JPH07211322A - 空気電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池 - Google Patents
空気電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池Info
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- JPH07211322A JPH07211322A JP6006078A JP607894A JPH07211322A JP H07211322 A JPH07211322 A JP H07211322A JP 6006078 A JP6006078 A JP 6006078A JP 607894 A JP607894 A JP 607894A JP H07211322 A JPH07211322 A JP H07211322A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 空気電池に用いる空気正極を、ハイレートの
放電特性および耐漏液性に優れたものとする。 【構成】 セロハンセパレータ5を介してゲル状亜鉛負
極6に面する側に触媒層2、空気吸入側にカーボンブラ
ックおよび弗素樹脂を含む混合物の多孔質層からなるガ
ス拡散層4、これらの層の間に集電体層3を配した3層
積層体により空気正極1を構成する。
放電特性および耐漏液性に優れたものとする。 【構成】 セロハンセパレータ5を介してゲル状亜鉛負
極6に面する側に触媒層2、空気吸入側にカーボンブラ
ックおよび弗素樹脂を含む混合物の多孔質層からなるガ
ス拡散層4、これらの層の間に集電体層3を配した3層
積層体により空気正極1を構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素を活物質とし、強
負荷(ハイレート)の放電特性、耐漏液性に優れた空気
電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池
に関する。
負荷(ハイレート)の放電特性、耐漏液性に優れた空気
電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の円筒形空気電極においては、ガス
透過能を有し、撥水性のガス拡散層と、触媒層と、集電
体層との三層積層体を圧着して電極体とし、この電極体
を湾曲し、電極体の両端部を合成ゴムやエポキシ系接着
剤で接着するかスポット溶接などで溶接するかして円筒
体としていた。
透過能を有し、撥水性のガス拡散層と、触媒層と、集電
体層との三層積層体を圧着して電極体とし、この電極体
を湾曲し、電極体の両端部を合成ゴムやエポキシ系接着
剤で接着するかスポット溶接などで溶接するかして円筒
体としていた。
【0003】例えば、撥水性のガス拡散層としては、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン−へキサフルオロプロピレン共重合体などの弗素樹脂
からなる酸素ガス透過性の撥水性シートを用い、集電体
層としては、ニッケル網、エキスパンドメタルなどから
なる導電性シートを用い、触媒層としては、金属酸化物
と、活性炭と、ポリテトラフルオロエチレン分散媒とを
混合して多孔質のシート状にしたものを用いてシート状
積層電極体とし、この電極体を集電体層が内側になるよ
うに円筒状に湾曲し、両端部を重ね合わせて円筒形空気
電極としていた(特開昭57−208074号公報、特
開昭59−98479号公報、特開昭60−13616
8号公報参照)。
リテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン−へキサフルオロプロピレン共重合体などの弗素樹脂
からなる酸素ガス透過性の撥水性シートを用い、集電体
層としては、ニッケル網、エキスパンドメタルなどから
なる導電性シートを用い、触媒層としては、金属酸化物
と、活性炭と、ポリテトラフルオロエチレン分散媒とを
混合して多孔質のシート状にしたものを用いてシート状
積層電極体とし、この電極体を集電体層が内側になるよ
うに円筒状に湾曲し、両端部を重ね合わせて円筒形空気
電極としていた(特開昭57−208074号公報、特
開昭59−98479号公報、特開昭60−13616
8号公報参照)。
【0004】また、この重ね合わせる両端部のガス拡散
層および触媒層は除去して集電体層を露出させ、この露
出した集電体層同志をスポット溶接、ビーム溶接などに
より溶着し、この溶着部分を液密状態にするため、この
溶着部分に弗素系樹脂を充填して液密にし、かつこの重
ね合わせた部分の補強をしていた(特開昭58−757
73号公報参照)。
層および触媒層は除去して集電体層を露出させ、この露
出した集電体層同志をスポット溶接、ビーム溶接などに
より溶着し、この溶着部分を液密状態にするため、この
溶着部分に弗素系樹脂を充填して液密にし、かつこの重
ね合わせた部分の補強をしていた(特開昭58−757
73号公報参照)。
【0005】また、液密で機械的強度の大きい空気電極
にするため、上記のようにシート状積層電極体とせず
に、先ず集電体層を湾曲し、その両端部を溶着して予め
円筒形集電体層を形成し、この円筒形集電体層の外周に
多孔質触媒層を、さらにその触媒層の外周をポリプロピ
レンなどの撥水性を有するガス拡散層により、それぞれ
の両端部を重ね合わせて巻き、その後ガス拡散層を加熱
圧着して円筒形空気電極にしたものがあった(特開昭5
8−198862号公報参照)。
にするため、上記のようにシート状積層電極体とせず
に、先ず集電体層を湾曲し、その両端部を溶着して予め
円筒形集電体層を形成し、この円筒形集電体層の外周に
多孔質触媒層を、さらにその触媒層の外周をポリプロピ
レンなどの撥水性を有するガス拡散層により、それぞれ
の両端部を重ね合わせて巻き、その後ガス拡散層を加熱
圧着して円筒形空気電極にしたものがあった(特開昭5
8−198862号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の円筒形空気電極
にあっては、最外周に存在する撥水性を有するガス拡散
層により機械的強度を大きくし、漏液を防止している。
にあっては、最外周に存在する撥水性を有するガス拡散
層により機械的強度を大きくし、漏液を防止している。
【0007】しかし、ガス拡散層を構成しているポリテ
トラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−
へキサフルオロプロピレン共重合体、ポリプロピレンな
どの材料は、フィルム類の中では表面エネルギーが低い
ため撥水性には優れているが、粘着性は非常に乏しいこ
とから、ガス拡散層を巻き付けても集電体層および触媒
層との結着力が非常に弱いものであった。
トラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−
へキサフルオロプロピレン共重合体、ポリプロピレンな
どの材料は、フィルム類の中では表面エネルギーが低い
ため撥水性には優れているが、粘着性は非常に乏しいこ
とから、ガス拡散層を巻き付けても集電体層および触媒
層との結着力が非常に弱いものであった。
【0008】そこで、このようにして構成した空気電極
を用いて空気電池にした場合、放電に伴ってガス拡散層
と触媒層の界面、あるいはガス拡散層と集電体層との界
面に電解液が浸透してその部分に液膜が形成され、この
液膜が酸素の供給を遮断することにより放電不可能にな
る惧れがあるという問題点があった。
を用いて空気電池にした場合、放電に伴ってガス拡散層
と触媒層の界面、あるいはガス拡散層と集電体層との界
面に電解液が浸透してその部分に液膜が形成され、この
液膜が酸素の供給を遮断することにより放電不可能にな
る惧れがあるという問題点があった。
【0009】ボタン形空気電池のように大電流を流さな
い電池に用いる空気電極においては、ガス拡散層と触媒
層との界面あるいはガス拡散層と集電体層との界面に弗
素樹脂ディスパージョンを塗布して撥水性を向上させる
だけで容易に液膜の生成が阻止できるが、円筒形空気電
池のように大電流を必要とする電池に用いる空気電極の
場合は、上記のような撥水性処理をしただけでは不十分
で、依然として液膜が生成されるという問題点があっ
た。
い電池に用いる空気電極においては、ガス拡散層と触媒
層との界面あるいはガス拡散層と集電体層との界面に弗
素樹脂ディスパージョンを塗布して撥水性を向上させる
だけで容易に液膜の生成が阻止できるが、円筒形空気電
池のように大電流を必要とする電池に用いる空気電極の
場合は、上記のような撥水性処理をしただけでは不十分
で、依然として液膜が生成されるという問題点があっ
た。
【0010】また、ポリテトラフルオロエチレンのよう
な撥水性のガス拡散層を用いて融点以上の温度に加熱
し、触媒層などとの界面を熱溶着により接合させて液膜
の生成を阻止した場合、ポリテトラフルオロエチレンは
340〜380℃に温度を上げても溶融粘度が1011〜
1013ポイズと非常に高いため、界面を接合させるため
には圧力をかけたまま冷却して結合する必要があり、そ
の結果、ピンホールがなくこの部分からの漏液がない空
気電極を円筒形に組み立てる場合、非常に複雑で高度の
技術を要するといった問題点があった。
な撥水性のガス拡散層を用いて融点以上の温度に加熱
し、触媒層などとの界面を熱溶着により接合させて液膜
の生成を阻止した場合、ポリテトラフルオロエチレンは
340〜380℃に温度を上げても溶融粘度が1011〜
1013ポイズと非常に高いため、界面を接合させるため
には圧力をかけたまま冷却して結合する必要があり、そ
の結果、ピンホールがなくこの部分からの漏液がない空
気電極を円筒形に組み立てる場合、非常に複雑で高度の
技術を要するといった問題点があった。
【0011】また、ポリテトラフルオロエチレン−へキ
サフルオロプロピレン共重合体をガス拡散層に用いた場
合は、逆に溶融粘度が104〜105ポイズと非常に低
く、接合のため溶融させると流れだし、変形したり、多
孔質の触媒層および多孔性のガス拡散層の孔部を塞いで
機能を低下させたり、ガス透過能などがなくなるという
問題点があった。
サフルオロプロピレン共重合体をガス拡散層に用いた場
合は、逆に溶融粘度が104〜105ポイズと非常に低
く、接合のため溶融させると流れだし、変形したり、多
孔質の触媒層および多孔性のガス拡散層の孔部を塞いで
機能を低下させたり、ガス透過能などがなくなるという
問題点があった。
【0012】したがって、円筒形空気電池のように大電
流を必要とする電池に用いる空気電極の場合、ガス拡散
層と触媒層などとの界面の接合性の確保が、放電特性あ
るいは耐漏液特性の点で重要な課題となる。
流を必要とする電池に用いる空気電極の場合、ガス拡散
層と触媒層などとの界面の接合性の確保が、放電特性あ
るいは耐漏液特性の点で重要な課題となる。
【0013】本発明は、大電流を流すことにより発生す
るガス拡散層と触媒層などとの界面での液膜の生成を阻
止し、強負荷放電特性、耐漏液性に優れた空気電極及び
その製造方法並びにその電極を有する空気電池を提供す
ることを目的としている。
るガス拡散層と触媒層などとの界面での液膜の生成を阻
止し、強負荷放電特性、耐漏液性に優れた空気電極及び
その製造方法並びにその電極を有する空気電池を提供す
ることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の空気電極においては、集電体層と、この集
電体層の一方側に配したガス透過能を有するガス拡散層
と、前記集電体層の他方側に配した触媒層との積層体に
より電極体を構成し、前記ガス拡散層はカーボンブラッ
クおよび弗素樹脂を含む混合物で形成したものである。
に、本発明の空気電極においては、集電体層と、この集
電体層の一方側に配したガス透過能を有するガス拡散層
と、前記集電体層の他方側に配した触媒層との積層体に
より電極体を構成し、前記ガス拡散層はカーボンブラッ
クおよび弗素樹脂を含む混合物で形成したものである。
【0015】また、ガス拡散層のカーボンブラックの含
有比率は1〜40重量%が好ましく、また、触媒層を内
側にした円筒状の空気電極に形成することもできる。
有比率は1〜40重量%が好ましく、また、触媒層を内
側にした円筒状の空気電極に形成することもできる。
【0016】さらに、上記目的を達成するために、本発
明の空気電極の製造方法においては、集電体層と触媒層
との積層体を、前記触媒層を内側にして円筒体に形成
し、この円筒体の外周にカーボンブラックおよび弗素樹
脂を含む多孔質層を巻回するものである。また、カーボ
ンブラックは1〜40重量%含有させることが好まし
い。
明の空気電極の製造方法においては、集電体層と触媒層
との積層体を、前記触媒層を内側にして円筒体に形成
し、この円筒体の外周にカーボンブラックおよび弗素樹
脂を含む多孔質層を巻回するものである。また、カーボ
ンブラックは1〜40重量%含有させることが好まし
い。
【0017】さらに、上記目的を達成するために、本発
明の空気電池においては、集電体層と、この集電体層の
一方側に配したカーボンブラックおよび弗素樹脂を含む
多孔質のガス拡散層と、前記集電体の他方側に配した触
媒層との積層体により正極を構成し、この正極にセパレ
ータを介して負極を設けたものである。
明の空気電池においては、集電体層と、この集電体層の
一方側に配したカーボンブラックおよび弗素樹脂を含む
多孔質のガス拡散層と、前記集電体の他方側に配した触
媒層との積層体により正極を構成し、この正極にセパレ
ータを介して負極を設けたものである。
【0018】また、触媒層を内側とした円筒形正極の内
部に、セパレータを介して負極を設けて円筒形の空気電
池とすることもできる。また、カーボンブラックの含有
比率は1〜40重量%が好ましい。
部に、セパレータを介して負極を設けて円筒形の空気電
池とすることもできる。また、カーボンブラックの含有
比率は1〜40重量%が好ましい。
【0019】
【作用】上記のように構成される空気電極及びそれを正
極とした空気電池は、以下に記載するように作用する。
極とした空気電池は、以下に記載するように作用する。
【0020】ガス拡散層に用いるカーボンブラックおよ
び弗素樹脂を含む混合物の多孔質層は、非常に柔軟性を
有し、また弗素系の合成樹脂を含んでいるため撥水性が
高く、その上カーボンブラックを含むことにより粘着性
も非常に良くなる。
び弗素樹脂を含む混合物の多孔質層は、非常に柔軟性を
有し、また弗素系の合成樹脂を含んでいるため撥水性が
高く、その上カーボンブラックを含むことにより粘着性
も非常に良くなる。
【0021】したがって、ガス拡散層は、触媒層あるい
は集電体層と良好に接合してその界面での液膜の生成を
阻止するので、強負荷放電特性および耐漏液性に優れた
ものになる。
は集電体層と良好に接合してその界面での液膜の生成を
阻止するので、強負荷放電特性および耐漏液性に優れた
ものになる。
【0022】なお、粘着性はカーボンブラックの含有比
率を増加するほど増大するが、反面カーボンブラックの
含有比率が増加すると撥水性が低下して好ましくないの
で、カーボンブラックの含有量は1〜40重量%の範囲
に制御することが好ましく、そのような範囲にすること
により、撥水性を確保したまま触媒層などとの粘着性も
良好となる。
率を増加するほど増大するが、反面カーボンブラックの
含有比率が増加すると撥水性が低下して好ましくないの
で、カーボンブラックの含有量は1〜40重量%の範囲
に制御することが好ましく、そのような範囲にすること
により、撥水性を確保したまま触媒層などとの粘着性も
良好となる。
【0023】
【実施例】本発明の具体的な実施例を図面を参照して説
明する。図1は、円筒形空気亜鉛電池の断面図を示し、
図1において、1は円筒形空気正極で、図2に示すよう
に触媒層2と、この触媒層2に圧着した集電体層3と、
撥水性で多孔質のガス拡散層4との3層積層体を触媒層
2を内側にして円筒状に形成している。5は空気正極1
の内面に接触したセロハンセパレータ、6は空気正極1
の触媒層2とセパレータ5を介して存するゲル状亜鉛負
極、7は空気正極1の外周すなわちガス拡散層4と接触
する空気拡散紙、8は空気正極1、ゲル状亜鉛負極6な
どの発電要素を収容した円筒状正極缶、9は正極缶8の
外周を被覆する絶縁チューブ、10は正極缶8および絶
縁チューブ9に設けた空気を取り入れる透孔、11は透
孔10を閉塞する密封シールで、電池を使用する際に除
去する。12は皿紙、13は金属製の正極キャップ、1
4は金属製の集電キャップで、正極キャップ13および
集電キャップ14とにより空気正極1の端部を圧着挟持
して集電体層3と接触し、正極缶8とはスポット溶接に
より一体に導通結合されている。15は有機成分からな
る封止剤、16は合成樹脂封口体、17は負極端子キャ
ップ、18はゲル状亜鉛負極6内に埋設した負極集電体
である。
明する。図1は、円筒形空気亜鉛電池の断面図を示し、
図1において、1は円筒形空気正極で、図2に示すよう
に触媒層2と、この触媒層2に圧着した集電体層3と、
撥水性で多孔質のガス拡散層4との3層積層体を触媒層
2を内側にして円筒状に形成している。5は空気正極1
の内面に接触したセロハンセパレータ、6は空気正極1
の触媒層2とセパレータ5を介して存するゲル状亜鉛負
極、7は空気正極1の外周すなわちガス拡散層4と接触
する空気拡散紙、8は空気正極1、ゲル状亜鉛負極6な
どの発電要素を収容した円筒状正極缶、9は正極缶8の
外周を被覆する絶縁チューブ、10は正極缶8および絶
縁チューブ9に設けた空気を取り入れる透孔、11は透
孔10を閉塞する密封シールで、電池を使用する際に除
去する。12は皿紙、13は金属製の正極キャップ、1
4は金属製の集電キャップで、正極キャップ13および
集電キャップ14とにより空気正極1の端部を圧着挟持
して集電体層3と接触し、正極缶8とはスポット溶接に
より一体に導通結合されている。15は有機成分からな
る封止剤、16は合成樹脂封口体、17は負極端子キャ
ップ、18はゲル状亜鉛負極6内に埋設した負極集電体
である。
【0024】集電体層3としては、線径0.15mmの
ステンレス線を40メッシュ相当に織ったネットを用
い、触媒層2としては、活性炭3Kg、マンガン酸化物
4Kg、カーボンブラック1.5Kg、弗素樹脂粉末
0.7Kgを混合し、この混合物にエチルアルコールを
加えて混練した後、押し出し成形により偏平帯状にし、
さらに約60℃に加熱した2本のローラ間に通して圧延
して厚さ0.6mmのシート状にしたものを用いる。
ステンレス線を40メッシュ相当に織ったネットを用
い、触媒層2としては、活性炭3Kg、マンガン酸化物
4Kg、カーボンブラック1.5Kg、弗素樹脂粉末
0.7Kgを混合し、この混合物にエチルアルコールを
加えて混練した後、押し出し成形により偏平帯状にし、
さらに約60℃に加熱した2本のローラ間に通して圧延
して厚さ0.6mmのシート状にしたものを用いる。
【0025】集電体層3に触媒層2をプレスにより圧着
して形成した2層の積層シートを、触媒層2が内側にな
るようにして円筒状に湾曲し、両端部の重なった部分の
触媒層2は除去し、露出した集電体層3同志をスポット
溶接して円筒形とする。ガス拡散層4としては、ポリテ
トラフルオロエチレンにカーボンブラックを30重量%
添加して混練し、約200μmのガス透過能を有する多
孔質シートに成形したものを用い、上記触媒層2および
集電体層3の積層体からなる円筒の外周に巻き付けて3
層積層体からなる円筒形空気正極1とする。なお、ガス
拡散層4を円筒の外周に巻き付ける回数は、機械的強度
および液密性の面から2回以上が好ましい。
して形成した2層の積層シートを、触媒層2が内側にな
るようにして円筒状に湾曲し、両端部の重なった部分の
触媒層2は除去し、露出した集電体層3同志をスポット
溶接して円筒形とする。ガス拡散層4としては、ポリテ
トラフルオロエチレンにカーボンブラックを30重量%
添加して混練し、約200μmのガス透過能を有する多
孔質シートに成形したものを用い、上記触媒層2および
集電体層3の積層体からなる円筒の外周に巻き付けて3
層積層体からなる円筒形空気正極1とする。なお、ガス
拡散層4を円筒の外周に巻き付ける回数は、機械的強度
および液密性の面から2回以上が好ましい。
【0026】ゲル状亜鉛負極6は、40重量%の水酸化
カリウム水溶液(酸化亜鉛を3重量%含む)に、3重量
%のポリアクリル酸ソーダと1重量%のカルボキシメチ
ルセルロースとを加えてゲル状電解液とし、つぎに、こ
のゲル状電解液に対して重量比で2倍の亜鉛粉末を添加
して混合することにより調整した。
カリウム水溶液(酸化亜鉛を3重量%含む)に、3重量
%のポリアクリル酸ソーダと1重量%のカルボキシメチ
ルセルロースとを加えてゲル状電解液とし、つぎに、こ
のゲル状電解液に対して重量比で2倍の亜鉛粉末を添加
して混合することにより調整した。
【0027】以上のようにして構成した円筒形空気亜鉛
電池について、300mA定電流放電容量を測定した結
果、および60℃、密封状態での10日保存後と20日
保存後との漏液状況は、表1に示す通りであり、漏液状
況は、1種類10個の評価電池のうちの漏液した電池の
個数を示している。
電池について、300mA定電流放電容量を測定した結
果、および60℃、密封状態での10日保存後と20日
保存後との漏液状況は、表1に示す通りであり、漏液状
況は、1種類10個の評価電池のうちの漏液した電池の
個数を示している。
【0028】なお、表1において、No.1はカーボン
ブラックを含まないポリテトラフルオロエチレン(以下
PTFEという)の多孔性膜を円筒の外周に2周巻き付
けたガス拡散層を用いた従来の空気亜鉛電池、No.2
はガス拡散層としてカーボンブラックを30重量%含む
PTFEの多孔性膜を用い、両端部を僅か重ねて円筒の
外周に1周巻き付けた実施例の空気亜鉛電池、No.3
はガス拡散層としてNo.2と同じものを用いて円筒の
外周に2周巻き付けた実施例の空気亜鉛電池、No.4
はガス拡散層としてNo.2と同じものを用いて円筒の
外周に3周巻き付けた場合、No.5はガス拡散層とし
てNo.2と同じものを用いて円筒の外周に5周巻き付
けた場合、No.6はカーボンブラックを含まないPT
FEの多孔性膜を両端部を僅か重ねて円筒の外周に1周
巻き付け、加熱圧着して一体化した従来の空気亜鉛電池
である。
ブラックを含まないポリテトラフルオロエチレン(以下
PTFEという)の多孔性膜を円筒の外周に2周巻き付
けたガス拡散層を用いた従来の空気亜鉛電池、No.2
はガス拡散層としてカーボンブラックを30重量%含む
PTFEの多孔性膜を用い、両端部を僅か重ねて円筒の
外周に1周巻き付けた実施例の空気亜鉛電池、No.3
はガス拡散層としてNo.2と同じものを用いて円筒の
外周に2周巻き付けた実施例の空気亜鉛電池、No.4
はガス拡散層としてNo.2と同じものを用いて円筒の
外周に3周巻き付けた場合、No.5はガス拡散層とし
てNo.2と同じものを用いて円筒の外周に5周巻き付
けた場合、No.6はカーボンブラックを含まないPT
FEの多孔性膜を両端部を僅か重ねて円筒の外周に1周
巻き付け、加熱圧着して一体化した従来の空気亜鉛電池
である。
【0029】表1より明かなように、No.1およびN
o.6の場合は、ガス拡散層と触媒層との接合部の粘着
性が弱いため、放電に伴い電解液がこの部分に溜まり、
その結果酸素の供給が妨げられて最後まで放電できな
く、放電容量が低下している。また、ガス拡散層の両端
部におけるPTFE同志の接合も充分でないため漏液が
発生している。
o.6の場合は、ガス拡散層と触媒層との接合部の粘着
性が弱いため、放電に伴い電解液がこの部分に溜まり、
その結果酸素の供給が妨げられて最後まで放電できな
く、放電容量が低下している。また、ガス拡散層の両端
部におけるPTFE同志の接合も充分でないため漏液が
発生している。
【0030】一方、No.3、No.4およびNo.5
の場合は、粘着性が強くなっているので、放電容量、耐
漏液特性はともに良好となっている。しかし、No.2
の場合は、触媒層とガス拡散層との接合部の粘着性が強
くなっているので、放電特性は良好であるが、円筒の外
周に1周だけ巻き付けたため耐漏液特性は劣っている。
の場合は、粘着性が強くなっているので、放電容量、耐
漏液特性はともに良好となっている。しかし、No.2
の場合は、触媒層とガス拡散層との接合部の粘着性が強
くなっているので、放電特性は良好であるが、円筒の外
周に1周だけ巻き付けたため耐漏液特性は劣っている。
【0031】
【表1】
【0032】次に、撥水性の多孔性膜であるガス拡散層
におけるカーボンブラックとPTFEとの配合比率を、
カーボンブラックの含有比率を変化させたときの電池放
電容量(300mA定電流放電)で確認した結果は図3
に示す通りである。なお、ガス拡散層は円筒の外周に2
周巻き付けた場合の空気亜鉛電池を使用した。
におけるカーボンブラックとPTFEとの配合比率を、
カーボンブラックの含有比率を変化させたときの電池放
電容量(300mA定電流放電)で確認した結果は図3
に示す通りである。なお、ガス拡散層は円筒の外周に2
周巻き付けた場合の空気亜鉛電池を使用した。
【0033】図3より、カーボンブラックの比率が40
%以上になると急速に放電容量が低下するが、これはカ
ーボンブラックの比率が増加することによりガス拡散層
自体の撥水性がなくなり、触媒層まで酸素が供給されな
いことに原因すると思われる。
%以上になると急速に放電容量が低下するが、これはカ
ーボンブラックの比率が増加することによりガス拡散層
自体の撥水性がなくなり、触媒層まで酸素が供給されな
いことに原因すると思われる。
【0034】また、カーボンブラックの比率が1%以下
になるとガス拡散層の粘着性が不十分となって放電容量
が低下する。
になるとガス拡散層の粘着性が不十分となって放電容量
が低下する。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0036】空気電極は、集電体層と、この集電体層の
一方側に配したガス透過能を有するガス拡散層と、前記
集電体層の他方側に配した触媒層との積層体からなり、
前記ガス拡散層は、撥水性および粘着性を有するカーボ
ンブラックおよび弗素樹脂を含む混合物の多孔質層で形
成しているので、ガス拡散層の撥水性と粘着性とによ
り、強負荷の放電特性および耐漏液性は優れたものとな
る。
一方側に配したガス透過能を有するガス拡散層と、前記
集電体層の他方側に配した触媒層との積層体からなり、
前記ガス拡散層は、撥水性および粘着性を有するカーボ
ンブラックおよび弗素樹脂を含む混合物の多孔質層で形
成しているので、ガス拡散層の撥水性と粘着性とによ
り、強負荷の放電特性および耐漏液性は優れたものとな
る。
【図1】本発明の一実施例における円筒形空気亜鉛電池
の断面図
の断面図
【図2】図1におけるA部の拡大説明図
【図3】円筒形空気亜鉛電池の定電流放電特性図
1 円筒形空気正極 2 触媒層 3 集電体層 4 ガス拡散層 5 セロハンセパレータ 6 ゲル状亜鉛負極
Claims (8)
- 【請求項1】 集電体層と、この集電体層の一方側に配
したガス透過能を有するガス拡散層と、前記集電体層の
他方側に配した触媒層との積層体により電極体を構成
し、前記ガス拡散層はカーボンブラックおよび弗素樹脂
を含む混合物の多孔質層で形成した空気電極。 - 【請求項2】 ガス拡散層のカーボンブラックの含有比
率が1〜40重量%である請求項1記載の空気電極。 - 【請求項3】 触媒層を内側にして円筒状にした請求項
1または2記載の空気電極。 - 【請求項4】 集電体層と触媒層との積層体を、前記触
媒層を内側にして円筒体に形成し、この円筒体の外周に
カーボンブラックおよび弗素樹脂を含む多孔質層を巻回
する空気電極の製造方法。 - 【請求項5】 カーボンブラックを1〜40重量%含有
する請求項4記載の空気電極の製造方法。 - 【請求項6】 集電体層と、この集電体層の一方側に配
したカーボンブラックおよび弗素樹脂を含む多孔質のガ
ス拡散層と、前記集電体の他方側に配した触媒層との積
層体により正極を構成し、この正極にセパレータを介し
て負極を設けた空気電池。 - 【請求項7】 触媒層を内側とした円筒形正極の内部
に、セパレータを介して負極を設けた請求項6記載の空
気電池。 - 【請求項8】 カーボンブラックの含有比率が1〜40
重量%である請求項6または7記載の空気電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6006078A JPH07211322A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 空気電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6006078A JPH07211322A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 空気電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07211322A true JPH07211322A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=11628537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6006078A Pending JPH07211322A (ja) | 1994-01-25 | 1994-01-25 | 空気電極及びその製造方法並びにその電極を有する空気電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07211322A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013157317A1 (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-24 | 日産自動車株式会社 | 空気電池用正極及びその製造方法 |
WO2014097909A1 (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 日本協能電子株式会社 | 空気マグネシウム電池 |
JP5559927B1 (ja) * | 2013-12-25 | 2014-07-23 | 日本協能電子株式会社 | 空気マグネシウム電池 |
JP2015018679A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-01-29 | 日本電信電話株式会社 | リチウム空気二次電池 |
JP2015125993A (ja) * | 2014-04-25 | 2015-07-06 | 日本協能電子株式会社 | 空気マグネシウム電池 |
-
1994
- 1994-01-25 JP JP6006078A patent/JPH07211322A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013157317A1 (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-24 | 日産自動車株式会社 | 空気電池用正極及びその製造方法 |
US10147954B2 (en) | 2012-04-18 | 2018-12-04 | Nissan Motor Co., Ltd. | Positive electrode for air cell and manufacturing method thereof |
WO2014097909A1 (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 日本協能電子株式会社 | 空気マグネシウム電池 |
JP2014120401A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Aqua Power System Japan | 空気マグネシウム電池 |
US9716280B2 (en) | 2012-12-18 | 2017-07-25 | Aqua Power System, Japan | Magnesium-air fuel cell |
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