JPH0823766A - 緑化吹付け資材および緑化吹付け方法 - Google Patents
緑化吹付け資材および緑化吹付け方法Info
- Publication number
- JPH0823766A JPH0823766A JP6105704A JP10570494A JPH0823766A JP H0823766 A JPH0823766 A JP H0823766A JP 6105704 A JP6105704 A JP 6105704A JP 10570494 A JP10570494 A JP 10570494A JP H0823766 A JPH0823766 A JP H0823766A
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- JP
- Japan
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- greening
- spraying
- soil
- ground
- sprayed
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Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Sowing (AREA)
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 地面の緑化を効果的に行う。
【構成】 フライアッシュ等の粒状の無機材からなる焼
却灰と、カルシウム塩と、酸性物質と、を含む緑化吹付
け資材を植物の種子、土壌、水と混合した後、混合物を
地面上に散布し、散布地面を緑化する。
却灰と、カルシウム塩と、酸性物質と、を含む緑化吹付
け資材を植物の種子、土壌、水と混合した後、混合物を
地面上に散布し、散布地面を緑化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路脇の緑化帯等の緑
化用の客土吹付けに使用される緑化吹付け資材およびこ
れを利用した緑化吹付け方法に関する。
化用の客土吹付けに使用される緑化吹付け資材およびこ
れを利用した緑化吹付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、道路脇の傾斜面等の面保護の
ために、この面を緑化することが行われている。面の保
護方法としては、モルタル吹付けによる表面の固化等も
あるが、モルタルの劣化による破壊、落下等が生じる危
険性があり、緑化に劣る。また、周囲環境に対する影
響、景観等の点からも緑化の方が断然勝っており、面保
護のために緑化帯を設ける場合が多くなってきている。
ために、この面を緑化することが行われている。面の保
護方法としては、モルタル吹付けによる表面の固化等も
あるが、モルタルの劣化による破壊、落下等が生じる危
険性があり、緑化に劣る。また、周囲環境に対する影
響、景観等の点からも緑化の方が断然勝っており、面保
護のために緑化帯を設ける場合が多くなってきている。
【0003】この緑化には、各種の工法が提案されてい
るが、通常緑化用植物(例えば、芝)の種子を土壌およ
び水と混ぜて、面上に吹付け、散布する緑化吹付けが行
われている。
るが、通常緑化用植物(例えば、芝)の種子を土壌およ
び水と混ぜて、面上に吹付け、散布する緑化吹付けが行
われている。
【0004】ここで、単に土壌と水だけでは、種子を面
上に固定することができない。特に種子が面に定着する
以前に雨が降った場合には、種子が吹付けた土壌と共に
流れてしまい所望の緑化が行えない。そこで、混合する
際に、これらに合わせて、糊材を添加することが行われ
ている。この糊材は、吹付け後に固化するため、種子を
吹付け土壌と共に面上に固定することができ、その後の
雨による流亡を防止することができる。
上に固定することができない。特に種子が面に定着する
以前に雨が降った場合には、種子が吹付けた土壌と共に
流れてしまい所望の緑化が行えない。そこで、混合する
際に、これらに合わせて、糊材を添加することが行われ
ている。この糊材は、吹付け後に固化するため、種子を
吹付け土壌と共に面上に固定することができ、その後の
雨による流亡を防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、糊材の固化に
は、数日を要し、吹付け後安定を得るまでには、数日を
要する。そこで、安定前に雨が降った場合には、吹付け
面全体が流亡してしまい、後日緑化吹付けの作業をやり
直さなければならないという問題点があった。
は、数日を要し、吹付け後安定を得るまでには、数日を
要する。そこで、安定前に雨が降った場合には、吹付け
面全体が流亡してしまい、後日緑化吹付けの作業をやり
直さなければならないという問題点があった。
【0006】さらに、従来の工法では、糊材として高分
子系の樹脂材が利用されている。この高分子系の樹脂
は、その硬化によって吹付け面を固定するものである
が、この硬化によって、表面が非常に固くなる。そし
て、実際の吹付け面からの植物の発芽状態を調査したと
ころ、樹脂の硬化によって、吹付け面に亀裂が生じ、こ
の亀裂から発芽していた。従って、大部分の表面からは
発芽がなく発芽率がかなり低くなっていることが分かっ
た。
子系の樹脂材が利用されている。この高分子系の樹脂
は、その硬化によって吹付け面を固定するものである
が、この硬化によって、表面が非常に固くなる。そし
て、実際の吹付け面からの植物の発芽状態を調査したと
ころ、樹脂の硬化によって、吹付け面に亀裂が生じ、こ
の亀裂から発芽していた。従って、大部分の表面からは
発芽がなく発芽率がかなり低くなっていることが分かっ
た。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、吹付け後すぐに安定し、かつ発芽率を高くするこ
とができる緑化吹付け資材およびこれを使用した緑化吹
付け方法を提供することを目的とする。
あり、吹付け後すぐに安定し、かつ発芽率を高くするこ
とができる緑化吹付け資材およびこれを使用した緑化吹
付け方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の緑化
吹付け資材は、植物の種子、土壌、水と混合した後、混
合物を地面上に散布し、散布地面を緑化するために使用
される緑化吹付け資材であって、フライアッシュ等の粒
状の無機材からなる焼却灰と、カルシウム化合物と、酸
性物質と、を含むことを特徴とする。
吹付け資材は、植物の種子、土壌、水と混合した後、混
合物を地面上に散布し、散布地面を緑化するために使用
される緑化吹付け資材であって、フライアッシュ等の粒
状の無機材からなる焼却灰と、カルシウム化合物と、酸
性物質と、を含むことを特徴とする。
【0009】フライアッシュ等の焼却灰は、ケイ素、ア
ルミニウム、カルシウム等の無機材からなり、焼却の際
に有機物が除去されるため、表面は多孔質になってい
る。そして、これを土壌、水等と混合した場合には、水
和反応等によって、エトリンガイト(3CaO・Al2
O3 ・3CaSO4 ・32H2 O)や、CSH(ケイ酸
カルシウム水和物)を生成し、これによって吹付け土壌
等を地面上に保持する。従って、吹付け作業の後、すぐ
に雨が降っても吹付け面の流亡は非常に少なく、地面の
緑化を効果的に行うことができる。特に、本発明では、
カルシウム化合物および酸性物質を添加しているため
に、上記反応におけるカルシウムを補充することがで
き、また酸性物質によって反応を促進することができ
る。
ルミニウム、カルシウム等の無機材からなり、焼却の際
に有機物が除去されるため、表面は多孔質になってい
る。そして、これを土壌、水等と混合した場合には、水
和反応等によって、エトリンガイト(3CaO・Al2
O3 ・3CaSO4 ・32H2 O)や、CSH(ケイ酸
カルシウム水和物)を生成し、これによって吹付け土壌
等を地面上に保持する。従って、吹付け作業の後、すぐ
に雨が降っても吹付け面の流亡は非常に少なく、地面の
緑化を効果的に行うことができる。特に、本発明では、
カルシウム化合物および酸性物質を添加しているため
に、上記反応におけるカルシウムを補充することがで
き、また酸性物質によって反応を促進することができ
る。
【0010】また、上記焼却灰は、フライアッシュまた
は製紙工程排出スラッジ焼却灰(PS灰)であることを
特徴とする。フライアッシュや製紙工程排出スラッジは
エトリンガイトの生成能力が高く、緑化吹付け資材の成
分として非常に好ましい。なお、製紙工程排出スラッジ
としては、塩素系の漂白処理を行っていないものである
必要がある。
は製紙工程排出スラッジ焼却灰(PS灰)であることを
特徴とする。フライアッシュや製紙工程排出スラッジは
エトリンガイトの生成能力が高く、緑化吹付け資材の成
分として非常に好ましい。なお、製紙工程排出スラッジ
としては、塩素系の漂白処理を行っていないものである
必要がある。
【0011】また、上記カルシウム化合物は、硫酸カル
シウムであることを特徴とする。硫酸カルシウムを利用
することによって、カルシウムを補充できると共に、酸
性を維持することができる。また、硫酸カルシウム自体
も固化能力があるため、固化反応を促進できる。
シウムであることを特徴とする。硫酸カルシウムを利用
することによって、カルシウムを補充できると共に、酸
性を維持することができる。また、硫酸カルシウム自体
も固化能力があるため、固化反応を促進できる。
【0012】また、上記酸性物質は、硫酸アルミニウム
であることを特徴とする。硫酸アルミニウムによって、
酸性を維持するだけでなく、凝集固化を促進することが
できる。
であることを特徴とする。硫酸アルミニウムによって、
酸性を維持するだけでなく、凝集固化を促進することが
できる。
【0013】また、本発明は、種子、土壌、水および上
述のような緑化吹付け資材を混合した後、この混合物を
地面上に散布し、散布地面を緑化することを特徴とす
る。
述のような緑化吹付け資材を混合した後、この混合物を
地面上に散布し、散布地面を緑化することを特徴とす
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明では、まず緑化吹付け資材と、種子、客土用の土、
バーク堆肥、化成肥料とを混合する。この混合は、タン
ク内にこれらを投入すると共に、適量の水を添加して、
機械攪拌することのよって行う。そして、混合終了後、
ポンプにより、混合物を緑化対象地面上に散布する。吹
付け混合物の厚みは、1cm程度とする。
発明では、まず緑化吹付け資材と、種子、客土用の土、
バーク堆肥、化成肥料とを混合する。この混合は、タン
ク内にこれらを投入すると共に、適量の水を添加して、
機械攪拌することのよって行う。そして、混合終了後、
ポンプにより、混合物を緑化対象地面上に散布する。吹
付け混合物の厚みは、1cm程度とする。
【0015】[緑化吹付け資材の成分]緑化吹付け資材
は、硫酸アルミニウム5〜30重量部、カルシウム塩
(硫酸カルシウム)10〜50重量部、アルカリ金属炭
酸塩(炭酸カリウム)0.1〜10重量部、シリカ(酸
化ケイ素)またはシリカヒューム(アモルファス酸化ケ
イ素)10〜20重量部からなるアルミ配合物と、フラ
イアッシュまたは製紙パルプ焼却灰(PS灰)40〜9
0重量部とポルトランドセメント10〜60重量部から
なるシリカ配合物とを混合したものである。そして、緑
化吹付け資材は、アルミ配合物10〜30重量部に対
し、シリカ配合物80〜90重量部を混合して得る。な
お、アルミ配合物に酸化チタンを添加してもよい。
は、硫酸アルミニウム5〜30重量部、カルシウム塩
(硫酸カルシウム)10〜50重量部、アルカリ金属炭
酸塩(炭酸カリウム)0.1〜10重量部、シリカ(酸
化ケイ素)またはシリカヒューム(アモルファス酸化ケ
イ素)10〜20重量部からなるアルミ配合物と、フラ
イアッシュまたは製紙パルプ焼却灰(PS灰)40〜9
0重量部とポルトランドセメント10〜60重量部から
なるシリカ配合物とを混合したものである。そして、緑
化吹付け資材は、アルミ配合物10〜30重量部に対
し、シリカ配合物80〜90重量部を混合して得る。な
お、アルミ配合物に酸化チタンを添加してもよい。
【0016】[反応]地面に対して、散布されると、本
発明の緑化吹付け資材においては、フライアッシュまた
は製紙パルプ灰は、その多孔質(ポーラス)の表面によ
って土壌中の水分を急速に吸収すると共に、それ自体に
含有する石膏成分、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等に
よって、固化を開始する。
発明の緑化吹付け資材においては、フライアッシュまた
は製紙パルプ灰は、その多孔質(ポーラス)の表面によ
って土壌中の水分を急速に吸収すると共に、それ自体に
含有する石膏成分、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等に
よって、固化を開始する。
【0017】また、添加されているカルシウム塩(硫酸
カルシウム)はフライアッシュ等の固化反応を一層促進
する。さらに、シリカ系成分も硬化成分の不足を補う
が、網目状のエトリンガイトおよびケイ酸カルシウム水
和物(CSH)の生成に寄与する。
カルシウム)はフライアッシュ等の固化反応を一層促進
する。さらに、シリカ系成分も硬化成分の不足を補う
が、網目状のエトリンガイトおよびケイ酸カルシウム水
和物(CSH)の生成に寄与する。
【0018】エトリンガイトは、3CaO・Al2 O3
・3CaSO4 ・32H2 Oという化学構造を有してお
り、その生成に当たって水和反応により、水を消費す
る。また、CSHの生成によっても水が消費される。こ
の際に、混合されている土壌等や地面側の土も若干取り
込まれるため、網目状のエトリンガイトが地面上にしっ
かりと固定され、雨が降っても吹付けられた種子等が流
れさることがない。
・3CaSO4 ・32H2 Oという化学構造を有してお
り、その生成に当たって水和反応により、水を消費す
る。また、CSHの生成によっても水が消費される。こ
の際に、混合されている土壌等や地面側の土も若干取り
込まれるため、網目状のエトリンガイトが地面上にしっ
かりと固定され、雨が降っても吹付けられた種子等が流
れさることがない。
【0019】さらに、シリカヒュームを用いると、この
シリカヒュームは、アモルファス構造を有しているた
め、この結晶化により反応が促進される。また、セメン
トとの相互反応により、シリカ質の強硬度結晶体が生成
され、地面への固着を強固なものにできる。
シリカヒュームは、アモルファス構造を有しているた
め、この結晶化により反応が促進される。また、セメン
トとの相互反応により、シリカ質の強硬度結晶体が生成
され、地面への固着を強固なものにできる。
【0020】硫酸アルミニウムに加水分解して水酸化ア
ルミニウムの重縮合イオンを生成し、これが高分子構造
(網目構造)となるため、土壌粒子等が吸着される。さ
らに、硫酸アルミニウムは酸性物質であるため、緑化す
る地面のアルカリ化を防止できる。
ルミニウムの重縮合イオンを生成し、これが高分子構造
(網目構造)となるため、土壌粒子等が吸着される。さ
らに、硫酸アルミニウムは酸性物質であるため、緑化す
る地面のアルカリ化を防止できる。
【0021】アルカリ炭酸塩は、アッシュ成分の一部を
なすシリカ質などから反応性イオンSi4+,Al3+の溶
出を促進して、固化を促進できる。セメントも固化を促
進する。
なすシリカ質などから反応性イオンSi4+,Al3+の溶
出を促進して、固化を促進できる。セメントも固化を促
進する。
【0022】各種物質が複雑に関係しあって、種々の固
化反応を土壌等を取り込みながら起こる。このため、網
目状の組織が種子、土壌などを保持しながら、緑化地面
上にしっかりと固定される。そこで、雨が降っても、種
子などが流れ去ってしまうことがない。
化反応を土壌等を取り込みながら起こる。このため、網
目状の組織が種子、土壌などを保持しながら、緑化地面
上にしっかりと固定される。そこで、雨が降っても、種
子などが流れ去ってしまうことがない。
【0023】[実験例]本発明の緑化工法によって、各
種の緑化を行ったところ、非常に効果的に緑化が行われ
た。例えば、施工終了後、1時間程度経過した場合、通
常の雨では吹付けられた客土が一切流亡しなかった。
種の緑化を行ったところ、非常に効果的に緑化が行われ
た。例えば、施工終了後、1時間程度経過した場合、通
常の雨では吹付けられた客土が一切流亡しなかった。
【0024】また、本発明の吹付け客土は、網目構造に
なっているため、吹付け全面から発芽が得られ、効果的
な緑化が行われた。
なっているため、吹付け全面から発芽が得られ、効果的
な緑化が行われた。
【0025】さらに、固着力が非常につよいため、従来
の吹付けの際に使用していたラス網が不要となった。例
えば、雲仙普賢岳近くの火山灰の盛土(傾斜30度)に
対し、ラス網なしの吹付けを行い一切流れ落ちないこと
が確認された。
の吹付けの際に使用していたラス網が不要となった。例
えば、雲仙普賢岳近くの火山灰の盛土(傾斜30度)に
対し、ラス網なしの吹付けを行い一切流れ落ちないこと
が確認された。
【0026】また、札幌藻岩ダムにおいては、水際吹付
けを本発明の緑化吹付けによって行った。この吹付け
は、「イヌスギナ」の根を細断し、種子の代わりに吹付
けた。これによって、水位の高低によって露出、水没を
繰り返す場所に水棲植物である「イヌスギナ」を植え付
けることができた。
けを本発明の緑化吹付けによって行った。この吹付け
は、「イヌスギナ」の根を細断し、種子の代わりに吹付
けた。これによって、水位の高低によって露出、水没を
繰り返す場所に水棲植物である「イヌスギナ」を植え付
けることができた。
【0027】さらに、北海道において、本発明の緑化を
行ったところ、雪解け後においても緑化を維持すること
ができた。ここで、従来の高分子の糊材を含有した緑化
資材によって緑化を行った現場では、高分子系の樹脂が
雪の下で一冬を経過する間に凍結し、雪解けと共にそれ
ら高分子剤の凍上劣化によってサラサラの土壌に戻って
しまい、雪解けの水に流されて施工前の状態に戻ってし
まうという問題があった。本発明では、このような欠点
が克服され、雪解け後の面の施工時のままの状態を維持
できることが確認された。
行ったところ、雪解け後においても緑化を維持すること
ができた。ここで、従来の高分子の糊材を含有した緑化
資材によって緑化を行った現場では、高分子系の樹脂が
雪の下で一冬を経過する間に凍結し、雪解けと共にそれ
ら高分子剤の凍上劣化によってサラサラの土壌に戻って
しまい、雪解けの水に流されて施工前の状態に戻ってし
まうという問題があった。本発明では、このような欠点
が克服され、雪解け後の面の施工時のままの状態を維持
できることが確認された。
【0028】また、本発明による緑化吹付けの面の形成
は、土粒子そのものを巻き込んだ水和反応によって、エ
トリンガイトおよびCSH等の鉱物質硬化反応水和物を
作り上げることに起因している。この新たに作られた生
成物は、微細土粒子そのものを核として形成された鉱物
質団粒化である。そこで、団粒化された鉱物質はその能
力一杯の水を保持する。この保水効果が発芽を促進さ
せ、さらにその後の雨を長時間保持することによって、
植物の成長を助け、いつも青々とした緑化面を維持する
ことができる。
は、土粒子そのものを巻き込んだ水和反応によって、エ
トリンガイトおよびCSH等の鉱物質硬化反応水和物を
作り上げることに起因している。この新たに作られた生
成物は、微細土粒子そのものを核として形成された鉱物
質団粒化である。そこで、団粒化された鉱物質はその能
力一杯の水を保持する。この保水効果が発芽を促進さ
せ、さらにその後の雨を長時間保持することによって、
植物の成長を助け、いつも青々とした緑化面を維持する
ことができる。
【0029】また、これら鉱物質生成物は蔦が絡み合う
ように生成されるため、ミクロ的には施工面に微細なネ
ットの層が何層にも重なり合うような状態になる。この
ため、土壌の通気性が何時までも保たれ、水と空気とい
う植物が必要とする条件を常に保つことができる。
ように生成されるため、ミクロ的には施工面に微細なネ
ットの層が何層にも重なり合うような状態になる。この
ため、土壌の通気性が何時までも保たれ、水と空気とい
う植物が必要とする条件を常に保つことができる。
【0030】さらに、施工時にはバーク堆肥などの肥料
を一緒に混合されて吹付けられ、これが団粒化した大き
な粒子中に取り込まれるため肥料そのものの保持力が非
常に大きくなる。さらに、通気性がよいため、透水性も
よく、つねに適度の水分を保持し、通気性と透水性に優
れたた施工面を実現することができる。
を一緒に混合されて吹付けられ、これが団粒化した大き
な粒子中に取り込まれるため肥料そのものの保持力が非
常に大きくなる。さらに、通気性がよいため、透水性も
よく、つねに適度の水分を保持し、通気性と透水性に優
れたた施工面を実現することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る緑化
吹付け資材によれば、フライアッシュ等の焼却灰が、土
壌、水等と混合した場合には、水和反応等によって、エ
トリンガイト(3CaO・Al2 O3 ・3CaSO4 ・
32H2 O)や、CSH(ケイ酸カルシウム水和物)を
生成し、これによって吹付け土壌等を地面上に保持す
る。従って、吹付け作業の後、すぐに雨が降っても吹付
け面の流亡は非常に少なく、地面の緑化を効果的に行う
ことができる。特に、本発明では、カルシウム化合物お
よび酸性物質を添加しているために、上記反応における
カルシウムを補充することができ、また酸性物質によっ
て反応を促進することができる。
吹付け資材によれば、フライアッシュ等の焼却灰が、土
壌、水等と混合した場合には、水和反応等によって、エ
トリンガイト(3CaO・Al2 O3 ・3CaSO4 ・
32H2 O)や、CSH(ケイ酸カルシウム水和物)を
生成し、これによって吹付け土壌等を地面上に保持す
る。従って、吹付け作業の後、すぐに雨が降っても吹付
け面の流亡は非常に少なく、地面の緑化を効果的に行う
ことができる。特に、本発明では、カルシウム化合物お
よび酸性物質を添加しているために、上記反応における
カルシウムを補充することができ、また酸性物質によっ
て反応を促進することができる。
【0032】また、フライアッシュや製紙工程排出スラ
ッジはエトリンガイトの生成能力が高く、緑化吹付け資
材の成分として非常に好ましい。
ッジはエトリンガイトの生成能力が高く、緑化吹付け資
材の成分として非常に好ましい。
【0033】また、硫酸カルシウムを利用することによ
って、カルシウムを補充できると共に、酸性を維持する
ことができる。また、硫酸カルシウム自体も固化能力が
あるため、固化反応を促進できる。
って、カルシウムを補充できると共に、酸性を維持する
ことができる。また、硫酸カルシウム自体も固化能力が
あるため、固化反応を促進できる。
【0034】また、硫酸アルミニウムによって、酸性を
維持するだけでなく、凝集固化を促進することができ
る。
維持するだけでなく、凝集固化を促進することができ
る。
【0035】また、種子、土壌、水および上述のような
緑化吹付け資材を混合した後、この混合物を地面上に散
布し、散布地面を効果的に緑化することができる。
緑化吹付け資材を混合した後、この混合物を地面上に散
布し、散布地面を効果的に緑化することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 植物の種子、土壌、水と混合した後、混
合物を地面上に散布し、散布地面を緑化するために使用
される緑化吹付け資材であって、 フライアッシュ等の粒状の無機材からなる焼却灰と、 カルシウム化合物と、 酸性物質と、 を含むことを特徴とする緑化吹付け資材。 - 【請求項2】 請求項1に記載の緑化吹付け資材におい
て、 上記焼却灰は、フライアッシュまたは製紙工程排出スラ
ッジ焼却灰(PS灰)であることを特徴とする緑化吹付
け資材。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の緑化吹付け資
材において、 上記カルシウム化合物は、硫酸カルシウムであることを
特徴とする緑化吹付け資材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の緑化吹
付け資材において、上記酸性物質は、硫酸アルミニウム
であることを特徴とする緑化吹付け資材。 - 【請求項5】 植物の種子、土壌、水および緑化吹付け
資材を混合した後、この混合物を地面上に散布し、散布
地面を緑化する緑化吹付け方法であって、上記緑化吹付
け資材に上記請求項1〜4のいずれかに記載された緑化
吹付け資材を使用することを特徴とする緑化吹付け方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06105704A JP3073392B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-19 | 緑化吹付け資材および緑化吹付け方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10009794 | 1994-05-13 | ||
JP6-100097 | 1994-05-13 | ||
JP06105704A JP3073392B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-19 | 緑化吹付け資材および緑化吹付け方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0823766A true JPH0823766A (ja) | 1996-01-30 |
JP3073392B2 JP3073392B2 (ja) | 2000-08-07 |
Family
ID=26441185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06105704A Expired - Lifetime JP3073392B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-19 | 緑化吹付け資材および緑化吹付け方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3073392B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003096452A (ja) * | 2001-07-19 | 2003-04-03 | Soruteko Kk | 産業廃棄物を主材とした土壌用組成物 |
CN1301309C (zh) * | 2005-08-26 | 2007-02-21 | 四川大学 | 边坡人工土壤改良剂 |
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1994
- 1994-05-19 JP JP06105704A patent/JP3073392B2/ja not_active Expired - Lifetime
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