JP3915347B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料噴射弁に係り、特に、燃料流に旋回手段により旋回エネルギーを与えて燃料噴射孔から噴射する形式の筒内噴射用の燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の中で、ガソリンエンジンは、従来電磁式燃料噴射弁を用いて吸気ポート内に燃料を噴射するエンジンが普及している。そして、この吸気ポート内において、吸気された空気と燃料とを混合して、燃焼室内でこの混合気を着火、燃焼して動力を発生させている。一方、内燃機関の中で、主に軽油等を燃料とするディーゼルエンジンでは、燃焼室内に直接燃料を噴射して、この燃料を燃焼室内の圧縮空気によって自然発火させて動力を得ている。ところで、上述のようなガソリンエンジンにおいても燃焼室に直接燃料を噴射して、内燃機関の応答性を改善するような筒内燃焼型が提案されている。
【0003】
このような筒内噴射型のガソリンエンジンでは、高圧の燃料を効率良く噴射する燃料噴射弁として、燃料流に旋回エネルギーを与えて燃料噴射孔から噴射する形式のものが、数種提案されている。それらの燃料噴射弁の一般的構造は、例えば特開平10−26062号公報および特開平10−47208号公報に記載されているように、弁体(ニードルバルブ、ボールバルブ等)及び弁座を備えた燃料噴射弁本体と、燃料流に旋回エネルギーを与える燃料旋回素子とから構成されている。
【0004】
この燃料旋回素子には、軸方向溝と、燃料に旋回力を与える径方向溝とが形成されている。鉛直下向きに軸方向溝を通ってきた燃料は、径方向溝入口部でその流れの方向を90°変えて、水平方向に径方向溝内を流れる。4本あるいは6本からなる径方向溝は、弁本体の軸中心を通らず中心から偏心した位置に形成されている。これにより径方向溝内で燃料には旋回力が与えられ、燃料は噴射弁出口から旋回しながら大気中に広がって行く。弁本体の軸中心から径方向溝の最外壁までの距離をR、径方向溝の幅をWとした場合、燃料に付与された旋回エネルギーの強さは、弁本体の軸中心から径方向溝の中心までの距離で定義される偏心量L=R−W/2に比例している。すなわち、より大きな旋回エネルギーを得るためには、径方向溝をなるべく弁本体の軸中心から離して設置すること、および溝幅Wを小さくするのが良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料噴射弁においては、径方向溝の高さHと幅Wの比が1より小さいため、すなわち溝高さHに比べ溝幅Wが大きかったため、弁本体の軸中心から径方向溝の最外壁までの距離Rが決まっている場合、径方向溝の偏心量L=R−W/2を小さくする傾向にあった。そのため、必ずしも燃料流に大きな旋回エネルギーを与えているとは限らなかった。
【0006】
また、従来の燃料噴射弁においては、径方向溝の断面形状が矩形および円形であり、溝断面中心に対して対称形であった。そのため、径方向溝内で燃料流を溝の最外壁に偏らせてより多く流し、径方向溝の偏心量Lをより大きくすることができなかった。そのため、必ずしも燃料流に大きな旋回エネルギーを与えているとは限らなかった。
【0007】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためになされたもので、弁座の上流で旋回燃料を得る燃料噴射弁に関し、燃料流に大きな旋回エネルギーを与え、それにより噴射角度の増大、および燃料の微粒化を促進することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、燃料噴射孔とこの燃料噴射孔の上流側に形成される弁座とを有するノズル体と、前記弁座に対して接触または離れた状態に駆動される弁体と、前記弁座の上流側に位置し燃料に旋回力を付与するための燃料旋回素子とを備え、前記燃料旋回素子の前記弁座側の端面には前記弁体の軸中心より偏心した位置に燃料に旋回力を付与するための径方向溝が形成された燃料噴射弁において、前記径方向溝の断面形状を、前記径方向溝の断面中心と前記径方向溝の最外壁との距離が前記径方向溝の溝幅の半分の長さよりも小さくなるように、前記断面中心に対して非対称形に構成する。
【0010】
前記径方向溝の断面形状を断面中心に対して非対称形にするために、径方向溝の断面形状台形にするとよい
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最良の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態を示す電磁式燃料噴射弁の縦断面図、図2は、図1の燃料噴射弁の燃料旋回素子、バルブガイド組立構造を示す拡大断面図、図3は、燃料旋回素子の径方向溝からオリフィスまでの流路の斜視図である。
【0013】
図1に示す燃料噴射弁1は、電磁コイル組立体16と、電磁コイル15を取り囲む磁性体のヨーク3と、電磁コイル15の中心に位置し一端がヨーク3と接触したコア2と、電磁コイル15が励磁されると所定量リフトする可動子であるボール弁4Aと、ボール弁4Aに対接して常時は閉じておりボール弁4Aのリフト時に開口する弁座に係るシート面9、燃料噴射孔に係るオリフィス8、及び燃料に旋回力を与える燃料旋回素子37を有してノズル体を構成するバルブガイド7とを備えている。そして、可動子に係るボール弁4Aは、少なくとも、磁性体のプランジャ4と、ロッド5と、ボール状の弁体であるボール6とが一体的に形成されている。
【0014】
本実施形態の燃料噴射弁1は、シングルポイント燃料噴射装置用のもので、以下、詳細に説明する。この燃料噴射弁1は、コントロールユニツト(図示せず)により演算されたデユーテイのON−OFF信号で、シート部の開閉を行うことにより燃料の噴射を行うものである。磁気回路は、有底筒状のヨーク3、ヨーク3の開口端を閉じる栓体部2aとヨーク3の中心に延びる柱状部2bとから成るコア2、およびコア2に空隙を隔てて対面するプランジャ4とで構成される。コア2の柱状部2bの中心には、ボール弁4Aをバルブガイド7に形成されたオリフィス8のシート面9に押圧する弾性部材としてのスプリング10を挿入保持するための穴が開けてある。
【0015】
スプリング10の上端は、セツト荷重を調整するためにコア2の中心に挿通されたスプリングアジャスタ11の下端に当接している。コア2とスプリングアジャスタ11との間のすき間から外部に燃料が流出するのを防ぐために、両者間にOリング12が設けられている。また、コア2とヨーク3の間には、コア2とヨーク3のすき間から外部に燃料が流出するのを防ぐためOリング13が介装されている。
【0016】
磁気回路を励磁する電磁コイル15はボビン14に巻かれ、その外側をプラスチツク材でモールドされている。これらから成る電磁コイル組立体16の端子18は、コア2のつば部に設けた孔17に挿入され、端子18とコア2との間にはOリング19が介装されている。燃料噴射弁1の外側のモールド樹脂(以下、ヨークモールドと称す)19aが成形時に、燃料噴射弁1内部に入らないようにするためのカラー20が、孔17の入口にかぶせられる。
【0017】
燃料や燃料蒸気の通路として、コア2とのすき間21、上部通路22、下部通路23が設けてある。ヨーク3の外周には環状溝25が形成されており、燃料噴射弁1と筐体としての図示しないソケツトとのすき間から燃料が流出するのを防ぐためのOリング24が、そこに保持されている。ヨーク3の周りには、燃料が流入する流入通路26及び燃料噴射弁1の中に溜まった気泡を含む余分な燃料を流出させるための、流出通路27が開けられている。
【0018】
また、ヨーク3の有底部には、ボール弁4Aを受容するプランジャ受容部28が開けられている。さらにそこには、プランジャ受容部28の径より大径のストッパ29及びバルブガイド7を受容するバルブガイド受容部30が、ヨーク3の先端まで貫設されている。さらに、ヨーク3外周には、流入通路26から燃料中、配管中の塵埃や異物がバルブシート側へ侵入するのを防ぐ環状フイルタ31が設けられている。コイル15へコントロールユニツトからの信号を伝える端子32は、端子18に接合されている。これら端子32は、モールド樹脂によって電磁弁組体の上端にモールドされモールドコネクタ33を形成する。
【0019】
ボール弁4Aは、磁性材製のプランジャ4と、一端がプランジャ4に接合されたロッド5と、ロッド5の他端に接合されたボール6と、プランジャ4の上端開口部に固定された非磁性材からなるガイドリング34とから構成されている。ガイドリング34は、コア2の先端に開けられた中空部の内壁面35で、また、ボール6はバルブガイド7の中空部の内壁面36に挿入される円筒状の燃料旋回素子37の内壁面38で、それぞれガイドされている。
【0020】
バルブガイド7には、ボール6をガイドする円筒状の燃料旋回素子37に引きつづいて、ボール6をシートするシート面9が形成されており、シート面9の中央にはオリフィス8(燃料噴射孔)が穿設されている。さらに、バルブガイド7にはオリフィス8の出口側の一部の平坦部を除いてシート面9側に、所望の傾き角をもつて傾斜するテーパ面が形成されている。図示しないソケツトとバルブガイド7の外周面との間には、燃料をシールするOリング39が介装されている。本実施例では、バルブガイド7の外周の環状溝としてOリング受容部40が形成されている。
【0021】
次に、燃料噴射弁の組立方法及び燃料旋回素子37の構造について説明する。まず、電磁石部の組体の組立方法について説明する。電磁コイル組立体16の端子18部にOリング19をつけた後、コア2のつば部の孔17に端子18を挿入する。次に、端子18の上からカラー20を挿入する。その後、コア2の栓体部外周下部にOリング13を取り付けヨーク3内に嵌入する。この状態で、ヨーク3内周上端縁のコア当接面部41を軸方向に押圧し、コア2の栓体部の外周に設けた溝42にヨーク3の材料を塑性流動によって半径方向に流し込み、その緊迫力で固定する。いわゆるメタルフローによる接合を行う。
【0022】
ボール弁4Aは、そのボール6を燃料旋回素子37の内壁面38でガイドすると共に、コア2の先端内壁面35で非磁性材のガイドリング34をガイドしている。結局2個所でガイドして軸方向に進退することになる。このため、ヨーク3のバルブガイド7の受容部の内径と、コア2の内壁面35との同軸度が正確に得られる必要がある。そこで、バルブガイド7の受容部30の内径、及びコア2の内壁面35を精度よく支持した状態で、メタルフローを行う。その後、端子18に端子32をカシメ、はんだ付けまたは溶接等により固定し、その後樹脂によりモールデイングを行う。
【0023】
次に、バルブガイド組立体の組立てについて説明する。バルブガイド組立体は、ボール弁4Aと燃料旋回素子37とバルブガイド7とから成る。ボール弁4Aは、ボール6と焼入れ硬化したステンレス材製のロッド5とを抵抗溶接、あるいはレーザ溶接等により溶接接合する。次いで、ロッド5の他端とプランジャ4とロッド5の外周に設けた溝43に、メタルフローによってプランジャ4の内壁を流動圧着することにより固定する。また、ガイドリング34とプランジャ4の結合は、プランジャ4のボール弁側の面44を雇で受けて、プランジャ4の先端内周縁のガイドリング当接部45を軸方向に押圧し、ガイドリング7に半径方向の緊迫力を与えることによってメタルフローによる結合を行うことができる。
【0024】
燃料旋回素子37は、焼結合金を用いて円筒状に型成形され、バルブガイド7の内壁面36に圧着固定される。すなわち、燃料旋回素子37の外周面46(4ケ所)をバルブガイド7の溝47にメタルフローによって流動圧着する(図2参照)。
【0025】
この燃料旋回素子37には、図2に示すように、軸方向溝48と、燃料に旋回力を与える径方向溝49とが形成されている。鉛直下向きに軸方向溝48を通ってきた燃料は、径方向溝49の入口部でその流れの方向を90°変えて、水平方向に径方向溝49の内部を流れる。
【0026】
図3は、本発明の燃料噴射弁における実施例1の燃料旋回素子37の径方向溝49からオリフィス8までの流路の斜視図を示している。径方向溝49は、弁本体の軸中心を通らず、中心から偏心した位置に形成されている。これにより、径方向溝内で燃料には旋回力が与えられ、燃料はオリフィス8から旋回しながら大気中に広がって行く。径方向溝49は、溝高さHが溝幅Wよりも大きくなるように加工した。径方向溝49の溝高さHと溝幅Wの関係について、図4に示す。(a)は従来の溝形状の一例であり、W/H=2の場合、すなわちW>Hとなっているものを示している。それに対して、(b)は本発明の溝形状の一例であり、W/H=0.5の場合、すなわちW<Hとなっているものを示している。弁本体の軸中心から径方向溝49の最外壁56までの距離をRとすると(図5参照)、燃料に付与された旋回エネルギーは、径方向溝の偏心量L=R−W/2に比例する。このことより、Rが一定のもとで、燃料流に大きな旋回エネルギーを与えるために、溝幅Wを小さくするようにし、その分高さHを大きくしている。なお、溝の断面積WHは従来の燃料噴射弁と同じである。
【0027】
上記のような、燃料旋回素子37を備えたバルブガイド組立体を、図1に示すストッパ29と共に、電磁石組体のヨーク3のバルブガイド受容部30へ挿入し、両者を組立てる。両者の固定は、バルブガイド7外周に設けた溝53にヨーク3の先端内周壁をメタルフローにて塑性流動により流れ込ませて固定する。その際、ストッパ29は、可動部が吸引された時、プランジヤ4の先端とコア2の先端とが直接接触しないように、所定のギヤツプ(エアギヤツプと称す)をもつような厚みに設定する。
【0028】
次に、電磁石組体のコア2の中心に設けた穴にバルブガイド7とは反対方向から、先端にスプリング10を保持し外周にOリング12を取り付けたアジヤスタ11を挿入する。それとほぼ同時に、ヨーク3の外周にフイルタ31およびOリング24を取り付け、図示しない雇へ一旦収納して、そこで噴射流量の試験に入る。
【0029】
次に、噴射流量試験について説明する。まず可動部をフルストロークさせた状態で測定し、その時の噴射流量が規定の噴射量になることを確認する。その後、一定周期、一定開弁時間の噴射流量を規定の噴射流量になるように、可動部の応答性をスプリング10の荷重を変化させて決定する。しかる後、コア2の上部突出部54の外周をモールド樹脂の孔から半径方向に押圧し、アジヤスタ11の溝部55にコア2の内壁を組み込ませて固定する。上記のような手順で本実施例の電磁式燃料噴射弁の組立てが完了する。
【0030】
次に、本実施例の電磁式燃料噴射弁内部流路の流体解析の結果を、従来の燃料噴射弁と比較して図5および6示す。図5は、燃料旋回素子の径方向溝49からオリフィス8までの流路の平面図および流れの様子を示したものである。(a)は従来の溝形状の一例であり、W/H=2の場合、すなわちW>Hとなっているものを示している。それに対して、(b)は本発明の溝形状の一例であり、W/H=0.5の場合、すなわちW<Hとなっているものを示している。図中の速度ベクトルより、本実施例で示した燃料噴射弁(b)の方が、径方向溝49からオリフィス8に至るまでの燃料流の旋回エネルギーが大きいことがわかる。また図6は、オリフィス8の出口での燃料流の旋回速度を示したものである。横軸はオリフィス8の壁から中心までの半径方向の距離を表わしており、縦軸は旋回速度を表わしている。図中の実線は本実施例で示した燃料噴射弁(b)を、破線は従来の燃料噴射弁(a)の結果を示している。
【0031】
図5、6から明らかなように、径方向溝49の高さHを幅Wより大きくした本実施例の電磁式燃料噴射弁は、従来の燃料噴射弁と比較して、燃料流に大きな旋回エネルギーを与えることができる。これにより、オリフィス8から噴射する燃料の噴射角度を大きくすることができ、かつ燃料の微粒化を促進することが可能である。
【0032】
なお、本実施例では径方向溝49の溝断面形状を矩形としているが、矩形以外でもよく、例えば図7に示すような楕円形としてもよい。この場合、楕円の長径を高さHに、短径を幅Wとして考える。
【0033】
図8は本発明の燃料噴射弁における、実施例2の燃料旋回素子の径方向溝の形状を示した図である。実施例1と同様の電磁式燃料噴射弁を用いているので、その構成要素の説明は省略する。
【0034】
図8に示すように本実施例では、燃料旋回素子の径方向溝の断面形状が断面中心に対して非対称形になるように加工している。(a)は溝の形状が矩形で、溝断面中心に対して対称形になっているものである。この場合、溝断面中心Pと溝の最外壁56との距離は溝幅Wの半分であるW/2になっている。(b)は本発明の溝形状の一例であり、 溝の形状が溝断面中心に対して非対称形になっている。実施例の溝は矩形と円の1/4の形状の組み合わせによりできており、断面積は(a)と等しくWHになっている。この場合、溝断面中心Pと溝の最外壁56との距離は溝幅Wの半分であるW/2よりも小さくなっている。(a)と(b)は同じ溝幅Wであるが、(b)の本発明の方が、溝断面中心Pが最外壁56により近くなっている。すなわち、(b)の方が溝の偏心量Lが大きくなっていることになる。
【0035】
上記の構成とすることより、本実施例の電磁式燃料噴射弁は、溝の断面形状が矩形の燃料噴射弁と比較して、燃料流により大きな旋回エネルギーを与えることができる。そして、これによりオリフィス8から噴射する燃料の噴射角度を大きくすることができ、かつ燃料の微粒化を促進することが可能である。
【0036】
図9は、本発明の燃料噴射弁における実施例3の燃料旋回素子の径方向溝の形状を示した図である。実施例1と同様の電磁式燃料噴射弁を用いているので、その構成要素の説明は省略する。図9に示すように実施例3では、燃料旋回素子の径方向溝の断面形状が断面中心に対して台形になるように加工されている。本実施例では、径方向溝の最外壁56側の高さH’、それに対向する最内壁側の高さをH(H’ >H)、溝幅をWとしている。この場合、溝断面中心Pと溝の最外壁56との距離はW/2よりも小さく、従来溝(図4(a)参照)と比較して溝の偏心量Lが大きくなっている。
【0037】
上記の構成とすることより本実施例の電磁式燃料噴射弁は、従来の燃料噴射弁と比較して、燃料流により大きな旋回エネルギーを与えることができる。そして、これによりオリフィス8から噴射する燃料の噴射角度を大きくすることができ、かつ燃料の微粒化を促進することが可能である。
【0038】
なお、上記実施例1から3では、シングルポイント燃料噴射装置用の電磁式燃料噴射弁について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本実施例と同等の作用効果が得られる範囲で、燃料噴射弁に汎用的に適用されるものである。また、上記実施例では、弁体としてボール弁の例を説明したが、本発明の弁体はボール弁に限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、弁座の上流で旋回燃料を得る燃料噴射弁に関し、燃料流に大きな旋回エネルギーを与えることができる。これにより、燃料噴射孔から噴射する燃料の噴射角度を大きくすることができ、かつ燃料の微粒化を促進することが可能である。また、本燃料噴射弁をエンジンに適用すれば、実用上の効果がきわめて高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電磁式燃料噴射弁の縦断面図である。
【図2】図1の燃料噴射弁の燃料旋回素子、バルブガイド組立構造を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の燃料噴射弁における実施例1の燃料旋回素子の径方向溝からオリフィスまでの流路の斜視図である。
【図4】径方向溝の溝高さと溝幅の関係を示した図である。
【図5】燃料旋回素子の径方向溝からオリフィスまでの流路の平面図及び流れの様子を示した図である。
【図6】本発明の燃料噴射弁における実施例1の燃料旋回素子のオリフィス出口での旋回速度分布を従来の燃料噴射弁と比較して示した図である。
【図7】本発明の燃料噴射弁における実施例1の燃料旋回素子において、径方向溝の溝断面形状を楕円形とした場合を示している。
【図8】本発明の燃料噴射弁における実施例2の燃料旋回素子の径方向溝の形状を示した図である。
【図9】本発明の燃料噴射弁における実施例3の燃料旋回素子の径方向溝の形状を示した図である。
【符号の説明】
2…コア、3…ヨーク、4…プランジャ、4A…ボール弁、5…ロッド、6…ボール、7…バルブガイド、8…オリフィス、9…シート面、15…電磁コイル、16…電磁コイル組立体、34…ガイドリング、37…燃料旋回素子、38…内壁面、48…軸方向溝、49…径方向溝、49…径方向溝の最外壁。

Claims (2)

  1. 燃料噴射孔とこの燃料噴射孔の上流側に形成される弁座とを有するノズル体と、前記弁座に対して接触または離れた状態に駆動される弁体と、前記弁座の上流側に位置し燃料に旋回力を付与するための燃料旋回素子とを備え、前記燃料旋回素子の前記弁座側の端面には前記弁体の軸中心より偏心した位置に燃料に旋回力を付与するための径方向溝が形成された燃料噴射弁において、
    前記径方向溝の断面形状を、前記径方向溝の断面中心と前記径方向溝の最外壁との距離が前記径方向溝の溝幅の半分の長さよりも小さくなるように、前記断面中心に対して非対称形にしたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載した燃料噴射弁において、前記旋回溝の断面形状が台形であることを特徴とする燃料噴射弁。
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