JPH08219196A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
ディスクブレーキ装置Info
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- JPH08219196A JPH08219196A JP7025383A JP2538395A JPH08219196A JP H08219196 A JPH08219196 A JP H08219196A JP 7025383 A JP7025383 A JP 7025383A JP 2538395 A JP2538395 A JP 2538395A JP H08219196 A JPH08219196 A JP H08219196A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ブレーキパッドを、ディスクロータの摩擦摺動
面に対する、該ブレーキパッドの面当たりが常に均一化
となることを目的としている。 【構成】アウタ・パッド10は、裏金12が、ディスク
ロータ4の回転方向P3に沿った中央位置で左右に分割
され、その分割された各裏金部分12a,12bの表面
側(ディスクロータ4側)に対して、それぞれ別体の摩
擦材14a,14bが固着されることで、独立した2個
のパッド部材A,Bが構成されている。パッド部材A,
Bの各分割プレート12a,12bにおける相互に対向
する端面17,18は、互いに係合可能な形状となって
いる。両パッド部材A,Bは、板バネ19によって揺動
可能に連結している。
面に対する、該ブレーキパッドの面当たりが常に均一化
となることを目的としている。 【構成】アウタ・パッド10は、裏金12が、ディスク
ロータ4の回転方向P3に沿った中央位置で左右に分割
され、その分割された各裏金部分12a,12bの表面
側(ディスクロータ4側)に対して、それぞれ別体の摩
擦材14a,14bが固着されることで、独立した2個
のパッド部材A,Bが構成されている。パッド部材A,
Bの各分割プレート12a,12bにおける相互に対向
する端面17,18は、互いに係合可能な形状となって
いる。両パッド部材A,Bは、板バネ19によって揺動
可能に連結している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に制動
手段として装備されるディスクブレーキ装置に係り、特
にブレーキパッドの構造に特徴を有するディスクブレー
キ装置に関するものである。
手段として装備されるディスクブレーキ装置に係り、特
にブレーキパッドの構造に特徴を有するディスクブレー
キ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキ装置としては、
例えば、実開昭62−39032号公報に記載されてい
るものがある。これは、車輪と共に回転するディスクロ
ータの摩擦摺動面にブレーキパッドが対向して配置され
て、そのブレーキパッドが、車体側に支持されたシリン
ダボディのピストンや爪部等によって、上記ディスクロ
ータの摩擦摺動面に向けて押圧されることで制動が掛か
る構成となっている。
例えば、実開昭62−39032号公報に記載されてい
るものがある。これは、車輪と共に回転するディスクロ
ータの摩擦摺動面にブレーキパッドが対向して配置され
て、そのブレーキパッドが、車体側に支持されたシリン
ダボディのピストンや爪部等によって、上記ディスクロ
ータの摩擦摺動面に向けて押圧されることで制動が掛か
る構成となっている。
【0003】さらに、上記ブレーキパッドを押圧するシ
リンダボディを、所定揺動軸周りに揺動可能に車体側に
支持させる構成とすることで、制動中のディスクロータ
の面振れに追従してブレーキパッド全体を揺動可能とし
ている。
リンダボディを、所定揺動軸周りに揺動可能に車体側に
支持させる構成とすることで、制動中のディスクロータ
の面振れに追従してブレーキパッド全体を揺動可能とし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来構成
のディスクブレーキ装置にあっては、ディスクロータの
摩擦摺動面全体が傾くような変形の場合には、面当たり
を均一にできるが、ヒートスポット等で、ディスクロー
タの摩擦摺動面が部分的に湾曲した場合には、その変形
に追従しきれずに面当たりは不均一となるという問題が
ある。
のディスクブレーキ装置にあっては、ディスクロータの
摩擦摺動面全体が傾くような変形の場合には、面当たり
を均一にできるが、ヒートスポット等で、ディスクロー
タの摩擦摺動面が部分的に湾曲した場合には、その変形
に追従しきれずに面当たりは不均一となるという問題が
ある。
【0005】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、ブレーキパッドを、ディスクロータの
摩擦摺動面の湾曲などの変形に追従して変形可能な構成
として、該ブレーキパッドの面当たりが常に均一化とな
ることを目的としている。
なされたもので、ブレーキパッドを、ディスクロータの
摩擦摺動面の湾曲などの変形に追従して変形可能な構成
として、該ブレーキパッドの面当たりが常に均一化とな
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1のディスクブレーキ装置は、
車輪と共に回転するディスクロータの摩擦摺動面と対向
して配置されるブレーキパッドと、そのブレーキパッド
をディスクロータに向けて押圧する押圧手段と、を備え
たディスクブレーキ装置において、上記ブレーキパッド
を、上記ディスクロータの摩擦摺動面に沿って並ぶ複数
のパッド部材から構成すると共に、その複数のパッド部
材を相互に揺動自在に連結する連結手段と、一のパッド
部材の少なくともブレーキパッド厚さ方向の動きを他の
パッド部材に伝達する伝達手段と、を備えたことを特徴
とする。
に、本発明のうち請求項1のディスクブレーキ装置は、
車輪と共に回転するディスクロータの摩擦摺動面と対向
して配置されるブレーキパッドと、そのブレーキパッド
をディスクロータに向けて押圧する押圧手段と、を備え
たディスクブレーキ装置において、上記ブレーキパッド
を、上記ディスクロータの摩擦摺動面に沿って並ぶ複数
のパッド部材から構成すると共に、その複数のパッド部
材を相互に揺動自在に連結する連結手段と、一のパッド
部材の少なくともブレーキパッド厚さ方向の動きを他の
パッド部材に伝達する伝達手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0007】また、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載された構成に対して、上記ブレーキパッドは2
個のパッド部材からなると共に、両パッド部材間に上記
伝達手段を設けたこと特徴とする。また、請求項3に記
載した発明は、請求項1に記載された構成に対して、上
記ブレーキパッドは3個のパッド部材からなると共に、
隣合うパッド部材間に上記伝達手段を設けたことを特徴
とする。
1に記載された構成に対して、上記ブレーキパッドは2
個のパッド部材からなると共に、両パッド部材間に上記
伝達手段を設けたこと特徴とする。また、請求項3に記
載した発明は、請求項1に記載された構成に対して、上
記ブレーキパッドは3個のパッド部材からなると共に、
隣合うパッド部材間に上記伝達手段を設けたことを特徴
とする。
【0008】また、請求項4に記載した発明は、請求項
1から請求項3のいずれかに記載された構成に対して、
上記伝達手段は、パッド部材同士を連結する弾性体から
なることを特徴とする。また、請求項5に記載した発明
は、請求項1から請求項4のいずれかに記載された構成
に対して、上記伝達手段は、隣合うパッド部材の当接可
能に対向する端面同士を、少なくとも制動中に相互にブ
レーキパッド厚さ方向で重なり合う形状とすることで構
成したことを特徴とする。
1から請求項3のいずれかに記載された構成に対して、
上記伝達手段は、パッド部材同士を連結する弾性体から
なることを特徴とする。また、請求項5に記載した発明
は、請求項1から請求項4のいずれかに記載された構成
に対して、上記伝達手段は、隣合うパッド部材の当接可
能に対向する端面同士を、少なくとも制動中に相互にブ
レーキパッド厚さ方向で重なり合う形状とすることで構
成したことを特徴とする。
【0009】また、請求項6に記載した発明は、請求項
5に記載した発明に対して、上記隣合うパッド部材の当
接可能に対向する端面を、共に該隣合うパッド部材の並
びに沿った同一方向に傾斜させたことを特徴とする。ま
た、請求項7に記載した発明は、請求項5に記載した発
明に対して、上記隣合うパッド部材の当接可能に対向す
る端面のうちの一方の端面を、他方の端面に向けて突出
した凸形状とし、且つ、他方の端面を上記一方の端面形
状に係合可能な凹形状としたことを特徴とする。
5に記載した発明に対して、上記隣合うパッド部材の当
接可能に対向する端面を、共に該隣合うパッド部材の並
びに沿った同一方向に傾斜させたことを特徴とする。ま
た、請求項7に記載した発明は、請求項5に記載した発
明に対して、上記隣合うパッド部材の当接可能に対向す
る端面のうちの一方の端面を、他方の端面に向けて突出
した凸形状とし、且つ、他方の端面を上記一方の端面形
状に係合可能な凹形状としたことを特徴とする。
【0010】また、請求項8に記載した発明は、請求項
5に記載した発明に対して、上記隣合うパッド部材の当
接可能に対向する端面に、互いにブレーキパッド厚さ方
向に沿って重なる段部を設けたことを特徴とする。ま
た、請求項9に記載した発明は、請求項1から請求項4
のいずれかに記載された構成に対して、パッド部材同士
を連結する少なくとも一個の弾性体で、上記揺動手段及
び伝達手段を構成したことを特徴とする。
5に記載した発明に対して、上記隣合うパッド部材の当
接可能に対向する端面に、互いにブレーキパッド厚さ方
向に沿って重なる段部を設けたことを特徴とする。ま
た、請求項9に記載した発明は、請求項1から請求項4
のいずれかに記載された構成に対して、パッド部材同士
を連結する少なくとも一個の弾性体で、上記揺動手段及
び伝達手段を構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1に記載した発明では、ブレーキパッド
が複数のパッド部材で構成されているが、各パッド部材
は、連結手段によって連結されていると共に伝達手段に
よって相互の動き、特にブレーキパッド厚さ方向の動き
が伝達可能となっているため、制動開始の際に、押圧手
段によって全てのパッド部材が直接押圧されることがな
くても、該押圧手段によって押圧されたパッド部材がデ
ィスクロータの摩擦摺動面(以下、単に摩擦摺動面と呼
ぶ)側に移動するに追従して他のパッド部材も該摩擦摺
動面側に移動し、さらに、該押圧手段によって押圧され
たパッド部材が摩擦摺動面に押圧されることに追従して
該押圧手段に直接押圧されていないパッド部材も、上記
押圧手段に押圧されているパッド部材及び伝達手段を介
して摩擦摺動面に向けて押圧可能となる。
が複数のパッド部材で構成されているが、各パッド部材
は、連結手段によって連結されていると共に伝達手段に
よって相互の動き、特にブレーキパッド厚さ方向の動き
が伝達可能となっているため、制動開始の際に、押圧手
段によって全てのパッド部材が直接押圧されることがな
くても、該押圧手段によって押圧されたパッド部材がデ
ィスクロータの摩擦摺動面(以下、単に摩擦摺動面と呼
ぶ)側に移動するに追従して他のパッド部材も該摩擦摺
動面側に移動し、さらに、該押圧手段によって押圧され
たパッド部材が摩擦摺動面に押圧されることに追従して
該押圧手段に直接押圧されていないパッド部材も、上記
押圧手段に押圧されているパッド部材及び伝達手段を介
して摩擦摺動面に向けて押圧可能となる。
【0012】また、制動中に、ディスクロータの摩擦摺
動面がディスクロータ軸方向に湾曲する等の変形を起こ
すと、複数のパッド部材は連結手段によって互いに揺動
自在に連結されているため、各パッド部材は、それぞれ
当該パッド部材が摺接している上記摩擦摺動面の摺接部
分の変形に従って、個々にブレーキパッド厚さ方向に変
位若しくは傾動する。同時に、各パッド部材の上記傾動
等の動きは、相互に伝達手段を介して他のパッド部材に
伝達されることで、全パッド部材は連動して動き、もっ
て、ブレーキパッドは、全体として上記摩擦摺動面の変
形に追従した形状に変形する。
動面がディスクロータ軸方向に湾曲する等の変形を起こ
すと、複数のパッド部材は連結手段によって互いに揺動
自在に連結されているため、各パッド部材は、それぞれ
当該パッド部材が摺接している上記摩擦摺動面の摺接部
分の変形に従って、個々にブレーキパッド厚さ方向に変
位若しくは傾動する。同時に、各パッド部材の上記傾動
等の動きは、相互に伝達手段を介して他のパッド部材に
伝達されることで、全パッド部材は連動して動き、もっ
て、ブレーキパッドは、全体として上記摩擦摺動面の変
形に追従した形状に変形する。
【0013】請求項2に記載した発明では、2個のパッ
ド部材における対向する端部のうちの一方が、相対的に
ブレーキパッド厚さ方向に移動すると、その動きは伝達
手段を介して他方の端部に伝達されて、両パッド部材は
連動して動く。これによって、ブレーキパッドは、摩擦
摺動面が凹状又は凸状に湾曲するに従い、くの字状に変
形して追従する。
ド部材における対向する端部のうちの一方が、相対的に
ブレーキパッド厚さ方向に移動すると、その動きは伝達
手段を介して他方の端部に伝達されて、両パッド部材は
連動して動く。これによって、ブレーキパッドは、摩擦
摺動面が凹状又は凸状に湾曲するに従い、くの字状に変
形して追従する。
【0014】請求項3に記載した発明では、隣合うパッ
ド部材の対向する端部同士において、一方の端部がブレ
ーキパッド厚さ方向に移動すると、その動きが伝達手段
を介して他方の端部に伝達される。これによって、各パ
ッド部材のブレーキパッド厚さ方向の動きが隣りのパッ
ド部材へ相互に伝達されて、3個のパッド部材は連動し
て動く。そして、ブレーキパッドは、摩擦摺動面が湾曲
するに従い、コの字状(底辺の無い台形状)に近い形状
からN字状に近い形状の間の任意の形状に波うつように
変形して追従する。
ド部材の対向する端部同士において、一方の端部がブレ
ーキパッド厚さ方向に移動すると、その動きが伝達手段
を介して他方の端部に伝達される。これによって、各パ
ッド部材のブレーキパッド厚さ方向の動きが隣りのパッ
ド部材へ相互に伝達されて、3個のパッド部材は連動し
て動く。そして、ブレーキパッドは、摩擦摺動面が湾曲
するに従い、コの字状(底辺の無い台形状)に近い形状
からN字状に近い形状の間の任意の形状に波うつように
変形して追従する。
【0015】請求項4に記載した発明では、一のパッド
部材が動くと、そのパッド部材と他のパッド部材とを連
結する弾性体が弾性変形し、その弾性変形による弾性力
によって上記一のパッド部材の動きが他のパッド部材に
伝達される。請求項5に記載した発明では、隣合うパッ
ド部材における一方のパッド部材の端面がブレーキパッ
ド厚さ方向に移動すると、その一方のパッド部材の端面
が他方のパッド部材の端面を同一方向に押すことで、一
方のパッド部材の端面の動きは、他方のパッド部材の端
面を同一方向に変位させる力と共に、他方のパッド部材
に伝達される。
部材が動くと、そのパッド部材と他のパッド部材とを連
結する弾性体が弾性変形し、その弾性変形による弾性力
によって上記一のパッド部材の動きが他のパッド部材に
伝達される。請求項5に記載した発明では、隣合うパッ
ド部材における一方のパッド部材の端面がブレーキパッ
ド厚さ方向に移動すると、その一方のパッド部材の端面
が他方のパッド部材の端面を同一方向に押すことで、一
方のパッド部材の端面の動きは、他方のパッド部材の端
面を同一方向に変位させる力と共に、他方のパッド部材
に伝達される。
【0016】この請求項5に記載した発明を構成する、
隣合うパッド部材の対向する端面形状を相互にブレーキ
パッド厚さ方向で重なり合う形状とするには、例えば、
請求項6から請求項8のいずれかの構成を採用すること
で実現される。請求項6に記載した発明では、隣合うパ
ッド部材の対向する端面同士は、相互に係合可能に傾斜
した形状となっているので、隣合うパッドの端面同士が
当接すると該傾斜している端面同士が接触し、その両端
面は、ブレーキパッド厚さ方向で重なり合うこととな
る。
隣合うパッド部材の対向する端面形状を相互にブレーキ
パッド厚さ方向で重なり合う形状とするには、例えば、
請求項6から請求項8のいずれかの構成を採用すること
で実現される。請求項6に記載した発明では、隣合うパ
ッド部材の対向する端面同士は、相互に係合可能に傾斜
した形状となっているので、隣合うパッドの端面同士が
当接すると該傾斜している端面同士が接触し、その両端
面は、ブレーキパッド厚さ方向で重なり合うこととな
る。
【0017】請求項7に記載した発明では、隣合うパッ
ド部材の対向する端面同士は、相互に係合可能な凹凸形
状となっているので、隣合うパッドの端面同士が当接す
ると、V字やU字形状等の凸形状をした一方の端面の凸
部が、相対的に凹形状の他方の端面の凹部に入り込み、
その両端面は、ブレーキパッド厚さ方向で重なり合うこ
ととなる。
ド部材の対向する端面同士は、相互に係合可能な凹凸形
状となっているので、隣合うパッドの端面同士が当接す
ると、V字やU字形状等の凸形状をした一方の端面の凸
部が、相対的に凹形状の他方の端面の凹部に入り込み、
その両端面は、ブレーキパッド厚さ方向で重なり合うこ
ととなる。
【0018】請求項8に記載した発明では、隣合うパッ
ド部材の対向する端面同士が当接すると、相対的に両端
面の段部同士が係合し、その両端面は、ブレーキパッド
厚さ方向で重なり合うこととなる。請求項9に記載した
発明では、弾性体の弾性力によってパッド部材の相互の
揺動を可能とすると共に、一のパッド部材が動くことに
よるパッド部材間の変位によって弾性体が弾性変形し、
その弾性変形による弾性力が他のパッド部材に入力され
て、一のパッド部材の動きが他のパッド部材に伝達され
る。
ド部材の対向する端面同士が当接すると、相対的に両端
面の段部同士が係合し、その両端面は、ブレーキパッド
厚さ方向で重なり合うこととなる。請求項9に記載した
発明では、弾性体の弾性力によってパッド部材の相互の
揺動を可能とすると共に、一のパッド部材が動くことに
よるパッド部材間の変位によって弾性体が弾性変形し、
その弾性変形による弾性力が他のパッド部材に入力され
て、一のパッド部材の動きが他のパッド部材に伝達され
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2は、本実施例のディスクブレーキ装
置を示す図であって、図1は、ディスクロータ外周側か
らみた平面図であり、図2は断面図である。まず、ディ
スクブレーキ装置の構成を説明すると、図1に示すよう
に、サスペンション部材40,41に連結する車輪支持
部材(車体側部材)に対してトルクメンバ1が固定さ
れ、そのトルクメンバ1に、シリンダボディ2が摺動可
能に支持されている。具体的には、該シリンダボディ2
は、一対のスライドピン3によって、車輪42と共に回
転するディスクロータ4の軸線と平行な方向にのみ移動
可能に拘束されている。また、該シリンダボディ2は、
ディスクロータ4を跨ぐように配置されていて、先端部
に設けられた一対の爪部5が、ディスクロータ4の一方
の摩擦摺動面に対向し、且つ、基部2a側が、ディスク
ロータ4の一方の摩擦摺動面に対向している。
する。図1及び図2は、本実施例のディスクブレーキ装
置を示す図であって、図1は、ディスクロータ外周側か
らみた平面図であり、図2は断面図である。まず、ディ
スクブレーキ装置の構成を説明すると、図1に示すよう
に、サスペンション部材40,41に連結する車輪支持
部材(車体側部材)に対してトルクメンバ1が固定さ
れ、そのトルクメンバ1に、シリンダボディ2が摺動可
能に支持されている。具体的には、該シリンダボディ2
は、一対のスライドピン3によって、車輪42と共に回
転するディスクロータ4の軸線と平行な方向にのみ移動
可能に拘束されている。また、該シリンダボディ2は、
ディスクロータ4を跨ぐように配置されていて、先端部
に設けられた一対の爪部5が、ディスクロータ4の一方
の摩擦摺動面に対向し、且つ、基部2a側が、ディスク
ロータ4の一方の摩擦摺動面に対向している。
【0020】上記シリンダボディ2の基部2aには、図
2に示すように、ディスクロータ4の一方の摩擦摺動面
4b(内面側)に開口部を対向させてシリンダ孔6が形
成され、該シリンダ孔6内にピストン7が同軸に配置さ
れている。そのピストン7の動きは、上記シリンダ孔6
に規制され、図示しない配管を介してシリンダ孔6内に
給排される作動油に応じて上記ディスクロータ4の摩擦
摺動面4bに向けて進退可能となっている。図2中、P
2は該ピストン7の進退方向を示す。また、シリンダ孔
6の内周面には、その周方向に沿って無端環状にシール
リング8が配設され、そのシールリング8内周面が上記
ピストン7外周面に摺動可能に当接している。
2に示すように、ディスクロータ4の一方の摩擦摺動面
4b(内面側)に開口部を対向させてシリンダ孔6が形
成され、該シリンダ孔6内にピストン7が同軸に配置さ
れている。そのピストン7の動きは、上記シリンダ孔6
に規制され、図示しない配管を介してシリンダ孔6内に
給排される作動油に応じて上記ディスクロータ4の摩擦
摺動面4bに向けて進退可能となっている。図2中、P
2は該ピストン7の進退方向を示す。また、シリンダ孔
6の内周面には、その周方向に沿って無端環状にシール
リング8が配設され、そのシールリング8内周面が上記
ピストン7外周面に摺動可能に当接している。
【0021】ここで、本実施例では、上記爪部5、ピス
トン7、及びシリンダ孔6を備えたシリンダボディ2に
よって押圧手段が構成され、上記シリンダ孔6に供給さ
れる作動油の流体圧によって上記ピストン7が作動す
る。また、上記シリンダボディ2の基部2aと爪部5と
の間には、図2に示すように、一対のブレーキパッド1
0,11が、上記ディスクロータ4を挟んだ状態で対向
して配置されている。そして、一方のブレーキパッド1
1(以下、インナ・パッドと呼ぶ)は、ピストン7に押
圧されて上記ディスクロータ4の一方の摩擦摺動面4b
に当接可能となっており、また、他方のブレーキパッド
10(以下、アウタ・パッドと呼ぶ)は、一対の爪部5
に押圧されて上記ディスクロータ4の他方の摩擦摺動面
4aに当接可能となっている。
トン7、及びシリンダ孔6を備えたシリンダボディ2に
よって押圧手段が構成され、上記シリンダ孔6に供給さ
れる作動油の流体圧によって上記ピストン7が作動す
る。また、上記シリンダボディ2の基部2aと爪部5と
の間には、図2に示すように、一対のブレーキパッド1
0,11が、上記ディスクロータ4を挟んだ状態で対向
して配置されている。そして、一方のブレーキパッド1
1(以下、インナ・パッドと呼ぶ)は、ピストン7に押
圧されて上記ディスクロータ4の一方の摩擦摺動面4b
に当接可能となっており、また、他方のブレーキパッド
10(以下、アウタ・パッドと呼ぶ)は、一対の爪部5
に押圧されて上記ディスクロータ4の他方の摩擦摺動面
4aに当接可能となっている。
【0022】上記各ブレーキパッド10,11は、それ
ぞれ、ピストン7又は爪部5によって押圧される裏金1
2,13と、その裏金12,13に固着して直接ディス
クロータ4の摩擦摺動面4a、4bに摺接する摩擦材1
4,15とから構成されている。そして、上記一対のブ
レーキパッド10,11のうちアウタ・パッド10は、
2個のパッド部材から構成され、シリンダボディ2の爪
部5側からみた図3やディスクロータ4の外周側から見
た図4に示すような構造となっている。
ぞれ、ピストン7又は爪部5によって押圧される裏金1
2,13と、その裏金12,13に固着して直接ディス
クロータ4の摩擦摺動面4a、4bに摺接する摩擦材1
4,15とから構成されている。そして、上記一対のブ
レーキパッド10,11のうちアウタ・パッド10は、
2個のパッド部材から構成され、シリンダボディ2の爪
部5側からみた図3やディスクロータ4の外周側から見
た図4に示すような構造となっている。
【0023】そのアウタ・パッド10の構成を説明する
と、図3及び図4に示すように、裏金12が、ディスク
ロータ4の回転方向P3中央位置で左右に分割され、そ
の分割された各裏金部分12a,12bの表面側(ディ
スクロータ4側)に対して、それぞれ別体の摩擦材14
a,14bが固着されることで、独立した2個のパッド
部材A,Bが構成されている。この2個のパッド部材
A,Bは、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aにおける
該ディスクロータ4の回転方向P3に沿って並んで配置
される。ここで、以下の説明では、上記裏金12を分割
して構成された各パッド部材A,Bの裏金部分12a,
12bを、分割プレートと呼称して説明する。
と、図3及び図4に示すように、裏金12が、ディスク
ロータ4の回転方向P3中央位置で左右に分割され、そ
の分割された各裏金部分12a,12bの表面側(ディ
スクロータ4側)に対して、それぞれ別体の摩擦材14
a,14bが固着されることで、独立した2個のパッド
部材A,Bが構成されている。この2個のパッド部材
A,Bは、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aにおける
該ディスクロータ4の回転方向P3に沿って並んで配置
される。ここで、以下の説明では、上記裏金12を分割
して構成された各パッド部材A,Bの裏金部分12a,
12bを、分割プレートと呼称して説明する。
【0024】上記2個のパッド部材A,Bの各分割プレ
ート12a,12bにおける相互に対向する端面17,
18(以下、係合面と呼ぶ)は、図5に示す拡大図のよ
うに、互いに係合可能な形状となっている。具体的に
は、一方の係合面17は、他方の係合面18に向けてV
字状に突出した凸形状に形成され、かつ、他方の係合面
18は、上記V字状の凸形状を係合可能なV字状の凹形
状に形成されている。
ート12a,12bにおける相互に対向する端面17,
18(以下、係合面と呼ぶ)は、図5に示す拡大図のよ
うに、互いに係合可能な形状となっている。具体的に
は、一方の係合面17は、他方の係合面18に向けてV
字状に突出した凸形状に形成され、かつ、他方の係合面
18は、上記V字状の凸形状を係合可能なV字状の凹形
状に形成されている。
【0025】これによって、上記両係合面17,18
は、ブレーキパッドの厚さ方向P3で相互に重なり合っ
て、伝達手段を構成している。そして、一方の分割プレ
ート12a,12bのブレーキパッド10の厚さ方向
(以下、同一方向をブレーキパッド厚さ方向P4と呼
ぶ)の動きが、他方の分割プレート12a,12bに伝
達されるようになっている。
は、ブレーキパッドの厚さ方向P3で相互に重なり合っ
て、伝達手段を構成している。そして、一方の分割プレ
ート12a,12bのブレーキパッド10の厚さ方向
(以下、同一方向をブレーキパッド厚さ方向P4と呼
ぶ)の動きが、他方の分割プレート12a,12bに伝
達されるようになっている。
【0026】また、上記両パッド部材A,Bの一部であ
る両分割プレート12a,12bの裏面(爪部5側の
面)側には、板バネ19が、図3及び図4に示すよう
に、該分割プレート12a,12bの並び方向に沿って
延在している。その板バネ19の各分割プレート12
a,12bの裏面と対向する部分には、板バネ19の延
在方向に長径を向けた長孔19a,19bがそれぞれ開
設され、その長孔19a,19bに対して、各分割プレ
ート12a,12bに突設したピン20がそれぞれ遊挿
している。
る両分割プレート12a,12bの裏面(爪部5側の
面)側には、板バネ19が、図3及び図4に示すよう
に、該分割プレート12a,12bの並び方向に沿って
延在している。その板バネ19の各分割プレート12
a,12bの裏面と対向する部分には、板バネ19の延
在方向に長径を向けた長孔19a,19bがそれぞれ開
設され、その長孔19a,19bに対して、各分割プレ
ート12a,12bに突設したピン20がそれぞれ遊挿
している。
【0027】この板バネ19及びピン20は、連結手段
を構成していて、該板バネ19及びピン20によって、
両パッド部材A,Bは、ディスクロータ回転方向P3に
相互に揺動可能に連結された状態となると共に、板バネ
19の弾性力によってブレーキパッド厚さ方向P4にも
相互に揺動可能となっている。さらに、無負荷状態で
は、該板バネ19の弾性力によって、両パッド部材A,
Bの摺動面は、一つの平面上に位置するように規制され
ている。
を構成していて、該板バネ19及びピン20によって、
両パッド部材A,Bは、ディスクロータ回転方向P3に
相互に揺動可能に連結された状態となると共に、板バネ
19の弾性力によってブレーキパッド厚さ方向P4にも
相互に揺動可能となっている。さらに、無負荷状態で
は、該板バネ19の弾性力によって、両パッド部材A,
Bの摺動面は、一つの平面上に位置するように規制され
ている。
【0028】また、上記各パッド部材A,Bの分割プレ
ート12a,12bから突出する各ピン20の頭部は、
それぞてシリンダボディ2の爪部5に対向していて、そ
の爪部5によって押圧可能となっている。次に、上記構
成をしたディスクブレーキ装置、特に、アウタ・パッド
10の動作等を説明する。
ート12a,12bから突出する各ピン20の頭部は、
それぞてシリンダボディ2の爪部5に対向していて、そ
の爪部5によって押圧可能となっている。次に、上記構
成をしたディスクブレーキ装置、特に、アウタ・パッド
10の動作等を説明する。
【0029】まず、ブレーキペダルを操作するなどの制
動操作が実施されて、シリンダ孔6内に作動油が供給さ
れると、シリンダ孔6内に生じた流体圧によって、ピス
トン7がディスクロータ4側に前進してインナ・パッド
11をディスクロータ4の一方の摩擦摺動面4bに向け
て押圧すると共に、その反動でシリンダボディ2自体は
後退し、該シリンダボディ2の爪部5がアウタ・パッド
10をディスクロータ4の他方の摩擦摺動面4aに押圧
する。これによって、一対のブレーキパッド10,11
がディスクロータ4を両側から挟み込み、その摩擦力に
よりディスクロータ4の回転を熱に変換して制動が行わ
れる。
動操作が実施されて、シリンダ孔6内に作動油が供給さ
れると、シリンダ孔6内に生じた流体圧によって、ピス
トン7がディスクロータ4側に前進してインナ・パッド
11をディスクロータ4の一方の摩擦摺動面4bに向け
て押圧すると共に、その反動でシリンダボディ2自体は
後退し、該シリンダボディ2の爪部5がアウタ・パッド
10をディスクロータ4の他方の摩擦摺動面4aに押圧
する。これによって、一対のブレーキパッド10,11
がディスクロータ4を両側から挟み込み、その摩擦力に
よりディスクロータ4の回転を熱に変換して制動が行わ
れる。
【0030】上記制動動作の際、アウタ・パッド10の
各パッド部材A,Bは、爪部5に押圧されるピン20を
介して個々にディスクロータ4の摩擦摺動面4aに押圧
される。続いて、各パッド部材A,Bは、共に、該ディ
スクロータ4から入力される制動トルクによって、該デ
ィスクロータ4の回転方向P3に移動し、一方のパッド
部材Aは、トルクメンバ1に当接して該トルクメンバ1
に制動トルクを伝達すると共に、他方のパッド部材B
は、上記一方のパッド部材Aと係合面17,18同士を
介して当接することで、該他方のパッド部材Bに伝達さ
れた制動トルクは、該一方のパッド部材Aを介してトル
クメンバ1に伝達される。
各パッド部材A,Bは、爪部5に押圧されるピン20を
介して個々にディスクロータ4の摩擦摺動面4aに押圧
される。続いて、各パッド部材A,Bは、共に、該ディ
スクロータ4から入力される制動トルクによって、該デ
ィスクロータ4の回転方向P3に移動し、一方のパッド
部材Aは、トルクメンバ1に当接して該トルクメンバ1
に制動トルクを伝達すると共に、他方のパッド部材B
は、上記一方のパッド部材Aと係合面17,18同士を
介して当接することで、該他方のパッド部材Bに伝達さ
れた制動トルクは、該一方のパッド部材Aを介してトル
クメンバ1に伝達される。
【0031】この状態で、上記ディスクロータ4が、制
動による熱入れがその容量を越えるような頻度で行われ
るなどによって熱応力集中等を受け、図5示すように、
その摩擦摺動面4aがアウタ・パッド10側に凹状とな
るように湾曲する場合がある。このような湾曲が摩擦摺
動面4aに発生すると、シリンダボディ2の爪部5によ
って当該摩擦摺動面4aに押圧されるアウタ・パッド1
0は、摩擦材14a,14bの外側端部Eが摩擦摺動面
4aに強く当接し、各パッド部材A,Bは、それぞれ当
該当接部分Eで該ディスクロータ4から反力F1を受け
る。この当接部分での反力F1と、爪部5を介したシリ
ンダボディ2からの押圧力F2とによって、各パッド部
材A,Bは、それぞれ係合面17,18側が摩擦摺動面
4a側に移動するように回動変位を起こして、各パッド
部材A,Bは、対向する摩擦摺動面4a部分の変形に沿
った位置に傾動する。同時に、各パッド部材A,Bの係
合面17,18は、互いに上記摩擦摺動面4a側への動
きを他方の係合面17,18に伝達するように、相互に
他方の係合面17,18を摩擦摺動面4a側へ所定の力
F3によって押し合う。これによって、各パッド部材
A,Bの摩擦材14a,14bは、変形した摩擦摺動面
4aに略均一に押圧される。
動による熱入れがその容量を越えるような頻度で行われ
るなどによって熱応力集中等を受け、図5示すように、
その摩擦摺動面4aがアウタ・パッド10側に凹状とな
るように湾曲する場合がある。このような湾曲が摩擦摺
動面4aに発生すると、シリンダボディ2の爪部5によ
って当該摩擦摺動面4aに押圧されるアウタ・パッド1
0は、摩擦材14a,14bの外側端部Eが摩擦摺動面
4aに強く当接し、各パッド部材A,Bは、それぞれ当
該当接部分Eで該ディスクロータ4から反力F1を受け
る。この当接部分での反力F1と、爪部5を介したシリ
ンダボディ2からの押圧力F2とによって、各パッド部
材A,Bは、それぞれ係合面17,18側が摩擦摺動面
4a側に移動するように回動変位を起こして、各パッド
部材A,Bは、対向する摩擦摺動面4a部分の変形に沿
った位置に傾動する。同時に、各パッド部材A,Bの係
合面17,18は、互いに上記摩擦摺動面4a側への動
きを他方の係合面17,18に伝達するように、相互に
他方の係合面17,18を摩擦摺動面4a側へ所定の力
F3によって押し合う。これによって、各パッド部材
A,Bの摩擦材14a,14bは、変形した摩擦摺動面
4aに略均一に押圧される。
【0032】なお、上記パッド部材A,Bの係合面1
7,18同士は、摺動可能に係合しているために、両係
合面17,18が互いにブレーキパッド厚さ方向P4へ
ずれることは防止されている。また、上記のように各パ
ッド部材A,Bに回動変位が生じると、各パッド部材
A,Bのピン20間の距離は短くなるが、この変動分
は、ピン20が板バネ19の各長孔19a,19bに沿
ってそれぞれ変位することで吸収される。
7,18同士は、摺動可能に係合しているために、両係
合面17,18が互いにブレーキパッド厚さ方向P4へ
ずれることは防止されている。また、上記のように各パ
ッド部材A,Bに回動変位が生じると、各パッド部材
A,Bのピン20間の距離は短くなるが、この変動分
は、ピン20が板バネ19の各長孔19a,19bに沿
ってそれぞれ変位することで吸収される。
【0033】また、アウタ・パッド10と摺接するディ
スクロータ4の摩擦摺動面4a部分が、上記とは逆方向
に、即ちアウタ・パッド10側へ凸状に湾曲する、若し
くは湾曲しているとすると、該摩擦摺動面4aに押圧さ
れるアウタ・パッド10は、上記ディスクロータ4の凸
状の湾曲によって、各パッド部材A,Bの係合面17,
18側がディスクロータ4に強く当接し、各パッド部材
A,Bは、当該当接部分で該ディスクロータ4から反力
を受ける。この当接部分での反力とシリンダボディ2か
らの押圧力によって、各パッド部材A,Bは、湾曲した
摩擦摺動面4aに沿うようにそれぞれ回動変位する。こ
のときには、各パッド部材A,Bの係合面17,18
は、摩擦摺動面4aから離れる方向にそれぞれ動き、そ
の動きを相互に伝達するように、一方の係合面17,1
8が、互いに他方の係合面17,18を摩擦摺動面4a
から離れる方向に押し合う。これによって、各パッド部
材A,Bの摺動面は、変形した摩擦摺動面4aに略均一
に押圧される。
スクロータ4の摩擦摺動面4a部分が、上記とは逆方向
に、即ちアウタ・パッド10側へ凸状に湾曲する、若し
くは湾曲しているとすると、該摩擦摺動面4aに押圧さ
れるアウタ・パッド10は、上記ディスクロータ4の凸
状の湾曲によって、各パッド部材A,Bの係合面17,
18側がディスクロータ4に強く当接し、各パッド部材
A,Bは、当該当接部分で該ディスクロータ4から反力
を受ける。この当接部分での反力とシリンダボディ2か
らの押圧力によって、各パッド部材A,Bは、湾曲した
摩擦摺動面4aに沿うようにそれぞれ回動変位する。こ
のときには、各パッド部材A,Bの係合面17,18
は、摩擦摺動面4aから離れる方向にそれぞれ動き、そ
の動きを相互に伝達するように、一方の係合面17,1
8が、互いに他方の係合面17,18を摩擦摺動面4a
から離れる方向に押し合う。これによって、各パッド部
材A,Bの摺動面は、変形した摩擦摺動面4aに略均一
に押圧される。
【0034】このように、摩擦摺動面4aに湾曲が生じ
ても、各パッド部材A,Bは、該摩擦摺動面4aに対し
て略均一に摺接した状態で押圧されて、全体として、ア
ウタ・パッド10は、摩擦摺動面4aの変形に追従して
略くの字状に変形する。また、シリンダ孔6内から作動
油が排出されると、ピストン7は、シールリング8の復
元力によって後退して、上記爪部5とピストン7との間
に所定のクリアランスが生じ、上記押圧されていた一対
のブレーキパッド10,11がディスクロータ4の摩擦
摺動面4a,4bから離れ、非制動状態に復帰する。
ても、各パッド部材A,Bは、該摩擦摺動面4aに対し
て略均一に摺接した状態で押圧されて、全体として、ア
ウタ・パッド10は、摩擦摺動面4aの変形に追従して
略くの字状に変形する。また、シリンダ孔6内から作動
油が排出されると、ピストン7は、シールリング8の復
元力によって後退して、上記爪部5とピストン7との間
に所定のクリアランスが生じ、上記押圧されていた一対
のブレーキパッド10,11がディスクロータ4の摩擦
摺動面4a,4bから離れ、非制動状態に復帰する。
【0035】このとき、制動中に、ディスクロータ4の
湾曲によって各パッド部材A,Bに上記のような回動変
位が個々に生じていても、上記非制動状態となって押圧
力F2がなくなると、アウタ・パッド10は、板バネ1
9の弾性力によって、初期状態の形状に戻る。なお、上
記実施例では、各パッド部材A,Bの相互に対向する係
合面17,18のうち一方を、他方の係合面17,18
に向けて突出したV字状の凸形状とし、他方の形状を該
V字状の凸部を係合可能な凹部としているが、両係合面
17,18の凹凸形状は、これに限定されるものではな
い。
湾曲によって各パッド部材A,Bに上記のような回動変
位が個々に生じていても、上記非制動状態となって押圧
力F2がなくなると、アウタ・パッド10は、板バネ1
9の弾性力によって、初期状態の形状に戻る。なお、上
記実施例では、各パッド部材A,Bの相互に対向する係
合面17,18のうち一方を、他方の係合面17,18
に向けて突出したV字状の凸形状とし、他方の形状を該
V字状の凸部を係合可能な凹部としているが、両係合面
17,18の凹凸形状は、これに限定されるものではな
い。
【0036】図6に示すディスクロータ4外周側から見
た係合面17,18の形状のように、一方の係合面17
の凸形状における凸部17aを矩形となるように設け、
他方の係合面18を、該凸部17aに係合可能な凹部1
8aを備えた凹形状にするように構成するなどしてもよ
い。上記凸部の形状は、上記のようなV字状や矩形状に
限定されず、U字状等、公知の凸形状、及びその凸形状
を係合可能な凹形状を採用しても構わない。
た係合面17,18の形状のように、一方の係合面17
の凸形状における凸部17aを矩形となるように設け、
他方の係合面18を、該凸部17aに係合可能な凹部1
8aを備えた凹形状にするように構成するなどしてもよ
い。上記凸部の形状は、上記のようなV字状や矩形状に
限定されず、U字状等、公知の凸形状、及びその凸形状
を係合可能な凹形状を採用しても構わない。
【0037】また、上記実施例では、連結部材を構成す
る板バネ19を一つだけ架設した例で説明しているが、
該板バネ19を延在方向に沿って2本以上架設してもよ
い。次に、第2実施例を図7及び図8に基づいて説明す
る。上記第1実施例と同様な部材については同一符号を
付して説明は省略する。第2実施例のディスクブレーキ
装置の基本構成は、上記第1実施例のディスクブレーキ
と同じ構成であって、アウタ・パッド10の構造が相違
するだけである。上記第1実施例では、アウタ・パッド
10を2分割して構成したが、本実施例のアウタ・パッ
ド10は、シリンダボディ2の爪部5側からみた図7や
ディスクロータ4の外周側から見た図8に示すように、
ディスクロータ4の回転方向P3に沿って3分割されて
構成されている。そして、分割されて構成された3個の
パッド部材A,B,Cは、ディスクロータ4の摩擦摺動
面4aにおける該ディスクロータ4の回転方向P3に沿
って並んで配置されている。
る板バネ19を一つだけ架設した例で説明しているが、
該板バネ19を延在方向に沿って2本以上架設してもよ
い。次に、第2実施例を図7及び図8に基づいて説明す
る。上記第1実施例と同様な部材については同一符号を
付して説明は省略する。第2実施例のディスクブレーキ
装置の基本構成は、上記第1実施例のディスクブレーキ
と同じ構成であって、アウタ・パッド10の構造が相違
するだけである。上記第1実施例では、アウタ・パッド
10を2分割して構成したが、本実施例のアウタ・パッ
ド10は、シリンダボディ2の爪部5側からみた図7や
ディスクロータ4の外周側から見た図8に示すように、
ディスクロータ4の回転方向P3に沿って3分割されて
構成されている。そして、分割されて構成された3個の
パッド部材A,B,Cは、ディスクロータ4の摩擦摺動
面4aにおける該ディスクロータ4の回転方向P3に沿
って並んで配置されている。
【0038】以下の説明では、中央に位置されるパッド
部材Aを第1パッド部材と、その第1パッド部材Aの両
側に配される2個のパッド部材B,Cを第2パッド部材
及び第3パッド部材と呼ぶ。上記各隣合うパッド部材
A,B,Cにおける分割プレート12a,12b,12
cの相互に対向する両端面17a,18a,17b,1
8b(以下、係合面と呼ぶ)は、図8に示すように、互
いに係合可能となるようにパッド部材A,B,Cの並び
に沿って同一方向に傾斜している。第1パッド部材Aの
係合面18a,18bの傾斜は、摩擦摺動面4a側が第
2パッド部材B又は第3パッド部材Cの係合面17a,
17b側へ相対的に突出するように傾斜している。これ
により、対向する係合面17a,18a,17b,18
b同士は、ブレーキパッド厚さ方向P4で重なり合い、
これによって、相互の動きを伝達する伝達手段を構成し
ている。
部材Aを第1パッド部材と、その第1パッド部材Aの両
側に配される2個のパッド部材B,Cを第2パッド部材
及び第3パッド部材と呼ぶ。上記各隣合うパッド部材
A,B,Cにおける分割プレート12a,12b,12
cの相互に対向する両端面17a,18a,17b,1
8b(以下、係合面と呼ぶ)は、図8に示すように、互
いに係合可能となるようにパッド部材A,B,Cの並び
に沿って同一方向に傾斜している。第1パッド部材Aの
係合面18a,18bの傾斜は、摩擦摺動面4a側が第
2パッド部材B又は第3パッド部材Cの係合面17a,
17b側へ相対的に突出するように傾斜している。これ
により、対向する係合面17a,18a,17b,18
b同士は、ブレーキパッド厚さ方向P4で重なり合い、
これによって、相互の動きを伝達する伝達手段を構成し
ている。
【0039】また、上記各パッド部材A,B,Cは、第
1実施例と同様に、連結手段を構成する板バネ19及び
ピン20a,20b,20cによって相互に揺動可能に
連結されている。但し、中央のパッド部材Aのピン20
aは、板バネ19に固定されている。さらに、上記第2
パッド部材B及び第3パッド部材Cの各分割プレート1
2b,12cから突出する各ピン20b,20cの頭部
は、それぞれシリンダボディ2の爪部5に対向配置され
ていて、該爪部5によって押圧されるようになってい
る。
1実施例と同様に、連結手段を構成する板バネ19及び
ピン20a,20b,20cによって相互に揺動可能に
連結されている。但し、中央のパッド部材Aのピン20
aは、板バネ19に固定されている。さらに、上記第2
パッド部材B及び第3パッド部材Cの各分割プレート1
2b,12cから突出する各ピン20b,20cの頭部
は、それぞれシリンダボディ2の爪部5に対向配置され
ていて、該爪部5によって押圧されるようになってい
る。
【0040】次に、動作等について説明する。まず、制
動時に、アウタ・パッド10における第2パッド部材B
及び第3パッド部材Cが、シリンダボディ2の爪部5に
よって、20b,20cを介して個々に摩擦摺動面4a
に向けて押圧されると、該第2パッド部材B及び第3パ
ッド部材Cはディスクロータ4の摩擦摺動面4aに向け
て移動する。すると、第2パッド部材B及び第3パッド
部材Cの係合面17a,17bは、該第1パッド部材A
の係合面18a,18bをそれぞれ摩擦摺動面4a側に
押すことで、該第2パッド部材B及び第3パッド部材C
の動きが第1パッド部材Aに伝達されて、該第1パッド
部材Aも摩擦摺動面4aに向けて押圧される。これによ
って、アウタ・パッド10を構成する3個のパッド部材
A,B,Cは、共に摩擦摺動面4aに押圧される。
動時に、アウタ・パッド10における第2パッド部材B
及び第3パッド部材Cが、シリンダボディ2の爪部5に
よって、20b,20cを介して個々に摩擦摺動面4a
に向けて押圧されると、該第2パッド部材B及び第3パ
ッド部材Cはディスクロータ4の摩擦摺動面4aに向け
て移動する。すると、第2パッド部材B及び第3パッド
部材Cの係合面17a,17bは、該第1パッド部材A
の係合面18a,18bをそれぞれ摩擦摺動面4a側に
押すことで、該第2パッド部材B及び第3パッド部材C
の動きが第1パッド部材Aに伝達されて、該第1パッド
部材Aも摩擦摺動面4aに向けて押圧される。これによ
って、アウタ・パッド10を構成する3個のパッド部材
A,B,Cは、共に摩擦摺動面4aに押圧される。
【0041】この押圧状態で、上記ディスクロータ4
が、図9に示すように、アウタ・パッド10と摺接する
ディスクロータ4の摩擦摺動面4a部分がアウタ・パッ
ド10側に凹状となるように湾曲すると、シリンダボデ
ィ2の爪部5によって当該摩擦摺動面4aに押圧される
第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、その摩擦材
14b,14cの外側端部Eが摩擦摺動面4aに強く当
接し、第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、それ
ぞれ当該当接部分Eで該ディスクロータ4から反力F1
を受ける。この当接部分での反力F1と、シリンダボデ
ィ2の爪部5からの押圧力F2によって、第2パッド部
材B及び第3パッド部材Cは、それぞれ係合面17a,
17b側が摩擦摺動面4a側に移動するように回動変位
して、該第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、そ
れぞれ対向する摩擦摺動面4aの部分の変形に沿った位
置に傾動する。同時に、第2パッド部材B及び第3パッ
ド部材Cの各係合面17a,17bは、上記摩擦摺動面
4a側に向かう動きを第1パッド部材Aの係合面18
a,18bに伝達するように、第1パッド部材Aの各係
合面18a,18bを摩擦摺動面4a側に向けて所定の
力F3で押す。これによって、第1パッド部材Aは、湾
曲したディスクロータ4の摩擦摺動面4aに向けて押し
出される。これによって、各パッド部材A,B,Cの摩
擦材14a,14b,14cが、それぞれ摩擦摺動面4
aへ略均一に押圧される。
が、図9に示すように、アウタ・パッド10と摺接する
ディスクロータ4の摩擦摺動面4a部分がアウタ・パッ
ド10側に凹状となるように湾曲すると、シリンダボデ
ィ2の爪部5によって当該摩擦摺動面4aに押圧される
第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、その摩擦材
14b,14cの外側端部Eが摩擦摺動面4aに強く当
接し、第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、それ
ぞれ当該当接部分Eで該ディスクロータ4から反力F1
を受ける。この当接部分での反力F1と、シリンダボデ
ィ2の爪部5からの押圧力F2によって、第2パッド部
材B及び第3パッド部材Cは、それぞれ係合面17a,
17b側が摩擦摺動面4a側に移動するように回動変位
して、該第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、そ
れぞれ対向する摩擦摺動面4aの部分の変形に沿った位
置に傾動する。同時に、第2パッド部材B及び第3パッ
ド部材Cの各係合面17a,17bは、上記摩擦摺動面
4a側に向かう動きを第1パッド部材Aの係合面18
a,18bに伝達するように、第1パッド部材Aの各係
合面18a,18bを摩擦摺動面4a側に向けて所定の
力F3で押す。これによって、第1パッド部材Aは、湾
曲したディスクロータ4の摩擦摺動面4aに向けて押し
出される。これによって、各パッド部材A,B,Cの摩
擦材14a,14b,14cが、それぞれ摩擦摺動面4
aへ略均一に押圧される。
【0042】このように、摩擦摺動面4aに湾曲が生じ
ても、各パッド部材A,B,Cは、該摩擦摺動面4aに
対して略均一に摺接した状態で押圧されると共に、全体
として、アウタ・パッド10は、ディスクロータ4の摩
擦摺動面4aの変形に追従した形状に変形する。また、
制動が解除されると、回動変位していた各パッド部材
A,B,Cは、非制動状態となって押圧力F2がなくな
ると共に、アウタ・パッド10は、板バネ19の弾性力
によって初期状態の形状に戻る。
ても、各パッド部材A,B,Cは、該摩擦摺動面4aに
対して略均一に摺接した状態で押圧されると共に、全体
として、アウタ・パッド10は、ディスクロータ4の摩
擦摺動面4aの変形に追従した形状に変形する。また、
制動が解除されると、回動変位していた各パッド部材
A,B,Cは、非制動状態となって押圧力F2がなくな
ると共に、アウタ・パッド10は、板バネ19の弾性力
によって初期状態の形状に戻る。
【0043】なお、上記第1パッド部材Aと第2パッド
部材B、又は第1パッド部材Aと第3パッド部材C、即
ち隣合うパッド部材A,B,C同士の対向する係合面1
7a,18a,17b,18bの形状は、上記のような
形状に限定されるものではない。例えば、対向する係合
面17b,18bに対して、図10に示す拡大図のよう
に、互いにブレーキパッド厚さ方向P4に沿って重なる
段部25,26を設け、両係合面17b,18bをブレ
ーキパッド厚さ方向P4で重なり合う形状としてもよ
い。なお、図10では、第1パッド部材Aと第3パッド
部材Cとの係合面17b,18b部分を図示している
が、第1パッド部材Aと第2パッド部材Bとの係合面1
7a,18a部分も同様な形状となっている。
部材B、又は第1パッド部材Aと第3パッド部材C、即
ち隣合うパッド部材A,B,C同士の対向する係合面1
7a,18a,17b,18bの形状は、上記のような
形状に限定されるものではない。例えば、対向する係合
面17b,18bに対して、図10に示す拡大図のよう
に、互いにブレーキパッド厚さ方向P4に沿って重なる
段部25,26を設け、両係合面17b,18bをブレ
ーキパッド厚さ方向P4で重なり合う形状としてもよ
い。なお、図10では、第1パッド部材Aと第3パッド
部材Cとの係合面17b,18b部分を図示している
が、第1パッド部材Aと第2パッド部材Bとの係合面1
7a,18a部分も同様な形状となっている。
【0044】上記の係合面の形状を、本第2実施例のデ
ィスクブレーキ装置に採用する場合には、第1パッド部
材Aの係合面18bに設ける段部26が、図10に示す
ように、ブレーキパッド厚さ方向P4におけるディスク
ロータ4側に位置するように形成する。これによって、
少なくとも、第2パッド部材B及び第3パッド部材Cか
ら第1パッド部材Aに向けてディスクロータ4の摩擦摺
動面4aに向かう動きが伝達可能となる。
ィスクブレーキ装置に採用する場合には、第1パッド部
材Aの係合面18bに設ける段部26が、図10に示す
ように、ブレーキパッド厚さ方向P4におけるディスク
ロータ4側に位置するように形成する。これによって、
少なくとも、第2パッド部材B及び第3パッド部材Cか
ら第1パッド部材Aに向けてディスクロータ4の摩擦摺
動面4aに向かう動きが伝達可能となる。
【0045】なお、上記各実施例では、板バネ19によ
って、各パッド部材を揺動可能に連結する連結手段の役
割を持たせているが、該板バネ19部材の剛性を高く設
定する等して、該板バネ19に対して、パッド部材間の
動きを伝達する伝達手段の機能を持たせて、前述の請求
項9の弾性体を構成させてもよい。この場合には、一の
パッド部材がブレーキパッド厚さ方向P4に相対的に動
くと、該板バネ19が撓み、該撓みに応じた弾性力によ
って、一のパッド部材の動きが他のパッド部材に伝達さ
れて、他のパッド部材は、一のパッド部材の移動方向に
移動する。
って、各パッド部材を揺動可能に連結する連結手段の役
割を持たせているが、該板バネ19部材の剛性を高く設
定する等して、該板バネ19に対して、パッド部材間の
動きを伝達する伝達手段の機能を持たせて、前述の請求
項9の弾性体を構成させてもよい。この場合には、一の
パッド部材がブレーキパッド厚さ方向P4に相対的に動
くと、該板バネ19が撓み、該撓みに応じた弾性力によ
って、一のパッド部材の動きが他のパッド部材に伝達さ
れて、他のパッド部材は、一のパッド部材の移動方向に
移動する。
【0046】また、上記対向する係合面17a,18
a,17b,18a間の形状として、上記実施例で説明
した係合可能な凹凸形状で構成してもよい。次に、第3
実施例を図11に基づいて説明する。上記各実施例と同
様な部材については同一符号を付して説明は省略する。
ここで、図11は、第3実施例を説明するためのディス
クロータ外周側から見た拡大図であって、第1パッド部
材Aと第3パッド部材Cとの対向部分を図示している。
また、図示していないが、第1パッド部材Aと第2パッ
ド部材Bとの対向部分も同様な形状となっている。
a,17b,18a間の形状として、上記実施例で説明
した係合可能な凹凸形状で構成してもよい。次に、第3
実施例を図11に基づいて説明する。上記各実施例と同
様な部材については同一符号を付して説明は省略する。
ここで、図11は、第3実施例を説明するためのディス
クロータ外周側から見た拡大図であって、第1パッド部
材Aと第3パッド部材Cとの対向部分を図示している。
また、図示していないが、第1パッド部材Aと第2パッ
ド部材Bとの対向部分も同様な形状となっている。
【0047】上記第2実施例では、各パッド部材A,
B,Cの分割プレート12a,12b,12c間を完全
に切り離して各パッド部材A,B,C独立した構成とし
ているが、本実施例は、図11に示すように、隣合うパ
ッド部材A,Cの分割プレート12a,12c間を完全
に切り離すことなく、ディスクロータ4の摩擦摺動面4
a側を一体的に連結した構造を採用したものである。他
の構成は、上記第2実施例と同様である。
B,Cの分割プレート12a,12b,12c間を完全
に切り離して各パッド部材A,B,C独立した構成とし
ているが、本実施例は、図11に示すように、隣合うパ
ッド部材A,Cの分割プレート12a,12c間を完全
に切り離すことなく、ディスクロータ4の摩擦摺動面4
a側を一体的に連結した構造を採用したものである。他
の構成は、上記第2実施例と同様である。
【0048】上記構造は、裏金12を分割して複数の分
割プレート12a,12cとする際に、各分割プレート
12a,12c間におけるディスクロータ4側の裏金部
分27aを所定の厚さだけ残すように、隣合う分割プレ
ート12a,12cの境界となる裏金12の爪部側を、
角度θをもった断面V字形状に切り欠くことで構成す
る。
割プレート12a,12cとする際に、各分割プレート
12a,12c間におけるディスクロータ4側の裏金部
分27aを所定の厚さだけ残すように、隣合う分割プレ
ート12a,12cの境界となる裏金12の爪部側を、
角度θをもった断面V字形状に切り欠くことで構成す
る。
【0049】そして、上記V字状に切り欠いた切欠き部
分27を、パッド部材A,C間の動きを伝達する伝達手
段とする。また、該切欠き部分27における上記分割プ
レート12a,12c間に残した裏金部分27aは、隣
合うパッド部材A,C間を揺動可能に連結する連結手段
の役割も持つ。即ち、隣合うパッド部材A,Cは、上記
分割プレート12a,12c間に残した裏金部分27a
位置で互いに屈曲可能に連結されて、該隣合うパッド部
材A,Cの間では、該裏金部分27aによって、一方の
パッド部材A,Cの動きが相対的に他方のパッド部材
A,Cに伝達されると共に、互いに、一方のパッド部材
A,Cは、他方のパッド部材A,Cに対して上記裏金部
分27aを中心として旋回するようにブレーキパッド厚
さ方向P4へ揺動可能に連結されている。
分27を、パッド部材A,C間の動きを伝達する伝達手
段とする。また、該切欠き部分27における上記分割プ
レート12a,12c間に残した裏金部分27aは、隣
合うパッド部材A,C間を揺動可能に連結する連結手段
の役割も持つ。即ち、隣合うパッド部材A,Cは、上記
分割プレート12a,12c間に残した裏金部分27a
位置で互いに屈曲可能に連結されて、該隣合うパッド部
材A,Cの間では、該裏金部分27aによって、一方の
パッド部材A,Cの動きが相対的に他方のパッド部材
A,Cに伝達されると共に、互いに、一方のパッド部材
A,Cは、他方のパッド部材A,Cに対して上記裏金部
分27aを中心として旋回するようにブレーキパッド厚
さ方向P4へ揺動可能に連結されている。
【0050】さらに、ディスクロータ4の摩擦摺動面4
aの変形に追従して、一方のパッド部材A,Cが、他方
のパッド部材A,Cに対して相対的に上記裏金部分27
aを中心として摩擦摺動面4aから離れる方向に所定角
度θだけ回動すると、両パッド部材A,B,C間の対向
する端面27b,27c(切欠き部分を構成する面)同
士が当接して、一方のパッド部材A,Cの端面27b,
27cが他方のパッド部材A,Cの端面27b,27c
を相対的に摩擦摺動面4a側へ押圧する。
aの変形に追従して、一方のパッド部材A,Cが、他方
のパッド部材A,Cに対して相対的に上記裏金部分27
aを中心として摩擦摺動面4aから離れる方向に所定角
度θだけ回動すると、両パッド部材A,B,C間の対向
する端面27b,27c(切欠き部分を構成する面)同
士が当接して、一方のパッド部材A,Cの端面27b,
27cが他方のパッド部材A,Cの端面27b,27c
を相対的に摩擦摺動面4a側へ押圧する。
【0051】これによって、上記第2実施例と同様な作
用効果をもって、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aに
湾曲が生じても、各パッド部材A,B,Cは、該ディス
クロータ4の摩擦摺動面4aに対して略均一に摺接した
状態で押圧されると共に、全体として、アウタ・パッド
10は、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aの変形に追
従した形状に変形する。
用効果をもって、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aに
湾曲が生じても、各パッド部材A,B,Cは、該ディス
クロータ4の摩擦摺動面4aに対して略均一に摺接した
状態で押圧されると共に、全体として、アウタ・パッド
10は、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aの変形に追
従した形状に変形する。
【0052】また、本実施例では、各パッド部材A,
B,Cは一体となっているので、必ずしも板バネ等を必
要とせず構造の合理化が図られたり軽量化に繋がる等の
効果を持つ。次に、第4実施例を図12に基づいて説明
する。上記各実施例と同様な部材については同一符号を
付して説明を省略する。
B,Cは一体となっているので、必ずしも板バネ等を必
要とせず構造の合理化が図られたり軽量化に繋がる等の
効果を持つ。次に、第4実施例を図12に基づいて説明
する。上記各実施例と同様な部材については同一符号を
付して説明を省略する。
【0053】ここで、図12は、第4実施例を説明する
ためのディスクロータ外周側から見た拡大図であって、
第1パッド部材Aと第3パッド部材Cとの対向部分を図
示している。また、図示していないが、第1パッド部材
Aと第2パッド部材Bとの対向部分も同様な形状となっ
ている。本第4実施例では、隣合うパッド部材A,Cの
分割プレート12a,12c間を、図12に示すよう
に、弾性体である断面U字形状のバネ部材29で連結
し、該バネ部材29によって伝達手段を構成したもので
ある。また、該バネ部材29は連結手段の機能も持つ。
他の構成は、上記第2実施例と同様である。
ためのディスクロータ外周側から見た拡大図であって、
第1パッド部材Aと第3パッド部材Cとの対向部分を図
示している。また、図示していないが、第1パッド部材
Aと第2パッド部材Bとの対向部分も同様な形状となっ
ている。本第4実施例では、隣合うパッド部材A,Cの
分割プレート12a,12c間を、図12に示すよう
に、弾性体である断面U字形状のバネ部材29で連結
し、該バネ部材29によって伝達手段を構成したもので
ある。また、該バネ部材29は連結手段の機能も持つ。
他の構成は、上記第2実施例と同様である。
【0054】上記バネ部材29は、ディスクロータ4の
外周側からみて爪部側が開いたU字状の板バネから構成
されて、両端部29a,29b側の外面がそれぞれ分割
プレート12a,12cの対向する端面30,31に固
定されている。そして、隣合うパッド部材A,Cは、こ
のバネ部材29によって、相互に揺動可能に連結される
と共に、一方のパッド部材A,Cが、他方のパッド部材
A,Cに対して相対的に変位すると、その変位分だけ上
記バネ部材29が変形し、該変形に応じた弾性力によっ
て他方のパッド部材A,Cを同方向に引くことで、一方
のパッド部材A,Cの動きが、他方のパッド部材A,C
に伝達可能となっている。
外周側からみて爪部側が開いたU字状の板バネから構成
されて、両端部29a,29b側の外面がそれぞれ分割
プレート12a,12cの対向する端面30,31に固
定されている。そして、隣合うパッド部材A,Cは、こ
のバネ部材29によって、相互に揺動可能に連結される
と共に、一方のパッド部材A,Cが、他方のパッド部材
A,Cに対して相対的に変位すると、その変位分だけ上
記バネ部材29が変形し、該変形に応じた弾性力によっ
て他方のパッド部材A,Cを同方向に引くことで、一方
のパッド部材A,Cの動きが、他方のパッド部材A,C
に伝達可能となっている。
【0055】これによって、アウタ・パッド10は、全
体として、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aの変形に
追従した形状に変形可能となる。他の作用効果は、上記
各実施例と同様である。また、本実施例では、各パッド
部材間を係合可能なような加工が不要となるので加工が
容易となる共に、バネ部材29の弾性力によってパッド
部材間追従性が向上する。
体として、ディスクロータ4の摩擦摺動面4aの変形に
追従した形状に変形可能となる。他の作用効果は、上記
各実施例と同様である。また、本実施例では、各パッド
部材間を係合可能なような加工が不要となるので加工が
容易となる共に、バネ部材29の弾性力によってパッド
部材間追従性が向上する。
【0056】次に、第5実施例を図13に基づいて説明
する。第1実施例と同様な部材については同一符号を付
して説明する。この第5実施例は、一対のブレーキパッ
ド10,11のうちインナ・パッド11側を複数のパッ
ド部材から構成した例であり、他の構成は、第1実施例
と同様であるため説明を省略する。
する。第1実施例と同様な部材については同一符号を付
して説明する。この第5実施例は、一対のブレーキパッ
ド10,11のうちインナ・パッド11側を複数のパッ
ド部材から構成した例であり、他の構成は、第1実施例
と同様であるため説明を省略する。
【0057】インナ・パッド11の構造は、図13に示
すディスクロータ4の外周側から見た図のような構成と
なっている。次に、その構成について説明する。本実施
例のインナ・パッド11は、3個のパッド部材A,B,
Cから構成され、その3個のパッド部材A,B,Cは、
ディスクロータ4の回転方向P3に該ディスクロータ4
の摩擦摺動面4bに沿って並んでいる。そして、各パッ
ド部材A,B,Cの裏金13a,13b,13c(以
下、分割プレートと呼ぶ)間を揺動可能に連結して構成
されている。ここで、以下の説明では、中央に位置する
パッド部材Aを第1パッド部材と、その両側に配置され
るパッド部材B,Cを第2パッド部材及び第3パッド部
材と呼ぶ。
すディスクロータ4の外周側から見た図のような構成と
なっている。次に、その構成について説明する。本実施
例のインナ・パッド11は、3個のパッド部材A,B,
Cから構成され、その3個のパッド部材A,B,Cは、
ディスクロータ4の回転方向P3に該ディスクロータ4
の摩擦摺動面4bに沿って並んでいる。そして、各パッ
ド部材A,B,Cの裏金13a,13b,13c(以
下、分割プレートと呼ぶ)間を揺動可能に連結して構成
されている。ここで、以下の説明では、中央に位置する
パッド部材Aを第1パッド部材と、その両側に配置され
るパッド部材B,Cを第2パッド部材及び第3パッド部
材と呼ぶ。
【0058】上記連結されている3個の分割プレート1
3a,13b,13cは、一個のインナ・パッド11の
裏金13における第1パッド部材Aの分割プレート13
aに対応する部分が、ディスクロータ4側に所定の厚さ
部分を残して当該部分が薄板状となるように、切り欠か
れて構成されている。その切欠き位置に、該切欠きに係
合可能な形状をした中間プレート31が配置されてい
る。
3a,13b,13cは、一個のインナ・パッド11の
裏金13における第1パッド部材Aの分割プレート13
aに対応する部分が、ディスクロータ4側に所定の厚さ
部分を残して当該部分が薄板状となるように、切り欠か
れて構成されている。その切欠き位置に、該切欠きに係
合可能な形状をした中間プレート31が配置されてい
る。
【0059】上記切欠きで形成される、第2パッド部材
B及び第3パッド部材Cにおける各分割プレート13
b,13cの端面32,33は、それぞれ、パッド部材
A,B,Cの並び方向に傾斜している。その傾斜は、両
分割プレート13b,13cの端面32,33間の距離
が、ディスクロータ4から離れるほど広くなるように設
定されている。
B及び第3パッド部材Cにおける各分割プレート13
b,13cの端面32,33は、それぞれ、パッド部材
A,B,Cの並び方向に傾斜している。その傾斜は、両
分割プレート13b,13cの端面32,33間の距離
が、ディスクロータ4から離れるほど広くなるように設
定されている。
【0060】また、上記中間プレート31の左右の端面
34,35は、上記第2パッド部材B及び第3パッド部
材Cの各分割プレート13b,13cの端面32,33
と当接すると共に、該分割プレート13b,13cと係
合可能な方向に傾いている。また、該中間プレート31
の左右端面34,35が上記第2パッド部材B及び第3
パッド部材Cの各分割プレート13b,13cの端面3
2,33とそれぞれ当接した状態で、該中間プレート3
1のディスクロータ4側の面31aは、第1パッド部材
Aの分割プレート13aとの間に、ブレーキパッド厚さ
方向P4に所定の間隙が形成される。
34,35は、上記第2パッド部材B及び第3パッド部
材Cの各分割プレート13b,13cの端面32,33
と当接すると共に、該分割プレート13b,13cと係
合可能な方向に傾いている。また、該中間プレート31
の左右端面34,35が上記第2パッド部材B及び第3
パッド部材Cの各分割プレート13b,13cの端面3
2,33とそれぞれ当接した状態で、該中間プレート3
1のディスクロータ4側の面31aは、第1パッド部材
Aの分割プレート13aとの間に、ブレーキパッド厚さ
方向P4に所定の間隙が形成される。
【0061】また、上記のように配置された中間プレー
ト31は、上記第2パッド部材B及び第3パッド部材C
の各分割プレート13b,13cよりも、ディスクロー
タ4から離れる方向に張り出すだけの厚さを持つ。ま
た、一対の板バネ部材36,37が、上記中間31の張
り出した部分から、パッド部材A,B,Cの並び方向に
沿って、第2パッド部材B側及び第3パッド部材C側に
それぞれ延設されている。
ト31は、上記第2パッド部材B及び第3パッド部材C
の各分割プレート13b,13cよりも、ディスクロー
タ4から離れる方向に張り出すだけの厚さを持つ。ま
た、一対の板バネ部材36,37が、上記中間31の張
り出した部分から、パッド部材A,B,Cの並び方向に
沿って、第2パッド部材B側及び第3パッド部材C側に
それぞれ延設されている。
【0062】その各板バネ部材36,37は、第2パッ
ド部材B又は第3パッド部材Cの分割プレート13b,
13cに対して、ブレーキパッド厚さ方向P4で対向
し、各分割プレート13b,13cから突出するピン2
0を介して、揺動可能に当該分割プレート13b,13
cと連結している。そして、第2パッド部材Bと第3パ
ッド部材Cとは、上記中間プレート31、板バネ部材3
6,37、及びピン20を介して揺動可能に連結され
る。また、第1パッド部材Aと第2パッド部材B及び第
3パッド部材Cとは、各分割プレート13a,13b,
13c間に位置する裏金部分38,39を介して揺動可
能に連結する。
ド部材B又は第3パッド部材Cの分割プレート13b,
13cに対して、ブレーキパッド厚さ方向P4で対向
し、各分割プレート13b,13cから突出するピン2
0を介して、揺動可能に当該分割プレート13b,13
cと連結している。そして、第2パッド部材Bと第3パ
ッド部材Cとは、上記中間プレート31、板バネ部材3
6,37、及びピン20を介して揺動可能に連結され
る。また、第1パッド部材Aと第2パッド部材B及び第
3パッド部材Cとは、各分割プレート13a,13b,
13c間に位置する裏金部分38,39を介して揺動可
能に連結する。
【0063】ここで、上記中間プレート31、板バネ部
材36,37、ピン20、裏金部分38,39によっ
て、各パッド部材A,B,Cを揺動可能に連結する連結
手段が構成されていると共に、各パッド部材A,B,C
の動きを他のパッド部材A,B,Cに伝達する伝達手段
が構成されている。上記構成では、制動の際に、ピスト
ン7によって中間プレート31が押圧されると、その押
圧力は、該中間プレート31の端面34,35から、該
端面34,35に当接する第2パッド部材B及び第3パ
ッド部材Cの端面32,33を介して、該第2パッド部
材B及び第3パッド部材Cに伝達され、さらに、該第2
パッド部材B及び第3パッド部材Cから、裏金部分3
8,39を介して第1パッド部材Aに伝達されて、全パ
ッド部材A,B,Cが同期をとってディスクロータ4の
摩擦摺動面4bに押圧される。
材36,37、ピン20、裏金部分38,39によっ
て、各パッド部材A,B,Cを揺動可能に連結する連結
手段が構成されていると共に、各パッド部材A,B,C
の動きを他のパッド部材A,B,Cに伝達する伝達手段
が構成されている。上記構成では、制動の際に、ピスト
ン7によって中間プレート31が押圧されると、その押
圧力は、該中間プレート31の端面34,35から、該
端面34,35に当接する第2パッド部材B及び第3パ
ッド部材Cの端面32,33を介して、該第2パッド部
材B及び第3パッド部材Cに伝達され、さらに、該第2
パッド部材B及び第3パッド部材Cから、裏金部分3
8,39を介して第1パッド部材Aに伝達されて、全パ
ッド部材A,B,Cが同期をとってディスクロータ4の
摩擦摺動面4bに押圧される。
【0064】このとき、図14に示すディスクロータ4
の外周側から見た図のように、上記インナ・パッド11
が、インナ・パッド11側に凸状に湾曲したディスクロ
ータ4の摩擦摺動面4bに押圧されると、ピストン7に
よって押圧力F4で押圧される中間プレート31は、上
記裏金13の切欠きを押し開くように、該中間プレート
31の端面34,35が第2パッド部材B及び第3パッ
ド部材Cの端面32,33を力F5で押す。これによっ
て、第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、裏金部
分38,39を中心にディスクロータ4の摩擦摺動面4
b側に追従して変位する。この結果、インナ・パッド1
1は、全体として、湾曲した摩擦摺動面4bに追従した
形状に変形し該摩擦摺動面4bに均一に押圧される。
の外周側から見た図のように、上記インナ・パッド11
が、インナ・パッド11側に凸状に湾曲したディスクロ
ータ4の摩擦摺動面4bに押圧されると、ピストン7に
よって押圧力F4で押圧される中間プレート31は、上
記裏金13の切欠きを押し開くように、該中間プレート
31の端面34,35が第2パッド部材B及び第3パッ
ド部材Cの端面32,33を力F5で押す。これによっ
て、第2パッド部材B及び第3パッド部材Cは、裏金部
分38,39を中心にディスクロータ4の摩擦摺動面4
b側に追従して変位する。この結果、インナ・パッド1
1は、全体として、湾曲した摩擦摺動面4bに追従した
形状に変形し該摩擦摺動面4bに均一に押圧される。
【0065】また、本実施例では、各パッド部材A,
B,Cの分割プレート13a,13b,13cが一体に
成形されて、各パッド部材A,B,Cの相互の追従性が
良い。なお、以上の各説明では、ブレーキパッド10,
11を2個又は3個のパッド部材で構成した実施例を例
示したが、ブレーキパッドを4個以上に分割して該ブレ
ーキパッド10,11を4個以上のパッド部材で構成
し、さらに、各パッド部材間を上記実施例のような連結
手段によって連結し、且つ、各隣合うパッド部材間に、
上記実施例のような伝達手段を設けることで構成しても
よい。
B,Cの分割プレート13a,13b,13cが一体に
成形されて、各パッド部材A,B,Cの相互の追従性が
良い。なお、以上の各説明では、ブレーキパッド10,
11を2個又は3個のパッド部材で構成した実施例を例
示したが、ブレーキパッドを4個以上に分割して該ブレ
ーキパッド10,11を4個以上のパッド部材で構成
し、さらに、各パッド部材間を上記実施例のような連結
手段によって連結し、且つ、各隣合うパッド部材間に、
上記実施例のような伝達手段を設けることで構成しても
よい。
【0066】このとき、アウタ・パッド10を4個以上
のパッド部材で構成する場合には、例えばシリンダボデ
ィ2に設ける爪部を各パッド部材に対応して3個以上設
けて、各パッド部材へ確実にシリンダボディからの押圧
力が伝達可能とするようにしてもよい。また、上記全実
施例では、従来のブレーキパッドを分割して複数のパッ
ド部材で構成させているが、始めから別々に形成された
複数のパッド部材を連結手段で連結して各ブレーキパッ
ドを構成するようにしてもよい。
のパッド部材で構成する場合には、例えばシリンダボデ
ィ2に設ける爪部を各パッド部材に対応して3個以上設
けて、各パッド部材へ確実にシリンダボディからの押圧
力が伝達可能とするようにしてもよい。また、上記全実
施例では、従来のブレーキパッドを分割して複数のパッ
ド部材で構成させているが、始めから別々に形成された
複数のパッド部材を連結手段で連結して各ブレーキパッ
ドを構成するようにしてもよい。
【0067】また、上記実施例では、複数のパッド部材
をディスクロータの回転方向P3に沿って配列する例を
説明したが、該複数のパッド部材がディスクブレーキの
半径方向に沿って配列するように、ブレーキパッドを分
割してもよい。
をディスクロータの回転方向P3に沿って配列する例を
説明したが、該複数のパッド部材がディスクブレーキの
半径方向に沿って配列するように、ブレーキパッドを分
割してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したきたように、本発明のディ
スクブレーキ装置では、ディスクロータの摩擦摺動面の
湾曲等の変形に従って、ブレーキパッドが追従する形状
に変形するので、該ディスクロータの摩擦摺動面に湾曲
等の変形が生じても、該摩擦摺動面に対するブレーキパ
ッドの面当たりを均一化させることができるという効果
がある。
スクブレーキ装置では、ディスクロータの摩擦摺動面の
湾曲等の変形に従って、ブレーキパッドが追従する形状
に変形するので、該ディスクロータの摩擦摺動面に湾曲
等の変形が生じても、該摩擦摺動面に対するブレーキパ
ッドの面当たりを均一化させることができるという効果
がある。
【0069】このとき、請求項2に記載した発明では、
摺接するディスクロータの摩擦摺動面の凹状又は凸状等
の変形に追従して、ブレーキパッドが、くの字状に変形
することで、該摩擦摺動面に対するブレーキパッドの面
当たりが均一化される。また、請求項3に記載した発明
では、摺接するディスクロータの摩擦摺動面の凹状又は
凸状等の変形に追従して、ブレーキパッドが、略コ字状
からN字状の形状の間の形状に変化することで、請求項
2に記載した発明よりも更に、、該摩擦摺動面に対する
ブレーキパッドの面当たりが均一化される。
摺接するディスクロータの摩擦摺動面の凹状又は凸状等
の変形に追従して、ブレーキパッドが、くの字状に変形
することで、該摩擦摺動面に対するブレーキパッドの面
当たりが均一化される。また、請求項3に記載した発明
では、摺接するディスクロータの摩擦摺動面の凹状又は
凸状等の変形に追従して、ブレーキパッドが、略コ字状
からN字状の形状の間の形状に変化することで、請求項
2に記載した発明よりも更に、、該摩擦摺動面に対する
ブレーキパッドの面当たりが均一化される。
【0070】また、請求項4に記載した発明では、弾性
体の弾性力によって各パッド部材の動きが伝達されて、
各パッド部材が連動して動き、ディスクロータの摩擦摺
動面に対するブレーキパッドの面当たりが均一化され
る。また、請求項5から請求項8に記載した各発明で
は、隣合うパッド部材間の端面同士が、同一方向に動く
ように各パッド部材間の動きが伝達されて、ディスクロ
ータの摩擦摺動面に対するブレーキパッドの面当たりが
均一化されると共に、上記対向する端面を介して、隣合
うパッド部材における一のパッド部材から他のパッド部
材に対して、該一のパッド部材の移動方向の力が伝達可
能となり、当該他のパッド部材が押圧手段によって直接
押圧されていなくも、該他のパッド部材をディスクロー
タの摩擦摺動面に押圧可能となる。
体の弾性力によって各パッド部材の動きが伝達されて、
各パッド部材が連動して動き、ディスクロータの摩擦摺
動面に対するブレーキパッドの面当たりが均一化され
る。また、請求項5から請求項8に記載した各発明で
は、隣合うパッド部材間の端面同士が、同一方向に動く
ように各パッド部材間の動きが伝達されて、ディスクロ
ータの摩擦摺動面に対するブレーキパッドの面当たりが
均一化されると共に、上記対向する端面を介して、隣合
うパッド部材における一のパッド部材から他のパッド部
材に対して、該一のパッド部材の移動方向の力が伝達可
能となり、当該他のパッド部材が押圧手段によって直接
押圧されていなくも、該他のパッド部材をディスクロー
タの摩擦摺動面に押圧可能となる。
【0071】このとき、請求項6に記載した発明では、
加工が容易であると共にパッド部材間の動き及び押圧力
を伝達する端面の面積を大きく確保可能となる。また、
請求項7に記載した発明では、各パッド部材は、それぞ
れ、対向する端面を介して、ブレーキパッド厚さ方向に
沿った正逆2方向に向けて相互に動き及び押圧力を伝達
することが可能となる。
加工が容易であると共にパッド部材間の動き及び押圧力
を伝達する端面の面積を大きく確保可能となる。また、
請求項7に記載した発明では、各パッド部材は、それぞ
れ、対向する端面を介して、ブレーキパッド厚さ方向に
沿った正逆2方向に向けて相互に動き及び押圧力を伝達
することが可能となる。
【0072】また、請求項8に記載した発明では、パッ
ド部材間の動き及び押圧力の伝達方向を完全にブレーキ
パッド厚さ方向に向けることが可能となる。また、請求
項9に記載した発明では、連結手段と伝達手段を一つの
部材で構成することが可能となり、コスト面等で有利と
なる。
ド部材間の動き及び押圧力の伝達方向を完全にブレーキ
パッド厚さ方向に向けることが可能となる。また、請求
項9に記載した発明では、連結手段と伝達手段を一つの
部材で構成することが可能となり、コスト面等で有利と
なる。
【図1】本発明に係る実施例のディスクブレーキ装置を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図2】本発明に係る実施例のディスクブレーキ装置を
示す側面断面図である。
示す側面断面図である。
【図3】本発明に係る実施例のアウタ・パッドを爪部側
から見た図である。
から見た図である。
【図4】本発明に係る実施例のアウタ・パッドをディス
クロータ外周側から見た図である。
クロータ外周側から見た図である。
【図5】本発明に係る実施例のアウタ・パッドの変形状
態を示すディスクロータ外周側から見た図である。
態を示すディスクロータ外周側から見た図である。
【図6】本発明に係る実施例のパッド部材の対向する端
面の他の係合形状を示す拡大図である。
面の他の係合形状を示す拡大図である。
【図7】本発明に係る第2実施例のアウタ・パッドを爪
部側から見た図である。
部側から見た図である。
【図8】本発明に係る第2実施例のアウタ・パッドをデ
ィスクロータ外周側から見た図である。
ィスクロータ外周側から見た図である。
【図9】本発明に係る第2実施例のアウタ・パッドの変
形状態を示すディスクロータ外周側から見た図である。
形状態を示すディスクロータ外周側から見た図である。
【図10】本発明に係る第2実施例のパッド部材の対向
する端面の他の係合形状を示す拡大図である。
する端面の他の係合形状を示す拡大図である。
【図11】本発明に係る第3実施例のアウタ・パッドに
おける、第1パッド部材と第3パッド部材との対向部分
を示す拡大図である。
おける、第1パッド部材と第3パッド部材との対向部分
を示す拡大図である。
【図12】本発明に係る第4実施例のアウタ・パッドに
おける、第1パッド部材と第3パッド部材との対向部分
を示す拡大図である。
おける、第1パッド部材と第3パッド部材との対向部分
を示す拡大図である。
【図13】本発明に係る第5実施例のアウタ・パッドを
ディスクロータ外周側から見た図である。
ディスクロータ外周側から見た図である。
【図14】本発明に係る第5実施例のアウタ・パッドの
変形状態を示すディスクロータ外周側から見た図であ
る。
変形状態を示すディスクロータ外周側から見た図であ
る。
A,B,C パッド部材 P3 ディスクロータ回転方向 P4 ブレーキパッド厚さ方向 2 シリンダボディ 4 ディスクロータ 4a,4b 摩擦摺動面 5 爪部 6 シリンダ孔 7 ピストン 10 アウタ・パッド 11 インナ・パッド 12 裏金 12a,12b,12c分割プレート 13 裏金 14 摩擦材 15 摩擦材 17,18、17a,17b,18a,18b係合面 19 板バネ 25,26 段部 27 切欠き部分 29 バネ部材 31 中間プレート 36,37 板バネ部材 38,39 裏金部分
Claims (9)
- 【請求項1】 車輪と共に回転するディスクロータの摩
擦摺動面と対向して配置されるブレーキパッドと、その
ブレーキパッドをディスクロータに向けて押圧する押圧
手段と、を備えたディスクブレーキ装置において、 上記ブレーキパッドを、上記ディスクロータの摩擦摺動
面に沿って並ぶ複数のパッド部材から構成すると共に、
その複数のパッド部材を相互に揺動自在に連結する連結
手段と、一のパッド部材の少なくともブレーキパッド厚
さ方向の動きを他のパッド部材に伝達する伝達手段と、
を備えたことを特徴とするディスクブレーキ装置。 - 【請求項2】 上記ブレーキパッドは2個のパッド部材
からなると共に、両パッド部材間に上記伝達手段を設け
たこと特徴とする請求項1に記載されたディスクブレー
キ装置。 - 【請求項3】 上記ブレーキパッドは3個のパッド部材
からなると共に、隣合うパッド部材間に上記伝達手段を
設けたことを特徴とする請求項1に記載されたディスク
ブレーキ装置。 - 【請求項4】 上記伝達手段は、パッド部材同士を連結
する弾性体からなることを特徴とする請求項1から請求
項3のいずれかに記載されたディスクブレーキ装置。 - 【請求項5】 上記伝達手段は、隣合うパッド部材の当
接可能に対向する端面同士を、互いにブレーキパッド厚
さ方向で重なり合う形状とすることで構成したことを特
徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載された
ディスクブレーキ装置。 - 【請求項6】 上記隣合うパッド部材の当接可能に対向
する端面を、共に該隣合うパッド部材の並びに沿った同
一方向に傾斜させたことを特徴とする請求項5に記載さ
れたディスクブレーキ装置。 - 【請求項7】 上記隣合うパッド部材の当接可能に対向
する端面のうちの一方の端面を、他方の端面に向けて突
出した凸形状とし、且つ、他方の端面を上記一方の端面
形状に係合可能な凹形状としたことを特徴とする請求項
5に記載されたディスクブレーキ装置。 - 【請求項8】 上記隣合うパッド部材の当接可能に対向
する端面に、互いにブレーキパッド厚さ方向に沿って重
なる段部を設けたことを特徴とする請求項5に記載され
たディスクブレーキ装置。 - 【請求項9】 パッド部材同士を連結する少なくとも一
個の弾性体で、上記揺動手段及び伝達手段を構成したこ
とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載
されたディスクブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7025383A JPH08219196A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | ディスクブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7025383A JPH08219196A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | ディスクブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08219196A true JPH08219196A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12164350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7025383A Pending JPH08219196A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | ディスクブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08219196A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030049232A (ko) * | 2001-12-14 | 2003-06-25 | 현대자동차주식회사 | 디스크 브레이크 제어 장치 및 그 방법 |
DE102005004776A1 (de) * | 2005-02-01 | 2006-08-10 | Continental Teves Ag & Co. Ohg | Scheibenbremse mit mehreren Schwimmsätteln |
JP2010235113A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | General Electric Co <Ge> | 先進型滑り防止機構制動及び駆動力制御の装置及び方法 |
DE102012006107A1 (de) * | 2012-03-26 | 2013-09-26 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Scheibenbremse eines Kraftfahrzeugs und Bremsbelag |
KR20190027535A (ko) * | 2017-09-07 | 2019-03-15 | 한국철도기술연구원 | 회전방향 자유도를 갖는 철도차량용 시소타입 제동패드 |
-
1995
- 1995-02-14 JP JP7025383A patent/JPH08219196A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030049232A (ko) * | 2001-12-14 | 2003-06-25 | 현대자동차주식회사 | 디스크 브레이크 제어 장치 및 그 방법 |
DE102005004776A1 (de) * | 2005-02-01 | 2006-08-10 | Continental Teves Ag & Co. Ohg | Scheibenbremse mit mehreren Schwimmsätteln |
EP1686279A3 (de) * | 2005-02-01 | 2008-07-30 | Continental Teves AG & Co. oHG | Scheibenbremse mit mehreren Schwimmsätteln |
JP2010235113A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | General Electric Co <Ge> | 先進型滑り防止機構制動及び駆動力制御の装置及び方法 |
DE102012006107A1 (de) * | 2012-03-26 | 2013-09-26 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Scheibenbremse eines Kraftfahrzeugs und Bremsbelag |
KR20190027535A (ko) * | 2017-09-07 | 2019-03-15 | 한국철도기술연구원 | 회전방향 자유도를 갖는 철도차량용 시소타입 제동패드 |
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