JP2998462B2 - 圧電共振子の製造方法 - Google Patents
圧電共振子の製造方法Info
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Description
タ、発振子、ディスクリミネータ等として用いられる圧
電共振子の製造方法に関するものである。
ネータとして用いられる圧電共振子は、一般に、リード
付きのものであった。
ために表面実装技術(SMD)が採用されており、これ
に伴って、この種の圧電共振子にも、リード線のないチ
ップ型のものが要望されている。
振子を能率的に製造する方法を、平成4年6月18日付
提出の特願平4−184442号において提案した。こ
の先願に係る製造方法では、図11に示すようなマザー
基板21が用いられる。
る圧電基板22を備え、この圧電基板22の一方主面に
は、分割された振動電極23および24が形成され、他
方主面には、これら振動電極23および24に対向する
振動電極(図示せず)が形成されている。振動電極23
および24ならびに他方主面上の振動電極には、それぞ
れ端子電極26および27ならびに図示しない端子電極
が接続される。これら1組の振動電極および端子電極に
よって、1個の圧電共振素子29が構成され、マザー基
板21は、複数の圧電共振素子29を与えている。
23および24ならびにこれらに対向する振動電極を有
する、厚み縦振動モードを利用するエネルギ閉じ込め型
の二重モード圧電共振子であり、その振動空間を確保す
るため、圧電基板22の振動領域の各々を覆うように、
空洞形成用のたとえばワックスからなる空洞形成材30
が付与される。
は、枠内に嵌め込まれ、その状態で、マザー基板21の
両主面をそれぞれ覆うように外装樹脂が流し込まれる。
次いで、これら外装樹脂が加熱され、それによって、前
述した空洞形成材30は外装樹脂中に移行して、その結
果、振動空間となる空洞を形成するとともに、外装樹脂
が硬化される。その後、外装樹脂で覆われたマザー基板
21が、圧電共振素子29ごとに分割され、この分割面
に露出した端子電極26および27等に接続されるよう
に外部電極が付与される。
ら多数のチップ型圧電共振子を能率的に得ることができ
る。
造方法において、振動空間を形成するため、圧電基板2
2の振動領域にワックスのような空洞形成材30を付与
した後、熱硬化性の外装樹脂を付与し、この外装樹脂を
硬化させるとき、空洞形成材30を外装樹脂中に移行さ
せ、その結果、振動空間となる空洞を形成している。
ような空洞形成材30を付与するとき、点滴によるた
め、その付与面積および形状において高い精度を得るこ
とが困難である。そのため、空洞形成材30と振動領域
との位置合せが不適正となることがある。空洞形成材3
0が点滴によって付与されるとき、その面積が所定以上
に広がったり、その位置ずれが大きく生じたりすると、
圧電共振素子29ごとに分割されたとき、空洞形成材3
0によって形成された空洞の一部が分割面に露出する、
といった不都合を招くことがある。このように空洞の一
部が分割面に露出すると、圧電共振子として機能し得な
くなる。
用すると、その後の外部電極形成工程での加熱により、
外装樹脂に吸収されたワックスがガス状になり、電極形
成の妨げとなることがある。
に吸収されずに圧電基板22上に残留するとき、圧電共
振子の特性に悪影響を及ぼすことがある。
に吸収できる能力を有していることが必要である。その
ため、外装樹脂は、小さい気泡を多く含んでいる。しか
しながら、このような空洞形成材30を吸収し得る能力
は、逆に、外装樹脂の耐湿性および耐溶剤性を劣化させ
る。その結果、これら耐湿性または耐溶剤性が求められ
る分野で、このような圧電共振子を用いることには支障
がある。圧電共振子をこのような用途にどうしても向け
る必要がある場合には、外装樹脂の上に、さらに、耐湿
性および耐溶剤性の優れた別の外装樹脂を被せることが
行なわれている。
気特性を有し用途に応じて耐湿性、耐溶剤性を向上させ
ることのできる圧電共振子の製造方法を提供することで
ある。
は、圧電素子が共振して振動するための空間を確保しつ
つ、圧電基板を外装樹脂で覆うことによる圧電共振子の
製造方法である。
動するための空間に対応する圧電基板の面の中央側の部
分を囲む、圧電基板の面の外側の部分と、互いに熱膨張
率が異なる2層からなるラミネートシートの低い熱膨張
率を有する層の側の面の、上記の圧電基板の面の外側の
部分に対応する部分とを接着する工程と、ラミネートシ
ートが接着された圧電基板を熱硬化性の外装樹脂によっ
て覆い加熱する工程とを含んでいる。
着されたラミネートシートは、熱膨張率が異なる2層を
有しており、加熱されることによって高い熱膨張率を有
する層が低い熱膨張率を有する層に比べてより膨張して
ラミネートシートが圧電基板から離れるように変形され
ると同時にラミネートシートを覆う外装樹脂が熱硬化さ
れ、圧電基板が振動するための空間が確保される。
材を用いることなく圧電基板が振動する空間が確保さ
れ、前述したような空洞形成材を用いる場合に遭遇する
問題は全て解消され、安定した電気特性が得られる。ま
た、外装樹脂に関して、空洞形成材を吸収する能力とは
無関係にその材料を選ぶことができるので、圧電共振子
の用途に応じた外装樹脂の選択の幅が広がり、用途に応
じて耐湿性、耐溶剤性を向上させることができる。さら
に、本圧電共振子の製造方法ではレーザ等の装置は用い
られず、本圧電共振子の製造方法はより簡便な製造方法
であるといえる。
によって得られたチップ型圧電共振子20を示す斜視図
である。このような圧電共振子20を得るため、図2な
いし図8にそれぞれ示すような工程が実施される。
が用意される。このマザー基板21の一部が拡大されて
図3に示されている。なお、マザー基板21に含まれる
要素であって、前述した図11に示した要素に相当する
要素には、同様の参照符号が付されている。
る圧電基板22を備え、この圧電基板22の一方主面に
は、分割された振動電極23および24が形成され、他
方主面には、これら振動電極23および24に対向する
振動電極25が形成されている。振動電極23、24お
よび25には、それぞれ、端子電極26、27および2
8が接続される。これら1組の振動電極23〜25およ
び端子電極26〜28によって、1個の圧電共振素子2
9が構成され、マザー基板12は、複数の圧電共振素子
29を与えている。
と同様、分割された振動電極23および24ならびにこ
れらに対向する振動電極25を有する、厚み縦振動モー
ドを利用するエネルギ閉じ込め型の二重モード圧電共振
子である。
の各面をそれぞれ覆うための第1および第2のラミネー
トシート41および42が用意される。これらラミネー
トシート41および42は、その一方面側と他方面側と
で熱膨張率が相対的に異なっている。ラミネートシート
41および42は、具体的には、後述する図7に示すよ
うに、それぞれ、高熱膨張率層43と低熱膨張率層44
との2層構造を有している。なお、ラミネートシート4
1および42は、その一方面側とその多方面側とで熱膨
張率が相対的に異なっている条件を満たす限り、さらに
多層の構造とされてもよい。
トシート41および42は、それぞれ、低熱膨張率層4
4をマザー基板21側に向けている。第1のラミネート
シート41の下面には、圧電基板22の振動領域に対応
する領域を除いて、すなわち、図2において破線のハッ
チングで示した領域において、接着剤45が付与され
る。他方、第2のラミネートシート42の上面には、第
1のラミネートシート41と同様の態様で、斑点を付し
た領域において、接着剤46が付与される。そして、第
1および第2のラミネートシート41および42が、そ
れぞれ、マザー基板21に接着される。このとき、圧電
基板22の振動領域を除く領域で、ラミネートシート4
1および42は、圧電基板22に接着している。
れ、マザー基板21上に付与された後、ラミネートシー
ト41および42がこれらに接着されるようにしてもよ
い。
基板21をほぼきっちり嵌め込むことができる、たとえ
ば樹脂からなる枠31が用意される。この枠31は、後
述する外装樹脂の加熱硬化時の温度(たとえば150℃
程度)で変形したり溶解したりしないように配慮され
る。また、この枠31の外側面32は、後述する切断時
の基準面にされる場合、平坦度を良くしておくことが望
ましい。
基板21を枠31の厚み方向のほぼ中央部に固定できる
ような手段を講じておくことが好ましい。この例では、
枠31の対向する辺(たとえば短辺)の内側に棚33が
それぞれ設けられている。
ート41および42で覆われたマザー基板21は、枠3
1に嵌め込まれ、その状態で、図6に示すように、マザ
ー基板21の片面すなわち第1のラミネートシート41
上に、未硬化の外装樹脂34が流し込まれる。この外装
樹脂34としては、たとえば、溶剤によって液状にした
エポキシ系の熱硬化性樹脂が用いられ、そこには、たと
えばシリカ、タルク等のフィラーが適量添加されてい
る。外装樹脂34は、たとえば自然乾燥等によって乾燥
され、枠31をマザー基板21とともに反転させても外
装樹脂34が流出しなくなった後に、枠31は、マザー
基板21および外装樹脂34とともに反転され、この状
態で、マザー基板21の他の面すなわち第2のラミネー
トシート42上に、再び外装樹脂34が流し込まれる。
この外装樹脂34も、また、たとえば自然乾燥される。
重ね合わされたラミネートシート41および42ならび
にマザー基板21を挿入するのではなく、枠31を互い
の位置合せのためのガイドとして利用するように、枠3
1に、まず、いずれか一方のラミネートシート41また
は42を挿入し、次いでマザー基板21を挿入し、さら
にいずれか他方のラミネートシート42または41を挿
入するようにしてもよい。
れた外装樹脂34は、たとえば、150℃で30分間、
加熱処理される。このとき、図7に示すように、ラミネ
ートシート41および42の各々は、圧電基板22に接
着されていない部分において、高熱膨張率層43と低熱
膨張率層44との熱膨張率の差に基づいて圧電基板22
から離れるように変形し、それによって、振動空間47
および48を、それぞれ、圧電基板22の振動領域上に
形成する。また、これと同時に、外装樹脂34が硬化さ
れる。
20(図1)の厚み方向の寸法精度および平面度を高め
るため、外装樹脂34の各々の外面が、枠31とともに
研磨される。この研磨は、たとえば、研磨板を用いるラ
ビング研磨によって行なわれる。これによって、図8に
示すようなマザー基板21の両面が外装樹脂34で覆わ
れたサンドイッチ構造物35が得られる。
チ構造物35が、枠31とともに、枠31の外側面32
を基準面にして、切断線36および37に沿って切断さ
れる。この切断によって、マザー基板21は、個々の圧
電共振素子29ごとに分割され、かつ、端子電極26〜
28が切断面に露出する。このようにして、図1に示す
ようなチップ型圧電共振子20が得られる。
サンドイッチ構造物35が枠31から取出された状態で
実施されてもよい。
電共振子20の少なくとも端子電極26〜28が露出し
ている面に、端子電極26〜28の各々とそれぞれ導通
される外部電極38〜40が、たとえば導電ペーストの
印刷および焼付けによって付与される。
子20のすべての端子電極26〜28が同じ面に露出し
ているが、このような端子電極が別々の面に露出する場
合もあり、その場合には、これらの面それぞれに外部電
極を付与すればよい。
共振子20の端子電極26〜28に導通する外部電極3
8a,39a,40aを、チップ型圧電共振子20の一
方側面だけでなく、上下面の少なくとも一方、さらには
他方側面にまで延びるように形成してもよい。このよう
にすることにより、チップ型圧電共振子20を回路基板
に実装するとき、その半田付けを確実に達成することが
できる。なお、外部電極38a〜40aのうち、チップ
型圧電共振子20の上面および/または下面に形成され
る部分は、予め、図8に示すサンドイッチ構造物35の
状態で、導電ペーストの印刷および焼付け等の方法によ
って付与しておいてもよい。
41および42が接着されたマザー基板21を覆うよう
に、熱硬化性の外装樹脂34を付与するため、枠31が
用いられたが、これに代えて、ディップ方式が採用され
てもよい。すなわち、ラミネートシートが接着されたマ
ザー基板は、液状の熱硬化性樹脂中にディップされた
後、取り出され、その後、樹脂の加熱硬化、研磨および
切断が行なわれることによっても、図1に示したチップ
型圧電共振子20と実質的に同様の圧電共振子が得られ
る。
1を、最終的に分割して複数のチップ型圧電共振子20
を能率的に得るようにしたが、このような利点を望まな
いならば、この発明による製造方法を、1個の圧電共振
子を得るための圧電基板に対して適用してもよい。
電共振子20の外観を示す斜視図である。
めに用意されるマザー基板21ならびに第1および第2
のラミネートシート41および42を互いに分離して示
す斜視図である。
示す斜視図である。
めに用いられる枠31を示す斜視図である。
ラミネートシート41および42を嵌め込んだ状態を示
す斜視図である。
脂34を流し込む状態を示す斜視図である。
れた振動空間47および48を示す断面図である。
イッチ構造物35の切断工程を説明するための斜視図で
ある。
極38〜40を形成した状態を示す斜視図である。
電極38a〜40aを形成した状態を示す斜視図であ
る。
圧電共振子の製造に用いられるマザー基板21を示す斜
視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 圧電基板が共振して振動するための空間
を確保しつつ、前記圧電基板を外装樹脂で覆うことによ
る、圧電共振子の製造方法であって、 前記圧電基板が振動するための空間に対応する前記圧電
基板の面の中央側の部分を囲む、前記圧電基板の面の外
側の部分と、互いに熱膨張率が異なる2層からなるラミ
ネートシートの低い熱膨張率を有する層の側の面の、前
記圧電基板の面の外側の部分に対応する部分とを接着す
る工程と、 前記ラミネートシートが接着された圧電基板を熱硬化性
の外装樹脂によって覆い加熱する工程とを含む、圧電共
振子の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303326A JP2998462B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 圧電共振子の製造方法 |
US08/150,848 US5410789A (en) | 1992-11-13 | 1993-11-12 | Method of manufacturing piezoelectric-resonator having vibrating spaces formed therein |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303326A JP2998462B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 圧電共振子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06152292A JPH06152292A (ja) | 1994-05-31 |
JP2998462B2 true JP2998462B2 (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=17919630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4303326A Expired - Fee Related JP2998462B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 圧電共振子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS6249763A (ja) * | 1985-08-29 | 1987-03-04 | Brother Ind Ltd | 画像デ−タの通信方法とその装置 |
JPS6410963A (en) * | 1987-07-01 | 1989-01-13 | Q P Corp | Dephospholipidized egg yolk |
JPH036002A (ja) * | 1989-06-02 | 1991-01-11 | Murata Mfg Co Ltd | 電子部品の製造方法 |
JPH03149252A (ja) * | 1989-11-06 | 1991-06-25 | Murata Mfg Co Ltd | 圧電共振部品の封止材料 |
JPH04100304A (ja) * | 1990-08-17 | 1992-04-02 | Murata Mfg Co Ltd | 圧電部品の製造方法 |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP4303326A patent/JP2998462B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06152292A (ja) | 1994-05-31 |
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