時ファラデーカッ
プで測定した電流値は10-3μA/cm2 であった。得
られた試料の表面は黄色味を帯びた透明度の優れたもの
であった。また、表面の平滑性についてもSiCの単結
晶膜と同程度のものであった。この試料を入射角0.5
°でX線回折のパターンを観察したが、(110)配向
のダイアモンドの回折角の位置だけにピークが現れてお
り、他の面のピークは現れていなかった。他の炭素の同
素体のピークは現れておらず、ダイアモンド膜が単結晶
であることが判明した。また、ラマンスペクトルによっ
て同膜を観察したが、ダイアモンド特有の波数1332
cm-1にシャープなピークが観察されたが、他の位置に
はピークは現れなかった。そしてこれも上記と同様にし
て低電子線回折装置で分析してみるとダイアモンド単結
晶(110)面特有の回折パターンを有していた。
【0020】このダイモンド単結晶膜についてRBS
(ラザフォード後方散乱スペクトル)法で観察すると、
実施例2のイオン注入で形成したダイアモンド単結晶膜
については内部に格子欠陥が1×1010個/cm3 程度
あることがわかったが、これらについては、H2 雰囲気
中で700〜800℃の温度で6〜24時間アニールす
ると欠陥が回復して1×107 個/cm3 以下にするこ
とができた。
【0021】上記実施例1と2によってダイアモンド単
結晶膜を形成した後に、この膜の上にマイクロ波プラズ
マCVD装置において、1.01×105 Pa、2.4
5GHzの条件の下で、CH4 1ml/minと、H2
100ml/minとを石英チャンバー内に導入して
2.66×104 Pa、基板温度200〜900℃の条
件で10時間コーティングしてダイアモンド単結晶膜を
1.5μmエピタキシャル成長させた。これについても
得られた試料は平滑で透光性、無色透明度の優れたもの
であった。低電子線回折装置で回折線のパターンを観察
したが、(110)面配向のダイアモンド単結晶で見ら
れる特有の回折パターンをしていた。
【0022】このようにして得られたダイアモンド単結
晶膜試料を小角入射X線〜回折装置で調べたが(11
0)配向のダイアモンド膜であることがわかった。破面
について観察を行ったが、ダイアモンド単結晶特有のへ
き解面を有するものであった。上記の実施例において
は、(110)面のSiC単結晶基板上にダイアモンド
単結晶膜を成長させる方法を示したが、(111)面、
(100)面上でも同様にして、(111)面、(10
0)面配向を有するダイアモンド単結晶膜を製造するこ
とができた。その他の結晶配向のSiC単結晶基板にお
いても同様にしてダイアモンド単結晶膜をエピタキシャ
ル成長させることができた。
【0023】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0024】(1)均質な単結晶ダイアモンド厚膜が得
られる。
【0025】(2)半導体用基板、発光素子、紫外光の
レンズ材、窓材、反射鏡、磁気ヘッド、メモリー材、ヒ
ートシンクへの適用が実現できる。
【0026】(3)ダイアモンドのブロックの形成が可
能となり、宝飾品が低コストで供給できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiCの単結晶の基板上にアモルファス
    炭素膜を設け、アモルファス炭素膜にエネルギーを付与
    し、ダイアモンド単結晶膜を形成することを特徴とする
    ダイアモンド単結晶膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 ダイアモンド単結晶膜を形成したのち、
    このダイアモンド単結晶膜に炭素含有ガスを導入してダ
    イアモンド単結晶膜をエピタキシャル成長させることを
    特徴とするダイアモンド単結晶膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057134A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 水素化炭素膜の改質方法
JP2010229022A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Commissariat A L'energie Atomique & Aux Energies Alternatives グラフェン製造法
WO2023100578A1 (ja) 2021-12-02 2023-06-08 信越半導体株式会社 単結晶ダイヤモンド膜の形成方法

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