JPH08226132A - アンカーボルトの据付構造 - Google Patents

アンカーボルトの据付構造

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JPH08226132A
JPH08226132A JP5659895A JP5659895A JPH08226132A JP H08226132 A JPH08226132 A JP H08226132A JP 5659895 A JP5659895 A JP 5659895A JP 5659895 A JP5659895 A JP 5659895A JP H08226132 A JPH08226132 A JP H08226132A
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邦昭 佐藤
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淳 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成であって、かつアンカーボルトの
定着深さ及び上端部の高さ位置を工事途中で容易に調
整,変更できるアンカーボルトの据付構造を提供する。 【構成】 上端部の他に下端部にも雄ネジが形成された
アンカーボルト27と、アンカーボルト27の上端部以
外の部分に嵌合するよう配置され下端部に雄ネジが形成
された管部材29と、捨てコンクリート32上に立設さ
れるよう配置され上端部に雄ネジが形成された円柱部材
31と、アンカーボルト27及び管部材29と円柱部材
31との間に配置され、外側に定着板部34aが形成さ
れ、内側にアンカーボルト27及び管部材29の下端部
の雄ネジがネジ結合する雌ネジ34b,34cと、円柱
部材31の上端部の雄ネジがネジ結合する雌ネジ34d
が形成された中間連結部材34とを有し、上記各部材2
7,29,31,34が組立てられて立設されることに
よりアンカーボルト27を捨てコンクリート32上に据
付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄骨柱を用いた建築物の
建築工事において、鉄骨柱を基礎コンクリート上に接合
するための、鉄骨柱脚に用いられるアンカーボルトの据
付構造に関し、特に基礎コンクリート中に埋込まれる前
にアンカーボルトの据付けを行うための、アンカーボル
トの据付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物に使用される鉄骨柱を基礎コンク
リートに接合する方法としては従来、例えば特公平2−
14496号公報に記載された鉄骨柱脚がある。この公
報に記載された鉄骨柱脚は、図13に示すように、鉄骨
柱2と接合する突出部1aを上方に突出させ、その基部
1bからその端部1cにかけて勾配を設けて基部1bを
端部1cよりも高くし、その突出部1aを鉄骨柱2と溶
接(又はボルト結合)できる、剛性の高い鋳造製又は鍛
造製の柱脚金物1を用いたものである。
【0003】アンカーボルト7の基礎コンクリート4中
への埋設は、アンカーボルト7の軸部7aと基礎コンク
リート4との直接の付着をなくした不拘束部7bを設
け、軸部7aを基礎コンクリート4から不拘束の状態で
アンカープレート8(又はアンカーフレーム,定着金
物)と共に埋設する。
【0004】そして柱脚金物1の基礎コンクリート4へ
の固着は、柱脚金物1の四隅の穴にアンカーボルト7を
挿通して、締付ナット10により締め付け、鉄骨柱脚に
加わる曲げモーメントに対して抵抗力をもたせるため、
締結ナット10の締め付けによりアンカーボルト7に、
降伏値の0.15倍ないし1.2倍の張力を導入して耐
震性能を向上させたものである。
【0005】このような鉄骨柱脚は、柱脚金物1に非常
に剛性が高いものを用いることにより、柱脚が曲げモー
メントを受けたときその変形を極端に小さくすることが
でき、柱脚金物1の変形に起因する鉄骨柱脚の回転変形
をほぼ零にすることができる。またこのように剛性の高
い柱脚金物1を用いる他に、アンカーボルト7に基礎コ
ンクリート4との直接の付着をなくした不拘束部7bを
設けることによって、鉄骨柱脚の力学的メカニズムを単
純化でき、鉄骨柱脚の回転剛性に関するデータを正確に
把握できるようにしたものである。
【0006】また不拘束部7bを設けることによりアン
カーボルト7に所定の張力を導入し、アンカーボルト7
と締結ナット10を締結することにより柱脚金物1は基
礎コンクリート4上に締め付け固定され、その締付け力
を長期間に亘って安定した値に確保し得ると共に、鉄骨
柱脚の固定度が大となり鉄骨柱脚の回転剛性を向上させ
ることができる。
【0007】また、アンカーボルト7を不拘束部7bを
設けないで基礎コンクリート4中に直接埋設した場合、
アンカーボルト7に引張力が加わるとアンカーボルト7
の上部からコンクリートとの付着が切れ、地震時のよう
に繰返し引張力が加わるとアンカーボルト7の下部に向
かって付着が切れた状態が伸展する傾向が見られる。こ
のため、繰返し地震を受けるに従って柱脚の曲げ変形挙
動が変化していくので耐震性能を評価しにくい。
【0008】一方アンカーボルト7に不拘束部7bを設
けた場合は、締付ナット10による締付力が直接アンカ
ープレート8に達するので、いわゆる長締めとなってア
ンカーボルト7の伸び能力が増し、地震時の繰返し荷重
に対して安定した復元力をもつ柱脚が得られるので、柱
脚の回転変形能力が向上し、耐震性能が評価しやすくな
る。
【0009】このような鉄骨柱脚を施工するにはまず、
アンカーボルトを基礎コンクリート中に埋設する必要が
ある。そのためには、鉄骨柱脚の締結穴と一致するよう
にアンカーボルトを正確に位置決めして据付けする必要
があるが、埋設前にそのようなアンカーボルト7の据付
けを行なうためには、従来は図14に示すようなアンカ
ーボルトの据付け構造が用いられていた。
【0010】図14に示すアンカーボルトの据付構造
は、基礎コンクリート4の底面を形成する捨てコンクリ
ート12が固まる前に、その捨てコンクリート12中に
予め鉄筋、埋込ボルト等の下端部を埋込み、捨てコンク
リート12が固まった後にそれらの露出上端部13に、
櫓(やぐら)状の骨組構造体15の下端部を溶接、又は
ボルト結合等により固定して、このような骨組構造体1
5にアンカーボルト7を支持させることにより、アンカ
ーボルト7を位置決めして据付けるものである。
【0011】あるいは骨組構造体15の位置を測定し
て、その位置を捨てコンクリート12の表面に墨で線引
きすることにより、アンカーボルト7を支持した骨組構
造体15の位置を決めて、その骨組構造体15の下端部
を捨てコンクリート12上に、後施工アンカー,或はモ
ルタルによる根固めなどによって固定することができ
る。
【0012】このようにして、基礎コンクリート4を形
成する生コンクリートの流し込み時にその衝撃によっ
て、アンカーボルト7の位置が移動しないように据付け
ていた。そしてこのような骨組構造体15は必要に応じ
その各側部に、張力を付与したワイヤーや鉄筋等の引張
部材17を斜め方向に張って、骨組構造体15が簡単に
動かないようにそれを固定するようになっている。
【0013】このような骨組構造体15はアンカーボル
ト7を決まった位置に固定するため、形鋼などによって
製作された仮設材で組立てられ、アンカーボルト7の位
置を保持するための簡単な横架部材や、鉄筋を用いた構
成となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アンカーボ
ルト7の間や周りには多数の鉄筋が配置されて、後にそ
れらが地中梁の一部を形成するようになっているが、上
記従来のアンカーボルトの据付構造にあっては、前記図
14に示したように、骨組構造体15を用いた複雑な構
成となっているため、その骨組構造体15が地中梁を構
成する鉄筋を配置するときに邪魔となって、鉄筋を配置
する工事の作業性が低下するという問題があった。
【0015】また、アンカーボルト7の上端部やアンカ
ープレート8の高さ位置は一度設定されてしまうと、ア
ンカーボルト7が骨組構造体15に一体的に固定され、
その後はそれらの高さ位置の調整や変更はできない構造
となっている。このため、アンカーボルト7に設けられ
たアンカープレート8の基礎コンクリート4への埋込深
さ(アンカーボルト7の定着深さ)や、アンカーボルト
7の上端部の基礎コンクリート4からの突出長さを、最
終的に最適の値に設定できない可能性がある。
【0016】前記アンカーボルト7の定着深さは、アン
カーボルト7の引張時の弾性を考慮して決められ、アン
カーボルト7の上端部の基礎コンクリートからの突出長
さは、それが短い場合は締付ナットやその緩み止めナッ
トに十分なネジ結合長さが得られないために、ネジ締結
力が不足したり或はネジ締結が緩む可能性がある。この
ため、上記定着深さや突出長さを最終的に最適の値に設
定できないことにより鉄骨柱脚の性能が損なわれるおそ
れがあるという問題を有していた。
【0017】そこで本発明は、簡単な構成にして基礎梁
等に用いる多数の鉄筋をアンカーボルトの近辺に配置し
やすくすると共に、アンカーボルトの定着深さ及び上端
部の高さ位置を工事途中で容易に調整,変更できるアン
カーボルトの据付構造を提供することを課題とするもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるアンカーボルトの据付構造は、以下の
ような構成としたものである。
【0019】(1)上端部の他に下端部にも雄ネジが形
成されたアンカーボルトと、前記アンカーボルトの上端
部以外の部分に嵌合するよう配置され下端部に雄ネジが
形成された管部材と、捨てコンクリート上に立設される
よう配置され上端部に雄ネジが形成された円柱部材と、
前記アンカーボルト及び前記管部材と前記円柱部材との
間に配置され、外側に定着板部が形成され、内側に前記
アンカーボルト及び前記管部材の下端部の雄ネジがネジ
結合する雌ネジと、前記円柱部材の上端部の雄ネジがネ
ジ結合する雌ネジが形成された中間連結部材とを有し、
前記各部材が組立てられて立設されることにより前記ア
ンカーボルトを捨てコンクリート上に据付ける。
【0020】(2)上記手段(1)において、前記円柱
部材の下端部にも雄ネジが形成され、この雄ネジが捨て
コンクリート上に固定された支持部材に形成された雌ネ
ジとネジ結合される。
【0021】(3)上記手段(1)又は(2)におい
て、横方向に配置され、少なくとも前記管部材に固定さ
れることにより、複数の前記アンカーボルト相互間の位
置決めを行う横架部材を設ける。
【0022】
【作用】上記手段(1)のような構成のアンカーボルト
の据付構造によれば、基礎コンクリート中に埋設される
アンカーボルト及び管部材と、捨てコンクリート上に設
けられる円柱部材との間に中間連結部材を配置し、この
中間連結部材は、アンカーボルト及び管部材の下端部の
雄ネジ、並びに円柱部材の上端部の雄ネジとネジ結合し
て連結しているため、いずれかの部材を回転させること
により、アンカーボルトの上端部の高さ位置や、中間連
結部材の定着板部の埋込み深さ位置を、工事途中で容易
に調整,変更することが可能である。
【0023】このため、中間連結部材の定着板部の基礎
コンクリート中の埋込み深さや、アンカーボルト上端部
の基礎コンクリートからの突出長さを、最終的に確実に
最適の値に設定することができ、鉄骨柱脚の性能を最大
限に発揮させることができる。
【0024】また上記手段(2)のような構成のアンカ
ーボルトの据付構造によれば、その上端部が中間連結部
材にネジ結合して連結する円柱部材の下端部にも雄ネジ
が形成され、この雄ネジが捨てコンクリート上に固定さ
れた支持部材の雌ネジとネジ結合されることにより、各
部材の上下調整の自由度をより高めることができる。
【0025】さらに、上記手段(3)のような構成のア
ンカーボルトの据付構造によれば、隣合うアンカーボル
トに嵌合する管部材の各々に横方向に配置された横架部
材を固定することにより、アンカーボルト相互間の位置
決めを行う構成としたために、従来のように複雑な骨組
構造体を用いる必要がない。このため、地中梁を構成す
る鉄筋をアンカーボルトの近辺に配置するときに従来の
骨組構造体のように邪魔になることはなく、このため鉄
筋を配置する工事の作業性を向上させることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図1ないし図6は、本発明によるアンカー
ボルトの据付構造の第1実施例を示す図である。
【0027】図1において、符号27はアンカーボルト
であり、このアンカーボルト27の上端部を除く部分に
は、鋼材料により形成された管部材29が嵌合されてい
る。アンカーボルト27には上端部の他に下端部にも雄
ネジが形成されており、管部材29の下端部にも雄ネジ
が形成されている。
【0028】捨てコンクリート32の上には管部材29
と同様の管部材(円柱部材)31が立設されており、こ
の円柱部材31の上下両端部にも雄ネジが形成されてい
る。アンカーボルト27及び管部材29の下端部と円柱
部材31の上端部との間には、中間連結部材34が設け
られている。
【0029】中間連結部材34の外側には図2に示すよ
うに、円盤状の定着板部34aが形成されている。また
図1に示すように定着板部34aの下面には、逆円錐状
のテーパ形状34eが形成されている。
【0030】図3に示すように中間連結部材34の内側
には、アンカーボルト27の下端部の雄ネジがネジ結合
する雌ネジ34bと、管部材29の下端部の雄ネジがネ
ジ結合する雌ネジ34cと、さらに円柱部材31の上端
部の雄ネジがネジ結合する雌ネジ34dが形成されてい
る。
【0031】図4に示すように捨てコンクリート32の
上には、内側に雌ネジが形成された支持部材36が、固
定手段としての後施工アンカー35とアンカーボルト3
3のネジ結合により固定されている。円柱部材31の下
端部の雄ネジが支持部材36の雌ネジとネジ結合するこ
とにより、円柱部材31を捨てコンクリート32上に立
設させると共に、図1に示すようにアンカーボルト2
7,管部材29,中間連結部材34,円柱部材31を全
て捨てコンクリート32上に支持している。
【0032】図5に示すように、互いに隣合う一対のア
ンカーボルト27の管部材29の各々の上端部には、横
方向に配置された横架部材38の両端部が溶接により固
定されて、アンカーボルト27相互間の位置決めを行っ
ている。また、隣合うアンカーボルト27の円柱部材3
1にも横架部材38の両端部が固定されていると共に、
上下2本の横架部材38の両端部にはX状に交叉する2
本の鉄筋40の両端部が溶接により固定されて、組立て
の補強を行っている。
【0033】このような上記横架部材38は、パイプ
材、板材、角材、矩形材、異形棒鋼等、鋼材であればど
のような形態の材料を用いてもよい。また鉄筋40も、
丸棒、L型アングル材等、どのような形態の鋼材料を用
いてもよい。
【0034】図6に示すように鉄骨柱脚(図示せず)に
用いられるアンカーボルト27は4本設けられ、各々の
隣合うアンカーボルト27間には、前述した図5に示す
ような2本の横架部材38、及び2本の鉄筋40が設け
られている。
【0035】このような第1実施例に係るアンカーボル
トの据付構造により、アンカーボルト27は位置決めさ
れると共に容易に動かないように据付けられて、その後
基礎コンクリート4中に埋設され、基礎コンクリート4
上面から突出するアンカーボルト27の上端部の雄ネジ
には、前記図13の柱脚金物1が締付ナット10により
固定される。
【0036】この第1実施例において、管部材29は前
記従来のアンカーボルト7の不拘束部7bに相当し、中
間連結部材34の定着板部34aが前記従来のアンカー
プレート8(図13参照)に相当する機能を担当する。
【0037】このようなアンカーボルトの据付構造によ
れば、図14に示す従来のような複雑な骨組構造体15
を用いることなく、非常に簡単な構成により、アンカー
ボルト27相互間の位置決めと据付けを行うことができ
る。このためアンカーボルト27の近辺に、地中梁を構
成する鉄筋を配置するときに従来の骨組構造体のように
邪魔になることはなく、その鉄筋を配置する工事の作業
性を向上させることができる。
【0038】また、アンカーボルト27及び管部材29
の下端部の雄ネジと円柱部材31の上端部の雄ネジが、
中間連結部材34の雌ネジ34b,34c,34dにネ
ジ結合して連結しているため、いずれかの部材を回転さ
せることによりアンカーボルト27の上端部や中間連結
部材34を上下動させて、その高さ位置を調整すること
ができる。
【0039】また図5及び6に示すように、横架部材3
8及び鉄筋40を設けてアンカーボルト27間の組立て
が終った後においても、アンカーボルト27を回転させ
ることができ、その回転によりアンカーボルト27の上
端部の高さ位置を容易に調整することができる。また、
各ネジの向きやピッチを同じにしておけば、アンカーボ
ルト27の上端部の高さ位置をそのままにして、中間連
結部材34だけを回転により上下動させることもでき
る。
【0040】このため、中間連結部材34の基礎コンク
リート4中の埋込み深さや、アンカーボルト27上端部
の基礎コンクリート4からの突出長さを、最終的に確実
に最適の値に設定することができ、鉄骨柱脚の性能を最
大限に発揮させることができる。
【0041】また前記従来の骨組構造体15(図14参
照)と異なり、各々の部品だけを現場に運んで、現場で
容易にアンカーボルトの据付構造を組立てることできる
ため、その運搬が非常に楽であり、従って同時に大量に
運搬することが可能となる。
【0042】図7は本発明の第2実施例を示す図であ
る。前記第1実施例においては図5に示すように、鉄筋
40を隣合うアンカーボルト27の間に設けたが、この
第2実施例においては図7に示すように、互いに中央位
置に対向するアンカーボルト27の間に対角線状に鉄筋
40aを設けた点において異なるものである。
【0043】このような第2実施例によれば、上記鉄筋
40aにより組立ての補強を行うことができる。
【0044】図8は本発明の第3実施例を示す図であ
る。前記第1実施例においては図5に示すように横架部
材38を上下2本用いていたのに対し、この第3実施例
においては隣合う中間連結部材34の間に横架部材38
を設けると共に、隣合う支持部材36の間にも横架部材
38を設け、隣合うアンカーボルト27の間に合計3本
の横架部材38を設けたものである。そして上から1本
目と2本目の横架部材38の間に鉄筋40をX状に2本
設けると共に、2本目と3本目の横架部材38の間にも
鉄筋40をX状に2本設けている。
【0045】この第3実施例によれば、中間連結部材3
4を横架部材38の固定用に用いることができると共
に、支持部材36も横架部材38の固定用に用いること
ができる。そして横架部材38及び鉄筋40の本数が増
えることにより、それほど複雑になることなくその組立
て強度を向上させることができる。
【0046】図9は本発明の第4実施例を示す図であ
る。前記第1,第2実施例においてはアンカーボルト2
7を4本用いていたのに対し、この第4実施例において
はアンカーボルト27を8本用いた場合について示して
いる。この第4実施例においては、互いに隣合うアンカ
ーボルト27の間に横架部材38を設けると共に、四隅
のアンカーボルト27各々の中間のアンカーボルト27
aの間に補強用の鉄筋40bを設けている。
【0047】このような第4実施例によれば、アンカー
ボルトの本数が増えてもその割には据付構造が複雑にな
ることはなく、簡単な構成で実現することができる。ま
たこの場合図10に示すように、四隅のアンカーボルト
27を管部材29,円柱部材31,中間連結部材34,
支持部材36で捨てコンクリート32上に立設させ、中
間のアンカーボルト27aは円柱部材31,支持部材3
6を省略し、横架部材38によって四隅に立設された管
部材29(或は中間連結部材34)と接合し、構造を少
しでも簡略化させることができる。
【0048】図11は本発明の第5実施例を示す図であ
る。前記実施例においては、横架部材38が管部材29
や円柱部材31に直接溶接により固定されていたのに対
し、この第5実施例は、管部材29や円柱部材31に、
板部材44を縦に配置して溶接により根元を固定すると
共に、この板部材44に横架部材38の端部の平面部を
溶接により固定したものである。
【0049】このような第5実施例によれば、横架部材
38の端部を板部材44を介して管部材29等に容易に
溶接を行うことができる。
【0050】図12は本発明の第6実施例を示す図であ
る。この第6実施例は前記第5実施例のように管部材2
9などに設けた板部材44に、横架部材38の端部の板
状部を溶接ではなくボルトナット締結手段46により固
定したものである。
【0051】このような第6実施例によれば、横架部材
38の端部を溶接よりも容易に固定することができる。
【0052】なお上記実施例においては、円柱部材31
と支持部材36を互いにネジ結合する別部材として構成
したが、この両部材は単一部材として一体的に構成する
ようにしてもよい。
【0053】また上記実施例においては、円柱部材3
1,支持部材36,及び中間連結部材34を互いに別部
材として構成したが、これらの部材は単一部材として一
体的に構成するようにしてもよい。
【0054】また前記実施例においては、アンカーボル
トと基礎コンクリートとの、直接の接触を避けるための
管部材29を設けたものについて説明したが、本発明は
そのような管部材29を用いない方式のアンカーボルト
の据付けにも用いることができる。
【0055】また前記実施例においては、支持部材36
を捨てコンクリート32に後施工アンカー35とアンカ
ーボルト33を用いて固定していたが、捨てコンクリー
ト32が固まる前に、予め鉄筋、埋込ボルト等の部材の
下端部を上端部が露出するように埋込み、捨てコンクリ
ート32が固まった後に、それらの露出上端部に支持部
材36を溶接またはボルト結合などにより固定してもよ
く、或は支持部材36の周縁部をモルタルにより塗り固
めた、いわゆる根固め等によって固定してもよい。また
支持部材36を、ドライブイット(商品名)等の高速式
鋲打銃により固定するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンカー
ボルトの据付構造によれば、基礎コンクリート中に埋設
されるアンカーボルト及び管部材と、捨てコンクリート
上に設けられる円柱部材との間に中間連結部材を配置
し、この中間連結部材は、アンカーボルト及び管部材の
下端部の雄ネジ、並びに円柱部材の上端部の雄ネジとネ
ジ結合して連結しているため、いずれかの部材を回転さ
せることにより、アンカーボルトの上端部の高さ位置
や、中間連結部材の定着板部の埋込み深さ位置を、工事
途中で容易に調整,変更することが可能である。
【0057】このため、中間連結部材の定着板部の基礎
コンクリート中の埋込み深さや、アンカーボルト上端部
の基礎コンクリートからの突出長さを、最終的に確実に
最適の値に設定することができ、鉄骨柱脚の性能を最大
限に発揮させることができる。
【0058】また円柱部材の下端部にも雄ネジが形成さ
れ、この雄ネジが捨てコンクリート上に固定された支持
部材の雌ネジとネジ結合されることにより、各部材の上
下調整の自由度をより高めることができる。
【0059】また隣合うアンカーボルトに嵌合する管部
材の各々に、横方向に配置された横架部材を固定するこ
とにより、アンカーボルト相互間の位置決めを行う構成
としたために、従来のように複雑な骨組構造体を用いる
必要がない。このため、地中梁を構成する鉄筋を配置す
るときに従来の骨組構造体のように邪魔になることはな
く、このため鉄筋を配置する工事の作業性を向上させる
ことができる。
【0060】また前記実施例においては、管部材29と
円柱部材31が中間連結部材34とネジ結合することに
より一体化されるので安定し、アンカーボルトの据付構
造の剛性が確保できると共に、その精度も確保すること
ができる。
【0061】また前記従来の骨組構造体15と異なり、
各々の部品だけを現場に運んで、現場で容易にアンカー
ボルトの据付構造を組立てることできるため、その運搬
が非常に楽であり、従って同時に大量に運搬することが
可能となる。
【0062】さらに前記実施例においては、中間連結部
材34の定着板部34aの下面にはテーパ形状34eが
形成されているため、基礎コンクリートを形成する生コ
ンクリートを流し込む際に、定着板部34aの下面側に
円滑に生コンクリートが流れ込み、定着板部34a下面
の隅部に空隙ができることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第1
実施例を示す左半部破断側面図である。
【図2】図1に示すアンカーボルトの据付構造のII−
II線矢視断面図である。
【図3】図1に示すアンカーボルトの据付構造の中間連
結部材34を含む部分縦断面図である。
【図4】図1に示すアンカーボルトの据付構造の支持部
材36を含む部分縦断面図である。
【図5】図1に示すアンカーボルトの据付構造を複数の
アンカーボルトについて組立てた状態を示す側面図であ
る。
【図6】図5に示す互いに組立てられた複数のアンカー
ボルトの上面図である。
【図7】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第2
実施例を示す上面図である。
【図8】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第3
実施例を示す側面図である。
【図9】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第4
実施例を示す上面図である。
【図10】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第
4実施例を示す側面図である。
【図11】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第
5実施例を示す部分拡大図である。
【図12】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第
6実施例を示す部分拡大図である。
【図13】従来の鉄骨柱脚を示す側面図である。
【図14】従来のアンカーボルトの据付構造を示す側面
図である。
【符号の説明】
1 柱脚金物 1a 突出部 1b 基部 1c 端部 2 鉄骨柱 4 基礎コンクリート 7,27 アンカーボルト 7a 軸部 7b 不拘束部 8 アンカープレート 10 締付ナット 12,32 捨てコンクリート 13 露出上端部 15 骨組構造体 17 引張部材 29 管部材 31 円柱部材 33 アンカーボルト 34 中間連結部材 34a 定着板部 34b,34c,34d 雌ネジ 34e テーパ形状 35 後施工アンカー 36 支持部材 38 横架部材 40 鉄筋 44 板部材 46 ボルトナット締結手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 淳 東京都江東区東陽二丁目4番2号 日立機 材株式会社内 (72)発明者 岩田 滿信 東京都江東区東陽二丁目4番2号 日立機 材株式会社内 (72)発明者 伊藤 倫夫 福岡県北九州市若松区北浜一丁目9番1号 日立金属株式会社若松工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部の他に下端部にも雄ネジが形成さ
    れたアンカーボルトと、 前記アンカーボルトの上端部以外の部分に嵌合するよう
    配置され下端部に雄ネジが形成された管部材と、 捨てコンクリート上に立設されるよう配置され上端部に
    雄ネジが形成された円柱部材と、 前記アンカーボルト及び前記管部材と前記円柱部材との
    間に配置され、外側に定着板部が形成され、内側に前記
    アンカーボルト及び前記管部材の下端部の雄ネジがネジ
    結合する雌ネジと、前記円柱部材の上端部の雄ネジがネ
    ジ結合する雌ネジが形成された中間連結部材とを有し、 前記各部材が組立てられて立設されることにより前記ア
    ンカーボルトを捨てコンクリート上に据付けることを特
    徴とするアンカーボルトの据付構造。
  2. 【請求項2】 前記円柱部材の下端部にも雄ネジが形成
    され、この雄ネジが捨てコンクリート上に固定された支
    持部材に形成された雌ネジとネジ結合されたことを特徴
    とする請求項1に記載のアンカーボルトの据付構造。
  3. 【請求項3】 横方向に配置され、少なくとも前記管部
    材に固定されることにより、複数の前記アンカーボルト
    相互間の位置決めを行う横架部材を設けたことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のアンカーボルトの
    据付構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09296457A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Artes:Kk 鉄骨柱脚におけるアンカー材の定着構造
JP2009293373A (ja) * 2009-09-18 2009-12-17 Ohbayashi Corp 鉄骨露出型柱脚部の施工方法、及び、鉄骨露出型柱脚構造
JP2015055079A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 株式会社淺沼組 アンカーフレーム及びこれを用いたアンカー構造体の構築方法

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