JP5295066B2 - 誘電率の測定方法及び走査型非線形誘電率顕微鏡 - Google Patents
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Description
<SNDMの構成>
図1には、本発明に係わるSNDMの構成を示す。
また、誘電率は、試料台3と試料2との間に備えた試料励振用素子21により、試料2をZ方向に励振させて試料表面の各測定ポイントのSNDM信号(静電容量)を実測し、後に詳述する構成カーブから算出することによって決定する。この試料の励振は、第一の励振信号発生器18と第二の励振信号発生器19と加算器20により二種類の周波数で励振させる。ここでは第一の励振信号発生器18の周波数をf1、第二の励振信号発生器19の周波数をf2とする。また、励振周波数は測定の迅速化を図るため、高い周波数での励振が好ましいが、F-V変換器12や第一のロックインアンプ13、第二のロックインアンプ14等の測定系が追従できる範囲とし、f1とf2は1〜100kHzが好ましい。また、f1はf2の2〜5倍程度であることが好ましいが、これに限らず任意の周波数でよい。試料2の励振は、Zスキャナ17により前記試料励信用素子21を代用することが可能である。
<探針と試料との接触の検出>
上記のSNDMを採用した場合の、静電容量、微分容量、二階微分容量の探針1と試料2の距離の変化に対する変化の模式図を図2に示す。横軸のzは探針と試料との距離を示しており、z=0という点は、試料表面が励振により最も探針側に近い位置において探針と試料とが接触している点であり、z>0(z=0よりも右側)は探針と試料とが非接触状態であり、z<0(z=0よりも左側)は探針と試料とが励振により断続的に接触している状態である。静電容量の変化は、探針と試料との距離が近づくのに従い急激に増大し、z=0の点からその増大が緩慢となる。また、微分容量の変化は、探針と試料との距離が近づくに従い増大し、z=0の点で最大値となり、その後は減少する。また、二階微分容量の変化は、探針と試料との距離が近づくに従いz=0の点より少し前で最大値を示し、その後減少する。そして、z=0の点で二階微分容量の値は、ゼロを示し、その後はマイナスの値となる。図3には、静電容量、微分容量および二階微分容量の変化を実測した結果を示す。図2と同様の変化が測定できていることが確認でき、探針と試料とが接触することを検出することが可能となった。
<静電容量から誘電率の決定>
次に、探針1と試料2との接触を検出した瞬間の静電容量の値と試料の比誘電率の関係の算出について説明する。上述のようにz=0という点は試料表面が励振により最も探針側に近い位置において探針と試料とが接触している点であり、このことを考慮する必要がある。従って、静電容量の距離依存性を求める。
<校正カーブの作成>
上述した微分容量の測定方法により、誘電率が既知の標準試料を用いて、前記した方法により検出した探針と試料とが接触する点、つまり、z=0、d=励振振幅となる点の静電容量を求め、該標準試料の微分容量変化と誘電率との関係から線形誘電率の定量測定を行った。 ここで、標準試料には、チタニアTiO2(100)(比誘電率89)を用いた。図7は、測定結果および標準試料の誘電率により補正した構成カーブ31と、試料として、アルミナAl2O3(比誘電率12)、リチュ−ム・タンタレイト LT(比誘電率38)を用いた測定結果である。該校正カーブは、より精度の高い誘電率測定を可能とする。
<二階微分容量の測定モード>
図8及び図9は、本発明における二階微分容量の測定に採用した“ポイントコンタクトモード“の動作について示している。“ポイントコンタクトモード“は、探針を測定点毎に試料表面からZ方向に上下させ、探針と試料とは必要最小限の接触とし、測定点間の移動の際は探針を試料表面から離間させる動作を採る。具体的には、図9のフローに従い、まず測定条件の設定(S1)を行い、図9の最初の測定点となるP1に対して探針の位置合わせを行う(S2)。その後、該探針先端を図9のP0から試料表面P1に向けてSNDM信号(静電容量)と二階微分容量と形状信号(Z高さ)を測定しながら接近させ(S3)、上記方法により探針と試料との接触を検出したら直ちに探針の駆動を停止させSNDM信号(静電容量)と形状信号(Z高さ)を取得する(S4)。次に、探針先端は、図9の h だけZ方向に引き上げられ(S6)、次の測定点P2へ空中を移動し、P2上部に到着後は再びP1に対するのと同様の動作を繰り返す。このように、必要な測定点に対してZ高さと該高さ(距離)に対応したSNDM信号(静電容量)を取得する。以降は、前述のように探針の先端と試料表面の接触を検出した際に取得した静電容量から、校正カーブにより未知試料の比誘電率を決定する(S7)。
2・・・試料
3・・・試料台
17・・・Zスキャナ
21・・・試料励振用素子
30・・・理論カーブ
31・・・校正カーブ
Claims (10)
- 試料表面に対し針先を対向配置し、かつ、前記試料表面に平行なXY方向と垂直なZ方向に相対的に移動可能な探針と、
該探針と試料間の静電容量を検出する静電容量検出手段とを備え、
該探針と試料表面とを接触させ、該探針の先端直下にある試料表面の静電容量の計測値に基づいて該試料の誘電率を求める走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法において、
前記探針と前記試料とを相対的に任意の二種類の周波数で励振させ、第一の励振周波数での励振振幅による静電容量の差分を微分容量として計測し、第二の励振周波数での励振振幅による前記微分容量の差分を二階微分容量として計測し、
前記探針と前記試料表面間距離および前記二階微分容量の関係に基づいて、前記探針の先端と前記試料表面との接触を検出することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法。 - 前記静電容量が、
前記探針の先端と前記試料表面との接触を検出した際に測定した静電容量に基づくものである請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法。 - 前記静電容量が、
前記探針の先端と前記試料表面との接触を検出した際に測定した静電容量から、静電容量のバックグランドを差し引いた値に基づくものである請求項1または2に記載の走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法。 - 前記静電容量のバックグランドが、
該静電容量の微分容量において略一定値を示す範囲に相当する範囲から選定した任意のZ方向の高さ位置における静電容量である請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法。 - 前記静電容量の計測が、
測定条件を設定する工程と、
前記探針を前記試料の測定点上部に位置合せを行う工程と、
該探針と前記試料表面間の距離と該距離に相当する静電容量ならびに前記二階微分容量を測定しながら前記試料表面の測定点に向けて前記探針を降下させる工程と、
前記二階微分容量の変化から前記探針と前記試料表面とが接触するZ方向の高さ位置を検出する工程と、
前記静電容量に基づいて比誘電率を算出する工程と、を含み、
測定点の数に応じて前記探針の位置合せ工程から前記比誘電率の算出までの工程を繰り返すものである請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法。 - 前記静電容量の計測が、
測定条件を設定する工程と、
前記探針を前記試料の測定点上部に位置合せを行う工程と、
該探針と前記試料表面間の前記二階微分容量を測定しながら前記試料表面の測定点に向けて前記探針を降下させる工程と、
前記二階微分容量により前記探針と前記試料表面とが接触する位置を検出する工程と、
前記探針と前記試料表面とが接触した状態を保ちながら、前記探針を前記試料と相対的にXY方向に駆動させ、前記試料表面の形状情報を取得し、かつ、前記静電容量に基づいた比誘電率の二次元情報を取得する工程と、
を含む請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡による誘電率の測定方法。 - 測定試料の表面に対向配置した探針と、
前記探針と前記試料間の静電容量を検出する静電容量検出手段と、
前記探針と前記試料とを相対的に励振させる第一の励振機構と、
該第一の励振機構とは異なる周波数で前記探針と前記試料とを相対的に励振させる第二の励振機構と、
前記第一の励振機構による前記探針の励振時の振幅における前記静電容量の差分を微分容量とし、また、前記第二の励振機構による前記探針の励振時の振幅における前記微分容量の差分を二階微分容量として検出する二階微分容量検出手段と、
前記二階微分容量検出手段の信号から該探針と試料との接触を検出し、該探針と該試料との接触状態を制御する制御部と、
前記静電容量検出手段が検出した信号を処理する信号処理手段と
からなることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 前記励振機構が試料を励振させる試料励振手段を含むものである請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記励振機構が探針を励振させる探針励振手段を含むものである請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記励振機構が試料を励振させる試料励振励振手段と探針を励振させる探針励振手段の両方を含むものである請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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