JPH0822216B2 - 連続式蒸煮装置 - Google Patents

連続式蒸煮装置

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JPH0822216B2
JPH0822216B2 JP1252891A JP25289189A JPH0822216B2 JP H0822216 B2 JPH0822216 B2 JP H0822216B2 JP 1252891 A JP1252891 A JP 1252891A JP 25289189 A JP25289189 A JP 25289189A JP H0822216 B2 JPH0822216 B2 JP H0822216B2
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steaming
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tank
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義弘 是澤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は弁当仕出し業、給食会社、外食産業等の大
量に米等の炊き上げを行う分野に好適に利用される連続
式蒸煮装置に関するものである。
(従来の技術) 弁当仕出し業、給食会社、外食産業等では大量の米飯
を必要とし、業務用の釜炊き方式や連続式蒸煮方式等で
大量の米を炊き上げている。そしてこのような炊飯方式
によって得られる米飯はその用途に応じて、このままの
状態でパック詰めされ、あるいは調理されてピラフやお
にぎり等の商品として流通に供せられている。特にすし
米の場合、白米を炊飯した後に合わせ酢を加えている。
具体的には炊飯した白米に約1割程度の合わせ酢を混ぜ
合せ、白米に完全に吸収させている。このために炊き水
を米重量の1.3〜1.4倍程度となるように減らして水加減
し炊飯している。
炊飯に際しては少ない水加減のため焦げ付きを生じな
いように、火加減等に相当な注意がはらわれている。ま
た出来上がったすし米をにぎり等に加工しねたを合せて
から冷凍食品とするような場合、老化防止上すぐさま冷
凍処理するようにしている。
(発明が解決しようとする課題) ところで炊飯や蒸煮の対象物となる米等の穀物はでん
ぷんを含み、そのでんぷんの性質から、米を例にとれ
ば、炊き上がって米飯になったときは適度の水分を含み
α化されているが、取扱い上時間の経過に伴って冷たく
なるにしたがい50〜60℃で老化がはじまり消化および味
が低下すると共に、米粒がぱらぱらの状態になっておに
ぎり等には不向きなものになる。
特にすし米にねたを合せて冷凍する場合、冷凍過程で
の老化は別としても、常温環境での放置中のでんぷんの
老化を防ぐためになるべくすみやかに冷凍するのが望ま
しいが、白米を炊飯して後合わせ酢を添加し混合させる
現状の製造方法では、米粒表面と米粒中心部への酢と糖
との濃度差が起こり、短時間では米粒全体が均一になら
ないので長時間放置せざるを得ない。
また冷凍の際、−35℃程度の空気冷却冷凍機で冷凍さ
せるか、窒素ガスか炭酸ガスかのいずれかによりガス冷
凍される。その時すし米は室温より徐々に冷却され、0
℃、最大氷晶帯を通過して−15℃程度まで冷凍される。
しかし、すし米が冷凍される過程において10℃より−10
℃程度に至る温度帯が最も速く老化が進み、解凍して食
する時にバラバラの状態となる。そのため急速冷凍法に
よりなるべく早くこの温度帯を通過させる方法が考えら
れているが、解凍においては方法がなく、加熱解凍でき
ないすしは室温等に放置して解凍されるため、前記−10
℃〜10℃の温度帯での老化の進行が速く、生のすしと同
等の品質を得るにはとても困難がある。米の老化を遅く
する方法として、糖類、シュ糖脂肪酸エステル等の添加
が有効であるが、すし米においては糖類の添加は釜炊飯
では焦げつきやすく実用化されていないし、炊飯後合わ
せ酢を混合する製造法では、老化を防止するのに有効な
糖類の添加は、米飯の吸収量から不可能である。
そこで本発明者等は、連続して蒸煮する炊飯方式での
米ろ温水で二次浸漬する工程を利用して、効率よくかつ
均一に安定して加糖処理することを考え、種々実験し
た。この実験により、二次浸漬槽を利用した効果的な加
糖処理方式を知見した。
本発明は、このような知見に基づき、老化防止に十分
な加糖処理を、これのための特別な処理時間を取らず、
また連続蒸煮による炊飯能率をいささかも損なわずに安
定して達成し、炊飯後直ちに冷凍処理に供し得る連続式
蒸煮装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は前記のような目的を達成するために、供給さ
れる一次浸漬後の米を搬送しながらこれに蒸気を吹きつ
けて蒸す一次蒸煮手段と、この一次蒸気手段から送り出
される一次蒸し後の米を受け入れて浸漬させながら搬送
する二次浸漬槽と、この二次浸漬槽から送り出される二
次浸漬後の米を受け取って搬送しながらこれに蒸気を吹
きつけて再度蒸した後排出する二次蒸煮手段とを備えた
連続式蒸煮装置において、二次浸漬槽に二次浸漬液を供
給する管路の途中に糖類を供給する管路を接続して二次
浸漬液と糖類とが混合した加糖二次浸漬液として二次浸
漬槽に供給させる加糖手段を設けたことを特徴とするも
のである。
(作 用) 本発明の蒸気構成では、搬送機能を有する一次蒸煮手
段、二次浸漬槽および二次蒸煮手段により、一次浸漬後
の米に対し、一次蒸煮、二次浸漬、および二次蒸煮を連
続的に行って、必要なだけの米飯を制限なしに能率よく
間断なしに、しかも、一次蒸煮後の吸水性が優れた時点
での二次浸漬による米粒内部にまで十分に吸水し均等に
α化した高品質な状態にて製造することができるうえ、
前記二次浸漬には加糖手段が働いて、二次浸漬槽に二次
浸漬液を供給する管路の途中に接続された糖類を供給す
る管路によって二次浸漬槽に供給される二次浸漬液に所
定の割合となるように調整された糖類を混合した加糖二
次浸漬液が二次浸漬槽に順次連続して供給されるように
するので、加糖二次浸漬液となった後の管路の屈曲等に
よる流れの反転やひねり、撹乱等も手伝って、常に均質
な加等二次浸漬液を二次浸漬槽に供給し、二次浸漬槽内
での米の搬送機構やこれに搬送される米等の邪魔なく全
域に充満させ、前記効率よく米粒の内部にまで吸水され
る二次浸漬液とともに、加糖した糖類も同時に効率よく
所定の割合で二次浸漬槽および米のどの部分においても
均一に吸収されるので、糖類を供給する管路での供給量
を管理しさえすれば所定の比率での加糖がどの米粒の内
部にまでも均等に及ぶようにすることができるし、この
ような加糖処理を、これのための特別な処理時間を取ら
ず、また連続蒸煮による炊飯能率をいささかも損なわず
に達成することができる。
(実施例) 以下この発明の一実施例としての連続式蒸煮装置につ
き図に基いて説明する。本実施例は特に冷凍されたすし
米が解凍後も生すしと同等の品質を得て、さらに生すし
米以上に老化を遅くさせるすし米を製造するに適したも
のであり、釜による炊飯でなく糖類を含んだ液を米に吸
収させて膨潤させる蒸煮式炊飯を行えるようにするもの
である。
図に示すように、連続式蒸煮装置1は、ホッパー2よ
り供給される一次浸漬処理を施した米粒3をメッシュベ
ルトコンベヤ4により定速で移送しつつ蒸気管5から吹
き出す加熱水蒸気によって蒸す一次蒸し部Aと、この一
次蒸し部Aから連続的に供給される米粒3を加熱水槽6
に浸漬した状態でスクレーパコンベヤ7により移送する
二次浸漬部Bと、この二次浸漬部Bから連続的に供給さ
れる米粒3を一次蒸し部Aと同様にメッシュベルトコン
ベヤ8にて取出し部9まで定速で移送しつつ蒸気管5か
ら吹き出す加熱水蒸気によって蒸す二次蒸し部Cとから
構成されている。
一次蒸し部Aにおけるメッシュベルトコンベヤ4の後
端に第1のほぐし機10aが、二次蒸し部Cにおけるメッ
シュベルトコンベヤ8の前部に第2のほぐし機10bが、
またその中間部及び後端に同様に第4及び第5のほぐし
機10c、10dがそれぞれ取付けられている。
図において11はスクレーパコンベヤ7のスクレーパ板
12が加熱水槽6より離脱した位置でこれに加糖水を噴射
して洗浄するシャワー、13は加熱水槽6の水温を測定す
る温度センサ、14は加熱水槽6のドレン、17aはメッシ
ュベルトコンベヤ4を駆動する可変速モータ、17bはス
クレーパコンベヤ7と二次蒸し部Cの3基のほぐし機10
b、10c、10dを駆動する可変速モータ、17cはメッシュベ
ルトコンベヤ8を駆動する可変速モータをそれぞれ示し
ている。
これら可変速モータ17a〜17cは、炊飯条件や、洗浄等
の各種作業条件に応じた速度に設定される。
一次蒸し部Aにおいて、メッシュベルトコンベヤ4の
メッシュベルトは目の細かいステンレス製ネットなどか
ら形成されており、蒸気管5の各分岐管5aが吹出し口よ
り噴出した加熱水蒸気がメッシュベルト4aを通して、そ
の両側の図示しないガイド板間で移送されつつある米粒
3の堆積槽中に吹き込まれ、蒸し作用が行われる。
第1〜第4のほぐし装置10a〜10dは、多数のピンが一
定間隔でかつ角度を変えて軸方向視放射状に植設されて
おり、回転に伴って各ピンが順次に米粒3の堆積層中に
入り込んでこれをほぐす作用とならす作用を行う。この
回転は通常はコンベヤ4、8の送りと順方向でかつピン
先端の移動速度がメッシュベルト4a、8aの送り速度より
早く、好ましくは3倍程度となるように設定され、これ
により上記ほぐし及びならし作用と共に米粒3の送り補
助作用が発揮される。
二次浸漬部Bの加熱水槽6は前部から中央部にかけた
水平面6aとこれに連続する後部の上向き傾斜面6bとこの
傾斜面6bから急な傾斜で垂下するガイド面6cとを有して
いる。傾斜面6bは図示のように略20〜40度の傾斜度に、
またガイド面6cは傾斜面6bとの間にて50〜70度の傾斜度
を形成されている。傾斜面6bは加熱水槽6内の水33の水
面より高位に延びており、水切り面の作用をも果たす。
加熱水槽6内には、シュート16に連続した断面上向き開
放コ字形のガイド枠による搬送路34が上記水平部6aと傾
斜部6bに沿う形で底面を密着して配置されている。この
搬送路34の外側を取り囲むように加熱用蒸気管35が水33
中に配設されている。
スクレーパコンベヤ7は、加熱水槽6の水平面6a上同
一高さに配置した一対の従動プーリ7a、7bと、水切り傾
斜面6bの上で従動プーリ7bと同一高さに設けられた後端
駆動プーリ7cとによって張設され、スクレーパ板12が搬
送路34内をその底部に沿って移動し、シュート16を通じ
搬送路34内に供給される米粒3を加熱水槽6内をその水
平面6aから傾斜面6bへ順次移送しガイド面6cに送り出す
ようになっている。
この間、米粒3が水に麦芽糖やそれに至るまでのデキ
ストリン、あるいは乳糖と云った糖類を加えた加糖水33
内にある間浸漬状態に置かれる。この浸漬は一次蒸し後
の浸漬であるため、米粒3の1つ1つの内部まで吸水と
ともに浸透し易くなる。その浸漬時間は浸漬状態になる
距離とスクレーパコンベヤ7の速度とによって任意に決
定でき、所定の二次浸漬をも十分に満足することができ
る。
こうして二次浸漬された米粒3は傾斜面6bをガイド面
6cに向かって移送されるとき、加糖水33から徐々に引き
上げられながら水切りされる。この際、米粒3表面の加
糖水が適度に水切りされるので、この点が蒸煮方式が釜
炊き方式に比べて米の組織を壊さずに炊飯できて内部の
糖分が外に出ない点と相俟って、炊き上げ後の米飯を加
熱調理する場合に糖分を含んでいるにもかかわらずに米
粒に焦げ付きを防止することができる。
シャワー11はスクレーパコンベヤ7の駆動プーリ7cに
近接する位置にあり、加熱水槽6より離脱した各スクレ
ーパ板12がプーリ7cの周回位置で扇形に開く姿勢をとっ
た際に加熱された加糖水33を噴射してスクレーパ板12表
面に付着した米粒3を加熱水と共に二次蒸し部C側に洗
い落とす働きをする。この噴射は、各スクレーパ板12の
1ピッチ分の移動毎に一定時間行われるようにする。例
えば、1ピッチ移動時間を1分としたとき3〜6秒程度
行われるようにする。そのためにはスクレーパコンベヤ
7の駆動系からカムとリミットスイッチの組合せ等によ
り同期信号をとればよい。
二次蒸し部Cは、一次蒸し部Aと同様に構成されてい
る。ただしこの二次蒸し部Cでは炊き上がりないしこれ
に近い状態の柔らかな米粒が相互に粘着して固まり易い
し、両側のガイド板にも粘着して送り抵抗が大きくなる
ので、第2のほぐし機10bを前部に、そして好ましくは
中間部と後端の3ヵ所に第3及び第4のほぐし機10c、1
0dを設け、これによってほぐしと米粒の堆積厚が均一に
なるように、ならし作用と共に送り補助機能を高めてい
る。これらほぐし機10b〜10dはチューンを介して3基が
同期駆動する。またメッシュベルトコンベヤ8の高さ
は、加熱水槽6から出てきた含水量の多い米粒3が落下
の衝撃でつぶれるのを防ぐため、加熱水槽6の後端ガイ
ド面6cを設けた出口に近く且つ落差がなるべく少ないこ
とが好ましく、本実施例では70mm程度の高低差となるよ
うに設定している。
次に前記構成の連続式蒸煮装置1による炊き上げ例を
述べる。先ず一次蒸し部Aで原料米を完全にα化される
まで蒸気にて加熱する。このため、用いる水蒸気温度を
95〜100℃、水蒸気通過圧力を0.15KgH2O/cm2、送り時間
を10分程度とする。次に二次浸漬部Bでの加熱水槽6中
の水温を90℃前後として、これに一次蒸し後の米を約8
〜10分程度浸漬するが、槽中には10%程度の糖液が含ま
れた加糖水33を二次浸漬液としており、米粒はこれを急
激に吸収し膨潤する。この90℃前後での糖液を含む加糖
水33の吸収、膨潤は、焦げ付きを起さずしかも糖類の吸
収がはるかに多く、内部までの効率のよい吸水に乗じ
て、でんぷん粒子内に十分に満たされる。
要するに、前記二次浸漬処理によっては、一次蒸煮後
の吸水性が優れた時点での二次浸漬による米粒内部にま
で十分に吸水し均等にα化した高品質な米飯の炊き上げ
を可能にする。
そして、加熱水槽6中の二次浸漬液が、糖液を含んだ
加糖水33であることによって、前記効率よく米粒の内部
にまで吸水される二次浸漬液に乗じて、加糖成分も同時
に効率よく吸収されるので、二次浸漬液中の加糖成分濃
度を管理すれば所定の比率での加糖が米粒内部にまで均
等に及ぶようにすることができるし、このような加糖処
理を、これのための特別な処理時間を取らず、また連続
蒸煮による炊飯能率をいささかも損なわずに達成するこ
とができる。また、炊飯達成と同時に加糖処理も達成し
ているので、炊飯後即座に冷凍処理することができる。
しかも二次浸漬液が90℃前後に加熱された温水とされて
いることにより、前記二次浸漬時の吸水および加糖をよ
り十分に、かつ早く達成することができ、前記連続蒸煮
により炊飯速度をさらに高めることができる。
この二次浸漬後、米粒は二次蒸し部Cで再度蒸気で加
熱され、完全な膨潤と米粒表面の乾燥とを行い後の合わ
せ酢の吸収を容易にさせる。この工程での水蒸気温度お
よび通過圧力を一次蒸し部Aと同一、送り時間を12分と
設定し充分であった。
炊飯された白米はすし米とする場合、合わせ酢をして
混合するのは従来と同じであるが、加熱水槽6に糖類液
と共に合わせ酢も混合しておけば、すし米の製造であっ
てもこれの炊き上がり後すぐに冷凍工程に供することが
できる。
このように蒸煮して製造したすし米は従来通りの冷凍
方法で冷凍されても、解凍したすしは生すしと同等の品
質が得られたし、老化速度が遅くなった。
以上の工程での米粒3の流れについて述べると、一次
蒸し部のメッシュベルトコンベヤ4にて移送される過程
で完全にα化されてコンベヤ4の後端部に達する。コン
ベヤ4の後端部に達した米粒3は第1のほぐし機10aに
てほぐされると共に均一にならされ、シュート16を通っ
て二次浸漬部Bの加熱水槽6の搬送路34内に入る。ここ
で米粒3はスクレーパコンベヤ7の各スクレーパ板12の
間に挟まれて搬送路34内を移送され、充分に吸水膨潤さ
れると共に加糖水33の糖分を吸収して加熱水槽6の後端
のガイド面6cから二次蒸し部Cのメッシュベルトコンベ
ヤ8上に移送される。
このスクレーパコンベヤ7による移送時に加熱水槽6
内の米粒3はこれに含まれる不要な水分が水切り傾斜面
6bで水切りされる際に米粒3表面の余分な糖分が落とさ
れ、切り水および余分な糖分は加熱水槽6内に還流され
る。一方、水切り傾斜面6bに沿って設けられるスクレー
パコンベヤ7は傾斜面6bの延長線上で、米粒3がガイド
面6cに沿って二次蒸し部Cに移送された直後に反転する
ようになっているため米粒3がスクレーパ板12にすくい
取られることはない。次いでメッシュベルトコンベヤ8
上の米粒3は第2〜第4のほぐし機10b〜10dによってほ
ぐされ、また堆積厚が均一になるようにならされつつ蒸
される。これにより米粒3は完全な膨潤と表面の乾燥と
を受け、取出し部9から取り出される。なお取出し部9
では適当な受槽を置いたり、あるいは冷凍部等に送る移
送装置を設置すればよい。また蒸煮の各種条件は例示以
外に種々変更できる。更に蒸煮による炊飯量は装置規模
によって大きく異なり、制限はない。
二次浸漬部Bの加熱水槽6では、米粒3の単位時間当
たりの通過量に応じて加糖水33が消費される。二次浸漬
が所定の度合で均一になされるには加熱水槽6内での加
糖水33の量が常時所定量確保される必要がある。このた
め加熱水槽6には水位センサ41を設けると共に、水槽6
に加糖水33を供給する管路42が接続されている。管路42
にはポンプ43が設けられ、水位が下限まで下がったとき
のセンサ41の信号によってオンし、水位が上限に達した
ときのセンサ41の信号によってオフすることで、水槽6
内の加糖水33を常時所定量に保つ。
ところで、本発明者等の実験では、加糖のために糖類
を二次浸漬槽である加熱水槽6内に直接供給したので
は、どのように撹拌しても、加熱水槽6内を移行するス
クレーパコンベヤ7やこれによって搬送させる米が邪魔
をして、加糖水の糖類分布は万一にも均一にならない。
これでは、米粒ごとに加糖が過剰であったい不足であ
ったりするので、食品衛生の上で十分に耐えられる前記
した思うような加糖処理は望めない。
本実施例ではこれに対処するのに、二次浸漬液である
加熱水を供給する管路42のポンプ43と加熱水槽6との間
に比率注入弁(日本フローセル株式会社製FLV型)44が
管路42を本流側として設けられ、この比率注入弁44の注
入側には前記加糖処理を行う糖類を含んだ加糖液を供給
する管路45が接続されている。管路45の途中にもポンプ
46が設けられている。ポンプ46はポンプ43と同時に駆動
されて加糖水の供給に併せ調味やPH調整のための処理液
の供給も行われる。
ここで前記処理液の注入量は比率注入弁44の注入比率
の設定に応じて、本流側での加熱水の供給量に対し一定
の比率でなされ混合される。
つまり、比率注入弁44、管路42、45、ポンプ43、46の
それぞれは、本発明で言う加糖手段をなし、前記二次浸
漬にはこの加糖手段が働いて、二次浸漬槽である加熱水
槽6に二次浸漬液である加熱水を供給する管路42の途中
に比率注入弁44を介して接続された糖類を供給する管路
45によって二次浸漬槽である加熱水槽6に供給される二
次浸漬液としての加熱水に所定の割合となるように調整
された糖類を混合した加糖二次浸漬液としての加糖水33
が二次浸漬槽である加熱水槽6に順次連続して供給され
るようにするので、比例注入弁44を経て加糖二次浸漬液
である加糖水33となった後の管路の屈曲等による流れの
反転やひねり、撹乱等も手伝って、常に均質な加糖二次
浸漬液である加熱水33を二次浸漬槽である加熱水槽6に
供給し、加熱水槽6での米の搬送機構であるスクレーパ
コンベヤ6やこれに搬送される米粒3等の邪魔なく全域
に充満させ、前記効率よく米粒3の内部にまで吸水され
る二次浸漬液である加熱水とともに、加糖した糖類も同
時に効率よく所定の割合で二次浸漬槽である加熱水槽6
および通過する米粒3の槽ののどの部分においても均一
に吸収されるので、糖類を供給する管路45での供給量
を、比例注入弁44等により管理しさえすれば所定の比率
での加糖がどの米粒3の内部にまでも均等に及ぶように
することができるし、このような加糖処理を、これのた
めの特別な処理時間を取らず、また連続蒸煮による炊飯
能率をいささかも損なわずに達成することができる。
また、本実施例では、加糖と同時に調味液による調味
と有機酸によるPH調整とを同様な均一処理状態で同時に
行える。
PH調整は普通の米飯のPHが6.2〜6.5であるところをPH
5前後にまで下げるようにする。これによって米粒3は
食味にほとんど影響なく酸度を増し、それ自体が滅菌作
用を持つようになる。特にPH調整は米粒3の内部にまで
及んでいるので滅菌作用は長時間保持される。例えば食
品衛生法で要求される72時間後の雑菌の増繁殖が見られ
なかったのは勿論、この時点で落下菌や付着菌のある悪
環境にさらし、また雑菌が増繁殖しやすい悪条件に置い
ても問題にするほどの雑菌の増繁殖はなかった。
有機酸としては滅菌作用力の長時間保持のために揮発
性の弱いものの方が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、乳
酸等が好適である。また調味液は内部までの浸透性の良
さから基礎的な調味に適し、アミノ酸等による調味に好
適である。そして各用途に応じた調味は2次加工、3次
加工の際に行われるのがよい。
なお比率注入弁44の本流側および注入側で設定された
好適な仕様の主なものの一例を示せば下記表1の通りで
ある。
本実施例での実験例を示せば以下の通りである。
実験例1 まず1時間程度水で浸漬させた米を蒸気で加熱し完全
にα化させた後、糖類例えば麦芽糖、乳糖、デキストリ
ンの混合液10%を含む酢を(酸度2%)配合した湯槽に
90℃で8分間浸漬させ水分57〜58%に調整したのち再び
蒸気で5〜10分加熱し表面を乾燥させた後、すし米の重
量の1割重量の合わせ酢を添加混合させたのち重量30g
のいなり寿司を作り、これをすぐさま−50℃で寿司の中
心温度が−25℃に達するまで約40分間冷凍した。冷凍後
乾燥されないよう耐冷用プラスチックフィルムで脱気包
装し−20℃の冷凍庫で1ケ月間保管した。
この炊飯実験をテスト区とし、解凍は室温にて約2時
間程度放置することにより行って後食に供したが、冷凍
しない生いなり寿司と官能検査比較したところ、差が認
められなかった。またこのテスト区と、テスト区と同じ
炊飯操作であるが加糖処理せずに比較炊飯した結果のコ
ントロール区との、15℃で約4日間保存したときの老化
進行程度を比較測定した。その結果を表2に示す。なお
α化測定はβ−アミラーゼ、プルランナーゼ法による還
元糖を定量する方法で行った。
(発明の効果) 本発明の連続式蒸煮装置によれば、必要なだけの米飯
を制限なしに能率よく間断なしに、一次蒸煮後の吸水性
が優れた時点での二次浸漬による米粒内部にまで十分に
吸水し均等にα化した高品質な状態にて製造できるう
え、常に均質な加糖二次浸漬液を供給して、前記効率よ
く米粒の内部にまで吸水される二次浸漬液とともに、加
糖した糖類も同時に効率よく所定の割合で二次浸漬槽お
よび米のどの部分においても均一に吸収されて、糖類を
供給する管路での供給量を管理しさえすれば所定の比率
での加糖がどの米粒の内部にまでも均等に及ぶようにす
ることができ、炊飯後の米飯の老化を十分に安定して防
止することがきるし、炊飯後の米飯を冷凍して大量に貯
蔵しながら小売市場等に供給し、これを必要量ずつ解凍
と商品として取り扱うような場合でも疲労を長時間防止
して食味を保ち、米飯およびすしの冷凍による合理化を
品質の低下なしに実現することができる。
また、このような加糖処理は、これのための特別な処
理時間を取らず、また連続蒸煮による炊飯能率をいささ
かも損なわずに達成されるので、コスト上昇の原因にな
らない。
【図面の簡単な説明】 図は本発明を連続蒸煮装置に適用した場合の一実施例を
示す概略断面図である。 A……一次蒸し部 B……二次浸漬部 C……二次蒸し部 3……米粒 6……加熱水槽(二次浸漬槽) 33……加糖水 41……水位センサ 44……比例注入弁(加糖手段) 42……管路(加糖手段) 43……ポンプ(加糖手段) 45……管路(加糖手段) 46……ポンプ(加糖手段)
フロントページの続き (72)発明者 吉田 政人 大阪府東大阪市渋川町2丁目4―38号 株 式会社両双内 (56)参考文献 特開 昭61−70949(JP,A) 特開 昭63−157945(JP,A) 特開 昭64−60341(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給される一次浸漬後の米を搬送しながら
    これに蒸気を吹きつけて蒸す一次蒸煮手段と、この一次
    蒸煮手段から送り出される一次蒸し後の米を受け入れて
    浸漬させながら搬送する二次浸漬槽と、この二次浸漬槽
    から送り出される二次浸漬後の米を受け取って搬送しな
    がらこれに蒸気を吹きつけて再度蒸した後排出する二次
    蒸煮手段とを備えた連続式蒸煮装置において、 二次浸漬槽に二次浸漬液を供給する管路の途中に糖類を
    供給する管路を接続して二次浸漬液と糖類とが混合した
    加糖二次浸漬液として二次浸漬槽に供給させる加糖手段
    を設けたことを特徴とする連続式蒸煮装置。
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