JPH08235804A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁界変調記録方式による高転送レート信号の
記録を可能とする。 【構成】 磁気ヘッド９が組み込まれたスライダー７を
弾性保持してなるロードビーム２にディスク装着位置側
に突出しかつビーム支持側からビーム反支持側に向かっ
て延在するガイド壁５，６を設けた。このため、ディス
ク装着位置における光磁気ディスクＤの回転によって発
生する空気流Ａがガイド壁５，６に沿ってビーム反支持
側に導かれ、磁気ヘッド９およびスライダー７を冷却す
ることができるから、従来のようにヘッドコア１０が高
温にならず、磁気ヘッド９の性能改善によって記録効率
の低下発生を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば光磁気ディスク
に対して情報信号の記録・再生を行う磁界変調オーバラ
イト方式の光磁気ディスク装置に使用して好適な磁気ヘ
ッド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、コンピュータ等のデータを保存す
る手段として、データ保存容量が大きいこと，アクセス
が高速であることおよび可搬性にすぐれていること等の
利点をもつことから、光磁気ディスクを記録媒体とした
記録再生装置が使用されるようになっている。

【０００３】現在まで、この種の記録再生装置は、光変
調記録方式あるいは磁界変調記録方式の２種類の記録方
式によるものが実用化されている。

【０００４】このうち磁界変調記録方式による記録再生
装置においては、レーザー光によって磁気記録材料を加
熱したところに情報信号に応じて磁気コイルの磁界方向
を反転させ、磁気記録材料の磁界方向を変えることによ
り情報が記録されるもので、オーバライトが可能である
ことおよびディスク構造が簡単になること等の特長があ
る。

【０００５】ところで、この種の記録再生装置において
は、磁気コイルに情報信号の周波数に比例した周波数を
もつ電流が供給される。

【０００６】この場合、磁気コイルのインピーダンスが
高いと、磁気コイルの周波数特性が悪くなるため、磁気
コイルの巻数を少なくしてインピーダンスを小さくする
ことが必要とされる。

【０００７】しかし、このような記録再生装置において
は、記録に十分な磁束を得るために磁気コイルに比較的
大きな電流を供給すると、磁気コイルの発熱によって温
度が上昇し、記録効率が低下するという問題がある。

【０００８】このため、ディスク装着位置における光磁
気ディスクに磁気コイルをできるだけ接近させることに
より、磁気コイルに発生する補助磁界が小さくても記録
を可能にする記録再生装置が検討されている。

【０００９】これは、磁気コイルにおいて発生する磁界
が小さくても記録可能であれば、磁気コイルに供給する
電流が小さくて済むため、磁気コイルの発熱を抑制して
記録効率の低下発生を防止し得ると考えられるからであ
る。

【００１０】従来、この種の記録再生装置には、ロード
ビームの先端部に弾性保持されディスク装着位置におけ
る光磁気ディスクの記録面に対応するスライダーと、こ
のスライダーに取り付けられヘッドコアおよび磁気コイ
ルを有するフライング型の磁気ヘッドとを有する磁気ヘ
ッド装置を備えたものが採用されている。

【００１１】このような記録再生装置の磁気ヘッド装置
においては、光磁気ディスクの回転に伴い発生する空気
流を受けてスライダーが光磁気ディスクから１０μｍ程
度浮上する。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の磁気
ヘッド装置においては、スライダーの光磁気ディスクへ
の接触による摩耗を抑える必要から、スライダーに高耐
摩耗性を有する例えばチタン酸カリウム等のセラミック
材が使用されており、このためスライダーの熱伝導性が
比較的悪く（セラミック材の熱伝導率は０．２〜０．３
Ｊ／ｃｍ・ｓ・Ｋ程度である）、電流供給によって磁気
コイルで発生した熱がヘッドコアに蓄積されていた。

【００１３】この結果、ヘッドコアが温度上昇して高温
になると、ヘッドコアの磁気特性低下による磁気ヘッド
の性能劣化によって記録効率が低下し、磁界変調記録方
式によって映像信号等の高転送レート信号を記録するこ
とができないという不都合があった。

【００１４】なお、ヘッドコアの温度がキュリー点を越
えると、磁束が全く発生せず、記録不可能となることが
ある。

【００１５】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、磁気ヘッドの性能改善によって記録効率の低下
発生を防止することができ、もって磁界変調記録方式に
よって高転送レート信号を記録することができる磁気ヘ
ッド装置を提供するものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ヘッド
装置は、ディスク装着位置におけるディスクが回転する
ことにより発生する空気流を受けて浮上するスライダー
を弾性保持してなるロードビームに、ディスク装着位置
側に突出しかつビーム支持側からビーム反支持側に向か
って延在するガイド壁を設けたものである。

【００１７】

【作用】本発明においては、ディスク装着位置における
ディスクの回転によって発生する空気流がガイド壁に沿
ってビーム反支持側に導かれる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の構成等を図に示す実施例によ
って詳細に説明する。

【００１９】図１は本発明に係る磁気ヘッド装置の一実
施例を示す斜視図、図２（Ａ）および（Ｂ）は同じく本
発明に係る磁気ヘッドの一実施例を示す平面図と側面図
である。

【００２０】同図において、符号１で示すものはディス
ク装着位置における光磁気ディスクＤの径方向に進退す
るヘッドキャリッジで、リニアモータ（図示せず）の可
動体（図示せず）に取り付けられている。

【００２１】２は後述するスライダーをそのビーム一端
部に弾性保持してなるロードビームで、前記ヘッドキャ
リッジ１にビーム他端部をベース３に接着させスペーサ
ブロック４を介して片持ち支持されており、全体がビー
ム支持端部からビーム自由端部に向かって狭小となるよ
うな幅方向寸法をもつ平面視略台形状の板ばねによって
形成されている。

【００２２】このロードビーム２の両側縁一部には、デ
ィスク装着位置側に突出するビーム補強兼用のガイド壁
５，６が一体に折り曲げ形成されている。

【００２３】これら各ガイド壁５，６は、ビーム支持端
部側からビーム反支持端部（ビーム自由端部）側に向か
って延在し各高さ方向寸法が互いに異なる大ガイド部５
ａ，５ｂと小ガイド部６ａ，６ｂによって形成されてい
る。

【００２４】７はディスク装着位置における光磁気ディ
スクＤの記録面に対向するスライダーで、前記ロードビ
ーム２のビーム自由端部に断面視略コ字状のフレクシャ
８を介して弾性保持されている。

【００２５】９はヘッドコア１０および磁気コイル１１
を有する磁気ヘッドで、前記スライダー７に組み込まれ
ており、磁界を発生し得るように構成されている。

【００２６】この磁気ヘッド９のヘッドコア１０は、前
記スライダー７の片側端縁であって前記ロードビーム２
の支持側端縁にガラス融着されており、全体がディスク
装着位置側に開口する断面視略コ字状のフェライト材に
よって形成されている。

【００２７】一方、この磁気ヘッド９の磁気コイル１１
は、前記ヘッドコア１０の反コア取付側端部に巻回され
ている。

【００２８】また、１２は前記スペーサブロック４に前
記ベース３および前記ロードビーム２を固定するための
取付ねじである。

【００２９】なお、図中符号Ａはディスク装着位置にお
ける光磁気ディスクＤの回転によって発生する空気流で
ある。

【００３０】このように構成された磁気ヘッド装置にお
いては、ディスク装着位置における光磁気ディスクＤの
回転によって発生する空気流Ａが図２（Ａ）に矢印で示
すようにガイド壁５，６に突き当たり（ガイド壁６によ
る場合のみ図示）、このガイド壁５，６に沿ってビーム
反支持側に導かれ、磁気ヘッド９およびスライダー７を
冷却することができる。

【００３１】したがって、本実施例においては、従来の
ように磁気コイル１１の発熱によってヘッドコア１０が
高温にならないから、ヘッドコア１０の磁気特性を高め
ることができ、磁気ヘッド９の性能改善によって記録効
率の低下発生を防止することができる。

【００３２】また、本実施例においては、ガイド壁５，
６が空気流Ａをスライダー側に導く機能とロードビーム
２を補強する機能を併せもつから、ロードビーム２の形
状が簡素化され、コストの低廉化を図ることができる。

【００３３】なお、本実施例においては、ロードビーム
２の両側縁にガイド壁５，６を折り曲げ形成する例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図３
に示すようにロードビーム２１の一方側側縁であって空
気流Ａの下流側側縁にガイド壁２２を折り曲げ形成する
ものあるいは空気流Ａの上流側側縁にガイド壁（図示せ
ず）を折り曲げ形成してもよい。

【００３４】同図において、ロードビーム２１の他方側
側縁には、ディスク装着位置と反対側に突出するビーム
補強用の立ち上がり片２３が折り曲げ形成されている。

【００３５】また、本実施例においては、ロードビーム
２の両側縁に折り曲げることによりガイド壁５，６を設
ける例を示したが、本発明は図４に示すようにロードビ
ーム３１のスライダー側端部に切り起こすことによりガ
イド壁３２を設けても差し支えない。

【００３６】同図において、ロードビーム３１の両側縁
には、ディスク装着位置と反対側に突出するビーム補強
用の立ち上がり片３３，３４が折り曲げ形成されてい
る。

【００３７】この場合、ガイド壁（図示せず）をビーム
一方側側縁のみならずビーム他方側側縁に接近する部位
に切り起こし形成してもよいことは勿論である。

【００３８】さらに、本実施例においては、ロードビー
ム２がビーム延在方向に進退する磁気ヘッド装置に適用
する例を示したが、本発明は図５に示すようにロードビ
ーム４１がビーム延在方向と直角な方向（矢印Ｂ方向）
に進退する磁気ヘッド装置に適用してもよく、この場合
ディスク装着位置における光磁気ディスクＤの最内周の
みならず最外周にスライダー７が位置する時にもガイド
壁４２，４３のうち一方のガイド壁４３が光磁気ディス
クＤの記録面に対応することになり、このガイド壁４３
に沿って空気流がスライダー７に導かれる。

【００３９】この他、本実施例においては、光磁気ディ
スク装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限定
適用されず、磁気ディスク装置にも実施例と同様に適用
可能である。

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ロ
ードビームにディスク装着位置側に突出しかつビーム支
持側からビーム反支持側に向かって延在するガイド壁を
設けたので、ディスク装着位置におけるディスクの回転
によって発生する空気流がガイド壁に沿ってビーム反支
持側に導かれ、磁気ヘッドおよびスライダーを冷却する
ことができる。

【００４１】したがって、従来のように磁気コイルの発
熱によってヘッドコアが高温にならないから、ヘッドコ
アの磁気特性を高めることができ、磁気ヘッドの性能改
善によって記録効率の低下発生を防止し、磁界変調記録
方式によって映像信号等の高転送レート信号を記録する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る磁気ヘッド装置の一実施例を示す
斜視図。

【図２】（Ａ）および（Ｂ）は同じく本発明に係る磁気
ヘッドの一実施例を示す平面図と側面図。

【図３】他の第２実施例を示す平面図。

【図４】他の第３実施例を示す平面図。

【図５】他の第４実施例を示す平面図。

【符号の説明】

１…ヘッドキャリッジ ２…ロードビーム ５，６…ガイド壁 ７…スライダー ９…磁気ヘッド １０…ヘッドコア １１…磁気コイル Ｄ…光磁気ディスク Ａ…空気流

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドキャリッジに片持ち支持されディ
   スク装着位置におけるディスクの径方向に進退するロー
   ドビームと、 このロードビームの反支持側端部に弾性保持され前記デ
   ィスクが回転することにより発生する空気流を受けて浮
   上するスライダーと、 このスライダーに取り付けられヘッドコアおよび磁気コ
   イルを有する磁気ヘッドとを備えた磁気ヘッド装置にお
   いて、 前記ロードビームにディスク装着位置側に突出しかつビ
   ーム支持側からビーム反支持側に向かって延在するガイ
   ド壁を設けたことを特徴とする磁気ヘッド装置。
2. 【請求項２】 前記ロードビームの両側縁のうち少なく
   とも一方の側縁に前記ガイド壁を折り曲げ形成してなる
   ことを特徴とする請求項１記載の磁気ヘッド装置。
3. 【請求項３】 前記ロードビームに前記ガイド壁を切り
   起こし形成してなることを特徴とする請求項１記載の磁
   気ヘッド装置。