JPH08225009A - 操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構 - Google Patents

操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構

Info

Publication number
JPH08225009A
JPH08225009A JP3109195A JP3109195A JPH08225009A JP H08225009 A JPH08225009 A JP H08225009A JP 3109195 A JP3109195 A JP 3109195A JP 3109195 A JP3109195 A JP 3109195A JP H08225009 A JPH08225009 A JP H08225009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
hole
knuckle
joint member
steering wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3109195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3085124B2 (ja
Inventor
Takao Matsui
孝夫 松井
Takahiro Yanagi
隆広 柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp, Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP07031091A priority Critical patent/JP3085124B2/ja
Publication of JPH08225009A publication Critical patent/JPH08225009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3085124B2 publication Critical patent/JP3085124B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組付け作業性や搭載性が良好で、耐久性のあ
る操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構を
提供することにある。 【構成】ナックル23の上部とアッパアーム21との間
に上ジョイント部材24が介装され、上ジョイント部材
24が転舵軸Kを規定するベアリング37を介してナッ
クル23の上部に連結されると共にすべりブッシュ29
を介してアッパアーム21の他端に連結され、ベアリン
グ37が圧入されるベアリング収納穴34を形成し、ナ
ックルの取付孔45にベアリング37に挿通されたボル
ト40を通してナット46で締め付け、その際、上ジョ
イント部材24に穿設されるレンチ挿通孔35より嵌合
穴41にレンチ43を嵌合させ、ボルトとナットの締め
付け作業性を向上させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操舵車輪用サスペンシ
ョンのアッパジョイント機構、特に、アッパアームに対
してナックルの上部が、上下揺動案内用の枢着部材及び
転舵軸を規定するベアリングを介して連結されるように
構成された操舵車輪用サスペンションのアッパジョイン
ト機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用のサスペンション装置は路面の凹
凸が直接車体に伝わらないように干渉すべくスプリング
やダンパを採用している。更に、このサスペンション装
置は乗員の乗車安定性を確保すると共に、車輪の向きを
規制することより、操縦安定性に大きく関係する。この
ようなサスペンション装置の内、特に、独立懸架式サス
ペンションは各ホイールを独立させて支持でき、ばね下
荷重も比較的小さくでき、乗用車や小型トラック等に多
用されている。この種の独立懸架式サスペンションとし
ては、例えば、特開昭62−46363号公報や特開平
1−106713号公報にその一例が開示される。
【0003】ところで、図13に示すようなダブルウイ
ッシュボーン式サスペンション1では、車体左右方向に
延びるロアアーム2及びアッパアーム3をそれぞれ、車
体基部4に枢着し、両アームの回動端をナックル5の上
下に上下揺動可能に、しかも転舵軸K回りに回動可能に
連結する。ここで、ロアアーム2とナックル5の下部は
ボールジョイント6で連結され、アッパアーム3とナッ
クル5の上部とはジョイント部材7を介して連結され
る。このジョイント部材7は、図14に示すように、ア
ッパアームの揺動端に図示しない緩衝用のブッシュを介
し枢着される筒状の横向き枢支部8と、横向き枢支部8
より延出する下向き枢支部9とで構成される。ここで、
横向き枢支部8はその筒状部の下端を縦割りする切欠部
10が形成され、その切欠部10の間隙がボルト11で
微調整されるように構成される。
【0004】下向き枢支部9は、ナックル5の上部に向
かって開口する下向き孔16を備え、その開口内にベア
リング12を嵌挿する。同ベアリング12の内輪には上
向きのボルト19が嵌挿され、そのボルトの上端は下向
き枢支部9の中央穴13を貫通し上方に突出する。ここ
でボルト19はナックル5の上部の取付孔14、スペー
サ15及びベアリング12の内輪にそれぞれ嵌挿され、
これらナックル5の上部、スペーサ15及びベアリング
12の内輪とをナット17で一体的に締め付け固定す
る。
【0005】このような構成において、ジョイント部材
7に入る路面反力は下からの突き上げ入力であり、ここ
でベアリング12は下から圧入されているので、段部1
8で入力を受けることができ、ジョイント部材7の耐久
性を保持できる。なお、上方向に開口を形成した場合
(図示せず)、ベアリングよりの突き上げ入力がスナッ
プリング(図示せず)に加わり、同部回りの耐久性が低
下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭62
−46363号公報や特開平1−106713号公報、
あるいは図13,図14に示すようなサスペンションに
おいて、特に、そのアッパアームの回動端とナックルの
上部との間は、転舵要素とストローク要素を分離して備
えたジョイント部材を備え、サスペンションの設定自由
度を向上させている。しかし、ここでは、何れの場合も
転舵要素を成すボルトが下方から上方に向けて配置さ
れ、同ボルトの上端のねじ部にナットが締め付けられ
る。
【0007】このため、サスペンション特性の設定によ
っては、ボルト、ナットの締め付け作業空間の確保が困
難と成り易く、締め付け作業性が極めて低い。特に、図
14のサスペンションの場合、下向き枢支部9の中央穴
13にボルト19が挿通され、その嵌挿部分にナット1
7が螺合することより、ナット17を新作する必要があ
り、コスト上不利でもある。更に、ボルト19のねじ部
及びねじ部に螺合するナット17がジョイント部材7の
上部より突出すため、構成が大型化してしまい、車両へ
の搭載が困難になり易いという問題もある。特に、図1
4のサスペンションの場合、ゆるめ止め用の割ピン等を
装着しようとすると、更にボルト19のねじ部が上方に
突出してしまい、割ピン等の装着はスペース確保上問題
がある。本発明の目的は、組付け作業性や搭載性が良好
で、耐久性のある操舵車輪用サスペンションのアッパジ
ョイント機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車輪
を回転支持するナックルの上部と一端が車体側に枢着さ
れたアッパアームの他端との間にジョイント部材が介装
され、同ジョイント部材が転舵軸を規定するベアリング
を介して上記ナックルの上部に連結されると共に上下揺
動案内用の枢着部材を介して上記アッパアームの他端に
連結された操舵車輪用サスペンションのアッパジョイン
ト機構において、頭部にレンチ嵌合用の嵌合穴が凹設さ
れて上記ベアリング内輪に上方から挿入されねじ部が上
記ベアリングから下方に突出するよう形成されたボルト
と、下向きに開口して上記ジョイント部材に形成され下
方から上記ベアリングの外輪が圧入されると共に上記外
輪に上方から係合する段部を有するベアリング収納穴
と、同ナックルの上部に形成され上記ベアリングから突
出する上記ボルトのねじ部が挿入される取付孔と、上記
取付孔の下方に突出する上記ボルトのねじ部に螺合して
上記ナックルの上部を上記ベアリングの内輪に締結する
ナットと、上記ベアリング収納穴の上方で上記ジョイン
ト部材に穿設されて上記ベアリング収納穴に連通し上記
ジョイント部材の上方から上記嵌合穴にレンチを嵌合可
能に設けられたレンチ挿通孔とを備えたことを特徴とす
る。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の操舵車
輪用サスペンションのアッパジョイント機構において、
上記ベアリング収納穴は上記段部の上方で上記頭部及び
上記ベアリングの上方に空間が形成されることを特徴と
する。請求項3の発明は、請求項1記載の操舵車輪用サ
スペンションのアッパジョイント機構において、上記ジ
ョイント部材の対向する2つの側面には上記ベアリング
の圧入方向に直行して上方に向くガイド面が形成されて
いることを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1記載の操舵車
輪用サスペンションのアッパジョイント機構において、
上記枢着部材は、すべりブッシュにより形成されること
を特徴とする。請求項5の発明は、請求項1記載の操舵
車輪用サスペンションのアッパジョイント機構におい
て、上記ジョイント部材は上記車輪の上方に配置される
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1の発明は、ナックルとアッパアームと
の間にジョイント部材が介装され、同ジョイント部材の
ベアリング収納穴にベアリングの外輪が圧入されると共
に外輪が段部に当接され、頭部にレンチ嵌合用の嵌合穴
が凹設されるボルトがベアリング内輪に上方から挿入さ
れると共にナックルの取付孔に挿入され、その取付孔の
下方に突出するボルトのねじ部にナットが螺合され、ベ
アリング収納穴に連通するレンチ挿通孔がベアリング収
納穴の上方のジョイント部材に穿設された。このため、
ジョイント部材の上方のレンチ挿通孔を通して嵌合穴に
レンチを嵌合でき、その上でボルトのねじ部にナットを
螺合させ、この状態でレンチとナット締め付け用工具と
を操作し、ボルトとナットの締め付けを確実に行なうこ
とができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の操舵車
輪用サスペンションのアッパジョイント機構において、
特に、ベアリング収納穴中であって、段部の上方で頭部
及びベアリングの上方位置に空間を確保でき、この空間
をグリース溜りとして使用可能と成る。請求項3の発明
は、請求項1記載の操舵車輪用サスペンションのアッパ
ジョイント機構において、特に、ジョイント部材の対向
する2つの側面に、ベアリングの圧入方向に直行して上
方に向くガイド面が形成されるので、同ガイド面を利用
してベアリングの圧入を行なえる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1記載の操舵車
輪用サスペンションのアッパジョイント機構において、
特に、枢着部材は、すべりブッシュにより形成されるの
で、ストローク時のフリクションを低減できる。請求項
5の発明は、請求項1記載の操舵車輪用サスペンション
のアッパジョイント機構において、特に、ジョイント部
材は車輪の上方に配置されるので、ジョイント部材上の
ベアリングが車輪の枢支部より比較的遠のき、ベアリン
グへの入力を小さくできる。
【0014】
【実施例】図1,図2には本発明の一実施例としての操
舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構20を
示した。このアッパジョイント機構20は車両用のフロ
ントサスペンション装置A内に装備される。この車両用
のフロントサスペンション装置Aは、図示しない車体の
車幅方向Xに延びるアッパアーム21及びロアアーム2
2及び両アームに上下端を連結されるナックル23とを
備え、ロアアーム22の回動端近傍には図示しない車体
上方基部に上端が連結された図示しないストラッドアッ
センブリの下端部が連結され、これらによって、路面の
凹凸に伴う車体振動を吸収するようにしている。
【0015】ここで、アッパアーム21及びロアアーム
22の各枢支端は上下枢支軸a,b中心に図示しない車
体基部に枢着され、アッパアーム21及びロアアーム2
2の各揺動端は上下ストローク軸c,d中心にナックル
23の上下端に上下ジョイント部材24,25を介し連
結される。なお、ナックル23の中央部分にはベアリン
グ26を介し車輪27と一体結合される車軸28が枢着
される。この車軸28の内側端は図示しない等速ジョイ
ント、ドライブシャフト及びミッション側に連結され
る。
【0016】アッパアルーム21は図1乃至図3に示す
ように、平面視が略U字状を成し、その枢支端にボス部
211を形成される。ボス部211には樹脂性のすべり
ブッシュ29が嵌挿される。すべりブッシュ29の中心
部の取付けパイプ291はアッパアームシャフトブラケ
ット30に穴301に嵌合され、両者はパイプ291及
び穴301に嵌合される図示しないボルトによって上枢
支軸a回りに相対的に摺動可能に連結される。なお、ア
ッパアームシャフトブラケット30の上向きボルト30
2は図示しない車体基部に締め付け固定される。アッパ
アーム21の回動端には一対のフランジ部212が突設
され、同フランジ部212には横向きに穴213が形成
される。
【0017】ここで、一対のフランジ部212間には樹
脂性のすべりブッシュ31が配備され、このすべりブッ
シュ31は上ジョイント部材24の筒状の横向き枢支部
32に嵌挿される。すべりブッシュ31の中心部の取付
けパイプ311は穴213に嵌合され、一対のフランジ
部212と取付けパイプ311は図示しないボルトによ
って上ストローク軸c回りに相対的に摺動可能に連結さ
れる。上ジョイント部材24は、図6乃至図9に示すよ
うに、筒状の横向き枢支部32と、横向き枢支部32よ
り延出する下向き枢支部33とで構成される。
【0018】ここで、横向き枢支部32は横向き穴32
1を形成され、同穴321にはすべりブッシュ31が嵌
挿され、これら部材によって、上ジョイント部材24上
のストローク要素が構成される。下向き枢支部33は下
向き筒部331とその上方の蓋状部332と、ナックル
5の上部に向かって開口するベアリング収納穴34と、
ベアリング収納穴34の上方で蓋状部332に穿設され
たレンチ挿通孔35と、下向き筒部331の車幅方向Y
において対向する2つの側面に形成された一対のガイド
面36とを備える。
【0019】ベアリング収納穴34は転舵軸Kを設定す
るベアリング37を支持するもので、下向きに開口し、
収納穴34の上端には段部333(図9参照)が形成さ
れる。この段部333は下方からベアリング37の外輪
が圧入される際にその外輪に上方から係合するよう形成
される。ここでベアリング37の内輪はスペーサ44を
介しナックル23の上端に当接し、この内輪、スペーサ
44及び取付け穴45に嵌挿されるボルト40及び同ボ
ルトに螺合されるナット46によってこれらは一体的に
連結される。このため、ナックル23側より上ジョイン
ト部材24に路面反力が下から突き上げるように入力し
た場合、ベアリング37は下から圧入されているので、
段部333で入力を受けることができ、この部分の耐久
性を確保できる。なお、符号38はベアリング37をベ
アリング収納穴34に係止するスナップリングを示し、
符号39はベアリング収納穴34の下部をシールするシ
ール材を示す。
【0020】ここで、図8、図9に示すように、下向き
筒部331上の一対のガイド面36はベアリングの圧入
方向Zであるベアリング収納穴34の深さ方向に対し直
行して上方に向く当たり面を形成されている。このた
め、一対のガイド面36を図示しない圧入機の基盤上の
受け面に当接させた上で、ボルト40及びスペーサ44
付きのベアリング37の圧入を行なえる。このため、ベ
アリング圧入作業が容易化され、しかも、ベアリング収
納穴34の向きによって決まる圧入方向Zに合わせ、圧
入方向Zに対し直行して上方に向く一対のガイド面36
を形成するので、ベアリング収納穴34の設計上の自由
度が増し、下向き筒部331や蓋状部332の形状の自
由度も増すという利点がある。
【0021】このようにベアリング収納穴34はその上
方位置にベアリング37の外輪が当接する段部333が
形成され、更に、その奥である上方位置、即ち、蓋状部
332とベアリング37及びボルト40の頭部とで囲ま
れた空間部341を備える。この空間部341はレンチ
挿通孔35に連通し、このレンチ挿通孔35の開放時
に、六角レンチ43の差し込みを許容するように形成さ
れている。ここで空間部341に位置するボルト40の
頭部には、予めレンチ嵌合用の嵌合穴41が凹設されて
いる。なお、蓋状部332の上面は傾斜壁として形成さ
れ、同部の中央に切り込み334が凹設され、切り込み
334の中央にレンチ挿通孔35が穿設される。なお、
符号335はレンチ挿通孔35に螺合するボルト42の
受け座を示す。
【0022】このため、ボルト40のねじ部をナックル
23の取付け穴45に挿通し、ナットを締め付ける作業
時において、レンチ挿通孔35を通し六角レンチ43が
ボルト40の嵌合穴41の頭部に予め凹設されているレ
ンチ嵌合用の嵌合穴41に嵌合され、ボルト40の回り
止めを行ない、その上でボルト40のねじ部に螺合する
ナット46を図示しない締め付け工具によって容易に締
め付けできる。なお、図4中の符号47はナット46の
ゆるみ止め用の割ピンを示す。更に、ナット46はナッ
クル23の取付け穴45の下方の空間に配置されてお
り、締め付け工具を用いての締め付け作業に要する作業
空間確保が容易に成されるという利点がある。しかも、
空間部341はレンチ挿通孔35に螺合するボルト42
によって密閉される。このため、密閉された空間部34
1は、グリース溜りとして使用でき、上ジョイント部材
24上の転舵要素を成す、ベアリング37の信頼性や耐
久性を確保できる。
【0023】ナックル23は、図2、図4に示すよう
に、概略、縦長の折曲棒状を成し、その中央部分にはベ
アリング26を介し車軸28を枢着するボス状の枢支部
48を形成され、その側方より延出部49が、上部より
湾曲棒部50が、下部より連結部51がそれぞれ延出し
て形成される。枢支部48は中央にベアリング26を圧
入する孔481を形成され、その外側開口縁に図示しな
いバックプレートを固定する取付孔482を複数形成さ
れる。延出部49はその端部にジョイント53の一端が
ボルト止めされ、同ジョイント53の他端にはタイロッ
ドエンド52がボルト止めされ、タイロッドエンド52
からの転舵力をナックルに伝えるように構成されてい
る。
【0024】連結部51は下ジョイント部材25を介し
ロアアーム22を連結するよう構成される。ここで、連
結部51は下ジョイント部材25の転舵要素部分を揺動
可能に収容する矩形穴57と、その矩形穴57の上下の
上壁511及び下壁512を備える。この矩形穴57の
中央には転舵軸Kを設定すると共に下ジョイント部材2
5上の転舵要素を成す上下ベアリング54,55を連結
部51に取り付ける転舵ボルト56が取り付けられる。
この転舵ボルト56は上壁511に形成されるねじ穴5
13と下壁512に形成されるねじ穴514とに同時に
螺合される当ピッチのねじ溝561,562が上下端に
形成され、しかも、中央には内径の異なる上下ベアリン
グ54,55の内輪を嵌合する上下軸部563,564
が形成される。
【0025】一方、下ジョイント部材25は図4及び図
10乃至図12に示すように、筒状の縦向き枢支部58
と、この縦向き枢支部より延出する横向き枢支部59と
で構成される。ここで、縦向き枢支部58は上下にわた
って互いに連通する上下ベアリング収納穴60,61を
形成され、両収納穴60,61間には段部62が形成さ
れ、これにより上下ベアリング54,55の上下方向で
の位置決めを行なっている。横向き枢支部59は筒状部
591及び枢支穴592を備え、枢支穴592にはすべ
りブッシュ63が嵌挿され、これら部材によって下ジョ
イント部材25上のストローク要素が構成され、下スト
ローク軸dが決定される。
【0026】このような下ジョイント部材25の転舵要
素とナックル23の連結部51との結合作業時には、先
ず、下ジョイント部材25の縦向き枢支部58の上下ベ
アリング収納穴60,61に上下ベアリング54,55
を圧入し、次いで、上下ベアリング収納穴60,61の
各開口端側にカラー64,65及びシール66,67を
順次嵌着させる。その上で、これら上下ベアリング5
4,55等を嵌装した下ジョイント部材25の縦向き枢
支部58を連結部51の矩形穴57に嵌合させる。その
上で転舵ボルト56を下壁512のねじ穴514より挿
通させ、上下ベアリング54,55等に順次嵌挿する。
次いで、転舵ボルト56のねじ溝561,562を上壁
511のねじ穴513と下壁512のねじ穴514とに
同時に螺着させ、更に、ねじ溝562の下部にはナット
68を螺合し、ゆるみ止めとする。
【0027】これにより、アッパアーム21及びロアア
ーム22の回動端側に連結されるナックル23は、転舵
ボルト56の中心軸線である転舵軸Kの回りに回動可能
に支持される。ロアアーム22は図1及び図5に示すよ
うに、直上バー状のI型部69と折曲バー状のL型部7
0とを備え、両者をその回動端側でボルト結合して一体
化した構造を成す。I型部69及びL型部70は共に各
枢支端にボス部71,72を形成される。各ボス部7
1,72には樹脂性のすべりブッシュ73,74が嵌挿
される。すべりブッシュ73,74の中心部の取付けパ
イプ731,741には共に図示しないボルトが嵌挿さ
れ、同ボルトが図示しないクロスメンバと一体のブラケ
ットにボルト止めされる。
【0028】これによって、すべりブッシュ73,74
の中心線によって下枢支軸bが設定され、同軸回りにロ
アアーム22が揺動可能に枢支される。I型部69の回
動端には一対のフランジ部691が突設され、両フラン
ジ部691間には下ジョイント部材25の枢支穴592
に嵌挿されたすべりブッシュ63が嵌挿され、すべりブ
ッシュ63の中心線が下ストローク軸dを設定する。な
お、I型部69の回動端の近傍位置には横向き穴693
が穿設され、この横向き穴693にはブッシュ75を介
し図示しないストラッドアッセンブリの下端部がボルト
結合される。このように構成された操舵車輪用サスペン
ションのアッパジョイント機構の作動を説明する。
【0029】車両が直進走行時には、車輪27からの路
面反力がナックル23よりロアアーム22上のブッシュ
75を介し図示しないストラッドアッセンブリに伝わ
る。この場合、車体と車輪27との相対変位はアッパア
ーム21及びロアアーム22が上下枢支軸a,b中心に
回動し、回動端の上下ストローク軸c,dの回動軌道に
規制されてナックル23及びナックル23に枢支される
車輪27が上下動する。図示しない操舵装置が駆動する
と、転舵軸K中心にナックル23及びナックル23に枢
支される車輪27が揺動し、車輪27の整列状態が切り
替わり、操舵角が切り換えられる。
【0030】このように作動する操舵車輪用サスペンシ
ョンのアッパジョイント機構では、上ジョイント部材2
4内に転舵要素とストローク要素を分離して配備し、サ
スペンションの設定自由度を向上させ、その上で、特
に、ベアリング37に嵌挿されるボルト40の頭部にレ
ンチ嵌合用の嵌合穴41が凹設され、そのボルト40が
ベアリング37に上方から挿入され、ナックルの取付孔
45に挿入され、その下方にナット46が螺合された際
に、レンチ挿通孔35を通して嵌合穴41にレンチを嵌
合させて回り止めとし、取付孔45の下方のナット46
をナット締め付け用工具で締め付けることができ、ナッ
ト締め付け用工具の作業空間を十分に確保でき作業性が
良い。しかも、レンチ挿通孔35から給油すれば簡単に
ベアリングに給油することができ保持も容易と成る。
【0031】ここでは特に、ベアリング収納穴34がそ
のベアリング37の上方に空間部341を確保でき、こ
の空間をグリース溜りとして使用できるので、上ジョイ
ント部材24上の転舵要素を成す、ベアリング37の信
頼性や耐久性を特に確保できる。更に、上ジョイント部
材24はベアリングの圧入方向Zであるベアリング収納
穴34の深さ方向に対し直行して上方に向く当たり面を
形成されている。このため、同ガイド面36を利用して
ベアリング37の圧入を行なえ、圧入時の作業性を考え
ることなく上ジョイント部材24の形状を自由に設定で
き、下向き筒部331や蓋状部332の形状の自由度も
増すという利点がある。
【0032】しかも、枢着部材はすべりブッシュ29に
より形成されるので、ストローク時のフリクションを効
果的に低減でき、全体にフリクションの小さいサスペン
ションを実現できる。また、図1中の操舵車輪用サスペ
ンションのアッパジョイント機構ではナックル23の上
部の湾曲棒部50が十分に長く、上ジョイント部材24
は車輪27の上方に配置される用に設定されたので、上
ジョイント部材24のベアリング37への入力を小さく
でき、ベアリング37の耐久性を向上させることがで
き、ベアリング37の小型化を図れる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、ナッ
クルとアッパアームとの間にジョイント部材が介装さ
れ、同ジョイント部材のベアリング収納穴にベアリング
の外輪が圧入されると共に外輪が段部に当接され、頭部
にレンチ嵌合用の嵌合穴が凹設されるボルトがベアリン
グ内輪に上方から挿入されると共にナックルの取付孔に
挿入され、その取付孔の下方に突出するボルトのねじ部
にナットが螺合され、ベアリング収納穴に連通するレン
チ挿通孔がベアリング収納穴の上方のジョイント部材に
穿設された。このため、ジョイント部材の上方のレンチ
挿通孔を通して嵌合穴にレンチを嵌合でき、その上でボ
ルトのねじ部にナットを螺合させ、この状態でレンチと
ナット締め付け用工具とを操作し、ボルトとナットの締
め付けを確実に行なうことができ、ナット締め付け用工
具の作業空間を十分に確保でき作業性が良い。しかも、
レンチ挿通孔を用い、簡単にベアリングに給油すること
ができ、保持も容易と成り、耐久性を確保できる。
【0034】請求項2の発明は、請求項1記載の操舵車
輪用サスペンションのアッパジョイント機構において、
特に、ベアリング収納穴中であって、段部の上方で頭部
及びベアリングの上方位置に空間を確保でき、この空間
をグリース溜りとして使用可能と成り、ベアリングの耐
久性をより確実に確保できる。請求項3の発明は、請求
項1記載の操舵車輪用サスペンションのアッパジョイン
ト機構において、特に、ジョイント部材の対向する2つ
の側面に、ベアリングの圧入方向に直行して上方に向く
ガイド面が形成されるので、同ガイド面を利用してベア
リングの圧入を容易に行なえる。
【0035】請求項4の発明は、請求項1記載の操舵車
輪用サスペンションのアッパジョイント機構において、
特に、枢着部材がすべりブッシュにより形成されるの
で、ストローク時のフリクションを低減できる。請求項
5の発明は、請求項1記載の操舵車輪用サスペンション
のアッパジョイント機構において、特に、ジョイント部
材は車輪の上方に配置されるので、ジョイント部材上の
ベアリングが車輪の枢支部より比較的遠のき、ベアリン
グへの入力を小さくでき、その耐久性を向上させること
ができ、小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての操舵車輪用サスペン
ションのアッパジョイント機構の概略構成の斜視図であ
る。
【図2】図1のアッパジョイント機構の概略構成の正面
図である。
【図3】図1のアッパジョイント機構のアッパアーム及
びその周辺部材の斜視図である。
【図4】図1のアッパジョイント機構のナックル及びそ
の周辺部材の斜視図である。
【図5】図1のアッパジョイント機構のロアアーム及び
その周辺部材の斜視図である。
【図6】図1のアッパジョイント機構の要部切欠断面図
である。
【図7】図1のアッパジョイント機構で用いる上ジョイ
ント部材の拡大平面図である。
【図8】図1のアッパジョイント機構で用いる上ジョイ
ント部材の拡大側面図である。
【図9】図8中のQ−Q線断面図である。
【図10】図1のアッパジョイント機構を装備する操舵
車輪用サスペンションで用いる下ジョイント部材の拡大
正面図である。
【図11】図10の下ジョイント部材の平面図である。
【図12】図10の下ジョイント部材の左側面図であ
る。
【図13】従来の車両用サスペンション装置の概略正面
図である。
【図14】図13のサスペンション装置で用いるアッパ
ジョイント機構の拡大切欠断面図である。 20 アッパジョイント機構 21 アッパアーム 23 ナックル 24 上ジョイント部材 27 車輪 29 すべりブッシュ 31 すべりブッシュ 32 横向き枢支部 33 下向き枢支部 331 下向き筒部 332 蓋状部 333 段部 34 ベアリング収納穴 341 空間部 35 レンチ挿通孔 36 ガイド面 37 ベアリング 40 ボルト 41 嵌合穴 43 レンチ 45 取付孔 46 ナット A 車両用のフロントサスペンション装置 K 転舵軸 X 車幅方向 Y 車幅方向 Z ベアリングの圧入方向 a 上枢支軸 b 下枢支軸 c 上ストローク軸 d 下ストローク軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪を回転支持するナックルの上部と一端
    が車体側に枢着されたアッパアームの他端との間にジョ
    イント部材が介装され、同ジョイント部材が転舵軸を規
    定するベアリングを介して上記ナックルの上部に連結さ
    れると共に上下揺動案内用の枢着部材を介して上記アッ
    パアームの他端に連結された操舵車輪用サスペンション
    のアッパジョイント機構において、 頭部にレンチ嵌合用の嵌合穴が凹設されて上記ベアリン
    グ内輪に上方から挿入されねじ部が上記ベアリングから
    下方に突出するよう形成されたボルトと、 下向きに開口して上記ジョイント部材に形成され下方か
    ら上記ベアリングの外輪が圧入されると共に上記外輪に
    上方から係合する段部を有するベアリング収納穴と、 同ナックルの上部に形成され上記ベアリングから突出す
    る上記ボルトのねじ部が挿入される取付孔と、 上記取付孔の下方に突出する上記ボルトのねじ部に螺合
    して上記ナックルの上部を上記ベアリングの内輪に締結
    するナットと、 上記ベアリング収納穴の上方で上記ジョイント部材に穿
    設されて上記ベアリング収納穴に連通し上記ジョイント
    部材の上方から上記嵌合穴にレンチを嵌合可能に設けら
    れたレンチ挿通孔とを備えたことを特徴とする操舵車輪
    用サスペンションのアッパジョイント機構。
  2. 【請求項2】請求項1記載の操舵車輪用サスペンション
    のアッパジョイント機構において、 上記ベアリング収納穴は上記段部の上方で上記頭部及び
    上記ベアリングの上方に空間が形成されることを特徴と
    する操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機
    構。
  3. 【請求項3】請求項1記載の操舵車輪用サスペンション
    のアッパジョイント機構において、 上記ジョイント部材の対向する2つの側面には上記ベア
    リングの圧入方向に直行して上方に向くガイド面が形成
    されていることを特徴とする操舵車輪用サスペンション
    のアッパジョイント機構。
  4. 【請求項4】請求項1記載の操舵車輪用サスペンション
    のアッパジョイント機構において、 上記枢着部材は、すべりブッシュにより形成されること
    を特徴とする操舵車輪用サスペンションのアッパジョイ
    ント機構。
  5. 【請求項5】請求項1記載の操舵車輪用サスペンション
    のアッパジョイント機構において、 上記ジョイント部材は上記車輪の上方に配置されること
    を特徴とする操舵車輪用サスペンションのアッパジョイ
    ント機構。
JP07031091A 1995-02-20 1995-02-20 操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構 Expired - Fee Related JP3085124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07031091A JP3085124B2 (ja) 1995-02-20 1995-02-20 操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07031091A JP3085124B2 (ja) 1995-02-20 1995-02-20 操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08225009A true JPH08225009A (ja) 1996-09-03
JP3085124B2 JP3085124B2 (ja) 2000-09-04

Family

ID=12321739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07031091A Expired - Fee Related JP3085124B2 (ja) 1995-02-20 1995-02-20 操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3085124B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013115922A1 (en) * 2012-02-03 2013-08-08 Daniel Kunau Offset inclined suspension
KR101361287B1 (ko) * 2012-05-15 2014-02-12 현대자동차주식회사 차량용 서스펜션 암 연결 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013115922A1 (en) * 2012-02-03 2013-08-08 Daniel Kunau Offset inclined suspension
US8740232B2 (en) 2012-02-03 2014-06-03 Daniel Kunau Offset inclined suspension
KR101361287B1 (ko) * 2012-05-15 2014-02-12 현대자동차주식회사 차량용 서스펜션 암 연결 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3085124B2 (ja) 2000-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6550795B1 (en) Suspension alignment device
US6921066B2 (en) Connector assembly and connecting device for steering wheel
US8240687B2 (en) Wheel suspension system for a steerable wheel
US7549656B2 (en) Ball joint for steering knuckle
US20060181043A1 (en) Rotary cam alignment system
KR20140011318A (ko) V-형 토크 로드를 위한 정점 내부 마운트 배열
US4418938A (en) Vehicle strut suspension with camber adjustment
MXPA04006583A (es) Suspension de varilla de control con absorbedor de choque exterior.
USRE34659E (en) Apparatus to vary axle orientation
JP3085124B2 (ja) 操舵車輪用サスペンションのアッパジョイント機構
US7052024B2 (en) Suspension assembly applicable to both manual and power steering systems
KR20040058363A (ko) 조향 너클 핀 베어링
JP3239469B2 (ja) アブソーバ締結構造
CN100396552C (zh) 悬架跨乘式车辆的后轮驱动单元的方法和跨乘式车辆
JPH08225010A (ja) 操舵車輪用サスペンションのジョイント機構
JP2564444Y2 (ja) トーションバの取付け構造
KR100362106B1 (ko) 자동차용I-암(Arm)
KR100660272B1 (ko) 자동차용 로어암 어셈블리와 볼 조인트 어셈블리의 결합구조
JPH021130Y2 (ja)
JP2605823B2 (ja) 電気式動力操舵装置の支持装置
JPH072251Y2 (ja) 車両用サスペンション装置
JP2511030Y2 (ja) 後輪中立ロック装置の取付構造
KR100811918B1 (ko) 커플드 토션빔 액슬 서스펜션용 마운팅부시와 차체의연결구조
JPH0426319Y2 (ja)
KR100326377B1 (ko) 자동차용 세미 트레일링 아암형 현가 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000606

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees