JPH08219706A - 距離測定方法およびその装置 - Google Patents

距離測定方法およびその装置

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JPH08219706A
JPH08219706A JP2638495A JP2638495A JPH08219706A JP H08219706 A JPH08219706 A JP H08219706A JP 2638495 A JP2638495 A JP 2638495A JP 2638495 A JP2638495 A JP 2638495A JP H08219706 A JPH08219706 A JP H08219706A
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JP
Japan
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measured
distance
electrode
measuring
measurement electrode
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JP2638495A
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English (en)
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Takashi Kimura
隆 木村
Mikio Ohashi
幹夫 大橋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、被測定体との間の距離を測定する
のに好適な距離測定方法およびその装置に関し、被測定
体から離隔する測定電極よりこれらの間の距離に応じた
信号を検出することにより、被測定体の性質の影響がな
く低コストで高精度な簡易な構成による測定を実現する
ことを目的とする。 【構成】 被測定体12から離隔した位置に配設した測定
電極13を鉛直方向に振動させこれらの間の静電容量C0
を変化させてこの静電容量C0の変化に伴い変化する測
定電極13の電位を検出し、この検出信号V0からこれら
の間の距離Lを算出することができ、また測定電極13の
電位に対応する距離Lを予め測定しておくことにより検
査信号V0に対応する距離Lを得ることができる。さら
に、測定電極13の位置や変動幅を変えることによって検
出信号から異なる出力の出力信号V1、V2を得ることが
でき、被測定体12の電位等による影響をなくすことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定体からの距離あ
るいは被測定体の変位量を測定する距離測定方法および
その装置に関し、特に、被測定体からの距離が非常に小
さい間隔(数μm〜数mmの隙間等)を測定するのに好
適な距離測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、物体の間の距離(隙間)は、
光を用いて測定したり、その間の静電容量を検知して測
定したりしている。この種の光学方式のものとしては、
例えば、特開昭56−130608号公報、特開平1−
257208号公報、特開平2−156105号公報、
または特開平4−166705号公報等に記載されてい
る。具体的には、特開昭56−130608号公報に記
載のものは、被測定体からの反射光の強さを検知しその
光の強度から距離を測定している。特開平1−2572
08号公報に記載のものは、被測定体に設けた光学素子
からの反射光と回折光または2つの回折光から位置を検
出して距離を測定している。特開平2−156105号
公報に記載のものは、2つの物質から反射され相互に干
渉した光の強度から微小隙間の寸法を測定している。特
開平4−166705号公報に記載のものは、鏡面から
微小距離はなれて位置する物体の光散乱面に光を照射し
てその反射光を検知素子に投影しこの投影像とその鏡像
とから距離を測定している。
【0003】一方、静電容量検知方式のものとしては、
例えば、特開昭52−125351号公報に記載されて
いる。具体的には、面積が実質的に等しく、かつ、被測
定体に対向する一対の測定電極を配置することによっ
て、この測定電極で容量性素子を構成し被測定体と間の
容量変化を感知して被測定体からの距離の変化を測定し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た光学方式によるものにあっては、高精度な光学部、光
の発生装置、および光検知装置等が必要であることか
ら、システムが高価になってしまうとともに構成が複雑
になり、大型化してしまうという問題があった。また、
被測定体がガラスや樹脂などの透明体の場合には光の透
過や屈折により測定が困難になるという問題もあった。
【0005】一方、後述した静電容量検知方式によるも
のにあっては、被測定体が透明体の場合でも容易に距離
を測定することができるが、複雑な形状の測定電極を作
製しなければならず(特開昭52-125351号公報、第2a
図参照)、また測定精度に対する測定電極のばらつきの
影響が大きく、測定精度を上げようとすると加工精度が
厳しくなり加工コストが高くなってしまうという問題が
あった。
【0006】そこで、本発明は、被測定体および測定電
極の間の電気特性を変化させることにより、被測定体と
の間の距離に応じた信号を測定電極から検出して、被測
定体および測定電極との間の距離を被測定体の性質に拘
らずに低コストで簡易な構成により精度よく測定するこ
とのできる距離測定方法およびその装置を提供すること
を目的とし、特に、請求項2から4記載の発明に係る距
離測定方法や請求項5、6記載の発明に係る距離測定装
置は、2つ以上の前記信号を検出することにより、測定
精度の低下要因を削減して、測定の信頼性の向上を図る
ことを目的とする。さらに、請求項7〜9記載の発明に
係る距離測定装置は、被測定体および測定電極の間の電
気特性を変化させる機構を簡易な構成にして、コストの
削減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明に係る距離測定方法は、被測定体から
離隔した位置に測定電極を配設して該被測定体および測
定電極の間の距離を測定する距離測定方法であって、前
記被測定体および測定電極の間の静電容量を変化させ、
被測定体の表面電位に対応して誘起され該静電容量の変
化に伴い変化する測定電極の電位を検出し、該検出結果
から被測定体および測定電極の間の距離を得ることを特
徴としている。
【0008】請求項2記載の発明に係る距離測定方法
は、被測定体から離隔した位置に測定電極を配設して該
被測定体および測定電極の間の距離を測定する距離測定
方法であって、前記被測定体および測定電極の間の静電
容量を変化させ、被測定体の表面電位に対応して誘起さ
れ該静電容量の変化に伴い変化する測定電極の電位を検
出し、該検出信号から少なくとも出力値の異なる2つ以
上の出力信号を検知して該出力信号から被測定体および
測定電極の間の距離を導き出すことを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明に係る距離測定方法
は、前記検出信号から少なくとも出力値の異なる2つ以
上の出力信号を検知する方法として、前記測定電極を被
測定体からの距離の異なる位置の間を変動させて、被測
定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、各々の位
置での出力信号を検知することを特徴とし、請求項4記
載の発明に係る距離測定方法は、前記検出信号から少な
くとも出力値の異なる2つ以上の出力信号を検知する方
法として、前記測定電極を異なる変動幅で変動させて、
被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、各々
の変動幅での出力信号を検知することを特徴としてい
る。
【0010】また、請求項5記載の発明に係る距離測定
装置は、被測定体から離隔した位置に測定電極を配設し
て該被測定体および測定電極の間の距離を測定する距離
測定装置であって、前記測定電極を被測定体からの距離
の異なる位置の間を変動させ、測定電極および被測定体
の間の静電容量を変化させる容量変化手段と、被測定体
の表面電位に対応して誘起され静電容量の変化に伴い変
化する測定電極の電位を検出する電位検出手段と、測定
電極の被測定体からの距離の異なる位置での検出信号か
ら少なくとも出力値の異なる2つ以上の出力信号を検知
する出力検知手段と、該出力信号から被測定体および測
定電極の間の距離を導き出す距離導出手段と、を備えた
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項6記載の発明に係る距離測定装置
は、被測定体から離隔した位置に測定電極を配設して該
被測定体および測定電極の間の距離を測定する距離測定
装置であって、前記測定電極を異なる変動幅で変動さ
せ、測定電極および被測定体の間の静電容量を変化させ
る容量変化手段と、被測定体の表面電位に対応して誘起
され静電容量の変化に伴い変化する測定電極の電位を検
出する電位検出手段と、測定電極の異なる変動幅での検
出信号から少なくとも出力値の異なる2つ以上の出力信
号を検知する出力検知手段と、該出力信号から被測定体
および測定電極の間の距離を導き出す距離導出手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0012】そして、請求項7記載の発明に係る距離測
定装置は、前記容量変化手段として、前記測定電極を固
設された圧電材料または電磁コイルを設け、該圧電材料
または電磁コイルを駆動して測定電極を変動させること
を特徴とするものである。請求項8記載の発明に係る距
離測定装置は、前記圧電材料または電磁コイルの駆動電
圧として、直流電圧または周期的に変化する電圧を印加
することを特徴とするものである。
【0013】請求項9記載の発明に係る距離測定装置
は、前記圧電材料の形状を板状に形成し、該圧電材料の
一端側または両端側を支持したことを特徴とするもので
ある。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、被測定体との間の静
電容量に伴い変化する測定電極の電位が検出される。そ
して、この測定電極の電位は被測定体の電位およびこれ
らの間の距離に応じた値となるので、これらの関係と検
出結果から被測定体および測定電極の間の距離が得られ
る。したがって、被測定体の性質に拘らず、1つの測定
電極の被測定体との間の静電容量を変化させるだけでこ
れらの間の距離を測定することができ、測定電極の加工
精度も必要ない。
【0015】請求項2記載の発明では、被測定体との間
の静電容量に伴い変化する測定電極の電位が検出され、
この検出信号から少なくとも出力値の異なる2つ以上の
出力信号が検知される。そして、この出力信号は被測定
体の電位およびこれらの間の距離に応じた値となり被測
定体の電位による要因は相殺することができることか
ら、被測定体および測定電極の間の距離に応じた異なる
出力信号からこれらの間の距離が導出される。したがっ
て、被測定体の性質に拘らず、1つの測定電極と被測定
体との間の静電容量を変化させるだけでこれらの間の距
離を測定することができ、測定電極の加工精度も必要な
い。さらに、被測定体の電位は測定電極との間の距離の
導出に関係なくなるので、被測定体への印加電圧の精度
が必要なくなり、測定電極との間の距離を高精度に測定
することができる。
【0016】請求項3記載の発明では、測定電極を被測
定体からの距離の異なる位置の間を変動させることによ
り被測定体と測定電極との間の静電容量が変化され、測
定電極の異なる位置での電位を検出することによりその
検出信号から出力値の異なる2つ以上の出力信号が検知
される。したがって、出力値の異なる2つ以上の出力信
号が簡易に検知される。
【0017】請求項4記載の発明では、測定電極が異な
る変動幅で変動されることにより被測定体と測定電極と
の間の静電容量が変化され、測定電極の異なる変動幅で
の電位を検出することによりその検出信号から出力値の
異なる2つ以上の出力信号が検知される。したがって、
出力値の異なる2つ以上の出力信号が簡易に検知され
る。
【0018】また、請求項5または6記載の発明では、
測定電極が容量変化手段により被測定体からの距離の異
なる位置の間を変動される、または、異なる変動幅で変
動される、ことにより被測定体と測定電極との間の静電
容量が変化されて静電容量の変化に伴い変化する測定電
極のそれぞれの電位が電位検出手段により検出され、そ
れらの検出信号から少なくとも出力値の異なる2つ以上
の出力信号が出力検知手段により検知される。そして、
この出力信号は被測定体の電位およびこれらの間の距離
に応じた値となり被測定体の電位による要因は相殺する
ことができることから、被測定体および測定電極の間の
距離に応じた異なる出力信号からこれらの間の距離が導
出される。したがって、被測定体の性質に拘らず、1つ
の測定電極を変動させて被測定体との間の静電容量を変
化させるだけでこれらの間の距離を測定することがで
き、測定電極の加工精度も必要ない。さらに、被測定体
の電位は測定電極との間の距離の導出に関係なくなるの
で、被測定体への印加電圧の精度が必要なくなり、測定
電極との間の距離を高精度に測定することができる。
【0019】そして、請求項7記載の発明では、容量変
化手段として、測定電極を固設された圧電材料または電
磁コイルが設けられ、その圧電材料または電磁コイルを
駆動することにより測定電極が変動される。したがっ
て、測定電極が簡単な構成で変動される。請求項8記載
の発明では、圧電材料または電磁コイルの駆動電圧とし
て、直流電圧または周期的に変化する電圧が印加され
る。したがって、圧電材料または電磁コイルが簡易な駆
動電圧により駆動され、測定電極が変動される。
【0020】請求項9記載の発明では、圧電材料が板状
に形成されてその一端側または両端側が支持される。し
たがって、圧電材料が簡易に形成され、その圧電材料に
より測定電極が変動される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1〜図6は本発明に係る距離測定方法の第1実施例を示
す図であり、図1、図2は本実施例を実施する距離測定
装置の一例を示す図、図3はその測定原理を説明する
図、図4は本実施例を説明するフローチャートである。
なお、本実施例は、請求項1記載の発明に対応する。
【0022】まず、構成を説明する。図1および図2に
おいて、12は被測定体、13は測定電極であり、被測定体
12および測定電極13は距離Lで離隔・対向し電気的には
独立しており、被測定体12には電圧Vsを印加する電源
14が接続され、測定電極13には他端側を接地された所定
の抵抗値Rsの検出用抵抗15が接続されている。また、
測定電極13は図示していない電圧供給手段から供給され
る駆動電圧により駆動される、例えば、圧電素子16(P
ZT等の圧電材料からなる駆動手段)の被測定体12側に
固設されており、被測定体12に近接・離隔する方向(図
1中、矢印方向)に振動される。この被測定体12および
測定電極13は電気的には独立しているが距離Lで対向し
ていることから、図1中に破線で示すように、静電容量
0で結合されていることになる。そして、検出用抵抗1
5の測定電極13側には、発生する電圧(以下、検出信号
ともいう)を増幅する増幅器17が接続されており、この
増幅器17により増幅された検出信号は平滑回路18、A/
D変換回路19を経てマイクロプロセッサ20に取り込まれ
るようになっている。なお、測定電極13の材料として
は、Al、Ni、Pt、Au、Agなどの金属またはそ
の合金により構成されている。また、圧電素子16は電磁
コイル(例えば、ソレノイド等)に代えてもよい。
【0023】ここで、被測定体12および測定電極13の間
の静電容量C0は、 C0=εair(S/L) ・・・(1) のように表される。そして、測定電極13を圧電素子16に
より被測定体12の近接・離隔方向に振動させて被測定体
12からの距離Lを周期的に変化させると、静電容量C0
は所定の変化量Ccで変化することとなり、測定電極13
を角周波数ωで振動させたときの静電容量C0の最大変
化率をα0とすると、静電容量Ccは次式のように表され
る。
【0024】Cc=α0・C0・sinωt(ただし、t
は変化時間) このとき、被測定体12に電源14から電圧Vsを印加する
と、測定電極13上には電荷Qcが誘起され、この測定電
極13は被測定体12への印加電圧Vsに応じた電位とな
る。そのため、検出用抵抗15には電流Icが流れて両端
に電圧V0が生じる。このときに発生する電荷Qc、電流
Ic、および電圧V0は、 Qc=Cc・Vs Ic=dQc/dt=α0・ω・C0・Vs・cosωt V0 =Ic・Rs=α0・ω・Rs・C0・Vs・cosωt ・・・(2) のように表される。この検出用抵抗15の両端に発生する
電圧V0は、被測定体12への印加電圧Vsを所定にする
とともに、測定電極13の振動量を一定にして静電容量C
0の最大変化率α0を固定値とすることによって、静電容
量C0に応じた電圧となる。すなわち、検出用抵抗15の
両端に発生する電圧V0は、被測定体12および測定電極1
3の間の距離Lによって変化する検出信号V0となり、印
加電圧Vs、静電容量C0、およびその最大変化率α0
既知であれば、上記(1)、(2)式からマイクロプロ
セッサ20によりこれらの間の距離Lを算出することがで
きる。
【0025】したがって、被測定体12が金属の場合には
被測定体12に直接電圧を印加し、また被測定体12が絶縁
体の場合には表面に蒸着等の薄膜形成方法で金属薄膜を
形成しそれに印加することで、被測定体12との距離を測
定することができる。そして、被測定体12への印加電圧
Vsを5V、50V、100V、200V、500V、
1000Vに設定し、被測定体12および測定電極13の間
の距離Lを変化させて検出用抵抗15の両端に発生する電
圧V0を検出したところ、この電圧V0は、図3に示すよ
うに、距離Lが大きくなるほど小さくなり、印加電圧V
sを高くするほど大きくなるという結果であった。この
ように、被測定体12への印加電圧Vsを所定に設定して
検出した検出信号V0を距離Lに対応させることによっ
て被測定体12および測定電極13の間の距離Lを測定する
ことが可能であり、被測定体12への印加電圧Vsを高く
するほど距離Lの測定精度を高くすることができる。し
かし、この被測定体12への印加電圧Vsを高電圧にする
と電源14が大きくなるとともに漏電対策等を施さなけれ
ばならないので、コスト高になってしまう。そのため、
印加電圧Vsとしては通常5V〜1KV、好ましくは5
0V〜500V程度の範囲が適当である。なお、被測定
体12への印加電圧Vsは、被測定体12表面が導電性を有
する場合には直接ケーブルを接続して印加すればよい、
また、被測定体12表面が絶縁性を有する場合には摩擦帯
電やコロナチャージャー等によるコロナ帯電によって帯
電させ、その帯電電位を表面電位計(例えば、Trek
社製 Model 1344)で予め測定しておけばよい。
【0026】ところで、この距離測定方法により実際の
装置等の被測定体12および測定電極13の間の距離Lを測
定する場合には、外的要因(例えば、湿度等)が安定し
ていないと静電容量C0等が変化して誤差を多く含むこ
ととなるため、この測定結果の信頼性は低いものになる
ことがある。そのため、本実施例においては、被測定体
12および測定電極13との間の距離Lに対する検出信号V
0を予め測定してメモリ21内に記憶させ、被測定体12の
位置を測定するときには、マイクロプロセッサ20が検知
した検出信号V0をメモリ21内の記憶データと比較する
ことによって被測定体12および測定電極13との間の距離
Lを得るようになっている。このマイクロプロセッサ20
は、増幅器17により増幅され平滑回路18が保持する検出
信号V0の最大値をA/D変換回路19がデジタル信号に
変換した後に取り込むようになっている。
【0027】次に、本実施例の距離測定方法を図4のフ
ローチャートにより説明する。まず、被測定体12に電圧
Vs(例えば、100V)を印加し(ステップP1)、
その状態で圧電素子16に駆動電圧(例えば、振幅20V
の正弦波電圧)を供給して測定電極13を被測定体12に近
接・離隔方向に振動させ、これらの間の静電容量C0
変化させる(ステップP2)。このとき、測定電極13の
電位は静電容量C0に伴って変化して検出用抵抗15の両
端には被測定体12および測定電極13との間の距離Lに応
じた検出信号V0が発生する。そして、この検出信号V0
は、増幅器17により増幅されて平滑回路18およびA/D
変換回路19を経てマイクロプロセッサ20に最大値が取り
込まれる(ステップP3)。このマイクロプロセッサ20
は、取り込んだ検出信号V0の最大値に対応する被測定
体12および測定電極13との間の距離Lをメモリ21内から
読み出し(ステップP4)、この測定結果を、例えば図
示していない表示器等に表示する。
【0028】このように本実施例では、被測定体12と測
定電極13との間の静電容量C0を変化させ測定電極13の
電位(検出信号)V0を検出することによりこれらの間
の距離Lを測定するので、被測定体12が透明であっても
距離Lを測定することができ、測定電極13の加工精度も
必要ない。したがって、被測定体12の性質に拘らずその
位置を低コストで簡易な構成により精度よく測定するこ
とができる。
【0029】さらに、メモリ21内に記憶されている検出
信号V0と検出した検出信号V0とを比較して被測定体12
および測定電極13との間の距離Lを得ることによって、
湿度等の外的要因による影響を少なくすることができ、
測定の信頼性が向上する。また、本実施例の他の態様と
しては、容量変化手段が、測定電極の実行面積Sを変化
させることによって被測定体12との間の静電容量C0
変化させるようにしてもよい。例えば、図5および図6
に示すように、測定電極13を基板25上に被測定体12から
距離Lで離隔させてほぼ対向するように位置固定すると
ともに、SUSなどの金属板26を測定電極13の両側方を
覆うように圧電素子27に固定して容量変化手段を構成
し、その圧電素子27に周期的に変化する駆動電圧を印加
することによって、その圧電素子27の長手方向(図中横
方向)への伸縮により金属板26を図中矢印方向に振動さ
せて測定電極13の実効面積Sを見かけ上増減させ静電容
量C0を変化させるようにしても同様な距離測定方法を
実施することができ、その作用効果を得ることができ
る。なお、基板25を金属で形成する場合には測定電極13
上に誘起された電荷が基板25を通って消失する恐れがあ
るため、測定電極13との間に樹脂フィルムなどの絶縁体
を介して固定するのがよい。
【0030】また、本実施例では、被測定体12と測定電
極13との間の静電容量C0の変化に伴い検出用抵抗15の
両端に発生する電圧V0をそのまま検出信号として処理
しているが、図7に示すように、この検出信号V0は静
電容量C0の変化に応じて振動し、その振幅は被測定体1
2および測定電極13の間の距離Lに対応することから、
この検出信号V0のピークtoピーク電圧Vpを利用す
るようにしてもよい。具体的には、被測定体12および測
定電極13の間の距離Lを隙間ゲージ、マイクロメータ、
レーザ変位計などの周知の距離測定方法によって0.5
〜10mmの範囲で設定し、被測定体12への印加電圧V
sを100Vとして測定電極13を振幅20Vの正弦波電
圧で振動させ電圧Vpを測定すると、図8に示すような
関係が得られる。そして、この電圧Vpを検出信号とし
て被測定体12および測定電極13の間の距離Lに対応させ
てメモリ21内に記憶させておき、検出信号Vpから被測
定体12および測定電極13の間の距離Lを導き出すように
してもよい。
【0031】なお、本実施例は、被測定体12に供給する
印加電圧Vsを100Vとした例を説明したが、この印
加電圧Vsはこれに限られるものではなく、好適には前
述した範囲内とするのみであり、所定の印加電圧Vsに
応じた検出信号V0の最大値と距離Lの関係をメモリ21
に記憶させておけばよい。また、測定電極13を振動させ
るための駆動信号として正弦波を用いているが、周期的
に変化する信号であれば正弦波に限らずパルス状(矩形
波)、鋸状、三角状、台形波状などでもよい。
【0032】次に、図9〜図12は本発明に係る距離測定
方法およびその装置の第2実施例を示す図であり、図
9、図10は本実施例の距離測定装置を示す図、図11は本
実施例の測定原理を説明する図、図12は本実施例の距離
測定方法を説明するフローチャートである。なお、本実
施例は、請求項2、3、5、7〜9のいずれかに記載の
発明に対応している。また、本実施例では、上述実施例
で用いた距離測定装置と同様な構成には同一の符号を付
してその説明を省略する。
【0033】まず、構成を説明する。図9および図10に
おいて、31は検出プローブであり、検出プローブ31は被
測定体12に離隔・対向しており、検出プローブ31は検出
用抵抗15および増幅器17が接続された測定電極13が内装
され、この増幅器17により増幅された検出信号は平滑回
路18、A/D変換回路19を経てマイクロプロセッサ20に
取り込まれるようになっている。
【0034】検出プローブ31内の測定電極13は、被測定
体12に対向するよう板状に形成された圧電素子36(容量
変化手段)の略中央に固設されている。この圧電素子36
は両側方を固定部材38に両持ち梁状に支持されて前記電
圧供給手段から供給される駆動電圧により上下方向に撓
むように駆動し、測定電極13を被測定体12の表面に近接
・離隔方向(図中、鉛直方向)に移動させることによっ
て被測定体12からL1離隔した位置(図9に実線で示し
ている位置)とL2離隔した位置(L2=L1+d、図9
に破線で示している位置)の間を変動させ被測定体12お
よび測定電極13の間の静電容量C0を変動させる。ま
た、検出プローブ31には、測定電極13の実効面積Sを周
期的に増減して静電容量C0を変化させる金属板26(図
5および図6に示している)を備えている。
【0035】この検出プローブ31は、測定電極13を被測
定体12からL1およびL2離隔した位置に変動、すなわち
測定電極13を距離dだけ離れた異なる位置の間を変動さ
せるとともに、金属板26によりそれぞれの位置で測定電
極13の実行面積Sを変化させることから、それぞれの位
置で上述実施例の検出信号V0に相当する出力値の異な
る検出電圧V1、V2を得ることができる。
【0036】ここで、この測定電極13の実効面積Sの変
化量をΔSとすると、静電容量C0の変化率α0は、 α0=ΔS/S ・・・(3) と表される。そして、被測定体12からL1離隔した位置
での測定電極13との間の静電容量をC1、L2離隔した位
置での測定電極13との間の静電容量をC2とすると、そ
れぞれの位置で検出され増幅器17により増幅された検出
信号V1、V2は、上記(1)〜(3)式より、 V1=A・α0・ω・C1・Vs・cosωt =A・ω・εair・(ΔS/L1)・Vs・cosωt ・・・(4) V2=A・α0・ω・C2・Vs・cosωt =A・ω・εair・(ΔS/L2)・Vs・cosωt の異なる出力値の出力信号V1、V2となる。(Aは増幅
器17による増幅率)また、L2=L1+dなので出力信号
2はさらに V2=A・ω・εair・(ΔS/L1+d)・Vs・cosωt・・・(5) と表される。
【0037】そして、両位置における出力信号V1、V2
の比をとると、上記(4)、(5)式より、 V1/V2=(L1+d)/L1=F(L1) となり、L1に関しての関数となる。このL1と(V1
2)との関係は、被測定体12表面の電位に関係なく図1
1のような関係曲線で表される。そして、測定電極13の
変動距離dは圧電素子36に印加する駆動電圧によって所
望の値で一定にすることができるので、出力信号V1
2の比をとることによって、絶縁性の被測定体12であ
っても表面に摩擦などによって電位が生じていれば、そ
の電位の大きさに関係なく(言い換えればその電位の大
きさがわからなくても)、測定電極13と被測定体12の間
の距離L1を(または測定電極の変動距離dを加算する
ことによってL2を)、導出することができる。したが
って、この出力信号V1、V2の比からマイクロプロセッ
サ20により測定電極13と被測定体12の間の距離L1また
はL2を算出することができ、これらの間の距離Lを測
定することができる。すなわち、マイクロプロセッサ20
は距離導出手段を構成しており、検出用抵抗15は電位検
出手段を、平滑回路18は出力検知手段を構成している。
なお、出力信号V1およびV2の比としては、V1/V2
限らず、V2/V1としてもよいことはいうまでもない。
【0038】さらに、この出力信号V1、V2の比と距離
Lとの関係式には、前記外的要因が含まれていないので
かなり正確に被測定体12および測定電極13との間の距離
Lを導出することができるが、本実施例では、この測定
結果の確度をより向上させるため、メモリ21内に被測定
体12および測定電極13の間の距離L1またはL2に対応す
る出力信号V1およびV2の比を記憶させ、マイクロプロ
セッサ20が取り込んだデジタル信号の出力信号V1およ
びV2の比に対応する距離L1またはL2をメモリ21内か
ら読み出すことによって被測定体12の位置を測定するよ
うになっている。
【0039】次に、本実施例の距離測定方法を図12のフ
ローチャートにより説明する。まず、圧電素子36に駆動
電圧を印加せずに測定電極13の位置を初期状態(図9に
実線で示す状態)にして(ステップP11)、被測定体12
に印加電圧VS(例えば、100V)を印加するととも
に圧電素子27に駆動電圧(例えば、振幅20Vの正弦波
電圧)を供給して金属板26により測定電極13の実行面積
Sを増減して被測定体12との間の静電容量C1を変化さ
せる(ステップP12)。このとき、測定電極13の電位は
静電容量C1に伴って変化して被測定体12との間の距離
1に応じた検出信号V1となり、この検出信号V1の増
幅された出力信号V1の最大値がマイクロプロセッサ20
に取り込まれる(ステップP13)。
【0040】次いで、圧電素子36に駆動電圧を印加して
測定電極13の位置を被測定体12から距離dだけ離隔させ
て距離L2に位置する状態(図9に破線で示す状態)に
して(ステップP14)、ステップP12、P13と同様に測
定電極13の被測定体12との間の距離L2に応じた検出信
号V2を発生させ、その出力信号V2の最大値をマイクロ
プロセッサ20に取り込ませる(ステップP15)。
【0041】そして、マイクロプロセッサ20が取り込ん
だ出力信号V1、V2の最大値の比を算出してその値に対
応する被測定体12および測定電極13との間の距離L1
メモリ21内から読み出し(ステップP17)、前記表示器
等に表示する。このように本実施例では、上述実施例の
作用効果に加え、上述実施例にあっては前記外的要因の
他に、被測定体12に供給する印加電圧Vsがばらつくと
測定電極13との間の距離を正確に測定することができ
ず、被測定体12が絶縁物である場合には表面電位計など
で予めその電位を知る必要があるとともにその表面電位
は測定時の電位ではないことから、検出信号V0とメモ
リ21内に記憶した電圧とを一致させることは困難である
という課題があったが、被測定体12から距離L1、L2
け離隔した2つの位置に測定電極13を変動させ、それぞ
れの位置での測定電極13と被測定体12の間の静電容量C
1、C2を変化させて測定電極13に誘起される電位の変化
を検出し、その出力信号V1、V2(検出信号V1、V2
の比からこれらの間の距離L1またはL2を導出するの
で、前記外的要因や被測定体12の電位に関係なく、また
被測定体12が樹脂などの絶縁材料の場合でも金属薄膜を
表面に形成することなく摩擦等の帯電方法により表面を
帯電させることによってこれらの距離を誤差なく容易に
測定することができる。すなわち、被測定体12の表面電
位に依存せずに、測定電極13と被測定体12の間の距離を
得ることができる。
【0042】さらに、メモリ21内に記憶されている出力
信号V1、V2の比と検知した出力信号V1、V2の比とを
比較して被測定体12および測定電極13との間の距離Lを
導出することによって、測定の確度がより向上する。ま
た、測定電極13は被測定体12に近接・離隔方向に移動さ
せるだけなので、簡単に形成可能な板状の圧電素子36に
より測定電極13の位置を変えることができ、その駆動も
容易である。したがって、低コストで簡易な構成により
精度よく、かつ、容易に被測定体12および測定電極13の
間の距離を測定することができる。
【0043】また、本実施例の他の態様としては、図13
に示すように、固定部材38に一端を固定された片持ち梁
状の圧電素子46(容量変化手段)の他端側に測定電極13
を固設し、この圧電素子46へ駆動電圧を供給することに
よって測定電極13を被測定体12からの距離L1、L2の間
を変動させるようにしてもよい。また、図示していない
が、圧電素子36に代えてソレノイド等の電磁コイルを利
用したものに測定電極13を固設して印加電圧の振幅の大
きさやそれらの振動の周波数、あるいはバイアス電圧の
大きさを変えることによって測定電極13の位置を代える
ようにしてもよい。
【0044】なお、本実施例では、測定電極13が被測定
体12から距離L1だけ離隔した位置で出力信号V1を、距
離L2だけ離隔した位置で出力信号V2を、と順次検出し
ているが、測定電極13を距離L1、L2だけ離隔した位置
の間を変動させつつ出力信号V1、V2を検知して距離L
1またはL2を測定するようにしてもよい。次に、図14〜
図17は本発明に係る距離測定方法およびその装置の第3
実施例を示す図であり、図14は本実施例の距離測定装置
を示す図、図15〜図17は本実施例の測定原理を説明する
図である。なお、本実施例は、請求項2、3、5、7〜
9のいずれかに記載の発明に対応する。また、本実施例
では、距離測定方法は上述第2実施例と同様であること
からフローチャートは省略しており、上述実施例で用い
た距離測定装置と同様な構成には同一の符号を付してそ
の説明を省略している。図14において、41は検出プロー
ブであり、検出プローブ41は被測定体12の表面に対向し
て所定面積で開口する開口部42aを有し電気的に遮蔽さ
れたシールドケース42を備えており、このシールドケー
ス42内に開口部42aを介して被測定体12に距離Lを隔て
て対向するよう電気的に独立している測定電極13が配設
されている。この測定電極13は固定部材38に一端を固定
された片持ち梁状の圧電素子46(容量変化手段)の他端
側に固設されている。
【0045】この検出プローブ41は、前記電圧供給手段
によって圧電素子46に正弦波状の図15(a)および図15
(b)に示すような電圧を重畳させた図15(c)に示す
駆動電圧波形を印加して駆動させるようになっており、
図16に示すように、測定電極43を被測定体12の表面に対
して鉛直方向に周期的に振幅ΔLで振動させつつ測定距
離L1、L2の位置の間を変動させて測定電極13と被測定
体12との間の静電容量C0を変化させる。そして、測定
電極13の測定距離L1、L2のそれぞれの位置で上述実施
例の検出信号V0に相当する出力値の異なる検出電圧
1、V2を得るようになっている。
【0046】ここで、測定距離L1、L2のときの被測定
体12と測定電極13との間の静電容量C0の変化率α1、α
2は、振動の大きさが等しいとき、 α1=ΔL/(L1−ΔL) ・・・(6) α2=ΔL/(L2−ΔL) ・・・(7) となる。そして、被測定体12からL1離隔した位置での
測定電極13との間の静電容量をC1、L2離隔した位置で
の測定電極13との間の静電容量をC2とすると、それぞ
れの位置で検出され増幅器17により増幅された検出信号
1、V2は、上記(1)、(2)、(6)、(7)式よ
り、 V1=A・α1・ω・C1・Vs・cosωt =A・ΔL/(L1−ΔL)・ω・εair・(S/L1)・Vs・cosωt ・・・(8) V2=A・α2・ω・C2・Vs・cosωt =A・ΔL/(L2−ΔL)・ω・εair・(S/L2)・Vs・cosωt ・・・(9) と表される。(Aは増幅器による増幅率) そして、上述実施例と同様に、L2=L1+dなので、上
記(8)、(9)式より、測定距離L1について逆に求
めることができ、被測定体12表面の電位Vsに依存せず
にL1を一義的に求めるには、この(8)、(9)式か
らV1、V2の比を算出すればよい。例えば出力比をV1
/V2としたとき、 V1/V2=L2・(L2−ΔL)/〔L1・(L1−ΔL)〕 =(L1+d)・(L1+d−ΔL)/〔L1・(L1−ΔL)〕 =F(L1) となり、L1に関しての関数となり、上述実施例と同様
に、L1と(V1/V2)との関係は被測定体12表面の電
位に関係なく図17のような関係曲線で表される。したが
って、マイクロプロセッサ20で測定電極13の間の距離L
1またはL2を出力信号V1およびV2の比から算出して測
定することができる。また、同様にメモリ21内に被測定
体12および測定電極13の間の距離L1またはL2に対応す
る検出信号V 1およびV2の比を記憶させておくことによ
り、図12により説明した距離測定方法によって被測定体
12および測定電極13の間の距離Lを測定することができ
る。
【0047】このように本実施例では、上述実施例の作
用効果に加え、測定電極13の実行面積Sを変化させる金
属板26および圧電素子27を配設することなく、測定電極
13と被測定体12の間の距離L1またはL2を導出すること
ができるので、駆動系が1つの簡易な構成にすることが
でき、よりコストを削減することができる。次に、図18
〜図21は本発明に係る距離測定方法およびその装置の第
4実施例を示す図であり、図18は本実施例の距離測定装
置を示す図、図19〜図21は本実施例の測定原理を説明す
る図である。なお、本実施例は、請求項4、6〜9のい
ずれかに記載の発明に対応する。また、本実施例では、
距離測定方法は上述第2実施例と同様であることからフ
ローチャートは省略しており、上述実施例で用いた距離
測定装置と同様な構成には同一の符号を付してその説明
を省略している。
【0048】本実施例においては、検出プローブ41は、
図18に示すように、圧電素子46に前記電圧供給手段から
図19に示す周期的に振幅が変動する駆動電圧波形を印加
して測定電極13を、図20に示すように、被測定体12から
距離Lだけ離隔した位置で被測定体12に近接・離隔方向
(鉛直方向)に異なる振幅幅ΔL1、ΔL2で変動させこ
とによって被測定体12との間の静電容量C0を変動させ
るようになっている。そして、測定電極13の振幅Δ
1、ΔL2のそれぞれから上述実施例の検出信号V 0
相当する出力値の異なる検出電圧V1、V2を得ることが
できる。
【0049】ここで、振幅ΔL1、ΔL2のときの被測定
体12と測定電極13との間の静電容量C0の変化率α1、α
2は、 α1=ΔL1/(L−ΔL1) ・・・(10) α2=ΔL2/(L−ΔL2) ・・・(11) となる。そして、振幅ΔL1、ΔL2のときの検出電圧V
1、V2は、上記(1)、(2)、(10)、(11)式よ
り、 V1=A・α1・ω・C0・Vs・cosωt =A・ΔL1/(L−ΔL1)・ω・εair・(S/L)・Vs・cosωt ・・・(12) V2=A・α2・ω・C0・Vs・cosωt =A・ΔL2/(L−ΔL2)・ω・εair・(S/L)・Vs・cosωt ・・・(13) と表される。(Aは増幅器による増幅率)この(12)、
(13)式より、測定距離Lについて逆に求めることがで
き、被測定体12表面の電位Vsに依存せずにLを一義的
に求めるには、この(12)、(13)式からV1、V2の比
を算出すればよい。例えば、出力比をV1/V2としたと
き、 V1/V2=ΔL1・(L−ΔL2)/〔ΔL2・(L−ΔL1)〕 =F(L) ・・・(14) となる。この振幅ΔL1、ΔL2は圧電素子46の駆動電圧
によって制御することができ、またその値も設定できる
ため、被測定体12の電位に関わりなく、上述実施例と同
様にLに関しての関数となり、このLと(V1/V2)と
の関係は、被測定体12表面の電位に関係なく図21のよう
な関係曲線で表される。したがって、マイクロプロセッ
サ20で測定電極13の間の距離Lを出力信号V1およびV2
の比から算出して測定することができる。また、同様に
測定電極13を所定の振幅ΔL1、ΔL2で変動させたとき
の被測定体12および測定電極13の間の距離Lに対応する
出力信号V1およびV2の比をメモリ21内に記憶させてお
くことにより、図12により説明した距離測定方法によっ
て被測定体12および測定電極13の間の距離を測定ことが
できる。
【0050】このように本実施例では、上述実施例と同
様な作用効果を得ることができ、出力信号の比をV2
1としても同様に距離Lを求めることができる。そし
て、本実施例を実際に用いる際には、測定電極13を図20
に示すように所定の周期で連続する振幅ΔL1、ΔL2
変動させてそれぞれの出力信号V1、V2を検知してもよ
いが、マイクロプロセッサ20によって測定電極13を振幅
ΔL1で変動させたときの出力信号V1を検知してその値
を記憶した後、測定電極13を振幅ΔL2で変動させたと
きの出力信号V2を検知することもでき、この方法では
制御および検出が容易となり、好適である。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、被測定体と測定電極と
の間の静電容量に伴い変化する測定電極の電位を検出し
た検出結果から被測定体および測定電極の間の距離を測
定するので、1つの測定電極と被測定体との間の静電容
量を変化させるだけでこれらの間の距離を測定すること
ができ、測定電極の加工精度も必要ない。したがって、
被測定体の性質に拘らず、例えば、光を透過する材料で
あっても被測定体および測定電極との間の距離を低コス
トで簡易な構成により精度よく測定することができる。
【0052】さらに、請求項2〜6記載の発明によれ
ば、測定電極の電位を測定した検出信号から少なくとも
出力値の異なる2つ以上の出力信号を検知して、これら
の出力信号から被測定体と測定電極との間の距離を導出
するので、被測定体の表面電位を測定したり制御したり
する必要もなく、さらに、その表面電位や印加電圧のば
らつきに影響されることなく、これらの間の距離を誤差
なく正確に測定することができる。
【0053】なかでも、請求項3、5記載の発明によれ
ば、測定電極を被測定体からの距離の異なる位置の間を
変動させることにより被測定体との間の静電容量を変化
させ、また、請求項4、6記載の発明によれば、測定電
極を異なる変動幅で変動させることにより被測定体との
間の静電容量を変化させるので、測定電極を簡単な構成
によって変動させることができ、出力値の異なる2つ以
上の出力信号を簡易に検知することができる。
【0054】そして、請求項7〜9記載の発明によれ
ば、圧電材料または電磁コイルに測定電極を固設し、ま
た直流電圧または周期的に変化する電圧を印加すること
によって測定電極を変動させるので、測定電極を容易に
作製可能な簡単な構成で変動させることができる。さら
に、請求項9記載の発明によれば、圧電材料を板状に形
成してその一端側または両端側を支持して測定電極を変
動させることができるので、構成が簡単になるととも
に、測定電極を正確に変動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る距離測定方法の第1実施例を実施
する距離測定装置の一例の検出側を示す図であり、その
概略構成図である。
【図2】その距離測定装置の検出信号を処理する側を示
す図であり、そのブロック図である。
【図3】その測定原理を説明する図であり、被測定体へ
の印加電圧に応じた検出信号と距離との関係を示すグラ
フである。
【図4】その距離測定方法を説明する図であり、そのフ
ローチャートである。
【図5】その距離測定装置の他の態様を示す図であり、
その概略構成図である。
【図6】その要部を示す図であり、その被測定体側から
の平面図である。
【図7】その検出信号を検出する検出方法の他の態様を
説明する図であり、その信号波形を示す図である。
【図8】図7に示す検出信号を用いての具体例を説明す
る図であり、検出信号と距離との関係を示すグラフであ
る。
【図9】本発明に係る距離測定方法およびその装置の第
2実施例を示す図であり、その距離測定装置の検出側を
示す概略構成図である。
【図10】その距離測定装置の全体構成を示す図であり、
そのブロック図である。
【図11】その測定原理を説明する図であり、被測定体へ
の印加電圧に応じた検出信号と距離との関係を示すグラ
フである。
【図12】その距離測定方法を説明する図であり、そのフ
ローチャートである。
【図13】その距離測定装置の他の態様を示す図であり、
その要部の構成図である。
【図14】本発明に係る距離測定方法およびその装置の第
3実施例を示す図であり、その距離測定装置の検出側を
示す概略構成図である。
【図15】その測定原理を説明する図であり、(a)およ
び(b)は測定電極を変動させる駆動電圧波形の重畳前
の電圧波形、(c)は重畳させた後の駆動電圧波形を示
す図である。
【図16】その測定原理を説明する図であり、図15に示す
駆動電圧による測定電極の変動を示す図である。
【図17】その測定原理を説明する図であり、被測定体へ
の印加電圧に応じた検出信号と距離との関係を示すグラ
フである。
【図18】本発明に係る距離測定方法およびその装置の第
4実施例を示す図であり、その距離測定装置の要部を示
す構成図である。
【図19】その測定原理を説明する図であり、その測定電
極を変動させる駆動電圧波形を示す図である。
【図20】その測定原理を説明する図であり、図19に示す
駆動電圧による測定電極の変動を示す図である。
【図21】その測定原理を説明する図であり、被測定体へ
の印加電圧に応じた検出信号と距離との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
12 被測定体 13 測定電極 15 検出用抵抗(電位検出手段) 16、27、36、46 圧電素子(容量変化手段、圧電材
料) 18 平滑回路(出力検知手段) 20 マイクロプロセッサ(距離導出手段) 26 金属板(容量変化手段) C0、C1、C2 静電容量 L、L1、L2 距離 ΔL1、ΔL2 変動幅 V0、V1、V2、Vp 電圧(電位、検出信号、出力
信号)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定体から離隔した位置に測定電極を配
    設して該被測定体および測定電極の間の距離を測定する
    距離測定方法であって、 前記被測定体および測定電極の間の静電容量を変化さ
    せ、被測定体の表面電位に対応して誘起され該静電容量
    の変化に伴い変化する測定電極の電位を検出し、該検出
    結果から被測定体および測定電極の間の距離を得ること
    を特徴とする距離測定方法。
  2. 【請求項2】被測定体から離隔した位置に測定電極を配
    設して該被測定体および測定電極の間の距離を測定する
    距離測定方法であって、 前記被測定体および測定電極の間の静電容量を変化さ
    せ、被測定体の表面電位に対応して誘起され該静電容量
    の変化に伴い変化する測定電極の電位を検出し、該検出
    信号から少なくとも出力値の異なる2つ以上の出力信号
    を検知して該出力信号から被測定体および測定電極の間
    の距離を導き出すことを特徴とする距離測定測定方法。
  3. 【請求項3】前記検出信号から少なくとも出力値の異な
    る2つ以上の出力信号を検知する方法として、前記測定
    電極を被測定体からの距離の異なる位置の間を変動させ
    て、被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、
    各々の位置での出力信号を検知することを特徴とする請
    求項2記載の距離測定方法。
  4. 【請求項4】前記検出信号から少なくとも出力値の異な
    る2つ以上の出力信号を検知する方法として、前記測定
    電極を異なる変動幅で変動させて、被測定体と測定電極
    との間の静電容量を変化させ、各々の変動幅での出力信
    号を検知することを特徴とする請求項2記載の距離測定
    方法。
  5. 【請求項5】被測定体から離隔した位置に測定電極を配
    設して該被測定体および測定電極の間の距離を測定する
    距離測定装置であって、 前記測定電極を被測定体からの距離の異なる位置の間を
    変動させ、測定電極および被測定体の間の静電容量を変
    化させる容量変化手段と、被測定体の表面電位に対応し
    て誘起され静電容量の変化に伴い変化する測定電極の電
    位を検出する電位検出手段と、測定電極の被測定体から
    の距離の異なる位置での検出信号から少なくとも出力値
    の異なる2つ以上の出力信号を検知する出力検知手段
    と、該出力信号から被測定体および測定電極の間の距離
    を導き出す距離導出手段と、を備えたことを特徴とする
    距離測定装置。
  6. 【請求項6】被測定体から離隔した位置に測定電極を配
    設して該被測定体および測定電極の間の距離を測定する
    距離測定装置であって、 前記測定電極を異なる変動幅で変動させ、測定電極およ
    び被測定体の間の静電容量を変化させる容量変化手段
    と、被測定体の表面電位に対応して誘起され静電容量の
    変化に伴い変化する測定電極の電位を検出する電位検出
    手段と、測定電極の異なる変動幅での検出信号から少な
    くとも出力値の異なる2つ以上の出力信号を検知する出
    力検知手段と、該出力信号から被測定体および測定電極
    の間の距離を導き出す距離導出手段と、を備えたことを
    特徴とする距離測定装置。
  7. 【請求項7】前記容量変化手段として、前記測定電極を
    固設された圧電材料または電磁コイルを設け、 該圧電材料または電磁コイルを駆動して測定電極を変動
    させることを特徴とする請求項5または6に記載の距離
    測定装置。
  8. 【請求項8】前記圧電材料または電磁コイルの駆動電圧
    として、直流電圧または周期的に変化する電圧を印加す
    ることを特徴とする請求項7記載の距離測定装置。
  9. 【請求項9】前記圧電材料の形状を板状に形成し、 該圧電材料の一端側または両端側を支持したことを特徴
    とする請求項7記載の距離測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106940338A (zh) * 2017-05-12 2017-07-11 成都凡米科技有限公司 一种新型水分含量测量装置及方法

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