JPH08232801A - 内燃機関用燃料噴射弁 - Google Patents

内燃機関用燃料噴射弁

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JPH08232801A
JPH08232801A JP3371795A JP3371795A JPH08232801A JP H08232801 A JPH08232801 A JP H08232801A JP 3371795 A JP3371795 A JP 3371795A JP 3371795 A JP3371795 A JP 3371795A JP H08232801 A JPH08232801 A JP H08232801A
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JP
Japan
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iron core
fuel
valve
fuel injection
movable iron
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Application number
JP3371795A
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English (en)
Inventor
Nobuo Ota
信男 太田
Ryoichi Tada
亮一 多田
Taishin Tani
谷  泰臣
Chishirou Sugimoto
知士郎 杉本
Kenji Okubo
謙二 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射弁の内部通路内に発生する燃料蒸気
の気泡を燃料噴射弁の外部に積極的に逃がす構造をもつ
内燃機関用燃料噴射弁を提供する。 【構成】 バルブボディの弁座に当接と離間とを繰り返
し弁開閉を行うニードル25は、その頭部259の端面
254にニードル軸と同心上の円錐状突起255を有
し、側面に二面幅の平坦面253を有する。可動鉄心2
2は、円筒部221の内壁がニードル25の頭部259
に溶接により接合され、その内周壁面に円錐状の斜面2
24を有する。これにより、可動鉄心22とニードル2
5間の燃料通路の面積変化率をほぼ一様にしたため、エ
ンジン停止時、エンジン側からの受熱により弁座側で沸
騰によって発生した気泡は、磁性パイプ23内の通路7
1、72、73、74、75、スプリング収容室76内
をスムーズに滞ることなしに上方に比重の関係でフィル
タ側へ移動し、燃料噴射弁の外部に排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用燃料噴射装
置に関するもので、例えば自動車用の内燃機関へ燃料を
噴射して供給する電磁式燃料噴射弁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関(「以下、「エンジ
ン」と称する)に用いられる電磁式燃料噴射弁は、弁本
体の軸方向に形成される案内孔に弁部材を往復摺動可能
に収納し、弁本体の先端部に開口する噴孔を弁部材の上
下動により開閉する。このため、弁部材は、適正な燃料
噴射量を確保するように開弁時のリフト量が精密に制御
されている。
【0003】従来例として、特開平1−130054号
公報に開示されるエンジン用燃料噴射弁においては、ト
ップフィードタイプの燃料供給通路をもっている。ホル
ダの入口孔に入った燃料は、ホルダ内のアジャスティン
グパイプ内通路、スプリング収容室、可動コア内通路及
び弁本体内の案内孔を経由して、弁本体内の弁開時に噴
孔から噴射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなエンジン用
燃料噴射弁は、通常、その噴射ノズル部がエンジンヘッ
ド内の吸気通路内に臨むように、弁本体がエンジンヘッ
ドの外壁に取り付けられている。エンジンヘッドに取り
付けられた燃料噴射弁は、噴孔よりも入口孔が相対的に
天方向に位置するように、燃料噴射弁の軸方向が傾斜し
て取り付けられている。
【0005】そして、このような従来のエンジン用燃料
噴射弁のもつ内部通路の構造では、エンジンが高温環境
にさらされた場合、エンジン側から熱が燃料噴射弁に伝
達することで燃料噴射弁の内部通路内の燃料が沸騰する
ことがある。このような燃料噴射弁の内部の燃料が沸騰
すると、燃料噴射弁の内部通路内の気泡が膨張し、この
気泡がそれ以上内部通路を上方に浮上できないことがあ
り、その場合には、この気泡によって燃料噴射弁の内部
通路が遮断されることがある。
【0006】例えば長時間運転を継続したエンジンを停
止した後に高温のエンジンを再始動するような場合、燃
料噴射弁の内部通路内に発生した燃料ベーパの気泡燃料
と液体燃料の混合状態が弁開閉動作時に内部通路内の燃
料の流通を妨げることとになり、エンジンが要求する燃
料量を十分に供給できないため、エンジンのラフアイド
ルやストールを生じたり不安定なアイドリング運転状態
となることがある。
【0007】本発明の目的は、燃料噴射弁の内部通路内
に発生する燃料蒸気の気泡を燃料噴射弁の外部に積極的
に逃がす構造をもつエンジン用燃料噴射弁を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、エンジンの高温再始動
時にエンジンが要求する所望の燃料量を供給可能なエン
ジン用燃料噴射弁を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、エンジンの高
温再始動時に所望の燃料量を確保して、エンジンのラフ
アイドリング状態やエンジンストールを防止するエンジ
ン用燃料噴射弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
内燃機関用燃料噴射弁は、噴孔、この噴孔に連なる弁
座、及び、この弁座の入口側に形成される案内孔を有す
る弁本体と、前記案内孔に往復動可能に案内され、一端
側に前記弁座に当接可能な当接部を有し他端側に平坦面
をもつ頭部を有し、前記弁座から離間可能な弁部材と、
内部に燃料通路を有し、その内周壁が前記頭部に固定さ
れる磁性材からなる筒状の可動鉄心と、この可動鉄心の
燃料入口側に隙間を介して設けられ、内部に燃料通路を
有する磁性材からなる筒状の固定鉄心と、前記弁座に前
記当接部を当接する方向に前記可動鉄心を付勢する付勢
手段と、前記可動鉄心と前記固定鉄心の外周部に設けら
れ、通電により励磁されて前記可動鉄心を前記固定鉄心
側に吸引する電磁吸引力を発生する電磁コイルとを備
え、前記弁部材の頭部の外壁から前記可動鉄心の内壁と
により区画形成される燃料通路において、前記可動鉄心
の燃料入口側から燃料出口側までの燃料通路面積変化率
をほぼ一様にしたことを特徴とする構成を採用する。
【0010】本発明の請求項2記載の内燃機関用燃料噴
射弁は、前記構成において、前記弁部材の頭部は、その
端面にニードル軸と同心上の円錐状突起を有することを
特徴とする。本発明の請求項3記載の内燃機関用燃料噴
射弁は、前記構成において、前記可動鉄心は、その内周
壁面に円錐状の斜面を有することを特徴とする。
【0011】本発明の請求項4記載の内燃機関用燃料噴
射弁は、前記構成において、前記可動鉄心は、内部に前
記付勢手段の一端を当接する当接部を有することを特徴
とする。
【0012】
【作用および発明の効果】請求項1記載の内燃機関用燃
料噴射弁によると、燃料噴射弁内部の燃料通路の面積変
化について、可動鉄心と弁部材間の通路面積変化率をほ
ぼ一様にしたため、可動鉄心の噴孔側で発生した気泡が
燃料噴射弁の内部通路内をスムーズに上方に浮上するこ
とにより燃料噴射弁の外部に排出される。従って、エン
ジンの高温再始動時にも燃料噴射弁の内部を燃料の流通
が円滑に行われるので、弁開閉に伴い噴孔から燃料を適
正量だけ噴射することができ、エンジン始動を確実に行
い、その後のアイドリング状態を安定に保つ。
【0013】請求項2記載の内燃機関用燃料噴射弁によ
ると、弁部材の頭部の端面に弁軸と同心上の円錐状突起
を有することによって、可動鉄心の内壁と弁部材の頭部
外壁とで区画形成される燃料通路面積の面積率変化が一
様になるため、燃料ベーパの流通がしやすくなる。請求
項3記載の内燃機関用燃料噴射弁によると、可動鉄心の
内周壁面に円錐状の斜面を有することによって、さら
に、可動鉄心の内壁と弁部材の頭部外壁とで区画形成さ
れる燃料通路面積の面積率変化が一様になるため、燃料
ベーパの流通がしやすくなる。
【0014】請求項4記載の内燃機関用燃料噴射弁によ
ると、可動鉄心の内部に付勢手段の一端を当接する当接
部を有するため、付勢手段をコンパクトに燃料噴射弁内
に収容することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明をガソリン機関用燃料供給装置の
燃料噴射弁に適用した一実施例を図1と図2に示す。
【0016】まず、エンジン用燃料噴射装置としての燃
料噴射弁を図2に基づいて説明する。図2に示すよう
に、燃料噴射弁10の樹脂製のハウジングモールド11
の内部に、固定鉄心21とスプール91と電磁コイル3
2とコイルモールド31と磁路としての金属プレート9
3、94とが一体成形されている。固定鉄心21は強磁
性材料からなり、コイルモールド31の上方から突出す
るようにハウジングモールド11内に設けられている。
固定鉄心21の内壁にはアジャスティングパイプ29が
固定されている。
【0017】樹脂製のスプール91の外周に電磁コイル
32が巻かれ、その後にスプール91と電磁コイル32
との外周にコイルモールド31が樹脂成形され、コイル
モールド31により電磁コイル32が包囲されている。
コイルモールド31は、電磁コイル32を保護する円筒
状の筒状部31aと、電磁コイル32から電気的に導出
されるリード線を保護するとともに、後述するターミナ
ル34を保持するために筒状部31aから上方に突き出
す突出部31bとからなる。そして、コイルモールド3
1により一体化された状態で固定鉄心21の外周にスプ
ール91と電磁コイル32とが装着される。
【0018】2枚の金属プレート93と94は上方の一
端が固定鉄心21の外周に接し、下方の他端が磁性パイ
プ23の外周に接するように設けられ、電磁コイル32
への通電時の磁束を通す磁路を形成する部材であり、両
側から筒状部31aを挟持するように筒状部31aの外
周に被覆されている。この2枚の金属プレート93と9
4により電磁コイル32が保護されている。
【0019】ハウジングモールド11の上方にはハウジ
ングモールド11の外壁から突出するようにコネクタ部
11aが設けられている。そして、電磁コイル32に電
気的に接続されるターミナル34がコネクタ部11aお
よびコイルモールド31に埋設される。また、ターミナ
ル34は図示しない電子制御装置にワイヤーハーネスを
介して接続されている。
【0020】圧縮コイルスプリング28の一端は、可動
鉄心22に溶接固定されるニードル25の上端面に当接
し、圧縮コイルスプリング28の他端は、アジャスティ
ングパイプ29の底部に当接している。圧縮コイルスプ
リング28は、可動鉄心22とニードル25とを図2の
下方へ付勢し、ニードル25のシート部251をバルブ
ボディ26の弁座263に着座させる。図示しない電子
制御装置によってターミナル34からリード線を介して
電磁コイル32に励磁電流が流れると、ニードル25お
よび可動鉄心22が圧縮コイルスプリング28の付勢力
に抗して固定鉄心21の方向へ吸引される。
【0021】非磁性パイプ24は、固定鉄心21の下部
に接続されている。そして、固定鉄心21の下部に、固
定鉄心21の下端から一部突出するように一方の端部2
4aが接続されている。さらに、非磁性パイプ24の他
方の端部24bの下端には、磁性材料からなり段付きパ
イプ状に形成された磁性パイプ23の小径部23bが接
続されている。なお、非磁性パイプ24の他方の端部2
4bは可動鉄心22の案内部をなしている。
【0022】次に、非磁性パイプ24および磁性パイプ
23の内部空間には、磁性材料からなり筒状に形成され
る可動鉄心22が設けられている。この可動鉄心22の
外径は非磁性パイプ24の他方の端部24bの内径より
僅かに小さく設定され、可動鉄心22は非磁性パイプ2
4に摺動可能に支持されている。また、可動鉄心22の
上端面は、固定鉄心21の下端面と所定の隙間を介して
対向するように設けられている。
【0023】ニードル25の上部には接合部43が形成
されている。そして、接合部43と可動鉄心22とがレ
ーザ溶接され、ニードル25と可動鉄心22とが一体に
連結される。接合部43の外周には燃料通路としての二
面取りが設けられている。固定鉄心21の上方には、燃
料タンクから燃料ポンプ等によって圧送され、燃料噴射
弁10内に流入する燃料中のゴミ等の異物を除去するフ
ィルタ33が設けられている。固定鉄心21内にフィル
タ33を通して流入した燃料は、アジャスティングパイ
プ29からニードル25の接合部43に形成された二面
取り部との隙間、さらには、バルブボディ26の円筒面
261とニードル25の摺動部41に形成された四面取
り部との隙間を通過し、ニードル25の先端のシート部
251と弁座263とよりなる弁部に到り、この弁部か
ら噴孔8を形成する円筒面264に到る。
【0024】次に、燃料噴射弁10の吐出部50の構成
について説明する。磁性パイプ23の大径部23aの内
部には、中空円盤状のスペーサ27を介してバルブボデ
ィ26が挿入されレーザ溶接されている。スペーサ27
の厚さは、図2に示す固定鉄心21と可動鉄心22との
間のエアギャップを所定値に保持するように調節され
る。バルブボディ26の内壁には、ニードル25の摺動
部41が摺動する円筒面261と、ニードル25の円錐
状の当接部251が着座する弁座263とが形成されて
いる。さらに、バルブボディ26の底部中央には、円筒
面264で形成される噴孔8が設けられている。
【0025】ニードル25には、磁性パイプ23の大径
部23aの内壁に収容されるスペーサ27の下端面から
所定の隙間を介して対向するようにフランジ36が形成
されている。このフランジ36は、ニードル25の全長
のうちニードル25の先端に形成される当接部251側
に形成され、フランジ36の下方にはバルブボディ26
に形成される円筒面261に摺動可能となる摺動部41
が形成されている。
【0026】そして、バルブボディ26の噴孔8の出口
には、オリフィスプレート52がバルブボディ26の先
端面に溶接により固定されている。オリフィスプレート
52は、例えばステンレス製で、4個のオリフィス5
4、55、56、57(55、57は図示せず)が板厚
方向に貫通して形成され、このオリフィスを通る燃料の
方向制御を行う。
【0027】そして、この燃料噴射弁10の内部を流れ
る燃料は、フィルタ33、固定鉄心21の内孔61、ア
ジャスティングパイプ29の通孔62、スプリング収容
室76、通路75、図1に示す可動鉄心22の円筒状通
路74、通路73、72、71、磁性パイプ23内の通
路77、弁座263とシート部251の間、噴孔8を通
り抜ける。
【0028】バルブボディ26または磁性パイプ23の
内部に燃料の蒸気が発生した場合、ニードル25周囲の
燃料が可動鉄心22の内部を通り、さらに固定鉄心21
の内部を通ってアジャスティングパイプ29を通り、さ
らに上方の固定鉄心21の内部を通りフィルタ33を経
由して噴射弁10の外部に排出される。この気泡の通る
経路については、ニードル25の周囲から可動鉄心22
の内部を抜けて固定鉄心21の下端のスプリング収容室
76に入るとき、気泡が上部に排出され易いように燃料
通路断面積変化率が一様になる形状並びに構造の工夫が
なされている。これは、燃料噴射弁10の内部通路に燃
料通路断面積変化率が急変する箇所があると、その箇所
で気泡が滞留してしまうことがあり、その場合、燃料が
十分に流れないため、エンジン停止時からエンジン始動
時に移行するとき、エンジンが要求する燃料量を燃料噴
射弁10から供給できなくなるためである。
【0029】以下、磁性パイプ23の内部に収容される
ニードル25と非磁性パイプ24の内部に収容される可
動鉄心22とその上部の固定鉄心21並びに圧縮コイル
スプリング28の構造の特徴部分について、図1に基づ
いて説明する。 (1) ニードル25 ニードル25の上端には、可動鉄心22に接合する頭部
259が形成される。この頭部259は、図1および図
4に示すように、二面幅の平坦面252、253が形成
される。また頭部259の端面254にはニードル軸と
同心上に円錐状突起255が形成されている。頭部25
9の最大外周面256、257は、可動鉄心22の内周
壁面との接合部分となる。接合は溶接により行われる。
【0030】(2) 可動鉄心22 可動鉄心22は、下端側の円筒部221と、スプリング
座222と上端側の吸引部223とからなる。円筒部2
21は、その内周壁がニードル25の頭部259の最大
外周面256、257と溶接により固定されている。そ
してこの円筒部221のスプリング座222と連なる部
分の内周壁には円錐状の斜面224が形成されている。
スプリング座222は、円筒部221の内径よりも小径
の内径を有する円筒状通路74を形成している。スプリ
ング座222の上端に圧縮コイルスプリング28の下端
28aが当接している。吸引部223は、その端面が固
定鉄心21の端面との間に弁開時にクリアランスをもつ
隙間が形成されるように設定されている。吸引部223
の外周面が非磁性パイプ24の内周面と軸方向に摺動可
能になっている。
【0031】この燃料噴射弁10の取付け時、その噴射
ズル部がエンジンヘッド内の吸気通路内に臨むように、
バルブボディ26がエンジンヘッドの外壁に取り付けら
れる。エンジンヘッドに取り付けられた燃料噴射弁は、
噴孔8よりもフィルタ33が相対的に天方向に位置する
ように、燃料噴射弁の軸方向が傾斜して取り付けられて
いる。
【0032】燃料噴射弁10が高温環境に晒された場
合、図2に示すように、ニードル25のシート部251
側で発生した燃料ベーパ(気泡)は、スペーサ27の周
囲を通り磁性パイプ23内の通路77を通り、図1に示
すように、二面幅の平坦面252、253と円筒部22
1の内周壁との間で区画される通路71を通り、さらに
円筒部221の内部の通路72、斜面224で形成され
る通路73、スプリング座222の内部に形成される円
筒状通路74、吸引部223の内径側に形成される通路
75および固定鉄心21の内部に形成されるスプリング
収容室76を通り上部に抜けていく。
【0033】図4(A)に示すように、平坦面252、
253の近傍の通路71を通る燃料ベーパ(気泡)F1
は、平坦面252、253と円筒部221の内周壁面と
で押しつぶされたような饅頭形状の体型となって比重の
関係で上方に移動する。次に図4(B)に示すように、
この平坦面252、253近傍の通路71から通路72
に入った気泡F2 は、円筒部221の内周壁と円錐状突
起255の斜面とでこれがガイドとなって案内され、球
状の気泡となって比重の関係で軽い上側に浮くように移
動する。この気泡は、通路73、74、75、スプリン
グ収容室76、さらに通路62、61、フィルタ33を
通り抜けて燃料噴射弁10の外部に排出される。
【0034】この気泡燃料の通る可動鉄心22の部分の
燃料通路面積に着目すると、図3(B)の実線101に
示すように、平坦面252、253から円錐状突起25
5を通り抜けるときに燃料通路面積の面積変化率がほぼ
一定になるように面積が比例して増大する。その後円錐
状突起255の先端から可動鉄心22の斜面224に入
ると、この斜面224がガイドとなって次第に燃料通路
面積がほぼ一定の面積変化率で減少し、その後スプリン
グ座222の内部の通路74に移っている。なお、図3
(C)は、燃料通路横断面における最大内接円の直径変
化を示している。
【0035】仮に、円錐状突起255と斜面224が形
成されないニードル並びに可動鉄心であるとすると、そ
のときの燃料通路面積は図3(B)の点線100で示す
ようにニードル軸方向に通路面積が矩形状に変化するよ
うになる。すると、この場合には通路面積がニードル軸
方向に急激に変化することから、液体燃料と気泡燃料の
混在した状態の燃料状態においては、気泡燃料の移動が
円滑に進まず、気泡燃料が妨げとなって液体燃料の移動
が阻止されやすいという状況が発生する。
【0036】これに対し、本発明の上記実施例による形
状並びに構造であると、円錐状突起255により燃料通
路面積が図3(B)の実線101に示すようにほぼ一定
の面積変化率となり、またさらに上方側に斜面224に
よりほぼ一定の面積変化率で燃料通路面積が減少する。
このようなほぼ一定の面積変化率形状部分を有すること
により液体燃料と気泡燃料の混在した状態の燃料の移動
がスムーズに行われる。例えばエンジンの高温始動時、
エンジン側の高熱が燃料噴射弁10のバルブボディ26
に伝熱し、この熱により燃料噴射弁10の弁部近傍に燃
料ベーパが発生する場合、この燃料ベーパ(気泡)は気
泡が次第に比重で燃料噴射弁内部の通路を上方に移動し
ようとするが、この移動時に上記燃料通路の面積の円滑
な変化部分においても気泡の妨げとなることなく気泡の
浮上が速やかに行われる。従って、エンジンの高温停止
状態から高温始動状態に移行したとき、燃料噴射弁の弁
開閉動作が繰り返されたとき燃料流がこの燃料噴射弁1
0の内部通路をスムーズに移動して適正な燃料量が弁開
時に噴孔8から噴射されることになる。
【0037】一般に、エンジンの停止後、エンジン側の
残熱が燃料噴射弁に伝わり燃料噴射弁10内の燃料が沸
騰することがある。この燃料が沸騰した状態では燃料噴
射弁10の内部に燃料ベーパが発生し、この燃料ベーパ
(気泡)が膨張して例えば気泡が燃料通路内に滞ってし
まい上部から燃料噴射弁10の外部に抜け出ないことが
ある。
【0038】しかし、本実施例によると、このような場
合にも、気泡燃料がとかく詰まりやすいニードル25と
可動鉄心22との接合部分において、上述したように、
気泡燃料がニードル25の平坦面252、253を通り
抜けた後円錐状突起255で案内されながら、さらにま
た斜面224で案内されながら上方に移動し、通路74
から圧縮コイルスプリング28側に抜けて通路76より
さらに上方に抜けて燃料噴射弁10の外部に送出され
る。従って、液体燃料と気泡燃料の入れ替わりがエンジ
ン停止後に速やかに行われる。
【0039】本実施例によると、エンジンの停止後、エ
ンジンが高温になっている状態で再始動するとき、その
再始動前において燃料噴射弁10の内部において液体燃
料と気体燃料の入れ替わりが速やかに行われ、燃料噴射
弁10の内部は液体燃料が充満した状態になっているた
め、燃料噴射弁の弁開閉時間に応じて適正量の燃料が噴
射されので、高温再始動時にもラフアイドルやストール
が防止でき、安定したアイドリング状態が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の特徴部分を示すもので、図2
に示すI部分の拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例の内燃機関用燃料噴射弁の断面
図である。
【図3】本発明の実施例によるニードルと可動鉄心との
接合部分の燃料通路面積変化並びにこの燃料通路横断面
に形成される最大内接円の直径変化を示す図である。
【図4】図1に示すIV-IV 方向断面図で、(A)はニー
ドルの二面幅を構成する平坦面近傍を通る気泡の形状を
示す図、(B)はニードルの円錐状突起近傍を通る気泡
の形状を示す図である。
【符号の説明】
8 噴孔 10 燃料噴射弁 21 固定鉄心 22 可動鉄心 23 磁性パイプ 24 非磁性パイプ 25 ニードル(弁部材) 26 バルブボディ(弁本体) 28 圧縮コイルスプリング(付勢手段) 32 電磁コイル 221 円筒部(可動鉄心) 222 スプリング座(当接部) 223 吸引部(可動鉄心) 224 斜面(可動鉄心) 251 シート部(当接部) 252、253 平坦面 255 円錐状突起 259 頭部 263 弁座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 泰臣 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 杉本 知士郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大久保 謙二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴孔、この噴孔に連なる弁座、及び、こ
    の弁座の入口側に形成される案内孔を有する弁本体と、 前記案内孔に往復動可能に案内され、一端側に前記弁座
    に当接可能な当接部を有し他端側に平坦面をもつ頭部を
    有し、前記弁座から離間可能な弁部材と、 内部に燃料通路を有し、その内周壁が前記頭部に固定さ
    れる磁性材からなる筒状の可動鉄心と、 この可動鉄心の燃料入口側に隙間を介して設けられ、内
    部に燃料通路を有する磁性材からなる筒状の固定鉄心
    と、 前記弁座に前記当接部を着座する方向に前記可動鉄心を
    付勢する付勢手段と、 前記可動鉄心と前記固定鉄心の外周部に設けられ、通電
    により励磁されて前記可動鉄心を前記固定鉄心側に吸引
    する電磁吸引力を発生する電磁コイルとを備え、 前記弁部材の頭部の外壁から前記可動鉄心の内壁とによ
    り区画形成される燃料通路において、前記可動鉄心の燃
    料入口側から燃料出口側までの燃料通路面積変化率をほ
    ぼ一様にしたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 前記弁部材の頭部は、その端面にニード
    ル軸と同心上の円錐状突起を有することを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関用燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 前記可動鉄心は、その内周壁面に円錐状
    の斜面を有することを特徴とする請求項1または2記載
    の内燃機関用燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 前記可動鉄心は、内部に前記付勢手段の
    一端を当接する当接部を有することを特徴とする請求項
    1または2記載の内燃機関用燃料噴射弁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005240733A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Keihin Corp 電磁式燃料噴射弁およびその製造方法
CN102822498A (zh) * 2010-03-29 2012-12-12 株式会社京浜 电磁式燃料喷射阀及其制造方法
JP2013104340A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Keihin Corp 電磁式燃料噴射弁

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