JPH0823253A - チップ型圧電共振子およびその製造方法 - Google Patents

チップ型圧電共振子およびその製造方法

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JPH0823253A
JPH0823253A JP15507294A JP15507294A JPH0823253A JP H0823253 A JPH0823253 A JP H0823253A JP 15507294 A JP15507294 A JP 15507294A JP 15507294 A JP15507294 A JP 15507294A JP H0823253 A JPH0823253 A JP H0823253A
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JP
Japan
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mother
piezoelectric substrate
main surface
cover plate
electrode portion
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Withdrawn
Application number
JP15507294A
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English (en)
Inventor
Takashi Yoshinaga
喬士 義永
Motohide Yonemura
元秀 米村
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面実装可能なチップ型圧電共振子を能率的
に得る。 【構成】 複数の圧電共振子のためのマザー圧電基板
2、およびマザー圧電基板2の各主面をそれぞれ覆う繊
維強化プラスチックからなるマザーカバー板10,11
を用意する。マザーカバー板10,11の外側に向く主
面上には、端子電極4〜6に対応するように位置する金
属箔からなる主面電極部12が形成される。マザーカバ
ー板10,11の内側に向く主面上には、接着剤層13
が形成され、接着剤層13は、振動領域を除く領域にお
いて形成されるように、透孔14を形成する。マザーカ
バー板10,11を接着剤層13を介してマザー圧電基
板2に接着した後、端子電極4〜6が分割面に露出する
ように分割して複数の素子本体を得る。その後、端子電
極4〜6とこれに対応の主面電極部12とを電気的に接
続するように端面電極部を形成し、所望のチップ型圧電
共振子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば、フィル
タ、発振子、ディスクリミネータ、トラップ素子等とし
て用いられる、チップ型圧電共振子およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、フィルタ、発振子、デ
ィスクリミネータ、トラップ素子等として用いられる圧
電共振子は、一般に、リード付きのものであった。とこ
ろが、近年、電子機器の小型化を図るために表面実装技
術が採用されており、これに伴って、この種の圧電共振
子にも、リード線のないチップ型のものが要望されてい
る。
【0003】このような要望に応じて提案されたもので
あって、この発明にとって興味あるチップ型圧電共振子
およびその製造方法が、本件出願人によるたとえば特開
平6−132772号公報に記載されている。
【0004】上述したチップ型圧電共振子は、次のよう
に製造される。まず、圧電基板を挟んで対向する振動電
極およびそれらにそれぞれ接続される端子電極をそれぞ
れ含む構成を複数箇所に分布させた、複数の圧電共振子
のためのマザー圧電基板が用意される。次いで、マザー
圧電基板上の各圧電共振子のそれぞれの振動領域を取囲
むように堤状の接着剤層がマザー圧電基板の各主面上に
形成される。次いで、各接着剤層で取囲まれた空間をそ
れぞれ覆うように、カバーシートが各接着剤層に接着さ
れるように配置される。その後、マザー圧電基板は、そ
の周縁部を取囲む枠内に配置され、この枠内に熱硬化性
の外装樹脂が未硬化の状態で流し込まれ、マザー圧電基
板の両主面が外装樹脂によって覆われた状態とされる。
この外装樹脂は硬化された後、平面研磨される。次い
で、このようにして得られたマザーサンドイッチ構造物
が切断により分割される。このようにして得られた複数
の素子本体は、分割面すなわち端面に端子電極を露出さ
せている。このように露出した端子電極に電気的に接続
されるように、素子本体の外表面上には外部電極が形成
される。それぞれの外部電極は、素子本体の両主面およ
び両端面にわたって延びるように形成される。外部電極
の主面上に形成される部分は、マザーサンドイッチ構造
物を得た段階で金属ペーストを印刷し硬化させることに
よって形成されることもある。
【0005】このようにして得られたチップ型圧電共振
子によれば、外装樹脂を圧電基板の両主面の周縁部の全
周にわたって接合させることができるので、外装樹脂と
圧電基板との間で大きな接着強度が得られ、その結果、
圧電共振子の振動領域以外での不要振動を十分に抑圧す
ることができる。また、圧電共振子の耐湿性を高めるこ
とができる。
【0006】また、圧電共振子の振動領域における振動
を許容するための空洞が接着剤層およびカバーシートに
よって形成されるので、空洞の高さを一様にかつ低くし
ながら、空洞を正確な形状で形成することができる。そ
の結果、圧電共振子の高さすなわち厚みを小さくするこ
とができる。
【0007】また、上述した製造方法によれば、外装樹
脂で覆われたマザー圧電基板を最終的に分割して複数の
圧電共振子を得るので、個々の圧電共振子を別々に製造
する場合に比べて、多数の圧電共振子を能率的に得るこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たチップ型圧電共振子は、特にその製造方法に関して解
決されるべき問題を有している。
【0009】上述したように、チップ型圧電共振子を製
造するとき、未硬化の外装樹脂を枠内に流し込む工程と
この外装樹脂を硬化させる工程とを必ず経なければなら
ない。また、マザーサンドイッチ構造物の主面上に外部
電極の一部が金属ペーストの印刷および硬化により形成
される場合には、このような印刷および硬化工程も必要
となる。しかしながら、これらの工程には比較的時間を
費やし、また、これらの工程は他の工程と並行して進め
ることができないので、チップ型圧電共振子を製造する
場合に、これらの工程がいわゆる律速段階となる。その
結果、チップ型圧電共振子のさらなるコストダウンを図
ることは、これらの工程の存在のため、制約されざるを
得ない。
【0010】また、チップ型圧電共振子の外部電極の主
面上の部分が金属ペーストの印刷および硬化により形成
された場合、当該部分の外装樹脂への密着強度が劣ると
いう問題もある。そのため、圧電共振子が実装される基
板の撓みによって、外部電極が外装樹脂から剥離するこ
とがあり、撓みやすい基板への実装が制限されている。
【0011】それゆえに、この発明の目的は、上述した
問題を解決しながら、より能率的に製造でき、それゆえ
にさらなるコストダウンを図ることができるチップ型圧
電共振子およびその製造方法を提供しようとすることで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を解
決するため、この発明に係るチップ型圧電共振子は、互
いに対向する振動電極とそれらにそれぞれ接続される端
子電極とをその主面上に形成した圧電基板、圧電基板の
振動領域を除く領域において圧電基板の各主面上にそれ
ぞれ形成される接着剤層、および、各接着剤層によって
圧電基板の各主面にそれぞれ接着され、かつ外側に向く
それぞれの主面上に各端子電極に対応するように位置す
る金属箔からなる主面電極部が形成された、繊維強化プ
ラスチックからなるカバー板を含む、素子本体を備え、
さらに、端子電極とこれに対応の主面電極部とを電気的
に接続するように素子本体の端面上に形成され、各主面
電極部とともに外部電極を構成する、端面電極部を備え
る。
【0013】また、この発明に係るチップ型圧電共振子
の製造方法は、互いに対向する振動電極とそれらにそれ
ぞれ接続される端子電極とをその主面上に形成した圧電
基板を用意する工程、圧電基板の各主面をそれぞれ覆う
ものであって、それぞれの外側に向く主面上に各端子電
極に対応するように位置する金属箔からなる主面電極部
が形成された、繊維強化プラスチックからなるカバー板
を用意する工程、および、圧電基板の振動領域を除く領
域において接着剤層が形成されるように、圧電基板の各
主面にカバー板を接着剤により接着する工程を経て、圧
電基板とカバー板と接着剤層とを備える素子本体を得て
から、端子電極とこれに対応の主面電極部とを電気的に
接続するように素子本体の端面上に端面電極部を形成す
る工程を備える。
【0014】この発明によるチップ型圧電共振子の製造
方法は、好ましくは、次のような工程を備える。すなわ
ち、この好ましい製造方法は、圧電基板を挟んで対向す
る振動電極およびそれらにそれぞれ接続される端子電極
をそれぞれ含む構成を複数箇所に分布させた、複数の圧
電共振子のためのマザー圧電基板を用意する工程、マザ
ー圧電基板の各主面をそれぞれ覆うものであって、それ
ぞれの外側に向く主面上に各端子電極に対応するように
位置する金属箔からなる主面電極部が形成された、繊維
強化プラスチックからなるマザーカバー板を用意する工
程、マザー圧電基板上の各圧電共振子のそれぞれの振動
領域を除く領域において接着剤層が形成されるように、
マザー圧電基板の各主面にマザーカバー板を接着剤によ
り接着してマザーサンドイッチ構造物を得る工程、マザ
ーサンドイッチ構造物を、端子電極が分割面に露出する
ように個々の圧電共振子ごとに分割して複数の素子本体
を得る工程、ならびに、端子電極とこれに対応の主面電
極部とを電気的に接続するように素子本体の分割面上に
端面電極部を形成する工程を備える。
【0015】
【作用】この発明では、圧電基板の振動領域における振
動を許容するための空洞は、接着剤層の厚みによって与
えられ、また、このような振動領域を除く領域におい
て、接着剤層を介してカバー板が圧電基板に接着され
る。
【0016】
【発明の効果】このように、この発明によれば、前述し
た従来のチップ型圧電共振子における外装樹脂に代わる
ものとして、カバー板が用いられるので、未硬化の樹脂
を流し込み次いでこれを硬化するという比較的長い時間
を要する工程を経ることなく、チップ型圧電共振子を得
ることができる。また、従来の外装樹脂の代わりとなる
カバー板は、従来の圧電共振子におけるカバーシートと
しての機能も果たしている。そのため、従来の場合に比
べて、部品点数の削減が可能になる。これらのことか
ら、この発明によれば、チップ型圧電共振子を能率的に
製造することができる。
【0017】また、この発明において用いられるカバー
板は、繊維強化プラスチックからなるため、比較的薄く
しながらも、高い強度を期待することができる。また、
カバー板には、金属箔からなる主面電極部が形成されて
いて、このことも、カバー板の強度の向上に寄与する。
これらのことから、チップ型圧電共振子の薄型化を図る
ことが可能となる。なお、カバー板と圧電基板との間に
は接着剤層が存在するが、この接着剤層は振動領域には
形成されないため、振動領域に対応する領域においてカ
バー板に外部からの応力が加わると、接着剤層が形成さ
れていない領域と形成されている領域との境界付近で、
カバー板にクラック等の損傷が生じやすい。しかしなが
ら、この発明では、カバー板が繊維強化プラスチックか
らなり、しかも主面電極部となる金属箔によっても補強
されているので、上述したような損傷を有利に防止する
ことができる。
【0018】また、金属箔からなる主面電極部は、繊維
強化プラスチックからなるカバー板に強固に接着される
ことができる。したがって、回路基板上に半田付けによ
って実装された後、回路基板に撓みが生じても、主面電
極部がカバー板から剥離することがない。
【0019】この発明では、好ましくは、前述したよう
に、マザー圧電基板が用意され、これに対して種々の工
程が適用され、最終的に分割して複数のチップ型圧電共
振子を得るようにされるので、多数のチップ型圧電共振
子を能率的に製造することができる。また、取扱いが比
較的困難なほど小型のチップ型圧電共振子を得ようとす
る場合であっても、その製造におけるほとんどの工程が
マザーの状態で実施されるので、各製造工程での部品ま
たは中間製品を容易に取扱うことができる。また、マザ
ーカバー板が用意された段階で、外部電極の一部をなす
主面電極部がその上に既に形成されているので、外部電
極の形成工程の能率化を図ることができる。
【0020】上述した製造方法において、マザーカバー
板を用意した段階で、接着剤層をマザーカバー板上に予
め形成しておけば、直ちに、マザーカバー板をマザー圧
電基板に接着することができ、能率的であるとともに、
マザーカバー板をマザー圧電基板に接着する前に接着剤
層を構成する接着剤を仮硬化させることが容易である。
このような接着剤の仮硬化は、マザーカバー板をマザー
圧電基板に加圧しながら接着しても、接着剤層の厚みを
ほぼ維持することができ、それゆえに、振動領域におけ
る振動を許容するための空間を確実に確保することがで
きる。
【0021】
【実施例】図5は、この発明の一実施例によるチップ型
圧電共振子1の外観を示す斜視図である。この圧電共振
子1は、図1ないし図3にそれぞれ示すような工程を経
て得られるものである。
【0022】まず、図1に示すように、マザー圧電基板
2が用意される。マザー圧電基板2は、たとえばPZT
のような圧電セラミックからなる圧電基板3を備える。
マザー圧電基板2は、複数の圧電共振子1のための電気
的要素を複数箇所に分布させている。1個の圧電共振子
1のための電気的要素を、図1とともに図4を参照しな
がら説明すると、圧電基板3の一方主面には、分割され
た振動電極4および5が形成され、他方主面には、これ
ら振動電極4および5に対向する振動電極6が形成され
ている。振動電極4、5および6には、それぞれ、端子
電極7、8および9が接続される。これら1組の振動電
極4〜6および端子電極7〜9によって、1個の圧電共
振子1のための電気的要素が構成され、マザー圧電基板
2には、このような構成が行および列をなすように分布
されている。
【0023】上述したマザー圧電基板2の各主面をそれ
ぞれ覆うため、図1に示すように、マザーカバー板10
および11が用意される。マザーカバー板10および1
1は、繊維強化プラスチックから構成される。マザーカ
バー板10および11を構成する繊維強化プラスチック
としては、たとえばプリント回路基板の材料として用い
られているガラス・エポキシ樹脂または紙・フェノール
樹脂などが有利に用いられ得る。このような繊維強化プ
ラスチックからなるマザーカバー板10および11は、
比較的薄くされても、比較的高い強度を与えることがで
き、得られた圧電共振子1の薄型化を有利に図ることが
できる。
【0024】上述したマザーカバー板10および11の
厚みに関して、圧電共振子1の薄型化を図るためには、
薄い方が好ましいと言える。しかしながら、実際には、
次のような点も考慮して厚みが決定される。圧電共振子
1を実装する基板が撓みやすい場合には、圧電共振子1
の実装後の不所望な撓みを抑制するため、ガラス・エポ
キシ樹脂からなるマザーカバー板10および11のそれ
ぞれの厚みは、0.4〜0.5mm程度が適当である。
なお、実装後の撓みを考慮する必要がない場合には、マ
ザーカバー板10および11の厚みは、0.4mm未満
であってもよい。紙・フェノール樹脂を用いる場合であ
っても、同様の考慮が払われる。
【0025】マザーカバー板10および11のそれぞれ
の外側に向く主面上には、図1において上方のマザーカ
バー板10について図示したように、端子電極7〜9の
各々に対応するように位置する金属箔からなる主面電極
部12が形成される。主面電極部12を構成する金属箔
としては、たとえば銅箔が用いられ、これら主面電極部
12を形成する方法は、たとえばガラス・エポキシ基板
上に配線パターンとなる金属箔を形成する方法と同様で
ある。
【0026】マザーカバー板10および11のそれぞれ
の内側に向く主面上には、図1において下方のマザーカ
バー板11について図示されているように、接着剤層1
3が、接着剤をたとえば印刷により塗布することにより
形成される。得ようとする圧電共振子1は、分割された
振動電極4および5ならびにこれらに対向する振動電極
6を有する、厚み縦振動モードを利用するエネルギ閉込
め型のものであり、振動電極4および5と振動電極6と
が対向する部分において振動領域が形成される。接着剤
層13は、このような振動領域を除く領域において形成
され、そのため、接着剤層13には、振動領域に対応す
る領域において、透孔14が形成されている。
【0027】次に、図2に示すように、マザー圧電基板
2の各主面にマザーカバー板10および11が接着剤層
13を介して接着される。この接着に際して、マザーカ
バー板10および11とマザー圧電基板2とは加圧され
る。また、振動領域における振動を許容するための空洞
は、接着剤層13の厚みによって与えられる。このよう
なことから、接着剤層13は、加圧されても、十分な厚
みを保ち得ることが必要であるが、そのため、接着剤層
13を与える接着剤は、マザーカバー板10および11
をマザー圧電基板2に接着する前の段階で仮硬化され、
接着後において本硬化されることが好ましい。また、接
着剤層13の厚みを十分なものとするため、接着剤の硬
化工程を間に挟みながら、接着剤の印刷を繰返したり、
あるいは、マザー圧電基板2側にも接着剤を印刷したり
する方法も有効である。
【0028】図2に示したマザーサンドイッチ構造物1
5は、次いで、切断線16および17に沿って切断され
る。この切断によって、マザーサンドイッチ構造物15
は個々の圧電共振子1ごとに分割され、図3に示すよう
な個々の圧電共振子1のための素子本体18が複数個得
られる。この素子本体18は、図4によく示されるよう
な圧電基板3を備えている。図3および図4に示すよう
に、素子本体18は、振動電極4〜6および端子電極7
〜9をその主面上に形成した圧電基板3、圧電基板3の
振動領域を除く領域において圧電基板3の各主面上にそ
れぞれ形成される接着剤層13、および、各接着剤層1
3によって圧電基板3の各主面にそれぞれ接着され、か
つ外側に向くそれぞれの主面上に端子電極7〜9に対応
するように位置する金属箔からなる主面電極部12が形
成された、繊維強化プラスチックからなるカバー板19
および20を備えている。また、素子本体18の分割面
すなわち端面には、端子電極7〜9が露出している。
【0029】上述した素子本体18は、次いで、バレル
研磨される。そして、端子電極7〜9の各々とこれに対
応する主面電極部12とをそれぞれ電気的に接続するよ
うに、図5に示すように、素子本体18の分割面すなわ
ち対向する両端面上に端面電極部21が形成される。端
面電極部21は、たとえば、まず、半田食われを防止す
るため、ニッケルおよび銅の合金またはクロムをスパッ
タリングした後、半田付け性を付与するため、銅および
銀を真空蒸着させることにより形成される。
【0030】主面電極部12は、前述したように、たと
えば銅箔のような金属箔で形成されている。このような
金属箔には、通常、フラックス塗膜が形成されている
が、前述したバレル研磨により、このフラックス塗膜が
剥離することがある。また、バレル研磨後の洗浄および
乾燥工程で、金属箔の表面が酸化することがある。これ
らが原因となって、主面電極部12の半田付け性が低下
するが、この半田付け性の低下を補償するため、主面電
極部12の形成領域上にさらに金属膜を真空蒸着または
スパッタリングにより形成してもよい。たとえば、この
ような金属膜を形成するため、銅および銀が真空蒸着さ
れる。なお、前述した端面電極部21を形成するための
工程において、同時に、主面電極部12上に、このよう
な金属膜を形成するようにすれば、より能率的である。
【0031】このようにして得られたチップ型圧電共振
子1では、図5に示すように、主面電極部12と端面電
極部21とによって、素子本体18を取巻くように、外
部電極22、23および24が形成されている。外部電
極22、23および24は、それぞれ、端子電極7、8
および9に電気的に接続されている。
【0032】図6および図7は、この発明の他の実施例
を説明するためのものである。この実施例では、二重モ
ードフィルタとして用いられるチップ型圧電共振子が示
されている。図6には、前述した実施例における圧電基
板3の代わりに用いられる圧電基板25が示されてい
る。
【0033】図6において、(a)は圧電基板25の表
側を示し、(b)は裏側を示している。圧電基板25の
表側には、入出力側端子電極26および27が形成さ
れ、裏側には、アース側端子電極28が形成される。2
つの入出力側端子電極26および27の間には、2つの
共振素子29および30が接続されている。一方の共振
素子29は、分割された振動電極31および32ならび
にこれらに対向する振動電極33を備える。他方の共振
素子30は、分割された振動電極34および35ならび
にこれらに対向する振動電極36を備える。
【0034】上述した振動電極31は、一方の入出力側
端子電極26に接続され、振動電極34は、他方の入出
力側端子電極27に接続される。また、振動電極33お
よび34は、ともに、アース側端子電極28に接続され
る。
【0035】振動電極32と35とは互いに接続され、
この接続部分には、コンデンサ電極37が形成される。
このコンデンサ電極37は、アース側端子電極28と対
向して、中継容量を形成する。
【0036】このような圧電基板25は、図7に示すよ
うなマザー圧電基板38を切断線39および40に沿う
切断により分割されることによって得られる。図7
(a)は、図6(a)に対応するマザー圧電基板38の
表側を示し、図7(b)は、図6(b)に対応するマザ
ー圧電基板38の裏側を示している。図7において、図
6に示した要素に相当する要素には、同様の参照符号を
付し、重複する説明は省略する。
【0037】図7に示したマザー圧電基板38は、前述
した実施例におけるマザー圧電基板2の代わりとして用
いられ、それによって、前述した工程と実質的に同様の
工程を経ることにより、図6に示した圧電基板25を備
える二重モードフィルタとしてのチップ型圧電共振子を
得ることができる。図6において、接着剤層に形成され
る透孔、すなわち、接着剤層が形成されない領域が、破
線41によって示されている。
【0038】なお、図7では、端子電極26〜28との
パターンが概略的または省略的に図示されている。ま
た、図7に示すように、端子電極26〜28を与えるべ
きパターンは、切断線39および40を越えて連続的に
延びているが、図1に示した端子電極7〜9と同様、個
々の得ようとする圧電基板25ごとに分割されていても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるチップ型圧電共振子
1を得るために用意されるマザー圧電基板2、ならびに
マザーカバー板10および11を互いに分離して示す斜
視図である。
【図2】図1に示したマザー圧電基板2にマザーカバー
板10および11を接着して得られたマザーサンドイッ
チ構造物15を示す斜視図である。
【図3】図2に示したマザーサンドイッチ構造物15を
分割して得られた素子本体18を示す斜視図である。
【図4】図3に示した素子本体18における圧電基板3
を透視して示す斜視図である。
【図5】図3に示した素子本体18に端面電極部21を
形成して得られたチップ型圧電共振子1を示す斜視図で
ある。
【図6】この発明の他の実施例によるチップ型圧電共振
子に備える圧電基板25を示し、(a)は表面図であ
り、(b)は裏面図である。
【図7】図6に示した圧電基板25を得るために用意さ
れるマザー圧電基板38を示すもので、(a)は表面図
であり、(b)は裏面図である。
【符号の説明】
1 チップ型圧電共振子 2,38 マザー圧電基板 3,25 圧電基板 4〜6,31〜36 振動電極 7〜9,26〜28 端子電極 10,11 マザーカバー板 12 主面電極部 13 接着剤層 14,41 透孔 15 マザーサンドイッチ構造物 16,17,39,40 切断線 18 素子本体 19,20 カバー板 21 端面電極部 22〜24 外部電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する振動電極とそれらにそれ
    ぞれ接続される端子電極とをその主面上に形成した圧電
    基板、 前記圧電基板の振動領域を除く領域において前記圧電基
    板の各主面上にそれぞれ形成される接着剤層、および各
    前記接着剤層によって前記圧電基板の各主面にそれぞれ
    接着され、かつ外側に向くそれぞれの主面上に各前記端
    子電極に対応するように位置する金属箔からなる主面電
    極部が形成された、繊維強化プラスチックからなるカバ
    ー板を含む、素子本体を備え、さらに、 前記端子電極とこれに対応の前記主面電極部とを電気的
    に接続するように前記素子本体の端面上に形成され、各
    前記主面電極部とともに外部電極を構成する、端面電極
    部を備える、チップ型圧電共振子。
  2. 【請求項2】 互いに対向する振動電極とそれらにそれ
    ぞれ接続される端子電極とをその主面上に形成した圧電
    基板を用意する工程、 前記圧電基板の各主面をそれぞれ覆うものであって、そ
    れぞれの外側に向く主面上に各前記端子電極に対応する
    ように位置する金属箔からなる主面電極部が形成され
    た、繊維強化プラスチックからなるカバー板を用意する
    工程、および前記圧電基板の振動領域を除く領域におい
    て接着剤層が形成されるように、前記圧電基板の各主面
    に前記カバー板を接着剤により接着する工程を経て、前
    記圧電基板と前記カバー板と前記接着剤層とを備える素
    子本体を得てから、 前記端子電極とこれに対応の前記主面電極部とを電気的
    に接続するように前記素子本体の端面上に端面電極部を
    形成する工程を備える、チップ型圧電共振子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記端面電極部を形成する工程は、前記
    端面電極部をスパッタリングおよび真空蒸着により形成
    する工程を備える、請求項2に記載のチップ型圧電共振
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 圧電基板を挟んで対向する振動電極およ
    びそれらにそれぞれ接続される端子電極をそれぞれ含む
    構成を複数箇所に分布させた、複数の圧電共振子のため
    のマザー圧電基板を用意する工程、 前記マザー圧電基板の各主面をそれぞれ覆うものであっ
    て、それぞれの外側に向く主面上に各前記端子電極に対
    応するように位置する金属箔からなる主面電極部が形成
    された、繊維強化プラスチックからなるマザーカバー板
    を用意する工程、 前記マザー圧電基板上の各圧電共振子のそれぞれの振動
    領域を除く領域において接着剤層が形成されるように、
    前記マザー圧電基板の各主面に前記マザーカバー板を接
    着剤により接着してマザーサンドイッチ構造物を得る工
    程、 前記マザーサンドイッチ構造物を、前記端子電極が分割
    面に露出するように個々の圧電共振子ごとに分割して複
    数の素子本体を得る工程、ならびに前記端子電極とこれ
    に対応の前記主面電極部とを電気的に接続するように前
    記素子本体の前記分割面上に端面電極部を形成する工程
    を備える、チップ型圧電共振子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記マザーカバー板を用意する工程は、
    前記接着剤層を前記マザーカバー板上に予め形成する工
    程を含む、請求項4に記載のチップ型圧電共振子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記接着剤層を形成する工程は、接着剤
    を前記マザーカバー板上に付与し、次いで、前記マザー
    カバー板を前記マザー圧電基板に接着する前に前記接着
    剤を仮硬化する工程を含む、請求項5に記載のチップ型
    圧電共振子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記端面電極部を形成する工程は、前記
    端面電極部をスパッタリングおよび真空蒸着により形成
    する工程を備える、請求項4ないし6のいずれかに記載
    のチップ型圧電共振子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記マザーサンドイッチ構造物を分割す
    る工程の後に、順次、前記素子本体をバレル研磨する工
    程、および前記主面電極部の形成領域上に金属膜を真空
    蒸着またはスパッタリングにより形成する工程をさらに
    備える、請求項4ないし7のいずれかに記載のチップ型
    圧電共振子の製造方法。
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