JP2001264373A - 圧電薄膜の圧電定数測定装置および測定方法 - Google Patents

圧電薄膜の圧電定数測定装置および測定方法

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JP2001264373A JP2000081229A JP2000081229A JP2001264373A JP 2001264373 A JP2001264373 A JP 2001264373A JP 2000081229 A JP2000081229 A JP 2000081229A JP 2000081229 A JP2000081229 A JP 2000081229A JP 2001264373 A JP2001264373 A JP 2001264373A
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piezoelectric thin
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Masaki Yamamoto
正樹 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン表面マイクロマシンデバイス用のア
クチュエータとして用いられる圧電薄膜の圧電定数測定
において、精度・再現性が高く、安価な測定装置および
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 圧電薄膜2が形成されたサンプル基板1
を上方から荷重針4により圧下し、発生する圧電電荷を
チャージアンプ10とパソコン12で測定する。荷重針
4は上下方向にのみコンプライアンスを持つ部材5に固
定され、部材5はZステージ6に固定される。これよ
り、Zステージ6が上下すると、荷重針4はサンプル基
板1上の同一個所を再現性良く圧下でき、同時に荷重は
部材5の変形量により制御できる。電子はかり9での測
定により正確なひずみ分布が算出でき、パソコン12の
信号処理により電気ノイズを取り除くこともできる。以
上により、安定した圧電定数の測定が簡易な構成で可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン表面マイ
クロマシンデバイス用のアクチュエータとして用いられ
る圧電薄膜の圧電定数を測定するための測定装置および
方法に関するもので、片持ち梁状のサンプル基板に形成
された圧電薄膜の特性を、サンプル基板に荷重をかける
ことにより変形させ、その時に発生する圧電電荷を求め
ることにより圧電定数を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サンプル基板上に形成された圧電
薄膜の圧電定数の測定には、『大和田他「ECRスパッタ
法を用いたPZT薄膜の形成と評価」電学論E, 117巻1
0号,p.497-500』、『M.Sakata, et. al., Basic Char
acteristics of a Piezoelectric Buckling Type of Ac
tuator, The 8th International Conference on Solid
State Sensors and Actuators, 1995, p.422-425』、
『海野他「圧電検出型AFMカンチレバーの開発」1998年
度精密工学会秋季大会学術講演会論文集、p.425』に記
載されたものに代表される構成が知られている。
【0003】すべての構成において、片持ち梁状に保持
されたサンプル基板に機械的な力を及ぼし変形させるこ
とを特徴とするが、以下具体的に説明する。
【0004】まず、図5に大和田他に代表される第1の
従来例の構成図を示す。
【0005】図5において、101はサンプル基板、1
02は圧電薄膜、103は圧電薄膜上の上部電極、10
4は加速度センサ、105はサンプルホルダ、106は
加振器である。
【0006】ここで、サンプル基板101には図示しな
いがPt/Tiの下部電極が形成されており、上部電極10
3と下部電極の間で発生する電荷はチャージアンプ10
7により電圧に変換される。加速度センサ104はサン
プル基板101に加わる加速度を測定し、測定結果は圧
電薄膜102の電荷量とともにオシロスコープ108に
記録される。
【0007】このような構成において、加振器106
は、サンプルホルダ105、サンプル基板101を図中
矢印のごとく一定振幅で振動させる。そして、この状態
で、加速度センサ104の信号を見ることにより、サン
プル基板101に加わる加速度を知ることができる。加
速度はサンプル基板101全体に一様な慣性力を及ぼす
ので、サンプル基板101のひずみ分布を一様分布荷重
を受ける梁構造としてモデル化して計算することができ
る。圧電薄膜102のサンプル基板101内での位置は
予めわかっており、サンプル基板表面と圧電薄膜の間で
のひずみ量の連続性を仮定して、圧電薄膜102のひず
み分布も同時に算出できる。オシロスコープ108より
求めた発生圧電電荷Q、圧電薄膜102のひずみ量ε、
上部電極103の面積S、圧電薄膜のヤング率Epを用い
て、圧電定数e31は以下のように求まる。
【0008】
【数1】
【0009】次に、M. Sakataらによる第2の従来例を
図6に示す。これは、図5に示した第1の従来例を改良
したもので、サンプル基板101のひずみ分布を加速度
から算出するのではなく、直接変位として計測するもの
である。このため、高価な加振台を使用する必要がない
という特徴をもつ。
【0010】まず、図6においてサンプル基板101は
サンプルホルダ105を介してベース109に固定され
ている。サンプル基板101の先端付近にはその変位を
非接触で測定するための変位センサ110が配置されて
いる。サンプル基板101に衝撃力111を与えると、
サンプル基板101は変形し、その時の先端変形量と圧
電薄膜102の発生電荷量がオシロスコープ108に記
録される。先端変位量からサンプル基板101を先端荷
重を受ける一様片持ち梁と仮定して、ひずみ分布を算出
することができる。これより、圧電薄膜102に加わる
ひずみ量εがもとまり、圧電定数が第1の従来例と同様
にもとまる。
【0011】次に、海野らによる第3の従来例を図7に
示す。これは、図6に示した第2の従来例を改良したも
ので、図6に示したような衝撃力111を使用せず、サ
ンプル基板101の自由振動を利用することにより、衝
撃の瞬間を計測する困難さを排除したものである。
【0012】まず、図7においてサンプル基板101は
サンプルホルダ105を介してベース109に固定され
ている。サンプル基板101の先端付近にはその変位を
非接触で測定するための変位センサ110が配置されて
いる。サンプル基板101にひずみを与えた後開放する
と自由振動が発生する。この自由振動の変位を変位セン
サ110で測定することにより、サンプル基板101が
1次共振を起こしていると仮定した場合のひずみ量分布
を算出することができる。オシロスコープには同時に発
生電荷が記録されており、この両者から圧電定数が第1
の従来例と同様にもとまる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上の3つの従来例
は、サンプル基板上に形成された圧電薄膜の圧電定数測
定に利用できる可能性を有するとはいえ、以下のような
課題を有する。
【0014】まず、第1の従来例では、サンプル基板1
01を正確に振動させるための加振器106が必要であ
り、一般にこのような加振器は高価となる。また、加振
器の振動を正確にサンプル基板101に伝えるために
は、サンプルホルダ105が強固にサンプル基板101
を固定する必要がある。ここで、図8はサンプルホルダ
の一例であるが、固定ねじ112でスリット加工された
サンプルホルダ105を変形させ、サンプル基板101
を保持している。もし、固定状態が緩いものであれば、
加振器の振動が正確にサンプル基板101へ伝わらず、
加速度センサ104とサンプル基板101の受ける加速
度は異なるものとなってしまう。ところが、一般にサン
プル基板101は最大でも数センチ各の小型サイズであ
り、これを片持ち梁として保持する必要から当然、保持
台は小さくなってしまい保持が難しくなる。さらに、サ
ンプル基板は一般に単結晶シリコン等の硬脆性材料から
なり、保持力を不用意に高めると破壊する恐れがある。
このように、脆くて小型のサンプル基板101をサンプ
ルホルダ105に強固に固定しなければならないという
問題点がある。
【0015】次に、第2、第3の実施例では、第1の実施
例とはことなり、高価な加振器を使用していない。反
面、正確な変形量を知るための変位センサ110を用い
ている。通常、サンプル基板101はシリコン基板等の
硬脆材料であるため、変位センサ110で計測される変
位量は1mm以下と小さい。このため、図8に示すよう
に、サンプルホルダ105の保持が十分に強固でない場
合、片持ち梁としてのサンプル基板101の変形以外
に、サンプルホルダ105での保持変形が大きくなり、
片持ち針の変形測定の誤差となる。この結果、第1の従
来例と同様に算出される圧電薄膜102の圧電定数に誤
差が発生することになる。
【0016】本発明は、以上の課題を解決し、サンプル
基板のサンプルホルダへの固定強度によらず安定した測
定を行うことができ、また、加振器等の高価な装置を使
用することなく圧電薄膜の圧電定数の測定を可能とする
ような測定装置およびその測定方法を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、圧電薄膜を形成したサンプル基板と
荷重針を有し、サンプル基板に前記荷重針が接触するこ
とにより荷重を与え、その時に発生した圧電電荷を計測
することにより、前記圧電薄膜の圧電定数を測定できる
ことを特徴とする圧電定数測定装置である。
【0018】より具体的には、まず、サンプル基板を荷
重するための荷重針が上下方向のみにコンプライアンス
を持つ部材に固定され、この部材はさらに上下方向に移
動するステージに固定されている。
【0019】ここで、ステージが下降すると荷重針がサ
ンプル基板に接触し、さらにステージが下降を続けるこ
とで荷重針を取り付けた部材が変形し、サンプル基板を
圧下する荷重が発生する。発生した荷重は装置の力のル
ープの中に配置された荷重計測部により計測される。
【0020】圧電定数の測定にあたっては、荷重針のサ
ンプル基板への荷重前後での圧電電荷の差を求め、加え
られた荷重から圧電薄膜のひずみを算出することで圧電
定数を算出する。
【0021】本測定においては、荷重は静的にサンプル
基板に与えられる。このため、従来例の図8に示したよ
うにサンプル基板のサンプルホルダへの固定が緩い場合
でも、サンプル基板にかかる荷重を力のループ内の荷重
測定部で正確に測定することができ、この結果、常にサ
ンプル基板上の正確な応力分布・ひずみ分布を知ること
ができる。さらに、一方向にコンプライアンスを持つ部
材は荷重方向のみに変形するため、複数回にわたる接触
・荷重・非接触の繰り返しを行っても、同一の点を荷重
針によって荷重することができる。つまり、サンプル基
板の固定方法の良し悪しによらず、繰り返し測定する場
合でも安定にサンプル基板上の同一点を荷重でき、再現
性の高い圧電薄膜の圧電定数測定方法を実現することが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、圧電薄
膜を形成したサンプル基板と荷重針を有し、前記サンプ
ル基板に前記荷重針が接触することにより荷重を与え、
その時に前記圧電薄膜に発生した圧電電荷を計測するこ
とにより、前記圧電薄膜の圧電定数を測定できることを
特徴とする圧電定数測定装置である。
【0023】このような構成により、サンプル基板上に
構成された圧電薄膜の圧電定数測定を行える。
【0024】ここで、請求項2記載のように、前記荷重
針は、一方向のみにコンプライアンスを持つ部材に固定
され、さらに、前記部材が前記一方向に移動するステー
ジに固定されていることを特徴とすることが、荷重針の
接触位置の再現性を高める上で好ましい。
【0025】そして、請求項3記載のように、前記荷重
針が前記サンプル基板を荷重するときに生じる力のルー
プ中の任意の位置に、荷重計測部が存在することが、サ
ンプル基板のサンプルホルダへの固定状態によらず、正
確に圧電定数を測定できるをという観点から好ましい。
【0026】さらに、請求項4記載のように、前記圧電
薄膜が温度変化により焦電電荷を発生し、前記圧電電荷
計測の誤差となることを防止するため、恒温カバーが前
記サンプル基板を被うことが、焦電効果に起因する圧電
定数測定誤差を防止する観点から好ましい。
【0027】また、請求項5記載の本発明は、前記圧電
薄膜の電荷を測定するチャージアンプを有し、前記ステ
ージを下降することにより前記荷重針の荷重を変化させ
る前後に、チャージアンプの読みと前記荷重計測部の読
みを測定することを特徴とする圧電定数測定方法であ
る。
【0028】さらに、請求項6記載のように、前記チャ
ージアンプの出力を時系列的に連続して計測することに
より、前記チャージアンプのドリフトをキャンセルで
き、さらに測定ノイズを平均化により除去することがで
き、前記圧電電荷を正確に測定できることが、測定精度
を高める観点から好ましい。
【0029】以下、本発明の各実施の形態について、図
を用いて詳細に説明をしていく。
【0030】(実施の形態1)図1は、本実施の形態の
圧電定数測定装置を示す。
【0031】図1において、1はサンプル基板であり、
サンプル基板1の全面には図示されないPt/Ti下部電極
が形成されている。さらに、下部電極の上に圧電薄膜
2、上部電極3が形成されている。サンプル基板1の端
部の上方に荷重針4が配置され、荷重針4は上下方向の
みにコンプライアンスをもつ部材5により保持される。
部材5は上下方向に可動のステージ6に固定されてい
る。サンプル基板1はサンプルホルダ8に固定され、サ
ンプルホルダ8は電子はかり9に固定されている。電子
はかり9およびステージ6はベース7に共に固定されて
いる。なお、図示しない恒温カバーが測定装置全体を蓋
っている。
【0032】まず、荷重針4の働きであるが、ピンポイ
ントでサンプル基板1を荷重することである。同時に荷
重時にサンプル基板1上の下部電極にキズをつけ、正確
に荷重位置を記録する。接触位置を記録する他の方法と
しては、不滅インク等を吐出する能力をもつ荷重針を用
いたり、また、サンプル基板1上に不滅インク等を予め
塗布しておき、荷重針4により接触部のインクを除去し
たりしてもよい。
【0033】さて、荷重針4は、部材5に固定されてい
るが、部材5の役割は、ステージ6の上下動にしたがっ
て変形し、この変形により荷重針4がサンプル基板1に
及ぼす荷重を発生する。また、部材5はコンプライアン
スは上下方向のみにもっていて、荷重針を基板1上の特
定の位置に再現性良く導く働きがある。このため、図中
では部材5はりん青銅板の片持ち梁構造としているが、
図2にしめすような、平行バネ13、エデンバネ14、
ばね15と並進ガイド16を組み合わせたプランジャ1
7であっても構わない。部材5のコンプライアンスは、
荷重針4の荷重の再現性要望とステージの位置決め再現
性の関係から決定され、本形態では50gf/mm程度として
いる。本形態では、ステージ6は0.5ミクロン/パルス
のパルスモータ駆動ステージを利用している。各種精度
劣化要因を考慮してステージの位置再現性が2μmとする
と、前記コンプライアンスから荷重の再現性は0.1gfと
なる。なお、ステージ6はステージコントローラ11を
介してパソコン12から制御できる。
【0034】次に、サンプル基板1はサンプルホルダ8
を介して電子はかり9に載せられている。荷重針4がサ
ンプル基板1に接触したときの荷重の流れは、荷重針4
→サンプル基板1→サンプルホルダ8→電子はかり9→
ベース7→ステージ6→部材5→荷重針4にもどる、と
いう力のループを構成しているので、電子はかり9は正
確に荷重針4がサンプル基板1におよぼす荷重を計測で
きる。さらに、荷重は静的に与えられており、仮にサン
プルホルダ8がサンプル基板1を十分に剛性高く保持で
きず、従来例図8に示すような状況になっても、荷重針
4の接触荷重は何等誤差無く計測できることに、本方式
の特徴がある。なお、電子はかり9の分解能は本発明で
は0.1gfであり、計測値はパソコン12により読み取る
ことができる。また、本形態の電子はかりは他の荷重計
測手段、たとえばロードセル等でも容易に代用できる。
さらに、キャリブレーションの労をいとわなければ、コ
ンプライアンスを有する部材5の表面に歪ゲージを取り
付けることにより、ロードセルの代用とすることもでき
る。
【0035】サンプル基板1上には図示されてないPt/T
iの下部電極が全面形成されており、さらにPZT等の圧電
薄膜3が形成され、その上部にPt等の上部電極3が形成
されている。圧電薄膜に加わる応力に応じて発生する圧
電電荷はこの下部電極と上部電極3から取り出され、チ
ャージアンプ10で電圧に変換され、パソコン12によ
り読み取られる。
【0036】図1中、図示していない恒温カバーの役割
は外部からの赤外線をカットするとともに、室内の気流
を遮断することにより、圧電薄膜2の温度を一定に保つ
ことである。このことにより、圧電定数測定中に圧電薄
膜2の焦電電荷が混入して測定の誤差を発生することを
防止できる。恒温カバーは透明なアクリル材料から作ら
れ、内部の観察を容易にすることで作業性を高めてい
る。
【0037】さて、以上説明した測定装置を用いた圧電
定数測定について、具体的に説明する。
【0038】図3は測定中にチャージアンプにより計測
された圧電電荷の変化を表している。図中Aはチャージ
アンプをリセットした時で、その後、約1秒間圧電電荷
を連続計測する。計測データには電気ノイズとチャージ
アンプのドリフト成分が含まれており、計測データを最
小二乗フィットすることにより、チャージアンプ10の
ドリフト量を調べる。この後、図中Bにおいてステージ
6を下方に動かしはじめ、Cまでステージが移動するこ
とにより圧電電荷が発生する。ステージ移動後、約1秒
間圧電電荷を連続計測する。計測データからチャージア
ンプ10のドリフト成分を取り除いた正味の圧電電荷Q
を求めることができる。さらに、B点とC点で電子はかり
の出力をパソコンで読み込み、その差を求めることで、
荷重Fを知ることができる。
【0039】ここで、圧電効果は次式であらわされる。
【0040】
【数2】
【0041】サンプル基板1の寸法が図4に示すようで
あり、圧電薄膜2がサンプル基板1に対して十分に薄い
と考えると、曲げの中立軸はサンプル基板1の中央を通
る。ちなみに、本形態による測定例としては、0.3mm厚
のMgO基板上に形成された厚さ2μmのPZT圧電薄膜があ
り、上記仮定は十分に成り立つ範囲である。サンプル基
板1の表面のひずみ量と圧電薄膜2のひずみ量の連続性
を仮定すると、圧電薄膜3に発生する応力σは以下のよ
うにあらわされる(Esは基板のヤング率、Epは圧電薄膜
のヤング率とする)。
【0042】
【数3】
【0043】これを(数2)に代入して整理すると
【0044】
【数4】
【0045】ここで、x(バー付き)は上部電極3が矩
形であると仮定したときの荷重点から上部電極中心まで
の距離である。以上より
【0046】
【数5】
【0047】となり、発生電荷Q、荷重F、サンプル基
板ヤング率、サンプル基板寸法から圧電定数e31をもと
めることができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧電薄膜
を形成したサンプル基板に荷重針を対向させ、荷重針を
上下のみにコンプライアンスを持った部材を介してステ
ージにて上下に動かし、荷重針がサンプル基板に与える
荷重を力のループ内に設置された電子はかりにより計測
することで、圧電薄膜の圧電定数を知ることができる。
【0049】かかる構成によれば、荷重針がサンプル基
板上の同一個所に、同一荷重で再現性よく接触すること
ができ、また、電子はかりによりサンプル基板の保持状
態に影響無く接触荷重を正確に測定し、かかる結果とし
て安定した圧電定数の測定を行うことが可能となるとい
う有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による圧電定数測定装置
の構成概略図
【図2】本発明の一実施の形態による1方向コンプライ
アンス部材の他の実現例を示す概略図
【図3】本発明の一実施の形態により測定された圧電電
荷の変化を表す特性図
【図4】本発明の一実施の形態で測定されたサンプル基
板の寸法を表す概略図
【図5】従来の圧電定数測定装置の構成概略図
【図6】従来の圧電定数測定装置の構成概略図
【図7】従来の圧電定数測定装置の構成概略図
【図8】従来のサンプル基板保持の不適切な例を示す概
略図
【符号の説明】
1 サンプル基板 2 圧電薄膜 3 荷重針 5 部材 6 ステージ 7 電子はかり

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電薄膜を形成したサンプル基板と荷重
    針とを有し、前記サンプル基板に前記荷重針が接触する
    ことにより荷重を与え、その時に前記圧電薄膜に発生し
    た圧電電荷を計測することにより、前記圧電薄膜の圧電
    定数を測定できることを特徴とする圧電定数測定装置。
  2. 【請求項2】 荷重針は、一方向のみにコンプライアン
    スを持つ部材に固定され、さらに、前記部材が前記一方
    向に移動するステージに固定されていることを特徴とす
    る請求項1記載の圧電定数測定装置。
  3. 【請求項3】 荷重針がサンプル基板を荷重するときに
    生じる力のループ中の任意の位置に、荷重計測部が存在
    することを特徴とする請求項1記載の圧電定数測定装
    置。
  4. 【請求項4】 恒温カバーがサンプル基板を被うことを
    特徴とする請求項1記載の圧電定数測定装置。
  5. 【請求項5】 圧電薄膜の電荷を測定するチャージアン
    プを有し、ステージを下降することにより荷重針の荷重
    を変化させる前後に、チャージアンプの読みと荷重計測
    部の読みを測定することを特徴とする圧電定数測定方
    法。
  6. 【請求項6】 前記チャージアンプの出力を時系列的に
    連続して計測することにより、前記チャージアンプのド
    リフトをキャンセルでき、さらに測定ノイズを平均化に
    より除去することができ、前記圧電電荷を正確に測定で
    きることを特徴とする請求項5記載の圧電定数測定方
    法。
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