JPH08241026A - ホログラム記録用組成物、ホログラム記録用媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録用組成物、ホログラム記録用媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

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JPH08241026A
JPH08241026A JP4391095A JP4391095A JPH08241026A JP H08241026 A JPH08241026 A JP H08241026A JP 4391095 A JP4391095 A JP 4391095A JP 4391095 A JP4391095 A JP 4391095A JP H08241026 A JPH08241026 A JP H08241026A
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hologram
hologram recording
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recording medium
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JP4391095A
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Madoka Yasuike
円 安池
Yoshinori Kano
美紀 鹿野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】広い波長領域に渡って高感度で、化学的に安定
性であり、解像度、回折効率、透明性に優れ、且つ耐光
性に優れたホログラム記録用組成物、ホログラム記録用
媒体と、それを用いたホログラムの製造方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】溶剤可溶性のフッ素原子を含有するビニル重合
体(A)、分子内に脂肪族縮合多環基および重合可能な
エチレン性不飽和結合を有するモノマー(B)、および
光重合開始剤系(C)からことを特徴とするホログラム
記録用組成物と、該ホログラム記録用組成物を基材上に
感光膜として形成して成ることを特徴とするホログラム
記録用媒体、および該ホログラム記録用媒体を用いてホ
ログラムを作成するにあたって、該ホログラム記録媒体
をホログラム露光したのち、光または熱を加えることを
特徴とする体積位相型ホログラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い波長領域に渡って
高感度で、化学的安定性や耐環境特性に優れ、且つ解像
度、回折効率および透明性に優れたホログラム用感光材
料、ホログラム記録媒体と、それを用いたホログラムの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラムは三次元立体像の記録、再生
が可能なことから、その優れた意匠性、装飾性効果を活
かして、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレ
イ、ギフトなどに利用されている。また、サブミクロン
単位での微細な情報記録が可能であることから、有価証
券、クレジットカード、プリペイドカードなどの偽造防
止用のマークなどにも応用されている。特に体積位相型
ホログラムは、ホログラム記録媒体中に屈折率の異なる
空間的な干渉縞を形成することによって、形成されたホ
ログラムを通過する光を変調することが可能となるた
め、ディスプレイ用途の他に、POS用スキャナーおよ
びヘッドアップディスプレイ(HUD)に代表されるホ
ログラム光学素子(HOE)への応用が期待されてい
る。
【0003】このような産業上における体積位相型ホロ
グラムへの要望から、フォトポリマーを利用した体積位
相型ホログラム記録材料の提案がこれまでになされてい
る。例えば、フォトポリマーを用いたホログラムの製造
方法として、フォトポリマーからなるホログラム記録媒
体を輻射線の干渉パターンに露光した後、現像液による
現像処理を施す方法が提案されている。例えば特公昭6
2−22152号においては、担体となるべき重合体
に、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単
量体および光重合開始剤とを組み合わせた感材を、輻射
線の干渉パターンに露出する第1の工程、該感材を第1
の溶剤で処理し該感材を膨潤せしめる第2の工程、膨潤
作用の乏しい第2の溶剤で処理し該感材を収縮せしめる
第3の工程とを具備してなることを特徴とする、フォト
ポリマーを使ったホログラムの製造方法が開示されてい
る。当該公知技術に従えば、回折効率、解像度及び耐環
境特性などの点において優れたホログラムを製造するこ
とができるが、感度特性および感光波長領域特性に劣
る、あるいはホログラムの製造において湿式処理工程を
採用しているなどの製造上の煩雑性、また、溶媒浸漬操
作時に生じる空隙やひび割れに起因する現像むらや白化
による透明性の低下などの問題が生じるなどの欠点を有
していた。
【0004】一方、ホログラムの製造工程において複雑
なあるいは煩雑な湿式処理工程を必要としない、唯一の
処理工程として干渉露光のみでホログラムを製造するこ
とが可能なフォトポリマーを使ったホログラム記録材料
およびその製造法が開示されている。例えば、米国特許
3,658,526においては、脂肪族系高分子バイン
ダーと脂肪族系アクリルモノマーおよび光重合開始剤か
らなることを特徴とするホログラム記録用感光性層が提
案されている。当該技術においては、使用される高分子
重合体と脂肪族系アクリルモノマーとの屈折率が近いた
め、ホログラム露光によって得られる屈折率変調度は
0.001から0.003の範囲で、その結果、高い回
折効率が得られないという欠点があった。当該技術にお
ける課題を解決すべく、米国特許4,942,112に
おいては、溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、沸点が10
0℃以上の液体エチレン性モノマー、固体エチレン性モ
ノマーおよび光重合開始剤からなることを特徴とするホ
ログラム記録用光重合性組成物及び屈折率画像用エレメ
ントが、また米国特許5,098,803においては、
溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、置換または非置換フェ
ニル、置換または非置換ナフチル、あるいは置換または
非置換複素環基、または塩素原子、臭素原子を有する沸
点が100℃以上の液体エチレン性モノマー、及び光重
合開始剤からなることを特徴とするホログラム記録用光
重合性組成物及び屈折率画像用エレメントが開示されて
おり、0.005以上の高い屈折率変調度が実際得られ
ことが、SPIE「Practical Hologr
aphy IV」、第1212巻、30頁(1990
年)および「J of Imaging Scienc
e」、第35巻、19頁および25頁(1991年)に
て実証されている。
【0005】これらのホログラム記録用光重合性組成物
においては、輻射線の干渉パターンに対する露出で生ず
る屈折率変調度を大きくするために、ポリマーあるいは
モノマーのどちらか一方が芳香環あるいはハロゲン原子
を含む置換基を有する材料の組合わせで構成することを
特徴とし、特に、屈折率の低い非芳香族性の熱可塑性樹
脂と、芳香族基またはハロゲン原子を有する液体エチレ
ン性アクリルモノマーとの組合わせからなる、いわゆる
単量体配向型系の組成物を好適に用いている。当該技術
において使用されている非芳香族(ハロゲン)性の熱可
塑性ポリマーとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アク
リル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル、加水分
解型ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレ
ン重合体及び共重合体、4,000から1,000,0
00の平均分子量を有するポリエチレンオキサイド、ア
クリレートまたはメタクリレート基を有するエオキシ化
物、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミ
ド、セルロースアセテート、セルロースアセテートサク
シネート、セルロースアセテートブチレート、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマールであり、その全てが屈折率が1.
46以上であり、輻射線の干渉パターンに対する露出で
生ずる屈折率変調度をより大きくするために、屈折率の
より小さいバインダーポリマーが望まれていた。
【0006】通常、汎用の熱可塑性ポリマーより屈折率
の低いポリマーとしては、フッ素原子を有する高分子化
合物が良く知られており、特開平3−50588および
米国特許4963471においては、溶剤可溶性のフッ
素含有ポリマー性バインダー(屈折率が1.42から
1.45のものを使用)、100℃以上の沸点を有する
液体性エチレン性不飽和モノマーおよび光開始剤系から
なることを特徴とするホログラム用フォトポリマー性組
成物が提案されている。当該技術においては、屈折率の
低いフッ素含有ポリマーを使用することで高い屈折率変
調度を達成することが可能となるが、該発明において使
用されるモノマーに、本発明で使用されるような分子内
に脂肪族縮合多環基(または、さらに硫黄原子を含む)
を有するモノマーの記載例は全くなく、本発明におい
て、その効果が始めて明らかにされたものである。本発
明において使用される分子内に脂肪族縮合多環基(また
は、さらに硫黄原子を含む)を有するモノマーは、通常
の脂肪族モノマーに比べ屈折率が高く、その結果高い屈
折率変調度が得られるだけでなく、フッ素系樹脂との相
溶性の良い脂肪族縮合多環基を有するがために、重合後
において高い透明性を保つことが可能であるなどの、優
れた特徴を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広い波長領
域に渡って高感度で、化学的安定性や耐環境特性に優
れ、且つ解像度、回折効率及び透明性に優れたホログラ
ム記録用組成物、ホログラム記録用媒体およびそれを用
いたホログラムの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、溶剤
可溶性のフッ素原子を含有するビニル重合体(A)、分
子内に脂肪族縮合多環基および重合可能なエチレン性不
飽和基を有するモノマー(B)および光重合開始剤系
(C)からなることを特徴とするホログラム記録用組成
物、またさらには、該ホログラム記録用組成物に連鎖移
動剤(D)を添加してなるホログラム記録用組成物であ
り、該ホログラム記録用組成物を基材上に層形成してな
るホログラム記録用媒体であり、また該ホログラム記録
用媒体を、レーザー光による干渉露光した後、活性線に
よる暴露または加熱を施すことを特徴とするホログラム
の製造方法である。
【0009】以下、詳細にわたって本発明を説明する。
先ず、本発明において使用の溶剤可溶性のフッ素原子を
含有するビニル重合体(A)について説明する。本発明
において使用の溶剤可溶性のフッ素原子を含有するビニ
ル重合体は、フッ素原子が含有されているビニル重合体
であれば特に制限はないが、ホログラム記録用媒体とし
てフィルム形成した際の不透明化を生じさせないために
フッ素の含有量に最適領域が存在する。代表的には1〜
30%の範囲とされる。このようなフッ素原子を含有す
るビニル重合体を得るには、フッ素原子含有モノマーと
他のモノマーとを共重合するか、または反応性基を有す
るバインダーとの反応、例えばアルコール基またはカル
ボキシ基のような置換基に、縮合、アセタール化、ケタ
ール化、またはエステル化反応によりフッ素を導入する
ことができる。また、グラフト重合なども応用可能であ
る。
【0010】例えば、フッ素原子を含有する(メタ)ア
クリルモノマーと他の(メタ)アクリルモノマーとの共
重合体としては、2,2,2−トリフロロエチルアクリ
レート、2,2,3,3−テトラフロロプロピルアクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル
アクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチルアク
リレート、2,2,2−トリフロロエチルメタクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフロロプロピルメタクリレ
ート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメ
タクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチルメタ
クリレートなどのフッ素原子を含有する(メタ)アクリ
ルモノマーと、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシ
ル、シクロヘキシル、アダマンチル、イソボルニル、ジ
シクロペンタニル、ジシクロペンテニル、テトラヒドロ
フルフリールなどの(メタ)アクリルモノマー、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)ア
クリルモノマー、グリシジル(メタ)アクリレートなど
のエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
アミノ基を有する(メタ)アクリルモノマー、(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミドなどのアミド基を有する(メタ)アクリルモノマー
などのフッ素原子を有しない(メタ)アクリルモノマー
との共重合体を挙げることができる。
【0011】また、フルオロオレフィン類、例えばテト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロプレン、ビニルフロライド、ビニリデ
ンフロライドなどとビニルエステル、ビニルアルコー
ル、ビニルエーテル、ビニルアセタール/ブチラールな
どとの共重合体なども挙げることができる。具体的に
は、ポリ(ビニルアセテート/ヘキサフルオロプロピレ
ン):VAc/HFP、ポリ(ビニルアセテート/テト
ラフルオロエチレン):VAc/TFE、ポリ(ビニル
アセテート/テトラフルオロエチレン/ビニルピバレー
ト):VAc/TFE/VPiv、また、クロロトリフ
ルオロエチレンの共重合体である下記一般式(1)
【0012】
【化1】 (式中、R1ないしR4は炭素数1ないし10の鎖状また
は環状の飽和炭化水素を表す。)で表される旭硝子社製
のルミフロンシリーズ、あるいは下記一般式(2)
【0013】
【化2】 (式中、R5ないしR7は炭素数1ないし10の鎖状また
は環状の飽和炭化水素を表す。)で表されるセントラル
硝子社製のセフラルコートなどを例示することができ
る。
【0014】つぎに、本発明で使用される、分子内に脂
肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)について説明
する。ここでいう分子内に脂肪族縮合多環基を含有する
モノマー(B)とは、ピナニル基、ボルニル基、イソボ
ルニル基などの二環式テルペン骨格や、ビシクロペンタ
ジエン、トリシクロペンタジエン骨格を有するアクリレ
ート、メタクリレート、アリレートを意味し、分子内の
一部が不飽和結合となっていても良い。したがって、具
体例としては、イソボルニルアクリレート、イソボルニ
ルメタクリレート、ノルボルニルアクリレート、ノルボ
ルニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニ
ルメタクリレート、ピナニルアクリレート、ピナニルメ
タクリレートおよびこれらのエチレンオキシド、プロピ
レンオキシド変性されたアクリレートやメタクリレー
ト、アリレートが挙げられる。
【0015】とくに、本発明において、分子内に脂肪族
縮合多環基を含有するモノマー(B)として好ましいも
のとしては、一般式(3)
【0016】
【化3】 (ただし、nは1または2の整数、R、R’は水素原子
もしくはアルキル基、X、X’はアクリロイル基、メタ
クリロイル基、アリル基のいずれかを一つ以上含む重合
性置換基を表す)で表されるモノマーを挙げることがで
きる。また、本発明で使用される、分子内に脂肪族縮合
多環基を有するモノマー(B)として、さらに硫黄原子
を有するモノマーも好適に用いることができる。例え
ば、イソボルニルチオアクリレート、イソボルニルチオ
メタクリレート、ノルボルニルチオアクリレート、ノル
ボルニルチオメタクリレート、ボルニルチオアクリレー
ト、ボルニルチオメタクリレート、ピナニルチオアクリ
レート、ピナニルチオメタクリレートおよびこれらのエ
チレンオキシド、プロピレンオキシド変性されたアクリ
レートやメタクリレート、アリレートが挙げられる。特
に好ましいものとしては、一般式(4)
【0017】
【化4】 (ただし、nは1または2の整数、R、R’は水素原子
もしくはアルキル基、Sは硫黄原子、X、X’はアクリ
ロイル基、メタクリロイル基、アリル基のいずれかを一
つ以上含む重合性置換基を表す)で表される化合物を挙
げることができる。
【0018】これらの分子内に脂肪族縮合多環基を含有
するモノマーは、例えば、特開昭60−152515号
公報に記載されているジシクロデカンまたはトリシクロ
デカンのジ(メタ)アクリル酸誘導体、特開昭61−2
93961号公報に記載されているトリシクロデカンの
(メタ)アクリル酸誘導体、特開昭62−108846
号公報に記載されているアクリル酸またはメタクリル酸
のエステル、特開昭62−230750号公報に記載さ
れている(メタ)アクリル酸エステル、特開昭63−2
43108号公報に記載されているトリシクロデカンの
モノ(メタ)アクリル酸誘導体、特開昭63−2488
10号公報に記載されている重合性単量体、特開平2−
67248号公報に記載されている(メタ)アクリル酸
エステル、特開平2−115205号公報に記載されて
いるトリヒドロキシトリシクロデカンの(メタ)アクリ
ル酸エステル等として記載例がある。また、分子内にさ
らに硫黄原子を有する脂肪族縮合多環基含有モノマーと
しては、例えば、特公平5−11108号公報に記載さ
れている含イオウメタクリル酸エステル、特開昭62−
283109号公報に記載されているトリシクロデカン
のエチレンオキシド変性(メタ)アクリル酸単量体、特
開昭63−268707号公報に記載されているトリシ
クロデカンのエチレンオキシド変性(メタ)アクリル酸
重合性単量体、特開平5−230013号公報に記載さ
れている含硫黄アクリル酸エステル等として記載例があ
る。これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いて
もかまわない。
【0019】これら一連の脂肪族縮合多環基を含有する
モノマー、さらには硫黄原子を含有するモノマーは高い
屈折率を有するため、フッ素原子を含有する高分子重合
体との屈折率差を大きくとることができ、輻射線の干渉
パターンによるホログラム記録を行った時、高い屈折率
変調度を達成することが可能で、その結果として高い回
折効率を有するホログラムを作成することが可能とな
る。また光学的に透明性が高く、且つ脂肪族系炭化水素
を基本骨格としているため黄変性が極めて低く、形成さ
れたホログラムの耐光性を極めて高めることが可能とな
る。
【0020】次に、本発明で使用される、光重合開始剤
系(C)について説明する。このような光重合開始剤系
としては、紫外から近赤外に渡る波長領域において吸収
を有する増感剤(イ)の少なくとも1種と、活性放射線
に露光された増感剤(イ)との相互作用によって、重合
可能なエチレン性不飽和基を1つ以上有するモノマー
(B)の重合を誘起する活性種を発生する開始剤(ロ)
の少なくとも1種との混合系、あるいは増感剤と開始剤
がイオン結合または共有結合で一体化された化合物系を
挙げることができる。
【0021】増感剤(イ)の具体例としては、例えばカ
ルコン誘導体やジベンザルアセトン誘導体などに代表さ
れる不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなど
の代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導
体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラ
キノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導
体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリ
ン誘導体、ケトクマリン誘導体、チオケトクマリン誘導
体、シアニン誘導体、ケトシアニン誘導体、メロシアニ
ン誘導体、オキソノール誘導体、スチリル誘導体、アク
リジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサ
ジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズ
レニウム誘導体、スクワリリウム誘導体、ポルフィリン
誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラナフ
トポリフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テ
トラアザポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、
ナフタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘
導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、テトラキ
ノキサリロポルフィラジン誘導体、テトラフィリン誘導
体、アヌレン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウ
ム誘導体、ピラン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロ
オキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、有機ルテ
ニウム錯体などが挙げられ、その他には、さらに大河原
信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談
社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981
年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材
料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および
増感剤、米国特許3,652,275、米国特許4,1
62,162、米国特許4,268,667、米国特許
4,351,893、米国特許4,454,218、米
国特許4,535,052、特開平2−85858、特
開平2−216154、特開平5−27436に記載の
不飽和ケトン系増感剤などが挙げられるが、輻射線の波
長領域に吸収があり、且つその光励起状態において電子
供与性、電子受容性、プロトン供与性、またはプロトン
受容性の性能を有する化合物であれば、本発明における
ホログラム記録用組成物中の増感剤(イ)として好適に
用いることが可能である。これらの増感剤(イ)は、必
要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いて
もよい。
【0022】さらに、これらの増感剤(イ)のうち、キ
サンテン誘導体、チオキサンテン誘導体あるいはオキソ
ノール誘導体のごときアニオン性染料の場合は、アリー
ルジアゾニウムカチオン、ジアリールヨードニウムカチ
オン、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアルキル
フェナシルスルホニウムカチオン、ジアルキルフェナシ
ルスルホキソニウムカチオン、アルキルアリールフェナ
シルスルホニウムカチオン、アルキルアリールフェナシ
ルスルホキソニウムカチオン、ジアリールフェナシルス
ルホニウムカチオンあるいはジアリールフェナシルスル
ホキソニウムカチオンなどのオニウムカチオンがイオン
結合した化合物であっても良く、また、一方、シアニン
誘導体、アズレニウム誘導体、ピリリウム誘導体あるい
はチオピリリウム誘導体のごときカチオン性染料の場合
は、トリアリールアルキルホウ素アニオンなどの有機ホ
ウ酸アニオンがイオン結合した化合物でも良い。
【0023】次に開始剤(ロ)としては、以下に示す化
合物が例示できる。例えば、2,3−ボルナンジオン
(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチル
テトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオ
ン)などの環状シス−α−ジカルボニル化合物、ベンゾ
フェノン、ジアセチル、ベンジル、ミヒラーズケトン、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトンなどのケトン類、ベンゾイルパーオキシ
ド、ジ−tert−ブチルパーオキシドなどの過酸化
物、アリールジアゾニウムなどのジアゾニウム塩、N−
フェニルグリシンなどの芳香族カルボン酸、2−クロロ
チオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテンなど
のキサンテン類、ジアリールヨードニウム塩、スルホニ
ウム塩、トリフェニルアルキルホウ酸塩、金属アレーン
錯体、ビスイミダゾール類、ポリハロゲン化合物、フェ
ニルイソオキサゾロン、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタールなどがあげられる。これらの光
重合開始剤系(C)は、必要に応じて任意の比率で2種
以上の混合物として用いてもよい。
【0024】特に好ましい光重合開始剤としては、英国
特許1388492号および特開昭53−133428
号公報記載のトリス(トリクロロメチル)−2、4、6
−トリアジンなどの2、4、6−置換トリアジン化合
物、特開昭59−189340号公報および特開昭60
−76503号公報記載の3,3’,4,4’−テトラ
(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノンなどの有機過酸化物、特開平1−54440号、ヨ
ーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第12
6712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・
サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、
第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、ジフ
ェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ
(p−トリル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ
ートなどのジアリールヨードニウム塩、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルフ
ェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロホスフ
ェート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスル
ホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのスルホニ
ウム塩、テトラフェニルオキソスルホニウムヘキサフル
オロホスフェートなどのオキソスルホニウム塩、特開平
3−704号公報記載のジフェニルヨードニウム(n−
ブチル)トリフェニルボレートなどのヨードニウム有機
ホウ素錯体、特開平5−255347号記載のジフェニ
ルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニル
ボレート、特開平5−213861号記載のジメチルフ
ェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレ
ートなどのスルホニウム有機ホウ素錯体、「オルガノメ
タリックス(Organometallics)」、第
8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有
機ホウ素錯体などが挙げられる。
【0025】次に、本発明で使用の連鎖移動剤(D)
は、ホログラムの回折効率を高めるために有効に用いら
れる。好ましい連鎖移動剤としてはチオール類であり、
例えば、2−メルカプトベンツオキサゾール、2−メル
カプトベンツチアゾール、2−メルカプトベンツイミダ
ゾール、4,4−チオビスベンゼンチオール、p−ブロ
モベンゼンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス
(メルカプトメチル)ベンゼン、p−トルエンチオール
など、また、USP第4414312号や特開昭64−
13144号記載のチオール類、特開平2−29156
1号記載のジスルフィド類、USP第3558322号
や特開昭64−17048号記載のチオン類、特開平2
−291560号記載のO−アシルチオヒドロキサメー
トやN−アルコキシピリジンチオン類なども挙げられ
る。連鎖移動剤の使用量は、フッ素原子を含有する高分
子重合体(A)100重量部に対して1.0〜30重量
部が好ましい。
【0026】また、本発明のホログラム記録用組成物に
は、保存時の重合を防止する目的で熱重合禁止剤を添加
することが可能である。本発明のホログラム記録材料に
添加可能な熱重合禁止剤の具体例としては、p−メトキ
シフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロ
キノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フ
ェノチアジン等をあげることができ、これらの熱重合防
止剤は、エチレン性不飽和基を1つ以上有するモノマー
100重量部に対して0.001から5重量部の範囲で
添加されるのが好ましい。本発明のホログラム記録用組
成物は、さらに目的に応じて、ホスフィン、ホスホネー
ト、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、ハレーショ
ン防止剤、可塑剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤等と混合して使用しても良い。
【0027】本発明で使用のホログラム記録用組成物
は、溶剤溶解性のフッ素原子を含有するビニル重合体
(A)、分子内に脂肪族縮合多環基および重合可能なエ
チレン性不飽和基を1つ以上有するモノマー(B)、お
よび光重合開始剤系(C)を、任意の割合で適当な溶媒
中に溶解させ、得られた溶液を、基材上に感光膜として
形成してホログラム記録媒体として使用することが可能
である。本発明で使用のホログラム記録用組成物の各成
分の配合比に特に制限はないが、レーザー光の干渉露光
およびその後のプロセス(ポストベークまたは後露光)
によって、少なくとも0.005以上の屈折率変調度を
有するよう配合組成を調整する必要がある。その様な目
的を達成するには、全ホログラム記録用組成物に対し
て、フッ素原子を有するビニル重合体(A)が好ましく
は10〜90重量%、さらに好ましくは30〜70重量
%、分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモノマー
(B)が好ましくは10〜90重量%、さらに好ましく
は30〜70重量%、光重合開始剤系(C)のうち、増
感剤(イ)は、好ましくは0.001〜30重量%、さ
らに好ましくは0.01〜10重量%、開始剤(ロ)
は、好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましく
は0.1〜20重量%用いる。特に、増感剤(イ)は、
基材上に感光膜として形成してホログラム記録媒体とし
た時点での、照射用レーザー光に対する透過率が10%
以上となるように濃度を調製することが好ましい。この
ような配合比を選ぶことによって、高い回折効率と高い
感度特性を有するホログラム記録用組成物を得ることが
できる。
【0028】本発明においては、上記のような組成比の
ホログラム記録用組成物を適当な溶媒に溶解させ、これ
を基材上に皮膜状に塗布してホログラム記録用媒体とし
て用いる。塗布される厚みは、乾燥後の膜厚として1μ
mから100μmにすることが好ましく、5μmから5
0μmの範囲がより好ましいが、その厚みは、回折効率
あるいは再生光半値幅など要求されるホログラム特性と
屈折率変調度(Δn)との関係、あるいは、製造される
ホログラムが反射型ホログラムか透過型ホログラムかの
何れかによって、最適な厚みに設定する必要がある。そ
の理論的根拠については、H.Kogelnik著のB
ell.Syst.Tech.J.,第48巻,第29
09頁(1969年)にて記載されている。
【0029】基材としてはガラス板、ポリメチルメタク
リレート板、ポリカーボネ−トフィルム、三酢酸セルロ
ースフィルムまたはポリエステルフィルムなどが挙げら
れる。また、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデンあるいはセロファンフィルムなどの保護膜
をさらに設けて使用することができる。保護膜の形成の
方法としては、溶液状態での塗布、静電的な密着、押し
出し機を使った積層、あるいは予め粘着剤を該保護膜に
塗布したフィルムを貼り合わせることによって、該ホロ
グラム記録媒体上に積層することができる。このよう
に、ホログラム記録媒体が2つの基材に挟まれて使用さ
れる場合は、少なくとも一方は光学的に透明であること
が要求される。
【0030】次に、本発明のホログラム記録用媒体を使
用したホログラムの製造方法について説明する。すなわ
ち、前記した方法によって作成したホログラム記録用媒
体を、例えば第1図に示した反射型ホログラム撮影用の
光学系、第2図に示した透過型ホログラムの光学系にて
2光束干渉露光をする。また、第3図に示した様な1光
束による反射型ホログラム撮影用の光学系(いわゆるデ
ニシウク方式)による干渉露光も可能である。特に第3
図に示した方法は、反射型ホログラムを複製する時に好
適に用いられる方法である。本発明におけるホログラム
記録用組成物は、このような唯一のホログラム露光によ
ってホログラムの製造を完了させることが可能である
が、該ホログラム露光のみでは未反応であった、重合可
能なエチレン性不飽和結合を有するモノマー(B)の重
合をさらに促進し定着せしめるために、加熱あるいは
(および)全面露光処理を施すことも可能である。この
ような処理を行っても、ホログラム特性を損なうことは
ない。加熱処理用の熱源としては、一般的には熱循環式
オーブンあるいは加熱ロールが好適に用いられるが、こ
れに限定されるものではない。加熱処理温度に特に限定
はないが、使用した基材の耐熱性、本発明におけるホロ
グラム記録用組成物中のフッ素原子を有するビニル重合
体(A)および脂肪族縮合多環基を有するモノマー
(B)の耐熱性を考慮して、好適な温度条件を選択する
必要がある。通常は、40℃から150℃の間が好まし
い。また、全面露光に使用する光源としては、干渉露光
に使用したレーザー光の他、カーボンアーク、高圧水銀
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ラン
プ、タングステンランプなどの可視光および(または)
紫外光を用いる。
【0031】
【作用】本発明で使用のホログラム記録用組成物は、フ
ッ素原子を含有するビニル重合体(A)、分子内に脂肪
族縮合多環基を含有するモノマー(B)および光重合開
始剤系(C)、またさらには連鎖移動剤(D)を含むこ
とを特徴とする。このホログラム記録用組成物を用いて
作成したホログラム記録用媒体に、レーザー光の干渉露
光によるホログラム記録をすると、増感剤(イ)が、レ
ーザー光を吸収して励起し、これが開始剤(ロ)の分解
を誘発してフリーラジカルを発生し、その結果、分子内
に脂肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)を重合す
るものと考えられる。この際、ホログラム露光に応じ
て、ホログラム記録用媒体中で光の干渉が起こるが、干
渉作用の強い部位において、分子内に脂肪族縮合多環基
を含有するモノマー(B)の重合反応が生じる。ここ
で、この重合反応によって生じた重合物と、フッ素原子
を含有するビニル重合体(A)との間で屈折率差が生
じ、ホログラムが形成される。さらにホログラム露光
後、光または熱による後処理工程を加えることにより、
未反応であった分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモ
ノマー(B)の重合が促進され、化学的に安定な、かつ
経時変化のないホログラムが製造される。また、この後
処理工程によって、残存していた増感剤(イ)が効果的
に消色され、ホログラムの透明性を向上させることにな
る。
【0032】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。
【0033】実施例1 フッ素原子を含有するビニル重合体(A)として旭硝子
社製のルミフロンLF200F(屈折率=1.45)を
100部、分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモノマ
ー(B)としてジシクロペンタニルジアクリレート(D
CPA、屈折率=1.50)を100部、光重合開始剤
系(C)のうち増感剤(イ)としてケトクマリン誘導体
(KCM)を0.5部、開始剤(ロ)としてジフェニル
ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(DPI)を
5部、溶剤としてメチルエチルケトンを200部からな
る感光液を調製した。
【0034】この感光液を、100×125×3mmの
ガラス板上に、10ミルアプリケーターを用いて塗布
し、60℃のオーブン中で10分間乾燥し、ホログラム
記録用媒体を作成した。乾燥後の感光層の膜厚は15μ
mであった。これにさらに保護層として、スピンコータ
ーーでポリビニルアルコールの10%水溶液を感光層側
に塗布した。このホログラム記録用媒体に、図1に示す
ホログラム作成用光学系を用いて、Arイオンレーザー
の488nm光を二光束干渉(0゜/45゜)により、
露光量30mJ/cm2 でホログラム露光を行った。ホ
ログラム露光を実施した後、100℃オーブン中で1時
間ポストベークし、最後に500WのXeランプにより
全面露光し定着処理をした。
【0035】回折効率は、日本分光工業(株)製ART
25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅3mmの
スリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心に
した半径20cmの円周上に設置できる。幅0.3mm
の単色光を試料に45度の角度で入射し、試料からの回
折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料
を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効
率とした。表2に、得られたホログラム特性の結果をま
とめて示した。尚、屈折率変調度(Δn)は次式を用い
て算出した。 (ここで、λは照射波長、ηは回折効率、dは膜厚、θ
は45゜を表す。)
【0036】実施例2 実施例1における組成物に、連鎖移動剤として2−メル
カプトベンズオキサゾール(MBO)を10部加えた他
は、実施例1と同様の操作で行った時のホログラム特性
の結果を表2に示した。
【0037】実施例3 増感剤(イ)として0.5部のクマリン誘導体(CM)
を使用した他は、実施例2と同様の操作で行った時のホ
ログラム特性の結果を表2に示した。
【0038】実施例4 増感剤(イ)として0.5部のチオキサントン誘導体
(TX)を使用した他は、実施例2と同様の操作で行っ
た時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0039】実施例5 増感剤(イ)として0.5部のメロシアニン誘導体(M
C)を使用し、また光源としてArイオンレーザーの5
14nm光を使用した他は、実施例2と同様の操作で行
った時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0040】実施例6 増感剤(イ)として0.5部のシアニン誘導体(Cy−
1)を使用し、また開始剤(ロ)として5部のスルホニ
ウム有機ホウ素錯体(SB−1)を使用した他は、実施
例5と同様の操作で行った時のホログラム特性の結果を
表2に示した。
【0041】実施例7 増感剤(イ)として0.5部のスチリル誘導体(St
y)を使用した他は、実施例6と同様の操作で行った時
のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0042】実施例8 増感剤(イ)として0.5部のピリリウム塩誘導体(P
y)を使用し、また光源としてArイオンレーザーの4
88nm光を使用した他は、実施例6と同様の操作で行
った時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0043】実施例9 増感剤(イ)として0.5部のチアピリリウム塩誘導体
(TPy)を使用した他は、実施例8と同様の操作で行
った時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0044】実施例10 増感剤(イ)として0.5部のCy−2を使用し、また
光源としてKrイオンレーザーの647nm光を使用し
た他は、実施例9と同様の操作で行った時のホログラム
特性の結果を表2に示した。
【0045】実施例11 増感剤(イ)として0.5部のスクワリリウム誘導体
(SQ)を使用し、また光源としてHe−Neレーザー
の633nm光を使用した他は、実施例10と同様の操
作で行った時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0046】実施例12 増感剤(イ)として0.5部のアズレニウム誘導体(A
Z)を使用した他は、実施例10と同様の操作で行った
時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0047】実施例13 開始剤(ロ)として5部の有機過酸化物系開始剤(BT
TB)に変えた他は、実施例2と同様の操作で行った時
のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0048】実施例14 開始剤(ロ)として5部のトリクロロメチル置換トリア
ジン化合物(TCT)に変えた他は、実施例2と同様の
操作で行った時のホログラム特性の結果を表2に示し
た。
【0049】実施例15 開始剤(ロ)として5部の鉄アレーン錯体(Fe錯体−
1)に変えた他は、実施例2と同様の操作で行った時の
ホログラム特性の結果を表2に示した。
【0050】実施例16 開始剤(ロ)として5部のN−フェニルグリシン(NP
G)に変えた他は、実施例2と同様の操作で行った時の
ホログラム特性の結果を表2に示した。
【0051】実施例17 開始剤(ロ)として5部のスルホニウム有機ホウ素錯体
(SB−2)に変えた他は、実施例2と同様の操作で行
った時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0052】実施例18 開始剤(ロ)として5部のアンモニウム有機ホウ素錯体
(TBAB)に変えた他は、実施例2と同様の操作で行
った時のホログラム特性の結果を表2に示した。
【0053】実施例19 開始剤(ロ)として5部の鉄アレーン錯体(Fe錯体−
2)に変えた他は、実施例2と同様の操作で行った時の
ホログラム特性の結果を表2に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【化5】
【0057】
【化6】
【0058】
【化7】
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】実施例20 フッ素原子を含有するビニル重合体(A)として、セン
トラル硝子社製のセフラルコートA202B(50重量
%の酢酸ブチル溶液)を200部、分子内に脂肪族縮合
多環基を含有するモノマー(B)としてDCPAを10
0部、増感剤(イ)としてKCMを0.5部、開始剤
(ロ)としてDPIを5部、MEK100部からなる感
光液を調整し、実施例1と同様の操作で行った結果、3
0mJ/cm2 の露光エネルギーで、回折効率70%、
プレイバック波長485nmのホログラムを得た。この
時の屈折率変調度は0.0089であった。
【0062】実施例21 実施例20における組成物に、連鎖移動剤(D)として
ベンジルメルカプタン(BzSH)を10部加えた他
は、実施例20と同様の操作で行った結果、30mJ/
cm2 の露光エネルギーで、回折効率75%、プレイバ
ック波長485nmのホログラムを得た。この時の屈折
率変調度は0.0096であった。
【0063】実施例22 実施例21における組成物のうち、100部のDCPA
を、50部のDCPAと50部のイソボルニルチオアク
リレート(IBSA)の混合物に変えた他は、実施例2
1と同様の操作で行った結果、40mJ/cm2 の露光
エネルギーで、回折効率80%、プレイバック波長48
5nmのホログラムを得た。この時の屈折率変調度は
0.0106であった。
【0064】実施例23 実施例21における組成物のうち、100部のDCPA
を、50部のジシクロペンタニルアクリレート(日立化
成製FA513A)とジシクロペンタニルジチオアクリ
レート(DCPSA)と50部の混合物に変えた他は、
実施例21と同様の操作で行った結果、40mJ/cm
2 の露光エネルギーで、回折効率83%、プレイバック
波長485nmのホログラムを得た。この時の屈折率変
調度は0.0112であった。
【0065】
【化10】
【0066】
【発明の効果】本発明で使用のホログラム記録用組成
物、ホログラム記録用媒体、およびそれを用いたホログ
ラムの製造方法を用いることにより、広い波長領域に渡
って高感度で、化学的に安定であり、高解像度、高回折
効率、高透明性を与え、且つ耐光性に優れた体積位相型
ホログラムが簡便に製造される。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型ホログラム作成用二光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【図2】透過型ホログラム作成用二光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【図3】反射型ホログラム作成用一光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【符号の説明】
1:基材(ガラス板) 2:ホログラム記録用感光層 3:保護フィルム(ポリエステルフィルム) 4:スペーシャルフィルターを通して得られるコリメー
トされたレーザー光 5:反射ミラー(またはマスターホログラム)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤可溶性のフッ素原子を含有するビニ
    ル重合体(A)、分子内に脂肪族縮合多環基および重合
    可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(B)およ
    び光重合開始剤系(C)からなることを特徴とするホロ
    グラム記録用組成物。
  2. 【請求項2】 分子内に脂肪族縮合多環基および重合可
    能なエチレン性不飽和基を有するモノマー(B)が、分
    子内に硫黄原子を有する化合物である請求項1記載のホ
    ログラム記録用組成物。
  3. 【請求項3】 さらに連鎖移動剤(D)を添加してなる
    請求項1または2記載のホログラム記録用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のホログラム記録
    用組成物を基材上に層形成してなるホログラム記録用媒
    体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のホログラム記録用媒体
    を、レーザー光による干渉露光した後、活性線による暴
    露または加熱を施すことを特徴とするホログラムの製造
    方法。
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