JPH08232622A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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Publication number
JPH08232622A
JPH08232622A JP3481795A JP3481795A JPH08232622A JP H08232622 A JPH08232622 A JP H08232622A JP 3481795 A JP3481795 A JP 3481795A JP 3481795 A JP3481795 A JP 3481795A JP H08232622 A JPH08232622 A JP H08232622A
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JP
Japan
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engaging
intake
exhaust valve
drive shaft
control device
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Application number
JP3481795A
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English (en)
Inventor
Yasuo Mitsui
康男 三井
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カムシャフトの回転トルク変動に伴う各ピン
の係合部両側面と各係合溝の対向内面との間の衝突打音
と摩耗の発生を防止する。 【構成】 内部に挿通された駆動軸21に対して相対回
動可能に設けられたカムシャフト22と、該カムシャフ
ト22側の第1フランジ部27と駆動軸側の第2フラン
ジ部32との間に介装されて、駆動軸の中心に対して偏
心揺動可能な環状ディスク29とを備えている。環状デ
ィスク29の保持孔29b,29cに保持された第1,
第2ピン36,37の各係合部36a,37aに、前記
各フランジ部の係合溝30,33の対向内面30a,3
0b、33a,33bと対向する2面巾の両側面を形成
する。また、該各係合部36a,37aの外周に、前記
両側面と対向内面との間のクリアランスを吸収する板ば
ね部材52,53を巻装した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の運転状態に
応じて吸気・排気弁の開閉時期を可変制御する吸排気弁
駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の装置としては種々提供さ
れているが、その一つとして例えば実開昭57−198
306号公報等に記載されているものが知られている。
【0003】図16及び図17に基づいて概略を説明す
れば、図中2はカムシャフト1の外周に回転自在に設け
られて、吸気バルブ16をバルブスプリング17のばね
力に抗して開作動させるカムであって、このカム2はカ
ム軸受用ブラケット3とカムシャフト1にキー4を介し
て固設されたフランジ部5とにより軸方向の位置決めが
なされている。また、カム2の一側部に有するフランジ
部7にU字溝6が形成されている一方、前記フランジ部
5にもU字溝8が形成され、両フランジ部5,7間に円
環状のディスク9が介装されている。このディスク9
は、両側の対向位置に前記両U字溝6,8に係合するピ
ン10,11が設けられていると共に、外周が制御環1
2に回転自在に支持されている。この制御環12は、外
周の突起12aを介してシリンダヘッド側の支持孔13
に揺動自在に支持されていると共に、該突起12aの反
対側に有する歯車部12bがロッカシャフト14外周の
歯車環14aに噛合している。
【0004】そして、制御環12は、歯車環14a及び
歯車部12bを介して図外の駆動機構により機関運転状
態に応じて一方あるいは他方向へ揺動するようになって
いる。即ち、ディスク9の中心Yが図16に示す位置に
ある場合は、カムシャフト1とディスク9との回転中心
X,Yが一致し、したがってディスク9は、ピン11と
U字溝8を介してカムシャフト1に同期回転する一方、
カム2はピン10とU字溝6を介してカムシャフト1に
同期回転する。
【0005】また、機関運転状態の変化に伴い駆動機構
によってロッカアーム15を軸支するロッカシャフト1
4を回動させると、制御環12が突起12aを支点とし
て揺動し、これによってディスク9の中心Yがカムシャ
フト1の中心Xに対し前記回動方向に偏心する。このた
め、ピン10,11が夫々U字溝6,8に沿って移動
し、かつ偏心方向にフランジ部5,7をカムシャフト1
を中心に回動させる。依って、カムシャフト1の1回転
毎に、ディスク9の回転位相がカムシャフト1に対して
変化し、同時にカム2の回転位相もディスク9に対して
変化する。したがって、カム2は、カムシャフト1に対
し、ディスク9のカムシャフト1に対する位相差の2倍
の位相差で回転する。この結果、バルブタイミングをカ
ム2の位相差に応じて可変にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な装置にあっては、前述のように各ピン10,11を、
ディスク9の偏心動に伴いU字溝6,8内を径方向に沿
って速やかに移動させる必要上、各ピン10,11の先
端部外周面とU字溝6,8の対向内面6a,6b、8
a,8bとの間には所定量のクリアランスC,Cが形成
されている。
【0007】このため、各吸排気弁の開閉駆動時にバル
ブスプリング17の反力等に起因してカムシャフト1に
発生する大きな正逆(正負)の回転トルク変動がフラン
ジ部5,7に伝達されると、各対向内面6a,6b、8
a,8bと各ピン10,11の先端部外周面がクリアラ
ンスC,Cを介して衝突し、打音が発生する。また、斯
かる衝突によって前記各面間に経時的に摩耗が発生し
て、前記クリアランスC,Cが大きくなってしまう。こ
の結果、前記打音が一層大きくなると共に、バルブタイ
ミングのずれが発生して制御精度が低下する虞がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑みて案出されたもので、請求項1の発明は、機
関の回転に同期して回転する駆動軸と、該駆動軸の外周
に相対回動可能に配設され、かつ外周面で吸排気弁を駆
動するカムと、該カムの端部に有する第1フランジ部に
対向配置され、かつ前記駆動軸に連結固定された第2フ
ランジ部と、前記両フランジ部の間に配設されて、駆動
軸の軸心に対して偏心揺動可能な環状ディスクと、該環
状ディスクの両側部に互いに反対方向に突設されて、前
記両フランジ部に形成された各係合溝内に夫々係合する
第1,第2ピンと、前記環状ディスクを機関運転状態に
応じて揺動させる駆動機構とを備えた吸排気弁駆動制御
装置であって、前記各ピンの先端側に前記各係合溝に係
合する2面巾状の係合部を設けると共に、該係合部の両
側面を前記係合溝の対向内面方向に付勢する弾性部材を
設けたことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明は、前記各係合部の外周
に、係合溝の対向内面に弾接する前記弾性部材を設けた
ことを特徴としている。
【0010】請求項3の発明は、前記係合部を傾斜縦割
り状に2分割形成すると共に、該2分割された両係合部
位を互いにスライドさせて各側面が前記対向内面に対し
て接離自在に形成し、かつ該2分割された両係合部位を
互いに前記対向内面方向へ付勢する前記弾性部材を設け
たことを特徴としている。
【0011】請求項4の発明は、前記係合溝の対向内面
をテーパ状に形成する一方、前記係合部の両側面を前記
係合溝のテーパ状の対向内面に対応して傾斜状に形成
し、かつ前記各ピンの内部に係合部を介して前記傾斜状
両側面を前記テーパ状対向内面方向に付勢する前記弾性
部材を設けたことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明によれば、所定の機関運転状態では環状
ディスクの中心が駆動軸の中心と合致している場合は、
カムは環状ディスク等を介して駆動軸に同期して位相差
なく回転するが、運転状態が変化すると、環状ディスク
が一方向へ揺動してその中心が駆動軸の中心と偏心す
る。したがって、第2フランジ部の係合溝と第2ピン並
びに第1フランジ部の係合溝と第1ピンの摺動位置が駆
動軸の1回転毎に移動する。つまり、例えば駆動軸側の
係合溝と第2ピンの摺動位置が駆動軸の中心に接近する
場合は、カム側の係合溝と第1ピンの摺動位置が逆に駆
動軸中心から離間するため、環状ディスクの角速度が駆
動軸に対して小さくなる。よって、カムは駆動軸に対し
て二重に減速された形になり、斯かる減速作用によりカ
ムを介して所望のバルブタイミングを得ることができ
る。
【0013】しかも、前述のように環状ディスクが駆動
軸に対して偏心動した状態では、カムの正負の回転トル
ク変動に伴い各ピンが係合溝内で正逆回動しようとする
が、この回動による各ピンの両側面と各係合溝の対向内
面との間のクリアランスが弾性部材によって吸収されて
いるため、各面間の衝突が回避される。つまり、各ピン
の両側面が、各係合溝の対向内面に対して弾性部材によ
り常時弾接してクリアランスが消失しているため、前記
各ピンの回動による衝突が回避され、これによって、衝
突打音や摩耗の発生が防止される。
【0014】請求項3の発明によれば、弾性部材によっ
て両係合部位が互いに離間する方向に付勢されて、該各
係合部位の両側面が係合溝の対向内面に常時弾接した状
態になり、クリアランスを吸収するため、前記各ピンの
正逆回動による各対向内面との衝突が回避される。
【0015】さらに、請求項4の発明によれば、この場
合も弾性部材により各係合部の傾斜状両側面が各係合溝
のテーパ状対向内面に常時弾接してクリアランスを吸収
する形になるため、前記各ピンの正逆回動による両側面
と対向内面との衝突が回避される。
【0016】
【実施例】図3は本発明の第1実施例を示し、図中21
は図外の機関のクランク軸からスプロケットを介して回
転力が伝達される駆動軸、22は該駆動軸21の外周に
一定の隙間をもって配置され、かつ駆動軸21の中心X
と同軸上に設けられたカムシャフトであって、前記駆動
軸21は、機関前後方向に延設されていると共に、軽量
化等の要請から内部中空状に形成されている。
【0017】前記カムシャフト22は、内部軸方向に駆
動軸21の挿通孔22aが形成され、図外のシリンダヘ
ッド上端部に有するカム軸受52,53に回転自在に支
持されていると共に、図4に示すように外周の所定位置
に吸気弁23をバルブスプリング24のばね力に抗して
バルブリフター25を介して開作動させる複数のカム2
6…が一体に設けられている。また、カムシャフト22
は、長手方向の所定位置で軸直角方向から分割形成され
ていると共に、一方側の分割端部に第1フランジ部27
が設けられている。また、この両分割端部間にスリーブ
28と環状ディスク29が配置されている。前記第1フ
ランジ部27は、図6にも示すように中空部から半径方
向に沿った細長い矩形状の第1係合溝30が形成されて
いると共に、その外周面の円周方向に環状ディスク29
の一側面に摺接する突起面27aが一体に設けられてい
る。
【0018】前記スリーブ28は、小径な一端部がカム
シャフト22の前記他方側の分割端部内に回転自在に挿
入している共に、略中央位置に直径方向に貫通した連結
軸31を介して駆動軸21に連結固定されている。ま
た、スリーブ28の他端部に環状ディスク29を介して
第1フランジ部27と対向する第2フランジ部32が一
体に設けられている。この第2フランジ部32は、図7
にも示すように前記第1係合溝30と反対側に半径方向
に沿った細長い矩形状の第2係合溝33が形成されてい
ると共に、外周面に環状ディスク29の他側面に摺接す
る突起面28aが一体に設けられている。
【0019】前記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部Sが
形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状ベア
リング34を介して制御環35の内周面に回転自在に支
持されている。また、直径線上の対向位置に貫通形成さ
れた保持孔29b,29cには、各係合溝30,33に
係合する一対の第1,第2ピン36,37が設けられて
いる。
【0020】前記係合溝30,33は、夫々の対向内面
30a,30b、33a,33bが平坦状に形成されて
いる。一方、前記各ピン36,37は、互いにカムシャ
フト軸方向へ逆向きに突出しており、基部が保持孔29
b,29c内に係入保持されていると共に、先端側に図
6に及び図7に示すように前記係合溝30,33に係合
する係合部36a,37aが形成されている。この係合
部36a,37aは、図1及び図2に示すように2面巾
状に形成されて、平坦な該両側面36b,36c,37
b,37c間の各厚さ巾が対向内面30a,30b,3
3a,33bの間の巾寸法よりも小さく設定されて夫々
の間にクリアランスが形成されている。また、各係合部
36a,37aの中央長手方向に縦割溝36d,37d
が夫々形成されていると共に、各両側面36b,36
c,37b,37cの外面に保持溝36e,36f,3
7e,37fが切欠形成されており、前記各縦割溝36
d,37dと保持溝36e,36f,37e,37fに
弾性部材たる板ばね部材52,53が巻着固定されてい
る。
【0021】即ち、板ばね部材52,53は、細長い帯
状の板材を略S字形状に折曲形成してなり、便宜上図に
示す一方の板ばね部材52を説明すれば、中央部52a
が前記縦割溝36d内に挿着され、かつ円弧状の両端部
52b,52bが各保持溝36e,36fに嵌着固定さ
れている。そして、係合部36a,37aを係合溝3
0,33内に係合した際に、各板ばね部材52,53の
各両端部52b,52c,53b,53cの外面が係合
溝30,33の各対向内面30a,30b,33a,3
3bに夫々弾接して、前述の各クリアランスが零になる
ように設定されている。
【0022】前記制御環35は、図3〜図5に示すよう
に略円環状を呈し、外周の一端部に有するボス部35a
及び該ボス部35aを貫通した枢支ピン38を支点とし
て図2中上下に揺動自在に設けられている一方、該ボス
部35aと反対側の外周面にレバー部35bが半径方向
に沿って突設されている。また、この制御環35は、レ
バー部35bを介して駆動機構39により揺動するよう
になっている。
【0023】前記駆動機構39は、図4及び図8に示す
ようにシリンダヘッドの所定部位に対向して形成された
第1,第2シリンダ40,41と、該各シリンダ40,
41内から出没自在に設けられて各先端縁で前記レバー
部35aの円弧状先端を上下方向から挾持する油圧ピス
トン42及びリテーナ43と、前記第1シリンダ40内
の受圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン42を進
退動させる油圧回路44とを備えている。
【0024】前記第2シリンダ41内に設けられたリテ
ーナ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ4
1内に弾装されたコイルスプリング45のばね力で進出
方向(レバー部方向)に付勢されている。
【0025】前記油圧回路44は、一端部がオイルパン
46内に、他端部が受圧室40aに夫々連通した油通路
47と、該油通路47のオイルパン46側に設けられた
オイルポンプ48と、該オイルポンプ48の下流側に設
けられた3ポート2位置型の電磁切換弁49とから主と
して構成されている。前記電磁切換弁49は、機関回転
数や吸入空気量等の信号に基づいて現在の機関運転状態
を検出するコントローラ50からのON−OFF信号に
よって流路を切り換え作動し、ON信号によって油通路
47全体を連通する一方、OFF信号によって油通路4
7とドレン通路51を連通するようになっている。
【0026】以下、本実施例の作用について説明する。
【0027】まず、コントローラ50から電磁切換弁4
9にON信号が出力されると、オイルポンプ48から油
通路47に圧送された作動油はそのまま受圧室40aに
供給される。したがって、該受圧室40aの内圧上昇に
伴い油圧ピストン42が図4,図8の実線で示すように
コイルスプリング45のばね力に抗してレバー部35b
を押し下げるので、制御環35つまり環状ディスク29
の回転中心Yと駆動軸21の中心Xが合致する。この場
合は、環状ディスク29と駆動軸21との間に回転位相
は生じず、またカムシャフト22の中心と環状ディスク
29の中心Yも合致しているため、両者22,29間の
回転位相差も生じない。したがって、駆動軸21の回転
に伴い連結軸31を介してスリーブ28が同期回転する
と共に、スリーブ側の係合溝33とピン37,環状ディ
スク29,ピン36,カムシャフト22側の係合溝30
を介してカムシャフト22も同期回転する。
【0028】次に、機関運転状態の変化に伴い電磁切換
弁49にOFF信号が出力されて、油通路47の上流側
を遮断すると共に、油通路47の下流側とドレン通路5
1を連通する。このため、受圧室40a内の作動油は、
油通路47を逆流してドレン通路51からオイルパン4
6内に戻され、したがって、受圧室40aの内圧低下に
伴い油圧ピストン42がバルブスプリング24及びコイ
ルスプリング45のばね力でリテーナ43を介して後退
移動する。これにより、制御環35は、図4,図8の一
点鎖線で示すようにリテーナ43により押し上げられて
枢支ピン38を支点として上方へ揺動し、環状ディスク
29の中心Yが駆動軸21の中心Xと偏心する。したが
って、スリーブ28の係止溝33とピン37、並びにカ
ムシャフト22の係合溝30とピン36との位置が駆動
軸21の1回転毎に移動し、環状ディスク29の角速度
が変化して不等角速度回転になる。
【0029】即ち、例えば係合溝33とピン37の摺動
位置が駆動軸21の中心Xに接近する場合は、係合溝3
0とピン36の摺動位置が中心Xから離れる関係にな
る。この場合は、環状のディスク29は、駆動軸21に
対して角速度が小さくなり、環状ディスク29に対しカ
ムシャフト22の角速度も小さくなる。したがって、カ
ムシャフト22は、駆動軸21に対して2重に減速され
た状態になる。
【0030】一方、機関運転状態がさらに変化して前述
とは逆に油圧ピストン42によりレバー部35bが押し
下げられ環状ディスク29が図4,図8の2点鎖線で示
すように中心合致位置よりもさらに下方へ揺動して、係
合溝33とピン37の摺動位置が駆動軸21の中心Xか
ら離れ、係合溝30とピン36の作動位置が中心Xに接
近する関係になると、逆にカムシャフト22は、駆動軸
21に対して2重に増速された状態になる。
【0031】この結果、該夫々の角速度の変化に基づき
カムシャフト22及びカム26と駆動軸21との回転位
相差は、図9Bに示すように変化し、バルブタイミング
は同図Aに示すようにバルブリフトを一定のままカムシ
ャフト22の位相差に応じて変化する。
【0032】つまり、カムシャフト22の角速度が相対
的に大きい場合は、駆動軸21に対する回転位相は両者
21,22が等速になるまで進み、やがてカムシャフト
22の角速度が相対的に小さくなると回転位相は両者2
1,22が等速になるまで遅れる。そして、図9Bで示
すように回転位相差の最大,最小点の途中に同位相点
(P点)が存在し、同図の破線で示す回転位相の変化で
は、P点よりも前の吸気弁23の開弁時期が遅れ、P点
より後の閉弁時期は進み、図9Aの破線で示すように弁
の作動角が小さくなる。一方、図9Bの一点鎖線で示す
回転位相の変化では、P点よりも前では開弁時期は進
み、P点より後の閉弁時期は遅れ、図9Aの一点鎖線で
示すように弁の作動角が大きくなる。尚、図9Aの実線
は中心X,Yが合致している場合である。
【0033】ところで、前述のように駆動軸21の回転
力Fはスリーブ28のフランジ部32から一方の係合溝
33,ピン37,環状ディスク29,ピン36,他方の
係合溝30,カムシャフト22のフランジ部27,カム
26に順次伝達される。この際、カムシャフト22に
は、カム26のベースサークル時は回転トルク変動は発
生しないが、カム26のリフト(上り)時と下降(下
り)時にバルブスプリング24のばね力等に起因して上
り時には負の、下り時には正の回転トルク変動が発生し
ている。
【0034】そして、斯る正負の回転トルク変動に伴い
各ピン36,37が各係合溝30,33内で正逆回動す
ると、各板ばね部材52,53によって係合部36a,
37aと対向内面30a,30b、33a,33bとの
衝突が回避される。即ち、まず、第1フランジ部27に
カムシャフト22から正(駆動軸21の回転方向と同方
向)の回転トルク変動が発生すると、一方側対向内面3
0aが板ばね部材52の一端部52bの外面を押圧し
て、該一端部52bが保持溝36e内に撓み変形して押
圧力を吸収する。このため、一方側対向内面36eに
は、板ばね部材52の一端部52bの外面と一側面36
bが当接するが、その当接力は小さくなる。また、この
押圧力に伴い他方側対向内面30bと係合部36aの他
側面36cが若干離間する形になるが、板ばね部材52
の他端部52cの外面が対向内面30bに弾接してクリ
アランスの発生を抑制する。
【0035】一方、負の回転トルク変動が発生して第1
ピン36が反対方向に回動した場合も、前述とは逆の作
用によってつまり板ばね部材52の弾性力によって係合
部36aの両側面36b,36cと対向内面30a,3
0bとの衝突を回避することができる。この結果、正負
の回転トルク変動による打音や摩耗の発生が十分に防止
される。
【0036】また、第2ピン37の係合部37aと第2
フランジ部32の係合溝33についても板ばね部材53
によって前述と同様な作用効果が奏せられる。
【0037】図10〜図11は、本発明の第2実施例を
示し、便宜上一方側のみを説明すれば、ピン36の係合
部36aが、先端面の対角線に沿って傾斜縦割り状に2
分割形成されており、基部と一体の一方の係合部位36
gの分割傾斜面36hに、他方の係合部位36iの分割
傾斜面36jが摺接自在になっている。また、可動係合
部位36iは、図10に示すように先端部が固定係合部
位36gの挿通孔54に圧入固定された連結ピン55を
介して摺動自在に支持されていると共に、連結ピン55
の頭部55aとシート溝56の底面との間に弾装された
コイルばね57によって固定係合部位36gから離間す
る方向に付勢されている。つまり、コイルばね57のば
ね力で固定側分割傾斜面37h上を可動側分割傾斜面3
6iが移動用溝58を介して摺動して一側面36cが他
側面36bから離間する形になる。したがって、該両側
面36b,36cが、係合溝30の対向内面30a,3
0bに対して接近する方向に付勢されて、各面が互いに
弾接してクリアランスを吸収する。
【0038】このため、カムシャフト22から伝達され
た正負の回転トルク変動に起因して第1ピン36が正逆
回動すると、この回動に追随する形で両側面36b,3
6cが対向内面30a,30bに当接するため、各面3
6b,30b、36c,30a間の衝突を確実に回避で
きる。尚、第2ピン37側も第1ピン36と同様な構成
になっている。
【0039】図12及び図13は、本発明の第3実施例
を示し、係合部36aを先端面からではなく、一側面3
6bから他側面36cに亘って傾斜縦割り状に2分割
し、基部側の固定係合部位36gに対して先端側の可動
係合部位36iが互いの分割傾斜面36h,36jを介
して摺動自在になっている。また、この可動係合部位3
6iは、連結ピン55を介して固定係合部位36gに摺
動自在に連結されていると共に、コイルばね57のばね
力で移動用溝58を介して固定係合部位36g方向に引
き付けられてズレを生じ、他側面36cが一側面36b
から離間する形になる。したがって、両側面36b,3
6cが、対向内面30a,30bに対して接近する方向
に付勢されて各面が互いに弾接してクリアランスを吸収
する。依って、この実施例も第2実施例と同様な作用効
果が得られる。
【0040】図14は本発明の第4実施例を示し、この
実施例では、例えば第2フランジ部32の係合溝33に
対向内面33a,33bが内側(環状ディスク29側)
から外側方向へ向かって縮径テーパ状に形成されている
一方、前記第2ピン37は、基部が保持孔29c内に軸
方向へ摺動自在に設けられていると共に、係合部37a
の両側面37b,37cも対向内面33a,33bと同
様に先端方向に向かって縮径傾斜状に形成されている。
また、第2ピン37の後端内部に軸方向に沿って形成さ
れた摺動用穴60内には、該摺動用穴60の後端開口か
ら進出して、第1フランジ部27の内面に当接するプラ
ンジャ61と、該プランジャ61を介して第2ピン37
を係合溝33方向へ付勢する弾性部材たるコイルばね6
2が弾装されている。
【0041】したがって、この実施例によれば、コイル
ばね62のばね力によって係合部37aの両側面37
b,37cを係合溝第33の対向内面33a,33bに
常時弾接して、両者37b,33a、37c,33b間
のクリアランスの発生を防止しているため、前述のよう
なカムシャフト22から伝達された正負の回転トルク変
動をコイルばね62によって効果的に吸収する。この結
果、係合部37aの両側面37b,37cと係合溝33
の対向内面33a,33bとの衝突打音や摩耗の発生が
防止される。
【0042】尚、第1フランジ部27側の係合溝30や
第1ピン36の係合部36aも前述と同様なプランジャ
やコイルばねによってクリアランスの発生が防止される
ようになっている。
【0043】図15は、本発明の第5実施例を示し、第
2フランジ部32の係合溝33の対向内面33a,33
bが前述とは逆に外側から内側に亘って縮径テーパ状に
形成されている一方、第2ピン37が基部と係合部37
a側に2分割形成され、基部が保持孔29c内に固定さ
れていると共に、係合部37aが内部を挿通した連結ピ
ン63を介して軸方向へ摺動自在に設けられている。ま
た、この係合部37aは、両側面37b,37cが前記
対向内面33a,33bと同様に外側から内側に亘って
縮径傾斜状に形成されていると共に、内部に弾装された
コイルばね64のばね力によって図中左側つまり両側面
37b,37cが対向内面33a,33bに常時弾接す
るように付勢されている。
【0044】したがって、この実施例にあっても、コイ
ルばね64によって両端面37b,37cと対向内面3
3a,33b間のクリアランスの発生が防止されるた
め、カムシャフト22から伝達された正負の回転トルク
変動をコイルばね64によって効果的に吸収する。依っ
て、前記第4実施例と同様な作用効果が得られる。
【0045】尚、第1フランジ部27側も第2フランジ
部32側と同様の構成になっている。
【0046】また、本発明は、前記各実施例の構成に限
定されるものではなく、例えば弾性部材としてゴムや皿
ばね等を用いることも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、各ピンの係合部に有する両側面を、弾性部材に
よって各フランジ部の係合溝の各対向内面方向に付勢す
るようにしたため、該両側面と対向内面との間のクリア
ランスが吸収される。この結果、カムから伝達される正
負の回転トルク変動に起因する各面間の衝突打音や摩耗
の発生が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の第1ピンを示す斜視図。
【図2】本実施例の要部を示す分解斜視図。
【図3】本実施例の要部を示す破断図。
【図4】図5のA矢視図。
【図5】本実施例の要部を示す平面図。
【図6】図5のB−B線断面図。
【図7】図5のC−C線断面図。
【図8】本実施例の駆動機構を示す概略図。
【図9】本実施例の駆動軸とカムシャフトとの回転位相
差とバルブリフト量の特性図。
【図10】本発明の第2実施例を示す第1ピンの断面
図。
【図11】本実施例の第1ピンの正面図。
【図12】本発明の第3実施例を示す第1ピンの一部を
破断して示す平面図。
【図13】本発明の第3実施例を示す第1ピンの側面
図。
【図14】本発明の第4実施例を示す要部断面図。
【図15】本発明の第5実施例を示す要部断面図。
【図16】従来の吸排気弁駆動制御装置の断面図。
【図17】図16のD−D線断面図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 27…第1フランジ部 29…環状ディスク 30,33…係合溝 30a,30b、33a,33b…対向内面 32…第2フランジ部 36,37…ピン 36a,37a…係合部 36b,36c、37b,37c…両側面 39…駆動機構 52,53…板ばね部材(弾性部材) 57,62,64…コイルばね(弾性部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、該駆動軸の外周に相対回動可能に配設され、かつ外
    周面で吸排気弁を駆動するカムと、該カムの端部に固定
    された第1フランジ部に対向配置され、かつ前記駆動軸
    に連結固定された第2フランジ部と、前記両フランジ部
    の間に配設されて、駆動軸の軸心に対して偏心揺動可能
    な環状ディスクと、該環状ディスクの両側部に互いに反
    対方向に突設されて、前記両フランジ部に形成された各
    係合溝内に夫々係合する第1,第2ピンと、前記環状デ
    ィスクを機関運転状態に応じて揺動させる駆動機構とを
    備えた吸排気弁駆動制御装置であって、 前記各ピンの先端側に前記各係合溝に係合する2面巾状
    の係合部を設けると共に、該係合部の両側面を前記係合
    溝の対向内面方向に付勢する弾性部材を設けたことを特
    徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記各係合部の外周に、係合溝の対向内
    面に弾接する前記弾性部材を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記係合部を傾斜縦割り状に2分割形成
    すると共に、該2分割された両係合部位を互いにスライ
    ドさせて各側面が前記対向内面に対して接離自在に形成
    し、かつ該2分割された両係合部位を互いに前記対向内
    面方向へ付勢する前記弾性部材を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記係合溝の対向内面をテーパ状に形成
    する一方、前記係合部の両側面を前記係合溝のテーパ状
    の対向内面に対応して傾斜状に形成し、かつ前記各ピン
    の内部に係合部を介して前記傾斜状両側面を前記テーパ
    状対向内面方向に付勢する前記弾性部材を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御
    装置。
JP3481795A 1995-02-23 1995-02-23 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH08232622A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101326818B1 (ko) * 2011-12-07 2013-11-11 현대자동차주식회사 연속 가변 밸브 듀레이션 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101326818B1 (ko) * 2011-12-07 2013-11-11 현대자동차주식회사 연속 가변 밸브 듀레이션 장치
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