JPH08220975A - ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

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JPH08220975A
JPH08220975A JP2259195A JP2259195A JPH08220975A JP H08220975 A JPH08220975 A JP H08220975A JP 2259195 A JP2259195 A JP 2259195A JP 2259195 A JP2259195 A JP 2259195A JP H08220975 A JPH08220975 A JP H08220975A
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meth
acrylate
hologram
hologram recording
compound
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JP2259195A
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Yoshinori Kano
美紀 鹿野
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】広い波長領域に渡って高感度で、化学的に安定
性であり、解像度、回折効率、透明性に優れ、且つ耐光
性に優れたホログラム記録用感光性組成物、ホログラム
記録媒体と、それを用いたホログラムの製造方法を提供
することを目的とする。 【構成】ポリシロキサン化合物(A)、重合可能なエチ
レン性不飽和結合を有する化合物(B)、光重合開始剤
系(C)からなり、かつホログラム露光により0.00
5以上の屈折率変調度を有することを特徴とするホログ
ラム記録用感光性組成物と、該ホログラム記録用感光性
組成物を基材上に層形成して成ることを特徴とするホロ
グラム記録媒体、および該ホログラム記録媒体を用いて
ホログラムを作成するにあたって、該ホログラム記録媒
体をホログラム露光したのち、光または熱を加えること
を特徴とする体積位相型ホログラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い波長領域に渡って
高感度で、化学的に安定であり、解像度、回折効率、透
明性に優れ、且つ耐光性に優れたホログラム記録用感光
性組成物、ホログラム記録媒体と、それを用いたホログ
ラムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラムは三次元立体像の記録、再生
が可能なことから、その優れた意匠性、装飾性効果を活
かして、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレ
イ、ギフトなどに利用されている。また、サブミクロン
単位での微細な情報記録が可能であることから、有価証
券、クレジットカード、プリペイドカードなどの偽造防
止用のマークなどにも応用されている。特に体積位相型
ホログラムは、ホログラム記録媒体中に屈折率の異なる
空間的な干渉縞を形成することによって、形成されたホ
ログラムを通過する光を変調することが可能となるた
め、ディスプレイ用途の他に、POS用スキャナーおよ
びヘッドアップディスプレイ(HUD)に代表されるホ
ログラム光学素子(HOE)への応用が期待されてい
る。
【0003】このような産業上における体積位相型ホロ
グラムへの要望から、フォトポリマーを利用した体積位
相型ホログラム記録材料の提案がこれまでになされてい
る。例えば、フォトポリマーを用いたホログラムの製造
方法として、フォトポリマーからなるホログラム記録媒
体を輻射線の干渉パターンに露光した後、現像液による
現像処理を施す方法が提案されている。例えば特公昭6
2−22152号においては、担体となるべき重合体
に、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単
量体および光重合開始剤とを組み合わせた感材を、輻射
線の干渉パターンに露出する第1の工程、該感材を第1
の溶剤で処理し該感材を膨潤せしめる第2の工程、膨潤
作用の乏しい第2の溶剤で処理し該感材を収縮せしめる
第3の工程とを具備してなることを特徴とする、フォト
ポリマーを使ったホログラムの製造方法が開示されてい
る。当該公知技術に従えば、回折効率、解像度及び耐環
境特性などの点において優れたホログラムを製造するこ
とができるが、感度特性および感光波長領域特性に劣
る、あるいはホログラムの製造において湿式処理工程を
採用しているなどの製造上の煩雑性、また、溶媒浸漬操
作時に生じる空隙やひび割れに起因する現像むらや白化
による透明性の低下などの問題が生じるなどの欠点を有
していた。
【0004】一方、ホログラムの製造工程において複雑
なあるいは煩雑な湿式処理工程を必要としない、唯一の
処理工程として干渉露光のみでホログラムを製造するこ
とが可能なフォトポリマーを使ったホログラム記録材料
およびその製造法が開示されている。例えば、米国特許
3,658,526においては、脂肪族系高分子バイン
ダーと脂肪族系アクリルモノマーおよび光重合開始剤か
らなることを特徴とするホログラム記録用感光性層が提
案されている。当該技術においては、使用される高分子
重合体と脂肪族系アクリルモノマーとの屈折率が近いた
め、ホログラム露光によって得られる屈折率変調度は
0.001から0.003の範囲で、その結果、高い回
折効率が得られないという欠点があった。当該技術にお
ける課題を解決すべく、米国特許4,942,112に
おいては、溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、沸点が10
0℃以上の液体エチレン性モノマー、固体エチレン性モ
ノマーおよび光重合開始剤からなることを特徴とするホ
ログラム記録用光重合性組成物及び屈折率画像用エレメ
ントが、また米国特許5,098,803においては、
溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、置換または非置換フェ
ニル、置換または非置換ナフチル、あるいは置換または
非置換複素環基、または塩素原子、臭素原子を有する沸
点が100℃以上の液体エチレン性モノマー、及び光重
合開始剤からなることを特徴とするホログラム記録用光
重合性組成物及び屈折率画像用エレメントが開示されて
おり、0.005以上の高い屈折率変調度が実際得られ
ことが、SPIE「Practical Hologr
aphy IV」、第1212巻、30頁(1990
年)および「J of Imaging Scienc
e」、第35巻、19頁および25頁(1991年)に
て実証されている。
【0005】これらのホログラム記録用光重合性組成物
においては、輻射線の干渉パターンに対する露出で生ず
る屈折率変調度を大きくするために、ポリマーあるいは
モノマーのどちらか一方が芳香環あるいはハロゲン原子
を含む置換基を有する材料の組合わせで構成することを
特徴とし、特に、屈折率の低い非芳香族性の熱可塑性樹
脂と、芳香族基またはハロゲン原子を有する液体エチレ
ン性アクリルモノマーとの組合わせからなる、いわゆる
単量体配向型系の組成物を好適に用いている。当該技術
において使用されている非芳香族(ハロゲン)性の熱可
塑性ポリマーとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アク
リル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル、加水分
解型ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレ
ン重合体及び共重合体、4,000から1,000,0
00の平均分子量を有するポリエチレンオキサイド、ア
クリレートまたはメタクリレート基を有するエオキシ化
物、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミ
ド、セルロースアセテート、セルロースアセテートサク
シネート、セルロースアセテートブチレート、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマールであり、その全てが屈折率が1.
46以上であり、輻射線の干渉パターンに対する露出で
生ずる屈折率変調度をより大きくするために、屈折率の
より小さいバインダーポリマーが望まれていた。
【0006】通常、ポリシロキサン化合物は、前記した
汎用の熱可塑性ポリマーに比べ屈折率が小さいため、ホ
ログラム露光における屈折率変調度を大きくすることが
可能な重合性モノマーの選択幅を広げることが可能であ
る。すなわち、公知技術においては、屈折率の大きな芳
香族基(芳香族性複素環基)または塩素および臭素など
のハロゲン原子で置換されたモノマーの使用が必要とさ
れるが、ポリシロキサン化合物の使用により、屈折率の
大きな芳香族基(芳香族性複素環基)または塩素および
臭素などのハロゲン原子で置換されたモノマーの使用は
もとより、屈折率の比較的小さい脂肪族性モノマーの使
用も可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広い波長領
域に渡って高感度で、化学的に安定であり、解像度、回
折効率、再生波長再現性、及び透明性に優れ、且つ耐光
性に優れたホログラム記録用感光性組成物およびホログ
ラム記録媒体と、それを用いたホログラムの簡便な製造
方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、ポリ
シロキサン化合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和
結合を有する化合物(B)、光重合開始剤系(C)から
なり、かつレーザ光の干渉露光により0.005以上の
屈折率変調度を有することを特徴とするホログラム記録
用感光性組成物および、該ホログラム記録用感光性組成
物に、さらに連鎖移動剤(D)を添加してなることを特
徴とするホログラム記録用感光性組成物であり、該ホロ
グラム記録用感光性組成物を、基材上に層形成してなる
ことを特徴とするホログラム記録媒体であり、また該ホ
ログラム記録媒体を、ホログラム露光した後、光または
熱を加えることを特徴とするホログラムの製造方法であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、詳細にわたって本
発明を説明する。まず、本発明で使用される、ポリシロ
キサン化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ハイドロジェ
ンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フ
ェニルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルポリ
シロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、アミノ変性
ポリシロキサン、カルボキル変性ポリシロキサン、エポ
キシ変性ポリシロキサン、ビニル基変性ポリシロキサ
ン、アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性
ポリシロキサン、アルキル・ポリエーテル変性ポリシロ
キサン、フッ素変性ポリシロキサンなどが挙げられる。
具体的には、ジメチルポリシロキサンとして、東芝シリ
コーン(株)製のTSF451、XS69−A175
3、トーレ・シリコーン(株)製のSH200、BY1
6−140など、両末端ハイドロジェンジメチルポリシ
ロキサンとして、チッソ(株)製のサイラプレーンFM
1111、FM1121、FM1125、東芝シリコー
ン(株)製のXF40−A2606、XF40−A01
53など、メチルハイドロジェンポリシロキサンとし
て、東芝シリコーン(株)製のTSF484、TSF4
83、トーレ・シリコーン(株)製のSH1107、B
Y16−805など、両末端ヒドロキシジメチルポリシ
ロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のYF380
0、YF3905、YF3057、YF3807、YF
3802、YF3897、トーレ・シリコーン(株)製
のBY16−801、BY16−817、BY16−8
73、PRX413など、メチルフェニルポリシロキサ
ンとして、東芝シリコーン(株)製のTSF431、T
SF433、TSF434、TSF437、TSF43
00、YF3804、トーレ・シリコーン(株)製のS
H510、SH550、SH710など、アルキル変性
ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のTS
F4421、TSF4422、TSF4420、XF4
2−A3160、XF42−A3161、トーレ・シリ
コーン(株)製のSH203、SH230、SF841
6、BX16−811F、BY16−846など、アミ
ノ変性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製
のTSF4700、TSF4701、TSF4702、
TSF4703、TSF4704、TSF4705、T
SF4706、XF42−A2645、XF42−A2
646、トーレ・シリコーン(株)製のSF8417、
BY16−828、BY16−849、BY16−85
0、BX16−859、BX16−860、BX16−
853、BX16−853B、チッソ(株)製のサイラ
プレーンFM3311、FM3321、FM3325な
ど、カルボキシル変性ポリシロキサンとして、東芝シリ
コーン(株)製のTSF4700、TSF4771、ト
ーレ・シリコーン(株)製のSF8418など、エポキ
シ変性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製
のTSF4731、YF3965、XF42−A443
9、TSF4730、TSF4732、XF42−A4
438、XF42−A5041、TSL9906、TS
L9946、TSL9986、XF42−A2262、
XF42−A2263、トーレ・シリコーン(株)製の
SF8411、SF8413、BY16−839、BX
16−861、BX16−862、SF8421EG、
BY16−845、BX16−863、BX16−86
4、BX16−865、BX16−866、BY16−
855、BY16−855B、チッソ(株)製のサイラ
プレーンFM0511、FM0521、FM0525、
FM5511、FM5521、FM5525など、アル
コール変性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン
(株)製のTSF4750、TSF4751、トーレ・
シリコーン(株)製のSF8428、SH3771、S
H3746、BY11−954、BY16−036、B
Y16−027、BY16−038、BX16−01
8、BY16−848、BX16−848B、BX16
−001、BX16−002、BX16−003、BX
16−004、BY16−005、BX16−009、
BX16−010、BX16−011、BX16−01
2、SF8427、チッソ(株)製のサイラプレーンF
M4411、FM4421、FM4425、FM041
1、FM0421、FM0425など、ポリエーテル変
性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のT
SF4440、TSF4425、TSF4426、TS
F4452、TSF4460、TSF4441、TSF
4453、TSF4480、TSF4450、トーレ・
シリコーン(株)製のSH3749、BX16−03
3、SH3748、BX16−034、BX16−03
5、SF8400、SF8410、SF8419など、
高級脂肪酸変性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン
(株)製のTSF410、TSF411など、高級アル
コールエステル変性ポリシロキサンとして、トーレ・シ
リコーン(株)製のSF8422など、ビニル基含有ポ
リシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のXF4
0−A1987、TSL9646、TSL9686、ト
ーレ・シリコーン(株)製のBX16−867、BX1
6−868、チッソ(株)製のサイラプレーンFM22
31、FM2241、FM2242、FP2231、F
P2241、FP2242など、フッ素変性ポリシロキ
サンとして、東芝シリコーン(株)製のFQF501、
トーレ・シリコーン(株)製のFS1265など、メル
カプト変性ポリシロキサンとして、トーレ・シリコーン
(株)製のBX16−838A、BX16−838な
ど、クロロアルキル変性ポリシロキサンとして、東芝シ
リコーン(株)製のTSL9236、TSL9276、
トーレ・シリコーン(株)製のBX16−835など、
(メタ)アクリロイル変性ポリシロキサンとして、チッ
ソ(株)製のサイラプレーンFM0711、FM072
1、FM0725などを例示することができる。
【0010】これら一連のポリシロキサン化合物は低い
屈折率を有するため、重合可能なエチレン性不飽和結合
を有する化合物との屈折率差を大きくとることができ、
輻射線の干渉パターンによるホログラム記録を行った
時、高い回折効率を有するホログラムを作成することが
でき、また光学的に極めて透明性が高く、且つ黄変性が
極めて低いため、形成されたホログラムの耐光性を極め
て高める事ができる。
【0011】これらポリシロキサン化合物は2種類以上
の混合物として用いることが可能で、また、ポリシロキ
サン化合物以外の化合物の混合物として用いてもかまわ
ない。ポリシロキサン化合物以外の化合物の例として、
ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上の共重合
体があげられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、2−メチルブチル、
3−メチルブチル、2−エチルブチル、1,3−ジメチ
ルブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルペンチル、
シクロヘキシル、アダマンチル、イソボルニル、ジシク
ロペンタニル、テトラヒドロフルフリールなどの鎖状、
分枝状及び環状アルキルの(メタ)アクリル酸エステル
モノマーの重合体、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル、4−ヒドロキシブチルなどの水酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、グ
リシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を含有
する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、
N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジエチルアミ
ノエチル、t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基を含
有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタ
ル酸などのカルボキシル基を含有するビニルモノマーの
重合体、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリ
レートなどのリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル
モノマーの重合体、アクリルアミド、N−ブチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニ
ルピロリドン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニル
ブチラール、ビニルアセタール、ビニルホルマールなど
のビニルモノマーの重合体があげられる。また、さらに
これらビニルモノマーの二成分以上の共重合体が挙げら
れる。
【0012】次に、本発明で使用される、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を有する化合物(B)について説明
する。ここでいう重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する化合物(B)とは、官能基として、ラジカル重合可
能なエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物であ
る。
【0013】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を
有する化合物の内、分子内に芳香族環またはハロゲン原
子から選択される置換基を有する化合物を使用すること
によりポログラムの回折効率を高めることができる。こ
のような化合物として、スチレン、α−メチルスチレ
ン、4−メ(エ)トキシスチレンなどのスチレン類、フ
ェニル(メタ)アクリレート、4−フェニルエチル(メ
タ)アクリレート、4−メトキシカルボニルフェニル
(メタ)アクリレート、4−エトキシカルボニルフェニ
ル(メタ)アクリレート、4−ブトキシカルボニルフェ
ニル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルフェ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシジエチ
レングルコール(メタ)アクリレート、4−フェノキシ
テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−
フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、EO変性フェノキシ化リン酸(メタ)アクリレー
ト、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、4−ビフ
ェニリル(メタ)アクリレート、芳香族ポリヒドロキシ
化合物、例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル、ピロガロール等のジあるいはポリ(メタ)アクリレ
ート化合物、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、エチ(プロピ)レンオキサイド変性ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メ
タ)アクリレート、エチ(プロピ)レンオキサイド変性
ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノ
ールSジ(メタ)アクリレート、エチ(プロピ)レンオ
キサイド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレー
ト、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリ
レートなどの芳香族基を有する(メタ)アクリレート化
合物、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−
クロロフェノキシエチル(メタ)アクレート、p−ブロ
モフェノキシエチル(メタ)アクレート、トリクロロフ
ェノールエチ(プロピ)レンオキシド変性(メタ)アク
リレート、トリブロモフェノールエチ(プロピ)レンオ
キシド変性(メタ)アクリレート、テトラクロロビスフ
ェノールAエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ(メタ)
アクリレート、テトラブロモビスフェノールAエチ(プ
ロピ)レンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、テト
ラクロロビスフェノールSエチ(プロピ)レンオキシド
変性ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノ
ールSエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ(メタ)アク
リレートなどの塩素以上の原子量を持つハロゲン原子で
置換された芳香族基を有するスチレン類および(メタ)
アクリレート化合物、N−ビニルカルバゾール、3−メ
(エ)チル−N−ビニルカルバゾールなどのヘテロ芳香
族基を有するビニル化合物、3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジク
ロロプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモ
プロピル(メタ)アクリレートなどの塩素以上の原子量
を持つハロゲン原子で置換された(メタ)アクリレート
化合物などが挙げられる。
【0014】また、分子内に芳香族環またはハロゲン原
子と硫黄原子を有する化合物はホログラムの回折効率の
向上に更にこのましい。このような化合物として、フェ
ニルチオ(メタ)アクリレート、4−フェニルエチルチ
オ(メタ)アクリレート、4−メトキシカルボニルフェ
ニルチオ(メタ)アクリレート、4−エトキシカルボニ
ルフェニルチオ(メタ)アクリレート、4−ブトキシカ
ルボニルフェニルチオ(メタ)アクリレート、4−te
rt−ブチルフェニルチオ(メタ)アクリレート、ベン
ジルチオ(メタ)アクリレート、4−フェノキシジエチ
レングルコールチオ(メタ)アクリレート、4−フェノ
キシテトラエチレングリコールチオ(メタ)アクリレー
ト、4−フェノキシヘキサエチレングリコールチオ(メ
タ)アクリレート、4−ビフェニリルチオ(メタ)アク
リレート、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えば、ヒド
ロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール等の
ジチオあるいはポリチオ(メタ)アクリレート化合物、
ビスフェノールAジチオ(メタ)アクリレート、エチ
(プロピ)レンオキサイド変性ビスフェノールAジチオ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジチオ(メ
タ)アクリレート、エチ(プロピ)レンオキサイド変性
ビスフェノールFジチオ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールSジチオ(メタ)アクリレート、エチ(プロ
ピ)レンオキサイド変性ビスフェノールSジチオ(メ
タ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ
チオ(メタ)アクリレートなどの芳香族基を有するチオ
(メタ)アクリレート化合物、トリクロロフェノールエ
チ(プロピ)レンオキシド変性チオ(メタ)アクリレー
ト、トリブロモフェノールエチ(プロピ)レンオキシド
変性チオ(メタ)アクリレート、テトラクロロビスフェ
ノールAエチ(プロピ)レンオキシド変性ジチオ(メ
タ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAエチ
(プロピ)レンオキシド変性ジチオ(メタ)アクリレー
ト、テトラクロロビスフェノールSエチ(プロピ)レン
オキシド変性ジチオ(メタ)アクリレート、テトラブロ
モビスフェノールSエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ
チオ(メタ)アクリレートなどの塩素以上の原子量を持
つハロゲン原子で置換された芳香族基を有するチオ(メ
タ)アクリレート化合物、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピルチオ(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−
ヒドロキシプロピルチオ(メタ)アクリレート、2,3
−ジクロロプロピルチオ(メタ)アクリレート、2,3
−ジブロモプロピルチオ(メタ)アクリレートなどの塩
素以上の原子量を持つハロゲン原子で置換されたチオ
(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
【0015】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を
有する化合物(B)として非ハロゲン系脂肪族系化合物
を使用することも可能である。このような化合物とし
て、単官能型として、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸などの不飽和酸化合物、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)ア
クリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、など
のアルキル(メタ)アクリレート型、メトキシジエチ
(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシトリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシテトラエチ(プロピ)レングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチ(プロピ)レ
ングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチ
(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、エト
キシトリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリ
レート、エトキシポリエチ(プロピ)レングリコール
(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリ
コール(メタ)アクリレート型、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メ
タ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレートなど
の脂環式(メタ)アクリレート型、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどのアミン
型(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレートなどの官能基含有
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0016】次に、多官能型として、1,3−プロパン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシネオペンチ
ルグリコール)アジペート、ビス(メタクリロキシネオ
ペンチルグリコール)アジペート、エピクロルヒドリン
変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト:日本化薬製カヤラッドR−167、ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート:日本化薬製カ
ヤラッドHXシリーズなどのアルキル型(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリ
ン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート:長
瀬産業デナコールDA(M)−811、エピクロルヒド
リン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト:長瀬産業デナコールDA(M)−851、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性
プロレングリコールジ(メタ)アクリレート:長瀬産業
デナコールDA(M)−911などのアルキレングリコ
ール型(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変
性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート:日
本化薬製カヤラッドR−604、エチレンオキサイド変
性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:
サートマーSR−454、プロピレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:日本
化薬製TPA−310、エピクロルヒドリン変性トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート:長瀬産業
DA(M)−321などのトリメチロールプロパン型
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート:東亜合成アロニックスM
−233、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリス
リトールポリ(メタ)アクリレート類:日本化薬製カヤ
ラッドD−310,320,330など、カプロラクト
ン変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレー
ト類:日本化薬製カヤラッドDPCA−20,30,6
0,120などのペンタエリスリトール型(メタ)アク
リレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エピ
クロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレ
ート:長瀬産業デナコールDA(M)−314、トリグ
リセロールジ(メタ)アクリレートなどのグリセロール
型(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロペンタニルジ(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、
メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート:山
陽国策パルプCAM−200などの脂環式(メタ)アク
リレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレ
ート:東亜合成アロニックスM−315、トリス(メタ
クリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン
変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、
カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イ
ソシアヌレートなどのイソシアヌレート型(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
【0017】また、非ハロゲン系脂肪族系化合物物の
内、硫黄原子をさらに分子内に含有する化合物を例示す
る。例えば、単官能型として、メトキシジエチ(プロ
ピ)レングリコールチオ(メタ)アクリレート、メトキ
シトリエチ(プロピ)レングリコールチオ(メタ)アク
リレート、メトキシテトラエチ(プロピ)レングリコー
ルチオ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチ(プロ
ピ)レングリコールチオ(メタ)アクリレート、エトキ
シジエチ(プロピ)レングリコールチオ(メタ)アクリ
レート、エトキシトリエチ(プロピ)レングリコールチ
オ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチ(プロピ)
レングリコールチオ(メタ)アクリレートなどのアルコ
キシアルキレングリコールチオ(メタ)アクリレート
型、シクロヘキシルチオ(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフリルチオ(メタ)アクリレート、イソボルニル
チオ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルチオ
(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニルチオ(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルチオ(メ
タ)アクリレート、ピナニルチオ(メタ)アクリレート
などの脂環式チオ(メタ)アクリレート型などが挙げら
れる。
【0018】次に、多官能型として、1,3−プロパン
ジオールジチオ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジチオ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジチオ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジチオ(メタ)アクリレート、ビス(チオア
クリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビス
(チオメタクリロキシネオペンチルグリコール)アジペ
ート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオー
ルジチオ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールジチオ(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジチオ(メタ)アクリレートなどのアルキル
型チオ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジチ
オ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジチオ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジチオ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジチ
オ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジチ
オ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチ
レングリコールジチオ(メタ)アクリレート、エピクロ
ルヒドリン変性ジエチレングリコールジチオ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジチオ(メタ)アク
リレート、ジプロピレングリコールジチオ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジチオ(メタ)ア
クリレート、テトラプロピレングリコールジチオ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジチオ
(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロレ
ングリコールジチオ(メタ)アクリレートなどのアルキ
レングリコール型チオ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリチオ(メタ)アクリレート、ジトリ
メチロールプロパントリチオ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジチ
オ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリチオ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリチ
オ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリ
メチロールプロパントリチオ(メタ)アクリレートなど
のトリメチロールプロパン型チオ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリチオ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラチオ(メタ)アクリレ
ート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジチオ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
チオ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモ
ノヒドロキシペンタチオ(メタ)アクリレート、アルキ
ル変性ジペンタエリスリトールポリチオ(メタ)アクリ
レート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポ
リチオ(メタ)アクリレート類などペンタエリスリトー
ル型チオ(メタ)アクリレート、グリセロールジチオ
(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセ
ロールトリチオ(メタ)アクリレート、トリグリセロー
ルジチオ(メタ)アクリレートなどのグリセロール型チ
オ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジチオ
(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニルジチオ
(メタ)アクリレート、シクロヘキシルジチオ(メタ)
アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジチオ(メ
タ)アクリレートなどの脂環式チオ(メタ)アクリレー
ト、トリス(チオアクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、トリス(チオメタクリロキシエチル)イソシアヌレ
ート、カプロラクトン変性トリス(チオアクリロキシエ
チル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス
(チオメタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどの
イソシアヌレート型チオ(メタ)アクリレートなどが挙
げられる。これらは単独あるいは複数混合して用いても
良い。
【0019】また、ラジカル重合可能なエチレン性不飽
和結合を有する化合物(B)として、開環シグマ結合開
裂を経て重合する付加重合可能な化合物も挙げられる。
このような化合物は、K.J.IvinおよびT.サエ
グサ編、Elsevier,New York、198
4年中の、第1章“General Thermody
namics and Mechanistic As
pects ofRing−Opening Poly
merization”第1頁〜第82頁、および第2
章“Ring Opening Polymeriza
tion via Carbon−Carbon Si
gmabond Cleavage”第83頁〜第11
9頁、W.J.BaileyらのJ.Macromo
l.Sci.−Chem.,A21巻、第1611頁〜
第1639頁、1984年、およびI.Choおよび
K.−D.AhnのJ.Polym.Sci.,Pol
ym.Lett.Ed.第15巻、第751頁〜第75
3頁、1977年に記載されている。具体例としては、
ビニルシクロプロパン、例えば1,1−ジシアノ−2−
ビニルシクロプロパン、1,1−ジクロロ−2−ビニル
シクロプロパン、ジエチルー2−ビニルシクロプロパン
−1,1−ジカルボキシレート(EVCD)、エチル−
1−アセチル−2−ビニル−1−シクロプロパンカルボ
キシレート(EAVC)、エチル−1−ベンゾイル−2
−ビニル−1−シクロプロパンカルボキシレート(EB
VC)などが挙げられる。これらは単独あるいは複数混
合して用いても良いし、前記(メタ)アクリル化合物あ
るいはビニル化合物と混合して用いても良い。
【0020】次に、本発明で使用される、光重合開始剤
系(C)について説明する。このような光重合開始剤系
としては、紫外から近赤外に渡る波長領域において吸収
を有する増感剤(イ)の少なくとも1種と、活性放射線
に露光された増感剤(イ)との相互作用によって、重合
可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有す
る化合物(B)の重合を誘起する活性種を発生する開始
剤(ロ)の少なくとも1種との混合系、あるいは増感剤
と開始剤がイオン結合または共有結合で一体化された化
合物系を挙げることができる。
【0021】増感剤(イ)の具体例としては、例えばカ
ルコン誘導体やジベンザルアセトン誘導体などに代表さ
れる不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなど
の代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導
体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラ
キノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導
体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリ
ン誘導体、ケトクマリン誘導体、チオケトクマリン誘導
体、シアニン誘導体、ケトシアニン誘導体、メロシアニ
ン誘導体、オキソノール誘導体、スチリル誘導体、アク
リジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサ
ジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズ
レニウム誘導体、スクワリリウム誘導体、ポルフィリン
誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラナフ
トポリフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テ
トラアザポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、
ナフタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘
導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、テトラキ
ノキサリロポルフィラジン誘導体、テトラフィリン誘導
体、アヌレン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウ
ム誘導体、ピラン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロ
オキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、有機ルテ
ニウム錯体などが挙げられ、その他には、さらに大河原
信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談
社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981
年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材
料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および
増感剤、米国特許3,652,275、米国特許4,1
62,162、米国特許4,268,667、米国特許
4,351,893、米国特許4,454,218、米
国特許4,535,052、特開平2−85858、特
開平2−216154、特開平5−27436に記載の
不飽和ケトン系増感剤など、輻射線の波長に吸収がある
化合物が挙げられる。これらの増感剤(イ)は、必要に
応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよ
い。また、これらの増感剤(イ)のうち、キサンテン誘
導体、チオキサンテン誘導体あるいはオキソノール誘導
体のごときアニオン性染料の場合は、アリールジアゾニ
ウムカチオン、ジアリールヨードニウムカチオン、トリ
アリールスルホニウムカチオン、ジアルキルフェナシル
スルホニウムカチオン、ジアルキルフェナシルスルホキ
ソニウムカチオン、アルキルアリールフェナシルスルホ
ニウムカチオン、アルキルアリールフェナシルスルホキ
ソニウムカチオン、ジアリールフェナシルスルホニウム
カチオンあるいはジアリールフェナシルスルホキソニウ
ムカチオンなどのオニウムカチオンがイオン結合した化
合物であっても良く、また、一方、シアニン誘導体、ア
ズレニウム誘導体、ピリリウム誘導体あるいはチオピリ
リウム誘導体のごときカチオン性染料の場合は、トリア
リールアルキルホウ素アニオンなどのホウ酸アニオンが
イオン結合した化合物でも良い。
【0022】次に開始剤(ロ)としては、以下に示す化
合物が例示できる。例えば、2,3−ボルナンジオン
(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチル
テトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオ
ン)などの環状シス−α−ジカルボニル化合物、ベンゾ
フェノン、ジアセチル、ベンジル、ミヒラーズケトン、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトンなどのケトン類、ベンゾイルパーオキシ
ド、ジ−tert−ブチルパーオキシドなどの過酸化
物、アリールジアゾニウムなどのジアゾニウム塩、N−
フェニルグリシンなどの芳香族カルボン酸、2−クロロ
チオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテンなど
のキサンテン類、ジアリールヨードニウム塩、スルホニ
ウム塩などのオニウム塩、トリフェニルアルキルホウ酸
塩、金属アレーン錯体、ビスイミダゾール類、ポリハロ
ゲン化合物、フェニルイソオキサゾロン、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどがあげら
れる。これらの光重合開始剤系(C)は、必要に応じて
任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
【0023】好ましい光重合開始剤としては、英国特許
1388492号および特開昭53−133428号公
報記載のトリス(トリクロロメチル)−2、4、6−ト
リアジンなどの2、4、6−置換トリアジン化合物、特
開昭59−189340号公報および特開昭60−76
503号公報記載の3,3’−4,4’−テトラ(te
rt−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンな
どの有機過酸化物、特開平1−54440号、ヨーロッ
パ特許第109851号、ヨーロッパ特許第12671
2号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエ
ンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第17
4頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、ジフェニル
ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(p−ト
リル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフ
ェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなど
のジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルフェナシル
スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル
フェナシルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネートなどのスルホニウム塩、
テトラフェニルオキソスルホニウムヘキサフルオロホス
フェートなどのオキソスルホニウム塩、特開平3−70
4号公報記載のジフェニルヨードニウム(n−ブチル)
トリフェニルボレートなどのヨードニウム有機ホウ素錯
体、特願平5−255347号記載のジフェニルフェナ
シルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレー
ト、特開平5−213861号記載のジメチルフェナシ
ルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートな
どのスルホニウム有機ホウ素錯体、「オルガノメタリッ
クス(Organometallics)」、第8巻、
第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ
素錯体などが挙げられる。
【0024】次に、本発明において連鎖移動剤(D)は
ホログラムの回折効率を高めるために有効である。好ま
しい連鎖移動剤としてはチオール類であり、例えば、2
−メルカプトベンツオキサゾール、2−メルカプトベン
ツチアゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール、
4,4−チオビスベンゼンチオール、p−ブロモベンゼ
ンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス(メルカプ
トメチル)ベンゼン、p−トルエンチオールなど、ま
た、USP第4414312号や特開昭64−1314
4号記載のチオール類、特開平2−291561号記載
のジスルフィド類、USP第3558322号や特開昭
64−17048号記載のチオン類、特開平2−291
560号記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−
アルコキシピリジンチオン類などもあげられる。連鎖移
動剤の使用量は、ポリシロキサン化合物(A)100重
量部に対して1.0〜30重量部が好ましい。
【0025】次に、本発明のホログラム記録用感光性組
成物には、ホログラム製造後に記録層をより強固に定着
する目的のために架橋剤を使用することが可能である。
ここでいう架橋剤は、ポリシロキサン化合物が、ヒドロ
キシ基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メル
カプト基などの反応性基を有する時、架橋のために用い
ることができるものであり、反応性基の種類によって多
価アルコール類、アミン類、アミド類、多官能カルボン
酸類、酸無水物、イソシアネート類、エポキシ類などか
ら選択することができる。具体的な化合物としては、山
下晋三他編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成
社)、日本接着協会編「接着ハンドブック」(1980
年、日刊工業新聞社)などに記載されている化合物を挙
げることができる。これらの架橋剤は、前記反応性基を
持つシロキサン結合を有する高分子化合物100重量部
に対して0.001から20重量部の範囲で添加される
のが好ましい。
【0026】また、本発明のホログラム記録用感光性組
成物には保存時の重合を防止する目的で熱重合禁止剤を
添加することが可能である。具体例としては、p−メト
キシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイド
ロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、
フェノチアジン等をあげることができ、これらの熱重合
防止剤は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する化合物100重量部に対して0.001から5重
量部の範囲で添加されるのが好ましい。
【0027】本発明のホログラム記録用感光性組成物に
は、さらに目的に応じて、ホスフィン、ホスホネート、
ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、ハレーション防
止剤、可塑剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤等と混合して使用しても良い。
【0028】本発明で使用のホログラム記録用感光性組
成物は、ポリシロキサン化合物(A)、重合可能なエチ
レン性不飽和結合を有する化合物(B)、光重合開始剤
系(C)を、任意の割合で適当な溶媒中に溶解させ、得
られた溶液を、基材上に感光膜として形成してホログラ
ム記録媒体として使用することが可能である。
【0029】本発明で使用のホログラム記録用感光性組
成物中で、ポリシロキサン化合物(A)が組成物中に占
める量は、高回折効率、高解像度、高透明性を有するホ
ログラムを製造するためには、10〜90重量%、好ま
しくは、30〜70重量%である。重合可能なエチレン
性不飽和結合を有する化合物(B)の使用量は、ポリシ
ロキサン化合物(A)100重量部に対し10〜500
重量部、好ましくは30〜300重量部である。上記範
囲を逸脱すると高い回折効率の維持および感度特性の向
上が困難となるので好ましくない。
【0030】本発明のホログラム記録用感光性組成物で
使用される光重合開始剤系のうち増感剤(イ)は、ポリ
シロキサン化合物(A)100重量部に対し、0.00
1〜30重量部、好ましくは、0.1〜5重量部の範囲
で使用される。使用量は、感光層膜厚と、該膜厚の光学
密度によって制限を受ける。即ち、光学密度が2を越さ
ない範囲で使用することが好ましい。また、開始剤
(ロ)は、ポリシロキサン化合物(A)100重量部に
対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重
量部の範囲で使用される。
【0031】上記のような組成比のホログラム記録用感
光性組成物を適当な溶媒に溶解させ、これを基材上に皮
膜状に塗布してホログラム記録媒体として用いる。塗布
される厚みは、乾燥後の膜厚として1μmから100μ
mにすることが好ましく、5μmから50μmの範囲が
より好ましいが、その厚みは、回折効率あるいは再生光
半値幅など要求されるホログラム特性と屈折率変調度
(Δn)との関係、あるいは、製造されるホログラムが
反射型ホログラムか透過型ホログラムかの何れかによっ
て、最適な厚みに設定する必要がある。その理論的根拠
については、H.Kogelnik著のBell.Sy
st.Tech.J.,第48巻,第2909頁(19
69年)にて記載されている。
【0032】基材としてはガラス板、ポリメチルメタク
リレート板、ポリカーボネ−トフィルム、三酢酸セルロ
ースフィルムまたはポリエステルフィルムなどが挙げら
れる。また、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデンあるいはセロファンフィルムなどの保護膜
をさらに設けて使用することができる。保護膜の形成の
方法としては、溶液状態での塗布、静電的な密着、押し
出し機を使った積層、あるいは予め粘着剤を該保護膜に
塗布したフィルムを貼り合わせることによって、該ホロ
グラム記録媒体上に積層することができる。このよう
に、ホログラム記録媒体が2つの基材に挟まれて使用さ
れる場合は、少なくとも一方は光学的に透明であること
が要求される。
【0033】次に、本発明のホログラム記録媒体を使用
したホログラムの製造方法について説明する。すなわ
ち、前記した方法によって作成したホログラム記録媒体
を、例えば第1図に示した反射型ホログラム撮影用の光
学系、第2図に示した透過型ホログラムの光学系にて2
光束干渉露光をする。また、第3図に示した様な1光束
による反射型ホログラム撮影用の光学系(いわゆるデニ
シウク方式)による干渉露光も可能である。本発明にお
けるホログラム記録用感光性組成物は、このような唯一
のホログラム露光によってホログラムの製造を完了させ
ることが可能であるが、該ホログラム露光のみでは未反
応であった、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する
化合物(B)の重合をさらに促進するために、加熱ある
いは(および)全面露光処理を施すことも可能である。
このような処理を行っても、ホログラム特性を損なうこ
とはない。加熱処理用の熱源としては、一般的には熱循
環式オーブンあるいは加熱ロールが好適に用いられる
が、これに限定されるものではない。加熱処理温度に特
に限定はないが、使用した基材の耐熱性、本発明におけ
るホログラム記録用感光用感光性組成物中のシロキサン
結合を有する高分子化合物(A)および重合可能なエチ
レン性不飽和結合を有する化合物(B)の耐熱性を考慮
して、好適な温度条件を選択する必要がある。通常は、
40℃から150℃の間が好ましい。また、全面露光に
使用する光源としては、干渉露光に使用したレーザー光
の他、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、
メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンラン
プなどの可視光および(または)紫外光を用いる。
【0034】
【作用】本発明で使用のホログラム記録用感光性組成物
は、ポリシロキサン化合物(A)、重合可能なエチレン
性不飽和結合を有する化合物(B)、光重合開始剤系
(C)からなることを特徴とする。該組成物を基材上に
膜として形成して得られるホログラム記録媒体を使っ
て、第1図に示したようなコヒーレント性の高いレーザ
ー光源の干渉露光によって、干渉パターンが該記録媒体
中に形成される。その時、干渉作用の強い部位において
は、光の作用によって、該光重合開始剤系からフリーラ
ジカルが発生し(開始剤の選択によってはルーイス酸も
同時に発生する)、重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する化合物(B)の重合反応が誘起される。一方、干
渉作用の低い部位では、このような重合反応は誘起され
ず、両部位では、重合反応に伴う体積収縮によって生じ
る密度勾配が形成される。また、干渉作用の強い部位に
は、未反応のエチレン性不飽和結合を有する化合物
(B)が拡散移動によって集合するため、さらに密度が
上がり、干渉作用の低い部位との屈折率差が拡大するこ
とになり、屈折率変調によるホログラムが形成される。
一方、本発明で使用されるポリシロキサン化合物は低い
屈折率を有するため、エチレン性不飽和結合を有する化
合物(B)との屈折率差を大きくとることができ、さら
に屈折率変調効果を向上させることが可能となり、0.
005以上の屈折率変調を示す組合わせの時、その効果
が顕著になったものと解釈される。
【0035】さらにホログラム露光後、光または熱によ
る後処理工程を加えることにより、未反応であったエチ
レン性不飽和結合を有する化合物(B)の重合、拡散が
促進され、化学的に安定な、かつ経時変化のないホログ
ラムが製造される。また、この後処理工程によって、残
存していた光重合開始剤系(C)の増感剤が効果的に消
色され、ホログラムの透明性を向上させることになる。
【0036】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。
【0037】実施例1 ポリシロキサン化合物(A)としてエポキシ基とポリア
ルキレングリコール基を有するジメチルポリシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、商品名SF
8421、屈折率=1.44)を100重量部、重合可
能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)として
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社油
脂社製、商品名DPE−6A、屈折率=1.49)を1
00重量部、光重合開始剤系(C)の増感剤(イ)とし
てシクロペンタノン−2,5−ビス{[4−(ジエチル
アミノ)フェニル]メチレン}(DEAW)を0.5重
量部、開始剤(ロ)としてジフェニルヨードニウムヘキ
サフロオロフォスフェート(DPI)を5重量部、溶媒
としてメチルエチルケトン(MEK)を200重量部か
らなる感光液を調製した。
【0038】この感光液を、100×125×3mmの
ガラス板上に、5ミルアプリケーターを用いて塗布し、
60℃のオーブン中で10分間乾燥し、ホログラム記録
媒体を作成した。乾燥後の感光層の膜厚は15μmであ
った。これにさらに保護層として、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを感光層側に貼合わせた。このホログ
ラム記録媒体に、図1に示すホログラム作成用光学系を
用いて、Arイオンレーザーの514.5nm光を二光
束干渉により、露光量30mJ/cm2 でホログラム露
光を行った。ホログラム露光を実施した後、更に二光束
の一方を遮断してホログラム露光と同じ露光量に晒し、
その後100℃オーブン中に1時間放置した。
【0039】回折効率は、日本分光工業(株)製ART
25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅3mmの
スリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心に
した半径20cmの円周上に設置できる。幅0.3mm
の単色光を試料に45度の角度で入射し、試料からの回
折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料
を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効
率とした。表2に、得られたホログラムの回折効率およ
び屈折率変調度ならびにプレイバック波長の結果を示し
た。
【0040】実施例2 実施例1の組成物に、さらに連鎖移動触媒として2−メ
ルカプトベンズオキサゾール(MBO)を10重量部含
むホログラム記録媒体を用いて、実施例1と同様の操作
でホログラムを作成した。結果を表2に示す。
【0041】実施例3〜4 実施例2と同様に、SF8421のかわりに、表1に示
したポリシロキサン化合物(A)を100重量部含むホ
ログラム記録媒体を用いて、ホログラムを作成した。結
果を表2に示す。
【0042】実施例5〜10 実施例2と同様に、SF8421のかわりに、表1に示
したポリシロキサン化合物の混合物を100重量部含む
ホログラム記録媒体を用いて、ホログラムを作成した。
結果を表2に示す。
【0043】実施例11〜17 実施例2と同様に、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートのかわりに、表3に示したエチレン性不飽和結
合を有する化合物(B)を100重量部含むホログラム
記録媒体を用いて、ホログラムを作成した。結果を表3
に示す。
【0044】実施例18〜27 実施例2と同様な方法で、シクロペンタノン−2,5−
ビス{[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メチレン}
(DEAW)とジフェニルヨードニウムヘキサフロオロ
フォスフェート(DPI)からなる光重合開始剤系のか
わりに、表4に示した開始剤系にかえたホログラム記録
媒体を用いてホログラムを作成した。結果を表5に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】本発明で使用のホログラム記録用感光性
組成物、ホログラム記録用媒体、およびそれを用いたホ
ログラムの製造方法を用いることにより、広い波長領域
に渡って高感度で、化学的に安定であり、高解像度、高
回折効率、高透明性を与え、且つ耐光性に優れた体積位
相型ホログラムが簡便に製造される。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型ホログラム作成用二光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【図2】透過型ホログラム作成用二光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【図3】反射型ホログラム作成用一光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【符号の説明】
1:基材(ガラス板) 2:ホログラム記録用感光層 3:保護フィルム(ポリエステルフィルム) 4:スペーシャルフィルターを通して得られるコリメー
トされたレーザー光 5:反射ミラー(またはマスターホログラム)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/075 G03F 7/075 G03H 1/04 G03H 1/04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシロキサン化合物(A)、重合可能
    なエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)および光
    重合開始剤系(C)からなり、かつレーザ光の干渉露光
    により0.005以上の屈折率変調度を有することを特
    徴とするホログラム記録用感光性組成物。
  2. 【請求項2】 ポリシロキサン化合物(A)が液状であ
    る請求項1記載のホログラム記録用感光性組成物。
  3. 【請求項3】 ポリシロキサン化合物(A)が、ヒドロ
    キシ基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基および
    メルカプト基から選択される少なくとも1種の反応性基
    を有する化合物である請求項1または2記載のホログラ
    ム記録用感光性組成物。
  4. 【請求項4】 重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
    る化合物(B)が、分子内に芳香族環またはハロゲン原
    子を有する化合物である請求項1ないし3記載のホログ
    ラム記録用感光性組成物。
  5. 【請求項5】 重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
    る化合物(B)が、非ハロゲン系脂肪族系化合物である
    請求項1ないし3記載のホログラム記録用感光性組成
    物。
  6. 【請求項6】 重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
    る化合物(B)が、分子内に硫黄原子を含有する化合物
    である請求項1または5記載のホログラム記録用感光性
    組成物。
  7. 【請求項7】 さらに連鎖移動剤(D)を含有する請求
    項1ないし6記載のホログラム記録用感光性組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7記載のホログラム記録
    材用感光性組成物を、基材上に層形成してなるホログラ
    ム記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項9記載のホログラム記録媒体を、
    ホログラム露光した後、光または熱を加えることを特徴
    とするホログラムの製造方法。
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