JPH0822800B2 - ▲iii▼―v族化合物半導体薄膜の形成方法 - Google Patents

▲iii▼―v族化合物半導体薄膜の形成方法

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JPH0822800B2
JPH0822800B2 JP1042130A JP4213089A JPH0822800B2 JP H0822800 B2 JPH0822800 B2 JP H0822800B2 JP 1042130 A JP1042130 A JP 1042130A JP 4213089 A JP4213089 A JP 4213089A JP H0822800 B2 JPH0822800 B2 JP H0822800B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はIV族半導体結晶上へ高品質かつ表面平坦性に
優れたIII−V族半導体エピタキシャル膜を形成するIII
−V族化合物半導体薄膜の形成技術に関するものであ
る。
(従来の技術) 現在、Siに代表されるIV族半導体単結晶基板上にGaAs
に代表されるIII−V族化合物半導体単結晶薄膜を形成
する試みが活発に行われている。これは、このような薄
膜構造が形成できると、III−V族化合物半導体高機能
素子を安価なSi基板上に作製でき、またSiの高い熱伝導
率によって光素子等の性能向上が期待できるためであ
る。さらにSi基板上に選択的にIII−V族化合物半導体
単結晶薄膜を形成できれば、Si超高集積回路とIII−V
族化合物半導体超高速素子や光素子を同一基板上に形成
できるため、新しい高機能素子の開発が予想されるから
である。
しかしながら、III−V族化合物半導体結晶はIII族と
V族の2種類の元素から成る有極性結晶であるのに対
し、IV族半導体単結晶基板は単一元素から成る無極性結
晶である。従って、通常用いられる(100)面方位を有
するIV族半導体単結晶基板上にIII−V族化合物半導体
単結晶薄膜をエピタキシャル成長させようとする場合、
III族とV族の配列の位相がずれ、極性が反転した領
域、いわゆるアンチ・フェイズ・ドメインができやす
く、前基板面内でIII族とV族の配列の位相がそろった
いわゆるシングル・ドメイン単結晶薄膜を確実に得るこ
とはごく最近までは困難であった。
この問題を解決するために考えられたのが雑誌「ジャ
パニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジック
ス(Jpn.J.Appl.Phys.)」第24巻第6号(1985年)の第
L391−393頁に説明されている「二段階成長法」と呼ば
れる方法である。すなわちSi単結晶基板の温度を450℃
以下の低温として、まず200Å程度の微細な多結晶もし
くは非晶質状のGaAsバッファ層を堆積した後、Si単結晶
基板の温度を通常の成長温度、上記文献の場合は600℃
としてGaAs単結晶薄膜を成長させる方法である。この方
法によってシングル・ドメイン単結晶薄膜を確実に得る
ことができるようになった。微細な多結晶もしくは非晶
質状のGaAs薄膜は温度600℃に昇温する間にアニールさ
れて単結晶化する。上記文献の結果はMOCVD(etal
rganic hemical apor eposition)法によるもの
であったが、以後MBE(olecular eem pitaxy)法
でも同様に二段階成長法が有効であることが確認され
た。
さて二段階成長法ではまず低温でGaAsバッファ層を成
長するが、このバッファ層は島状の成長をしていること
がその後の研究の結果わかってきた。シングル・ドメイ
ンの単結晶を得るためには、最初それぞれの島の結晶方
位は一致していなくても良いが、島が十分小さく周囲の
島とそれぞれ接していることが必要である。そしてその
後のアニールによって優勢なほうの方位への並び替えが
起こってシングル・ドメイン化すると考えられている。
また並び替えが起こらなくても、GaAs成長中に優勢方位
のみが残ってシングル・ドメイン化するとも考えられる
が、この場合でも高温でのアニールは必要となる。これ
は低温で成長したバッファ層が多くの欠陥を含むため、
200Å程度の薄いうちにアニールして結晶性を回復させ
る必要があるためである。
一方、III族原料とV族原料とを交互に供給する方法
によって低温で直接単結晶膜を成長する試みが最近なさ
れるようになった。たとえば雑誌「アプライド・フィジ
クス・レター(Appl.Phys.Lett.)」第53巻第24号(198
8年)の第2435−2437頁に説明されているように、高真
空中でIII族原子とV族原子を交互に供給するMEE(ig
ration nhanced pitaxy)法によって低温で約400Å
の単結晶膜を直接成長後、同じ温度でMBE成長すること
で厚いシングル・ドメイン単結晶膜を得ている。この場
合、成長中に優勢方位のみが残ってシングル・ドメイン
化すると考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) III−V族化合物半導体薄膜のエピタキシャル成長法
において、上記の従来技術の問題点を考えてみる。
半導体薄膜の素子応用の観点からはシングル・ドメイ
ン化とともに結晶品質の向上とさらに表面の平坦性が重
要である。平坦な表面を得るには島状成長では島が小さ
く高密度であるほどよい。さらには層状成長であること
が最も望ましい。また通常Si(100)基板上の成長層に
は、基板と成長層との格子不整合から予想されるよりは
るかに多くの転位や積層欠陥等が含まれる。そしてこれ
ら多くは島と島の間から発生すると考えられるため、結
晶品質の向上のためには層状成長であることが望まし
い。
二段階成長法の場合、バッファ層の成長温度としては
低温ほど島の大きさが小さく密度は高くなる傾向にあ
る。しかしながらあまり低温になると双晶や積層欠陥な
どを多数含む結晶品質の極めて悪い膜となり、さらには
非晶質状となるため層状成長の実現は極めて難しい。し
かも実際には膜厚が十分薄いうちに結晶性回復のためア
ニールをする必要がある。ところがせっかく低温で平坦
なバッファ層を成長したにもかかわらず、このアニール
をしすぎると固相成長によって表面に大きな凹凸が生じ
てしまい、逆にアニールが不十分であると結晶品質が十
分向上しないという問題点があった。
一方、III族原料とV族原料とを交互に供給する方法
では、成長初期から比較的結晶性が良いため、少なくと
も二段階成長法のように膜厚が薄いうちにアニールする
必要はない。そのためまず低温で十分厚い単結晶膜を成
長しておくことができ、その後必要があれば結晶性改善
のためのアニールを行えば良く、表面に大きな凹凸が生
じる心配はなくなる。しかしながら、この方法でも成長
初期は依然として島状成長であり、層状成長の実現には
至らず根本的な結晶性および平坦性の向上は望めないと
いう問題点があった。
さらに通常、結晶成長の容易なSi(100)面を基板と
して用いるが、この場合基板と成長層との界面で発生し
た転位が容易に上層まで伸びて貫通転位となりやすいた
め、十分高品質の結晶を得るためには数μm以上の厚い
膜を成長する必要があるという共通の問題点があった。
本発明の目的はこのような従来技術の欠点を克服し、
IV族半導体結晶上に表面平坦性に優れた高品質なIII−
V族半導体エピタキシャル膜を形成するIII−V族化合
物半導体薄膜形成技術を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明はIII−V族化合物半導体薄膜IV族結晶上に形
成する方法において、前記IV族結晶上に薄いAl層を形成
する工程と、前記Al層上にV族原料を供給し、前記Al層
をIII族構成元素をAlとするIII−V族化合物単結晶に変
換する工程と、前記III−V族化合物単結晶層上にIII−
V族化合物半導体薄膜を形成するものである。また別の
方法では前記IV族結晶上にAlを含む有機揮発性化合物を
供給し薄いAl層を形成する工程と、このAl層にV族元素
またはV族元素の揮発性化合物を供給し、前記Al層をII
I族構成元素がAlであるIII−V族化合物単結晶層に変換
する工程とを経た後、所望のIII−V族化合物半導体単
結晶薄膜を形成することを特徴とする。
さらにIV族結晶の面方位として(111)面を用いる
と、より効果的である。
また、Al層の形成を400℃以下で行うと良い。
Al原料としては、Alとハロゲン元素の結合した有機金
属化合物を用いると選択性の点から好ましい。
また、III−V族化合物半導体薄膜の成長初期におい
ては、III族原料とV族原料を交互に供給すると、成長
温度の低温化の観点から好ましい。
(作用) Si単結晶基板上へのGaAsの成長で島状成長するのは、
ひとつにはSi結晶とGaAs結晶との間の大きな格子定数
差、(100)面への成長では4%という大きな差が原因
となっていると考えられる。ところがたとえば雑誌「応
用物理」第57巻第11号(1988)の第1754頁−1759頁に説
明されているように、MEE法を用いて150℃でGaとAsを交
互に供給しても、GaAs1分子層以下のごく初期から島状
成長となる。しかも最初の1原子層は全面に二次元的に
付くにもかかわらず、2原子層目を付けたとたんに島状
に変化し表面被覆率が減少する。さらに格子定数差が0.
37%と十分に小さいはずのSi単結晶基板上へのGaPの成
長でも島状成長となる(雑誌「ジャーナル・オブ・アプ
ライド・フィジックス(J.Appl.Phys.)」第64巻第9号
(1988年)の第4526−4530頁)。
従ってIV族単結晶基板上へのIII−V族化合物半導体
結晶の成長で一般に島状成長する原因は、単に格子定数
差によるストレスのみによるのではなく、むしろその成
長初期における表面IV族原子とIII族またはV族原子と
の間の化学結合状態、さらにはIII族とV族原子との間
の化学結合状態が深くかかわっていると考えられる。
この様な考察に基づいて得られたのが本発明のまずAl
を含む原料を供給し数原子から数十原子層分のAl層を形
成し、このAl層をIII族構成元素がAlであるIII−V族化
合物単結晶層に変換したのち、所望のIII−V族化合物
半導体薄膜を形成する方法である。
Si−Alの結合はSi−Gaなどの結合に比べて強く、一方
Al−Alの結合はSi−Siの結合に比べて極めて弱い。この
様な場合にはSi表面がすべてAlで覆われた方が表面およ
び界面エネルギーの和が小さくなる。そのため、Si単結
晶基板上へ形成したAl層はその成長の初期から平坦な連
続膜となる。ただし、SiとAlの合金化反応を抑えるた
め、このAl層の形成は400℃以下の低温で行うのが望ま
しい。この点でAl原料として有機揮発性化合物を用いる
と低温成長が行える。つづいてV族元素またはV族元素
の揮発性化合物、たとえばAsの揮発性化合物を供給する
と、分解で生じたAsは薄いAl層中を拡散してSi基板との
界面に到達し界面から順にAlAs結晶がエピタキシャル成
長する。その結果、Al層は数十Åの薄い平坦なAlAs単結
晶連続膜に変換される。さらにこのAlAs膜をバッファ層
として次に所望のIII−V族単結晶薄膜を成長するので
あるが、この時は結晶品質を上げるために成長温度は高
めに設定する必要がある。しかしAl−Asの結合は他のII
I−V族化合物のGa−Asなどの結合に比べて強いため、
固相成長によってAlAs層の表面に大きな凹凸が生じるこ
とはない。さらに少なくとも十分な厚みが得られるまで
は、III族元素の揮発性化合物とV族元素またはV族元
素の揮発性化合物とを交互に供給する方法によれば成長
温度を低く抑えることができるため、従ってIV族半導体
単結晶基板上に表面平坦性に優れた高品質なIII−V族
半導体エピタキシャル膜を形成するIII−V族化合物半
導体薄膜形成方法を実現できる。
さらにIV族結晶の面方位として(111)面を特定する
もう一つの発明は次の考察に基づいて得られた。IV族結
晶として(100)面を用いた場合、結晶と成長層との界
面で発生し容易に上層まで伸びて貫通転位となるのは60
゜転位と呼ばれる{111}面上に存在する転位である。
そしてこの{111}面上の転位が他の転位に比べて導入
されやすい事実はIV族結晶として(111)面を用いた場
合にも共通である。ゆえに(111)面を基板として用い
れば、基板と成長層との界面で発生した転位は基板と平
行な(111)面内に容易に曲げられるため、貫通転位と
はなりにくい。また(111)面は2原子層ステップから
なるため、その上に極性半導体を成長してもシングル・
ドメインとなり、本質的にアンチ・フェイズ・ドメイン
形成の問題がない。従ってIV族結晶として(111)面を
用い、さらに低温でまず薄いAl層を形成し、このAl層を
III−V族単結晶層に変換したのち、所望のIII−V族化
合物半導体薄膜を形成すめことで、薄い膜厚で十分高品
質なIII−V族半導体エピタキシャル膜を形成するIII−
V族化合物半導体薄膜形成方法を実現できる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。
(実施例1) 高真空下900〜1000℃で基板の熱クリーニングが可能
なサブチャンバーを備え、III族有機金属原料としては
ジエチルガリウムクロライド(DEGaCl)、ジエチルアル
ミニウムクロライド(DEAlCl)およびトリメチルガリウ
ム(TMG)、V族原料としてはアルシン(AsH3)ガスの
供給が可能な減圧MOCVD装置を用いて、Si単結晶基板上
へのGaAs成長を行った。GaAsの成長法としてはDEGaClと
AsH3を交互に供給する原子層エピタキシャル成長法(AL
E法)を用いた。この方法は原料ガス分圧や供給時間、
また成長温度によらずDEGaClとAsH3の交互供給、1サイ
クル当たりGaAs単分子層単位の成長が得られる方法であ
る。
Si基板としては(100)4゜off to<011>および(11
1)面の物を用い、また成長させる際に選択成長の可否
も同時に調べるため、基板表面の一部にSiO2マスク部分
を設けておいた。熱クリーニングを行った基板を反応管
に導入し、キャリアガスとしてのH2を9l/min流し、反応
管内圧力100Torrとして高周波加熱によってカーボンサ
セプタ上のSi基板を350℃に加熱した。しかる後にまず
第1図(a)に示すように、5×10-2torrの分圧のDEAl
Clを30〜60秒間供給してSi基板1上に10〜20ÅのAl層2
を堆積した。このあと1torrの分圧をAsH3を供給しなが
らSi基板1の温度を450℃に昇温して30秒間保持した。
この間に350℃で堆積したAl層2は第1図(b)に示す
ように、AlAs層3に変換される。その後AsH3の供給を停
止し、0.5秒経過後5×10-2torrの分圧のDEGaClを1秒
間供給した。このあと原料無供給時間を0.5秒とり、そ
のあと1torrの分圧のAsH3を1秒間供給した。この3秒
間の操作を1000回繰り返すことで第1図(c)に示すよ
うにSi基板1上にAlAs層3をバッファ層としてGaAs層4
を成長した。さらに450℃より高い温度での成長も行
い、この場合もまず最初は450℃でDEGaClとAsH3の交互
供給を70回繰り返し、しかる後所定の温度に昇温し残り
930回の交互供給を行った。
また比較のためAl層の堆積を行わずに、すなわちAlAs
バッファ層を介さずにGaAsを成長する実験も行った。こ
の場合、基板を反応管に導入した後、すぐに所定の温度
に昇温しDEGaClとAsH3の交互供給を1000回繰り返した。
第2図は成長温度に対する1サイクル当たりのGaAsの
成長膜厚を示した図で、第2図(a)はSi(100)4゜o
ff<011>基板上に成長した場合、また第2図(b)はS
i(111)基板上に成長した場合である。AlAsバッファ層
を介して成長した場合には両基板上とも単分子層単位の
成長が得られ、基板面内での膜厚分布は極めて均一で表
面も鏡面であった。これに対して、AlAsバッファ層を介
さずに成長した場合には単分子層単位以下の成長とな
り、膜厚均一性が悪くモホロジーも悪かった。
次に第3図は成長温度に対するX線回折強度を示した
図である。AlAsバッファ層を介して成長した場合、AlAs
バッファ層を介さずに成長した場合に比べて両基板上と
もX線回折強度が約2〜10倍強くなっており、結晶性が
大幅に改善されていることがわかる。さらにSi(111)
基板上成長した場合の方が、Si(100)4゜off<011>
基板上に成長した場合に比べて数倍から数十倍X線回折
強度が強い。従ってSi(111)基板上にAlAsバッファ層
を介して成長することで、この場合約3000Åと膜厚が極
めて薄いにもかかわらず良好な結晶性を有するGaAs膜が
成長できることがわかる。
さらに上記のいずれの条件で成長した場合も、SiO2
スク部分にはAlAsならびにGaAsの析出は認められず選択
成長が可能であった。
以上、MOCVD装置として減圧装置を用いたが常圧装置
を用いても良い。
またAl層を形成する方法としてはDEAlClを原料ガスと
して用いたが、この原料ガスを用いると低温で平坦な連
続薄膜を選択的にしかも極めて再現性よく均一に形成で
きる。そのため本発明に適用するのに最も適した方法と
考えられる。しかし基本的には低温で平坦な連続薄膜を
形成できれば良く、例えばアルキル基をエチル基からメ
チル基に替えたDMAlCl等を原料ガスとして用いても良
い。さらにトリイソブチルアルミニウム(TIBA)や、ジ
メチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)を原料ガス
として用いて良いが、この場合ごく限られた条件でのみ
選択成長が可能である。またIV族結晶上に形成したAl層
をAlAs層に変換する場合を例に説明したが、他のAlをII
I族構成元素とする化合物、例えばAlPやAlN、さらにAlA
sxP1-xなどの混晶に変換してもよく、その上に成長する
所望のIII−V族化合物半導体の種類に応じて選べばよ
い。
また所望のIII−V族化合物半導体の成長法としてDEG
aClとAsH3を用いたGaAsの成長を例に説明したが、III族
およびV族原料とは基本的にガスとして供給可能であれ
ばよい。例えばDEGaClとPH3を用いたGaP、DMInClとPH3
を用いたInPの成長、さらにDEGaCl+DMInClとAsH3の交
互供給によるInGaAsの成長などの混晶の成長にも本発明
を適用することができる。またIII族有機金属原料とし
ては塩素との結合を持たないTMG、TEG、TMIn等でもよい
が、この場合選択成長が困難であるか、またはごく限ら
れた条件でのみ可能である。さらにIII族原料としてはG
aCl3等の無機原料を用いてもよく、逆にV族水素化物原
料をTEAs等のV族有機金属原料やさらにAsメタル等のV
族元素に代えても良い。
(実施例2) Si基板として(100)4゜off<011>および(111)面
の物を用い、実施例1と同じ装置、同じ手順でAlAsバッ
ファ層を介して、まず450℃でDEGaClとAsH3の交互供給
し、この場合このサイクルを500回繰り返して約1500Å
のGaAs層を成長した。しかる後に基板温度を600℃に昇
温し、TMGとAsH3を同時に供給する通常のMOCVD法でGaAs
を2μm成長した。比較のためAlAsバッファ層は介さず
に、他は全く同じ条件で成長する実験も行った。
成長膜はいずれもシングル・ドメインの単結晶であ
り、実施例1に比べて膜厚がはるかに厚い分貫通転位も
減少し、結晶性は全体に大きく改善されている。しかし
AlAsバッファ層を介して成長したGaAs膜の表面が両基板
上とも鏡面であるのに対して、AlAsバッファ層を介さず
成長したGaAs膜の表面にはかなり大きな凹凸が認められ
た。さらにAlAsバッファ層を介した方が、介さずに成長
した場合に比べてX線回折強度が強く、結晶性が大幅に
改善されており、またSi(111)基板上成長した場合の
方が、Si(100)4゜off<011>基板上に成長した場合
よりもX線回折強度がはるかに強く結晶性が良いなど、
実施例1と全く同様の傾向が得られた。
以上の実施例においてはSi基板上に、III−V族化合
物半導体薄膜を形成させたが、例えばIII−V族化合物
基板上に形成させたSi結晶上に薄膜を形成させても良
い。また、Si以外のIV族材料として例えばSiGeやGeなど
にも上記の方法と同様に発明の効果が確認された。ま
た、Al層及びIII−V族化合物半導体薄膜の成長方法と
しては、化学気相成長法に限らず分子線成長方法などで
も良い。
(発明の効果) 本発明は、以上説明したように構成されているので、
以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1に記載した方法によれば、IV族結晶上にAl層
を形成させ、V族元素を供給することにより、IV族結晶
と連続なIII−V族結晶層を形成させる。このIII−V族
結晶層をバッファ層としてIII−V族化合物半導体薄膜
を成長させるので、表面平坦性に優れた高品質なIII−
V族化合物半導体薄膜の形成が可能となる。
請求項2のようにAl原料として有機揮発性化合物を用
い、V族元素の原料として揮発性化合物を用いれば、Al
層の成長が低温で行え、IV族結晶に連続なIII−V族結
晶が、容易に得られるので、再現性良くIII−V族化合
物半導体薄膜が形成できる。
請求項3の方法によれば、IV族結晶の面方位として
(111)面を用いるので、貫通転位の少ないIII−V族化
合物半導体薄膜が形成できる。
請求項4のように、Al層の形成温度を400℃以下とす
ると、SiとAlの合金化が抑制されるので、確実に表面が
平坦な連続膜が得られる。
請求項5のようにAlの原料としてAlとハロゲンの結合
した有機金属化合物を用いると、選択性に優れたIII−
V族化合物半導体薄膜の形成方法が実現できる。
請求項6に記載したように、III−V族化合物半導体
薄膜形成の際にIII族原料としてIII族元素の揮発性化合
物を、V族原料としてV族元素の揮発性化合物を用い、
これらをIV族結晶上に交互に供給すれば、成長温度が下
げられるので、より確実に高品質な薄膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る一例としての結晶成長工
程を示す断面図、第2図は同実施例における成長温度に
対する1サイクル当たりのGaAsの成長膜厚を示した図
で、第2図(a)はSi(100)4゜off<011>基板上に
成長した場合、また第2図(b)はSi(111)基板上に
成長した場合、第3図は同実施例における成長温度に対
するX線回折強度示した図である。 1……Si基板、2……Al層、3……AlAs層、4……GaAs
層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】IV族結晶上にIII−V族化合物半導体薄膜
    を形成する方法において、前記IV族結晶上に薄いAl層を
    形成する工程と、前記Al層上にV族原料を供給すること
    により前記Al層をIII族構成元素をAlとするIII−V族化
    合物単結晶層に変換する工程と、前記III−V族化合物
    単結晶層上に所望のIII−V族化合物半導体薄膜を形成
    する工程とを行うことを特徴とするIII−V族化合物半
    導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】IV族結晶上にIII−V族化合物半導体薄膜
    を形成する方法において、前記IV族結晶上にAlを含む有
    機揮発性化合物を供給することにより薄いAl層を形成す
    る工程と、このAl層上にV族元素またはV族元素の揮発
    性化合物を供給することにより前記Al層をIII族構成元
    素をAlとするIII−V族化合物単結晶層に変換する工程
    と、前記III−V族化合物単結晶層上に所望のIII−V族
    化合物半導体薄膜を形成する工程とを行うことを特徴と
    するIII−V族化合物半導体薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】IV族結晶上にIII−V族化合物半導体単結
    晶薄膜を形成する方法において、IV族単結晶基板の面方
    位として(111)面を用い、かつ前記IV族単結晶基板上
    にAlを含む有機揮発性化合物を提供することにより薄い
    Al層を形成する工程と、このAl層上にV族元素またはV
    族元素の揮発性化合物を供給することにより、前記Al層
    をIII族構成元素がAlであるIII−V族化合物単結晶層に
    変換する工程と前記III−V族化合物単結晶層上に所望
    のIII−V族化合物半導体薄膜を形成する工程とを行う
    ことを特徴とするIII−V族化合物半導体薄膜の形成方
    法。
  4. 【請求項4】Al層の形成を400℃以下の低温で行うこと
    を特徴とする請求項1,2又は3記載のIII−V族化合物半
    導体薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】Alを含む有機揮発性化合物として、Alとハ
    ロゲン元素の結合を少なくとも1つ持つ有機金属化合物
    を用いることを特徴とする請求項2,3又は4記載のIII−
    V族化合物半導体薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】所望のIII−V族化合物半導体単結晶薄膜
    の形成の全体または少なくともその初期の一部が、III
    族元素の揮発性化合物とV族元素またはV族元素の揮発
    性化合物とを交互に供給する方法によることを特徴とす
    るを請求項2,3,4又は5記載のIII−V族化合物半導体薄
    膜の形成方法。
JP1042130A 1989-02-21 1989-02-21 ▲iii▼―v族化合物半導体薄膜の形成方法 Expired - Lifetime JPH0822800B2 (ja)

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