JPH08221801A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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Publication number
JPH08221801A
JPH08221801A JP7030634A JP3063495A JPH08221801A JP H08221801 A JPH08221801 A JP H08221801A JP 7030634 A JP7030634 A JP 7030634A JP 3063495 A JP3063495 A JP 3063495A JP H08221801 A JPH08221801 A JP H08221801A
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JP7030634A
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Inventor
Tetsuya Nishida
哲也 西田
Yumiko Anzai
由美子 安齋
Shinkichi Horigome
信吉 堀籠
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価な低出力の半導体レーザを使用でき、記録
情報を再生専用装置で再生できる追記/書き換え可能な
光情報記録媒体を提供する。 【構成】 基板1上に下部誘電体層2を介して、記録用
光ビームの照射を受けて情報を記録する記録層3を形成
する。記録層3上に上部誘電体層4を介して、前記記録
用光ビームを反射する反射層5を形成する。反射層5
は、再生用光ビームに対する反射率が85%以上、29
8Kにおける電気抵抗率が7μΩ・cm以上である。基
板1側から照射された再生用光ビームに対する媒体反射
率が、未記録部(記録部)で65%以上、記録部(未記
録部)で45%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光情報記録媒体に関
し、さらに言えば、光ビームによってアナログ情報(た
とえば映像や音声などのアナログ信号をFM変調したも
の)やディジタル情報(たとえば電子計算機のデータ
や、ファクシミリ信号やディジタルオーディオ信号な
ど)をリアルタイムで記録することが可能な光情報記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)、CD−R
OM、Video−CD、レーザディスク(LD)など
の再生専用型の光情報記録媒体は、通常、凹状または凸
状のプリピットにより情報を記録したポリカーボネート
やアクリルなどからなる基板と、この基板上に形成した
Al、Auなどの金属からなる反射層と、この反射層上
に形成した有機物からなる保護層とから構成される。前
記プリピットは通常、量産性を考慮して、インジェクシ
ョン法、フォトポリメリゼイション法等の転写技術によ
って形成される。前記金属反射層は、再生用光ビームに
対して70%以上の高い反射率を有する。
【0003】他方、上記のような再生専用型の光情報記
録媒体用の他に、情報の追記または書き換えが可能な光
情報記録媒体が存在するが、近年、このような追記/書
き換え可能な光情報記録媒体から情報を再生する際に、
上記のような再生専用型の光情報記録媒体用の再生装置
を使用できるようにすることが検討されている。
【0004】これを実現するには、上述した再生専用型
の光情報記録媒体の反射率を考慮すれば、再生用光ビー
ムに対する媒体の反射率を70%以上にする必要があ
る。すなわち、追記/書き換え可能な光情報記録媒体の
未記録部または記録部の反射率が、再生用光ビームに対
して70%以上であることが必要になる。この場合、そ
の光情報記録媒体の記録部または未記録部の反射率は、
記録部と未記録部とを識別できる程度に、その再生用光
ビームに対して十分低いことが必要である。
【0005】この種の追記/書き換え可能な光情報記録
媒体の従来例としては、有機物からなる記録層を用い、
その記録層と基板の形状変化により情報を記録するもの
が、特開平2−87339号公報、特開平2−8734
0号公報、特開平2−87342号公報に開示されてい
る。
【0006】また、無機物からなる記録層を用い、その
記録層材料の原子配列変化に起因する光学定数の変化に
より情報の記録・消去を行なうものが、特開平4−22
8126号公報、特開平4−254925号公報、特開
平6−44606号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の追記/書き
換え可能な光情報記録媒体では、媒体の反射率を高める
ために、反射層をAu、Al、Au、Agなどの金属に
より形成している。これらの金属は、CD、LDなどの
再生専用装置に用いられているレーザ光ビームに対して
85%以上の高い反射率を有し、反射層として好ましい
からである。しかし、これらの金属はいずれも、温度2
98Kにおける電気抵抗率が3.5μΩ・cm以下であ
り、熱伝導率が210W/m・K以上と大きいため、記
録用のレーザ光ビームを照射した際に、記録層の照射部
分に生じた熱がその金属反射層により急速に奪い取られ
てしまう。
【0008】このため、このような金属反射層は、記録
用光ビームの大部分(85%以上)を反射する点で好ま
しい反面、記録層の照射部分に生じた熱を急速に奪うた
め、記録層の記録感度を低下させるという難点を有して
いる。これは、記録用光源として高価な高出力の半導体
レーザを用いなければならない、という問題を引き起こ
す。
【0009】そこで、この発明の目的は、記録用光源と
して安価な低出力の半導体レーザを用いることができる
と共に、記録した情報を広く普及している再生専用型の
光情報記録媒体用の再生装置で再生することができる追
記/書き換え可能な光情報記録媒体を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の光情報記録媒体は、基板上に直接も
しくは第1中間層を介して形成された、記録用光ビーム
の照射を受けて情報を記録する記録層と、前記記録層上
に直接または第2中間層を介して形成された、前記記録
用光ビームを反射する反射層とを備えてなる光情報記録
媒体において、前記反射層は、再生用光ビームに対する
反射率が85%以上、温度298Kにおける電気抵抗率
が7μΩ・cm以上であり、前記基板側から照射された
前記再生用光ビームに対する前記光情報記録媒体の反射
率が、(a)未記録部で65%以上、記録部で45%以
下、および(b)未記録部で45%以下、記録部で65
%以上のいずれかであることを特徴とする。
【0011】前記「反射層の反射率」は、その反射層単
体での再生用光ビームに対する反射率を意味する。他
方、前記「光情報記録媒体の反射率」は、その媒体全体
としての再生用光ビームに対する反射率を意味する。
【0012】前記光情報記録媒体の反射率は、未記録部
で70%以上、記録部で28%以下であるのが好まし
い。CD規格であるレッドブックと、CD−R(追記型
CD)規格であるオレンジブック(パート2)に完全に
準拠できるからである。
【0013】(2) 前記反射層は、その層厚方向の平
均組成が一般式(Au)100-x(A)xで表わされ、前記xは
原子%で0.5≦x≦15の値であり、前記Aで表され
る元素はAl、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、
Mo、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、T
e、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Tl、PbおよびBiよりなる群から選ばれる少なくと
も一つの元素であるのが好ましい。
【0014】この組成であれば、再生用光ビーム(例え
ば波長600nm〜900nm)に対する反射率が85
%以上となり、298Kにおける電気抵抗率が7μΩ・
cm以上にすることができるからである。また、前記基
板側から照射された前記再生用光ビームに対する前記光
情報記録媒体の反射率が、上記(a)または(b)となる
からである。
【0015】前記xは、1≦x≦8の値であるのが好ま
しい。この範囲であれば、0.5≦x≦15の場合に比
べて、前記反射層の反射率をより高くできるからであ
る。
【0016】前記xは、2≦x≦5の値であるのがより
好ましい。この範囲であれば、0.5≦x≦15の場合
に比べて、前記反射層の反射率および電気抵抗率をいっ
そう高くでき、その結果、熱伝導率をより低くできるか
らである。
【0017】良好な記録感度および消去感度を得るに
は、前記Aで表される元素がCoであるのが好ましい。
【0018】前記反射層の良好な耐環境性を得るには、
前記Aで表される元素がPdであるのが好ましい。
【0019】前記反射層の結晶粒径を小さくし、低ノイ
ズにするには、前記Aで表される元素がTiであるのが
好ましい。
【0020】前記Aで表される元素がMoであれば、前
記記録層または前記第2中間層に対する前記反射層の密
着性が良好となり、また書換え可能型とした場合の消去
比が大きくなるので、好ましい。
【0021】他方、前記Aで表される元素がNiの場
合、前記記録層または前記第2中間層に対する前記反射
層の接着力が、Ni以外の元素の場合よりも弱くなり、
書き換え可能型とした場合の書き換え可能回数が少なく
なる。
【0022】前記Aで表される元素がCrの場合、前記
反射層の表面の凹凸がCr以外の元素の場合よりもやや
大きく、その結果ノイズがやや高くなる。
【0023】(3) 前記反射層はまた、その層厚方向
の平均組成が一般式(Au)100-y(D)yで表され、前記y
は原子%で15≦y≦85の値であり、前記Dで表わさ
れる元素はAgおよびCuから選ばれる少なくとも一つ
の元素であってもよい。
【0024】この組成であれば、再生用光ビーム(例え
ば波長600nm〜900nm)に対する反射率が85
%以上となり、298Kにおける電気抵抗率が7μΩ・
cm以上にすることができるからである。また、前記基
板側から照射された前記再生用光ビームに対する前記光
情報記録媒体の反射率が、上記(a)または(b)となる
からである。
【0025】前記yは30≦y≦70の値であるのが好
ましい。この範囲であれば、15≦y≦85の場合に比
べて、前記反射層の電気抵抗率が高くなり、より低い熱
伝導率が得られるからである。
【0026】前記Dで表される元素はAgであるのが好
ましい。前記反射層の表面の平坦性が良好となり、ノイ
ズを低くできるからである。
【0027】(4) 前記記録層としては、記録用光ビ
ームの照射により情報を記録できるものであれば、任意
の層が使用可能であるが、次のようなものが好ましい。
【0028】まず、記録用光ビームの照射を受けて形状
変化する物質(有機物質または無機物質)が挙げられ
る。この物質では、その形状変化(例えば孔、ボイド、
バンプの生成)により情報が記録される。
【0029】この場合、前記記録層が前記基板の上に直
接形成され、前記反射層が前記記録層の上に直接形成さ
れていて、前記記録層が色素を主成分として含んでいる
のが好ましい。このような色素を主成分として含む記録
層では、光ビームの照射によりその照射部分の分子構造
が変化し、それによってボイドなどが生じて情報が記録
される。
【0030】前記色素としては、フタロシアニン色素、
ポリメチン色素、ナフトキノン色素、ローダミン染料、
シアニン色素、アズレニウム色素、大環状アザアヌレン
系色素、ナフトキノン系色素などが使用可能である。
【0031】次に、記録用光ビームの照射を受けて形状
変化を伴わずに原子配列変化が生じ、且つその原始配列
変化に起因して光学定数が変化する無機物質が挙げられ
る。この物質では、その原始配列の変化により情報が記
録される。
【0032】このような原子配列変化としては、例え
ば、相転移(1つの非晶質相または結晶相から他の相
(結晶質相または非晶質相など)への転移、フォトダー
クニング、隣接層間での原子の拡散(記録層と吸収層と
の間での原子の拡散)などがある。
【0033】この場合、前記記録層が、前記第1中間層
としての第1誘電体保護層を介して前記基板の上に形成
され、また前記反射層が、前記第2中間層としての第2
誘電体保護層を介して前記記録層の上に形成されてい
て、前記記録層がSeおよびTeのうち少なくとも1元
素を含有しているのが好ましい。
【0034】また、前記第1中間層として第1誘電体保
護層および第2反射層を含んでおり、前記記録層の上に
前記第2反射層が形成され、その第2反射層の上に前記
第1誘電体保護層が形成され、その第1誘電体層の上に
前記記録層が形成されており、また、前記反射層は、前
記第2中間層としての第2誘電体保護層を介して前記記
録層の上に形成されており、さらに、前記記録層がSe
およびTeのうち少なくとも1元素を含有しているのも
好ましい。
【0035】(5) 前記反射層の層厚は、20nm以
上、500nm以下であるのが好ましい。この範囲であ
れば記録感度が良好だからである。
【0036】また、反射率の高さと記録感度の高さを考
慮すると、30nm以上、300nm以下がより好まし
く、40nm以上、150nm以下が特に好ましい。
【0037】前記第2反射層の層厚は、2nm以上、4
0nm以下であるのが好ましい。この範囲であれば記録
感度が良好だからである。
【0038】また、反射率の高さと記録感度の高さの両
方を考慮すると、3nm以上、30nm以下がより好ま
しく、5nm以上、20nm以下が特に好ましい。
【0039】前記第2反射層の組成は、前記反射層の組
成と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0040】(6) 前記基板としては、任意の基板が
使用できる。例えば、表面に射出成形法によりトラッキ
ング用スパイラル溝を形成したポリカーボネート基板や
ポリオレフィン基板など、あるいは、表面にフォトポリ
メリゼイション法(2P法)によってトラッキング用ス
パイラル溝を形成した紫外線硬化樹脂層を固着した化学
強化ガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリオレフィ
ン基板、エポキシ基板、アクリル樹脂基板などが使用で
きる。
【0041】前記基板は、再生専用型のデータを凹また
は凸状のプリピットの形で備えているのが好ましい。こ
れは、一部が同じ情報を記録した光情報記録媒体を大量
に製作する場合に、その同じ情報をプリピットの形で前
記基板に形成しておけば、その情報を前記記録層に記録
することが不要となり、製作コストの低減が可能となる
からである。
【0042】(7) 前記記録用光ビームおよび再生用
光ビームは、いずれも600nm以上、900nm以下
の波長を有するのが好ましい。この範囲であれば、前記
反射層の再生用光ビームに対する反射率が85%以上と
なるからである。
【0043】また、前記記録用光ビームおよび再生用光
ビームは、半導体レーザにより生成するのが好ましい。
こうすれば、光ヘッドをコンパクトにまとめることがで
きるからである。
【0044】さらに、前記記録用光ビームと再生用光ビ
ームは、別個の半導体レーザで生成してもよいが、同一
の半導体レーザから生成するのが好ましい。こうすれ
ば、光ヘッドの構造が簡単になり、低コストで作製でき
るからである。
【0045】なお、前記記録用光ビームの照射時間とパ
ワーは、その照射により前記記録層が変化を起こして所
望の情報を記録できるように設定する。前記再生用光ビ
ームの照射時間とパワーは、その照射により前記記録層
がそのような変化を起こすこことのないように設定す
る。
【0046】(8) 前記記録層として用いる、Seお
よびTeのうち少なくとも一つの元素を含有する無機物
質としては、SeおよびTeのうち少なくとも1元素を
含有するカルコゲナイドを用いることができる。
【0047】このカルコゲナイドがSeを主成分とする
場合には、Seの他に、In、Sb、Sn、Te、B
i、Si、Ge、PbおよびGaからなる群から選ばれ
る少なくとも一つの元素を含んでいるのが好ましい。こ
れは、非晶質状態の安定性が高く、エネルギービーム照
射部の結晶化が高速であるからである。
【0048】また、このSeを主成分とするカルコゲナ
イドでは、Co、Pd、Ti、V、Cr、Mn、Fe、
Ni、Cu、Ag、Auなどの遷移金属を10原子%以
下の濃度で添加することにより、非晶質状態の安定性が
向上する。
【0049】Seを主成分としさらにSbを含有するカ
ルコゲナイドでは、非晶質状態の安定性を保持したまま
結晶化を高速で行なうことができ、記録層の耐酸化性が
著しく高い利点がある。また、これにSn、Si、G
e、Pbなどの4b属元素をさらに添加すると、非晶質
状態の安定性をさらに高めることができ、かつ記録時の
結晶化をより高速で行なうことができるようになる。こ
の特性は「追記型」の光情報記録媒体として適してい
る。
【0050】Seを主成分としさらにInを含むカルコ
ゲナイドでは、結晶状態と非晶質状態との層転移を多数
回(例えば10万回以上)繰り返して行なうことができ
る利点がある。
【0051】また、Seを主成分としさらにInを含む
カルコゲナイドに、Tlと、Co、Pdなどの遷移金属
の元素とを3原子%以上、10原子%以下の濃度でさら
に添加すると、結晶化速度がさらに向上する。この特性
は「書き換え型」の光情報記録媒体として適している。
【0052】前記記録層として用いるカルコゲナイドが
Teを主成分とする場合には、Teの他に、Ge、S
b、In、Sn、Se、Bi、Si、PbおよびGaか
らなる群から選ばれる少なくとも一つの元素を含んでい
るのが好ましい。これは、非晶質状態の安定性が高く、
エネルギービーム照射部の結晶化が高速であるからであ
る。
【0053】また、このTeを主成分とするカルコゲナ
イドでは、Co、Pd、Ti、V、Cr、Mn、Fe、
Ni、Cu、Ag、Auなどの遷移金属を10原子%以
下の濃度で添加することにより、非晶質状態の安定性が
向上する。
【0054】さらに、Teを主成分としさらにGeを含
むカルコゲナイド、Teを主成分としさらにGeとSb
を含むカルコゲナイド、および、Teを主成分としさら
にInとSbを含むカルコゲナイドでは、結晶状態と非
晶質状態との相転移を高速、安定に多数回(例えば50
万回以上)繰り返して行なうことができる利点がある。
これも「書き換え型」の光情報記録媒体として好適な特
性である。
【0055】(9) 前記第1および第2の誘電体保護
層としては、記録用または再生用の光ビームに対する複
素屈折率の虚数部、すなわち「消衰係数」が0.2以下
であれば、酸化物、弗化物、窒化物、硫化物、セレン化
物などの無機物の単体あるいはこれらの混合物、有機
物、または無機物と有機物の混合物が使用可能である。
【0056】前記「消衰係数」は0.1以下であるのが
好ましい。情報記録媒体の未記録部の反射率をより高く
できるからである。
【0057】前記第1および第2の誘電体保護層として
使用される無機物としては、Ce、La、Si、In、
Al、Ge、Pb、Sn、Bi、Te、Ta、Sc、
Y、Ti、Zr、V、Nb、CrおよびWよりなる群よ
り選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物、Mg、C
e、Caなどの弗化物、Si、Al、Ta、Bなどの窒
化物、Zn、Cd、Ga、In、Sb、Ge、Sn、P
b、Biよりなる群より選ばれる少なくとも一つの元素
の硫化物、Zn、Cd、Ga、In、Sb、Ge、S
n、Pb、Biよりなる群より選ばれる少なくとも一つ
の元素のセレン化物が使用可能である。これらは単体で
使用してもよいし、混合物として使用してもよい。
【0058】具体例を挙げれば、例えば、主成分がCe
2、La23、SiO、SiO2、In23、Al
23、GeO、GeO2、PbO、SnO、SnO2、B
23、TeO2、Ta25、Sc23、Y23、Ti
2、ZrO2、V25、Nb25、Cr23、WO2
WO3、MgF2、CeF3、CaF2、TaN、Si
34、AlN、BN、ZnS、CdS、In23、Sb
23、Ga23、GeS、SnS、SnS2、PbS、
Bi23、ZnSe、CdSe、In2Se3、Sb2
Se3、Ga2Se3、GeSe、SnSe、SnSe2
PbSeまたはBi2Se3であるもの、あるいはそれに
近い組成をもったもの、またはこれらの混合物である。
【0059】これらのうち、酸化物ではSiO2、Si
O、Y23、Sc23、CeO2、TiO2、ZrO2
Ta25、In23、Al23あるいはSnO2、また
はそれらに近い組成のものが好ましい。窒化物では、S
34、AlNあるいはTaNまたはそれらに近い組成
のものが好ましい。硫化物では、ZnSまたはそれに近
い組成のものが好ましい。混合物としては、ZnSとS
iO2との混合物が好ましい。
【0060】前記第1および第2の誘電体保護層として
使用される有機物としては、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリイミド、
ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリ4フッ化エチレン(テフロン)
などのフッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ある
いは紫外線硬化樹脂、またはそれらの混合物がある。
【0061】なお、前記第1および第2の誘電体保護層
はいずれも、多層構造にするのが好ましい。多層構造に
した場合、吸収層との界面に熱伝導率の低い層が形成さ
れ、記録感度が良くなる利点がある。多層構造は、無機
物層と無機物層、無機物層と有機物層、有機物層と有機
物層など、任意の組み合わせが可能である。
【0062】(10) 前記第1および第2の中間層と
しては、任意の層が使用できる。例えば、保護層、前記
反射層以外の反射層などである。
【0063】(11) 前記各層の形成方法としては、
真空蒸着、ガス中蒸着、スパッタリング、イオンビーム
蒸着、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、回転塗
布、プラズマ重合、射出成形、フォトポリメリゼーショ
ン法(2P法)、キャスティングなど、任意の方法を使
用できる。
【0064】前記反射層、無機物の前記記録層および無
機物の前記保護層をすべてスパッタリングにより形成す
ると、組成および層厚を管理しやすく、製造コストが安
価となるので好ましい。
【0065】(12) この発明の光情報記録媒体は、
ディスク状としてばかりではなく、テープ状、カード状
などの任意の形態で実現可能である。
【0066】
【作用】この発明の光情報記録媒体では、反射層の再生
用光ビームに対する反射率が85%以上、温度298K
における電気抵抗率が7μΩ・cm以上であるから、反
射層の熱伝導率を低く(例えば105W/m・K以下
に)抑制することができる。このため、記録層の記録感
度および消去感度が向上し、その結果、従来より低出力
の半導体レーザを記録用光ビームの光源として使用し
て、記録層に情報を追記または書き換えすることが可能
である。
【0067】しかも、基板側から照射された再生用光ビ
ームに対する光情報記録媒体の反射率が、(a)未記録
部で65%以上、記録部で45%以下、および(b)未
記録部で45%以下、記録部で65%以上のいずれかで
あるため、記録層に記録した情報を広く普及している再
生専用型の光情報記録媒体用の再生装置で再生すること
が可能である。
【0068】
【実施例】以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例
を説明する。
【0069】[実施例1] (構成・製法)まず、直径120mm、厚さ1.2mm
のディスク状ポリカーボネート板の表面に、射出成形法
によって1.5μmピッチのトラッキング用スパイラル
溝を形成し、図1に示すレプリカ基板1を得た。
【0070】次に、高周波マグネトロンパッタリング装
置を用い、図1に示すように、基板1の上に下部誘電体
層2、記録層3、上部誘電体層4および反射層5を順に
積層・形成した。なお、下部誘電体層2、記録層3、上
部誘電体層4および反射層5の組成比はいずれも原子%
を示す。
【0071】すなわち、まず基板1の上に、(ZnS)
60(SiO240の組成の下部誘電体層2を180nm
の層厚で形成し、続いてその上に、In50Se45Co5
の組成の記録層3を30nmの層厚で形成した。そし
て、下部誘電体層2の上に、(ZnS)60(SiO2
40の組成の上部誘電体層4を25nmの層厚で形成し、
その上にAu97Co3の組成の反射層5を50nmの層
厚で形成した。
【0072】最後に、反射層5の上に紫外線硬化樹脂を
回転塗布し、これを紫外線の照射により硬化させて50
μmの厚さの有機物層6を形成した。こうして作製した
ディスク状の光情報記録媒体の断面構造を図1に示す。
【0073】(特性評価試験の条件)図1の構造を持つ
光情報記録媒体を「可逆(書き換え可能)型」として用
い、また光情報記録再生装置(光ディスクドライブ)を
用いて、次のようにして記録・消去・再生の各特性を評
価した。その際、光源として発光波長780nmの半導
体レーザを用い、媒体表面上での最大レーザ光パワーを
45mWとした。
【0074】まず、この光情報記録媒体の作製直後の状
態において前記のレーザ光を照射し、媒体の反射率を測
定したところ、18%と低かった。このため、媒体表面
上でのパワーが17mW相当のレーザ光を照射して全面
を初期化したところ、媒体の反射率は72%に上昇し
た。
【0075】次に、こうして初期化した光情報記録媒体
を光ディスクドライブにセットして一定線速度(1.4
m/s)で回転させ、そのドライブの光ヘッドに設けた
半導体レーザから得たレーザ光をその媒体の任意の半径
位置において記録層3に照射した。このレーザ光は、光
ヘッドに設けた開口数0.55の対物レンズで集光した
後、基板1を通して記録層3に照射した。
【0076】トラッキングは、記録層3に照射されたこ
のレーザ光の反射光を検出し、レーザ光スポットの中心
が隣接するトラッキング用スパイラル溝の中間に常に一
致するように、光ヘッドを制御して行なった。このよう
に隣接するスパイラル溝の中間を「記録トラック」とす
ることにより、スパイラル溝から発生するノイズの影響
を避けることができる。また、この光ヘッドのトラッキ
ングと同時に、記録層3上に焦点が常に位置するように
レーザ光の自動焦点合わせをした。
【0077】記録層3に結晶化によって情報を記録する
場合、適当なレーザパワーの範囲は、記録層3の結晶化
が起こる程度に高く、非晶質化が起こるより低い範囲で
ある。また、記録層3の非晶質化によって記録していた
情報を消去する場合、適当なレーザパワーの範囲は、結
晶化するパワーより高く、強い変形を生じたり穴があい
たりするパワーよりも低い範囲である。
【0078】ここでは、情報の記録および消去を、1ビ
ームによるオーバーライトで同時に行なうようにした。
この1ビーム・オーバーライトは、記録層3の結晶化を
起こす「中間パワーレベル」(媒体表面上30mW)
と、記録層3の非晶質化を起こす「高パワーレベル」
(媒体表面上16mW)との間で、レーザパワーを変調
することにより行なった。
【0079】「高パワーレベル」と「中間パワーレベ
ル」とのパワー比は、「高パワーレベル」を1とする
と、0.4〜0.8の範囲が特に好ましかった。
【0080】1ビームによるオーバーライトでは、既に
記録されている情報が1回転の間に新たな情報に書き換
えられる。しかし、書き換え時の最初の1回転または複
数回転で、「高パワーレベル」に近いパワーの連続レー
ザ光を照射して記録されている情報を消去した後、次の
1回転で「高パワーレベル」と「中間パワーレベル」と
の間で変調したレーザ光を照射して新たな情報を記録す
れば、記録されていた情報の消え残りが少なく、高い搬
送波対雑音比(C/N)が得られる。この場合、良好な
書き換えができるのは、最初に照射する連続レーザ光の
パワーが、「高パワーレベル」を1とすると0.8〜
1.1の範囲であった。
【0081】記録した情報の再生は、記録層3に変化を
与えない程度の「低パワーレベル」(1.0mW)の連
続レーザ光を記録層3に照射し、反射レーザ光の強弱を
検出して行なった。
【0082】ここでは、「高パワーレベル(30m
W)」と「中間パワーレベル(16mW)」の記録用レ
ーザ光を用いて、8−14変調(EFM)における11
Tの繰り返し信号(0.2MHz、デューティー50
%)と3Tの繰り返し信号(0.72MHz、デューテ
ィー50%)を交互にオーバーライトした。
【0083】(記録/再生特性の試験結果)「未記録
部」での媒体反射率Ro、「記録部」での媒体反射率Rw
を用いて、媒体の再生信号変調度Modを次のように定
義し、この再生信号変調度を用いて記録/再生特性を評
価した。
【0084】 Mod(%)=[|Ro−Rw|/Ro]×100 まず、記録層3にEFMでの11Tの繰り返し信号を記
録した。この場合、記録用レーザ光の照射部の反射率は
73%から21%へ変化した。すなわち、媒体の「未記
録部」の反射率は73%、「記録部」の反射率は21%
であった。また、その際の再生信号変調度は71%、再
生信号の搬送波対雑音比(C/N)(帯域10kHz)
は60dBであった。
【0085】次に、この上に、EFMでの3Tの繰り返
し信号をオーバーライトした。この場合の再生信号変調
度は61%、搬送波対雑音比(C/N)(帯域10kH
z)は58dB、前信号(11Tの繰り返し信号)の消
去比は30dBであった。また、この時の書き換え可能
回数は1000回以上であった。
【0086】よって、図1の光情報記録媒体では、記録
・消去感度が良好なため、記録用光ビームに安価な低出
力型の半導体レーザを光源として使用可能であり、記録
・消去・再生特性も優れていることが分かった。
【0087】また、記録した情報を、既に広く普及して
いるCD、LDなどの安価な再生専用装置で読み出すこ
とが可能であった。
【0088】(耐環境性)図1の構成の光情報記録媒体
を、温度60゜C、相対湿度95%の環境下に3000
時間放置し、その耐環境性を評価した。その結果、レー
ザ光に対する媒体の反射率/透過率の変化は見られなか
った。
【0089】また、線速度1.4m/sで、EFMでの
3Tの繰り返し信号をオーバーライトしてから、温度6
0゜C、相対湿度95%の環境下に3000時間放置
し、再生信号の変化を評価した。その結果、再生信号変
調度、搬送波対雑音比ともに変化は見られなかった。
【0090】この結果より、図1の構成の光情報記録媒
体は、前記のような悪環境下でも記録した情報の保持寿
命が長く、耐環境性に大変優れていることが分かった。
【0091】(反射層のCo含有量に対する特性変化)
図1のAu97Co3の組成を持つ反射層5において、C
o含有量を変化させた場合、反射層5の反射率は次のよ
うに変化した。また、線速度1.4m/sとした場合の
EFMでの11Tの繰り返し信号をオーバーライトした
場合、反射層5の298Kにおける電気抵抗率、反射層
5の298Kにおける熱伝導率、および記録パワー(高
パワーレベル)は、次のように変化した。
【0092】 Co含有量 反射率 電気抵抗率 熱伝導率 記録パワー (原子%) (%) (μΩ・cm) (W/m・K) (mW) 0 98 3 245 45mWで 記録できず 0.5 97.5 7 105 45 1 97 9 82 38 2 96 14 53 33 3 95 19 39 30 4 94 26 28 27 5 93 32 23 25 8 91 33 22 24.5 10 89 33 22 24 15 85 33 22 23 20 80 33 22 22 上記データより、Co含有量が0.5原子%未満の場合
は、反射層5の反射率は極めて高くなるが、298Kに
おける電気抵抗率が7μΩ・cm未満となるため、29
8Kにおける熱伝導率が105W/m・Kを越えた。そ
の結果、媒体面上のパワーが45mWのレーザ光では記
録することができなかった。
【0093】Co含有量が15原子%を越える場合は、
反射層5の反射率が85%未満となり、65%以上の媒
体反射率を得ることが困難であった。
【0094】Co含有量が1原子%以上、8原子%以下
の場合は、反射層5の反射率が91%以上と高いため、
65%を越える媒体反射率が得られた。
【0095】Co含有量が2原子%以上、5原子%以下
の場合は、媒体の反射率がいっそう高くなり、しかも、
電気抵抗率が14μΩ・cm以上と高いため、熱伝導率
が53W/m・K以下と低くなり、記録感度および消去
感度が良好であった。
【0096】(反射層の変形例1)反射層5のCoの一
部または全部を、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、
Mn、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、N
b、Mo、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、S
b、Te、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、
Pt、Tl、PbおよびBiのうちの少なくとも一元素
で置換しても、同様の結果が得られた。
【0097】これらの添加元素のうち、Co添加の場合
は、他の元素に比べて良好な記録感度および消去感度が
得られた。Pd添加の場合は、反射層5の耐酸化性が良
好であった。Ti添加の場合は、反射層5の結晶粒径が
小さく、低ノイズであった。Mo添加の場合は、反射層
5の密着性が良好で、書き換え可能型での消去比が大で
あった。
【0098】一方、Ni添加の場合は、反射層5の接着
力が他の添加元素の場合よりも弱く、書き換え可能型で
の書き換え回数に制限を受けた。Cr添加の場合は、反
射層5の表面の凹凸が他の添加元素の場合よりもやや大
きく、媒体ノイズがやや高かった。
【0099】(反射層の変形例2)図1のAu97Co3
の組成の反射層5に代えて、(Au)100-y(Ag)yまたは
(Au)100-y(Cu)y(ただしyは原子%で、15≦y≦
85)の組成の反射層を用いても、同様の結果が得られ
た。
【0100】(反射層の層厚)図1のAu97Co3の組
成の反射層5の層厚は、20nm以上、500nm以下
が好ましく、30nm以上、300nm以下がより好ま
しく、40nm以上、150nm以下が特に好ましかっ
た。20nm以上、500nm以下では、媒体反射率が
65%以上となり、半導体レーザでの記録も可能であっ
た。30nm以上、300nm以下では、反射率をより
高くでき、記録感度も高くなった。40nm以上、15
0nm以下では、十分高い反射率と記録感度が得られ
た。
【0101】(レーザ光の波長)光情報記録媒体の記録
再生装置(光ディスクドライブ)中の波長780nmの
半導体レーザ光の代わりに、波長830nmの半導体レ
ーザ光を用いると、図1の媒体の反射層5を除いた各
層、すなわち記録層3と上下の誘電体保護層2、4の層
厚をわずかに調整することにより、同様の記録・消去・
再生特性が得られた。
【0102】また、波長780nmの半導体レーザ光で
記録・消去したものを波長680nmと630nmの半
導体レーザ光を用いて再生したところ、図1の媒体の反
射層5を除いた各層、すなわち記録層3と上下の誘電体
保護層2、4の層厚をわずかに調整することにより、同
様の再生特性が得られた。
【0103】(記録層)図1の媒体のSeとInを主成
分とした記録層3(In50Se45Co5組成)におい
て、SeとInの代わりに、Sb、Sn、Te、Bi、
Si、Ge、Pb、Gaのうちの少なくとも一元素を主
成分とするカルコゲナイドを用いても、同様の結果が得
られた。
【0104】また、この記録層3にCo、Pd、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Auなどの
遷移金属を10原子%以下の量で添加すると、非晶質状
態の安定性が向上した。
【0105】上記カルコゲナイドのうち、SeとInを
主成分として含むカルコゲナイドでは、結晶状態と非晶
質状態との相転移を十分安定に多数回(1万回以上)繰
り返して行なうことができた。また、これに、Tlと、
Co、Pdなどの遷移金属の元素とを3原子%以上、1
0原子%以下だけ添加すると、オーバーライト時の消去
比がさらに向上した。
【0106】上記カルコゲナイドのうち、SeとSbを
主成分として含むカルコゲナイドでは、非晶質状態の安
定性を保持したまま記録時の結晶化を高速で行なうこと
ができ、記録層3の耐酸化性が著しく高かった。また、
これに、Sn、Si、Ge、Pbなどの4b属元素を添
加すると、非晶質状態の安定性をさらに高め、かつ記録
時の結晶化をより高速で行なうことができるようになっ
た。これは「追記型」媒体として好適である。
【0107】(上部および下部誘電体層)図1の下部誘
電体層2および上部誘電体層4に用いた(ZnS)−
(SiO2)系の誘電体層に代えて、レーザ光に対する
複素屈折率の虚数部(消衰係数)が0.2以下であるZ
nS、SiO2、SiO、CeO2、Al23、Ta
25、Y23、ZrO2、V25、TaN、Si34
AlNなど、あるいはこれらの混合物を用いると、それ
ぞれの光学定数に合わせて、これらの層厚を制御するだ
けで、同様の記録・消去特性が得られた。
【0108】(基板)ポリカーボネート板の表面に射出
成形法によってトラッキング用スパイラル溝を形成した
図1のレプリカ基板1に代えて、これと同様にして表面
にトラッキング用スパイラル溝を形成したポリオレフィ
ン基板を用いても同様の記録・消去・再生特性が得られ
た。また、化学強化ガラス板、ポリカーボネート板、ポ
リオレフィン板、エポキシ板、アクリル樹脂板などの表
面に、フォトポリメリゼイション法によってトラッキン
グ用スパイラル溝を有する紫外線硬化樹脂層を固着・形
成したレプリカ基板を用いても、同様の記録・消去・再
生特性が得られた。
【0109】[実施例2] (構成・製法)まず、直径120mm、厚さ1.2mm
のディスク状ポリカーボネート板の表面に、射出成形法
によって1.5μmピッチのトラッキング用スパイラル
溝を形成し、図2に示すレプリカ基板7を得た。
【0110】次に、高周波マグネトロンパッタリング装
置を用い、図2に示すように、基板7の上に下部誘電体
層8、下部反射層9、記録層10、上部誘電体層11お
よび上部反射層12を順に積層・形成した。なお、これ
らの層5の組成比はいずれも原子%を示す。
【0111】すなわち、まず、基板7の上に、Au50
50の組成の下部反射層8を15nmの層厚で形成し、
続いてその上に、(ZnS)80(SiO2)20の組成の
下部誘電体層9を35nmの層厚で形成し、さらにその
上にGe47Te47Sb6の組成の記録層10を20nm
の層厚で形成した。続いて、(ZnS)80(SiO2
20の組成の上部誘電体層11を40nmの層厚で形成
し、その上に、Au50Ag50の組成の上部反射層12を
70nmの層厚で形成した。
【0112】最後に、上部反射層12の上に紫外線硬化
樹脂を回転塗布し、これを紫外線の照射により硬化させ
て50μmの厚さの有機物層13を形成した。こうして
作製したディスク状の光情報記録媒体の断面構造を図2
に示す。
【0113】(特性評価試験の条件)図2の構造を持つ
光情報記録媒体を「可逆型」として用い、実施例1と同
様に、光源として発光波長780nmの半導体レーザを
用い、媒体表面上での最大レーザ光パワーを45mWと
して、記録・消去・再生の各特性を評価した。
【0114】まず、この光情報記録媒体の作製直後の状
態において前記のレーザ光(波長780nm)を照射
し、媒体の反射率を測定したところ、18%と低かっ
た。このため、媒体表面上でのパワーが17mW相当の
レーザ光を照射して全面を初期化したところ、媒体の反
射率は72%に上昇した。
【0115】次に、こうして初期化した光情報記録媒体
を一定線速度(2.8m/s)で回転させ、光ヘッドに
設けた半導体レーザから得たレーザ光をその媒体の任意
の半径位置において記録層10に照射した。レーザ光の
トラッキングと自動焦点合わせは、実施例1と同様にし
て行なった。
【0116】情報の記録および消去は、実施例1と同様
に、1ビームによるオーバーライトで同時に行なった。
記録層10の結晶化を起こす「中間パワーレベル(媒体
表面上31.5mW)」と、記録層3の非晶質化を起こ
す「高パワーレベル(媒体表面上17mW)」のレーザ
光を用いて、EFMでの11Tの繰り返し信号(0.4
MHz、デューティー50%)と3Tの繰り返し信号
(1.44MHz、デューティー50%)を交互にオー
バーライトした。
【0117】「低パワーレベル」の再生用の連続レーザ
光のパワーレベルは、1.0mWとした。
【0118】(記録/再生特性の試験結果)まず、EF
Mでの11Tの繰り返し信号を記録したところ、記録用
レーザ光照射部の反射率は72%から18%へ変化し
た。すなわち、媒体の「未記録部」の反射率は72%、
「記録部」の反射率は18%であった。また、その際の
再生信号変調度は75%、再生信号の搬送波対雑音比
(C/N)(帯域10kHz)は61dBであった。
【0119】次に、この上に、EFMでの3Tの繰り返
し信号をオーバーライトしたところ、再生信号変調度は
61%、搬送波対雑音比(C/N)(帯域10kHz)
は59dB、前信号(11Tの繰り返し信号)の消去比
は30dBであった。また、この時の書き換え可能回数
は1000回以上であった。
【0120】よって、図2の光情報記録媒体では、図1
の光情報記録媒体と同様に、記録・消去感度が良好なた
め、記録用光ビームに安価な低出力型の半導体レーザを
光源として使用可能であり、記録・消去・再生特性も優
れていることが分かった。
【0121】また、記録した情報を、既に広く普及して
いるCD、LDなどの安価な再生専用装置で読み出すこ
とが可能であった。
【0122】(耐環境性)図2の構成の光情報記録媒体
を、温度60゜C、相対湿度95%の環境下に3000
時間放置し、その耐環境性を評価した。その結果、レー
ザ光に対する媒体の反射率/透過率の変化は見られなか
った。
【0123】また、線速度5.6m/sで、EFMでの
3Tの繰り返し信号をオーバーライトしてから、温度6
0゜C、相対湿度95%の環境下に3000時間放置
し、再生信号の変化を評価した。その結果、再生信号変
調度、搬送波対雑音比ともに変化は見られなかった。
【0124】これらの結果より、図2の構成の光情報記
録媒体も、図1の光情報記録媒体と同様に、記録した情
報の保持寿命が長く、耐環境性に大変優れていることが
分かった。
【0125】(上部および下部反射層のAg含有量に対
する特性変化)図2のAu50Ag50の組成を持つ下部反
射層8および上部反射層12において、Ag含有量を変
化させた場合、上部反射層12の反射率は次のように変
化した。また、線速度を1.4m/sとした場合のEF
Mでの11Tの繰り返し信号をオーバーライトした場
合、上部反射層12の298Kにおける電気抵抗率、上
部反射層12の298Kにおける熱伝導率、および記録
パワー(高パワーレベル)は、次のように変化した。
【0126】 Ag含有量 反射率 電気抵抗率 熱伝導率 記録パワー (原子%) (%) (μΩ・cm) (W/m・K) (mW) 10 97 5 147 45mWで 記録できず 15 97 7 105 45 20 96.5 9 82 38 30 96.5 14 53 33 40 96 15.5 47 32 50 96 16 46 31.5 60 96 15.5 47 32 70 96.5 14 53 33 80 96.5 9.5 77 37.5 85 97 7 105 45 90 97 4.5 163 45mWで 記録できず 上記データより、Ag含有量が10原子%未満の場合と
90原子%を越える場合は、上部反射層12の298K
における電気抵抗率が7μΩ・cm未満となるため、上
部反射層12の298Kにおける熱伝導率が105W/
m・Kを越えた。その結果、媒体面上のパワーが45m
Wのレーザ光では前記信号を記録できなかった。
【0127】Ag含有量が15原子%以上、85原子%
以下の場合は、媒体の反射率が65%以上と高く、しか
も、電気抵抗率が7μΩ・cm以上と高いため熱伝導率
が105W/m・K以下と低い値が得られた。
【0128】Ag含有量が30原子%以上、70原子%
以下の場合は、媒体の反射率が65%以上と高く、しか
も、電気抵抗率が14μΩ・cm以上と高いため熱伝導
率が53W/m・K以下と低くなり、その結果、記録感
度および消去感度が良好であった。
【0129】(上部および下部反射層の変形例1)図2
のAu50Ag50の組成の下部反射層8および上部反射層
12において、(Au)100-y(Cu)y(ただしyは原子%
で、15≦y≦85)の組成の反射層を用いても、同様
の結果が得られた。
【0130】(上部および下部反射層の変形例2)図2
のAu50Ag50の組成の下部反射層8と上部反射層12
において、一般式(Au)100-x(A)x(ただし、xは原子
%で0.5≦x≦15の値であり、Aで表される元素は
Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、
Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Te、L
a、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、
PbおよびBiのうちの少なくとも一元素)の組成の反
射層を用いても、同様の結果が得られた。
【0131】(上部および下部反射層の層厚)図2のA
50Ag50の組成の上部反射層12の層厚は、20nm
以上、500nm以下が好ましく、30nm以上、30
0nm以下がより好ましく、40nm以上、150nm
以下が特に好ましかった。20nm以上、500nm以
下では媒体反射率が65%以上となり、前記レーザ光で
信号の記録が可能であった。30nm以上、300nm
以下では反射率をより高くでき、記録感度も高くなっ
た。40nm以上、150nm以下では反射率を十分高
くでき、記録感度も十分高くなった。
【0132】図2のAu50Ag50の組成の下部反射層8
の層厚は、2nm以上、40nm以下が好ましく、3n
m以上、30nm以下がより好ましく、5nm以上、2
0nm以下が特に好ましかった。2nm以上、40nm
以下では媒体反射率が65%以上となり、前記レーザ光
で信号の記録が可能であった。3nm以上、30nm以
下では反射率をより高くでき、記録感度も高くなった。
5nm以上、20nm以下では反射率を十分高くでき、
記録感度も十分高くなった。
【0133】下部反射層8と上部反射層12の組成が異
なっていても、それぞれの層厚が上記範囲内であれば、
同様の結果が得られた。
【0134】(レーザ光の波長)光ディスクドライブ中
の波長780nmの半導体レーザの代わりに、波長83
0nmの半導体レーザを用いると、図2の上部反射層1
2を除いた各層、すなわち下部誘電体層8、下部反射層
9、記録層10および上部誘電体層11の層厚をわずか
に調整することにより、同様の記録・消去・再生特性が
得られた。
【0135】また、波長780nmの半導体レーザ光で
記録・消去したものを波長680nmと630nmの半
導体レーザ光で再生したところ、図2の媒体の上部反射
層12を除いた各層、すなわち下部誘電体層8、下部反
射層9、記録層10および上部誘電体層11の層厚をわ
ずかに調整することにより、同様の再生特性が得られ
た。
【0136】(記録層)図2に媒体のGeとTeを主成
分とする組成の記録層10において、TeとGeとSb
を主成分とするカルコゲナイド、またはTeとInとS
bを主成分とするカルコゲナイドを用いても、同様の結
果が得られた。
【0137】また、記録層10に、Co、Pd、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Auなどの
遷移金属を10原子%以下の量で添加すると、非晶質状
態の安定性が向上し、記録点の保存寿命が長くなった。
【0138】(上部および下部誘電体層)図1の下部誘
電体層2および上部誘電体層4に用いた(ZnS)−
(SiO2)系の誘電体層に代えて、レーザ光に対する
複素屈折率の虚数部(消衰係数)が0.2以下であるZ
nS、SiO2、SiO、CeO2、Al23、Ta
25、Y23、ZrO2、V25、TaN、Si34
AlNなど、あるいはこれらの混合物を用いると、それ
ぞれの光学定数に合わせて、これらの層厚を制御するだ
けで、同様の記録・消去特性が得られた。
【0139】(基板)ポリカーボネート板の表面に射出
成形法によってトラッキング用スパイラル溝を形成した
図2のレプリカ基板7に代えて、これと同様にして表面
にトラッキング用スパイラル溝を形成したポリオレフィ
ン基板を用いても同様の記録・消去・再生特性が得られ
た。
【0140】また、化学強化ガラス板、ポリカーボネー
ト板、ポリオレフィン板、エポキシ板、アクリル樹脂板
などの表面に、フォトポリメリゼイション法によってト
ラッキング用スパイラル溝を有する紫外線硬化樹脂層を
固着・形成したレプリカ基板を用いても、同様の記録・
消去・再生特性が得られた。
【0141】[実施例3] (構成・製法)まず、直径120mm、厚さ1.2mm
のディスク状ポリカーボネート板の表面に、射出成形法
によって1.5μmピッチのトラッキング用スパイラル
溝を形成し、図3に示すレプリカ基板14を得た。
【0142】次に、レプリカ基板14上に、回転塗布法
を用いて色素の一種であるフタロシアニンを70nmの
厚さに塗布し、記録層15を形成した。
【0143】続いて、記録層15の上に、高周波マグネ
トロンパッタリング装置を用いて、原子%でAu97Co
3の組成の反射層16を50nmの層厚に形成した。
【0144】最後に、反射層16の上に、紫外線硬化樹
脂を回転塗布し、これを紫外線の照射により硬化させて
50μmの厚さの有機物層17を形成した。こうして作
製したディスク状の光情報記録媒体の断面構造を図3に
示す。
【0145】(特性評価試験の条件)図3の構造を持つ
光情報記録媒体を「追記型」として用い、次のようにし
て記録・再生特性を評価した。
【0146】すなわち、図3の構造を持つ光情報記録媒
体を一定線速度(5.6m/s)で回転させ、実施例1
と同様に、光源として発光波長780nmの半導体レー
ザを用い、媒体表面上での最大レーザ光パワーを45m
Wとした。光ヘッドに設けた半導体レーザから得たレー
ザ光をその媒体の任意の半径位置において記録層15に
照射した。このレーザ光は、光ヘッドに設けた開口数
0.55の対物レンズで集光した後、基板14を通して
記録層15に照射した。また、実施例1と同様にして、
トラッキングとレーザ光の自動焦点合わせを行なった。
【0147】情報の記録は、レーザ光のパワーを、記録
層15に変化を与えない程度の「低パワーレベル(再生
パワーレベル)」(媒体表面上1.0mW)と、熱変形
により記録層15に情報が記録される程度の「高パワー
レベル(記録パワーレベル)」(媒体表面上9mW)と
の間で変化させることにより行なった。
【0148】記録した情報の再生は、再生パワーレベル
(媒体表面上1.0mW)の連続レーザ光を記録層15
に照射し、この反射光の強弱を検出して行なった。
【0149】EFMでの11Tの繰り返し信号(0.8
MHz、デューティー50%)を記録したところ、記録
用レーザ光の照射部、すなわち「記録部」の反射率は7
1%から24%に変化した。すなわち、媒体の「未記録
部」の反射率は71%、「記録部」の反射率は24%で
あった。
【0150】また、その際の再生信号変調度は67%、
再生信号の搬送波対雑音比(C/N)(帯域10kH
z)は57dBであった。
【0151】(記録層)図3のフタロシアニン色素から
なる記録層15において、フタロシアニン色素層に代え
て、ポリメチン色素、ナフトキノン色素、ローダミン染
料、シアニン色素、アズレニウム色素、大環状アザアヌ
レン系色素、ナフトキノン系色素のうち、少なくとも1
つを主成分とする色素層を用いても、同様の結果が得ら
れた。
【0152】(反射層の変形例2)図3のAu97Co3
の組成の反射層16において、Co含有量を変化させた
場合、次のような結果が得られた。
【0153】Co含有量が0.5原子%未満の場合、記
録感度が大きく低下した。また、Co含有量が15原子
%を越える場合は、反射層の反射率が85%未満とな
り、媒体反射率が65%以上となることが困難であっ
た。よって、Co含有量が0.5原子%以上、15原子
%以下の範囲で、再生用光ビームに対する反射率が65
%以上となり、且つ、温度298Kにおける電気抵抗率
が7μΩ・cm以上となることが分かった。
【0154】Co含有量が1原子%以上、8原子%以下
の場合は、0.5原子%以上、15原子%以下の場合よ
りも反射層の反射率が高くなり、媒体反射率をいっそう
高めることができた。
【0155】Co含有量が2原子%以上、5原子%以下
の場合は、1原子%以上、8原子%以下の場合よりも、
媒体反射率がいっそう高く、かつ、電気抵抗率が高いた
めに熱伝導率が低く、記録感度が良好であった。
【0156】(反射層の変形例1)図3のAu97Co3
の組成の反射層16において、Coの一部または全部
を、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、
Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、R
u、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Te、L
a、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、
PbおよびBiのうちの少なくとも一元素で置換して
も、同様の結果が得られた。
【0157】これらの添加元素のうち、Co添加の場合
は、他の元素に比べて記録感度が良好であった。Pd添
加の場合は、反射層16の耐酸化性が良好であった。T
i添加の場合は、反射層16の結晶粒径が小さく、低ノ
イズであった。Mo添加の場合は、反射層16の密着性
が良好で、耐環境性が良好であった。
【0158】(反射層の変形例2)図3のAu97Co3
の組成の反射層16に代えて、(Au)100-y(Ag)yまた
は(Au)100-y(Cu)y(ただしyは原子%で、15≦y
≦85)の組成の反射層を用いても、同様の結果が得ら
れた。
【0159】(反射層の層厚)図3のAu97Co3の組
成の反射層16の膜厚は、20nm以上、500nm以
下が好ましく、30nm以上、300nm以下がより好
ましく、40nm以上、150nm以下が特に好ましか
った。20nm以上、500nm以下では、媒体反射率
が65%以上となり、半導体レーザでの記録も可能であ
った。30nm以上、300nm以下では、反射率をよ
り高くでき、記録感度も高くなった。40nm以上、1
50nm以下では、十分高い反射率と記録感度が得られ
た。
【0160】
【発明の効果】この発明によれば、記録用光源として安
価な低出力の半導体レーザを用いることができると共
に、記録した情報を広く普及している再生専用型の光情
報記録媒体用の再生装置で再生することができる追記/
書き換え可能な光情報記録媒体を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の光情報記録媒体(可逆
型)の構造を示す部分断面図である。
【図2】この発明の第2実施例の光情報記録媒体(可逆
型)の構造を示す部分断面図である。
【図3】この発明の第3実施例の光情報記録媒体(追記
型)の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1,7,14 基板 2,9 下部誘電体 3,10,15 記録層 4,11 上部誘電体 5,16 反射層 6,13,17 有機物層 8 下部反射層 12 上部反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀籠 信吉 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に直接もしくは第1中間層を介し
    て形成された、記録用光ビームの照射を受けて情報を記
    録する記録層と、前記記録層上に直接または第2中間層
    を介して形成された、前記記録用光ビームを反射する反
    射層とを備えてなる光情報記録媒体において、 前記反射層は、再生用光ビームに対する反射率が85%
    以上、温度298Kにおける電気抵抗率が7μΩ・cm
    以上であり、 前記基板側から照射された前記再生用光ビームに対する
    前記光情報記録媒体の反射率が、(a)未記録部で65
    %以上、記録部で45%以下、および(b)未記録部で
    45%以下、記録部で65%以上のいずれかであること
    を特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記再生用光ビームに対する前記媒体の
    反射率が、未記録部で70%以上、記録部で28%以下
    である請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記反射層の層厚方向の平均組成が、一
    般式(Au)100-x(A)xで表わされ、前記xは原子%で
    0.5≦x≦15の値であり、前記Aで表される元素は
    Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
    o、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、
    Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Te、L
    a、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、
    PbおよびBiよりなる群から選ばれる少なくとも一つ
    の元素である請求項1または2に記載の光情報記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記xが1≦x≦8の値である請求項3
    に記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記xが2≦x≦5の値である請求項3
    に記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記Aで表される元素がCoである請求
    項3〜5のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記Aで表される元素がPdである請求
    項3〜5のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記Aで表される元素がTiである請求
    項3〜5のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記Aで表される元素がMoである請求
    項3〜5のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記反射層の層厚方向の平均組成が、
    一般式(Au)100-y(D)yで表され、前記yは原子%で1
    5≦y≦85の値であり、前記Dで表わされる元素はA
    gおよびCuから選ばれる少なくとも一つの元素である
    請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記yが30≦y≦70の値である請
    求項10に記載の光情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記Dで表される元素がAgである請
    求項10または11に記載の光情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記記録層が、前記記録用光ビームの
    照射を受けて形状変化する物質からなり、その形状変化
    により情報が記録される請求項1〜12のいずれかに記
    載の光情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記記録層が前記基板の上に直接形成
    され、前記反射層が前記記録層の上に直接形成されてい
    て、前記記録層が色素を主成分として含んでいる請求項
    1〜13のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記記録層が、記録用光ビームの照射
    を受けて形状変化を伴わずに原子配列変化が生じ、且つ
    その原始配列変化に起因して光学定数が変化する無機物
    質からなり、その原始配列の変化により情報が記録され
    る請求項1〜12のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記記録層が、前記第1中間層として
    の第1誘電体保護層を介して前記基板の上に形成され、
    また前記反射層が、前記第2中間層としての第2誘電体
    保護層を介して前記記録層の上に形成されていて、前記
    記録層がSeおよびTeのうち少なくとも1元素を含有
    している請求項1〜12のいずれか、または請求項15
    に記載の光情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 前記第1中間層として第1誘電体保護
    層および第2反射層を含んでおり、前記記録層の上に前
    記第2反射層が形成され、その第2反射層の上に前記第
    1誘電体保護層が形成され、その第1誘電体層の上に前
    記記録層が形成されており、また、前記反射層は、前記
    第2中間層としての第2誘電体保護層を介して前記記録
    層の上に形成されており、さらに、前記記録層がSeお
    よびTeのうち少なくとも1元素を含有している請求項
    1〜12のいずれか、または請求項15に記載の光情報
    記録媒体。
  18. 【請求項18】 前記反射層の層厚が20nm以上、5
    00nm以下である請求項1〜17のいずれかに記載の
    光情報記録媒体。
  19. 【請求項19】 前記第2反射層の層厚が2nm以上、
    40nm以下である請求項17に記載の光情報記録媒
    体。
  20. 【請求項20】 前記基板が、再生専用型のデータを凹
    または凸状のプリピットの形で備えている請求項1〜1
    9のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  21. 【請求項21】 前記記録用光ビームおよび再生用光ビ
    ームがいずれも、600nm以上、900nm以下の波
    長を有する半導体レーザ光のビームである請求項1〜2
    0のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  22. 【請求項22】 前記記録用光ビームと前記再生用光ビ
    ームとが、同一の半導体レーザから照射される請求項1
    〜21のいずれかに記載の光情報記録媒体。
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