JPH08231264A - 塩基性耐火物の製造方法及びその耐火物 - Google Patents

塩基性耐火物の製造方法及びその耐火物

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JPH08231264A
JPH08231264A JP7059990A JP5999095A JPH08231264A JP H08231264 A JPH08231264 A JP H08231264A JP 7059990 A JP7059990 A JP 7059990A JP 5999095 A JP5999095 A JP 5999095A JP H08231264 A JPH08231264 A JP H08231264A
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JP
Japan
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refractory
magnesia
ilmenite
weight
refractory material
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JP7059990A
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Kiyoshi Goto
潔 後藤
Hidetoshi Terajima
英俊 寺島
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高耐用性で安価な塩基性耐火物を提供する。 【構成】 少なくともマグネシアを主成分とする耐火材
Aとチタン鉄鉱Bとを原料とし、かつ全配合におけるA
の配合量x重量%とBの配合量y重量%の関係が下記
(1)式を満足するようにする。 50≦x≦99 1≦y≦40 ………(1) x+y≦100 【効果】 本発明により、耐火物焼成時あるいは使用時
にチタン鉄鉱中の酸化チタン成分がマグネシアと反応し
て生成する化合物がスラグの浸潤を抑制するため、高耐
食性耐火物が得られる。また、反応の際に起こる耐火物
の組織変化により、耐熱衝撃性も向上する。一方、チタ
ン鉄鉱は安価であり、従って、安価に高耐用性の耐火物
を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窯炉の内張り塩基性耐火
物の製造方法及びその耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属、あるいは、セメント、ガラス
など、各種の高温状態の物質を扱う産業に共通して言え
ることであるが、鉄鋼精錬においても、製品品質の厳格
化等の要請から精錬操作が厳密になり、そこで用いる窯
炉等の内張り耐火物の損耗は増加している。しかし、コ
スト削減を図ろうとすると、耐火物使用量の削減および
その価格の低減が必定となる。特に、製品品質の厳格化
に対応して製品の高級化が指向され、二次精錬、例え
ば、RHなどの脱ガス設備が高級鋼溶製に必要不可欠の
設備であることから、その耐火物原単位と原単価削減が
重要な課題となっている。
【0003】一方、地球環境保全の立場から、現在二次
精錬設備で広く使されているマグクロれんがの廃材処理
がクロムを含有していることから問題となっている。現
状はその無害化処理に多くの費用をかけており、この点
を考慮すると、マグクロれんがは使用コストの高いれん
がである。このような問題を解決するため、高耐用性の
クロムフリー耐火物の使用が検討されている。マグネシ
ア−スピネル質れんがはその代表例である。このれんが
はセメントキルン向けに開発され、現在までに多くの実
績を挙げてきた。しかし、これを鉄鋼精錬窯炉に用いる
際には耐用性が劣るという問題がある。すなわちスラグ
が浸潤しやすく、繰り返しの熱衝撃に伴って剥落するた
めである。
【0004】一方、マグネシアをベースに酸化チタン
(TiO2)を添加した耐火物も、マグクロれんがの代替
材料として検討されつつある。酸化チタンを単独で添加
した耐火物は従来からあるが、直近ではMgO・2TiO
2 をマグネシアに添加した耐火物も特開平6−1919
27号公報に示されている。しかしマグネシアをベース
に酸化チタンを添加した場合、熱間強度が大きく低下
し、高耐用性は望めない。またこれらの耐火物を製造す
るためには高価な酸化チタンを原料とし、さらにこれを
マグネシアと化合させてMgO・2TiO2 を合成する必
要がある。従って原料の価格が非常に高くつくため、こ
れを使用した耐火物を工業的に利用するのは困難であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】マグクロれんがの代替
材料としてこれまで提案されている耐火物は、いずれも
耐用性が劣る、あるいは高価格であるなどの問題を抱え
ている。これらの問題を解決するために、高耐用性で安
価なマグクロ代替耐火物が切望されている。本発明の目
的は高耐用性で安価な塩基性耐火物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】耐火物、特に二次精錬用
耐火物の耐用性に求められる具備特性として、高塩基度
スラグに対する耐食性あるいは耐スラグ浸潤性、温度変
動に耐える耐熱衝撃性、溶鋼摩耗に耐える耐摩耗性など
がある。これらを満たし得る耐火物の製造及び耐火物に
ついて鋭意研究し、本発明を得た。
【0007】すなわち、本発明が要旨とするところは、
少なくともマグネシアを主成分とする耐火材Aとチタン
鉄鉱Bとを原料とし、かつ全配合におけるAの配合量x
重量%とBの配合量y重量%の関係が下記(1)式を満
足するような配合物を用いて製造することを特徴とする
塩基性耐火物の製造方法及びそれによって作られる塩基
性耐火物である。 50≦x≦99 1≦y≦40 ………(1) x+y≦100
【0008】
【作用】マグネシアを主成分とする耐火材に安価なチタ
ン鉄鉱を添加し、これを焼成あるいは使用した場合に起
こる現象と、その結果発現する耐火物の特性について、
以下に詳細に説明する。
【0009】チタン鉄鉱は薬品あるいは顔料などとして
使用されている酸化チタンの主要な原料であり、天然に
産する安価な一次原料である。添加されたチタン鉄鉱
は、耐火物の焼成工程あるいは使用中の高温条件下にお
いて、周囲のマグネシアと反応する。チタン鉄鉱中の酸
化チタン(TiO2)成分はマグネシアと化合し、2Mg
O・TiO2、MgO・TiO2、MgO・2TiO2 などの
MgO−TiO2 系化合物を生じる。これらの化合物は、
使用中に耐火物に侵入するスラグの主成分である酸化カ
ルシウム(CaO)と反応して、融点の高いペロブスカ
イト(CaO・TiO2)を生じる。その結果、侵入する
スラグの液相率が低下し、結果的にはスラグの侵入が抑
制される。このため耐火物組織は破壊され難くなり、高
い耐食性が得られる。
【0010】一方、チタン鉄鉱中の酸化鉄(FeO)成
分は高温条件下においてマグネシア中に拡散する。しか
し一部は冷却過程においてマグネシアから離溶し、粒界
にスピネル族の鉱物を生じる。この離溶現象は酸化雰囲
気において起こりやすい。粒界に生じたスピネル族の鉱
物はマグネシア粒子を強固に結合する働きをする。この
ため単に酸化チタンを添加した場合に比べて高い熱間強
度が得られ、耐摩耗性が発現する。
【0011】また、チタン鉄鉱とマグネシアの一連の反
応過程において、耐火物の微細組織は大きく変化し、数
十μmから数百μmの気孔が均一に分散した組織とな
る。その結果、耐火物の耐熱衝撃性は著しく向上する。
以上のように、マグネシアを主成分とする耐火材にチタ
ン鉄鉱を添加することで、二次精錬用耐火物に求められ
る具備すべき特性をすべて満足する耐火物が得られる。
しかも安価なチタン鉄鉱を原料として使用するため、安
価な耐火物となる。
【0012】本発明の耐火物を製造する際に用いる原料
および製造方法について以下に述べる。マグネシアを主
成分とする耐火材はマグネシアを50重量%以上含有し
ていることが望ましい。50重量%未満では前述のチタ
ン鉄鉱との反応と、それに伴う特性が発現しない。Mg
O以外の成分としてはZrO2、Al23、Cr23、C
aOなどが含まれていても差し支えない。これらの成分
以外の不純物成分はその含有量が10重量%以下である
ことが望ましい。
【0013】本発明の耐火物を製造するに当たっては、
マグネシアを主成分とする耐火材を50重量%以上99
重量%以下配合する必要がある。50重量%未満ではマ
グネシア不足によりチタン鉄鉱とマグネシアの反応によ
る特性発現が起こり難い。また99重量%を越えると、
チタン鉄鉱不足に陥り、前述の目的とする特性が発現し
ない。マグネシアを主成分とする耐火材の粒度は通常の
耐火物に適用される範囲、すなわち1μmから5mmの
範囲で適宜調整すればよい。
【0014】チタン鉄鉱は天然産のもので、TiO2成分
を35重量%以上、酸化鉄(FeO+Fe23)成分を
35重量%以上含有するものが望ましい。分散性を損な
うことのないように粒径は1mm以下とすべきである。
チタン鉄鉱は1重量%以上から40重量%以下配合する
必要がある。これは1重量%未満では前述の目的とする
特性が発現せず、40重量%を越えると耐火物中の酸化
鉄量が過多となり、耐食性が低下するためである。
【0015】本発明の耐火物には、マグネシアを主成分
とする耐火材およびチタン鉄鉱以外の耐火材を加えるこ
とができる。例をあげれば、ジルコニア、ジルコン、ム
ライト、アルミナ、クロミア、クロム鉄鉱、スピネル、
カルシア、ドロマイトなどである。これらの内の2種以
上を事前処理した複合材であっても差し支えない。以上
述べてきたもの以外に副原料として、無機あるいは有機
系バインダー、セメント、硬化時間を調整するための添
加物、解膠材、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤などを
適宜添加できる。
【0016】本発明の耐火物は、これらの原料を使用し
て製造する。製造できるのは、不定形耐火物、定形不焼
成耐火物、定形焼成耐火物などである。不定形耐火物は
プレキャスト品としても良い。不定形耐火物は混合状態
のもので、定形不焼成耐火物は成形したままのもので、
また、定形焼成耐火物は成形後焼成したもので本発明の
塩基性耐火物となる。
【0017】
【実施例】各種原料を用いて、本発明及び比較の定形焼
成耐火物を製造し、その特性を評価した。本発明による
耐火物と比較品の原料配合、並びに製造された耐火物の
一般物性および評価結果をまとめて表1に示す。製造は
以下の手順に従った。表1に示した配合の原料を外数で
5重量%のにがりと共に混練し、フリクションプレスで
65×114×230mmに成形して、乾燥した後、ト
ンネルキルンで焼成した。最高焼成温度は、試作符号
J、N、R、Uが1850℃、LとSが1800℃、他
は1700℃とした。
【0018】評価は耐食性と耐熱衝撃性について行っ
た。まず、耐食性は、回転侵食試験で評価した。すなわ
ち、鉄製の横型ドラムの内面に耐火物を内張りして、形
成されたドラム内空間に酸素−プロパンバーナーにより
火炎を送りながらドラム内に装入されたスラグを溶解
し、スラグを耐火物と反応させて耐火物を侵食させる試
験である。このとき耐食性は侵食深さで評価した。すな
わち侵食深さが少ないほど耐食性に優れていることにな
る。火炎は、内張り耐火物の表面温度が1700℃とな
るようにその強さを調整し、スラグで耐火物を4時間侵
食させた。スラグの組成は、CaO/SiO2重量比=
3、Al23 =20重量%とし、30分毎にスラグの
排出と投入を繰り返した。こうして試験が終了した後、
ドラム内に内張りした耐火物試料を取り出し、その侵食
深さを測定した。結果は、比較品Qの侵食深さを100
としたときの指数で表示し、表1に示す。
【0019】また、耐熱衝撃性は、溶銑中への浸漬と空
冷とを繰り返すことで評価した。この場合、崩壊に至る
までの繰り返し回数が多い耐火物ほど耐熱衝撃性に優れ
ていることになる。まず、誘導炉に銑鉄を投入し、これ
を溶解したのち、1500℃に保った。一方、40×4
0×200mmに加工した耐火物試料を準備し、これを
100mmの深さまで挿入して3分間浸漬したのち、引
き上げて7分間ファンで空冷する操作を繰り返した。結
果は、崩壊に至るまでの回数で表示し、表1に示す。
【0020】
【表1A】
【0021】
【表1B】
【0022】
【表1C】
【0023】
【表1D】
【0024】表1の注: 1) 高純度焼結マグネシアクリンカー 2) MgO=70重量%,CaO=25重量%の電融クリンカ
ー 3) MgO=70重量%,Cr23=20重量%の電融クリン
カー
【0025】本発明によるA〜Nの耐火物は、いずれも
ベースとなっている比較品Q〜Vよりも侵食指数が小さ
く、高い耐食性を示した。すなわちA〜IおよびKはQ
あるいはVよりも、JはRよりも、LはSよりも、Mは
Tよりも、またNはUよりも高耐食性であった。耐スポ
ール性に関しても同様で、本発明品の方が崩壊に至る回
数が多く、すぐれていることがわかる。さらに、熱間曲
げ強度については、A〜IおよびKとVを比較すると、
単純に酸化チタンを添加したVよりもチタン鉄鉱を添加
したA〜IおよびKの方が高強度で、効果が現れた。
【0026】一方耐火物の製造コストについては、チタ
ン鉄鉱の価格が酸化チタンの5分の1から10分の1程
度であるため、価格に大きな差がつく。たとえば比較品
Vの単価を100とすれば、発明品Bの製造コストは8
0程度で、本発明の耐火物が安価に製造できることがわ
かった。
【0027】
【発明の効果】本発明は高耐用性の塩基性耐火物を安価
に提供でき、これにより鉄鋼を含めた溶融金属、あるい
は、セメント、ガラスなどの製造コストを大幅に引き下
げることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともマグネシアを主成分とする耐
    火材Aとチタン鉄鉱Bとを原料とし、かつ全配合におけ
    るAの配合量x重量%とBの配合量y重量%の関係が下
    記(1)式を満足するような配合物を用いて製造するこ
    とを特徴とする塩基性耐火物の製造方法。 50≦x≦99 1≦y≦40 ………(1) x+y≦100
  2. 【請求項2】 少なくともマグネシアを主成分とする耐
    火材Aとチタン鉄鉱Bとを原料として含み、かつ全配合
    におけるAの配合量x重量%とBの配合量y重量%の関
    係が下記(2)式を満足する塩基性耐火物。 50≦x≦99 1≦y≦40 ………(2) x+y≦100
JP7059990A 1995-02-24 1995-02-24 塩基性耐火物の製造方法及びその耐火物 Withdrawn JPH08231264A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6660673B1 (en) * 1999-07-22 2003-12-09 Sachtleben Chemie Gmbh Use of particulate materials containing TiO2 in refractory products

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6660673B1 (en) * 1999-07-22 2003-12-09 Sachtleben Chemie Gmbh Use of particulate materials containing TiO2 in refractory products

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Effective date: 20020507