JPH08226438A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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Publication number
JPH08226438A
JPH08226438A JP3375295A JP3375295A JPH08226438A JP H08226438 A JPH08226438 A JP H08226438A JP 3375295 A JP3375295 A JP 3375295A JP 3375295 A JP3375295 A JP 3375295A JP H08226438 A JPH08226438 A JP H08226438A
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JP
Japan
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sensor
peripheral surface
wheel
diameter side
permanent magnet
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Application number
JP3375295A
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English (en)
Inventor
Hideo Ouchi
英男 大内
Takanori Okada
孝典 岡田
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NSK Ltd
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型化する事なくセンサ20aの出力を大き
くして、小型自動車の車輪の回転速度検出を確実に行な
える様にする。 【構成】 大径部15aに複数の回転側切り欠き32を
形成したトーンホイール13aが内輪5と共に回転す
る。センサ20aを構成する内径側、外径側両ステータ
33、34に形成した第一、第二の両固定側切り欠き3
6、38と上記回転側切り欠き32との位相変化によ
り、永久磁石22aに基づく磁束の密度が変化する。コ
イル24aを構成する導線の巻き数を多くし、トーンホ
イール13aの周速を速くできる分、センサ20aの出
力を大きくできる。又、トーンホイール13aの軸方向
長さを短くできる分、トーンホイール13aの振れ回り
運動が発生しにくくなり、センサ20aの出力を安定さ
せる事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に回
転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出す
る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム
(ABS)、或はトラクションコントロールシステム
(TCS)を制御すべく、この車輪の回転速度を検出す
る為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとして、
従来から種々の構造のものが知られている。この様な回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットに組み込まれる回
転速度検出装置は何れも、車輪と共に回転するトーンホ
イールと、このトーンホイールの回転速度に比例した周
波数で変化する出力信号を出すセンサとを備える。トー
ンホイール及びセンサの種類に就いては従来から種々知
られている。このうちで、トーンホイールとして磁性材
製のものを使用し、このトーンホイールの回転に応じて
センサを構成するコイルに惹起される電圧を変化させ
る、所謂パッシブ型のものが、高価な構成部品を使用し
ない事から、広く使用されている。又、この様なパッシ
ブ型の回転速度検出装置に於いて、センサの出力を大き
くすべく、このセンサを円環状に構成する事も、例えば
発明協会公開技報94−16051に記載されている様
に、従来から知られている。
【0003】図4〜5は、この公開技報に記載された回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットを示している。内
輪相当部材であるハブ1の外端部(外とは車両への組み
付け状態で車両の幅方向外となる側を言い、各図の左)
外周面には、車輪を固定する為のフランジ部2を形成
し、中間部外周面には、内輪軌道3aと段部4とを形成
している。又、このハブ1の外周面には、その外周面に
内輪軌道3bを形成し、上記ハブ1と共に内輪相当部材
を構成する内輪5を、その外端面を上記段部4に突き当
てた状態で外嵌支持している。尚、上記内輪軌道3a
は、ハブ1の外周面に直接形成する代りに、ハブ1とは
別体の内輪(図示せず)に形成し、この内輪と上記内輪
5とを、ハブ1に外嵌固定する場合もある。
【0004】又、ハブ1の内端寄り部分には雄ねじ部6
を形成している。そして、この雄ねじ部6に螺合し更に
緊締したナット7により、上記内輪5をハブ1の外周面
の所定部分に固定して、内輪相当部材を構成している。
ハブ1の周囲に配置された外輪8の中間部外周面には、
この外輪8を懸架装置に固定する為の取付部9を設けて
いる。又、この外輪8の内周面には、それぞれが上記各
内輪軌道3a、3bに対向する、外輪軌道10a、10
bを形成している。そして、これら各内輪軌道3a、3
bと外輪軌道10a、10bとの間に、それぞれ複数ず
つの転動体11、11を設けて、上記外輪8の内側での
ハブ1の回転を自在としている。尚、図示の例では、転
動体11、11として玉を使用しているが、重量の嵩む
自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体とし
てテーパころを使用する場合もある。又、上記外輪8の
外端部内周面とハブ1の外周面との間にはシールリング
12を装着して、外輪8の内周面と上記ハブ1の外周面
との間に存在し、上記複数の転動体11、11を設けた
空間の外端開口部を塞いでいる。
【0005】上記内輪5の内端部(内とは、車両への組
み付け状態で車両の幅方向中央寄りとなる側を言い、各
図の右)で上記内輪軌道3bから外れた部分には、トー
ンホイール13の基端部(図4〜5の左端部)を外嵌固
定している。このトーンホイール13は、鋼板等の磁性
金属板により全体を円環状(短円筒状)に形成してい
る。このトーンホイール13は、互いに同心に形成され
た小径部14と大径部15とを、段部16により連続さ
せて成る。この様なトーンホイール13は、上記大径部
15を内輪5の端部外周面に外嵌し、上記段部16をこ
の内輪5の端縁部に当接させた状態で、この内輪5に支
持固定している。従って上記小径部14は、上記内輪5
と同心に支持される。そして、この小径部14に、回転
側除肉部である複数の透孔17を、円周方向に亙り等間
隔に形成して、円周方向に亙る磁気特性を交互に且つ等
間隔に変化させている。各透孔17は同形状で、軸方向
(図4〜5の左右方向)に長い矩形としている。
【0006】外輪8の内端開口部は、ステンレス鋼板、
アルミニウム合金板等の金属板を絞り加工する等により
有底円筒状に造られた、カバー18で塞いでいる。この
カバー18を構成する円筒部19の内周側に、円環状の
センサ20を包埋した、やはり円環状の合成樹脂21を
保持固定している。このセンサ20は、永久磁石22
と、鋼板等の磁性材により造られたステータ23と、コ
イル24とを備えており、これら各部材22、23、2
4を上記合成樹脂21中に包埋する事で、全体を円環状
に構成している。
【0007】上記センサ20の構成各部材のうちの永久
磁石22は、全体を円環状(円輪状)に形成されて、直
径方向に亙り着磁されている。そして、この永久磁石2
2の内周面を、上記トーンホイール13を構成する小径
部14の基端部で、上記透孔17を形成していない部分
の外周面に、微小隙間25を介して対向させている。
又、上記ステータ23は、断面が略J字形で全体を円環
状に造られている。そして、このステータ23を構成す
る外径側円筒部26の端部内周面と上記永久磁石22の
外周面とを、当接若しくは近接させている。又、上記ス
テータ23を構成する内径側円筒部27の内周面を、上
記トーンホイール13の一部で、上記複数の透孔17を
形成した部分に対向させている。更に、上記内径側円筒
部27には、固定側除肉部である複数の切り欠き28
を、この内径側円筒部27の円周方向に亙って、前記透
孔17と等ピッチ(中心角ピッチ)で形成している。従
って、上記内径側円筒部27部分は、櫛歯状に形成され
ている。
【0008】更に、上記コイル24は、非磁性材製のボ
ビン29に導線を巻回する事により円環状に形成され、
上記ステータ23を構成する外径側円筒部26の内周側
部分に配置されている。このコイル24に惹起される起
電力は、カバー18の外面に突設したコネクタ30から
取り出す。
【0009】上述の様に構成される回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットの使用時、ハブ1と共にトーンホイ
ール13が回転すると、このトーンホイール13と対向
するステータ23内の磁束密度が変化し、上記コイル2
4に惹起される電圧が、上記ハブ1の回転速度に比例し
た周波数で変化する。ステータ23を流れる磁束の密度
変化に対応して上記コイル24に惹起される電圧が変化
する原理は、従来から広く知られた回転速度検出用セン
サの場合と同じである。又、トーンホイール13の回転
に応じてステータ23に流れる磁束の密度が変化する理
由は、次の通りである。
【0010】上記トーンホイール13に設けた複数の透
孔17と、ステータ23に設けた切り欠き28とは、互
いのピッチが等しい為、トーンホイール13の回転に伴
って全周に亙り同時に対向する瞬間がある。そして、こ
れら各透孔17と各切り欠き28とが互いに対向した瞬
間には、隣り合う透孔17同士の間に存在する磁性体で
ある柱部と、やはり隣り合う切り欠き28同士の間に存
在する磁性体である舌片とが、前記微小隙間25を介し
て互いに対向する。この様にそれぞれが磁性体である柱
部と舌片とが互いに対向した状態では、上記トーンホイ
ール13とステータ23との間に、高密度の磁束が流れ
る。
【0011】これに対して、上記透孔17と切り欠き2
8との位相が半分だけずれると、上記トーンホイール1
3とステータ23との間で流れる磁束の密度が低くな
る。即ち、この状態では、トーンホイール13に設けた
透孔17が上記舌片に対向すると同時に、ステータ23
に設けた切り欠き28が上記柱部に対向する。この様に
柱部が切り欠き28に、舌片が透孔17に、それぞれ対
向した状態では、上記トーンホイール13とステータ2
3との間に比較的大きな空隙が、全周に亙って存在す
る。そして、この状態では、これら両部材13、23の
間に流れる磁束の密度が低くなる。この結果、前記コイ
ル24に惹起される電圧が、前記ハブ1の回転速度に比
例して変化する。
【0012】上記センサ20は上述の様に作用する事に
より、コイル24に惹起される出力電圧を、ハブ1の回
転速度に比例した周波数で変化させるが、外輪8の開口
端部には、元々円環状の空間が存在する。従って、上記
センサ20を限られた空間に設置可能にし、しかもこの
センサ20の出力を十分に大きくして、ハブ1と共に回
転する車輪の回転速度検出を確実に行なえる。即ち、上
記センサ20を構成する永久磁石22、ステータ23、
及びコイル24は、それぞれトーンホイール13の全周
を囲む円環状に形成されている。そして、上記永久磁石
22から出る磁束を、上記ステータ23の全周に亙って
流す様にしている為、このステータ23の内部を流れる
磁束の量を、このステータ23全体として十分に多くで
きる。従って、このステータ23を通過する磁束の密度
変化に対応する、上記コイル24の電圧変化を大きくで
きる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する、従来から知られた円環状のセンサ20を備えた
回転速度検出装置の場合には、それ以前から知られた棒
状のセンサを使用した構造のものに比べて大きな出力を
得られる。ところが、小型の自動車に組み付け可能な小
型の構造で、しかもセンサの出力を十分に確保する為に
は、次に述べる様な点を改良する必要がある。
【0014】即ち、車輪の回転速度検出を確実に行なう
べく、上記センサ20の出力を大きくする為に最も簡便
な方法は、このセンサ20を大型化する事である。とこ
ろが、小型自動車用の回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットを構成するセンサ20の場合には、外径寸法や軸
方向に亙る厚さ寸法の増大につながる大型化は難しい。
そこで、小型自動車用の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットでセンサの出力増大を図る為には、限られた空
間を有効に利用する事により、外径寸法や厚さ寸法を大
きくする事なく大きな出力を得られる構造が必要にな
る。
【0015】例えば、図4〜5に示した従来構造の場合
には、永久磁石22の着磁方向両端面である内外両周面
同士の間で流れる磁束は、トーンホイール13とステー
タ23とを含む磁気閉回路中を流れる。そして、この磁
気閉回路中を流れる磁束の密度変化に応じて電圧を惹起
させるコイル24は、上記永久磁石22と軸方向に併設
されている。このコイル24に惹起される電圧である、
センサ20の出力を大きくする為の方法の一つとして、
このコイル24を構成する導線の巻き数を多くする事が
有効である。しかしながら、図4〜5に示した従来構造
でこの巻き数を多くすると、上記センサ20が大型化す
る。
【0016】又、センサ20の出力を大きくする為の方
法の一つとして、トーンホイール13の一部でセンサ2
0が対向する部分の周速を速くする事も有効である。と
ころが、図4〜5に示した従来構造では、トーンホイー
ル13をセンサ20の内径側に配置しているので、上記
部分の周速を速くするには、センサ20の直径も大きく
しなければならなくなる。センサ20の直径が大きくな
ると、回転速度検出装置全体が大型化して、小型の自動
車への組み付けが難しくなるだけでなく、上記コイル2
4を構成する導線の巻き数が同じ場合でもこの導線の全
長が長くなる。導線の全長の増大は抵抗の増大に結び付
き、センサ20の出力を増大させる事に関してマイナス
要因となる。
【0017】これに対して、センサ20をトーンホイー
ル13の直径方向内側に配置すれば、トーンホイール1
3の周速を速くすると共に透孔17のピッチを大きく
し、しかも導線の全長を長くする事なくこの導線の巻き
数を多くして、上記センサ20の出力増大を図れる。但
し、単にセンサ20とトーンホイール13との直径方向
に亙る内外位置を変えただけでは、センサ20を内径側
に設ける円筒状のトーンホイール13の軸方向長さが大
きくなる。このトーンホイール13は、その外端部を内
輪5に外嵌する事で、この内輪5に片持ち式に支持され
ているので、トーンホイール13の軸方向長さが大きく
なり、しかも上記内輪5が高速で回転すると、トーンホ
イール13に振れ回り運動が発生し易くなる。振れ回り
運動は、トーンホイール13とセンサ20を構成するス
テータ23との間の微小隙間25の厚さ寸法が変化する
原因となり、センサ20の出力を不安定にする原因とな
る為、好ましくない。勿論、この様な振れ回りの問題
は、図4〜5に示した従来構造でも、トーンホイール1
3を構成する金属板を薄肉にしたり、或はトーンホイー
ル13の中心軸が回転中心とずれたりすると発生する可
能性がある。特にトーンホイール13の周速を速くすべ
く、このトーンホイール13の直径を大きくした場合に
は、トーンホイール13の直径が比較的小さい、図4〜
5に示した従来構造に比べて発生し易くなる。本発明の
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、この様な事
情に鑑みて発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットと同様に、内周面に外輪軌
道を有して使用時に回転しない外輪と、上記内周面と対
向する外周面に内輪軌道を有して使用時に回転する内輪
相当部材と、上記外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在
に設けられた複数の転動体と、上記内輪相当部材の端部
に固定され、その一部表面に円周方向に亙って複数の回
転側除肉部を等間隔に設けた磁性材製で円筒状のトーン
ホイールと、上記外輪の内端開口部に固定されたカバー
と、このカバーに支持された状態で上記トーンホイール
と対向する円環状のセンサとを備えている。
【0019】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記センサは、全周に亙って
所定の一方向に着磁された円環状の永久磁石と、この永
久磁石の着磁方向一端面にその一端部を当接若しくは近
接させ、その他端部を上記トーンホイールの内周面に内
径側微小隙間を介して対向させた内径側ステータと、上
記永久磁石の着磁方向他端面にその一端部を当接若しく
は近接させ、その他端部内周面を上記トーンホイールの
外周面に外径側微小隙間を介して対向させた外径側ステ
ータと、上記永久磁石に基づく磁束が流れる部分に沿っ
て配置された円環状のコイルとを備えている。そして、
上記内径側ステータの他端部と上記外径側ステータの他
端部との少なくとも一方の他端部で、少なくとも上記回
転側除肉部と対向する周面には複数の固定側除肉部が、
上記回転側除肉部と等ピッチで形成されている。
【0020】
【作用】上述の様に構成される本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットが、車輪を懸架装置に回転自在
に支持したり、或はこの車輪の回転速度を検出する際の
作用自体は、前述した従来構造の場合とほぼ同様であ
る。特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニ
ットの場合には、トーンホイールの周速を速くすると共
に回転側除肉部のピッチを大きくし、しかも導線の全長
を長くする事なくこの導線の巻き数を多くして、センサ
の出力増大を図れる。しかも、トーンホイールの軸方向
寸法を小さくして、このトーンホイールの振れ回り運動
を抑え、上記センサの出力を安定させる事ができる。
又、空間の有効利用を図り、上記導線の巻き数を十分に
多くして、十分に大きな出力増大効果を得る事も可能に
なる。
【0021】
【実施例】図1〜2は本発明の第一実施例を示してい
る。尚、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニッ
トの特徴は、回転速度検出装置部分にあり、転がり軸受
ユニット部分の構造に就いては、前述した従来構造と同
様である。この為、転がり軸受ユニット部分に就いて
は、同等部分に同一符号を付して、重複する説明を省略
若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴である回転速度
検出装置部分を中心に説明する。
【0022】センサ20aと共に回転速度検出装置を構
成するトーンホイール13aは、鋼板等の磁性金属板に
より全体を円筒状に形成されて、小径部14aの内端縁
と大径部15aの外端縁とを段部16aで連続させた、
クランク型の断面形状を有する。この様なトーンホイー
ル13aは、上記小径部14aを内輪5の内端部に外嵌
する事で、この内輪5に固定している。本発明の場合、
このトーンホイール13aを構成する上記大径部15a
の軸方向に亙る長さ寸法を小さくして、ナット7の基端
部に形成したフランジ31の周囲よりも少しだけ内方
(図1〜2の右方)に突出する程度の長さとしている。
そして、この大径部15aに、回転側除肉部である複数
の回転側切り欠き32を、円周方向に亙って等間隔に形
成している。勿論、円周方向に隣り合う回転側切り欠き
32同士の間には、磁性材製の舌片が存在する。従って
上記大径部15aは、櫛歯状に形成されている。尚、回
転側除肉部は、上記大径部15aの少なくとも一方の周
面に設けられていれば足りる。従って、上記大径部15
aの一方の周面に歯車状の凹凸を形成し、このうちの凹
部を回転側除肉部とする事もできる。
【0023】又、上記センサ20aは、永久磁石22a
と、内径側ステータ33と、外径側ステータ34と、コ
イル24aとから構成される。このうちの永久磁石22
aは、全体を円輪状(円環状)に形成されて、全周に亙
り直径方向に着磁されている。着磁方向は全周に亙って
変化しない。
【0024】又、上記内径側ステータ33は、磁性金属
板により全体を円筒状に形成されており、その内端部外
周面を上記永久磁石22aの内周面に、当接若しくは近
接させている。又、上記内径側ステータ33の外端部に
は、直径方向外側に向けクランク形に折れ曲がった折れ
曲がり部40を形成し、この折れ曲がり部40の外周面
を上記大径部15aの内周面に、内径側微小隙間35を
介して対向させている。この様な折れ曲がり部40に
は、それぞれが固定側除肉部である複数の第一の固定側
切り欠き36を、上記大径部15aに形成した回転側切
り欠き32と等ピッチで形成している。
【0025】又、上記外径側ステータ34は、磁性金属
板により全体を円筒状に形成されており、その内端部内
周面を上記永久磁石22aの外周面に、当接若しくは近
接させている。又、この外径側ステータ34の外端部内
周面を上記大径部15aの外周面に、外径側微小隙間3
7を介して対向させている。この外径側ステータ34の
外端部には、それぞれが固定側除肉部である複数の第二
の固定側切り欠き38を、上記第一の固定側切り欠き3
6と等ピッチ且つ同位相で形成している。
【0026】更に、上記コイル24aは、この様な内径
側、外径側両ステータ33、34と前記永久磁石22a
の外側面とにより三方を囲まれる部分に設けられてい
る。このコイル24aは、合成樹脂により円環状に造ら
れて外周側が開口したボビン29aに導線を巻回する事
により造られている。又、この導線の両端部は、次述す
るカバー18a外に突設したコネクタ30aの端子に接
続している。
【0027】上述の様な永久磁石22aと、内径側、外
径側両ステータ33、34と、コイル24aとから成
り、全体を円環状に造られたセンサ20aは、やはり円
環状に形成された合成樹脂21a中に包埋されて、カバ
ー18a内に嵌合固定されている。このカバー18a
は、ステンレス鋼板等にプレス成形、或は絞り成形を施
す事により、有底円筒状に構成されており、開口端部を
外輪8の内端部に内嵌する事で、この外輪8に固定する
と共に、この外輪8の内端開口を塞いでいる。
【0028】上述の様に構成される本発明の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットが、車輪を懸架装置に回転
自在に支持したり、或はこの車輪の回転速度を検出する
際の作用自体は、前述した従来構造の場合と同様であ
る。即ち、トーンホイール13a側に形成した回転側切
り欠き32と内径側、外径側両ステータ33、34側に
形成した第一、第二の固定側切り欠き36、38との位
相変化により、コイル24aに惹起される電圧が、上記
トーンホイール13aの回転速度に比例した周波数で変
化する。
【0029】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットの場合には、トーンホイール13aのうち
で回転側切り欠き32を形成した大径部15aの直径を
大きくできる。この為、上記回転側切り欠き32を形成
した部分の周速を速くすると共に、この回転側切り欠き
32のピッチを大きくできる。又、センサ20aを上記
大径部15aの直径方向内側に配置している為、このセ
ンサ20aを構成するコイル24aの直径が大きくなる
事はない。この為、このコイル24aを構成する導線の
全長を長くする事なくこの導線の巻き数を多くして、上
記センサ20aの出力増大を図れる。又、図示の実施例
の場合、上記トーンホイール13aの回転に伴って、内
径側、外径側両微小隙間部分で同時に磁気抵抗が変化す
る。この結果、磁気閉回路全体としての変化量が大きく
なり、この面からも出力増大を図れる。
【0030】又、永久磁石22aの内外両周面同士の間
を流れる磁束は、内径側、外径側両ステータ33、34
とトーンホイール13aとで構成される磁気閉回路中を
流れるが、この磁気閉回路の全長は短い為、磁束が途中
で劣化する程度は小さい。従って、上記トーンホイール
13aの回転に伴ってこの磁気閉回路を流れる磁束の変
化量(密度、強度)を十分に大きくして、上記センサ2
0aの出力を大きくできる。これに対して、例えば磁性
材性の内輪5やハブ1を磁気閉回路中に組み込んだ場合
には、磁気閉回路の全長が長くなり、磁束の劣化する程
度が大きくなる為、他の条件を同じとした場合でも、セ
ンサの出力増大効果が少なくなる。
【0031】しかも、上記トーンホイール13aの軸方
向長さを小さくできる為、ハブ1に固定した内輪5が高
速回転した場合でも、このトーンホイール13aが振れ
回りを発生しにくくなる。従って、特にトーンホイール
13aの剛性を高くしたり、或はトーンホイール13a
の中心と回転中心とを厳密に一致させなくても、上記セ
ンサ20aの出力を安定させる事ができる。又、上記内
径側ステータ33をナット7の外周面状に沿った形状と
し、センサ20aをナット7の外周面とカバー18aの
円筒部19の内周面との間の空間に設置しているので、
空間の有効利用を図れる。この結果、十分に大きな出力
増大効果を得られ、出力を同じとした場合には回転速度
検出装置の小型軽量化を図れる。
【0032】尚、図示の実施例では、内径側ステータ3
3の外端部に第一の固定側切り欠き36を形成すると共
に、外径側ステータ34に第二の固定側切り欠き38を
形成しているが、何れか一方の固定側切り欠きを省略
し、当該ステータの外端部を切り欠きのない単なる円筒
状に形成しても良い。この場合でも、他方のステータに
形成した固定側切り欠きと回転側切り欠き32との位相
変化に基づき、上記コイル24aに惹起される電圧が変
化する。但し、図示の実施例の様に、内径側、外径側両
ステータ33、34に第一、第二の固定側切り欠き3
6、38を、互いに同位相で形成すれば、前述の様に、
上記トーンホイール13aの回転に伴ってこれら各ステ
ータ33、34を流れる磁束の変化量が多くなり、上記
コイル24aに惹起される電圧の変化量が多くなる(セ
ンサ20aの出力が大きくなる)。この様に内径側、外
径側両ステータ33、34に第一、第二の固定側切り欠
き36、38を形成する場合には、ボビン29aの一部
に係合凸部を、上記両ステータ33、34の一部にこの
係合凸部を係合させる、孔、切り欠き等を含む係合凹部
を、それぞれ形成する。そして、センサ20aの組み立
て時にはこれら係合凸部と係合凹部とを係合させて、上
記両ステータ33、34にそれぞれ形成した、第一、第
二の固定側切り欠き36、38同士の位相を規制する。
この様な構造を採用すれば、両切り欠き36、38同士
の位相合わせを容易に行なえる。
【0033】次に、図3は本発明の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合には、センサ20bを構成する永
久磁石22bを軸方向(図3の左右方向)に亙って着磁
すると共に、内径側、外径側両ステータ33a、34a
の内端部を直径方向内方に直角に折り曲げて、内方折り
曲げ部39a、39bとしている。そして、これら両内
方折り曲げ部39a、39bの直径方向内端部により、
上記永久磁石22bを軸方向両側から挟持している。
【0034】この様に構成される本実施例の場合には、
上記永久磁石22bを、ナット7から外れた位置で、こ
のナット7の外周面よりも直径方向内側に配置できる。
従って、限られた空間をより有効に利用して、センサ2
0bの出力増大をより効果的に図れる。その他の構成及
び作用は、前述した第一実施例と同様であるから、同等
部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
尚、本実施例の様な構造を採用した場合には、コイル2
4aを設置すべき空間が必要以上に大きくなる場合があ
る。この様な場合には、コイル24aを構成する導線の
端末処理を、外径側ステータ34aの内方折り曲げ部3
9aとボビン29aとの間の空間で行なえば、スペース
を無駄なく利用できる。図3の例では、この為に上記内
方折り曲げ部39aとボビン29aとの間に空間を設け
ている。
【0035】
【発明の効果】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用するので、
特に大型化する事なくセンサの出力を大きくできて、小
型自動車の車輪の回転速度検出を確実に行なえる。又、
センサの出力を同じとした場合には、回転速度検出装置
の小型化により、回転速度検出装置付転がり軸受ユニッ
ト全体の小型化及び軽量化を図れる。更に、トーンホイ
ールが振れ回りにくい為、センサの出力を安定化させる
事もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】図1の右部拡大図。
【図3】本発明の第二実施例を示す、図2と同様の図。
【図4】従来構造の1例を示す断面図。
【図5】図4のA部拡大図。
【符号の説明】
1 ハブ 2 フランジ部 3a、3b 内輪軌道 4 段部 5 内輪 6 雄ねじ部 7 ナット 8 外輪 9 取付部 10a、10b 外輪軌道 11 転動体 12 シールリング 13、13a トーンホイール 14、14a 小径部 15、15a 大径部 16、16a 段部 17 透孔 18、18a カバー 19 円筒部 20、20a、20b センサ 21、21a 合成樹脂 22、22a、22b 永久磁石 23 ステータ 24、24a コイル 25 微小隙間 26 外径側円筒部 27 内径側円筒部 28 切り欠き 29、29a ボビン 30、30a コネクタ 31 フランジ 32 回転側切り欠き 33、33a 内径側ステータ 34、34a 外径側ステータ 35 内径側微小隙間 36 第一の固定側切り欠き 37 外径側微小隙間 38 第二の固定側切り欠き 39a、39b 内方折り曲げ部 40 折れ曲がり部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有して使用時に回転
    しない外輪と、上記内周面と対向する外周面に内輪軌道
    を有して使用時に回転する内輪相当部材と、上記外輪軌
    道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動
    体と、上記内輪相当部材の端部に固定され、その一部表
    面に円周方向に亙って複数の回転側除肉部を等間隔に設
    けた磁性材製で円筒状のトーンホイールと、上記外輪の
    内端開口部に固定されたカバーと、このカバーに支持さ
    れた状態で上記トーンホイールと対向する円環状のセン
    サとを備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに
    於いて、 上記センサは、全周に亙って所定の一方向に着磁された
    円環状の永久磁石と、この永久磁石の着磁方向一端面に
    その一端部を当接若しくは近接させ、その他端部を上記
    トーンホイールの内周面に内径側微小隙間を介して対向
    させた内径側ステータと、上記永久磁石の着磁方向他端
    面にその一端部を当接若しくは近接させ、その他端部内
    周面を上記トーンホイールの外周面に外径側微小隙間を
    介して対向させた外径側ステータと、上記永久磁石に基
    づく磁束が流れる部分に沿って配置された円環状のコイ
    ルとを備えており、 上記内径側ステータの他端部と上記外径側ステータの他
    端部との少なくとも一方の他端部で、少なくとも上記回
    転側除肉部と対向する周面には複数の固定側除肉部が、
    上記回転側除肉部と等ピッチで形成されている事を特徴
    とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
JP3375295A 1995-02-22 1995-02-22 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット Pending JPH08226438A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108327842A (zh) * 2018-04-23 2018-07-27 查发华 一种隐藏式助力自行车霍尔传感装置

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