JPH08223725A - プロテクタ省略式延線用の金車 - Google Patents

プロテクタ省略式延線用の金車

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Publication number
JPH08223725A
JPH08223725A JP1927595A JP1927595A JPH08223725A JP H08223725 A JPH08223725 A JP H08223725A JP 1927595 A JP1927595 A JP 1927595A JP 1927595 A JP1927595 A JP 1927595A JP H08223725 A JPH08223725 A JP H08223725A
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JP
Japan
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wheel
state
guide groove
rigid body
support point
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Withdrawn
Application number
JP1927595A
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English (en)
Inventor
Yoshisada Ishida
吉貞 石田
Masayasu Imai
正康 今井
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Yasuda Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Yasuda Seisakusho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】支持点の移動により低抵抗で剛体部の通過を行
なわせる構造の金車について、その小型軽量化を図ると
共に、剛体部の通過に際して複雑な制御を必要としなく
て済むようにする。 【構成】吊り具3に生じる吊り荷重を利用して支持点8
をガイド溝7に沿って移動させるようにしており、その
ためにガイド溝の形状を、剛体部の第2ホイール4bへ
の進入通過時における力のバランスにより与えられる吊
り荷重の方向に対し、90°以下の角度を、支持点が第
2ホイール側端から第1ホイール側4a端へ移動しつつ
ある間について、連続的に取り、且つ剛体部の通過後に
非剛体部が第2ホイールを通過する状態における力のバ
ランスにより与えられる吊り荷重の方向に対し、90°
以下の角度を、支持点が第1ホイール側端から第2ホイ
ール側端へ移動しつつある間について、連続的に取る形
状としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空送電線の延線技術
に関し、特に電線に予め接続してある引留めクランプな
どの剛体部を金車通過に際して保護するためのプロテク
タを省略できるようにする延線技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電線に予め接続してある引留めクランプ
などの剛体部は、金車のホイールに馴染まないため抱角
に応じて金車通過時に曲げ力を受け、この曲げ力が一定
以上になるとこれが曲がってしまう。このため従来では
一般に強度の大きいプロテクタを引留めクランプに装着
してその曲がりを防止するようにしている。このような
プロテクタの使用については、先ずプロテクタの取付け
作業が必要となり、また延線完了後にはプロテクタの取
外し作業が必要になるが、特に後者の取外し作業につい
ては、鉄塔に接続されている数メートル乃至数十メート
ルの碍子装置を伝わってプロテクタの位置まで行く必要
があり、しかも足場が不安定な状態で数十kgもあるプ
ロテクタを扱う必要があるため、作業者にとって大きな
負担を強いることになる。
【0003】このような大きな負担を伴うプロテクタを
使用しないで済むようにするには金車通過時に剛体部に
対し許容以上の曲げ力を生じさせないようにすることで
あるが、そのようなことを意図した技術が既に幾つか提
案されている。例えば特公平4−47536号公報や特
公平5−68164号公報に開示の技術がその例であ
る。
【0004】これらは何れも2個のホイールを延線方向
で連設すると共に、これらのホイールを一体的に保持し
ているフレーム体に、鉄塔に吊り下げるための吊り具を
その支持点がホイールの連設方向で移動可能な状態で連
結し、この支持点を必要時に強制移動させることにより
両ホイールの相対的高さ関係、つまり金車の傾斜状態を
剛体部の通過時に変化させることで剛体部に対し大きな
曲げ力を生じさせないようにしている。より具体的に
は、電線やワイヤなどの非剛体部が通過する状態では支
持点を延線方向後側に片寄らせて延線方向後側のホイー
ルが高くなる傾斜状態としておき、引留めクランプのよ
うな剛体部の通過の際には、剛体部が延線方向先側のホ
イールに進入するタイミングに合わせて支持点を延線方
向前側に移動させて金車を上記とは逆に傾斜させ、この
状態で剛体部の通過を行なわせることで剛体部に許容以
上の曲げ力が発生するのを防止している。
【0005】しかしこれら従来の技術は支持点の移動を
例えば油圧シリンダのような外部駆動タイプの作動体で
行なわせるようにしているため、金車の大型化と重量の
増大を招くという短所があり、また剛体部の通過に際し
て、例えば剛体部が所定の進入状態になったら一旦延線
を止めて支持点の移動を行う必要があるなど、複雑な制
御を必要とするので、作業性に劣るという短所がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情を背景になされたもので、上記のような支持点の移動
により剛体部を通過させるような構造の金車について、
その小型軽量化を図ると共に、剛体部の通過に際して複
雑な制御を必要としなくて済むようにすることを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による金車は、延
線方向で直列に連設の第1及び第2の2個のホイールを
フレーム体にて一体的に保持させ、且つフレーム体に両
ホイールの連設方向で所定の長さを持って延在するガイ
ド溝を設けると共に、鉄塔に吊り下げるための吊り具の
支持点を前記ガイド溝に沿って移動可能にしてフレーム
体に連結し、電線やワイヤなどの非剛体部の通過時に
は、この支持点をガイド溝の第2ホイール側端に位置さ
せて第2ホイールが第1ホイールより高くなる通常傾斜
状態とし、電線などに接続の剛体部の通過時には、吊り
具に生じる吊り荷重を利用して支持点をガイド溝の第1
ホイール側端へ移動させることにより、第1ホイールが
第2ホイールより高くなる逆傾斜状態とし、剛体部が通
過した後には、同じく吊り荷重を利用して支持点をガイ
ド溝の第2ホイール側端へ再移動させることにより通常
傾斜状態に戻すようにしてなっており、そのためにその
ガイド溝は、剛体部が第2ホイールに進入してこれを通
過しようとする状態における力のバランスにより与えら
れる吊り荷重の方向に対し、90°以下の角度を、支持
点が第2ホイール側端から第1ホイール側端へ移動しつ
つある間について、連続的に取り、且つ剛体部が第2ホ
イールを通過した後に非剛体部が通過する状態における
力のバランスにより与えられる吊り荷重の方向に対し、
90°以下の角度を、支持点が第1ホイール側端から第
2ホイール側端へ移動しつつある間について、連続的に
取る形状としている。
【0008】この金車が許容以上の曲げ力を与えること
なく剛体部の通過を可能とする原理は、基本的に従来の
場合と同様で、吊り具の支持点の移動によっている。た
だその支持点の移動を生じさせるメカニズムが従来と大
きく異なっている。この点を以下に説明する。先ず、図
8に示すように延線方向で第1及び第2の2個のホイー
ルHa、Hbを直列に連設した金車を考える。この金車
のフレームに両ホイールHa、Hbの回転中心を結ぶ線
分と平行で真っ直ぐなガイド溝Gがあり、これに吊り具
Cの支持点Pがガイド溝Gに沿って移動可能に連結され
ているとする。仮に支持点Pがガイド溝Gの中心にある
として、この状態で例えば図9に示すような傾きをガイ
ド溝Gが吊り具Cに対して持つ状態に金車が傾いたとす
ると、吊り具Cの吊り方向で生じている金車の吊り荷重
Fからは支持点Pを矢示X方向に移動させる向きの分力
Taが生じ、支持点Pはその方向へガイド溝Gに沿って
移動する。また図10に示すように逆方向に金車が傾け
ば、支持点Pを矢示Y方向に移動させる向きの分力Tb
が生じ、支持点Pはその方向へガイド溝Gに沿って移動
する。この関係を一般的に言えば、ガイド溝についてそ
の移動可能な方向に対し吊り荷重Fの方向が90°以下
となれば、図8のようにガイド溝の方向と吊り荷重の方
向とがなす角度をλとして、T=Fsin θ(θ=90°
−λ又はθ=λ−90°)という移動力が吊り荷重Fの
分力として得られ、この移動力で支持点Pをガイド溝に
沿って移動させることができる、ということである。
【0009】このような原理を前提にして、図8の金車
における吊り荷重の方向とガイド溝の方向がなす角度λ
が、抱角を60°とした場合に、非剛体部が通過してい
る状態、剛体部が第2ホイールHbに進入し始めた状
態、及び剛体部が第2ホイールHbを通過する状態のそ
れぞれにおける力のバランスに基づいて、支持点Pの位
置と共に変化する関係を解析すると、図11のようにな
る。線ABCで示すのが非剛体部が通過している状態で
あり、線DEFで示すのが剛体部が第2ホイールに進入
し始めた状態であり、線GHIで示すのが剛体部が第2
ホイールを通過する状態についての仮想状態である。な
お両ホイールHa、Hbの回転中心間の距離は1000
mmとし、ガイド溝Gの長さは600mmとしてあり、
支持点Pの位置は、両ホイールHa、Hbの回転中心か
ら等距離のところを0とし、第1ホイールHa側をマイ
ナス、第2ホイールHb側をプラスとしている。
【0010】これから分かるように、支持点をガイド溝
の第2ホイール側端に位置させた状態はCの状態であ
り、この状態で剛体部が第2ホイールに進入し始めると
Cの状態からFの状態に移る。このFの状態は角度λが
90°より大きいので、移動可能な方向つまり第1ホイ
ールの側への移動力は得られず、したがって支持点の移
動はなく、支持点が固定のまま剛体部の通過抵抗が加わ
った力のバランスに基づいて金車の傾斜状態が変化する
と共に吊り具も延線方向に流れてその方向にさらに傾
き、このために角度λが徐々に小さくなって仮想のIの
状態になる。この仮想のIの状態では角度λが90°よ
り小さくなって移動可能な方向への分力を生じるので、
支持点に第1ホイール側への移動を生じる。しかしこの
状態では通過抵抗が大きくなり過ぎて剛体部に許容以上
の曲げ荷重を与えてしまう。
【0011】そこでFの状態かあるいはFの状態とIの
状態の中間位置、特にFの状態に近い位置で支持点に移
動を生じさせるような形状をガイド溝に与えてやれば、
極力通過抵抗が小さな状態で支持点の移動を生じさせる
ことが可能で、許容以上の曲げ荷重を与えることなく剛
体部を通過させることができる。例えばFの状態で支持
点の移動を開始させるようにするためには、図11から
明らかなように、Fの状態における角度(この例では約
101°)と90°との差分、約11°より若干大きい
角度を両ホイールの回転中心を結ぶ線分に対しなす傾き
をガイド溝、特にその第2ホイール側の端部に与えれば
よいことになる。
【0012】一旦支持点が第1ホイール側へ移動を開始
すると、図11から明らかなように、λは支持点の移動
に応じて小さくなるので、支持点はガイド溝の第1ホイ
ール側の端まで速やかに移動する。したがって前記ガイ
ド溝に与える傾きは、第2ホイール側の端部から所定長
さについて移動の立ち上がり用として与えられていれば
足り、そこから先はたとえガイド溝が両ホイールの回転
中心を結ぶ線分に対し平行であっても支持点をガイド溝
の第1ホイール側の端まで移動させることができる。
【0013】次にガイド溝の第1ホイール側の端まで移
動した支持点をガイド溝の第2ホイール側の端まで戻す
場合であるが、この戻りは、剛体部が第2ホイールを通
過し終わった後に生じさせることになる。剛体部が第2
ホイールを通過し終わると、支持点がガイド溝の第1ホ
イール側端にある状態で非剛体部が通過する状態とな
り、それは図11におけるAの状態である。この状態で
は、λは90°以下であるが、それは戻り方向とは逆の
方向である。つまり戻りの方向に対しては分力を生じな
い角度状態となっている。そこで上記と同様に、Aの状
態における角度(この例では約86°)と90°との差
分、約4°より若干大きい角度を上記の場合とは逆の向
きで両ホイールの回転中心を結ぶ線分に対しなす傾きを
ガイド溝の第1ホイール側の端部に与えればよいことに
なる。このガイド溝の傾きで移動を開始した支持点がガ
イド溝の第2ホイール側の端まで速やかに戻ることは上
記の場合と同様である。
【0014】以上のようにガイド溝は、そこを支持点が
吊り荷重の分力により必要時にスムーズに往復すること
を可能とする形状を持つがことが必要条件になる。その
形状は、上記のように、剛体部が第2ホイールに進入し
始めてからこれを通過する状態における力のバランスに
より与えられる吊り荷重の方向に対し、90°以下の角
度を、支持点が第2ホイール側端から第1ホイール側端
へ移動しつつある間について、連続的に取り、且つ剛体
部が第2ホイールを通過した後に非剛体部が通過する状
態における力のバランスにより与えられる吊り荷重の方
向に対し、90°以下の角度を、支持点が第1ホイール
側端から第2ホイール側端へ移動しつつある間につい
て、連続的に取る形状となる。
【0015】このようなガイド溝の形状をより詳細に規
定すると以下のようになる。即ち第2ホイール側の端部
には、第1ホイール側への移動のための立ち上がり用と
して第1角度状態部を設け、また第1ホイール側の端部
には、第2ホイール側への移動のための立ち上がり用と
して第2角度状態部を設け、さらに第1角度状態部と第
2角度状態部の間に第3角度状態部を設ける。
【0016】そして第1角度状態部については、剛体部
が第2ホイールに進入し始めた状態で、支持点の第1ホ
イール側への移動を可能とする分力を吊荷重から連続的
に生じさせる角度状態、つまり剛体部が第2ホイールに
進入し始めた状態での力のバランスにより与えられる吊
り荷重の方向に対し第1ホイール側に向けて90°以下
の角度を、支持点が当該第1角度状態部を第1ホイール
側へ移動しつつある間について、連続的に取り得る角度
状態と、剛体部の通過後に第2ホイール側から移動して
来る支持点のガイド溝の第1ホイール側端への移動を可
能とする分力を吊荷重から生じさせる角度状態、つまり
非剛体部が通過している状態での力のバランスにより与
えられる吊り荷重の方向に対し第2ホイール側に向けて
90°以下の角度を、当該第1角度状態部を支持点が第
2ホイール側へ移動しつつある間について、連続的に取
り得る角度状態とを満足させる角度状態を与える。
【0017】また第2角度状態部については、非剛体部
の通過状態で、支持点の第2ホイール側への移動を可能
とする分力を吊荷重から生じさせる角度状態、つまり非
剛体部が通過している状態での力のバランスにより与え
られる吊り荷重の方向に対し第2ホイール側に向けて9
0°以下の角度を、当該第2角度状態部を支持点が第2
ホイール側へ移動しつつある間について、連続的に取り
得る角度状態と、第2ホイール側から移動して来る支持
点のガイド溝の第1ホイール側端への移動を可能とする
分力を吊荷重から生じさせる角度状態、つまり剛体部が
第2ホイールに進入してこれを通過しようとする状態で
の力のバランスにより与えられる吊り荷重の方向に対し
第1ホイール側に向けて90°以下の角度を、支持点が
当該第2角度状態部を第1ホイール側へ移動しつつある
間について、連続的に取り得る角度状態を与える。
【0018】そして第3角度状態部については、第1角
度状態部又は第2角度状態部による分力で移動して来る
支持点を第2角度状態部まで又は第1角度状態部まで移
動させる分力を吊荷重から連続的に生じさせる角度状
態、つまり剛体部が第2ホイールに進入してこれを通過
しようとする状態での力のバランスにより与えられる吊
り荷重の方向に対し第1ホイール側に向けて90°以下
の角度を、支持点が当該第3角度状態部を第1ホイール
側へ移動しつつある間について、連続的に取り得る角度
状態と、非剛体部が通過している状態での力のバランス
により与えられる吊り荷重の方向に対し第2ホイール側
に向けて90°以下の角度を、当該第3角度状態部を支
持点が第2ホイール側へ移動しつつある間について、連
続的に取り得る角度状態とを満足させる角度状態を与え
る。
【0019】本発明による金車は、以上のようにしてそ
の吊り荷重の分力を利用して自動的に支持点の移動を行
なうものである。したがって支持点移動用の外部駆動源
を不要とでき、その小型軽量化を図れ、また剛体部の通
過に際して複雑な制御を行なう必要がないので、作業性
にも優れる。
【0020】上記のような本発明による金車は、図11
から分かるように、第2ホイール側から第1ホイール側
に支持点が移動する際に、支持点はガイド溝の中心を通
過した後にはその移動力にかなりの余力を持っている。
そこでこの余力を例えばバネなどの弾性体に蓄えてお
き、これを戻りの際に開放させることで戻りをより速や
かに生じさせるようにすることも可能である。それに
は、例えば長さに余裕を持ったワイヤなどを介在させて
バネを支持点に接続し、支持点がガイド溝の中心を通過
した後にバネの弾性が働くようにすればよい。
【0021】上記のような本発明による金車を用いてプ
ロテクタ省略方式により延線を行なうについては、支持
点の移動力を与える通過抵抗を剛体部に直接生じさせな
いようにすれば、なお一層好ましい。それには、剛体部
の前側に進入抵抗調整体を用い、この進入抵抗調整体に
より生じる進入抵抗で上記のような必要な強制移動力を
得るようにすればよい。このような進入抵抗調整体は剛
体部の進入に先立ってホイールに進入する状態で取り付
けることになるが、それについては、剛体部の先端に近
接させて取り付けるか、あるいは剛体部の先端に直接取
り付けるようにする。特に後者の取り付け形態とする
と、剛体部の保護にも機能させることができるのでより
好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明をその一実施例に基づいてより
詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本実施例
による金車1は、ホイールユニット2に吊り具3を連結
させた構造となっている。
【0023】ホイールユニット2は、それぞれの回転中
心間の距離を約1000mmとして第1ホイール4aと
第2ホイール4bを延線方向(矢示Z方向)で直列にフ
レーム体5に保持させた構造とされている。そのフレー
ム体5は、対向状態とされた一対のフレーム部材6、6
からなり、この各フレーム部材6には、第1ホイール4
aの側の端から第2ホイール4bの側の端までの長さが
約600mmであるガイド溝7が両ホイール4a、4b
の連設方向で延在させて形成されている。
【0024】ガイド溝7には、図11に関して上述した
条件に基づいて設計した形状が与えられている。具体的
には、その形状を模式化して図3に示すように、中心、
つまり両ホイール4a、4bの回転中心から等距離の位
置を0点とし、延線方向をプラス側、その逆方向をマイ
ナス側として、プラス側は1/3の位置までと1/3〜
3/3の位置までの2つの部分に分け、またマイナス側
は1/6の位置まで、1/6〜3/6の位置まで、3/
6〜4/6の位置まで、及び4/6〜6/6の位置まで
の4つの部分に分け、それぞれの部分に図中に記入した
角度を両ホイール4a、4bの回転中心を結ぶ線分に平
行な線分Sに対する角度として与えている。
【0025】つまりプラス側の1/3〜3/3の位置ま
でを第1角度状態部とし、またマイナス側の4/6〜6
/6の位置までを第2角度状態部とし、そしてプラス側
の1/3の位置までと、マイナス側の1/6〜4/6の
位置までを第3角度状態部とし、この第3角度状態部を
さらに4分割してそれぞれの部分に異なる角度状態を与
えている。
【0026】吊り具3は、金車1を鉄塔Tに自由に振れ
る状態でつり下げれるように形成されており、その先端
には回転可能な部材で形成した支持点8が与えられ、こ
の支持点8を介してガイド溝7に連結させられており、
必要時には支持点8が回転させながらガイド溝7に沿っ
て移動するようにされている。
【0027】このような金車1を用いた延線は以下のよ
うにして進められる。先ず金車1の設置状態であるが、
それは、図4に簡略化して示すように、支持点8をガイ
ド溝7の第2ホイール4bの側の端に位置させて第1ホ
イール4aが第2ホイール4bより下がった傾斜状態を
基本とする。この状態は、電線C(図5)や割りワイヤ
などのワイヤWなどの非剛体部だけが通過する通常の状
態であり、この状態での力のバランスから吊り具3に掛
かる吊り荷重の方向は、支持点8の移動を可能とする方
向でのガイド溝7の向きに対し90°以上となってお
り、吊り具3の支持点8の移動を生じることはない。
【0028】この状態で図5のように剛体部、具体的に
は引留めクランプPが第2ホイール4bに進入しようと
すると、第2ホイール4bでの通過抵抗が上昇し、これ
に伴って金車1の傾斜状態が変化すると共に吊り具3も
延線方向に流れてその方向にさらに傾く。この結果吊り
具3に掛かる吊り荷重の方向とガイド溝7の第2ホイー
ル4b側の端部における向きとがなす角度が90°以下
となると、支持点8は第1ホイール4aの側に移動を開
始すると共に速やかにガイド溝7の第1ホイール4a側
の端に至り、これに伴って金車1は、図6のように、図
4の状態とは逆向きの傾斜を取る。この状態では第2ホ
イール4bにおける引留めクランプPの通過抵抗は小さ
なもので済む。それ故に引留めクランプPは、許容以上
の曲げ荷重を受けることなく第2ホイール4bを通過す
る。
【0029】ここで引留めクランプPの先端にはプラス
チック製のカバーRが被せてある。このカバーRは引留
めクランプPの保護に機能すると共に、その径が引留め
クランプPの先端より若干大きいことで、引留めクラン
プPのホイール4bへの進入抵抗を増加させる進入抵抗
調整体としても機能している。
【0030】引留めクランプPが通過した後には、力の
バランスが変化して金車1は図7のような状態になる。
この状態になると吊り荷重の方向がガイド溝7の第1ホ
イール4a側の端部における向きに対し90°以下とな
るので、支持点8は第2ホイール4bの側に移動し始め
ると共に速やかにガイド溝7の第2ホイール4b側の端
に戻り、図4の状態を回復する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明による金車
は、吊り具に掛かる吊り荷重を利用して連結点の自動的
な移動を行なわせるようにしているので、従来のような
外部駆動の作動体が不要で小型軽量化を図れ、また剛体
部通過に際しての複雑な制御を不要とすることができ、
プロテクタ省略式の延線作業の合理化に大きく寄与でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による金車の側面図。
【図2】図1中の矢示DA方向からみた一部断面を含む
平面図。
【図3】ガイド溝の角度状態についての説明図。
【図4】非剛体部通過時における図1の金車の作動状態
図。
【図5】剛体部が第2ホイールに進入しようとする際の
図1の金車の作動状態図。
【図6】剛体部が第2ホイールを通過する際の図1の金
車の作動状態図。
【図7】剛体部通過直後の図1の金車の作動状態図。
【図8】真っ直ぐなガイド溝を有する2連ホイールの金
車の説明図。
【図9】図8の金車が傾斜した状態での吊り荷重から分
力が生じる状態の説明図。
【図10】図8の金車が逆傾斜した状態での吊り荷重か
ら分力が生じる状態の説明図。
【図11】図8の金車に関し支持点の位置と吊り荷重の
方向を示すグラフ図。
【符号の説明】
1 金車 3 吊り具 4a 第1ホイール 4b 第2ホイール 5 フレーム体 7 ガイド溝 8 支持点 P 引留めクランプ(剛体部) R 進入抵抗調整体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延線方向で直列に連設の第1及び第2の
    2個のホイールをフレーム体にて一体的に保持させ、且
    つフレーム体に両ホイールの連設方向で所定の長さを持
    って延在するガイド溝を設けると共に、鉄塔に吊り下げ
    るための吊り具の支持点を前記ガイド溝に沿って移動可
    能にしてフレーム体に連結し、電線などの非剛体部の通
    過時には、この支持点をガイド溝の第2ホイール側端に
    位置させて第2ホイールが第1ホイールより高くなる通
    常傾斜状態とし、電線などに接続の剛体部の通過時に
    は、吊り具に生じる吊り荷重を利用して支持点をガイド
    溝の第1ホイール側端へ移動させることにより、第1ホ
    イールが第2ホイールより高くなる逆傾斜状態とし、剛
    体部が通過した後には、同じく吊り荷重を利用して支持
    点をガイド溝の第2ホイール側端へ再移動させることに
    より通常傾斜状態に戻すようになっている金車であっ
    て、ガイド溝は、剛体部が第2ホイールに進入してこれ
    を通過しようとする状態における力のバランスにより与
    えられる吊り荷重の方向に対し、90°以下の角度を、
    支持点が第2ホイール側端から第1ホイール側端へ移動
    しつつある間について、連続的に取り、且つ剛体部が第
    2ホイールを通過した後に非剛体部が通過する状態にお
    ける力のバランスにより与えられる吊り荷重の方向に対
    し、90°以下の角度を、支持点が第1ホイール側端か
    ら第2ホイール側端へ移動しつつある間について、連続
    的に取る形状とされていることを特徴とする金車。
JP1927595A 1995-02-07 1995-02-07 プロテクタ省略式延線用の金車 Withdrawn JPH08223725A (ja)

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JP (1) JPH08223725A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102969669A (zh) * 2011-08-31 2013-03-13 李刚 前后轮放线滑车
KR20200112475A (ko) * 2019-03-22 2020-10-05 한국전력공사 가선 작업용 활차간격 유지장치

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CN102969669A (zh) * 2011-08-31 2013-03-13 李刚 前后轮放线滑车
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