JPH08222231A - 円筒形空気電池 - Google Patents

円筒形空気電池

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JPH08222231A
JPH08222231A JP7024128A JP2412895A JPH08222231A JP H08222231 A JPH08222231 A JP H08222231A JP 7024128 A JP7024128 A JP 7024128A JP 2412895 A JP2412895 A JP 2412895A JP H08222231 A JPH08222231 A JP H08222231A
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重人 野矢
Takafumi Fujiwara
隆文 藤原
Tomoya Watanabe
朋也 渡辺
Isao Kubo
勲 久保
Shigeo Kobayashi
茂雄 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正極として円筒状空気極を有する円筒形空気
電池において、耐漏液性に優れ、長期保存後の放電性能
に優れた電池を提供することを目的とする。 【構成】 ニッケル−ポリテトラフルオロエチレンの分
散めっきを施した集電体と、この集電体の回りに形成さ
れた触媒層とを有し、さらにこの触媒層の外周側にガス
透過能を有する撥水性の樹脂多孔膜を有してなる円筒状
空気極を正極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒形空気電池に関
し、特に電解液のクリーピング、漏液を防止するように
した円筒形空気電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第一に、従来の円筒形空気電池では、円
筒形空気電池の空気極の金属集電体には導電性を高める
ためにニッケルめっきが施され、この集電体に触媒層と
ガス拡散性を有する撥水性の樹脂多孔膜を圧着し、3層
構造の空気極としていた。このため、電池を長期に保存
すると電解液が集電体にまで拡がり、長期保存に対する
放電性能に問題があった。
【0003】第二に、従来の円筒形空気電池では、円筒
形空気電池における下部側の封口は、空気極端部に環状
の凹部を有する樹脂成形体を挿入し、その樹脂成形体の
内周側に金属製リングを挿入し、さらに樹脂封口体を嵌
め合わせてなされていた。
【0004】第三に、従来の円筒形空気電池では、特開
昭60−1770号などに見られるように放電後の負極
亜鉛の体積膨脹を考慮して、負極活物質の充填可能な内
容積に対して75〜85%の充填率で負極活物質とアル
カリ電解液とを充填し、電池放電後に、外部へアルカリ
電解液が漏れるのを防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような第一の従
来の方法において電池に構成しようとした場合、初期的
には放電性能に優れていても、長期の保存においてはア
ルカリ電解液が触媒層内を部分的に浸透し、さらには金
属集電体表面へクリーピングし、これが原因となって撥
水性の樹脂多孔膜と触媒層との界面に液膜が形成され、
触媒層内の反応の場である気−液−固層の3層界面へ活
物質である酸素の供給が妨げられて放電性能の低下に至
ってしまうという問題がある。
【0006】上記のような第二の従来の方法において電
池に構成する場合、樹脂成形体の内周側に挿入するリン
グには、封口時に加わる力に耐えるようにステンレス製
のリングを使用していた。しかしながら、電池を密封し
て保存した場合、負極充填の際にリングに付着した微量
の亜鉛の溶解による水素ガスの発生のため漏液が生じる
という問題がある。
【0007】上記のような第三の従来の方法において電
池を構成する場合、放電後の耐漏液性に関しては十分な
特性が得られる。しかしながら、正極の面積と正極に対
向する負極の面積とができる限り等しくなるほうが放電
時の負極の利用率は高くなる。上述の充填率から判るよ
うに正極に対する負極の対向率は75〜85%であり、
このため円筒形空気電池の高率放電では負極利用率は3
5〜55%と低い。また、従来の円筒形空気電池では電
池内部に充填された負極の放電後の状態を分析すると内
カップの内側に充填されている負極亜鉛は未放電のまま
であり、このことも負極の利用率低下の原因となってい
る。
【0008】本発明の目的は、従来法での上記課題を解
決し、クリーピング、漏液が防止されて、耐漏液性に優
れ、長期保存における放電性能に優れた円筒形空気電池
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載された本発明(以下、「第一の発
明」と称す。)の円筒形空気電池では、ニッケル−ポリ
テトラフルオロエチレンの分散めっきを施した集電体と
この回りに形成された触媒層とを有し、さらに前記触媒
層の外周側にガス透過能を有する撥水性の樹脂多孔膜を
有してなる円筒状空気極を正極とすることを特徴とす
る。
【0010】また、請求項2に記載された本発明(以
下、「第二の発明」と称す。)の円筒形空気電池では、
円筒状空気極を有し、前記円筒状空気極の下部封口側
が、その開口端部に環状凹部を有する樹脂成形体の凹部
が挿入され、前記樹脂成形体の内周側にスズめっきを施
した真鍮製リングが挿入され、さらに樹脂封口体が嵌め
合わされて封口されていることを特徴とする。
【0011】また、請求項3に記載された本発明(以
下、「第三の発明」と称す。)の円筒形空気電池では、
開口端部の片側が金属製の外カップと内カップとにより
封口された円筒状空気極を有し、前記円筒状空気極内に
有底筒状に構成されたセパレータを有する円筒形空気電
池であって、前記セパレータ内側の前記内カップの内側
に対向する部分に負極を含有していないゲル状電解液が
充填され、残りの部分にゲル状亜鉛負極が充填されてい
ることを特徴とする。
【0012】
【作用】第一の発明によれば、ニッケル−ポリテトラフ
ルオロエチレンの分散めっきを施した集電体を円筒状の
空気極の集電体として用いているので、長期の保存にお
けるアルカリ電解液の集電体表面へのクリーピングが防
止され、放電特性に優れたものとなっている。ここで、
分散めっきとは、通常のめっき液中に、例えばSiC、
ポリテトラフルオロエチレンなどの粒子を懸獨分散させ
てめっきを行い、生成してくるめっき皮膜中に分散させ
た粒子を取り込ませためっきのことであり、その結果、
めっき皮膜自身の機能に粒子の持つ機能を付与させるこ
とができる。この第一の発明では、ニッケル−ポリテト
ラフルオロエチレンの分散めっきによりポリテトラフル
オロエチレンの撥水性をニッケルめっき皮膜に与えるこ
とで、長期保存における放電性能の優れた電池を得るこ
とができる。
【0013】第二の発明によれば、円筒状の空気極の下
部封口側に挿入された樹脂成形体の内周側に挿入する金
属製リングをスズめっきを施した真鍮製リングとしてい
るので、負極充填の際にリングに付着した微量の亜鉛の
溶解による水素ガスの発生を抑制でき、耐漏液性に優れ
た円筒形空気電池を得ることができる。
【0014】第三の発明によれば、電池内部に充填する
負極に関して、セパレータ内側の金属製内カップの内側
に対向する部分に負極を含有していないゲル状電解液が
充填され、残りの部分にゲル状負極が充填されているの
で、従来の内カップの内側に充填され放電に利用されて
いなかった負極が無くなり、電池内の負極すべてが正極
と対向するようにして対向率を高めることになり、高率
放電と放電後の耐漏液性とに優れた円筒形空気電池を得
ることができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例の円筒形空気電池の実
施例を図面に基づいて説明する。 (実施例1)図1(A)に第一の発明を適用した単3形
空気亜鉛電池の構造半断面図を示し、図1(B)に図1
(A)の空気電池の正極として用いた円筒状空気極の部
分の拡大断面図を示す。図中の4は、3層構造の円筒状
空気極であり、内側から触媒層1、ニッケル−ポリテト
ラフルオロエチレンの分散めっきを施した金属集電体
2、撥水性フッ素樹脂多孔膜層3からなっている。この
分散めっきを施した集電体2は、図2に示すように、ニ
ッケルめっき層5とポリテトラフルオロエチレン粒子6
とステンレス製集電体7とからなる。なお、ニッケル−
ポリテトラフルオロエチレンの分散めっき用のメッキ液
としては、工業的には、 社製の商品名:ニムフロン
(登録商標)やカニフロン(登録商標)が知られてい
る。
【0016】また、上記円筒状空気極では、集電体に触
媒シートをプレスにより圧着してある。この触媒シート
は、活性炭、マンガン酸化物、アセチレンブラック、フ
ッ素樹脂粉末を混合し、この混合合剤にエチルアルコー
ルを加え混練した後、押出成形し偏平形の帯状の合剤と
し、さらにこの帯状合剤を加熱した2本のローラーに通
して圧延し、0.6mmのシート状にしたものである。
230℃で乾燥を行ったのち、集電体層側にガス透過能
を有する撥水性のフッ素樹脂多孔膜をプレスにより圧着
することにより、触媒層、集電体層およびフッ素樹脂多
孔膜層からなる3層構造の平板の空気極を作製する。こ
のように作製した平板の空気極を触媒層側が内側になる
ように湾曲させ、触媒層とフッ素樹脂多孔膜の両端部の
一部を重ねて筒形とする。ついで、この重なった部分の
触媒層およびフッ素樹脂多孔膜の一部を取り除いて露出
した集電体層をスポット溶接し、気密状態にない溶接部
に合成ゴム系の接着剤を充填し気密に補修する。以上の
工程により、3層構造の円筒状空気極を作る。この3層
構造の円筒状空気極の上部は鋼板にニッケルめっきを施
した金属製の外カップ16と内カップ17とで挟み込ま
れ封口されている。正極上部をこのように封口した後、
外カップ底部の3ヶ所に備えたプロジェクション部と正
極缶底部とをスポット溶接することにより集電、導通さ
せている。また、円筒状空気極の下部に、凹部に合成ゴ
ム系の封止剤18を塗布した樹脂成形体19を挿入し、
次にこの樹脂成形体の内周側に金属製リング22を挿入
する。さらに、底板20を溶接した集電子21を挿入し
た樹脂成形封口体19′を嵌め合わせ、正極缶11を機
械的に押圧して樹脂成形体の凹部を空気極側に密着させ
封口する。ゲル状亜鉛負極9は、円筒状空気極内に構成
挿入されたセパレータ8を介して内部に充填されてい
る。図中、15は皿底紙、10は空気拡散紙、12は絶
縁チューブ、13は空気取り入れ孔で電池を使用するま
では密封シール14でシールされている。
【0017】以上の方法で構成、作製した単3サイズの
円筒形空気電池(実施例1)、ニッケルめっきを施した
金属集電体を用いて上記と同様の方法で構成、作製した
電池(従来例1)を用いて、初期放電試験と保存後放電
試験(60℃、1ヶ月密封)を実施した。なお、放電試
験の試験個数はそれぞれ10個とした。その試験結果を
表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、実施例1の電池
は、60℃、1ヶ月の保存後でも、放電性能が初期放電
性能に対して76〜98%の維持率((保存後の放電容
量/初期放電容量)×100)であり、また性能(σ)
のばらつきも少ない。一方、従来例1の電池では初期の
放電性能は実施例1とほぼ同等であるが、保存後の放電
性能は維持率34〜68%であり、また性能(σ)のば
らつきも大きい。このように第一の発明による構成の電
池の場合、保存後の放電性能が向上、安定していること
がわかる。 (実施例2)図1に示した単3形空気亜鉛電極を参照し
て、第二の発明の実施例を説明する。実施例1との違い
は、集電体層、金属製リング等であるが、説明の便宜の
ために全て図1と同一符合を用いる。
【0020】本実施例においては、図1中の4は、3層
構造の円筒状空気極であり、内側から触媒層1、集電体
層2、撥水性フッ素樹脂多孔膜層3からなっている。こ
の空気極では、ニッケルめっきを施したステンレス製の
金網である集電体層に触媒シートをプレスにより圧着し
てある。この触媒シートは、活性炭、マンガン酸化物、
アセチレンブラック、フッ素樹脂粉末を混合し、この混
合合剤にエチルアルコールを加え混練した後、押出成形
し偏平形の帯状の合剤とし、さらにこの帯状合剤を加熱
した2本のローラーに通して圧延し、0.6mmのシー
ト状にしたものである。つぎに、集電体層側にフッ素樹
脂微粉末を含む分散液を塗布し、230℃で乾燥を行
う。このフッ素樹脂分散液を塗布することにより、電解
液が貫通し、酸素ガスの供給を妨害することを防いでい
る。230℃での乾燥は分散液中に含まれる界面活性剤
を除去するためである。最後にフッ素樹脂微粉末分散液
を塗布した側に、ガス透過能を有する撥水性のフッ素樹
脂多孔膜をプレスにより圧着することにより、触媒層、
集電体層およびフッ素樹脂多孔膜層からなる3層構造の
平板の空気極を作製する。このように作製した平板の空
気極を触媒層側が内側になるように湾曲させ、触媒層と
フッ素樹脂多孔膜の両端部の一部を重ねて筒形とする。
ついで、この重なった部分の触媒層およびフッ素樹脂多
孔膜の一部を取り除いて露出した集電体層をスポット溶
接し、気密状態にない溶接部に合成ゴム系の接着剤を充
填し気密に補修する。以上の工程により、3層構造の円
筒状空気極を作る。この3層構造の円筒状空気極の上部
は鋼板にニッケルめっきを施した金属製の外カップ16
と内カップ17とで挟み込まれ封口されている。正極上
部をこのように封口した後、外カップ底部の3ヶ所に備
えたプロジェクション部と正極缶底部とをスポット溶接
することにより集電、導通させている。また、円筒状空
気極の下部に、凹部に合成ゴム系の封止剤18を塗布し
た樹脂成形体19を挿入し、次にこの樹脂成形体の内周
側にスズめっきを施した真鍮製リング22を挿入する。
このときにセパレータ8の端部は樹脂成形体の段部に配
置される。さらに底板20を溶接した集電子21を挿入
した樹脂成形封口体19′を嵌め合わせ、正極缶11を
機械的に押圧して樹脂成形体の凹部を空気極側に密着さ
せ封口する。ゲル状亜鉛負極9は、円筒状空気極内に構
成挿入された有底円筒状のセパレータ8を介して内部に
充填されている。本実施例においても、図中、15は皿
底紙、10は空気拡散紙、12は絶縁チューブ、13は
空気取り入れ孔で電池を使用するまでは密封シール14
でシールされている。 (従来例2)前記スズめっきを施した真鍮製リングの代
りにステンレス製リングを用いた以外は前記実施例2と
同様の構成の単3サイズの円筒形空気電池を同様の方法
で作製した。 (比較例1)前記リングの代りにスズめっきを施してい
ない真鍮製リングを用いた以外は上記実施例2と同様の
構成の単3サイズの円筒形空気電池を同様の方法で作製
した。
【0021】以上の方法で構成、作製した単3サイズの
円筒形空気電池(実施例2)、金属製リングにステンレ
ス製リングを用いた円筒形空気電池(従来例2)、スズ
めっきを施していない真鍮製リングを用いた円筒形空気
電池(比較例1)について、各20個の電池を用いて6
0℃、密封保存における耐漏液性試験を行った。その試
験結果を表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】表2から明らかなように、従来例2および
比較例1の電池に比べて、実施例2の電池は3ヶ月を経
過しても電池の漏液は認められない。 (実施例3)図3に第三発明を適用した単3形空気亜鉛
電池の構造の半断面図を示した。前記実施例(図1)と
の違いは、主として負極の構成であるが、説明の便宜の
ため、電解液以外は同一符合を用いる。図3中の4は、
3層構造の円筒状空気極であり、図1(B)に示すよう
に、内側から触媒層1、集電体層2、撥水性フッ素樹脂
多孔膜層3からなっている。この空気極では、ニッケル
めっきを施したステンレス製の金網である集電体層に触
媒シートをプレスにより圧着してある。この触媒シート
は、活性炭、マンガン酸化物、アセチレンブラック、フ
ッ素樹脂粉末を混合し、この混合合剤にエチルアルコー
ルを加え混練した後、押出成形し偏平形の帯状の合剤と
し、さらにこの帯状合剤を加熱した2本のローラーに通
して圧延し、0.6mmのシート状にしたものである。
つぎに、集電体層側にフッ素樹脂微粉末を含む分散液を
塗布し、230℃で乾燥を行う。最後にフッ素樹脂微粉
末分散液を塗布した側に、ガス透過能を有する撥水性の
フッ素樹脂多孔膜をプレスにより圧着することにより、
触媒層、集電体層およびフッ素樹脂多孔膜層からなる3
層構造の平板の空気極を作製する。このように作製した
平板の空気極を触媒層側が内側になるように湾曲させ、
触媒層とフッ素樹脂多孔膜の両端部の一部を重ねて筒形
とする。ついで、この重なった部分の触媒層およびフッ
素樹脂多孔膜の一部を取り除いて露出した集電体層をス
ポット溶接し、気密状態にない溶接部に合成ゴム系の接
着剤を充填し気密に補修する。以上の工程により、3層
構造の円筒状空気極を作る。この3層構造の円筒状空気
極の上部は鋼板にニッケルめっきを施した金属製の外カ
ップ16と内カップ17とで挟み込まれ封口されてい
る。正極上部をこのように封口した後、外カップ底部の
3ヶ所に備えたプロジェクション部と正極缶底部とをス
ポット溶接することにより集電、導通させている。円筒
状に構成されたセパレータ8、皿底紙15を順次挿入し
た後に、負極活物質が充填可能である内容積に対して7
5%の充填率となるように、まず亜鉛負極を含まないゲ
ル状電解液23を内カップ17に対向する部分に充填
し、次にゲル状亜鉛負極9を充填する。次いで、円筒状
空気極の下部に、凹部に合成ゴム系の封止剤18を塗布
した樹脂成形体19を挿入し、次にこの樹脂成形体の内
周側に金属製リング22を挿入する。さらに、底板20
を溶接した集電子21を挿入した樹脂成形封口体19′
を嵌め合わせ、正極缶11を機械的に押圧して樹脂成形
体の凹部を空気極側に密着させ封口する。円筒状空気極
の下部は環状の凹部を有する樹脂成形体19の合成ゴム
系の封止剤18が塗布された凹部に挿入され、この樹脂
成形体と正極缶11とで封口されている。図中、10は
空気拡散紙、12は絶縁チューブ、13は空気取り入れ
孔で電池を使用するまでは密封シール14でシールされ
ている。 (従来例3)負極活物質の充填率が75%となるよう
に、ゲル状亜鉛負極だけを用いて上記実施例3と同様の
方法で構成した電池を従来例として作製する。 (比較例2)負極活物質の充填率が95%となるよう
に、ゲル状亜鉛負極だけを用いて上記実施例3と同様の
方法で構成した電池を比較例として作製する。
【0024】以上の実施例3、従来例3、比較例2の電
池を用いて、初期放電試験を実施した。電池内部に充填
する負極の内訳を表3に示し、放電試験の結果を表4に
示した。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】実施例3と従来例3の電池の場合、充填す
る負極の構成としては、亜鉛粉末4.1g、ゲル状電解
液2.8gと同じであるが、これらの電池を比較する
と、500〜1000mAの放電電流において実施例3
の方が放電容量が大きくなる。また、実施例3は亜鉛負
極の利用率に関しては比較例2とほぼ同等の値を示す
が、放電後の漏液は認められない。一方、比較例2では
放電後の負極の膨脹を考慮せずに充填しているため、評
価した全ての電流領域に対して放電後の漏液が認められ
た。
【0028】このように第三の発明による構成の電池の
場合、放電後の漏液を防ぐとともに高率放電における負
極利用率の優れた電池が得られる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、第一の発
明によれば、ニッケル−ポリテトラフルオロエチレンの
分散めっきを施した集電体に触媒層とフッ素樹脂多孔膜
とを圧着し、3層構造の円筒状空気極としたものを正極
として用いることにより、クリーピングが防止され、長
期保存での放電性能に優れた円筒形空気電池を提供する
ことができる。
【0030】第二の発明によれば、円筒状の空気極の下
部に挿入された樹脂成形体の内周側に用いる金属製リン
グをスズめっきを施した真鍮製リングとすることによ
り、耐漏液性に優れた円筒形空気電池を提供することが
できる。
【0031】第三の発明によれば、空気極内に構成挿入
されたセパレータ内側の金属製内カップの内側に対向す
る部分に負極を含有していないゲル状電解液が充填され
残りの部分にゲル状負極が充填されているため、放電後
の耐漏液性に優れ、高率放電における負極の利用率を向
上させた円筒形空気電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の実施例1および2の円筒形空気
電池の半断面図。 (B)図1(A)の空気電池に用いた円筒状空気極の部
分拡大断面図。
【図2】本発明の実施例1の円筒形空気電池で用いる円
筒状空気極を構成する集電体の断面図。
【図3】本発明の実施例3における円筒形空気電池の半
断面図。
【符号の説明】
1 触媒層 2 集電体 3 フッ素樹脂多孔膜 4 円筒状空気極 5 ニッケルめっき層 6 ポリテトラフルオロエチレン粒子 7 ステンレス製集電体 8 セパレータ 9 ゲル状負極亜鉛 10 空気拡散紙 11 正極缶 12 絶縁チューブ 13 空気取り入れ孔 14 密封シール 15 皿底紙 16 金属製外カップ 17 金属製内カップ 18 封止剤 19 樹脂成形体 19′樹脂成形封口体 20 底板 21 集電子 22 金属製リング 23 ゲル状電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小林 茂雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル−ポリテトラフルオロエチレン
    の分散めっきを施した集電体とこの回りに形成された触
    媒層とを有し、さらに前記触媒層の外周側にガス透過能
    を有する撥水性の樹脂多孔膜を有してなる円筒状空気極
    を正極とすることを特徴とする円筒形空気電池。
  2. 【請求項2】 円筒状空気極を有し、前記円筒状空気極
    の下部封口側が、その開口端部に環状凹部を有する樹脂
    成形体の凹部が挿入され、前記樹脂成形体の内周側にス
    ズめっきを施した真鍮製リングが挿入され、さらに樹脂
    封口体が嵌め合わされて封口されていることを特徴とす
    る円筒形空気電池。
  3. 【請求項3】 開口端部の片側が金属製の外カップと内
    カップとにより封口された円筒状空気極を有し、前記円
    筒状空気極内に有底筒状に構成されたセパレータを有す
    る円筒形空気電池であって、前記セパレータ内側の前記
    内カップの内側に対向する部分に負極を含有していない
    ゲル状電解液が充填され、残りの部分にゲル状亜鉛負極
    が充填されていることを特徴とする円筒形空気電池。
JP02412895A 1995-02-13 1995-02-13 円筒形空気電池 Expired - Fee Related JP3232936B2 (ja)

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