JP4427654B2 - 膜厚測定装置および膜厚測定方法 - Google Patents
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Description
本発明は、固体物上の液体薄膜の膜厚を測定する技術に係り、特に、薄膜の物性値を必要としない膜厚測定装置および膜厚測定方法に関する。
近年、半導体製造におけるフォトレジストや摩擦潤滑における潤滑油等の液体薄膜は、固体薄膜と同様に産業上の各種分野において幅広く用いられている。
これらの産業においては、粘性のある液体薄膜の膜厚管理は、液体薄膜の性能を発揮するために極めて重要であり、これまでに光学的手法や超音波を用いた方法などが用いられている。
光学的手法には、光波干渉法を利用して薄膜の表面と裏面からの反射光によって得られる干渉縞から膜厚を測定することができる。
一般に単色光では、波長を超える厚さに対しては干渉縞が複数発生し、いわゆるアンビギュイティに起因して膜厚が確定しない。このため、多波長光や白色光を光源とする分光光度計による方法が試みられている。
しかしながら、光波干渉法により得られる膜厚は光学的な長さであるため、物理的な長さに変換するためには、光が伝搬する媒質の屈折率が予め知られている必要がある。このため、使用する光源の波長に対する屈折率が知られていないと正確な膜厚測定ができないこととなる。
一方、膜厚だけでなく屈折率も同時に測定できる手法として、楕円偏光解析法(エリプソメトリ)が開発されている。この手法は、偏光状態の知られた光を測定試料に入射させてその偏光状態の変化を分析することによって膜厚だけでなく屈折率も比較的高精度に測定できる手法である。
しかしながら、この手法は、半導体表面の酸化膜や蒸着膜等のように光源波長に比べて厚さが薄い膜に対して有効であり、数百nm以上の厚さの膜に対しては適用が難しいという制約がある。
これらの光学的手法に対して、超音波を利用したり、電気的な静電容量を計測する方法があるが、いずれも光波干渉法と同様に薄膜の物性値(例えば音速や誘電率)が予め知られている必要がある。
本発明は上記の点を考慮してなされたもので、光学的手法によらずまた超音波や静電容量を用いるものではなく、従って屈折率等の薄膜の物性値を予め知らなくても膜厚を精度良く測定できる膜厚測定装置および膜厚測定法を提供することを目的とする。
これらの産業においては、粘性のある液体薄膜の膜厚管理は、液体薄膜の性能を発揮するために極めて重要であり、これまでに光学的手法や超音波を用いた方法などが用いられている。
光学的手法には、光波干渉法を利用して薄膜の表面と裏面からの反射光によって得られる干渉縞から膜厚を測定することができる。
一般に単色光では、波長を超える厚さに対しては干渉縞が複数発生し、いわゆるアンビギュイティに起因して膜厚が確定しない。このため、多波長光や白色光を光源とする分光光度計による方法が試みられている。
しかしながら、光波干渉法により得られる膜厚は光学的な長さであるため、物理的な長さに変換するためには、光が伝搬する媒質の屈折率が予め知られている必要がある。このため、使用する光源の波長に対する屈折率が知られていないと正確な膜厚測定ができないこととなる。
一方、膜厚だけでなく屈折率も同時に測定できる手法として、楕円偏光解析法(エリプソメトリ)が開発されている。この手法は、偏光状態の知られた光を測定試料に入射させてその偏光状態の変化を分析することによって膜厚だけでなく屈折率も比較的高精度に測定できる手法である。
しかしながら、この手法は、半導体表面の酸化膜や蒸着膜等のように光源波長に比べて厚さが薄い膜に対して有効であり、数百nm以上の厚さの膜に対しては適用が難しいという制約がある。
これらの光学的手法に対して、超音波を利用したり、電気的な静電容量を計測する方法があるが、いずれも光波干渉法と同様に薄膜の物性値(例えば音速や誘電率)が予め知られている必要がある。
本発明は上記の点を考慮してなされたもので、光学的手法によらずまた超音波や静電容量を用いるものではなく、従って屈折率等の薄膜の物性値を予め知らなくても膜厚を精度良く測定できる膜厚測定装置および膜厚測定法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の膜厚測定装置は、基材面に液膜が形成された被測定試料を設置する設置台と、設置台の上面に対して垂直な方向に変位するZ軸変位機構と、設置台を保持する水平保持部と、Z軸変位機構を保持する垂直保持部と、水平保持部と垂直保持部とを固定的に連接する固定連接機構と、Z軸変位機構に固定され、設置台の上面に対して垂直方向の軸を有し、設置台に近い方の端が先鋭化された針状のプローブと、Z軸変位機構に固定され、被測定試料とZ軸変位機構の間に前記プローブと接触して配設された電極を有する水晶振動子と、水晶振動子の電極に交流信号を供給する信号発生器と、水晶振動子の電極から発生する電流を検出する電流検出器と、Z軸変位機構によるZ軸変位値と電流検出器から得られる水晶振動子の電流値とから液膜の膜厚を解析する膜厚解析装置と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、プローブの先端部を振動させつつ液膜に接近させ、液膜に接触させた後さらに基材面に接触させる。プローブの先端部が液膜に接触する位置では振動振幅が大きく減衰する。またプローブ先端部が液膜を貫通し基材面に接触する位置でも振動振幅は大きく減衰する。振動振幅が大きく減衰する2つの位置から液膜の膜厚を測定する。本発明によれば、液膜の物理長を測定することができるため、液膜の屈折率等の物性値を知らなくとも液膜の膜厚を直接測定することが可能な膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項2ないし3に記載の発明によれば、Z軸変位機構による垂直方向の変位量を、圧電アクチュエータによって高精度で設定できるため、膜厚測定精度の高い膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、液膜に貫通させるにプローブは、その先端部が100nm以下と極めて尖鋭化されたプローブであるため、液膜の貫通穴の径はおおよそ100nm程度となり、貫通穴の影響が無視できる程度に小さな膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、音叉型水晶振動子は、例えば腕時計用の水晶振動子として広く用いられているものであり、簡素かつ容易に入手できるため、低コストな膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、水晶振動子に供給する信号の周波数を、公称共振周波数の近傍の所定範囲で変化させることによって、水晶振動子固有の共振周波数に設定することができるため、プローブの振動振幅を高感度で検出でき、その結果高精度の膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項7ないし8に記載の発明によれば、参照信号を用いた同期検波方式、或いは参照信号を用いたロックイン増幅器によって電流を検出する方式であるため、水晶振動子の電流のSN比(信号対雑音電力比)を向上させることができる。このため、微弱な水晶振動子の電流を高SN比で検出でき、その結果高精度の膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、A/D変換器、D/A変換器およびパーソナルコンピュータによってデジタルデータ解析が可能となり、簡素かつ低コストな膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、振動振幅が大きく減衰する位置を微分処理によってピーク点に変換できるため、液膜表面位置と基材表面位置の決定がデータ解析上容易化され、高効率化された膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項11に記載の発明によれば、液膜上の任意の点において膜厚を二次元的に測定することができる膜厚測定装置を提供することができる。
さらに、上記目的を達成するために、本発明に係る膜厚測定方法は、請求項12に記載したように、基材面に液膜が形成された被測定試料を設置する設置台と、設置台を保持する水平保持部と、設置台の上面に対して垂直な方向に設置台を変位させるZ軸変位機構と、水平保持部と垂直保持部とを固定的に連接する固定連接機構と、垂直保持部に固定され、設置台の上面に対して垂直方向の軸を有し、設置台に近い方の端が先鋭化された針状のプローブと、垂直保持部に固定され、被測定試料と垂直保持部の間に前記プローブと接触して配設された、電極を有する水晶振動子と、水晶振動子の電極に交流信号を供給する信号発生器と、水晶振動子の電極から発生する電流を検出する電流検出器と、Z軸変位機構によるZ軸変位値と前記電流検出器から得られる前記水晶振動子の電流値とから前記液膜の膜厚を解析する膜厚解析装置と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項13に記載の発明によれば、基材面に液膜が形成された被測定試料を設置台に設置し、液膜の表面に対して垂直な方向に軸を有し液膜に近いほうの先端が尖鋭化されたプローブと、プローブに接触させた水晶振動子とを、液膜の表面から所定距離に離して配設し、水晶振動子の電極に信号発生器から交流信号を供給して水晶振動子を振動させ、水晶振動子の電極に流れる電流を電流検出器で検出することによって前記水晶振動子の振動振幅を測定するとともに、水晶振動子との接触によって振動する前記プローブを、水晶振動子とともに液膜の表面に対して垂直な方向に、Z軸変位機構を用いて液膜の表面に接近させ、プローブの先端が前記液膜の表面に接触したことによって前記振動振幅が減少する第1の位置を測定し、プローブを、さらに液膜を貫通して前記基材に接近させ、プローブの先端が前記基材の表面に接触したことによって振動振幅が減少する第2の位置を測定し、第1の位置と第2の位置の差をもって液膜の膜厚とする事を特徴とするものである。
また、請求項14ないし15に記載の発明によれば、Z軸変位機構による垂直方向の変位量を、圧電アクチュエータによって高精度で設定できるため、膜厚測定精度の高い膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項16に記載の発明によれば、液膜に貫通させるにプローブは、その先端部が100nm以下と極めて尖鋭化されたプローブであるため、液膜の貫通穴の径はおおよそ100nm程度となり、貫通穴の影響が無視できる程度に小さな膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項17に記載の発明によれば、音叉型水晶振動子は例えば腕時計用の水晶振動子として広く用いられているものであり、簡素かつ容易に入手できるため、低コストな膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項18に記載の発明によれば、水晶振動子に供給する信号の周波数を、共振周波数に設定することができるため、プローブの振動振幅を高感度で検出でき、その結果高精度の膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項19ないし20に記載の発明によれば、参照信号を用いた同期検波方式、或いは参照信号を用いたロックイン増幅器によって電流を検出する方式であるため、水晶振動子の電流のSN比(信号対雑音電力比)を向上させることができる。このため微弱な水晶振動子の電流を高SN比で検出でき、その結果高精度の膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項21に記載の発明によれば、A/D変換器、D/A変換器、パーソナルコンピュータによってデジタルデータ解析が可能なため、簡素かつ低コストな膜厚測定を提供することができる。
また、請求項22に記載の発明によれば、振動振幅が大きく減衰する位置を微分処理によってピーク点に変換できるため、液膜表面位置と基材表面位置の決定がデータ解析上容易化され、高効率化された膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項23に記載の発明によれば、設置台をプローブに垂直な面内で移動させることによって、液膜上の任意の点において膜厚を二次元的に測定することができる膜厚測定方法を提供することができる。
本発明によれば、プローブの先端部を振動させつつ液膜に接近させ、液膜に接触させた後さらに基材面に接触させる。プローブの先端部が液膜に接触する位置では振動振幅が大きく減衰する。またプローブ先端部が液膜を貫通し基材面に接触する位置でも振動振幅は大きく減衰する。振動振幅が大きく減衰する2つの位置から液膜の膜厚を測定する。本発明によれば、液膜の物理長を測定することができるため、液膜の屈折率等の物性値を知らなくとも液膜の膜厚を直接測定することが可能な膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項2ないし3に記載の発明によれば、Z軸変位機構による垂直方向の変位量を、圧電アクチュエータによって高精度で設定できるため、膜厚測定精度の高い膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、液膜に貫通させるにプローブは、その先端部が100nm以下と極めて尖鋭化されたプローブであるため、液膜の貫通穴の径はおおよそ100nm程度となり、貫通穴の影響が無視できる程度に小さな膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、音叉型水晶振動子は、例えば腕時計用の水晶振動子として広く用いられているものであり、簡素かつ容易に入手できるため、低コストな膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、水晶振動子に供給する信号の周波数を、公称共振周波数の近傍の所定範囲で変化させることによって、水晶振動子固有の共振周波数に設定することができるため、プローブの振動振幅を高感度で検出でき、その結果高精度の膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項7ないし8に記載の発明によれば、参照信号を用いた同期検波方式、或いは参照信号を用いたロックイン増幅器によって電流を検出する方式であるため、水晶振動子の電流のSN比(信号対雑音電力比)を向上させることができる。このため、微弱な水晶振動子の電流を高SN比で検出でき、その結果高精度の膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、A/D変換器、D/A変換器およびパーソナルコンピュータによってデジタルデータ解析が可能となり、簡素かつ低コストな膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、振動振幅が大きく減衰する位置を微分処理によってピーク点に変換できるため、液膜表面位置と基材表面位置の決定がデータ解析上容易化され、高効率化された膜厚測定装置を提供することができる。
また、請求項11に記載の発明によれば、液膜上の任意の点において膜厚を二次元的に測定することができる膜厚測定装置を提供することができる。
さらに、上記目的を達成するために、本発明に係る膜厚測定方法は、請求項12に記載したように、基材面に液膜が形成された被測定試料を設置する設置台と、設置台を保持する水平保持部と、設置台の上面に対して垂直な方向に設置台を変位させるZ軸変位機構と、水平保持部と垂直保持部とを固定的に連接する固定連接機構と、垂直保持部に固定され、設置台の上面に対して垂直方向の軸を有し、設置台に近い方の端が先鋭化された針状のプローブと、垂直保持部に固定され、被測定試料と垂直保持部の間に前記プローブと接触して配設された、電極を有する水晶振動子と、水晶振動子の電極に交流信号を供給する信号発生器と、水晶振動子の電極から発生する電流を検出する電流検出器と、Z軸変位機構によるZ軸変位値と前記電流検出器から得られる前記水晶振動子の電流値とから前記液膜の膜厚を解析する膜厚解析装置と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項13に記載の発明によれば、基材面に液膜が形成された被測定試料を設置台に設置し、液膜の表面に対して垂直な方向に軸を有し液膜に近いほうの先端が尖鋭化されたプローブと、プローブに接触させた水晶振動子とを、液膜の表面から所定距離に離して配設し、水晶振動子の電極に信号発生器から交流信号を供給して水晶振動子を振動させ、水晶振動子の電極に流れる電流を電流検出器で検出することによって前記水晶振動子の振動振幅を測定するとともに、水晶振動子との接触によって振動する前記プローブを、水晶振動子とともに液膜の表面に対して垂直な方向に、Z軸変位機構を用いて液膜の表面に接近させ、プローブの先端が前記液膜の表面に接触したことによって前記振動振幅が減少する第1の位置を測定し、プローブを、さらに液膜を貫通して前記基材に接近させ、プローブの先端が前記基材の表面に接触したことによって振動振幅が減少する第2の位置を測定し、第1の位置と第2の位置の差をもって液膜の膜厚とする事を特徴とするものである。
また、請求項14ないし15に記載の発明によれば、Z軸変位機構による垂直方向の変位量を、圧電アクチュエータによって高精度で設定できるため、膜厚測定精度の高い膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項16に記載の発明によれば、液膜に貫通させるにプローブは、その先端部が100nm以下と極めて尖鋭化されたプローブであるため、液膜の貫通穴の径はおおよそ100nm程度となり、貫通穴の影響が無視できる程度に小さな膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項17に記載の発明によれば、音叉型水晶振動子は例えば腕時計用の水晶振動子として広く用いられているものであり、簡素かつ容易に入手できるため、低コストな膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項18に記載の発明によれば、水晶振動子に供給する信号の周波数を、共振周波数に設定することができるため、プローブの振動振幅を高感度で検出でき、その結果高精度の膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項19ないし20に記載の発明によれば、参照信号を用いた同期検波方式、或いは参照信号を用いたロックイン増幅器によって電流を検出する方式であるため、水晶振動子の電流のSN比(信号対雑音電力比)を向上させることができる。このため微弱な水晶振動子の電流を高SN比で検出でき、その結果高精度の膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項21に記載の発明によれば、A/D変換器、D/A変換器、パーソナルコンピュータによってデジタルデータ解析が可能なため、簡素かつ低コストな膜厚測定を提供することができる。
また、請求項22に記載の発明によれば、振動振幅が大きく減衰する位置を微分処理によってピーク点に変換できるため、液膜表面位置と基材表面位置の決定がデータ解析上容易化され、高効率化された膜厚測定方法を提供することができる。
また、請求項23に記載の発明によれば、設置台をプローブに垂直な面内で移動させることによって、液膜上の任意の点において膜厚を二次元的に測定することができる膜厚測定方法を提供することができる。
第1図は、本発明に係る膜厚測定装置の一実施形態の構成を示す図である。
第2図は、本発明に係る膜厚測定装置の水晶振動子とプローブの位置関係を説明する図である。
第3図は、本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法の測定原理を説明する図である。
第4図は、本発明に係る膜厚測定装置の水晶振動子の振動振幅を検出する方法を説明する図である。
第5図は、本発明に係る膜厚測定装置の水晶振動子を流れる電流が減衰するメカニズムを説明する図である。
第6図は、本発明に係る膜厚測定装置の電流検出器の一実施形態を説明する図である。
第7図は、本発明に係る膜厚測定装置の電流検出器をロックインアンプとしたときの水晶振動子と信号発生器との接続関係を説明する図である。
第8図は、本発明に係る膜厚測定装置のプローブを光ファイバから加工して製作するときの概略工程を説明した図である。
第9図は、本発明の実施例に示した膜厚測定時における膜厚測定装置の接続系統を示す図である。
第10図は、本発明の実施例に示した膜厚測定の結果について示したものである。
第2図は、本発明に係る膜厚測定装置の水晶振動子とプローブの位置関係を説明する図である。
第3図は、本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法の測定原理を説明する図である。
第4図は、本発明に係る膜厚測定装置の水晶振動子の振動振幅を検出する方法を説明する図である。
第5図は、本発明に係る膜厚測定装置の水晶振動子を流れる電流が減衰するメカニズムを説明する図である。
第6図は、本発明に係る膜厚測定装置の電流検出器の一実施形態を説明する図である。
第7図は、本発明に係る膜厚測定装置の電流検出器をロックインアンプとしたときの水晶振動子と信号発生器との接続関係を説明する図である。
第8図は、本発明に係る膜厚測定装置のプローブを光ファイバから加工して製作するときの概略工程を説明した図である。
第9図は、本発明の実施例に示した膜厚測定時における膜厚測定装置の接続系統を示す図である。
第10図は、本発明の実施例に示した膜厚測定の結果について示したものである。
本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1図は、本発明に係る膜厚測定装置の第1の実施形態の概要を示す図である。
この膜厚測定装置1は、基材2の表面に液膜3が形成された被測定試料4を設置するための設置台5と、液膜3の表面に対して垂直方向に変位可能なZ軸変位機構6とを有する。
設置台5は、水平保持部7によって保持される。Z軸変位機構6は垂直保持部8によって保持される。水平保持部7と垂直保持部8は固定連接機構9によって連接され、両者の相対位置関係は固定される。
プローブ10は、プローブ固定具10aによってZ軸変位機構6に固定される。プローブ10の軸は液膜3に対して垂直になるように固定される。
プローブ10と被測定試料4の間には水晶振動子11が配設される。水晶振動子11は、水晶振動子固定具11aによってZ軸変位機構6に固定される。
水晶振動子11は電極11bおよび電極11cの2つの電極を備える。一方の電極(例えば電極11b)は、電流検出器13に接続される。他方の電極(例えば電極11c)は信号発生器14に接続される。電流検出器13には、信号発生器14の出力信号の一部を分岐して得られる参照信号13aが接続される。
電流検出器13は、検出された電流値をデジタルデータに変換するためにA/D変換器15に接続される。A/D変換器15の出力は膜厚解析装置16に接続される。
膜厚解析装置16は、Z軸変位量をアナログ量(例えば電圧値)に変換するためのD/A変換器(Z)17に接続される。さらに、D/A変換器(Z)17の出力は、Z軸変位機構6を駆動するためのZ軸ドライバ18に接続される。
設置台5は、X軸変位機構20或いはY軸変位機構21の少なくともいずれか一方によって、Z軸に垂直な面内を移動可能なように構成されてもよい。
この場合、X軸変位機構20には、X軸ドライバ20aが接続され、X軸ドライバ20aは、D/A変換器(X)20bを介して膜厚解析装置16に接続される。
同様に、Y軸変位機構21には、Y軸ドライバ21aが接続され、Y軸ドライバ21aは、D/A変換器(Y)21bを介して膜厚解析装置16に接続される。
第1図ないし第3図を用いて本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法の測定原理について説明する。
まず第1図に示した設置台5の上に被測定試料4を設置する。被測定試料4は、基材2の表面に液膜3が形成されたものである。液膜3の膜厚が本発明の測定対象である。
液膜を形成する液体の材質については特に制約はない。また、材質の物性値、例えば屈折率や誘電率等が未知であってもかまわない。さらに、液膜の厚みについても特に制限はない。この点が従来の光学的手法を用いた膜厚測定方法とはまったく異なるところである。
液膜3の表面に対して垂直方向に軸をもつプローブ10が配設される。プローブ10は液膜3側の先端が先鋭化されたものである。プローブ10は、第1図に示したようにプローブ固定具10aによってZ軸変位機構6に固定される。
プローブ10の先鋭化された先端は、Z軸変位機構6によって、被測定試料4の液膜3に接近し、さらには液膜3を貫通して基材2の表面に接触するまでZ軸方向、即ち液膜3に垂直な方向に移動させることができるようなっている。
一方、水晶振動子11も水晶振動子固定具11aによってZ軸変位機構6に固定される。このため、水晶振動子11はプローブ3と相対的な位置関係を保ちながらZ軸変位機構6によってZ軸方向に移動する。
水晶振動子11の形状は限定されるものではないが、例えば音叉のように2つの対称な突起を有する音叉型水晶振動子は、腕時計などの基準発信器として広く流通しており、入手性やコストの面で好ましい。
水晶振動子11が音叉型水晶振動子の場合、プローブ10は、第1図に示したように軸上の一点が水晶振動子11の中央凹部に内側から接触させるように位置決めされる。この際、プローブ10を音叉形状の「突起に接触」させることが重要であり、接触させる位置は第1図に限定されるものではない。
例えば、第2図に示したように、水晶振動子11とプローブ10の位置関係は第2A図(第1図の位置関係に対応)の他、第2B図或いは第2C図の位置関係であってもよい。要するに「突起に接触」させればよい。
ちなみに、音叉型水晶振動子の2つの突起の内側の間隔は、典型的には約0.2mm(200μm)であり、プローブ10の水晶振動子に接触する部分での直径は典型的には約125μmである。また音叉型水晶振動子の外形は長辺が約4mm、短辺が約3.5mm程度の小型のものである。
水晶振動子11は電極11bおよび電極11cからなる二つの電極を有している。電極11bおよび電極11cの電極間に交流信号、例えば正弦波信号を印加すると、水晶振動子の有する圧電効果によって振動する。特に水晶振動子11の共振周波数近傍の周波数をもつ信号を印加したときに振動振幅は大きくなる。
この際、主たる振動成分の振動方向は、いわゆる音叉と同様に、2つの突起が開いたり閉じたりする方向で振動する。
水晶振動子11を振動させると、これに接触しているプローブ10もあわせて振動させることができる。
第3図は、本発明の膜厚測定方法の原理を説明するために、プローブ10の先端部と被測定試料4との位置関係(接近距離)を示す図と、その位置関係(接近距離)に対応したプローブ10の振動振幅を示す模式的なグラフを合わせて示したものである。
プローブ10の先端部と被測定試料4との位置関係(接近距離)が第3図の領域12aのとき、即ち、プローブ10の先端が被測定試料4の表面から十分はなれているときは、プローブ10の振動振幅は一定値を保つ。
プローブ10の先端部が液膜3の表面に接触するとプローブ10の振動振幅は減衰する(領域12b)。
この原因は、プローブ10の先端部が液膜3の表面からせん断力(シア・フォース)を受けるためとされている(例えば、非特許文献1参照)。
Shear−Force Detection by Reusable Quarts Tuning Fork without External Vibration:S.Ohkubo,S.Yamazaki,A.Takayanagi,Y.Ohtani and N.Umeda:OPTICAL REVIEW Vol.10,NO.2(2003)p128−130
領域12cは、プローブ10の先端が、液膜3の中を移動している領域である。この領域12cでは、プローブ10の振動振幅は、ほぼ一定の振動振幅が維持される。
プローブ10をさらに基材に接近させ、プローブ10の先端が基材2の表面に接触すると、基材2の表面から領域12bと同様にせん断力を受けプローブ10の振動振幅はさらに大きく減衰する。これが領域12dと示した領域である。
第3図のグラフからわかるように、プローブ10の振動振幅は領域12bと領域12dで大きな減衰を示す。領域12bは、プローブ10の先端が液膜3の表面に接触する領域であり、領域12dは基材2の表面に接触する領域である。
したがって、領域12bの中央値に該当する接近距離Dbと領域12dの中央値に該当する接近距離Ddの差が液膜3の膜厚を示すことになる。
後述する実施例によれば、領域12bと領域12dにおける振動振幅の減衰特性は非常に急峻であるため、接近距離Db、Ddは容易に求めることが可能である。
ところで、第3図のグラフを得るためには、プローブ10の振動振幅を検出するための手段が不可欠である。
第4図ないし第7図を用いてプローブ10の振動振幅を検出するメカニズムを説明する。
第4A図は、水晶振動子11にプローブ10を接触させているだけの状態を示している。水晶振動子11の電極11bと電極11cに信号発生器14から正弦波信号を印加すると水晶振動子11が持つ圧電効果によって水晶振動子11とこれに接触したプローブ10はともに振動を開始する(第4B図)。
また、水晶振動子11の電極11bと電極11cには正弦波電流が流れる。水晶振動子11は、等価的に共振回路を形成すると考えることができるから、水晶振動子の正弦波電流は共振周波数の近傍で極大値をとる。
一方、水晶振動子11の振動振幅も共振周波数の近傍で極大となり、水晶振動子11に流れる正弦波電流値の大きさと振動振幅の大きさには1対1の対応関係が存在する。
したがって、水晶振動子11の電極11bと電極11cに流れる正弦波電流の大きさを第4C図に示した電流検出器13で検出することによって、水晶振動子11の振動振幅、ひいてはプローブ10の振動振幅を検出することが可能となる。
プローブ10の先端部が液膜3或いは基材2の表面に接触するとその表面からせん断力を受けてプローブ10の振動振幅は減衰する。この結果プローブ10に接触している水晶振動子11の振動振幅も減衰し、水晶振動子11に流れる正弦波電流の大きさも減衰することになる。
したがって、プローブ10の振動振幅の減衰状態も電流検出器13で検出できる。
水晶振動子11に流れる正弦波電流の減衰は第5図に模式的に示した共振特性の変化からも説明することができる。
第5図のグラフは水晶振動子11の共振特性を示したものであり、横軸に共振周波数近傍の周波数を、縦軸に水晶振動子11に流れる正弦波電流の大きさを示しでいる。第5図に実線で示したグラフは、プローブ10が液膜3の表面から離れている状態での共振特性を示したものである。水晶振動子11に印加される周波数は例えば実線で示した共振特性の共振周波数f0の近傍fcに設定される。
プローブ10の先端部が液膜3に接すると、液膜3の表面からせん断力をうける。このせん断力は振動振幅を減少させる方向に働くもので、水晶振動子に伝達される。この結果、水晶振動子の共振周波数を決定する弾性定数等のファクターが変化し、共振特性が例えば破線でしめしたグラフのように変化する。
このため、水晶振動子11に印加している周波数fcにおける正弦波電流はIaからIbに減衰することになる。
上述したメカニズムによって、プローブ10の振動振幅の変化を水晶振動子11に接続した電流検出器13で検出することが可能となり、第3図に示したグラフの縦軸の情報を取得することができる。
ところで、水晶振動子11の電極に流れる電流の大きさは非特許文献1のfig.4に示されるように例えば150nA以下と非常に小さいものである。
このような微小な電流を検出するためには、信号対雑音電力比(S/N)を十分向上させることが可能な電流検出方式が必要となる。
信号対雑音電力比を向上させることが可能な電流検出方式を備えた電流検出器であればその方式を特に限定するものではないが、例えば、水晶振動子11に印加される信号の一部を信号発生器14から分岐させてこれを参照信号13aとし、電流検出器13の入力13bと参照信号を同期検波することによって信号対雑音電力比を向上させる方式は、本発明に好ましい電流検出器の一形態である。
第6図は、同期検波方式による電流検出器の動作原理を示す一例である。第6図の動作原理自体は周知であるため説明は省略する。
第7図は、本発明に係る電流検出器13の一形態として、ロックインアンプ13を用いて構成し、信号発生器14と水晶振動子11の電極11b、11cとの接続関係をあわせて示したものである。
信号発生器14の電流は、電極11cから水晶振動子11に入力され、電極11bからロックインアンプ13に入力される。さらにグランド線11hを介して信号発生器14に戻る。
ロックインアンプ13も動作原理自体は第6図に示した同期検波方式を取り入れているものである。
第8図は、本発明にかかるプローブ10の好ましい一形態として、光ファイバーを用いた光ファイバープローブ10の製造方法の一例を示したものである。
光ファイバーの先端部を先鋭化する手法には、化学エッチングによる方法や溶融延伸法等種々の方法が周知である。
図8は、溶融延伸法による光ファイバの尖鋭化の工程を概念的に示したものである。図8Aは、溶融する前の光ファイバの構造を示したもので、例えば直径が約10μmのコア23aと、直径が約125μmのクラッド23bからなる。
この光ファイバを、例えば炭酸ガスレーザによって熱を加えながら溶融延伸する(図8B)。この結果、光ファイバは、図8Cに示したように分断され、分断点は非常に尖鋭化されたものとなる。
この尖鋭化された部分をプローブ10の先端部として用いるものである。
本発明にかかる光ファイバープローブ10は、その先端部が例えば先端直径100nm以下にテーパ状に加工できるものであればいずれの手法によるものでもよい。
例えば、米国サッター社の炭酸ガスレーザを用いたピペットプラーと呼ばれる市販の加工装置を用いてもよい。
次に、Z軸変位機構6について説明する。
本発明に係る膜厚測定装置或いは膜厚測定方法では、第3図の測定原理を示すグラフから明らかなように、プローブ10の振動振幅(縦軸)の測定と同時に、プローブ10の先端部のZ軸上の相対的な変位量、即ち被測定試料4の液膜3の表面あるいは基材2の表面に対する接近距離(横軸)の測定が必要となる。
プローブ10の先端部を被測定試料4に接近させるためにZ軸変位機構6を用いる。
Z軸変位機構6の好ましい実施形態は、Z方向の位置決め粗く行う粗調整機構6aとZ軸方向の位置設定を高精度で行う圧電アクチュエータ6bの組み合わせである。圧電アクチュエータ6bにZ軸移動台6cが固定され、このZ軸移動台6cにプローブ10と水晶振動子11が固定されてZ軸方向に移動する。
圧電アクチュエータ6bは、より具体的には、PZT系圧電セラミクスを用いた圧電アクチュエータが好ましい。
圧電アクチュエータ6bは、例えば高電圧増幅器によって構成されるZ軸ドライバ18によって駆動される。
Z軸ドライバ18に予め校正された電圧を印加することによって圧電アクチュエータ6bを駆動させ、プローブ10をZ軸方向に移動させることができる。
Z軸ドライバ18に印加される電圧は、膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データをD/A変換器(Z)17でアナログ電圧に変換したものである。
膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データと、Z軸変位機構6で変位する実際のZ軸の変位量との関係を予め校正しておくことによって、膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データを実際のZ軸の変位量とみなすことができる。
あるいは、位置センサを組み込んだフィードバック方式の圧電アクチュエータ6bを用いれば、校正の必要もない。
いずれも膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データが、第3図のグラフの接近距離(横軸)に該当する。
この他、膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データとは独立に、プローブ10或いはZ軸変位機構6の変位量を、例えば位置センサで測定し、この測定データを膜厚解析装置16に取り込んでこれを接近距離とする方式であっても良い。
膜厚解析装置16は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ16を用いて構成できるが、これに限定されるものではない。専用の膜厚解析装置16を構築しても良い。
膜厚解析装置16の主たる機能は、プローブ10の被測定試料4に対する接近距離(Z軸変位量データ)とそれに対応するプローブ10の振動振幅データを取得し、データを記録することである。
さらに、記録したデータを例えば第3図に示したようなグラフとして表示器やプリンタに出力できることが好ましい。
また、プローブ10の振動振幅が大きく減衰する2つの領域(第3図のグラフでは領域12bと領域12dに該当)のそれぞれの中心値を求め、その差を被測定試料4の液膜3の膜厚として記録、表示或いはプリンタ出力しても良い。
さらにまた、前記領域12bと領域12dの中心値を求める手法として、プローブ10の振動振幅データを接近距離で数値的な微分処理を行い、領域12bと領域12dにおいて現れるそれぞれのピークにおける2つの接近距離の差をもって液膜3の膜厚とする方法でもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、被測定試料4を載せた設置台5を固定させ、プローブ10および水晶振動子11をZ軸変位機構6によって変位させる形態である。
これに対して、第2の実施形態は、プローブ10および水晶振動子11を固定させ、被測定試料4を載せた設置台をZ軸変位機構6によって変位させる形態である。
第2の実施形態と第1の実施形態は、被測定試料4と、プローブ10および水晶振動子11とのどちらを固定し、どちらを変位させるかの差があるだけであり、膜厚測定の原理はいずれも異なるところはない。
また、プローブ10を振動させる方法、振動振幅を検出する方法、Z軸変位機構6によってプローブ10と被測定試料4を接近させる方法等いずれも第1の実施形態と同じである。よって、これらの説明は省略する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、設置台5をZ軸とは垂直な面内で移動させ、被測定試料4の液膜3の膜厚を一点だけでなく、複数の点で測定できるように膜厚測定装置1を構成するものである。また、かかる膜厚測定装置1による膜厚測定方法を提供するものである。
このため、Z軸と直角をなす軸(X軸)に変位可能なX軸変位機構20を設け、X軸変位機構20と設置台5を連接させることによって、設置台5をX軸方向に変位させるものである。
さらに、Z軸とX軸の双方に直角をなす軸(Y軸)に変位可能なY軸変位機構21を設け、X軸変位機構20とY軸変位機構21とを連接させることにより、設置台5をX軸とY軸の双方に、即ち二次元的に移動させる構成としても良い。
また、第3の実施形態は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態のいずれかの実施形態と組み合わせたものであってもよい。
(第1の実施形態)
第1図は、本発明に係る膜厚測定装置の第1の実施形態の概要を示す図である。
この膜厚測定装置1は、基材2の表面に液膜3が形成された被測定試料4を設置するための設置台5と、液膜3の表面に対して垂直方向に変位可能なZ軸変位機構6とを有する。
設置台5は、水平保持部7によって保持される。Z軸変位機構6は垂直保持部8によって保持される。水平保持部7と垂直保持部8は固定連接機構9によって連接され、両者の相対位置関係は固定される。
プローブ10は、プローブ固定具10aによってZ軸変位機構6に固定される。プローブ10の軸は液膜3に対して垂直になるように固定される。
プローブ10と被測定試料4の間には水晶振動子11が配設される。水晶振動子11は、水晶振動子固定具11aによってZ軸変位機構6に固定される。
水晶振動子11は電極11bおよび電極11cの2つの電極を備える。一方の電極(例えば電極11b)は、電流検出器13に接続される。他方の電極(例えば電極11c)は信号発生器14に接続される。電流検出器13には、信号発生器14の出力信号の一部を分岐して得られる参照信号13aが接続される。
電流検出器13は、検出された電流値をデジタルデータに変換するためにA/D変換器15に接続される。A/D変換器15の出力は膜厚解析装置16に接続される。
膜厚解析装置16は、Z軸変位量をアナログ量(例えば電圧値)に変換するためのD/A変換器(Z)17に接続される。さらに、D/A変換器(Z)17の出力は、Z軸変位機構6を駆動するためのZ軸ドライバ18に接続される。
設置台5は、X軸変位機構20或いはY軸変位機構21の少なくともいずれか一方によって、Z軸に垂直な面内を移動可能なように構成されてもよい。
この場合、X軸変位機構20には、X軸ドライバ20aが接続され、X軸ドライバ20aは、D/A変換器(X)20bを介して膜厚解析装置16に接続される。
同様に、Y軸変位機構21には、Y軸ドライバ21aが接続され、Y軸ドライバ21aは、D/A変換器(Y)21bを介して膜厚解析装置16に接続される。
第1図ないし第3図を用いて本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法の測定原理について説明する。
まず第1図に示した設置台5の上に被測定試料4を設置する。被測定試料4は、基材2の表面に液膜3が形成されたものである。液膜3の膜厚が本発明の測定対象である。
液膜を形成する液体の材質については特に制約はない。また、材質の物性値、例えば屈折率や誘電率等が未知であってもかまわない。さらに、液膜の厚みについても特に制限はない。この点が従来の光学的手法を用いた膜厚測定方法とはまったく異なるところである。
液膜3の表面に対して垂直方向に軸をもつプローブ10が配設される。プローブ10は液膜3側の先端が先鋭化されたものである。プローブ10は、第1図に示したようにプローブ固定具10aによってZ軸変位機構6に固定される。
プローブ10の先鋭化された先端は、Z軸変位機構6によって、被測定試料4の液膜3に接近し、さらには液膜3を貫通して基材2の表面に接触するまでZ軸方向、即ち液膜3に垂直な方向に移動させることができるようなっている。
一方、水晶振動子11も水晶振動子固定具11aによってZ軸変位機構6に固定される。このため、水晶振動子11はプローブ3と相対的な位置関係を保ちながらZ軸変位機構6によってZ軸方向に移動する。
水晶振動子11の形状は限定されるものではないが、例えば音叉のように2つの対称な突起を有する音叉型水晶振動子は、腕時計などの基準発信器として広く流通しており、入手性やコストの面で好ましい。
水晶振動子11が音叉型水晶振動子の場合、プローブ10は、第1図に示したように軸上の一点が水晶振動子11の中央凹部に内側から接触させるように位置決めされる。この際、プローブ10を音叉形状の「突起に接触」させることが重要であり、接触させる位置は第1図に限定されるものではない。
例えば、第2図に示したように、水晶振動子11とプローブ10の位置関係は第2A図(第1図の位置関係に対応)の他、第2B図或いは第2C図の位置関係であってもよい。要するに「突起に接触」させればよい。
ちなみに、音叉型水晶振動子の2つの突起の内側の間隔は、典型的には約0.2mm(200μm)であり、プローブ10の水晶振動子に接触する部分での直径は典型的には約125μmである。また音叉型水晶振動子の外形は長辺が約4mm、短辺が約3.5mm程度の小型のものである。
水晶振動子11は電極11bおよび電極11cからなる二つの電極を有している。電極11bおよび電極11cの電極間に交流信号、例えば正弦波信号を印加すると、水晶振動子の有する圧電効果によって振動する。特に水晶振動子11の共振周波数近傍の周波数をもつ信号を印加したときに振動振幅は大きくなる。
この際、主たる振動成分の振動方向は、いわゆる音叉と同様に、2つの突起が開いたり閉じたりする方向で振動する。
水晶振動子11を振動させると、これに接触しているプローブ10もあわせて振動させることができる。
第3図は、本発明の膜厚測定方法の原理を説明するために、プローブ10の先端部と被測定試料4との位置関係(接近距離)を示す図と、その位置関係(接近距離)に対応したプローブ10の振動振幅を示す模式的なグラフを合わせて示したものである。
プローブ10の先端部と被測定試料4との位置関係(接近距離)が第3図の領域12aのとき、即ち、プローブ10の先端が被測定試料4の表面から十分はなれているときは、プローブ10の振動振幅は一定値を保つ。
プローブ10の先端部が液膜3の表面に接触するとプローブ10の振動振幅は減衰する(領域12b)。
この原因は、プローブ10の先端部が液膜3の表面からせん断力(シア・フォース)を受けるためとされている(例えば、非特許文献1参照)。
Shear−Force Detection by Reusable Quarts Tuning Fork without External Vibration:S.Ohkubo,S.Yamazaki,A.Takayanagi,Y.Ohtani and N.Umeda:OPTICAL REVIEW Vol.10,NO.2(2003)p128−130
領域12cは、プローブ10の先端が、液膜3の中を移動している領域である。この領域12cでは、プローブ10の振動振幅は、ほぼ一定の振動振幅が維持される。
プローブ10をさらに基材に接近させ、プローブ10の先端が基材2の表面に接触すると、基材2の表面から領域12bと同様にせん断力を受けプローブ10の振動振幅はさらに大きく減衰する。これが領域12dと示した領域である。
第3図のグラフからわかるように、プローブ10の振動振幅は領域12bと領域12dで大きな減衰を示す。領域12bは、プローブ10の先端が液膜3の表面に接触する領域であり、領域12dは基材2の表面に接触する領域である。
したがって、領域12bの中央値に該当する接近距離Dbと領域12dの中央値に該当する接近距離Ddの差が液膜3の膜厚を示すことになる。
後述する実施例によれば、領域12bと領域12dにおける振動振幅の減衰特性は非常に急峻であるため、接近距離Db、Ddは容易に求めることが可能である。
ところで、第3図のグラフを得るためには、プローブ10の振動振幅を検出するための手段が不可欠である。
第4図ないし第7図を用いてプローブ10の振動振幅を検出するメカニズムを説明する。
第4A図は、水晶振動子11にプローブ10を接触させているだけの状態を示している。水晶振動子11の電極11bと電極11cに信号発生器14から正弦波信号を印加すると水晶振動子11が持つ圧電効果によって水晶振動子11とこれに接触したプローブ10はともに振動を開始する(第4B図)。
また、水晶振動子11の電極11bと電極11cには正弦波電流が流れる。水晶振動子11は、等価的に共振回路を形成すると考えることができるから、水晶振動子の正弦波電流は共振周波数の近傍で極大値をとる。
一方、水晶振動子11の振動振幅も共振周波数の近傍で極大となり、水晶振動子11に流れる正弦波電流値の大きさと振動振幅の大きさには1対1の対応関係が存在する。
したがって、水晶振動子11の電極11bと電極11cに流れる正弦波電流の大きさを第4C図に示した電流検出器13で検出することによって、水晶振動子11の振動振幅、ひいてはプローブ10の振動振幅を検出することが可能となる。
プローブ10の先端部が液膜3或いは基材2の表面に接触するとその表面からせん断力を受けてプローブ10の振動振幅は減衰する。この結果プローブ10に接触している水晶振動子11の振動振幅も減衰し、水晶振動子11に流れる正弦波電流の大きさも減衰することになる。
したがって、プローブ10の振動振幅の減衰状態も電流検出器13で検出できる。
水晶振動子11に流れる正弦波電流の減衰は第5図に模式的に示した共振特性の変化からも説明することができる。
第5図のグラフは水晶振動子11の共振特性を示したものであり、横軸に共振周波数近傍の周波数を、縦軸に水晶振動子11に流れる正弦波電流の大きさを示しでいる。第5図に実線で示したグラフは、プローブ10が液膜3の表面から離れている状態での共振特性を示したものである。水晶振動子11に印加される周波数は例えば実線で示した共振特性の共振周波数f0の近傍fcに設定される。
プローブ10の先端部が液膜3に接すると、液膜3の表面からせん断力をうける。このせん断力は振動振幅を減少させる方向に働くもので、水晶振動子に伝達される。この結果、水晶振動子の共振周波数を決定する弾性定数等のファクターが変化し、共振特性が例えば破線でしめしたグラフのように変化する。
このため、水晶振動子11に印加している周波数fcにおける正弦波電流はIaからIbに減衰することになる。
上述したメカニズムによって、プローブ10の振動振幅の変化を水晶振動子11に接続した電流検出器13で検出することが可能となり、第3図に示したグラフの縦軸の情報を取得することができる。
ところで、水晶振動子11の電極に流れる電流の大きさは非特許文献1のfig.4に示されるように例えば150nA以下と非常に小さいものである。
このような微小な電流を検出するためには、信号対雑音電力比(S/N)を十分向上させることが可能な電流検出方式が必要となる。
信号対雑音電力比を向上させることが可能な電流検出方式を備えた電流検出器であればその方式を特に限定するものではないが、例えば、水晶振動子11に印加される信号の一部を信号発生器14から分岐させてこれを参照信号13aとし、電流検出器13の入力13bと参照信号を同期検波することによって信号対雑音電力比を向上させる方式は、本発明に好ましい電流検出器の一形態である。
第6図は、同期検波方式による電流検出器の動作原理を示す一例である。第6図の動作原理自体は周知であるため説明は省略する。
第7図は、本発明に係る電流検出器13の一形態として、ロックインアンプ13を用いて構成し、信号発生器14と水晶振動子11の電極11b、11cとの接続関係をあわせて示したものである。
信号発生器14の電流は、電極11cから水晶振動子11に入力され、電極11bからロックインアンプ13に入力される。さらにグランド線11hを介して信号発生器14に戻る。
ロックインアンプ13も動作原理自体は第6図に示した同期検波方式を取り入れているものである。
第8図は、本発明にかかるプローブ10の好ましい一形態として、光ファイバーを用いた光ファイバープローブ10の製造方法の一例を示したものである。
光ファイバーの先端部を先鋭化する手法には、化学エッチングによる方法や溶融延伸法等種々の方法が周知である。
図8は、溶融延伸法による光ファイバの尖鋭化の工程を概念的に示したものである。図8Aは、溶融する前の光ファイバの構造を示したもので、例えば直径が約10μmのコア23aと、直径が約125μmのクラッド23bからなる。
この光ファイバを、例えば炭酸ガスレーザによって熱を加えながら溶融延伸する(図8B)。この結果、光ファイバは、図8Cに示したように分断され、分断点は非常に尖鋭化されたものとなる。
この尖鋭化された部分をプローブ10の先端部として用いるものである。
本発明にかかる光ファイバープローブ10は、その先端部が例えば先端直径100nm以下にテーパ状に加工できるものであればいずれの手法によるものでもよい。
例えば、米国サッター社の炭酸ガスレーザを用いたピペットプラーと呼ばれる市販の加工装置を用いてもよい。
次に、Z軸変位機構6について説明する。
本発明に係る膜厚測定装置或いは膜厚測定方法では、第3図の測定原理を示すグラフから明らかなように、プローブ10の振動振幅(縦軸)の測定と同時に、プローブ10の先端部のZ軸上の相対的な変位量、即ち被測定試料4の液膜3の表面あるいは基材2の表面に対する接近距離(横軸)の測定が必要となる。
プローブ10の先端部を被測定試料4に接近させるためにZ軸変位機構6を用いる。
Z軸変位機構6の好ましい実施形態は、Z方向の位置決め粗く行う粗調整機構6aとZ軸方向の位置設定を高精度で行う圧電アクチュエータ6bの組み合わせである。圧電アクチュエータ6bにZ軸移動台6cが固定され、このZ軸移動台6cにプローブ10と水晶振動子11が固定されてZ軸方向に移動する。
圧電アクチュエータ6bは、より具体的には、PZT系圧電セラミクスを用いた圧電アクチュエータが好ましい。
圧電アクチュエータ6bは、例えば高電圧増幅器によって構成されるZ軸ドライバ18によって駆動される。
Z軸ドライバ18に予め校正された電圧を印加することによって圧電アクチュエータ6bを駆動させ、プローブ10をZ軸方向に移動させることができる。
Z軸ドライバ18に印加される電圧は、膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データをD/A変換器(Z)17でアナログ電圧に変換したものである。
膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データと、Z軸変位機構6で変位する実際のZ軸の変位量との関係を予め校正しておくことによって、膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データを実際のZ軸の変位量とみなすことができる。
あるいは、位置センサを組み込んだフィードバック方式の圧電アクチュエータ6bを用いれば、校正の必要もない。
いずれも膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データが、第3図のグラフの接近距離(横軸)に該当する。
この他、膜厚解析装置16が指示するZ軸変位量データとは独立に、プローブ10或いはZ軸変位機構6の変位量を、例えば位置センサで測定し、この測定データを膜厚解析装置16に取り込んでこれを接近距離とする方式であっても良い。
膜厚解析装置16は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ16を用いて構成できるが、これに限定されるものではない。専用の膜厚解析装置16を構築しても良い。
膜厚解析装置16の主たる機能は、プローブ10の被測定試料4に対する接近距離(Z軸変位量データ)とそれに対応するプローブ10の振動振幅データを取得し、データを記録することである。
さらに、記録したデータを例えば第3図に示したようなグラフとして表示器やプリンタに出力できることが好ましい。
また、プローブ10の振動振幅が大きく減衰する2つの領域(第3図のグラフでは領域12bと領域12dに該当)のそれぞれの中心値を求め、その差を被測定試料4の液膜3の膜厚として記録、表示或いはプリンタ出力しても良い。
さらにまた、前記領域12bと領域12dの中心値を求める手法として、プローブ10の振動振幅データを接近距離で数値的な微分処理を行い、領域12bと領域12dにおいて現れるそれぞれのピークにおける2つの接近距離の差をもって液膜3の膜厚とする方法でもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、被測定試料4を載せた設置台5を固定させ、プローブ10および水晶振動子11をZ軸変位機構6によって変位させる形態である。
これに対して、第2の実施形態は、プローブ10および水晶振動子11を固定させ、被測定試料4を載せた設置台をZ軸変位機構6によって変位させる形態である。
第2の実施形態と第1の実施形態は、被測定試料4と、プローブ10および水晶振動子11とのどちらを固定し、どちらを変位させるかの差があるだけであり、膜厚測定の原理はいずれも異なるところはない。
また、プローブ10を振動させる方法、振動振幅を検出する方法、Z軸変位機構6によってプローブ10と被測定試料4を接近させる方法等いずれも第1の実施形態と同じである。よって、これらの説明は省略する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、設置台5をZ軸とは垂直な面内で移動させ、被測定試料4の液膜3の膜厚を一点だけでなく、複数の点で測定できるように膜厚測定装置1を構成するものである。また、かかる膜厚測定装置1による膜厚測定方法を提供するものである。
このため、Z軸と直角をなす軸(X軸)に変位可能なX軸変位機構20を設け、X軸変位機構20と設置台5を連接させることによって、設置台5をX軸方向に変位させるものである。
さらに、Z軸とX軸の双方に直角をなす軸(Y軸)に変位可能なY軸変位機構21を設け、X軸変位機構20とY軸変位機構21とを連接させることにより、設置台5をX軸とY軸の双方に、即ち二次元的に移動させる構成としても良い。
また、第3の実施形態は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態のいずれかの実施形態と組み合わせたものであってもよい。
次に、本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法によって、実際に液膜の膜厚を測定した結果を第9図および第10図に示す。
第9図は、測定に用いた膜厚測定装置1の系統を示したものである。
本測定では、プローブ10と水晶振動子11を固定し、被測定試料4を設置する設置台5をZ軸方向(垂直方向)に変位させる構成とした。
また、設置台5を変位させるZ軸変位機構6としては、粗調整機構としては高精度のモータ駆動方式の駆動機構を、また、精調整機構としてはPZT圧電アクチュエータを用いた。PZT圧電アクチュエータのドライバ(Z軸ドライバ18)には高電圧発生器を用いた。
信号発生器14は市販のファンクションジェネレータを用いた。また電流検出器13も同様に市販のロックインアンプを用い、ファンクションジェネレータの出力を分岐させて参照信号(リファレンス信号)とした。
プローブ10は、光ファイバーを溶融延伸法によって先端を尖鋭化させたものを用いた。
水晶振動子11は、腕時計用の音叉型水晶振動子で公称共振周波数が32.768kHzのものを用いた。
また、膜厚解析装置16としては、A/D変換器15およびD/A変換器17が内蔵されている汎用のパーソナルコンピュータを用いた。
被測定試料4は、基材2としてはガラス基盤を、また液膜3としては切削油を用いた。
第10図に本測定による膜厚の測定結果を示す。
第10A図に示したグラフは、横軸が接近距離(Approach displacement)を、縦軸がプローブ10の正規化振動振幅(Amprituderatio)を示したものである。正規化振動振幅は、振動振幅をプローブ10が液膜から十分離れているときの振動振幅で正規化したものである。
第10A図に示したグラフからわかるように、プローブ10の先端が液膜に接触した点(横軸の300nm付近)と、ガラス基板に接触した点(横軸の1400nm付近)の2点において振動振幅が大きく減衰していることが明確に認識できる。
この2点の差(1100nm)が液膜3の膜厚に該当するものである。
第10B図は、振動振幅の減衰する位置をより容易に識別できるように、第10A図と同一の正規化振動振幅データを接近距離で数値的に微分処理したものである。
第10B図から明らかなように、振動振幅が大きく減衰する2つの接近距離において鋭いピークが現れている。この2つのピークにおける接近距離の差(1100nm)が液膜3の膜厚である。
第9図は、測定に用いた膜厚測定装置1の系統を示したものである。
本測定では、プローブ10と水晶振動子11を固定し、被測定試料4を設置する設置台5をZ軸方向(垂直方向)に変位させる構成とした。
また、設置台5を変位させるZ軸変位機構6としては、粗調整機構としては高精度のモータ駆動方式の駆動機構を、また、精調整機構としてはPZT圧電アクチュエータを用いた。PZT圧電アクチュエータのドライバ(Z軸ドライバ18)には高電圧発生器を用いた。
信号発生器14は市販のファンクションジェネレータを用いた。また電流検出器13も同様に市販のロックインアンプを用い、ファンクションジェネレータの出力を分岐させて参照信号(リファレンス信号)とした。
プローブ10は、光ファイバーを溶融延伸法によって先端を尖鋭化させたものを用いた。
水晶振動子11は、腕時計用の音叉型水晶振動子で公称共振周波数が32.768kHzのものを用いた。
また、膜厚解析装置16としては、A/D変換器15およびD/A変換器17が内蔵されている汎用のパーソナルコンピュータを用いた。
被測定試料4は、基材2としてはガラス基盤を、また液膜3としては切削油を用いた。
第10図に本測定による膜厚の測定結果を示す。
第10A図に示したグラフは、横軸が接近距離(Approach displacement)を、縦軸がプローブ10の正規化振動振幅(Amprituderatio)を示したものである。正規化振動振幅は、振動振幅をプローブ10が液膜から十分離れているときの振動振幅で正規化したものである。
第10A図に示したグラフからわかるように、プローブ10の先端が液膜に接触した点(横軸の300nm付近)と、ガラス基板に接触した点(横軸の1400nm付近)の2点において振動振幅が大きく減衰していることが明確に認識できる。
この2点の差(1100nm)が液膜3の膜厚に該当するものである。
第10B図は、振動振幅の減衰する位置をより容易に識別できるように、第10A図と同一の正規化振動振幅データを接近距離で数値的に微分処理したものである。
第10B図から明らかなように、振動振幅が大きく減衰する2つの接近距離において鋭いピークが現れている。この2つのピークにおける接近距離の差(1100nm)が液膜3の膜厚である。
半導体製造におけるフォトレジスト、摩擦潤滑を目的とした潤滑油、塗装工程における乾燥前の塗装膜等、広い産業分野にわたって液膜は使用されている。液膜の膜厚測定に基づく膜厚管理は液膜の性能を発揮させるために極めて重要である。
従来これらの膜厚測定には光学的手法や超音波あるいは静電容量を用いたものが使用されているが、これらの方法によって膜厚を求めるには、屈折率等に代表される膜厚の物性値が必要である。またエリプソメトリによる膜厚測定法は膜厚と屈折率を同時に測定できるが、測定可能な膜厚が数百nm以下という制約がある。
本発明によれば、先端が100nm程度に尖鋭化されたプローブを用いて液膜の膜厚を測定するものであり、液膜に与える影響が無視できる程に小さく、かつ屈折率等の物性値が未知であっても膜厚の測定が可能である膜厚測定装置および膜厚測定方法を提供することができる。
また、測定可能な膜厚も測定原理上の制約はなく、数百nmを超える膜厚であっても測定可能であり、広い産業分野に利用できる。
従来これらの膜厚測定には光学的手法や超音波あるいは静電容量を用いたものが使用されているが、これらの方法によって膜厚を求めるには、屈折率等に代表される膜厚の物性値が必要である。またエリプソメトリによる膜厚測定法は膜厚と屈折率を同時に測定できるが、測定可能な膜厚が数百nm以下という制約がある。
本発明によれば、先端が100nm程度に尖鋭化されたプローブを用いて液膜の膜厚を測定するものであり、液膜に与える影響が無視できる程に小さく、かつ屈折率等の物性値が未知であっても膜厚の測定が可能である膜厚測定装置および膜厚測定方法を提供することができる。
また、測定可能な膜厚も測定原理上の制約はなく、数百nmを超える膜厚であっても測定可能であり、広い産業分野に利用できる。
Claims (23)
- 基材面に液膜が形成された被測定試料を設置する設置台と、
前記設置台の上面に対して垂直な方向に変位するZ軸変位機構と、
前記設置台を保持する水平保持部と、
前記Z軸変位機構を保持する垂直保持部と、
前記水平保持部と前記垂直保持部とを固定的に連接する固定連接機構と、
前記Z軸変位機構に固定され、前記設置台の上面に対して垂直方向の軸を有し、設置台に近い方の端が先鋭化された針状のプローブと、
前記Z軸変位機構に固定され、前記被測定試料と前記Z軸変位機構の間に前記プローブと接触して配設された、電極を有する水晶振動子と、
前記水晶振動子の電極に交流信号を供給する信号発生器と、
前記水晶振動子の電極から発生する電流を検出する電流検出器と、
前記Z軸変位機構によるZ軸変位値と前記電流検出器から得られる前記水晶振動子の電流値とから前記液膜の膜厚を解析する膜厚解析装置と、
を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 前記Z軸変位機構は電気信号によって駆動され、前記設置台の上面に対して垂直な方向に粗く変位するZ軸粗変位機構と細かく変位するZ軸精変位機構の2種の変位機構を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 前記Z軸精変位機構は、圧電アクチュエータであることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の膜厚測定装置。
- 前記プローブは、所定長の光ファイバーの一端をテーパ上に加工し、先端直径が100nm以下に先鋭化されたプローブであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 前記水晶振動子は、音叉型水晶振動子であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 前記信号発生器は正弦波を発生し、その周波数は前記水晶振動子の共振周波数を中心に上側と下側に少なくとも共振周波数の10%以上変化できる信号発生器であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 前記電流検出器は、前記信号発生器の出力信号の一部を分岐した参照信号を入力し、前記電流検出器の入力信号を、前記参照信号を用いて同期検波する方式によって電流値を検出する電流検出器であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 前記電流検出器は、前記信号発生器の出力信号の一部を分岐した信号を参照信号とするロックイン増幅器をもちいた電流検出器であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 前記膜厚解析装置は、
前記電流検出器のアナログ出力を電流データに変換するA/D変換器と、
前記Z軸変位機構の変位量を設定するためのZ軸変位データを電圧値に変換するD/A変換器と、
前記電流データを前記プローブの振動振幅比に変換する手段と、前記振動振幅比と前記Z軸変位データとから前記液膜の膜厚を解析する膜厚解析手段とをそなえたパーソナルコンピュータと、
を備えた膜厚解析装置であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。 - 前記膜厚解析手段は、前記振動振幅比を前記Z軸変位データで微分処理して得られる振動振幅変化率と前記垂直変位データとから前記液膜の膜厚を解析することを特徴とする請求の範囲第9項に記載の膜厚測定装置。
- 前記設置台は、前記Z軸変位機構の変位方向に垂直な面内を駆動可能に構成されたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の膜厚測定装置。
- 基材面に液膜が形成された被測定試料を設置する設置台と、
前記設置台を保持する水平保持部と、
前記設置台の上面に対して垂直な方向に前記設置台を変位させるZ軸変位機構と、
前記水平保持部と垂直保持部とを固定的に連接する固定連接機構と、
前記垂直保持部に固定され、前記設置台の上面に対して垂直方向の軸を有し、設置台に近い方の端が先鋭化された針状のプローブと、
前記垂直保持部に固定され、前記被測定試料と前記垂直保持部の間に前記プローブと接触して配設された、電極を有する水晶振動子と、
前記水晶振動子の電極に交流信号を供給する信号発生器と、
前記水晶振動子の電極から発生する電流を検出する電流検出器と、
前記Z軸変位機構によるZ軸変位値と前記電流検出器から得られる前記水晶振動子の電流値とから前記液膜の膜厚を解析する膜厚解析装置と、
を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 基材面に液膜が形成された被測定試料を設置台に設置し、
前記液膜の表面に対して垂直な方向に軸を有し前記液膜に近いほうの先端が尖鋭化されたプローブと、前記プローブに接触させた水晶振動子とを、前記液膜の表面から所定距離に離して配設し、
前記水晶振動子の電極に信号発生器から交流信号を供給して水晶振動子を振動させ、
前記水晶振動子の電極に流れる電流を電流検出器で検出することによって前記水晶振動子の振動振幅を測定するとともに、
前記水晶振動子との接触によって振動する前記プローブを、前記水晶振動子とともに前記液膜の表面に対して垂直な方向に、Z軸変位機構を用いて前記液膜の表面に接近させ、
前記プローブの先端が前記液膜の表面に接触したことによって前記振動振幅が減少する第1の位置を測定し、
前記プローブを、さらに液膜を貫通して前記基材に接近させ、
前記プローブの先端が前記基材の表面に接触したことによって前記振動振幅が減少する第2の位置を測定し、
前記第1の位置と前記第2の位置の差をもって前記液膜の膜厚とする事を特徴とする膜厚測定方法。 - 前記Z軸変位機構は電気信号によって駆動され、前記設置台の上面に対して垂直方向に粗く変位するZ軸粗変位機構と細かく変位するZ軸精変位機構の2種の変位機構を備えたことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記Z軸精変位機構は、圧電アクチュエータであることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の膜厚測定方法。
- 前記プローブは、所定長の光ファイバーの一端をテーパ状に加工し、先端直径が100nm以下に先鋭化されたプローブであることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記水晶振動子は、音叉型水晶振動子であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記交流信号は正弦波であり、前記水晶振動子の振動は、前記電流検出器の出力が最大となる共振周波数によって振動させることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記電流検出器は、前記信号発生器の出力信号の一部を分岐した参照信号を入力し、前記電流検出器の入力信号を、前記参照信号を用いて同期検波する方式によって電流値を検出する電流検出器であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記電流検出器は、前記信号発生器の出力信号の一部を分岐した信号を参照信号とするロックイン増幅器をもちいた電流検出器であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記電流検出器の出力をA/D変換して電流データに変換し、前記Z軸変位機構を変位させるためのZ軸変位データをD/A変換によって電気信号に変換し、パーソナルコンピュータを用いて前記電流データを前記プローブの振動振幅比に変換した後、この振動振幅比と前記Z軸変位データとから前記液膜の膜厚を解析することを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
- 前記第1の位置および前記第2の位置は、前記振動振幅のデータを前記Z軸変位データで微分処理することによって求めることを特徴とする請求の範囲第21項に記載の膜厚測定方法。
- 前記設置台を、前記Z軸変位機構の変位方向に垂直な面内を移動させることにより、複数の点における膜厚を測定することを特徴とする請求の範囲第13項に記載の膜厚測定方法。
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