JP3444317B2 - プラスチック光ファイバ - Google Patents

プラスチック光ファイバ

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JP3444317B2
JP3444317B2 JP11461895A JP11461895A JP3444317B2 JP 3444317 B2 JP3444317 B2 JP 3444317B2 JP 11461895 A JP11461895 A JP 11461895A JP 11461895 A JP11461895 A JP 11461895A JP 3444317 B2 JP3444317 B2 JP 3444317B2
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毅 野中
裕男 松田
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック光ファイ
バに関する。
【0002】
【従来の技術】コア及びクラッド部が共にプラスチック
であるプラスチック光ファイバは、ガラスファイバに比
べ加工や取扱いが容易なため、その伝送損失が実質的に
問題にされない程度に短距離の光伝送路等として現在多
用されており、例えば電子装置間の光信号の送受等に用
いられているが、将来、LAN、ISDN等の次世代通
信網構想の中で重要な高速伝送媒体たる役割を担うこと
が期待されている。
【0003】既に実用化されているプラスチック光ファ
イバは、図6に示すような階段状に変化する屈折率分布
を有するステップインデックス型(SI型)のプラスチ
ック光ファイバであるが、これは伝送帯域が小さいため
に伝送容量が少く、高速伝送媒体等の通信用には適して
いない。図4に示すような半径方向に変化するコア屈折
率分布を有するグレーデッドインデックス(GI)型の
プラスチック光ファイバの方が、LAN等の通信用途に
適しており、ファイバの伝送帯域を広げることにより更
に伝送容量が大きくなる。このとき、伝送容量を大きく
とるためには、滑らかな曲線状の屈折率分布を得ること
が理想的であるが、図4のような階段状の屈折率分布で
も不足のない伝送容量を得ることができる。
【0004】特表平5−808488には、プラスチッ
クの屈折率を変化させるドーパントを添加して、界面ゲ
ル重合法により1ステップで中心から外側に向かって滑
らかに変化する屈折率分布をもつプラスチック光ファイ
バ母材を作製し、これを線引することによりGI型プラ
スチック光ファイバを得る態様が開示されている。界面
ゲル重合法は、ポリマーがモノマーへ拡散する性質と、
モノマーがポリマー相(ゲル相)へ選択的に拡散する性
質とを利用して、重合体中の組成の分布を生じさせる重
合方法であり、小池によるレビュー(化学工業,199
2年1月号,14−23頁)に詳細が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の文献のプラスチ
ック光ファイバは、界面ゲル重合法を用いて作製される
ため、コア外側から順に中心側に向かって緩やかに重合
反応を進める必要があり、そのため、大型の母材を作製
する場合は、重合に多大な時間を要する。また、界面ゲ
ル重合では、滑らかな屈折率分布を得るための重合条件
が制限されており、しかもコア内の屈折率差をあまり高
くできない。また、重合時間を短縮して生産性を高めよ
うとすれば、屈折率分布がSI型の分布になり易くなる
という問題もあった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、所望の屈折率を有し伝送損失が低く実用性の
高いプラスチック光ファイバを、生産性良く提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、屈折率を上昇
させる屈折率上昇剤とメタクリル酸アルキルエステルを
重合したポリマーとから構成され、異なる屈折率を有す
る複数の樹脂層が中心軸から半径方向外側に向かって
屈折率の高い樹脂層の順に密着包囲して形成され、中心
から半径方向外側に向かって上記屈折率上昇剤の比率が
小さくなり、且つ、上記コアの外側から中心に向かって
上記メタクリル酸アルキルエステルのアルキルの炭素数
が増加するように、上記樹脂層に対応して階段状に屈折
率が降下する屈折率分布を有するファイバ状のコアと、
上記コアの外側に被覆され、上記コアの中心部の屈折率
よりも低い屈折率を有するクラッド部と、から成ること
を特徴とするプラスチック光ファイバを提供する。
【0008】また、上記クラッド部を構成するポリマー
のモノマーは、メタクリル酸メチルであることが好まし
い。
【0009】本発明はまた、コアと該コアの外側を被覆
するクラッド部とからなるプラスチック光ファイバの、
伝送損失及び曲げ損失を低下させる方法であって、上記
コアとして、屈折率を上昇させる屈折率上昇剤とメタク
リル酸アルキルエステルを重合したポリマーとから構成
され、異なる屈折率を有する複数の樹脂層が、中心軸か
ら半径方向外側に向かって屈折率の高い樹脂層の順に密
着包囲して形成され、中心から半径方向外側に向かって
上記屈折率上昇剤の比率が小さくなり、且つ、上記コア
の外側から中心に向かって上記メタクリル酸アルキルエ
ステルのアルキルの炭素数が増加するように、上記樹脂
層に対応して階段状に屈折率が降下する屈折率分布を有
するファイバ状のコアを用い、上記クラッド部として、
前記コアの中心部の屈折率よりも低い屈折率を有するク
ラッド部を用いることを特徴とする方法を提供する。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】以下、本発明のプラスチック光ファイバに
関して、更に説明をする。
【0021】本発明のプラスチック光ファイバは、内側
から屈折率の高い順に複数の樹脂層から成る構成の母材
を、公知の方法で加熱溶融して線引することにより、容
易に得ることができる。
【0022】本発明のプラスチック光ファイバを構成す
る樹脂のモノマーは、以下に例示する化合物を上記第1
の化合物とし、これらのハロゲン化合物である第2の化
合物であってもよい:アクリル酸メチル(メチルアクリ
レート)、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレー
ト)、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸三級ブチル、メタ
クリル酸三級ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル
酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸イソボロニル、メタクリル酸イソボ
ロニル、アクリル酸アダマンチル(アクリルアダマンタ
ン)、メタクリル酸アダマンチル(メタクリルアダマン
タン)。このような第1の化合物をハロゲン化した第2
の化合物をモノマーとして用いる場合は、モノマーのハ
ロゲン置換数を変化させることにより、ホモポリマーの
屈折率を変化させることができる。
【0023】本発明では、係るモノマーに添加した混合
物を重合させた際の屈折率がモノマーのみの重合物より
も高い屈折率を与える添加剤を、屈折率上昇剤と称す
る。この屈折率上昇剤は、コアにおいてポリマー中に安
定に共存することができればよい。この屈折率上昇剤に
は、例えば、フタル酸ブチルベンジルエステル(フタル
酸ブチルベンジル)(屈折率n=1.536、以下同
様)、酢酸2−フェニルエチル(n=1.51)、フタ
ル酸ジメチル(n=1.515)、ジフェニルスルフィ
ド(1,1’−チオビス[ベンゼン])(n=1.63
5)等が好適に使用可能である。但し、本発明に用いる
ことのできる屈折率上昇剤には、ビニル基等の不飽和結
合を有する化合物は含まれない。コアを構成する樹脂層
が共重合体を含んだ場合は、光散乱により伝送損失が悪
化するため、これを防止する必要があるからである。
【0024】本発明では、モノマーに添加した混合物を
重合させた際の屈折率が、モノマーのみの重合物よりも
低い屈折率を与える添加剤を、屈折率降下剤と称する。
この屈折率降下剤には、例えば、酢酸ヘキシル(n=
1.408)、フタル酸ビス(3,5,5−トリメチル
ヘキシル)(n=1.478)、フタル酸ビス(2−メ
チルヘキシル)(n=1.486)等が好適に使用可能
である。但し、屈折率上昇剤と同様に、本発明に用いる
ことのできる屈折率降下剤には、ビニル基等の不飽和結
合を有する化合物は含まれない。コアを構成する樹脂層
が共重合体を含んだ場合は、光散乱により伝送損失が悪
化するため、これを防止する必要があるからである。
【0025】本発明のプラスチック光ファイバの分子量
は、コアとクラッド部とを構成するポリマーのGPCに
よる重量平均分子量が、10, 000以上300, 00
0以下であることが好ましく、更には30, 000以上
250, 000以下(更には50, 000以上200,
000以下)であることが好ましい。
【0026】コアを構成する高分子の重量平均分子量
は、10, 000以上300, 000以下であることが
好ましい。また、クラッド部を構成する高分子の重量平
均分子量も、10, 000以上300, 000以下であ
ることが好ましい。尚、母材を線引することによりプラ
スチック光ファイバを得ることができるので、母材を構
成する樹脂が上記の分子量であれば、同様の分子量の樹
脂で形成されるプラスチック光ファイバが得られる。
【0027】本発明のコア及びクラッド部を製造するた
めのモノマーの重合反応は公知の重合反応を用いること
ができるが、O−O結合を有する過酸化物やアゾ系化合
物等を開始剤とするラジカル重合であることが好まし
い。ここで、反応ラジカル重合反応の開始剤には、過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の、約40℃〜約1
00℃で有効にラジカルを発生するいわゆる中温開始剤
が好適に使用可能である。従って、このような中温開始
剤を用いた場合、重合反応の温度条件は、好適には約4
0℃〜約100℃である。反応熱や反応自体による膨脹
収縮によって重合反応中若しくは反応後ポリマーにクラ
ック等が生じないように、並びに、反応熱によってモノ
マーが反応中に沸騰することのないように、重合反応速
度は調節される必要があり、これは重合温度と開始剤濃
度との組み合わせにより調節可能である。ラジカル重合
反応の開始剤の添加量は、約40℃〜約100℃の重合
反応開始の条件に関して、系全体に対して0.001〜
10重量%程度、更には0.01〜0.3重量%程度
(特に0.05〜0.15重量%程度)であればよい。
尚、このような熱エネルギーによる塊状重合以外にも、
光エネルギーを用いた塊状重合等も使用可能である。こ
の場合においても同様に、温度等の入力エネルギー量と
開始剤濃度との組み合わせにより、重合反応速度を調節
することが可能である。
【0028】プラスチック光ファイバ母材のコア又はク
ラッド部が、加熱により開始する重合反応により製造さ
れる場合には、コア又はクラッド部の製造に用いられる
製造装置は、母材又は下記のモールドを回転可能で、且
つ温度制御の機能をもつ加熱手段を有する装置であれ
ば、形態を問わず、本発明に好適に使用できる。但し、
この重合反応には、空気中の酸素に反応の進行が阻害さ
れる場合もあるため、母材をモールドに挿入して設置す
る際、その両端を封止できる機能が具備されることが好
ましい。
【0029】重合反応の際、母材及びモールドを回転さ
せる場合は、回転数が約10, 000rpm以下、特
に、約100rpm〜約5, 000rpmであることが
好ましい。
【0030】母材のクラッド部の製造に用いられるモー
ルドは、中空の円筒形状であればよく、ガラス等様々な
材料が使用可能である。母材のクラッド部は、上述のよ
うに回転させながら重合させてもよいし、ロッドに穴を
あけて作製してもよい。コアの製造に際しては、コア中
心まで重合を行ってもよいし、途中で重合を終了させて
コラプスして製造してもよい。
【0031】
【作用】本発明のプラスチック光ファイバのコアは、内
側から屈折率の高い順に複数の樹脂層から成る構成であ
り、その屈折率分布は、中心から半径方向外側に向かっ
て階段状を呈している。従って、SI型プラスチック光
ファイバと比較してモード分散を小さくできるので、高
速通信用途に要求されるレベルの伝送帯域を実現するこ
とができる。また、各樹脂層の重合は単純な重合反応で
あるため、屈折率分布を有するコアを短い製造時間で品
質のばらつきがなく製造できる。従って、高速通信用途
に適用できるプラスチック光ファイバを生産性良く製造
することが可能となる。
【0032】また、本発明のプラスチック光ファイバの
コアは、屈折率上昇剤又は屈折率降下剤を使用して屈折
率分布を得るため、これらのポリマーに対する比率を変
化させることにより、所望の屈折率分布を容易に得るこ
とが可能となる。
【0033】また、屈折率上昇剤又は屈折率降下剤には
重合性の官能基を含まない態様では、各樹脂層は共重合
体を含まない樹脂で形成されるため、ブロック化による
光散乱を生じることはない。
【0034】モノマーの分子量を変化させて屈折率を変
化させたホモポリマーを樹脂層に用いる態様では、屈折
率上昇剤又は屈折率降下剤との組合わせで更に屈折率を
変化させることができるため、所望の屈折率分布を容易
に得ることができる。
【0035】また、コア最外部の屈折率をクラッド部の
屈折率よりも低くする態様では、コア中心部とコア最外
部との屈折率差(Δn)を大きくすることが容易であ
り、この場合は、光とじこめ効果が大きくなる。そのた
め、曲げ損失が小さくなるプラスチック光ファイバを得
ることが可能となる。
【0036】
【実施例】以下、添付した図面を必要に応じて参照しつ
つ、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、添
付した図面の説明においては、同一の要素には同一の符
号を付し、重複する説明を省略した。また、説明の便宜
のために縮尺を誇張して描く場合もある。
【0037】図1は、本発明に使用可能なプラスチック
光ファイバ母材の製造装置の斜視図である。図1に示さ
れるように、製造装置100は、台102と、重合部収
容部104とにより構成される。重合部収容部104に
は、2台の重合部組立体108a,bが収容され、それ
ぞれモータ106a,bに接続されて回転可能な状態に
ある。底面部を持たない重合部収容部104は、台10
2の上面が無い部分の上に設置される。重合部収容部1
04の下方の台102底面には、ヒータ110(点線で
図示)が配置される。従って、ヒータ110と重合部組
立体108a,bとの間には遮るものが存在せず、重合
部組立体108a,bは、ヒータ110から直接加熱さ
れる。ヒータ110は、温度制御の機能を有している。
【0038】以下、構成の同一な左右の重合部組立体1
08a,bにつき、108aに関して説明をし、以下の
説明では添字aを省略する。
【0039】図2は、製造途中の母材を設置した状態で
の重合部組立体108の断面図である。図1及び図2に
示されるように、母材製造過程における重合部組立体1
08は、両側に1個づつの円柱状のテフロン(登録商
標)製チャック122,123及びカバー124,12
5とを備え、内部に製造途中の母材126を包含する。
重合部組立体108の片方の端のチャック122は、モ
ータ106の駆動を伝達する軸128に固定された支持
円筒132に係合し、他方の端のチャック123は、軸
受130に挿入された軸129に固定された支持円筒1
33に係合している。即ち、重合部組立体108は、モ
ータ106の駆動によって回転可能な状態で、その両端
で水平に支持され重合部収容部104内に包含される。
【0040】図2に示されるように、チャック122及
び123は、それぞれ、一方の底面の中心に母材126
と同じ直径の円柱状の窪み134及び135を有し、母
材126がこれら窪み134及び135に係合される。
【0041】(実施例1)図3は、本実施例におけるプ
ラスチック光ファイバ母材の製造工程の工程図であり、
製造の各工程におけるプラスチック光ファイバ母材の外
観図である。本実施例では、まず、図1及び図2に示さ
れるプラスチック光ファイバ母材製造装置を用い、モノ
マーにメタクリル酸メチル、屈折率上昇剤にはフタル酸
ブチルベンジルエステルを用いて、重合による層の形成
を多層に行うことにより階段状の屈折率分布を有するG
I型プラスチック光ファイバ母材を作製した。次に、公
知の線引装置を用いてこの母材を線引してプラスチック
光ファイバを得た。そして、得られたプラスチック光フ
ァイバの伝送損失と曲げ損失とを測定した。
【0042】本実施例では、以下のようにプラスチック
光ファイバ母材を作製した。図1〜図3を参照してその
工程を説明する。まず、メタクリル酸メチルの重合物か
ら成る内径40mm、外径50mmの円筒126を用意
した(図3(a)参照)。この円筒126を、母材のク
ラッド部として用いた。
【0043】このクラッド部126の内側へのコア部の
形成は、次のように行った。図1及び図2に示されるよ
うに、母材(以下、少なくともクラッド部を有するもの
を総称して「プラスチック光ファイバ母材」ないし「母
材」と称する)126の両端をチャック122及び12
3に係合させ、カバー124,125を配して重合部組
立体108をなした。この重合部組立体108を製造装
置100に設置した。次に、メタクリル酸メチル100
部(重量基準、以下同じ)にフタル酸ブチルベンジルエ
ステル25部を加えて溶解させたモノマー屈折率上昇剤
混合液S(1)に対して0.1%の過酸化ベンゾイルを
混合して、母材126(即ち、この時点では図3(a)
に示されるようにクラッド部302と等しい)の内側表
面上に注入した。そして、ヒータ110を70℃の温度
に設定して作動させ、同時にモータ106を作動させて
重合部組立体108を約1, 000rpmの回転数で回
転させた。重合部組立体108を回転させることによ
り、注入されたモノマー屈折率上昇剤混合液S(1)
は、遠心力によりクラッド部の円周方向及び長手方向に
関してほぼ均一な厚さをもって母材126(この場合は
クラッド部302)の内側表面上に存在する。この状態
で加熱及び回転を継続し、クラッド部302の内側にコ
ア部第1層304が形成された(図3(b1)参照)。
第1層形成の重合反応が完全に終了した後、モノマー屈
折率上昇剤混合液S(1)にフタル酸ブチルベンジルエ
ステルを少量づつ添加して順に屈折率が高くなるモノマ
ー屈折率上昇剤混合液S(2)〜S(8)を調製しつ
つ、これをS(2)からS(8)まで順に1つづつ用い
て同様の操作をコア部第2層(S(2))からコア部第
8層(S(8))まで行い、8層から成り内側に向かっ
て漸次屈折率が上昇するコア部306が形成された(図
3(bi)参照、本実施例ではi=8)。ここにおい
て、クラッド部302とコア部306とから成るプラス
チック光ファイバ母材126が作製された。以上の各樹
脂層を形成する重合反応に要した時間は、1層当たり3
0分〜1時間であった。界面ゲル重合法を用いて同様の
ことを行えば、滑らかなGI型の屈折率分布を得ること
ができる反面、1層当たり10〜12時間以上の重合時
間を要する。従って、本実施例のように界面ゲル重合法
を用いずに階段状のGI型プラスチック光ファイバ母材
を作製すれば、生産性が著しく向上することが明らかに
なった。
【0044】このプラスチック光ファイバ母材の屈折率
分布を干渉法(測定装置:P−101、ヨーク社製、以
下、全ての実施例及び比較例の屈折率分布の測定におい
てこの方法及び装置を用いる)で調べたところ、図4の
ような階段状のGI型の屈折率分布を有することが明ら
かになった。
【0045】次に、このプラスチック光ファイバ母材
を、公知の線引装置を用いて直径650μmのプラスチ
ック光ファイバに線引した。この時の線引の条件は、炉
心管の温度が240℃、線引速度が2m/min.であ
った。線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送
損失を、カットバック法(測定装置:AQ−6315
B、安藤電気社製、以下全ての実施例及び比較例の伝送
損失の測定においてこの方法及び装置を用いる)で測定
したところ、波長650nmに関して200dB/km
であった。また、得られたプラスチック光ファイバの屈
折率分布は、図4に示されるような、中心から半径方向
外側に向かって降下する階段状の屈折率分布を有するこ
とが確認された。
【0046】次に、このプラスチック光ファイバを、直
径10mmのマンドレルに巻きつけた状態で、カットバ
ック法でAQ−6315Bを用いて曲げ損失を測定し
た。このときの曲げ損失の値は、2.5dBであった。
【0047】また、このプラスチック光ファイバの伝送
帯域を、パルス法により測定した。このプラスチック光
ファイバの伝送領域は、波長650nmにおいて100
MHz・kmであった。この伝送帯域の値は、標準的な
SI型プラスチック光ファイバの伝送帯域と比べて、約
10倍広いことが明らかになった。
【0048】以上のように、本実施例では、本発明に従
って、メタクリル酸メチルをモノマーに、フタル酸ブチ
ルベンジルエステルを屈折率上昇剤に用い、外側から中
心に向かって、屈折率上昇剤を順次増加させた8層のコ
アを形成することによりプラスチック光ファイバを簡便
に生産性良く作製できることが示され、更にこのプラス
チック光ファイバが良好な伝送損失及び曲げ損失を備え
ることが確認された。
【0049】尚、本実施例は変形が可能であり、例え
ば、母材の作製には、上記の回転円筒を用いる方法の他
に、屈折率上昇剤又は屈折率降下剤の添加率の異なる複
数のペレット状のポリメタクリル酸メチルを、予め重合
により得ておき、これを同心円状に口金を配置した金型
を用いて押出し法によって、本実施例で作製したと同様
の、複数の層から成り階段状に屈折率が変化するコアを
含む母材を作製してもよい。
【0050】(実施例2)酢酸ヘキシルを屈折率降下剤
として用いた以外は、全て実施例1と同様の操作によ
り、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれをプラ
スチック光ファイバに線引し、得られたプラスチック光
ファイバの伝送損失及び曲げ損失を比較した。
【0051】本実施例では、メタクリル酸メチルに酢酸
ヘキシルを添加した重合物から成る内径40mm、外径
50mmの円筒をクラッド部とし、図1及び図2に示さ
れる装置を用いて、その内側に、メタクリル酸メチルに
酢酸ヘキシルを徐々に量を減少させて添加し溶解させた
モノマー屈折率降下剤混合液T(1)〜T(8)(酢酸
ヘキシルの添加率は全てクラッド部のそれよりも低い)
を順に用いて、図3に示される工程により屈折率が漸次
上昇する順に8層から成るコア部を形成してプラスチッ
ク光ファイバ母材を作製した。作製されたプラスチック
光ファイバ母材の屈折率分布を測定したところ、図4に
示されるような階段状のGI型屈折率分布を示している
ことが明らかになった。
【0052】そして、このプラスチック光ファイバ母材
を、線引装置を用いて実施例1と同じ線引条件により、
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに関して190dB/
kmであった。
【0053】次に、このプラスチック光ファイバを、直
径10mmのマンドレルに巻きつけた状態で、曲げ損失
を測定した。このときの曲げ損失の値は、2.8dBで
あった。
【0054】以上のように、本実施例では、本発明に従
って、メタクリル酸メチルをモノマーに、酢酸ヘキシル
を屈折率降下剤に用い、外側から中心に向かって、屈折
率降下剤を順次減少させた8層のコアを形成することに
よりプラスチック光ファイバを簡便に生産性良く作製で
きることが示され、更にこのプラスチック光ファイバが
良好な伝送損失及び曲げ損失を備えることが確認され
た。
【0055】(実施例3)クラッド部にメタクリル酸エ
チルのホモポリマーを用い、コア用のモノマーにメタク
リル酸エチル、屈折率上昇剤にフタル酸ブチルベンジル
エステルを用いた以外は、全て実施例1と同様の操作に
より、プラスチック光ファイバ母材を作製してこれをプ
ラスチック光ファイバに線引し、得られたプラスチック
光ファイバの伝送損失及び曲げ損失を比較した。即ち、
コアのポリマーとクラッド部のポリマーに、異なるモノ
マーのポリマーを用いて、階段状の屈折率分布を有する
プラスチック光ファイバを作製した。
【0056】本実施例では、メタクリル酸エチルの重合
物から成る内径40mm、外径50mmの円筒をクラッ
ド部とし、図1及び図2に示される装置を用いて、その
内側に、メタクリル酸エチルにフタル酸ブチルベンジル
エステルを徐々に量を増加させて添加し溶解させたモノ
マー屈折率上昇剤混合液S(1)〜S(8)を順に用い
て、図3に示される工程により屈折率が漸次上昇する順
に8層から成るコア部を形成してプラスチック光ファイ
バ母材を作製した。作製されたプラスチック光ファイバ
母材の屈折率分布を測定したところ、図4に示されるよ
うな階段状のGI型屈折率分布を示していることが明ら
かになった。
【0057】そして、このプラスチック光ファイバ母材
を、線引装置を用いて実施例1と同じ線引条件により、
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに関して180dB/
kmであった。
【0058】次に、このプラスチック光ファイバを、直
径10mmのマンドレルに巻きつけた状態で曲げ損失を
測定した。このときの曲げ損失の値は、2.5dBであ
った。
【0059】以上のように、本実施例では、本発明に従
って、クラッド部のモノマーとコアのモノマーとが異な
り、また、外側から中心に向かって屈折率上昇剤を順次
増加させた8層のコアを形成することによりプラスチッ
ク光ファイバを簡便に生産性良く作製できることが示さ
れ、更にこのプラスチック光ファイバが良好な伝送損失
及び曲げ損失を備えることが確認された。
【0060】(実施例4)メタクリル酸メチルを、コア
と同様に重合してクラッド部を作製した後、コア用のモ
ノマーにメタクリル酸アルキルエステル、屈折率上昇剤
にフタル酸ブチルベンジルエステルを用い、アルキルの
炭素数の大きいモノマーの順に、且つ屈折率上昇剤の添
加量を増加しながら、実施例1と同様の操作によりホモ
ポリマー8層から成るコアを形成して、プラスチック光
ファイバ母材を作製した。これをプラスチック光ファイ
バに線引し、得られたプラスチック光ファイバの伝送損
失及び曲げ損失を比較した。
【0061】本実施例では、屈折率を上昇させる手段と
して、屈折率上昇剤の添加量の増加と、モノマーの変更
とを併用し、相乗的に屈折率を増加させた。ここでモノ
マーにメタクリル酸アルキルエステルを用いる場合は、
アルキルの炭素数を増加させることにより、ポリマーの
屈折率が上昇する。
【0062】まず、内径50mm、外径60mmのガラ
ス製中空円筒のクラッド部製造用モールドを図1に示さ
れる装置に設置し、0.1%の過酸化ベンゾイルを添加
したメタクリル酸メチルを、クラッド部モールドの中空
部表面に供給した。そして、モールドを4,000rp
mで回転させながら加熱し重合を行って、メタクリル酸
メチルのホモポリマーから成る内径40mm、外径50
mmの中空円筒であるクラッド部を作製した。
【0063】次に、図1及び図2に示される装置を用い
て、その内側に、メタクリル酸エチルにフタル酸ブチル
ベンジルエステルを25重量部添加し溶解させたモノマ
ー屈折率上昇剤混合液S(1)を用いて、図3に示され
る工程によりコア第1層304を形成した。次いで、メ
タクリル酸プロピルに、S(1)よりも大きな添加率で
フタル酸ブチルベンジルエステルを添加したモノマー屈
折率上昇剤混合液S(2)を用いて、同様にコア第2層
を形成した。以後、アルキルの炭素数を増加させ且つフ
タル酸ブチルベンジルエステルの添加率を順次増加させ
た、モノマー屈折率上昇剤混合液S(3)〜S(7)を
順に用いて、コア第3層〜コア第7層を形成して、プラ
スチック光ファイバ母材を作製した。ここで、各モノマ
ー屈折率上昇剤混合液の内容は、モノマーに関しては、
S(3)がメタクリル酸ブチル、S(4)がメタクリル
酸ペンチル、S(5)がメタクリル酸ヘキシル、S
(6)がメタクリル酸ヘプチル、S(7)がメタクリル
酸オクチルであった。また、屈折率上昇剤の添加率に関
して、S(i)<=S(i+1)(i=1〜7)となる
ように調製された。
【0064】以上のように作製されたプラスチック光フ
ァイバ母材の屈折率分布を測定したところ、図4に示さ
れると同様な、7段の階段状のGI型屈折率分布を示し
ていることが明らかになった。
【0065】そして、このプラスチック光ファイバ母材
を、線引装置を用いて実施例1と同じ線引条件により、
直径650μmのプラスチック光ファイバに線引した。
線引された直後のプラスチック光ファイバの伝送損失を
測定したところ、波長650nmに関して180dB/
kmであった。
【0066】次に、このプラスチック光ファイバを、直
径10mmのマンドレルに巻きつけた状態で曲げ損失を
測定した。このときの曲げ損失の値は、2.5dBであ
った。
【0067】以上のように、本実施例では、外側から中
心に向かって、コアのモノマーであるメタクリル酸アル
キルエステルのアルキルの炭素数を増加させ、また、屈
折率上昇剤を順次増加させた7層のコアを形成すること
によりプラスチック光ファイバを簡便に生産性良く作製
できることが示され、更にこのプラスチック光ファイバ
が良好な伝送損失及び曲げ損失を備えることが確認され
た。
【0068】(実施例5)本実施例では、図5に示され
るように、クラッド部よりも低い屈折率を最外部に持
ち、中心に向かって階段状に上昇し、コアの最大屈折率
と最小屈折率との差(Δn)の大きな屈折率分布を有す
るコアを備えるプラスチック光ファイバを作製した。ク
ラッド部にメタクリル酸メチルのホモポリマーを用い、
クラッド部に近接するコアの部分には、屈折率降下剤を
用いてクラッド部よりも屈折率を低くし、屈折率降下剤
の添加率が順に小さくなるように実施例1と同様の操作
により複数の層を形成した。次いでその内側に、メタク
リル酸メチルのホモポリマー層を1層形成し、更にその
内側に、屈折率上昇剤を用いてクラッド部よりも屈折率
を高くした複数の層を、屈折率上昇剤の添加量が大きく
なる順に実施例1と同様の操作により形成して、プラス
チック光ファイバ母材を作製した。このプラスチック光
ファイバのコアは、合計で16層から成る。これをプラ
スチック光ファイバに線引し、得られたプラスチック光
ファイバの伝送損失と曲げ損失とを測定した。本実施例
では、コアのモノマーにメタクリル酸メチル、屈折率降
下剤に酢酸ヘキシル、屈折率上昇剤にはフタル酸ブチル
ベンジルエステルを用いた。
【0069】まず、メタクリル酸メチルのホモポリマー
から成る内径40mm、外径50mmの中空円筒をクラ
ッド部とし、図1及び図2に示される装置を用いて、そ
の内側に、メタクリル酸メチルに酢酸ヘキシルを溶解し
たモノマー屈折率降下剤混合液T(1)を、1.0%の
過酸化ベンゾイルと共に注入して、装置を回転し加熱し
て重合させ、コア第1層を形成した。そして、メタクリ
ル酸メチルへの屈折率降下剤の添加率を順次減少させた
モノマー屈折率降下剤混合液T(2)〜T(7)を1つ
づつ順に用い、コア第2層からコア第7層まで順次樹脂
層を形成した。ここで、酢酸ヘキシルの添加率に関し
て、T(i)>=T(i+1),i=1〜7であった。
【0070】次に、コア第7層の内側に、実施例1と同
様の層の形成方法で、メタクリル酸メチルのホモポリマ
ーのコア第8層を形成した。
【0071】更に、メタクリル酸メチルにフタル酸ブチ
ルベンジルエステルを添加したモノマー屈折率上昇剤混
合液S(1)をコア第8層の内側に注入し、同様に回転
しつつ加熱して、コア第9層を形成した。そして、メタ
クリル酸メチルへの屈折率降下剤の添加率を順次増加さ
せたモノマー屈折率降下剤混合液S(2)〜S(8)を
1つづつ順に用い、コア第10層からコア第16層まで
順次樹脂層を形成して、プラスチック光ファイバ母材が
作製された。ここで、フタル酸ブチルベンジルエステル
の添加率に関して、S(i)<=S(i+1),i=1
〜8であった。
【0072】以上のように作製されたプラスチック光フ
ァイバ母材の屈折率分布を測定したところ、図5に示さ
れるように、Δnの大きな階段状のGI型屈折率分布を
示していることが明らかになった。
【0073】次に、このプラスチック光ファイバ母材
を、実施例1と同じ線引装置を用いて実施例1と同じ線
引条件により、直径650μmのプラスチック光ファイ
バに線引した。線引されたプラスチック光ファイバの屈
折率分布は、図5に示されるように、Δnの大きな階段
状のGI型の分布を呈していた。線引された直後のプラ
スチック光ファイバの伝送損失を測定したところ、波長
650nmに関して170dB/kmであった。
【0074】次に、このプラスチック光ファイバを、直
径10mmのマンドレルに巻きつけた状態で、実施例1
と同様に曲げ損失を測定した。このときの曲げ損失の値
は、0.5dBであった。
【0075】以上のように、本実施例では、本発明に従
って、屈折率降下剤と、屈折率上昇剤とを用い、Δnの
大きなプラスチック光ファイバを作製できることが示さ
れ、更にこのプラスチック光ファイバが良好な伝送損失
及び曲げ損失を備えることが確認された。特に、このよ
うなΔnの大きなコアを有するプラスチック光ファイバ
は、曲げ特性において非常に有利な結果が得られ、且つ
簡便に生産性良く作製されることが示された。
【0076】尚、本実施例は変形が可能であり、例え
ば、用いるモノマーの種類を更にコアの樹脂層毎に変
え、且つ屈折率降下剤及び屈折率上昇剤の添加量を本実
施例と同様に変化させることにより、更にΔnを大きく
することも可能である。モノマーの種類を変える方法に
は、例えば、実施例4の如く、メタクリル酸アルキルエ
ステルのアルキルの炭素数を変えることにより行っても
よい。
【0077】(比較例1〜3)本発明に従ってなされた
実施例1〜5により示された本発明の有効性を更に明ら
かにするため、以下の本発明によらない3つの例を比較
例1〜3として示す。これらの比較例1〜3では共通し
て、コアの形成に関して、1ステップの界面ゲル重合法
を利用して、GI型の屈折率分布を得ようと試みた。
【0078】これら3つの比較例に共通して、以下の手
順を行った。まず、メタクリル酸メチルの重合物から成
る内径40mm、外径50mmの円筒を用意してこれを
クラッド部とした。そして、図1及び図2に示される装
置を用いて、クラッド部の中空部にモノマーと屈折率上
昇剤との混合液を充填し、回転させながら緩やかに加熱
して、母材のコアを形成した。即ち、比較例1〜3にお
いて、母材のコアは、本発明のように複数の層で形成せ
ず、1つの層内で界面ゲル重合法により組成分布をつけ
て、漸次屈折率が上昇するコアを得ようと試みた。
【0079】比較例1では、コアのモノマーにはメタク
リル酸メチル、屈折率上昇剤にはフタル酸ブチルベンジ
ルエステルを用いた。比較例2では、コアのモノマーに
はメタクリル酸メチル、屈折率上昇剤にはジフェニルス
ルフィドを用いた。比較例3では、コアのモノマーには
メタクリル酸メチル、屈折率上昇剤にはリン酸トリフェ
ニル(トリフェニルフォスフェート)を用いた。
【0080】このように行われた比較例1〜3で得られ
た各プラスチック光ファイバ母材の屈折率分布を調べた
ところ、共通して、その屈折率分布が図6に示されるよ
うなSI型の分布を有していたことが明らかになった。
【0081】また、比較例1〜3では共通して、コアは
1層であったにもかかわらず、実施例1で母材の作製に
要した時間の2倍の時間を必要とした。
【0082】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のプ
ラスチック光ファイバは、階段状の屈折率分布を有する
ため、通信用途に適用するに充分な伝送損失及び曲げ損
失を有し、また、作製が非常に容易であり生産性も高
い。
【0083】従って、高速通信に用いることが可能な実
用的なプラスチック光ファイバを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適に使用されるプラスチック光ファ
イバ母材製造装置の一例の斜視図である。
【図2】本発明に好適に使用されるプラスチック光ファ
イバ母材製造装置の一例における重合部組立体の縦断面
図である。
【図3】実施例1〜5及び比較例1〜3における工程を
表す、各工程毎のプラスチック光ファイバの斜視図であ
る。
【図4】階段状の屈折率分布を有するグレーデッドイン
デックス(GI)型プラスチック光ファイバの屈折率分
布を表すグラフである。
【図5】Δnの大きな階段状の屈折率分布を有するグレ
ーデッドインデックス(GI)型プラスチック光ファイ
バの屈折率分布を表すグラフである。
【図6】ステップインデックス(SI)型プラスチック
光ファイバの屈折率分布を表すグラフである。
【符号の説明】
100…製造装置、102…台、104…モールド収容
部、106a、b…モータ、108a、b…モールド組
み立て体、110…ヒータ、122a、b、123…チ
ャック、124a、b、125…カバー、126…母
材、128a、b、129a、b…軸、130a、b…
軸受け、132a、b、133…支持円筒、134、1
35…窪み、302…クラッド部、304…コア第1
層、306…コア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−119509(JP,A) 特開 昭57−32404(JP,A) 特開 平7−13030(JP,A) 特開 平7−13029(JP,A) 特開 平7−5332(JP,A) 特開 平7−5330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 - 6/12 G02B 6/10 G02B 6/16 - 6/22 G02B 6/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率を上昇させる屈折率上昇剤とメタ
    クリル酸アルキルエステルを重合したポリマーとから構
    成され、異なる屈折率を有する複数の樹脂層が中心軸
    から半径方向外側に向かって屈折率の高い樹脂層の順に
    密着包囲して形成され、 中心から半径方向外側に向かって前記屈折率上昇剤の比
    率が小さくなり、且つ、前記コアの外側から中心に向か
    って前記メタクリル酸アルキルエステルのアルキルの炭
    素数が増加するように、前記樹脂層に対応して階段状に
    屈折率が降下する屈折率分布を有するファイバ状のコア
    と、 前記コアの外側に被覆され、前記コアの中心部の屈折率
    よりも低い屈折率を有するクラッド部と、 から成ることを特徴とするプラスチック光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記クラッド部を構成するポリマーのモ
    ノマーが、メタクリル酸メチルであることを特徴とする
    請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 コアと該コアの外側を被覆するクラッド
    部とからなるプラスチック光ファイバの、伝送損失及び
    曲げ損失を低下させる方法であって、 前記コアとして、屈折率を上昇させる屈折率上昇剤とメ
    タクリル酸アルキルエステルを重合したポリマーとから
    構成され、異なる屈折率を有する複数の樹脂層が、中心
    軸から半径方向外側に向かって屈折率の高い樹脂層の順
    に密着包囲して形成され、中心から半径方向外側に向か
    って前記屈折率上昇剤の比率が小さくなり、且つ、前記
    コアの外側から中心に向かって前記メタクリル酸アルキ
    ルエステルのアルキルの炭素数が増加するように、前記
    樹脂層に対応して階段状に屈折率が降下する屈折率分布
    を有するファイバ状のコアを用い、 前記クラッド部として、前記コアの中心部の屈折率より
    も低い屈折率を有するクラッド部を用いることを特徴と
    する方法。
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