JPH08221030A - 電子源の駆動装置、画像形成装置およびそれらの方法 - Google Patents

電子源の駆動装置、画像形成装置およびそれらの方法

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JPH08221030A
JPH08221030A JP2420295A JP2420295A JPH08221030A JP H08221030 A JPH08221030 A JP H08221030A JP 2420295 A JP2420295 A JP 2420295A JP 2420295 A JP2420295 A JP 2420295A JP H08221030 A JPH08221030 A JP H08221030A
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column group
electron
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JP2420295A
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Osamu Sagano
治 嵯峨野
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子放出量の分布の偏りを低減することがで
きる電子源の駆動装置および輝度分布の偏りを低減する
ことができる画像形成装置などを提供する。 【構成】 駆動制御回路1001は、入力された画像信号に
基づいて、一画面ごとに交互に、走査信号駆動部1003ま
たは1004へ走査制御信号を入力するとともに、これに同
期して、データ信号駆動部1002へデータ信号を出力す
る。走査信号駆動部1003または1004は、入力された走査
制御信号に基づいて、表面伝導型電子放出素子1005の素
子列群を一行ずつ、その行の一方の入力端から駆動す
る。データ信号駆動部1002は、入力されたデータ信号に
基づく信号を、素子1005から放出された電子ビームを制
御するグリッド13へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子源の駆動装置、画像
形成装置およびそれらの方法に関し、例えば、複数の冷
陰極電子源を配置した電子源を駆動する装置およびその
方法と、その電子源を用いる画像形成装置およびその方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極
素子の二種類がある。このうち冷陰極素子には、例え
ば、電界放出型素子(以下「FE型」と記す)、金属/絶
縁層/金属型放出素子(以下「MIM型」と記す)や表面伝
導型電子放出素子などがある。
【0003】FE型の例としては、例えば、W.P.Dyke &
W.W.Dolan, "Field emission", Advance in Electron P
hysics, 8, 89(1956)などがある。
【0004】また、MIM型の例としては、例えば、C.A.M
ead, "The tunnel-emission amplifier", J.Appl.Phy
s., 32, 646(1961)や、あるいは、C.A.Spindt, "Physic
al properties of thin-film field emission cathodes
with molybdenium cones", J.Appl.Phys., 47, 52488
(1976)などがある。
【0005】また、表面伝導型電子放出素子としては、
例えば、M.I.Elinson, Radio Eng.Electron Phys., 10,
(1965)や、後述する他の例がある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生じる現象を利用したものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinsonなど
によるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer: "Thin Solid Films", 9, 317(1972)]、In2
O3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:
"IEEE Trans. ED Conf.", 519(1975)]やカーボン薄膜
によるもの[荒木久他: 真空、第26巻、第1号、22(198
3)]などが報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の素子構
成の典型的な例として、図1に前述のHartwellなどによ
る素子の平面図を示す。同図において、3001は基板、30
04はスパッタで形成された金属酸化物からなる導電性薄
膜である。導電性薄膜3004は、図に示すように、H字形
の平面形状に形成されている。この導電性薄膜3004に後
述する通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すこと
により、電子放出部3005が形成される。図中の距離Lは
0.5〜1mm、Wは0.1mmに設定されている。なお、図示の便
宜から、電子放出部3005を導電性薄膜3004の中央に矩形
の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の
電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけでは
ない。
【0008】Hartwellなどによる素子をはじめとして、
上述の表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を
行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するの
が一般的である。すなわち、通電フォーミングとは、導
電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例え
ば1V/分程度の非常に緩いレートで昇圧する直流電圧を
印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊もしく
は変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電
子放出部3005を形成することである。なお、局所的に破
壊もしくは変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部
には、亀裂が発生する。この通電フォーミング後に、導
電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記の
亀裂付近において電子放出が行われる。
【0009】前記のフォーミング処理を施した後、表面
伝導型電子放出素子の電子放出部3005を含む導電性薄膜
3004に電圧を印加して、素子表面に電流を流すことによ
り、電子放出部3005から電子が放出される。
【0010】さらに、通常、フォーミング工程の終了後
に「活性化」と呼ばれる工程が導入される。この工程の
目的は、フォーミング処理により高抵抗化された表面伝
導型電子放出素子に一定の電圧を所定時間通電すること
によって、その電子放出量を増加させることである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した技術
においては、次のような問題点がある。
【0012】上述した表面伝導型電子放出素子を多数
個、電気的に並列に配線したマルチ電子源において、そ
の配線の抵抗分の影響によって生じる電圧降下のため
に、各素子に印加される電圧はその給電端から遠い素子
ほど小さくなり、その結果、各素子から放出される電子
の電流量分布が一様にならないという問題がある。そし
て、このマルチ電子源を画像表示装置に応用した場合
は、配線抵抗によって生じる電圧降下のために、各素子
毎に印加される電圧が走査信号(駆動信号)の給電端か
ら遠い素子ほど小さくなり、その結果、各素子から放出
される電子の電流量分布が一様にならず、表示される画
像に輝度分布が生じる問題がある。
【0013】図2と図3はその端部に給電端子をもつ二本
の平行する配線間にM列の電子放出素子を並列配置した
構成を一行として、それをN行平行に並べたマルチ電子
源を示す図である。この構成において、各行の電子放出
素子は、二本の配線間に電圧を印加することにより駆動
され、電子を放出する。
【0014】まず、図2は一行目に配設された素子を駆
動するために、一行目の上側走査端子201に所定電圧
(例えば14V)を印加し、下側走査端子202を接地する。
各素子は、詳細は後述するが、その印加電圧に対してそ
れぞれほぼ等しい電子放出特性を有する。従って、ある
素子に対応する蛍光体の発光輝度は、その素子からの電
子放出量にほぼ比例するから、印加電圧と発光輝度との
関係も同じ傾向を示すことになる。図3は二行目に配設
された素子を駆動する状態を示している。このようにし
て各行毎に電圧を印加することにより、順次、一行毎に
電子を放出させる行を走査する。
【0015】このような方法で素子に電圧を印加すれ
ば、配線抵抗が零である場合、これらの素子それぞれに
等しい電圧が印加され、どの素子からの電子放出量も互
いに等しくなるはずである。しかし実際は、給電端に近
い素子には、走査端子201,202に印加した電圧がほぼそ
のまま加わるが、給電端から遠い素子には、配線抵抗分
によって電圧降下した電圧が加わることになる。これに
対応して、素子から放出される電子量も給電端から遠い
素子ほど少なくなるので、このマルチ電子源を画像表示
装置に応用した場合は、電子放出量の分布が輝度分布に
影響を与えることになる。
【0016】このように、配線抵抗の影響により各素子
からの電子放出量に分布に偏りが生じてしまい、表面伝
導型電子放出素子をマルチ電子源として利用する場合
に、極めて不都合である。さらに、このマルチ電子源を
画像表示装置に応用する場合も、配線抵抗の影響により
輝度分布に偏りが生じる不都合がある。なお、以下で
は、この「電子放出量分布の偏り」を単に「電子放出量
の分布」と表現することがある。同様に、この「輝度分
布の偏り」を単に「輝度分布」と表現することがある。
【0017】本発明は、上述の問題を解決するためのも
のであり、電子放出量の分布の偏りを低減することがで
きる電子源の駆動装置および電子源の駆動方法と、輝度
分布の偏りを低減することができる画像形成装置および
画像形成方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】および
【作用】本発明は、前記の目的を達成する一手段とし
て、以下の構成を備える。
【0019】本発明にかかる電子源の駆動装置は、その
両端部それぞれに入力端をもつ略平行の少なくとも二本
の配線間に複数の冷陰極電子源を電気的に並列接続した
素子列と、複数の前記素子列を配置して前記冷陰極電子
源をN行M列のマトリクス状に配置した素子列群と、前記
素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して設けたグ
リッドとを備えた電子源の駆動装置であって、前記素子
列群のN行を一行ずつ走査する走査手段と、前記走査手
段により走査される行の前記入力端の何れか一方に所定
電圧を入力する入力手段と、前記入力手段により前記所
定電圧を入力する入力端を所定時間ごとに切替える切替
手段と、前記走査手段による走査に同期して前記グリッ
ドに信号を供給する供給手段とを有することを特徴とす
る。
【0020】また、本発明にかかる画像形成装置は、そ
の両端部それぞれに入力端をもつ略平行の少なくとも二
本の配線間に複数の冷陰極電子源を電気的に並列接続し
た素子列と、複数の前記素子列を配置して前記冷陰極電
子源をN行M列のマトリクス状に配置した素子列群と、前
記素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して設けた
グリッドとを有する電子源と、前記素子列群のN行を一
行ずつ走査する走査手段と、前記走査手段により走査さ
れる行の前記入力端の何れか一方に所定電圧を入力する
入力手段と、前記入力手段により前記所定電圧を入力す
る入力端を前記素子列群の所定行数ごとに切替える切替
手段と、前記走査手段による走査に同期して前記グリッ
ドに信号を供給する供給手段とを有する駆動装置とを備
えた画像形成装置であって、さらに、前記電子源から放
出される電子の電荷に応じて可視光を発する発光手段を
有することを特徴とする。
【0021】また、本発明にかかる電子源の駆動方法
は、その両端部それぞれに入力端をもつ略平行の少なく
とも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を電気的に並列
接続した素子列と、複数の前記素子列を配置して前記冷
陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置した素子列群
と、前記素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して
設けたグリッドとを備えた電子源の駆動方法であって、
前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査ステップ
と、前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れ
か一方に所定電圧を入力する入力ステップと、前記入力
ステップで前記所定電圧を入力する入力端を前記素子列
群の所定行数ごとに切替える切替ステップと、前記走査
ステップによる走査に同期して前記グリッドに信号を供
給する供給ステップとを有することを特徴とする。
【0022】また、本発明にかかる画像形成方法は、そ
の両端部それぞれに入力端をもつ略平行の少なくとも二
本の配線間に複数の冷陰極電子源を電気的に並列接続し
た素子列と、複数の前記素子列を配置して前記冷陰極電
子源をN行M列のマトリクス状に配置した素子列群と、前
記素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して設けた
グリッドと、前記グリッドの上方に前記冷陰極電子源そ
れぞれに対応して設けた蛍光体とを備えた画像形成装置
の画像形成方法であって、入力された画像信号に基づい
て前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査ステップ
と、前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れ
か一方に所定電圧を入力する入力ステップと、前記入力
ステップで前記所定電圧を入力する入力端を所定時間ご
とに切替える切替ステップと、前記走査ステップによる
走査に同期して前記グリッドに前記画像信号に基づく信
号を供給する供給ステップとを有することを特徴とす
る。
【0023】
【実施例】次に、本発明を適用するのに好ましい電子源
および画像形成装置の実施例を説明する。なお、本発明
は、冷陰極電子源の中でも、表面伝導型電子放出素子を
用いたグリッド方式のマルチ電子源およびその応用であ
る画像形成装置において、とくに優れた効果がある。ま
た、表面伝導型電子放出素子の代表的な構成、製造方法
および特性については、例えば特開平2-56822に開示さ
れている。
【0024】以下に、本発明にかかる表面伝導型電子放
出素子の基本的な構成と製造方法および特性について概
説する。
【0025】図4Aおよび4Bはそれぞれ、本実施例にかか
る基本的な表面伝導型電子放出素子の構成を示す平面図
および断面図である。同図において、1は絶縁性基板、5
と6は素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放
出部である。
【0026】薄膜4のうち電子放出部3は粒径が数nmの電
気伝導性粒子からなり、電子放出部3以外の薄膜4は微粒
子膜よりなる。なお、ここで述べる微粒子膜とは複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造としては、微
粒子が個々に分散した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接あるいは重なり合った状態(島状を含む)の膜を指
す。
【0027】電子放出部3を含む薄膜4の具体例として
は、Pd, Ru, Ag, Au, Ti, In, Cu, Cr, Fe, Zn, Sn, T
a, W, Pbなどの金属、PdO, SnO2, In2O3, PbO, Sb2O3な
どの酸化物、HfB2, ZrB2, LaB6, CeB6, YB4, GdB4など
の硼化物、TiC, ZrC, HfC, TaC,SiC, WCなどの炭化物、
TiN, ZrN, HfNなどの窒化物、Si, Geなどの半導体、さ
らにはカーボン、AgMg, NiCu, PbSnなどである。また、
薄膜4の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、化学的気相成長法(CVD)、分散塗布法、ディッピ
ング法、スピナ法などがある。
【0028】電子放出部3を有する電子放出素子の製造
方法としては様々な方法が考えられるが、図5Aから5Cは
その一例を示す図である。同図において、2は電子放出
部形成用薄膜で、例えば微粒子膜があげられる。以下、
図4Aと4Bおよび図5Aから5Cに基づいて、製造方法を順を
追って説明する。
【0029】工程1: 絶縁性基板1を洗剤、純水および有
機溶剤により充分に洗浄した後、真空蒸着法、スパッタ
法などにより素子電極材料を堆積し、フォトリソグラフ
ィ技術によりその絶縁性基板1の面上に素子電極5と6を
形成する(図5A)。素子電極5,6の材料としては、伝導
性を有するものであればどのようなものでも構わない
が、例えばニッケル金属があげられる。素子電極間隔L1
は約2μm、素子電極長さW1は約300μm、素子電極5,6の
膜厚dは約100nmである。
【0030】工程2: 絶縁性基板1上に形成した素子電極
5と6の間、および、素子電極5と6を形成した絶縁性基板
1上に、有機金属溶液を塗布して放置することにより、
有機金属薄膜を形成する。なお、有機金属溶液とは、前
述したPd, Ru, Ag, Au, Ti,In, Cu, Cr, Fe, Zn, Sn, T
a, W, Pbなどの金属を元素とする有機化合物の溶液であ
る。この後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオ
フ、エッチングなどによりパターニングし、電子放出部
形成用薄膜2を形成する(図5B)。
【0031】工程3: 続いて、フォーミングと呼ばれる
通電処理、つまり、素子電極5と6の間に、電圧を不図示
の電源によりパルス状あるいは高速の昇圧レートで印加
することにより行うと、電子放出部形成用薄膜2の所定
部位に構造が変化した電子放出部3が形成される(図5
C)。言い換えれば、この通電処理により、電子放出部
形成用薄膜2を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、構造が変化した部位を電子放出部3と呼ぶ。なお、
先に説明したように、電子放出部3は導電性微粒子で構
成されていることを本出願人らは観察している。
【0032】次に、上述したような素子構成と製造方法
によって作成された電子放出素子の基本特性について説
明する。
【0033】図6は図4Aと4Bに示した構成を有する素子
の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構
成図で、31は素子に素子電圧Vfを印加するための電源、
30は素子電極5と6の間の電子放出部3を含む薄膜4を流れ
る素子電流Ifを測定するための電流計、34は素子の電子
放出部3より放出された放出電流Ieを捕捉するためのア
ノード電極、33はアノード電極34に電圧を印加するため
の高圧電源、32は素子の電子放出部3より放出された放
出電流Ieを測定するための電流計である。
【0034】電子放出素子の素子電流If、放出電流Ieの
測定に当っては、素子電極5と6に電源31と電流計30とを
接続し、電子放出素子の上方に高圧電源33と電流計32と
を接続したアノード電極34を配置する。また、電子放出
素子およびアノード電極34は真空装置235内に設置さ
れ、その真空装置235には不図示の排気ポンプおよび真
空計などの真空装置に必要な機器が備えられていて、所
望の真空下で本素子の測定評価を行えるようになってい
る。なお、アノード電極34の電圧を1kVから10kV、アノ
ード電極34と電子放出素子との距離Hを3mmから8mmの範
囲に設定して測定を行う。
【0035】図7は図6に示した測定評価装置により測定
された放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を示す図である。なお、IfとIeの大きさは
著しく異なる(放出電流Ieは素子電流Ifのおよそ1/1,00
0程度である)ので、図7にはそれらを任意単位で示す。
図7から明らかなように、本実施例の電子放出素子は放
出電流Ieに対する三つの特性を有する。
【0036】まず、第一に、本電子放出素子はある電圧
Vth(「閾値電圧」と呼ぶ)以上の素子電圧Vfを印加す
ると、急激に放出電流Ieが増加し、一方、閾値電圧Vth
以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわ
ち、放出電流Ieに対する明確な閾値電圧Vthをもった非
線形素子である。
【0037】第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依存す
るため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
【0038】第三に、アノード電極34に捕捉される放出
電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。すなわ
ち、アノード電極34に捕捉される電荷量は、素子電圧Vf
を印加する時間により制御できる。以上のような特性を
有するため、本電子放出素子は、多方面への応用が期待
できる。
【0039】また、図7には素子電流Ifが素子電圧Vfに
対して単調増加する(MI)特性の一例を示したが、この他
にも、素子電流Ifが素子電圧Vfに対して負の特性、つま
り電圧制御型負性抵抗(「VCNR特性」と呼ぶ)特性を示
す場合もある。なお、この場合も、本電子放出素子は上
述した三つの特性上の特徴を有する。
【0040】本電子放出素子の製造方法は、以上説明し
た基本的な製造方法に限ることなく、基本的な素子構成
の基本的な製造方法のうち一部を変更してもよい。
【0041】図8は本発明を適用する画像形成装置の代
表的な構成例を示す図である。同図は、例えば、上述し
た特開平2-56822に開示された製造方法により作成され
る電子放出素子を多数並列に配置し、個々の素子の両端
を行方向配線18にそれぞれ結線した行を多数配列した基
板1をリアプレート17の上に固定した後、基板1の上方
に、電子通過孔を有するグリッド13を、素子の配置方向
に直交させて配置したものである。さらに、グリッド13
の上方、基板1の約5mm上方には、フェースプレート12
(ガラス基板の内面に蛍光体膜とメタルバックとが形成
されている)を支持枠14を介して配置し、フェースプレ
ート12と支持枠14の接合部および支持枠14とリアプレー
ト17の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中もしく
は窒素雰囲気中にて400℃〜500℃で10分間以上焼成する
ことにより封着する。また、リアプレート17へ基板1を
固定する場合もフリットガラスで行う。なお、図8に
は、フェースプレート12、支持枠14、リアプレート17に
より外囲器を構成する例を示したが、リアプレート17は
主に基板1の強度を補う目的で設けるので、基板1自体に
充分な強度がある場合には、リアプレート17は不要であ
り、基体1に支持枠14を直
【0042】接封着して、フェースレプート12、支持枠
14、基板1によって外囲器を構成してもよい。
【0043】また、通常、蛍光体膜の内面側(素子側)
にメタルバックを設けるが、メタルバックの目的は、蛍
光体で発光され内面側へ向かう光をフェースプレート12
側へ鏡面反射して発光輝度を向上すること、電子ビーム
加速電圧を印加するための電極として作用させること、
外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから
の蛍光体を保護するなどである。なお、メタルバック
は、蛍光体膜作成して、蛍光体膜の内側面に平滑処理
(通常「フィルミング」と呼ばれる)を行った後、Al
(アルミ)を真空蒸着することで作成する。フェースプ
レート12には、さらに蛍光体膜の伝導性を高めるため、
蛍光体膜の外面側に透明電極を設ける場合もある。
【0044】前述した封着を行う際に、カラー画像形成
装置の場合には、各色に対応する蛍光体と電子放出素子
との位置合わせを充分に行う必要がある。このようにし
て作成した容器内の雰囲気を、排気管(不図示)を通じ
て真空ポンプにより排気して、容器内が充分な真空度に
達した後、容器外端子15と16を通じて素子電極5と6間に
電圧を印加し、前述したフォーミング処理を施して、電
子放出部3を形成する。
【0045】最後に、10^(-6)Torr程度の真空度で、排
気管を熱し溶着して外囲器の封止を行い、画像形成装置
が完成する。さらに、封止後の真空度を維持するため
に、ゲッタ処理なる工程を実施する。これは、封止を行
う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱
などにより、画像形成装置の所定位置(不図示)に配設
されたゲッタを加熱して蒸着膜を形成する処理である。
ゲッタは、通常、Baなどが主成分であり、この蒸着膜の
吸着作用により真空度を維持することができる。
【0046】勿論、上述した構成は画像形成装置を作成
する上で必要な構成の概略であり、各部材の材料などは
上述の内容に限るものではない。
【0047】このような構成の画像形成装置において、
各電子放出素子に容器外端子15と16を通じて電圧を印加
することにより電子を放出させる。こうして放出された
電子は電子ビーム変調用のグリッド(変調電極)13の電
子通過孔を通過した後、高圧端子Hvを通じてメタルバッ
ク1009あるいは透明電極(不図示)に印加された数kV以
上の高圧により加速されて蛍光膜1008に衝突し、これに
より蛍光体92を励起・発光させる。その際、画像信号に
応じた電圧を、容器外端子(不図示)を通じてグリッド
13に印加することにより、電子通過孔を通過する電子ビ
ームを制御して画像を形成する。
【0048】図9Aと9Bは蛍光体膜の一例で、モノクロー
ム表示の場合には蛍光体92のみからなるが、カラー表示
の場合は蛍光体92の配列によりブラックストライプある
いはブラックマトリクスと呼ばれる黒色導電材91と蛍光
体92により構成する。黒色導電材91を設ける目的は、カ
ラー表示の場合に必要になる三原色蛍光体の各蛍光体92
の塗分け部分を黒くすることにより、混色などを目立た
なくすること、蛍光体膜における外光反射によるコント
ラストの低下を抑制することなどである。黒色導電材91
としては、通常、黒鉛を主成分とするものを用いるが、
これに限るものではなく、電気伝導性があり、光の透過
および反射が少ない材料であればよい。なお、ガラス基
板に蛍光体92を塗布するには、モノクロームの場合は沈
殿法、印刷法などを用いる。また、カラーの場合はスラ
リ法などを用いるが、勿論、カラーの場合であっても印
刷法などを用いることも可能である。
【0049】
【第1実施例】以下、本発明にかかる一実施例の画像形
成装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0050】次に説明する第1実施例は、走査信号(駆
動信号)を入力する端子を、時間的に、画像形成装置の
左端または右端に交互に切替えることにより、一つの行
の上に配列された素子における、配線の抵抗分によって
生じる電子放出量の分布および輝度の分布を改善しよう
とするものである。
【0051】図10は冷陰極電子源の一例として表面伝導
型電子放出素子を配置し、電子ビームをグリッド方式で
制御するマルチ電子源およびその駆動回路の構成例を示
すブロック図である。なお、以下の説明において、各素
子は、その位置をD(i,j)(i=1,…,M j=1,…,N)で表すこ
とがある。また、一つの行に注目した場合、その行の上
に配置されている多数の素子を並列に結線している二本
の配線を「走査配線」と呼ぶとともに、一組の走査配線
において、図の上方に示す配線を「上側走査配線」、図
の下方に示す配線を「下側走査配線」と呼ぶことにす
る。
【0052】各行の走査配線は、その図に示す左端を走
査信号駆動部1003に、その図に示す右端を走査信号駆動
部1004にそれぞれ接続する。また、データ信号駆動部10
02は、電子ビームを制御するグリッド13に電圧を印加す
る仕組みになっていて、これにより各表面伝導型電子放
出素子1005から放出された電子ビームの透過量を一列毎
に制御する。走査信号駆動部1003と1004およびデータ信
号駆動部1002は、駆動制御回路1001に接続されていて、
駆動制御回路1001から入力された各制御信号に従って電
子線の放出およびその透過量の制御する。
【0053】駆動制御回路1001は、例えばNTSC方式の画
像信号などを入力して、その入力信号から同期信号を分
離し、走査制御信号として走査信号駆動部1003と1004へ
入力するとともに、その同期信号に同期して一行分の画
像信号を、データ信号としてデータ信号駆動部1002へ入
力する。データ信号駆動部1002は、入力されたデータ信
号に基づいて、グリッド13に印加する電圧を変調するこ
とにより、表面伝導型電子放出素子1005から出力された
電子ビームの透過量を画像信号に合わせて制御すること
により、蛍光体を発光させて画像を形成する。走査信号
駆動部1003と1004は、入力された走査制御信号に従っ
て、走査配線を行単位で順次走査し、各行に配列された
表面伝導型電子放出素子1005に給電する。
【0054】図11は駆動制御回路1001による制御手順の
一例を示すフローチャートである。
【0055】駆動制御回路1001は、ステップS111で、ま
ず走査配線の左端を走査信号の入力端子とする。つま
り、走査制御信号を走査信号駆動部1003に入力すること
により、上側走査配線の左端に所定電圧(例えば14V)
を印加させ、下側走査配線の左端を接地させ、それに同
期してデータ信号をデータ信号駆動部1002へ入力する。
このように、走査対象の行の上側走査配線へ電圧を入力
し、下側走査配線を接地することにより、その行に配列
された各素子に所定電圧が印加されるようにする。ま
た、走査対象ではない行には電圧を印加しないので、走
査対象の行に配列された素子からは電子が放出され、走
査対象外の行に配列された素子からは電子は放出されな
い。
【0056】続いて、ステップS112で、走査信号駆動部
1003にN本の走査配線を順次走査させて、一画面分の全
行程を走査させる。
【0057】そして、一走査時間経過後、すなわち一画
面を形成した後、ステップS113で、走査信号の入力端子
を切替えるために走査制御信号を走査信号駆動部1004へ
入力することにより、上側走査配線の右端に所定電圧を
印加させ、下側配線の右端を接地させ、それに同期して
データ信号をデータ信号駆動部1002へ入力する。続い
て、ステップS114で、走査信号駆動部1004にN本の走査
配線を順次走査させて、一画面分の全行程を走査させ
る。
【0058】そして、ステップS115の判断により、画像
の形成を継続する期間、ステップS111からS114の手順を
繰返すことによって、一画面ごとに、走査信号の入力端
子を左右交互に切替えて画像を形成する。なお、入力端
子を左右交互に切替えるタイミングは、一画面単位に限
るものではなく、電子源の用途によって適宜設定するも
のである。
【0059】図12Aはある行の走査時にその行上に配列
された各素子に印加される電圧の一例を示す図である。
また、図12Bは図12Aに示す印加電圧に対する各画素の輝
度分布例を示す図で、このときグリッド13には最大透過
量になる電圧が印加されているものとし、最大輝度を示
す画素の輝度を100%としてその相対輝度分布を表してい
る。また、図12Aと12Bは、列方向に100個(M=100)の表面
伝導型電子放出素子が並んだ電子源の一例を示してい
る。
【0060】さて、図12Aに一例を示すように、走査信
号を左端から入力した場合も右端から入力した場合も、
走査配線の配線抵抗の影響で、走査信号入力端から位置
的に遠い素子ほどその両端にかかる印加電圧が低くなる
ので、走査配線の左端から走査信号を入力した場合は、
左端に近い素子ほど電子放出量が多く、右端に近い素子
ほど電子放出量が少なくなる。逆に、走査配線の右端か
ら走査信号を入力した場合は、右端に近い素子ほど電子
放出量が多く、左端に近い素子ほど電子放出量が少なく
なる。これに対応して、これらの素子に対向する蛍光体
の発光輝度も図12Bに実線および破線で示すような分布
を生じる。つまり、走査信号を左端から入力した場合
は、左端に近い画素ほど発光輝度が高く、右端に近い画
素ほど発光輝度が低い。逆に、走査信号を右端から入力
した場合は、右端に近い画素ほど発光輝度が高く、左端
に近い画素ほど発光輝度が低い。
【0061】従って、走査信号を入力する端子を、例え
ば一画面単位に、左右交互に切替えれば、走査周期に比
べてある程度長い時間スケールでみた場合に、見掛上、
配線抵抗の影響による電子放出量の分布を平均化するこ
とができ、素子の位置に影響されない均一な電子ビーム
を得ることができる。
【0062】同様に、走査信号の入力端を左右に切替え
ることによって、実際には、画面の左右で輝度が一画面
ごとに変動するが、一画面を走査するのに要する時間が
充分に短ければ、人間の目はこの輝度の変動を認識せず
に、図12Bに点線で示すような平均化された輝度分布と
して認識することになる。
【0063】このように、本実施例によれば、走査信号
を入力する走査端子を、時間的に、左右交互に切替える
ことにより、見掛上、配線抵抗の影響による電子放出量
の分布を改善して、蛍光体の発光輝度の分布を均一化す
ることができる。
【0064】
【第2実施例】以下、本発明にかかる第2実施例の画像形
成装置を説明する。なお、第2実施例において、第1実施
例と略同様の構成については、同一符号を付して、その
詳細説明を省略する。
【0065】次に説明する第2実施例は、走査信号(駆
動信号)を入力する端子を、その行によって、画像形成
装置の左端または右端に交互に切替えることにより、一
つの行の上に配列された素子における、配線の抵抗分に
よって生じる電子放出量の分布および発光輝度の分布を
改善しようとするものである。
【0066】図13は冷陰極電子源の一例として表面伝導
型電子放出素子を配置し、電子ビームをグリッド方式で
制御するマルチ電子源およびその駆動回路の構成例を示
すブロック図である。
【0067】同図に示す素子を配列した各行は、左端ま
たは右端から交互に走査信号が供給される。具体的に
は、図における上から奇数番目の各行には走査信号駆動
部1203から走査信号が供給され、偶数番目の各行には走
査信号駆動部1204から走査信号が供給される。
【0068】このように構成した各行を走査するには、
例えば、駆動制御回路1001から走査側駆動部1203と1204
へ入力する信号として、走査制御信号とともに走査側駆
動部に対するイネーブル信号を供給するればよい。具体
的には、走査制御信号を両走査側駆動部1203,1204へ入
力するとともに、走査する配線単位で、イネーブル信号
を一方の走査駆動部へ交互に入力すればよい。あるい
は、駆動制御回路1001は、走査行(走査線)を認識し
て、例えば、奇数行目なら走査側駆動部1203へ走査制御
信号を入力し、偶数行目なら走査側駆動部1204へ走査制
御信号を入力する方法でもよい。
【0069】このように、走査配線の左端から走査信号
を入力した場合は、走査配線の配線抵抗の影響で、左端
に近い素子ほど電子放出量が多く、右端に近い素子ほど
電子放出量が少ない。逆に、走査配線の右端から走査信
号を入力した場合は、右端に近い素子ほど電子放出量が
多く、左端に近い素子ほど電子放出量が少なくなる。従
って、走査配線の左端から走査信号を入力する行と、走
査端子の右端から走査信号を入力する行を一行おきに交
互に取混ぜれば、ある程度大きい空間スケールでみた場
合に、見掛上、配線抵抗の影響による電子放出量の分布
を平均化することができ、素子の位置に影響されない均
一な電子ビームを得ることができる。
【0070】なお、走査信号をその左端から入力行とそ
の右端から入力する行とは、一行おきに交互に取混ぜる
だけに限らず、電子源の用途によって、整数n行ピッチ
に適宜設定する。ただし、取混ぜるピッチに応じて、走
査信号駆動部と走査配線との接続を変更する必要があ
る。
【0071】このような電子源を用いた画像形成装置に
おいて、その画面の解像度が充分高く、かつ、その画面
を適正な視距離をとって観察すれば、人間の目には、図
12Bに点線で示したように、各画素の輝度は上下に隣接
する画素間の平均値として認識されるので、配線抵抗の
影響によって生じた輝度分布が平均化されることにな
る。なお、走査信号の供給方向を切替えるピッチについ
て何通りか試してみたところ、八行おきに交互に切替え
た場合はある程度、輝度分布を平均化する効果があり、
さらに、ピッチを細かくして二行おきに交互に切替えた
場合は、視覚的にはまったく輝度の傾きを検知すること
ができず、二行または一行おきに交互に切替えた場合に
好ましい画像が得られた。
【0072】このように、本実施例によれば、走査信号
を入力する走査端子を、所定行ごとに、左右交互に切替
えることにより、見掛上、配線抵抗の影響による電子放
出量の分布を改善して、蛍光体の発光輝度の分布を均一
化することができる。
【0073】勿論、前述した第1実施例において、走査
信号を入力する走査端子を、整数n行ピッチで切替えて
やれば、第2実施例と同様の走査を実現することができ
ることは言うまでもない。
【0074】
【第3実施例】以下、本発明にかかる第3実施例の画像形
成装置を説明する。なお、第3実施例において、第1実施
例と略同様の構成については、同一符号を付して、その
詳細説明を省略する。
【0075】次に説明する第3実施例は、走査信号(駆
動信号)を入力する端子を、時間的かつその行によっ
て、画像形成装置の左端または右端に交互に切替えるこ
とにより、一つの行の上に配列された素子における、配
線の抵抗分によって生じる電子放出量の分布および発光
輝度の分布を改善しようとするものである。
【0076】なお、本実施例におけるマルチ電子源およ
びその駆動回路の構成は、第1実施例の図10に示したも
のと同様であり、その詳細説明を省略する。
【0077】図13は駆動制御回路1001による制御手順の
一例を示すフローチャートである。
【0078】駆動制御回路1001は、ステップS131で、ま
ず走査信号を左端から入力する行と右端から入力する行
に分けて、走査信号およびそれに対応したデータ信号を
順次出力する。つまり、奇数行の走査制御信号を走査信
号駆動部1003に入力し、偶数行の走査制御信号を走査信
号駆動部1004に入力して、走査信号を入力する走査端子
を、一行おきに、左右交互に切替える。続いて、ステッ
プS132で、走査信号駆動部1003と1004にN本の走査配線
を、交互に、順次走査させて、一画面分の全行程を走査
させる。
【0079】そして、一走査時間経過後、すなわち一画
面を形成した後、ステップS133で、走査信号の入力端子
を左右切替えて、走査信号およびそれに対応したデータ
信号を順次出力する。つまり、奇数行の走査制御信号を
走査信号駆動部1004に入力し、偶数行の走査制御信号を
走査信号駆動部1003に入力して、走査信号を入力する走
査端子を、一行おきに、左右交互に切替える。続いて、
ステップS134で、走査信号駆動部1004と1003にN本の走
査配線を、交互に、順次走査させて、一画面分の全行程
を走査させる。
【0080】そして、ステップS135の判断により、画像
の形成を継続する期間、ステップS131からS134の手順を
繰返すことによって、一画面ごとかつ行ごとに、走査信
号の入力端子を左右交互に切替えて画像を形成する。
【0081】なお、入力端子を左右交互に切替えるタイ
ミングは一画面単位に限るものではなく、電子源の用途
によって適宜設定するものである。同様に、走査信号を
その左端から入力行とその右端から入力する行とは一行
おきに交互に取混ぜるだけに限らず、電子源の用途によ
って、整数n行ピッチに適宜設定するものであ
【0082】前述した第2実施例においても整数n行おき
に走査信号の入力端を左右に切替える例を説明したが、
同実施例においては、一つの行には何時も同じ入力端か
ら走査信号を入力することになる。これに対して、本実
施例は、一つの行についても、時間的に、走査信号の入
力端を左右交互に切替えるものである。従って、本実施
例によれば、走査信号を左端から供給する行と右端から
供給する行とを、例えば一行おきに交互に設定して走査
信号を供給し、かつ、例えば一走査時間経過後に、走査
信号の入力端を左右反転させることにより、ある程度長
い時間スケールおよびある程度大きい空間スケールでみ
た場合に、見掛上、配線抵抗の影響による電子放出量の
分布を平均化することができ、素子の位置に影響されな
い均一な電子ビームを得ることができる。
【0083】上記の電子源を用いた画像形成装置におい
ては、上記の手順による走査を高速に繰返せば、人間の
目には、それらの走査個々の発光輝度が平均化された画
像が認識される。例えば、一例として、毎秒50〜60画面
を表示する際に、一行おきに、走査信号を左端から入力
する行と右端から入力する行とに分け、さらに、一画面
走査後、走査信号の入力端を左右反転させるという動作
を繰返して、配線抵抗の影響による輝度分布の観察を行
ったところ、適正な視距離からはまったく輝度の傾きな
どは認知できなかった。
【0084】このように、本実施例によれば、走査信号
を入力する走査端子を、時間的かつ所定行ごとに、左右
交互に切替えることにより、見掛上、配線抵抗の影響に
よる電子放出量の分布を改善して、蛍光体の発光輝度の
分布を均一化することができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子放出量の分布の偏りを低減する電子源の駆動装置お
よび電子源の駆動方法と、輝度分布の偏りを低減する画
像形成装置および画像形成方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面伝導型電子放出素子の素子構成の典型的な
例を示す図、
【図2】N行M列のマルチ電子源の一例を示す図、
【図3】N行M列のマルチ電子源の一例を示す図、
【図4A】本発明にかかる基本的な表面伝導型電子放出
素子の構成を示す平面図、
【図4B】図4Aの断面図、
【図5A】図4Aに示す素子の製造方法の一例を示す図、
【図5B】図4Aに示す素子の製造方法の一例を示す図、
【図5C】図4Aに示す素子の製造方法の一例を示す図、
【図6】図4Aに示す素子の電子放出特性を測定するため
の測定評価装置の概略構成図、
【図7】図6に示す測定評価装置により測定された放出
電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な
例を示す図、
【図8】本発明を適用する画像形成装置の代表的な構成
例を示す図、
【図9A】蛍光体膜の一例を示す図、
【図9B】蛍光体膜の一例を示す図、
【図10】本発明にかかる第1実施例のマルチ電子源お
よびその駆動回路の構成例を示すブロック図、
【図11】図10に示す駆動制御回路による制御手順の一
例を示すフローチャート、
【図12A】図10のある行の走査時にその行上に配列さ
れた各素子に印加される電圧の一例を示す図、
【図12B】図12Aに示す印加電圧に対する各画素の輝
度分布例を示す図、
【図13】本発明にかかる第2実施例のマルチ電子源お
よびその駆動回路の構成例を示すブロック図、
【図14】図13に示す駆動制御回路による制御手順の一
例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
13 グリッド 1001 駆動制御回路 1002 データ信号駆動部 1003,1004 走査信号駆動部 1005 表面伝導型電子放出素子

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その両端部それぞれに入力端をもつ略平
    行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を電
    気的に並列接続した素子列と、 複数の前記素子列を配置して前記冷陰極電子源をN行M列
    のマトリクス状に配置した素子列群と、 前記素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して設け
    たグリッドとを備えた電子源の駆動装置であって、 前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査手段と、 前記走査手段により走査される行の前記入力端の何れか
    一方に所定電圧を入力する入力手段と、 前記入力手段により前記所定電圧を入力する入力端を所
    定時間ごとに切替える切替手段と、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに信号
    を供給する供給手段とを有することを特徴とする電子源
    の駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記所定時間は前記素子列群のN行すべ
    てを一回走査するのに必要な時間の整数倍であることを
    特徴とする請求項1に記載された電子源の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記所定時間は前記素子列群のN行すべ
    てを一回走査するのに必要な時間より短いことを特徴と
    する請求項1に記載された電子源の駆動装置。
  4. 【請求項4】 その両端部それぞれに入力端をもつ略平
    行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を電
    気的に並列接続した素子列と、 複数の前記素子列を配置して前記冷陰極電子源をN行M列
    のマトリクス状に配置した素子列群と、 前記素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して設け
    たグリッドとを備えた電子源の駆動装置であって、 前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査手段と、 前記走査手段により走査される行の前記入力端の何れか
    一方に所定電圧を入力する入力手段と、 前記入力手段により前記所定電圧を入力する入力端を前
    記素子列群の所定行数ごとに切替える切替手段と、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに信号
    を供給する供給手段とを有することを特徴とする電子源
    の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記所定行数は前記素子列群の一行の整
    数倍であることを特徴とする請求項4に記載された電子
    源の駆動装置。
  6. 【請求項6】 その両端部それぞれに入力端をもつ略平
    行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を電
    気的に並列接続した素子列と、 複数の前記素子列を配置して前記冷陰極電子源をN行M列
    のマトリクス状に配置した素子列群と、 前記素子列群の上方に前記M列それぞれに対応して設け
    たグリッドとを備えた電子源の駆動装置であって、 前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査手段と、 前記走査手段により走査される行の前記入力端の何れか
    一方に所定電圧を入力する入力手段と、 前記入力手段により前記所定電圧を入力する入力端を前
    記素子列群の所定行数ごとおよび所定時間ごとに切替え
    る切替手段と、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに信号
    を供給する供給手段とを有することを特徴とする電子源
    の駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記所定行数は前記素子列群の一行の整
    数倍であり、前記所定時間はその素子列群のN行すべて
    を一回走査するのに必要な時間の整数倍であることを特
    徴とする請求項6に記載された電子源の駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記所定行数は前記素子列群の一行の整
    数倍であり、前記所定時間はその素子列群のN行すべて
    を一回走査するのに必要な時間より短いことを特徴とす
    る請求項6に記載された電子源の駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記冷陰極電子源は表面伝導型電子放出
    素子であることを特徴とする請求項1から請求項8の何れ
    かに記載された電子源の駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記表面伝導型電子放出素子は微粒子
    からなる電子放出部を含むことを特徴とする請求項9に
    記載された電子源の駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10の何れかに記載
    された電子源の駆動装置を備えた画像形成装置であっ
    て、 さらに、前記電子源から放出される電子の電荷に応じて
    可視光を発する発光手段を有することを特徴とする画像
    形成装置。
  12. 【請求項12】 前記走査手段は入力された画像信号に
    基づいて前記素子列群を走査することを特徴とする請求
    項11に記載された画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記供給手段は、前記画像信号に基づ
    く信号を前記グリッドに供給することにより、前記電子
    源から放出されて前記発光手段へ到達する電子量を制御
    することを特徴とする請求項12に記載された画像形成装
    置。
  14. 【請求項14】 その両端部それぞれに入力端をもつ略
    平行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を
    電気的に並列接続した素子列と、複数の前記素子列を配
    置して前記冷陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置
    した素子列群と、前記素子列群の上方に前記M列それぞ
    れに対応して設けたグリッドとを備えた電子源の駆動方
    法であって、 前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査ステップ
    と、 前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れか一
    方に所定電圧を入力する入力ステップと、 前記入力ステップで前記所定電圧を入力する入力端を所
    定時間ごとに切替える切替ステップと、 前記走査ステップによる走査に同期して前記グリッドに
    信号を供給する供給ステップとを有することを特徴とす
    る電子源の駆動方法。
  15. 【請求項15】 その両端部それぞれに入力端をもつ略
    平行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を
    電気的に並列接続した素子列と、複数の前記素子列を配
    置して前記冷陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置
    した素子列群と、前記素子列群の上方に前記M列それぞ
    れに対応して設けたグリッドとを備えた電子源の駆動方
    法であって、 前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査ステップ
    と、 前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れか一
    方に所定電圧を入力する入力ステップと、 前記入力ステップで前記所定電圧を入力する入力端を前
    記素子列群の所定行数ごとに切替える切替ステップと、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに信号
    を供給する供給ステップとを有することを特徴とする電
    子源の駆動方法。
  16. 【請求項16】 その両端部それぞれに入力端をもつ略
    平行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を
    電気的に並列接続した素子列と、複数の前記素子列を配
    置して前記冷陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置
    した素子列群と、前記素子列群の上方に前記M列それぞ
    れに対応して設けたグリッドとを備えた電子源の駆動方
    法であって、 前記素子列群のN行を一行ずつ走査する走査ステップ
    と、 前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れか一
    方に所定電圧を入力する入力ステップと、 前記入力ステップにより前記所定電圧を入力する入力端
    を前記素子列群の所定行数ごとおよび所定時間ごとに切
    替える切替ステップと、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに信号
    を供給する供給ステップとを有することを特徴とする電
    子源の駆動方法。
  17. 【請求項17】 その両端部それぞれに入力端をもつ略
    平行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を
    電気的に並列接続した素子列と、複数の前記素子列を配
    置して前記冷陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置
    した素子列群と、前記素子列群の上方に前記M列それぞ
    れに対応して設けたグリッドとを備えたマルチ電子源を
    用いる画像形成方法であって、 入力された画像信号に基づいて前記素子列群のN行を一
    行ずつ走査する走査ステップと、 前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れか一
    方に所定電圧を入力する入力ステップと、 前記入力ステップで前記所定電圧を入力する入力端を所
    定時間ごとに切替える切替ステップと、 前記走査ステップによる走査に同期して前記グリッドに
    前記画像信号に基づく信号を供給する供給ステップとを
    有することを特徴とする電子源の駆動方法。
  18. 【請求項18】 その両端部それぞれに入力端をもつ略
    平行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を
    電気的に並列接続した素子列と、複数の前記素子列を配
    置して前記冷陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置
    した素子列群と、前記素子列群の上方に前記M列それぞ
    れに対応して設けたグリッドと、前記グリッドの上方に
    前記冷陰極電子源それぞれに対応して設けた蛍光体とを
    備えた画像形成装置の画像形成方法であって、 入力された画像信号に基づいて前記素子列群のN行を一
    行ずつ走査する走査ステップと、 前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れか一
    方に所定電圧を入力する入力ステップと、 前記入力ステップで前記所定電圧を入力する入力端を前
    記素子列群の所定行数ごとに切替える切替ステップと、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに前記
    画像信号に基づく信号を供給する供給ステップとを有す
    ることを特徴とする画像形成方法。
  19. 【請求項19】 その両端部それぞれに入力端をもつ略
    平行の少なくとも二本の配線間に複数の冷陰極電子源を
    電気的に並列接続した素子列と、複数の前記素子列を配
    置して前記冷陰極電子源をN行M列のマトリクス状に配置
    した素子列群と、前記素子列群の上方に前記M列それぞ
    れに対応して設けたグリッドと、前記グリッドの上方に
    前記冷陰極電子源それぞれに対応して設けた蛍光体とを
    備えた画像形成装置の画像形成方法であって、 入力された画像信号に基づいて前記素子列群のN行を一
    行ずつ走査する走査ステップと、 前記走査ステップで走査する行の前記入力端の何れか一
    方に所定電圧を入力する入力ステップと、 前記入力ステップにより前記所定電圧を入力する入力端
    を前記素子列群の所定行数ごとおよび所定時間ごとに切
    替える切替ステップと、 前記走査手段による走査に同期して前記グリッドに前記
    画像信号に基づく信号を供給する供給ステップとを有す
    ることを特徴とする画像形成方法。
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