JPH08220349A - プラスチック光ファイバ母材の製造方法及びプラスチック光ファイバ - Google Patents

プラスチック光ファイバ母材の製造方法及びプラスチック光ファイバ

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JPH08220349A
JPH08220349A JP7023922A JP2392295A JPH08220349A JP H08220349 A JPH08220349 A JP H08220349A JP 7023922 A JP7023922 A JP 7023922A JP 2392295 A JP2392295 A JP 2392295A JP H08220349 A JPH08220349 A JP H08220349A
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JP
Japan
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optical fiber
plastic optical
refractive index
group
monomer
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Application number
JP7023922A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nonaka
毅 野中
Hiroo Matsuda
裕男 松田
Yasuhiro Koike
康博 小池
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐熱性が高く且つ滑らかな屈折率
分布をもったGI型プラスチック光ファイバを、簡便な
製造方法によって提供することを目的とする。 【構成】 本発明のプラスチック光ファイバは、コア
部、クラッド部、又はコア部及びクラッド部に含まれる
重合物のモノマーが、一般式 【化58】 [R1 、R2 及びR3 はH、アルキル基、ハロゲン又は
ハロゲン化アルキル基;R4 はアルキル基、ハロゲン又
はハロゲン化アルキル基;R5 及びR6 はH又はアルキ
ル基]で表される化合物であることを特徴とする。ま
た、本発明のプラスチック光ファイバ母材の製造方法
は、クラッド部の内側表面上に、上記のモノマーと屈折
率上昇剤との混合液を重合して層を形成する操作を、屈
折率の低い順に多数繰り返してコア部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック光ファイ
バ母材の製造方法及びプラスチック光ファイバに関す
る。
【0002】
【従来の技術】コア部及びクラッド部が共にプラスチッ
クから構成されるプラスチック光ファイバは、ガラスフ
ァイバに比べ加工や取扱いが容易で低コストであるた
め、その伝送損失が実質的に問題にされない程度に短距
離の光伝送路等として、多用されている。このような特
徴を有するプラスチック光ファイバは、LAN(local
area network)、ISDN(integrated service digit
al network)等の次世代通信網構想において、その重要
性が増大してきている。
【0003】極く短距離の伝送用として、図5に示すよ
うな階段状に変化する屈折率分布を有するステップイン
デックス型(SI型)のプラスチック光ファイバが既に
実用化されているが、これは伝送容量が少ないために、
通信用には適していない。図6に示すような半径方向に
変化するコア部屈折率分布を有するグレーデッドインデ
ックス(GI)型のプラスチック光ファイバの方が、伝
送容量が大きい点から通信用途に適しており、この屈折
率分布が滑らかになるほど、ファイバの伝送容量が大き
くなる。
【0004】このGI型プラスチック光ファイバを通信
用に用いるには、(i)大きな伝送容量を得るために、
コア部の屈折率分布が滑らかになること、及び、(i
i)敷設した際の長期信頼性を得るためにファイバ自身
に耐熱性が具備されること、の2つの性質が少なくとも
要求される。
【0005】GI型のプラスチック光ファイバを作製す
るには、あらかじめ屈折率分布を持ったプラスチック光
ファイバ母材作製しこれを線引する方法によれば、外径
の異なるファイバを簡便に製造できる。従来、GI型フ
ァイバを製造する方法としては、特開平2−16504
号に記載されているように、屈折率の異なる2種以上の
重合性混合物の積層状物を同心円状に押し出す方法があ
るが、この母材の製造方法は積層押し出し法であるた
め、屈折率の異なる層は多くとも10層程度しか形成で
きない。従って、屈折率分布は階段状を呈することにな
ってしまう。
【0006】一方、耐熱性を向上する目的でポリカーボ
ネートを用いたプラスチック光ファイバが、特開平6−
148438号及び特開平6−148439号に開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリカーボネ
ートを用いたプラスチック光ファイバは、その材質に由
来して伝送損失が高くなるという問題があった。
【0008】本発明は、上記の状況及び問題点に鑑みて
なされたものであり、滑らかな屈折率分布を有し且つ耐
熱性に優れたプラスチック光ファイバを簡便な製造方法
にて提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記の問題を解決するに当たり、プラスチック光ファイバ
のコア部及びクラッド部を構成する重合物(ポリマー)
の分子の構造に着目した。そして、この着目点に沿って
鋭意研究の結果、耐熱性を向上するためには、分子内に
剛直な構造を有するモノマー又は分子内にハロゲンを有
するモノマーを重合することにより得られる重合物を用
いることが有効であることを見出した。
【0010】本発明のプラスチック光ファイバは、この
知見に基づくものであり、より具体的には、コア部又は
クラッド部の少なくとも一方を構成する重合物のモノマ
ーが、一般式
【0011】
【化3】
【0012】[R1 、R2 及びR3 は、水素原子(H)
と、アルキル基と、ハロゲンと、ハロゲン化アルキル基
とから成る群から選択される同一又は相異なる原子又は
基であり;R4 は、アルキル基と、ハロゲンと、ハロゲ
ン化アルキル基とから成る群から選択される同一又は相
異なる原子又は基であり;R5 及びR6 は、水素原子と
アルキル基とから成る群から選択される同一又は相異な
る原子又は基である]で表される化合物であることを特
徴とする。
【0013】また、本発明によるプラスチック光ファイ
バは、R1 と、R2 と、R3 と、R4 とから成る群より
少なくとも1つ選択される原子又は基が、環状アルキル
基を有することを特徴としてもよい。
【0014】また、本発明によるプラスチック光ファイ
バは、R1 と、R2 と、R3 と、R4 とから成る群より
1つ以上選択される原子又は基が、ビシクロアルキル基
とトリシクロアルキル基とから成る群から1つ以上選択
される官能基を有することを特徴としてもよい。
【0015】上記の化合物(モノマー)は、分子内に剛
直な構造を有するため、これを重合して得られる重合物
(ポリマー)は、高いガラス転移温度が付与される。従
って、このモノマーを用いて作製されたプラスチック光
ファイバは、耐熱性に優れる。
【0016】また、本発明によるプラスチック光ファイ
バは、モノマーがハロゲンを含むことを特徴としてもよ
い。
【0017】このモノマーは、分子内にハロゲンを有す
るため、これを重合して得られるポリマーは、高いガラ
ス転移温度が付与される。従って、このモノマーを用い
て作製されたプラスチック光ファイバは、耐熱性に優れ
る。
【0018】また、これらのモノマーは、伝送損失を悪
化させる原因となるベンゼン環等や共役二重結合を、そ
の分子内に有しない。
【0019】ここで、本発明における「アルキル基」と
は、直鎖アルキル基、分枝アルキル基及び環状アルキル
基のいずれをも含む。
【0020】また、本発明のR4 が炭素数1〜5のアル
キル基であることを特徴としてもよい。
【0021】また、本発明のプラスチック光ファイバ
は、R1 と、R2 と、R3 と、R4
【0022】から成る群より1つ以上選択される要素
が、下記の
【化4】で示されるシクロヘ
【0023】キシル基と下記の
【化5】で示されるイソボルニル基と下記の
【化6】で示されるアダマンチル基とから成る群より1
つ以上選択される官能基を有することを特徴としてもよ
い。
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】このような化合物として、例えば、以下に
挙げる化合物が、本発明のモノマーとして特に好適に使
用可能である;(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸三級ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ア
クリルアダマンタン、
【0028】メタクリルアダマンタン;及び、下記の
【化7】〜
【化54】の構造式で表される化合物である。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】
【化21】
【0044】
【化22】
【0045】
【化23】
【0046】
【化24】
【0047】
【化25】
【0048】
【化26】
【0049】
【化27】
【0050】
【化28】
【0051】
【化29】
【0052】
【化30】
【0053】
【化31】
【0054】
【化32】
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
【0057】
【化35】
【0058】
【化36】
【0059】
【化37】
【0060】
【化38】
【0061】
【化39】
【0062】
【化40】
【0063】
【化41】
【0064】
【化42】
【0065】
【化43】
【0066】
【化44】
【0067】
【化45】
【0068】
【化46】
【0069】
【化47】
【0070】
【化48】
【0071】
【化49】
【0072】
【化50】
【0073】
【化51】
【0074】
【化52】
【0075】
【化53】
【0076】
【化54】
【0077】尚、これらのモノマーを本発明のプラスチ
ック光ファイバに用いる際は、単独で重合させてもよ
く、これらの中から複数選択して共重合体としてもよ
く、又は他のモノマーとこれらの1つないし複数との共
重合体としてもよい。
【0078】また、本発明のプラスチック光ファイバ
は、モノマーがプラスチック光ファイバのコア部に含ま
れることを特徴としてもよく、モノマーに添加されてモ
ノマーの重合物の屈折率を上昇させる屈折率上昇剤が、
プラスチック光ファイバのコア部に更に含まれることを
特徴としてもよい。
【0079】上述のモノマーがコア部に含まれることに
より、プラスチック光ファイバの伝送特性に直接関わる
コア部の耐熱性が向上する。また、このようなコア部に
屈折率上昇剤が更に含まれることにより、外側に向かっ
て漸次降下する屈折率分布を有するコア部を容易に実現
できるようになる。
【0080】本発明のプラスチック光ファイバ母材の製
造方法は、一般式
【0081】
【化55】
【0082】[R1 、R2 及びR3 は、水素原子(H)
と、アルキル基と、ハロゲンと、ハロゲン化アルキル基
とから成る群から選択される同一又は相異なる原子又は
基であり;R4 は、アルキル基と、ハロゲンと、ハロゲ
ン化アルキル基とから成る群から選択される同一又は相
異なる原子又は基であり;R5 及びR6 は、水素原子と
アルキル基とから成る群から選択される同一又は相異な
る原子又は基である]で表される化合物である第1のモ
ノマーを用いて、中空部を有する略円筒形状のクラッド
部に対して、屈折率上昇剤を、上記の第1のモノマーに
添加した2以上の整数iの個数のモノマー屈折率上昇剤
混合液S(1)〜S(i)であって、重合した際の屈折
率に関して、1<a≦iの数aに対して(S(a−1)
の屈折率)≦(S(a)の屈折率)の関係をもつモノマ
ー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S(i)を用い、1≦
x≦iの数xに対して、クラッド部の側面内側表面上に
モノマー屈折率上昇剤混合液S(x)を投入し、クラッ
ド部を長手軸方向に回転させながらモノマー屈折率上昇
剤混合液S(x)を重合させて略均一な厚さの層を形成
する操作を、数xに関して1からiまで順に行い、クラ
ッド部の側面内側表面上に、数iの個数の層から成り且
つ半径方向内側に向かって屈折率が上昇する屈折率分布
を有するコア部を形成するコア部形成のステップを含む
ことを特徴とする。
【0083】また、本発明のプラスチック光ファイバ母
材の製造方法は、中空の略円筒形状であるクラッド部製
造モールドの側面内側表面に第2のモノマーを投入し、
クラッド部製造モールドを長手軸方向を中心に回転させ
ながら第2のモノマーを重合させて、中空の略円筒形状
であるクラッド部を形成するクラッド部製造のステップ
を更に含むことを特徴としてもよく、第2のモノマー
が、第1のモノマーと同じ化合物であることを特徴とし
てもよい。
【0084】クラッド部の内側に多数の層を屈折率が漸
次上昇する順に形成してコア部を形成する工程におい
て、上記のモノマーを用いることにより、滑らかな屈折
率分布をもつ耐熱性に優れたプラスチック光ファイバ母
材を簡便に製造することが可能となる。
【0085】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0086】(屈折率上昇剤)本発明では、係るモノマ
ーに添加した混合物を重合させた際の屈折率がモノマー
のみの重合物よりも高い屈折率を与える添加剤を、屈折
率上昇剤と称する。所望の屈折率分布を与え、且つ上記
ポリマーと安定に共存することが可能である限り、屈折
率上昇剤の分子量は特に制限されない。また、屈折率上
昇剤自体が重合性の官能基(例えば、ビニル基等の不飽
和結合を有する官能基等)を有していてもよい。即ち、
屈折率上昇剤は、単量体ないしその混合物であってもよ
く、またオリゴマーないしポリマーであってもよい。コ
ア部には、好適には、上記のモノマーに対して以下に挙
げるような屈折率上昇剤を添加して重合させた重合物が
用いられる。この屈折率上昇剤には、例えば、フタル酸
ブチルベンジルエステル(屈折率n=1.536)、酢
酸2−フェニルエチル(n=1.51)、フタル酸ジメ
チル(n=1.515)、ジフェニルスルフィド(n=
1.635)、安息香酸ビニル(n=1.577)、ベ
ンジルメタクリレート(n=1.568)、フタル酸ジ
アリル(n=1.518)、安息香酸ベンジル(n=
1.568)等が好適に使用可能である。尚、上記した
中で、安息香酸ビニル、ベンジルメタクリレート、フタ
ル酸ジアリルは、重合性の官能基を有する屈折率上昇剤
である。
【0087】(母材の分子量)本発明においては、光フ
ァイバ母材線引の際の作業性(線引時の断線防止、ない
し母材加熱時の硬さ)の点からは、該母材のコア部とク
ラッド部とを構成する高分子の、GPC(gel permeati
on chromatography )による重量平均分子量が、10,
000以上300, 000以下であることが好ましく、
更には30, 000以上250, 000以下(更には5
0, 000以上200, 000以下)であることが好ま
しい。
【0088】光ファイバ母材のコア部とクラッド部とを
構成する高分子の重量平均分子量は、例えば、以下のよ
うにして測定することが可能である。
【0089】(重量平均分子量の測定方法)平均分子量
を測定すべきプラスチック光ファイバ母材の全体を、テ
トラヒドロフラン(THF)に溶解して、濃度が0.1
mg/ml程度のTHF溶液とする。
【0090】このようにして得たTHF溶液を、必要に
応じてメンブレン・フィルター(例えば、ミリポア社の
メンブレン・フィルター)を通過させた後、GPC測定
系に導入してGPC分析を行い、該GPC分析結果に基
づき光ファイバ母材の重量平均分子量を求める。このG
PC分析の際には、例えば、以下の測定条件が好適に用
いられる。
【0091】 GPC装置:東ソー社製、商品名:HLC-8020 GPCカラム:東ソー社製、商品名:TSK gel 4000HXL TSK gel 2500HXL TSK gel 2000HXL(3本連結) (内径7.8mm×長さ300mm(1本当たり)) カラム槽温度:40℃ 移動相:THF 流量:1.0ml/min 検出器:RI(屈折率) データ処理装置:東ソー社製、商品名:CP-8000 本発明に用いることのできる母材の分子量は、特に制限
されないが、光ファイバ母材線引の際の作業性(線引時
の断線防止、ないし母材加熱時の硬さ)の点からは、コ
ア部を構成する高分子の重量平均分子量(MR )は、1
0, 000以上300, 000以下であることが好まし
い。また、クラッド部を構成する高分子の重量平均分子
量(MD )も、10, 000以上300, 000以下で
あることが好ましい。このようなコア部またはクラッド
部の重量平均分子量も、上記した母材全体の重量平均分
子量と同様に測定することが可能である。
【0092】光ファイバ母材の線引の際の作業性(線引
時の断線防止、ないし母材加熱時の硬さ)の点からは、
上記MR とMD との比MD /MR は、0.8〜1.2程
度、更には0.9〜1.1程度であることが好ましい。
【0093】本発明において、上記分子量を得るための
方法は特に制限されないが、例えば、コア部および/又
はクラッド部の重合を、重合開始剤および/又は重合反
応を停止させる連鎖移動剤の存在下に行うことにより、
更には、該重合開始剤および/又は連鎖移動剤の量を調
整することにより、前記した特定の分子量を得ることが
できる。
【0094】(重合反応)本発明に用いられるモノマー
の重合反応には、好適には、O−O結合を有する過酸化
物やアゾ系化合物等を開始剤とするラジカル重合が用い
られる。この開始剤には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイル等の、約40℃〜約100℃で有効にラジカル
を発生するいわゆる中温開始剤が好適に使用可能であ
る。従って、このような中温開始剤を用いた場合、重合
反応の温度条件は、好適には約40℃〜約100℃であ
る。重合反応速度は、反応熱や反応自体による膨脹収縮
によって重合反応中若しくは反応後ポリマーにクラック
等が生じないように、並びに、反応熱によってモノマー
が反応中に沸騰することのないように調節される必要が
あり、これは重合温度と開始剤添加量との組み合わせに
より調節可能である。該開始剤の添加量は、約40℃〜
約100℃において、モノマーに対して0.001〜1
0重量%程度、更には0.01〜0.3重量%程度(特
に0.05〜0.15重量%程度)であればよい。尚、
このような熱エネルギーによる塊状重合以外にも、光エ
ネルギーを用いた塊状重合等も使用可能である。この場
合においても同様に、温度等の入力エネルギー量と濃度
との組み合わせにより、重合反応速度を調節することが
可能である。
【0095】また、クラッド部、コア部の重合の際必要
に応じて使用される連鎖移動剤は、上記したプラスチッ
ク母材としての重量平均分子量10, 000〜300,
000を与える限り特に制限されず、公知の連鎖移動剤
から適宜選択して使用することが可能である。このよう
な公知の連鎖移動剤としては、例えば、ベンゼン、イソ
プロピルベンゼン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、
四塩化炭素等のハロゲン化物;ブチルメルカプタン等の
メルカプト系化合物(−SH基を有する化合物)が挙げ
られる。
【0096】(母材製造装置及び回転数)プラスチック
光ファイバ母材及びクラッド部製造の場合はモールドを
一体で回転可能で、且つ温度制御の機能をもつ加熱手段
を有する装置であれば、形態を問わず、本発明に好適に
使用できる。但し、重合反応には、空気中の酸素に反応
の進行が阻害される場合もあるため、母材をモールドに
挿入して設置する際、その両端を封止できる必要があ
る。
【0097】上記重合反応の際、母材及びモールドを回
転させる場合は、回転数が約10,000rpm以下
(特に、約100rpm〜約5, 000rpm)である
ことが好ましい。
【0098】(モールド)クラッド部の製造に用いられ
るモールドは、中空の円筒形状であればよく、ガラス等
様々な材料が使用可能である。コア部の製造に際して
は、コア中心まで重合を行う必要はなく、途中で重合を
終了させてコラプスして製造してもよい。
【0099】(線引方法)次に、プラスチック光ファイ
バ母材をプラスチック光ファイバに線引する方法につい
て説明する。図4は、本発明に好適に使用可能な線引装
置の縦断面図である。尚、図4は、説明し易いように実
際とは若干異なる縮尺を用いている。
【0100】図4に示されるように、この態様のプラス
チック光ファイバの線引装置410は、線引炉412
と、外径モニタ414と、巻き取り手段416とから構
成される。
【0101】図4に示されるように、線引炉412は、
金属製のカバー420と、該カバー420の上下にそれ
ぞれ配置された上部円筒428と下部円筒432とから
なるハウジングを有する。線引炉412は、上記ハウジ
ングと、その内部に配置された円管状の炉心管422
と、該炉心管422の外側に配置されたヒータ424と
含む。
【0102】上記構成を有する線引装置410を用いて
プラスチック光ファイバ母材を線引する場合、図4に示
されるように、円筒形状のプラスチック光ファイバ母材
426は炉心管422の内側に挿入され、線引炉412
内に配置される。線引された母材の一部(すなわち、光
ファイバ438)が巻き取り手段416により巻き取ら
れることにより、光ファイバ母材426は巻取によって
生じたネックダウン部427を下にして線引炉412内
に配置されることとなる。
【0103】図4に示されるように、プラスチック光フ
ァイバ母材426は、通常はカバー420に完全に包囲
されず、一部が上部円筒428の上方に突き出たまま残
った状態となっている。線引炉412内の気密性を保つ
ために、上部円筒428の上面は、プラスチック光ファ
イバ母材426の外径とほぼ同等の大きさの穴を有する
リング430により、シールされている。一方、下部円
筒432の下面には、金属製のシャッター434が備え
られており、該シャッター434の中心付近には、線引
されたファイバが通過可能なように、小さな開口が設け
られている。
【0104】図4に示されるように、線引に際しては、
炉心管422の内部のプラスチック光ファイバ母材42
6は、炉心管422を包囲するヒータ424によって加
熱される。加熱されたプラスチック光ファイバ母材42
6の表面の酸化を防止するために導入される不活性なガ
スは、リング430を通過して線引炉412内へ供給さ
れ、矢印429に沿って炉心管422内部を流れる。従
って、線引のための加熱中においては、炉心管422内
の母材426は、不活性なガスの流れに包囲されてい
る。加熱されて溶融した母材426は、所定の速度で紡
糸されてプラスチック光ファイバ438となり、上記シ
ャッター434の開口部を通過し、外径モニタ414を
通過してその外径が測定された後、巻き取り手段416
に巻き取られる。
【0105】以下、実施例、比較例により本発明を更に
具体的に説明する。
【0106】
【実施例】以下、添付した図面を必要に応じて参照しつ
つ、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、添
付した図面の説明においては、同一の要素には同一の符
号を付し、重複する説明を省略した。また、説明の便宜
のために縮尺を誇張して描く場合もある。
【0107】図1は、本発明に好適に使用されるプラス
チック光ファイバ母材の製造装置の一例を表す斜視図で
ある。図1に示されるように、製造装置100は、台1
02と、重合部収容部104とにより構成される。重合
部収容部104には、2台の重合部組立体108a,b
が収容され、それぞれモータ106a,bに接続されて
回転可能な状態にある。底面部を持たない重合部収容部
104は、台102の上面が無い部分の上に設置され
る。重合部収容部104の下方の台102底面には、ヒ
ータ110(点線で図示)が配置される。従って、ヒー
タ110と重合部組立体108a,bとの間には遮るも
のが存在せず、重合部組立体108a,bは、ヒータ1
10から直接加熱される。ヒータ110は、温度制御の
機能を有している。
【0108】以下、構成の同一な左右の重合部組立体1
08a,bにつき、108aに関して説明をし、以下の
説明では添字aを省略する。
【0109】図2は、製造途中の母材を設置した状態で
の重合部組立体108の断面図である。図1及び図2に
示されるように、製造途中の重合部組立体108は、両
側に1個づつの円柱状のテフロン製チャック122,1
23及びカバー124,125とを備え、内部に製造途
中の母材126を包含する。重合部組立体108の片方
の端のチャック122は、モータ106の駆動を伝達す
る軸128に固定された支持円筒132に係合し、他方
の端のチャック123は、軸受130に挿入された軸1
29に固定された支持円筒133に係合している。即
ち、重合部組立体108は、モータ106の駆動によっ
て回転可能な状態で、その両端で水平に支持され重合部
収容部104内に包含される。
【0110】図2に示されるように、チャック122及
び123は、それぞれ、一方の底面の中心に母材126
と同じ直径の円柱状の窪み134及び135を有し、母
材126がこれら窪み134及び135に係合される。
【0111】(実施例1)図3は、本実施例におけるプ
ラスチック光ファイバ母材の製造工程の工程図であり、
製造の各工程におけるプラスチック光ファイバ母材の側
面図である。本実施例では、まず、図1及び図2に示さ
れるプラスチック光ファイバ母材製造装置を用い、モノ
マーにアクリルアダマンタン、屈折率上昇剤にはフタル
酸ブチルベンジルエステルを用いて、重合による層の形
成を多層に行うことによりGI型プラスチック光ファイ
バ母材を作製した。次に、図4に示される線引装置を用
いてこの母材をプラスチック光ファイバに線引し、得ら
れたプラスチック光ファイバを100℃の温度環境下に
一日放置して劣化させた。そして、劣化前と劣化後のフ
ァイバの伝送損失の値を比較した。
【0112】本実施例では、以下のようにプラスチック
光ファイバ母材を作製した。図1〜図3を参照してその
工程を説明する。まず、メタクリル酸メチルの重合物か
ら成る内径40mm、外径50mmの円筒126を用意
した(図3(a)参照)。この円筒126を、母材のク
ラッド部として用いた。
【0113】このクラッド部126の内側へのコア部の
形成は、次のように行った。図1及び図2に示されるよ
うに、母材(以下、少なくともクラッド部を有するもの
を総称して「プラスチック光ファイバ母材」ないし「母
材」と称する)126の両端をチャック122及び12
3に係合させ、カバー124,125を配して重合部組
立体108をなした。この重合部組立体108を製造装
置100に設置した。次に、アクリルアダマンタン10
0部(重量基準、以下同じ)にフタル酸ブチルベンジル
エステル25部を加えて溶解させたモノマー屈折率上昇
剤混合液S(1)に対して0.1%の過酸化ベンゾイル
を混合して、母材126(即ち、この時点では図3
(a)に示されるようにクラッド部302と等しい)の
内側表面上に注入した。そして、ヒータ110を70℃
の温度に設定して作動させ、同時にモータ106を作動
させて重合部組立体108を約1, 000rpmの回転
数で回転させた。重合部組立体108を回転させること
により、注入されたモノマー屈折率上昇剤混合液S
(1)は、遠心力によりクラッド部の円周方向及び長手
方向に関してほぼ均一な厚さをもって母材126(この
場合はクラッド部302)の内側表面上に存在する。こ
の状態で加熱及び回転を継続し、クラッド部302の内
側にコア部第1層304が形成された(図3(b1)参
照)。第1層形成の重合反応が完全に終了した後、モノ
マー屈折率上昇剤混合液S(1)にフタル酸ブチルベン
ジルエステルを少量づつ添加して順に屈折率が高くなる
モノマー屈折率上昇剤混合液S(2)〜S(20)を調
製しつつ、これをS(2)からS(20)まで順に1つ
づつ用いて同様の操作をコア部第2層(S(2))から
コア部第20層(S(20))まで行い、20層から成
り内側に向かって漸次屈折率が上昇するコア部306が
形成された(図3(bi)参照、本実施例ではi=2
0)。ここにおいて、クラッド部302とコア部306
とから成るプラスチック光ファイバ母材126が作製さ
れた。ちなみに、このプラスチック光ファイバ母材の屈
折率分布を干渉法(測定装置:P−101、ヨーク社
製、以下、全ての実施例及び比較例の屈折率分布の測定
においてこの方法及び装置を用いる)で調べたところ、
図6のような滑らかなGI型の屈折率分布を有すること
が明らかになった。
【0114】尚、図3に示される工程による上記のコア
部形成の操作と同様に行った例であるが、上記操作では
20回であったコア部形成の段階を3回にして、同じ大
きさのコア部を形成した例を、比較のために示してお
く。この例では、使用するモノマー屈折率上昇剤混合液
におけるモノマー対屈折率上昇剤の比率を上記20段階
の場合とは変えてS’(1)〜S’(3)を調製し(S
(20)の屈折率とS’(3)の屈折率とをほぼ同等に
して調製した)、クラッド部の内側に3層から成るコア
部を有するプラスチック光ファイバ母材を作製した。こ
のプラスチック光ファイバ母材の屈折率分布は、図7に
示すように階段状を呈していた。このような階段状の屈
折率分布は、押出し法等の従来からの技術によりプラス
チック光ファイバ母材を作製した場合によく見られる。
しかし、このような階段状の屈折率分布よりも、図6に
示されるような滑らかな分布をもつプラスチック光ファ
イバ母材の方が、伝送容量の点から望ましい。本発明に
従ったプラスチック光ファイバの母材の製造方法は、コ
ア部形成の段階を容易に増加できるため、図6に示され
るような滑らかな屈折率分布をもったプラスチック光フ
ァイバ母材を容易に製造できるということが明らかにな
った。
【0115】次に、このプラスチック光ファイバ母材
を、図4に示される線引装置を用いて直径650μmの
プラスチック光ファイバに線引した。この時の線引の条
件は、炉心管の温度が240℃、線引速度が2.0m/
min.であった。線引された直後のプラスチック光フ
ァイバの伝送損失を、カットバック法(測定装置:AQ
−6315B、安藤電気社製、以下全ての実施例及び比
較例の伝送損失の測定においてこの方法及び装置を用い
る)で測定したところ、波長650nmに関して190
dB/kmであった。
【0116】そして、このように得られたプラスチック
光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日入
れて劣化させた。劣化後のプラスチック光ファイバの伝
送損失を、上記方法及び装置により測定したところ、そ
の伝送損失の値は波長650nmに関して200dB/
kmであった。即ち、本実施例で製造されたプラスチッ
ク光ファイバの劣化後における伝送損失は、劣化前とほ
ぼ同等であった。このことにより、本実施例によって得
られたプラスチック光ファイバは、このような環境下で
は伝送損失はほとんど悪化しないということが明らかに
なり、このプラスチック光ファイバは、耐熱性に優れて
いること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れている
ことが示された。
【0117】(実施例2)モノマーにメタクリルアダマ
ンタンを用いた以外は、全て実施例1と同様の操作によ
り、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれをプラ
スチック光ファイバに線引し、線引直後と100℃で1
日の条件で劣化した後とのプラスチック光ファイバの伝
送損失を比較した。
【0118】本実施例では、メタクリル酸メチルの重合
物から成る内径40mm、外径50mmの円筒をクラッ
ド部とし、図1及び図2に示される装置を用いて、その
内側に、メタクリルアダマンタンにフタル酸ブチルベン
ジルエステルを徐々に量を増加させて添加し溶解させた
モノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S(20)を用
いて、図3に示される工程により屈折率が漸次上昇する
順に20層から成るコア部を形成してプラスチック光フ
ァイバ母材を作製した。作製されたプラスチック光ファ
イバ母材の屈折率分布を測定したところ、図6に示され
るような滑らかなGI型屈折率分布を示していることが
明らかになった。
【0119】次に、このプラスチック光ファイバ母材
を、図4に示される線引装置を用いて実施例1と同じ線
引条件により、直径650μmのプラスチック光ファイ
バに線引した。線引された直後のプラスチック光ファイ
バの伝送損失を測定したところ、波長650nmに関し
て200dB/kmであった。
【0120】そして、このように得られたプラスチック
光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日入
れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、波
長650nmに関して210dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0121】(実施例3)メタクリル酸メチルを重合し
てクラッド部を形成した後、コア部のためのモノマーに
メタクリル酸シクロヘキシルを用いた他は全て実施例1
と同様の操作により、プラスチック光ファイバ母材を作
製してこれをプラスチック光ファイバに線引し、線引直
後と100℃で1日の条件で劣化した後とのプラスチッ
ク光ファイバの伝送損失を比較した。
【0122】本実施例では、まず、図1及び図2に示さ
れる母材製造装置を用いて、メタクリル酸メチルに過酸
化ベンゾイルを添加して内径50mm、外径60mmの
ガラス製円筒内に注入したのちこれを約4, 000rp
mで回転させつつ加熱し重合させてクラッド部を作製し
た。次に、図1及び図2に示される装置を用いて、その
内側に、メタクリル酸シクロヘキシルにフタル酸ブチル
ベンジルエステルを徐々に量を増加させて添加し溶解さ
せたモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S(20)
を用いて、図3に示される工程により屈折率が漸次上昇
する順に20層から成るコア部を形成してプラスチック
光ファイバ母材を作製した。作製されたプラスチック光
ファイバ母材の屈折率分布を測定したところ、図6に示
されるような滑らかな分布を示していることが明らかに
なった。
【0123】次に、このプラスチック光ファイバ母材
を、図4に示される線引装置を用いて実施例1と同じ線
引条件により、直径650μmのプラスチック光ファイ
バに線引した。線引された直後のプラスチック光ファイ
バの伝送損失を測定したところ、波長650nmに関し
て190dB/kmであった。
【0124】そして、このように得られたプラスチック
光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日入
れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、波
長650nmに関して190dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0125】(実施例4)メタクリル酸メチルを重合し
てクラッド部を形成した後、コア部のためのモノマーに
メタクリル酸ヘキシルを用いた他は全て実施例1と同様
の操作により、プラスチック光ファイバ母材を作製して
これをプラスチック光ファイバに線引し、線引直後と1
00℃で1日の条件で劣化した後とのプラスチック光フ
ァイバの伝送損失を比較した。
【0126】本実施例では、まず、図1及び図2に示さ
れる母材製造装置を用いて、メタクリル酸メチルに過酸
化ベンゾイルを添加して内径60mm、外径70mmの
ガラス製円筒内に注入したのちこれを約4, 000rp
mで回転させつつ加熱し重合させてクラッド部を作製し
た。次に、図1及び図2に示される装置を用いて、その
内側に、メタクリル酸ヘキシルにフタル酸ブチルベンジ
ルエステルを徐々に量を増加させて添加し溶解させたモ
ノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S(20)を用い
て、図3に示される工程により屈折率が漸次上昇する順
に20層から成るコア部を形成してプラスチック光ファ
イバ母材を作製した。作製されたプラスチック光ファイ
バ母材の屈折率分布を測定したところ、図6に示される
ような滑らかな分布を示していることが明らかになっ
た。
【0127】次に、このプラスチック光ファイバ母材
を、図4に示される線引装置を用いて実施例1と同じ線
引条件により、直径650μmのプラスチック光ファイ
バに線引した。線引された直後のプラスチック光ファイ
バの伝送損失を測定したところ、波長650nmに関し
て190dB/kmであった。
【0128】そして、このように得られたプラスチック
光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日入
れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、波
長650nmに関して195dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0129】(実施例5)コア部のためのモノマーにメ
タクリル酸三級ブチルを用い、屈折率上昇剤として安息
香酸ベンジルを用いた他は全て実施例3と同様の操作に
より、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれをプ
ラスチック光ファイバに線引し、線引直後と100℃で
1日の条件で劣化した後とのプラスチック光ファイバの
伝送損失を比較した。
【0130】本実施例では、メタクリル酸メチルを重合
してクラッド部を形成した後、メタクリル酸三級ブチル
に対し安息香酸ベンジルを徐々に量を増加させて添加し
溶解させたモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S
(20)を用いて、クラッド部の内側に漸次屈折率が上
昇する順に20層を重合してコア部を形成し、プラスチ
ック光ファイバ母材を作製した。作製されたプラスチッ
ク光ファイバ母材の屈折率分布を測定したところ、図6
に示されるような滑らかな分布を示していることが明ら
かになった。
【0131】次に、このプラスチック光ファイバ母材を
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに関して190dB/
kmであった。そして、このように得られたプラスチッ
ク光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日
入れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、
波長650nmに関して200dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0132】(実施例6)コア部のためのモノマーにメ
タクリル酸三級ブチルを用い、屈折率上昇剤としてジフ
ェニルスルフィドを用いた他は全て実施例3と同様の操
作により、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれ
をプラスチック光ファイバに線引し、線引直後と100
℃で1日の条件で劣化した後とのプラスチック光ファイ
バの伝送損失を比較した。
【0133】本実施例では、メタクリル酸メチルを重合
してクラッド部を形成した後、メタクリル酸三級ブチル
に対しジフェニルスルフィドを徐々に量を増加させて添
加し溶解させたモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜
S(20)を用いて、クラッド部の内側に漸次屈折率が
上昇する順に20層を重合してコア部を形成し、プラス
チック光ファイバ母材を作製した。作製されたプラスチ
ック光ファイバ母材の屈折率分布を測定したところ、図
6に示されるような滑らかな分布を示していることが明
らかになった。
【0134】次に、このプラスチック光ファイバ母材を
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに関して195dB/
kmであった。そして、このように得られたプラスチッ
ク光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日
入れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、
波長650nmに関して200dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0135】(実施例7)本実施例では、クラッド部の
ためのモノマー及びコア部のためのモノマーにメタクリ
ル酸三級ブチルを用い、屈折率上昇剤としてジフェニル
スルフィドを用いた他は全て実施例3と同様の操作によ
り、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれをプラ
スチック光ファイバに線引し、線引直後と100℃で1
日の条件で劣化した後とのプラスチック光ファイバの伝
送損失を比較した。
【0136】本実施例では、まず、図1及び図2に示さ
れる母材製造装置を用いて、メタクリル酸三級ブチルに
重合開始剤(過酸化ベンゾイル)を添加して内径50m
m、外径60mmのガラス製円筒内に注入したのちこれ
を約4, 000rpmで回転させつつ加熱し重合させて
クラッド部を作製した。次いで、メタクリル酸三級ブチ
ルに対しジフェニルスルフィドを徐々に量を増加させて
添加し溶解させたモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)
〜S(20)を用いて、クラッド部の内側に漸次屈折率
が上昇する順に20層を重合してコア部を形成し、プラ
スチック光ファイバ母材を作製した。作製されたプラス
チック光ファイバ母材の屈折率分布を測定したところ、
図6に示されるような滑らかな分布を示していることが
明らかになった。
【0137】次に、このプラスチック光ファイバ母材を
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに関して200dB/
kmであった。そして、このように得られたプラスチッ
ク光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日
入れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、
波長650nmに関して210dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0138】(実施例8)クラッド部のためのモノマー
及びコア部のためのモノマーの双方に下記の構造式を有
するエチル3−クロロ−2−プロペノエート(ethyl 3-c
hloro-2-propenoate )を用い、屈折率上昇剤としてジフ
ェニルスルフィドを用いた他は全て実施例3と同様の操
作により、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれ
をプラスチック光ファイバに線引し、線引直後と100
℃で1日の条件で劣化した後とのプラスチック光ファイ
バの伝送損失を比較した。
【0139】
【化56】
【0140】本実施例では、エチル3−クロロ−2−プ
ロペノエートを重合してクラッド部を形成した後、エチ
ル3−クロロ−2−プロペノエートに対しジフェニルス
ルフィドを徐々に量を増加させて添加し溶解させたモノ
マー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S(20)を用い
て、クラッド漸次屈折率が上昇する順に20層を重合し
てコア部を形成し、プラスチック光ファイバ母材を作製
した。作製されたプラスチック光ファイバ母材の屈折率
分布を測定したところ、図6に示されるような滑らかな
分布を示していいることが明らかになった。
【0141】次に、このプラスチック光ファイバ母材を
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに対して190dB/
kmであった。そして、このように得られたプラスチッ
ク光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日
入れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、
波長650nmに対して200dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0142】(実施例9)クラッド部のためのモノマー
及びコア部のためのモノマーの双方に下記の構造式を有
するエチル3,3−ジクロロ−2−プロペノエート(eth
yl 3,3-dichloro-2-propenoate )を用い、屈折率上昇剤
としてジフェニルスルフィドを用いた他は全て実施例3
と同様の操作により、プラスチック光ファイバ母材を作
製してこれをプラスチック光ファイバに線引し、線引直
後と100℃で1日の条件で劣化した後とのプラスチッ
ク光ファイバの伝送損失を比較した。
【0143】
【化57】
【0144】本実施例では、エチル3,3−ジクロロ−
2−プロペノエートを重合してクラッド部を形成した
後、エチル3,3−ジクロロ−2−プロペノエートに対
しジフェニルスルフィドを徐々に量を増加させて添加し
溶解させたモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S
(20)を用いて、クラッド漸次屈折率が上昇する順に
20層を重合してコア部を形成し、プラスチック光ファ
イバ母材を作製した。作製されたプラスチック光ファイ
バ母材の屈折率分布を測定したところ、図6に示される
ような滑らかな分布を示していいることが明らかになっ
た。
【0145】次に、このプラスチック光ファイバ母材を
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに対して190dB/
kmであった。そして、このように得られたプラスチッ
ク光ファイバを、100℃に設定されたオーブンに1日
入れて劣化させた後、その伝送損失を測定したところ、
波長650nmに対して190dB/kmであった。即
ち、本実施例で製造されたプラスチック光ファイバの劣
化後における伝送損失は、劣化前とほぼ同等であり、従
って、このプラスチック光ファイバが耐熱性に優れてい
ること、即ち、敷設した際の長期信頼性に優れているこ
とが示された。
【0146】(比較例1〜3)本発明に従ってなされた
実施例1〜9において示された本発明の有効性を更に明
らかにするため、本発明によらない3つの例を比較例1
〜3として以下に示す。これらの比較例1〜3では、コ
ア部のためのモノマーとして、ハロゲンを分子中に含ま
ず且つ比較的柔軟な構造をもつメタクリル酸メチルを共
通して用い、屈折率上昇剤にフタル酸ブチルベンジルエ
ステルを用いた例を比較例1、屈折率上昇剤にジフェニ
ルスルフィドを用いた例を比較例2、屈折率上昇剤に安
息香酸ベンジルを用いた例を比較例3とした。
【0147】これら3つの比較例に共通して、以下の手
順を行った。まず、メタクリル酸メチルの重合物から成
る内径40mm、外径50mmの円筒を用意してこれを
クラッド部とした。そして、図1及び図2に示される装
置を用いて、図3に示される工程によってプラスチック
光ファイバ母材を作製した。即ち、メタクリル酸メチル
に対して上記の屈折率上昇剤を徐々に量を増加させて添
加し溶解したモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S
(20)を用いて、これを母材内側表面上に注入して加
熱し重合させる操作を、モノマー屈折率上昇剤混合液を
1つづつ順に行い、漸次屈折率が上昇する順に20層を
形成してコア部を作製し、プラスチック光ファイバ母材
を得た。このとき、比較例1〜3に共通して、その屈折
率分布は図6に示されるような滑らかな分布を有してい
たことが明らかになった。次いで、実施例1〜9と同じ
装置及び条件でこれを線引してプラスチック光ファイバ
とし、実施例1〜9と同じように線引直後のファイバの
伝送損失と、100℃に1日の劣化後の伝送損失とを測
定した。
【0148】コア部のためのモノマーにメタクリル酸メ
チル、屈折率上昇剤にフタル酸ブチルベンジルエステル
をそれぞれ用いた比較例1では、線引直後の伝送損失は
200dB/kmであったのに対して、劣化後は300
dB/kmであった。コア部のためのモノマーにメタク
リル酸メチル、屈折率上昇剤にジフェニルスルフィドを
それぞれ用いた比較例2では、線引直後の伝送損失は2
00dB/kmであったのに対して、劣化後は350d
B/kmであった。コア部のためのモノマーにメタクリ
ル酸メチル、屈折率上昇剤に安息香酸ベンジルをそれぞ
れ用いた比較例1では、線引直後の伝送損失は190d
B/kmであったのに対して、劣化後は330dB/k
mであった。
【0149】以上のように、コア部のためのモノマーと
して、ハロゲンを分子中に含まず且つ比較的柔軟な構造
をもつメタクリル酸メチルを用いた場合、屈折率上昇剤
の種類に関係なく、100℃に1日放置した条件下にお
いて、メタクリル酸メチルをモノマーとして用いたこれ
らのプラスチック光ファイバの伝送損失は増大したこと
が明らかになった。実施例1〜9におけるプラスチック
光ファイバの劣化による伝送損失の変化を、これら比較
例1〜3における変化と比較することにより、コア部形
成のためのモノマーとして分子内に剛直な構造を含む化
合物又は分子内にハロゲンを含む化合物を用いて作製さ
れたプラスチック光ファイバの耐熱性が向上したこと
が、より明らかになった。
【0150】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のプ
ラスチック光ファイバは、分子中にハロゲンを含むモノ
マーあるいは分子が剛直なモノマーを重合させたポリマ
ーが含まれるため、優れた耐熱性が具備される。
【0151】また、本発明のプラスチック光ファイバ母
材の製造方法は、上記のモノマーを用い、クラッド部の
内側にこのモノマーの屈折率を変化させながら多層にコ
ア部を形成するため、耐熱性が高く且つ滑らかな屈折率
分布をもったプラスチック光ファイバ母材を容易に製造
することが可能となる。そして、この母材を線引するこ
とによって、耐熱性が高く且つ滑らかな屈折率分布をも
ったGI型プラスチック光ファイバを容易に製造するこ
とが可能となる。
【0152】従って、耐熱性が高く且つ滑らかな屈折率
分布をもったGI型プラスチック光ファイバを、簡便な
製造方法によって提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適に使用されるプラスチック光ファ
イバ母材製造装置の一例の斜視図である。
【図2】本発明に好適に使用されるプラスチック光ファ
イバ母材製造装置の一例における重合部組立体の縦断面
図である。
【図3】実施例1〜9及び比較例1〜3における工程図
であり、各工程毎のプラスチック光ファイバの斜視図で
ある。
【図4】本発明に従って作製されたプラスチック光ファ
イバ母材の線引に好適に使用可能な線引装置の縦断面図
である。
【図5】ステップインデックス(SI)型プラスチック
光ファイバの屈折率分布を表すグラフである。
【図6】グレーデッドインデックス(GI)型プラスチ
ック光ファイバの屈折率を表すグラフである。
【図7】実施例1においてコア部を3層として作製され
たプラスチック光ファイバ母材の屈折率分布を表すグラ
フである。
【符号の説明】
100…製造装置、102…台、104…モールド収容
部、106a、b…モータ、108a、b…モールド組
み立て体、110…ヒータ、122a、b、123…チ
ャック、124a、b、125…カバー、126…母
材、128a、b、129a、b…軸、130a、b…
軸受け、132a、b、133…支持円筒、134、1
35…窪み、302…クラッド部、304…コア部第1
層、306…コア部、410…線引装置、412…線引
炉、414…外径モニタ、416…巻取手段、420…
カバー、422…炉心管、424…ヒータ、426…母
材、427…ネックダウン部、428…上部円筒、42
9…矢印、430…リング、432…下部円筒、434
…シャッター、438…プラスチック光ファイバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 康博 神奈川県横浜市青葉区市ヶ尾町534の23

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部と、該コア部の中心部より低い屈
    折率を有するクラッド部とを含むプラスチック光ファイ
    バであって、 前記コア部又は前記クラッド部の少なくとも一方を構成
    する重合物のモノマーが、一般式 【化1】 [前記R1 、前記R2 及び前記R3 は、水素原子(H)
    と、アルキル基と、ハロゲンと、ハロゲン化アルキル基
    とから成る群から選択される同一又は相異なる原子又は
    基であり;前記R4 は、アルキル基と、ハロゲンと、ハ
    ロゲン化アルキル基とから成る群から選択される同一又
    は相異なる原子又は基であり;前記R5 及び前記R
    6 は、水素原子とアルキル基とから成る群から選択され
    る同一又は相異なる原子又は基である]で表される化合
    物であることを特徴とするプラスチック光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記R1 と、前記R2 と、前記R3 と、
    前記R4 とから成る群より少なくとも1つ選択される原
    子又は基が、環状アルキル基を有することを特徴とする
    請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記R1 と、前記R2 と、前記R3 と、
    前記R4 とから成る群より1つ以上選択される原子又は
    基が、ビシクロアルキル基とトリシクロアルキル基とか
    ら成る群から1つ以上選択される官能基を有することを
    特徴とする請求項2に記載のプラスチック光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記モノマーがハロゲンを含むことを特
    徴とする請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記R4 が炭素数1〜5のアルキル基で
    あることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光
    ファイバ。
  6. 【請求項6】 前記R1 と、前記R2 と、前記R3 と、
    前記R4 とから成る群より1つ以上選択される要素が、
    シクロヘキシル基とイソボルニル基とアダマンチル基と
    から成る群より1つ以上選択される官能基を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のプラスチック光ファイ
    バ。
  7. 【請求項7】 前記モノマーが前記プラスチック光ファ
    イバの前記コア部に含まれることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  8. 【請求項8】 前記モノマーに添加されて前記モノマー
    の重合物の屈折率を上昇させる屈折率上昇剤が、前記プ
    ラスチック光ファイバの前記コア部に更に含まれること
    を特徴とする請求項7に記載のプラスチック光ファイ
    バ。
  9. 【請求項9】 コア部と、該コア部の中心部より低い屈
    折率を有するクラッド部とを含むプラスチック光ファイ
    バ母材の製造方法であって、 一般式 【化2】 [前記R1 、前記R2 及び前記R3 は、水素原子(H)
    と、アルキル基と、ハロゲンと、ハロゲン化アルキル基
    とから成る群から選択される同一又は相異なる原子又は
    基であり;前記R4 は、アルキル基と、ハロゲンと、ハ
    ロゲン化アルキル基とから成る群から選択される同一又
    は相異なる原子又は基であり;前記R5 及び前記R
    6 は、水素原子とアルキル基とから成る群から選択され
    る同一又は相異なる原子又は基である]で表される化合
    物である第1のモノマーを用いて、中空部を有する略円
    筒形状のクラッド部に対して、 屈折率上昇剤を、前記第1のモノマーに添加した2以上
    の整数iの個数のモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)
    〜S(i)であって、重合した際の屈折率に関して、1
    <a≦iの数aに対して(S(a−1)の屈折率)≦
    (S(a)の屈折率)の関係をもつモノマー屈折率上昇
    剤混合液S(1)〜S(i)を用い、1≦x≦iの数x
    に対して、前記クラッド部の側面内側表面上に前記モノ
    マー屈折率上昇剤混合液S(x)を投入し、前記クラッ
    ド部を長手軸方向に回転させながら前記モノマー屈折率
    上昇剤混合液S(x)を重合させて略均一な厚さの層を
    形成する操作を、数xに関して1からiまで順に行い、
    前記クラッド部の側面内側表面上に、前記数iの個数の
    層から成り且つ半径方向内側に向かって屈折率が上昇す
    る屈折率分布を有するコア部を形成するコア部形成のス
    テップを含むことを特徴とするプラスチック光ファイバ
    母材の製造方法。
  10. 【請求項10】 中空の略円筒形状であるクラッド部製
    造モールドの側面内側表面に第2のモノマーを投入し、
    前記クラッド部製造モールドを長手軸方向を中心に回転
    させながら前記第2のモノマーを重合させて、中空の略
    円筒形状であるクラッド部を形成するクラッド部製造の
    ステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の
    プラスチック光ファイバ母材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2のモノマーが、前記第1のモ
    ノマーと同じ化合物であることを特徴とする請求項10
    に記載のプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7085470B2 (en) 2003-02-05 2006-08-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Plastic fiber-optic cable and producing method for the same

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