JPH0821909A - カラー画像を記録した回折格子記録媒体およびその作成方法 - Google Patents

カラー画像を記録した回折格子記録媒体およびその作成方法

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JPH0821909A
JPH0821909A JP17750494A JP17750494A JPH0821909A JP H0821909 A JPH0821909 A JP H0821909A JP 17750494 A JP17750494 A JP 17750494A JP 17750494 A JP17750494 A JP 17750494A JP H0821909 A JPH0821909 A JP H0821909A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鮮明なカラー画像を回折格子を用いて記録す
る。 【構成】 RGBの三原色のそれぞれについて画素値
(0〜255)を定義した多数の画素から構成されるカ
ラー画像を用意する。各原色RGBの各画素値に対応さ
せて、図に示すような画素パターンを用意する。各画素
パターンには、格子占有領域が設けられており、この格
子占有領域には、所定方向(図の水平方向)に多数の格
子線が形成されている。RGBごとに格子線ピッチpは
異なり、所定の観測方向から観測すると、各色に対応し
た回折光が観測される。格子占有領域の面積は、各画素
値に対応している。もとのカラー画像の画素がもつ情報
に基づいて、用意した画素パターンを適宜選択して配列
することにより、カラー画像を回折格子によって表現す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー画像を記録した回
折格子記録媒体およびその作成方法、特に、多数の画素
からなるカラー画像を回折格子を用いて記録した回折格
子記録媒体およびその作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クレジットカード、預金通帳、金券など
の偽造を防止するための手段として、ホログラムシール
が利用されている。また、ビデオテープや高級腕時計な
どの商品についても、海賊版が出回るのを防止するため
に、ホログラムシールが利用されている。この他、装飾
用、販売促進用といった目的にも、ホログラムシールが
利用されている。このようなホログラムシールには、三
次元立体像ではなく二次元画像がモチーフとして用いら
れることが多い。
【0003】このようなホログラムシールを作成する第
1の方法は、レーザ光を用いて干渉縞を形成させる光学
的なホログラム撮影法である。すなわち、二次元画像が
描かれた原稿を用意し、2つに分岐させたレーザ光の一
方をこの原稿に照射し、その反射光と分岐したもう一方
のレーザ光とを干渉させてその干渉縞を感光材に記録す
るのである。こうしてホログラム原版が作成できたら、
この原版を用いて、プレスの手法によりホログラムシー
ルを量産することができる。
【0004】ホログラムシールを作成する第2の方法
は、媒体上に回折格子パターンを形成する方法である。
この方法では、画像は、干渉縞パターンではなく、回折
格子パターンとして記録されるため、この方法で記録さ
れた媒体に対しては、「ホログラム」という言葉を用い
ず、「回折格子記録媒体」という言葉を用いることにす
る(一般には、上述の第1の方法で作成された媒体も、
この第2の方法で作成された媒体も、いずれも「ホログ
ラムシール」と呼ばれることが多い)。最近は、電子線
描画によって回折格子パターンを形成する技術が確立さ
れてきたため、この第2の方法によれば、印刷を上回る
解像度をもったパターン形成が可能である。また、第1
の方法によって形成した画像に比べて、より高い輝度を
もった鮮明な画像が得られる。たとえば、特開平3−3
9701号公報には、回折格子パターンが形成された微
小なドットの集合により、所定の絵柄を表現する方法が
開示されている。また、特願平5−148681号明細
書には、多数の画素から構成される二次元画像を、回折
格子パターンが形成された微小画素の集合として表現す
る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1の方法、
すなわち、光学的なホログラム撮影方法には、鮮明なホ
ログラム像が得られないという問題がある。すなわち、
光学的に形成された干渉縞は、振動に敏感であるため、
振動を完全に排除した環境でのホログラム撮影を行う必
要がある。ところが、かなりの精度の防振台を用いて撮
影を行っても、振動を完全に排除することは困難であ
り、このため、干渉縞の記録像にいわゆる「ボケ」が生
じ、コントラストのある明るいホログラム像が得られな
いのである。また、用いるレーザ光の発振波長にもゆら
ぎが生じるため、くも硝子状ノイズが避けられない。こ
のように、光学的なホログラム撮影には再現性が悪いと
いう問題があるため、同じ原版を何枚か作成することも
困難になる。
【0006】これに対して、上述した第2の方法、すな
わち、電子線などによって描かれた回折格子パターンと
して二次元画像を表現する方法では、鮮明な画像が得ら
れ、しかも再現性の良い記録媒体の作成が可能である。
しかしながら、この方法では、画像の一部に着色効果を
与えるための手法はいくつか提案されているが、従来提
案されている手法では、カラー画像をそのまま記録する
ことはできない。いわゆる「ホログラムシール」の分野
は、今後も益々需要が高まる分野であり、フルカラーの
画像を鮮明に記録する技術が切望されている。
【0007】そこで本発明は、鮮明なカラー画像を記録
することができる回折格子記録媒体およびその作成方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、多数の画素から構成され
るカラー画像を、回折格子を用いて記録した回折格子記
録媒体において、カラー画像を構成する個々の画素に対
応して定義された多数の画素領域を設け、個々の画素領
域には、それぞれ所定の画素パターンを割り付け、各画
素パターンを、画素領域に内包される所定の格子占有領
域内に、所定ピッチおよび所定角度で格子線を配置した
回折格子から構成し、同一のカラー画像を構成する画素
に対応した画素領域には、格子線の配置角度がほぼ同一
の画素パターンを割り付け、カラー画像を構成する個々
の画素の色成分が、これに対応する画素領域では、割り
付けられた画素パターンを構成する回折格子の格子線の
配置ピッチにより表現されるようにし、カラー画像を構
成する個々の画素の画素値成分が、これに対応する画素
領域では、割り付けられた画素パターンにおける格子占
有領域の画素領域に対する面積比により表現されるよう
にしたものである。
【0009】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る回折格子記録媒体において、異なるカラー
画像を構成する画素に対応した画素領域には、格子線の
配置角度が異なる画素パターンを割り付けるようにし、
複数のカラー画像を同一の記録媒体上に重畳して記録す
るようにしたものである。
【0010】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係る回折格子記録媒体において、単一の画素領
域内に複数の格子占有領域を定義し、この複数の格子占
有領域ごとに、格子線の配置角度が異なる画素パターン
を割り付けるようにしたものである。
【0011】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜3の態様に係る回折格子記録媒体において、3行3列
に配列された9つの画素領域から構成される画素領域マ
トリックスを定義し、この画素領域マトリックスを縦横
に並べ、各画素領域マトリックスにおける上段左側の画
素領域、中段中央の画素領域、下段右側の画素領域には
第1の色成分を表現するための画素パターンを配置し、
各画素領域マトリックスにおける上段中央の画素領域、
中段右側の画素領域、下段左側の画素領域には第2の色
成分を表現するための画素パターンを配置し、各画素領
域マトリックスにおける上段右側の画素領域、中段左側
の画素領域、下段中央の画素領域には第3の色成分を表
現するための画素パターンを配置し、3つの色成分から
なるカラー画像を記録するようにしたものである。
【0012】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜4の態様に係る回折格子記録媒体において、カラー画
像を記録した領域外に、単一の色成分もしくは所定の合
成色成分からなる画素によって構成される観測角度指標
領域を形成し、この観測角度指標領域を観測することに
より、カラー画像を記録した領域に対する正しい観測角
度を認識できるように構成したものである。
【0013】(6) 本発明の第6の態様は、多数の画素
から構成されるカラー画像を、回折格子を用いて記録す
ることにより、回折格子記録媒体を作成する方法におい
て、P通りの色成分のそれぞれについてQ通りの画素値
のうちのいずれかが定義された画素の集合として表現さ
れるカラー画像を用意する段階と、所定の画素値に対応
した面積をもった格子占有領域内に、所定の色成分の波
長に対応したピッチで一定方向に格子線を配置すること
により回折格子を形成し、この回折格子を所定の画素領
域内に配置してなる画素パターンを、P通りの色成分お
よびQ通りの画素値について(P×Q)通り用意する段
階と、カラー画像を構成する画素に対応させて、記録媒
体上に画素領域を定義する段階と、各画素領域に、この
画素領域に対応する画素のもつ色成分および画素値に基
づいて、(P×Q)通りの画素パターンのうちのいずれ
かを割り当てる段階と、各画素領域に割り当てられた画
素パターンに応じた回折格子を、記録媒体上に形成する
段階と、を行うようにしたものである。
【0014】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6
の態様に係る作成方法において、カラー画像を構成する
画素と記録媒体上の画素領域とを1対1に対応させ、各
画素について、P通りの色成分のうちのいずれか1成分
のみを選択し、各画素領域には、それぞれ対応する画素
について選択された色成分およびその画素値に基づい
て、画素パターンの割り当てを行うようにし、かつ、カ
ラー画像の全領域について、選択された色成分の分布が
均一になるように、各画素についての色成分の選択を行
うようにしたものである。
【0015】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7
の態様に係る作成方法において、M行N列の行列状に画
素を配列してなるカラー画像を用い、第1行目に並んだ
各画素については、第1番目〜第P番目の色成分を順に
繰り返し選択し、第i行目(i≧2)に並んだ各画素に
ついては、第(i−1)行目の選択を左右いずれかの所
定方向に1画素分だけずらした選択を行うようにしたも
のである。
【0016】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第6
の態様に係る作成方法において、カラー画像を構成する
1画素に対して、記録媒体上の少なくともP個の画素領
域を対応させ、各画素についてのP通りの色成分のそれ
ぞれを、対応する上記少なくともP個の画素領域のいず
れかに対応させ、各画素領域には、それぞれ対応する画
素についての対応する色成分およびその画素値に基づい
て、画素パターンの割り当てを行うようにしたものであ
る。
【0017】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
9の態様に係る作成方法において、M行N列の行列状に
画素を配列してなるカラー画像を用い、このカラー画像
を構成する1画素に対して、それぞれK行L列の行列状
に配列した(K×L)個の画素領域を対応させ、合計で
(M×N)×(K×L)個の画素領域を記録媒体上に定
義し、K行L列の行列状に配列した個々の画素領域のう
ち、第1行目に並んだ各画素領域については、第1番目
〜第P番目の色成分を順に繰り返して対応させ、第i行
目(i≧2)に並んだ各画素領域については、第(i−
1)行目の対応関係を左右いずれかの所定方向に1画素
分だけずらして色成分を対応させるようにしたものであ
る。
【0018】
【作 用】本発明に係る回折格子記録媒体では、回折格
子が形成された画素を平面的に配置することにより、多
数の画素から構成されるカラー画像が記録される。記録
媒体上には、もとのカラー画像の個々の画素に対応して
多数の画素領域が定義される。この各画素領域内には、
所定の回折格子が形成された画素パターンが割り付けら
れる。カラー画像を構成する各画素は、各色成分ごとに
画素値をもっている。本発明では、各画素のもつ色成分
は、回折格子のピッチにより表現される。これは、回折
格子を所定方向から観測した場合、回折格子のピッチと
この観測方向に現れる回折光の波長との間の相関関係を
利用したものである。一方、各画素が各色成分ごとにも
つ画素値成分は、回折格子を形成する格子占有領域の面
積比によって表現される。予め画素領域の大きさを決め
ておき、この画素領域内の広い面積部分に回折格子を形
成すれば、輝度の高い(すなわち画素値の大きな)画素
が形成できるし、狭い面積部分に回折格子を形成すれ
ば、輝度の低い(すなわち画素値の小さな)画素が形成
できる。
【0019】このような原理により、ある特定の色のあ
る特定の画素値に対応する画素パターンを決定すること
ができる。この画素パターンには、当該画素値に対応す
る面積部分に、当該特定の色に対応するピッチで、回折
格子が形成されている。このような画素パターンを必要
な色数分、必要な画素値分、用意しておき、もとのカラ
ー画像を構成する個々の画素に応じて、対応する画素パ
ターンを割り当てるようにすれば、もとのカラー画像を
媒体上で回折格子を用いて表現することが可能になる。
【0020】なお、同一の画像を表現するために用いる
画素パターンについては、回折格子の格子線の配置角度
はほぼ同一にしておく必要がある。格子線の配置角度が
異なると、回折光が得られる観測方向が異なってしまう
ためである。同一の画像を表現するために配置されたす
べての画素パターンが、同一の観測方向から同時に観測
されなければ、正しいカラー画像が認識できなくなる。
逆に、異なる複数の画像を同一の媒体上に記録するに
は、個々の画像ごとに、格子線配置角度が異なる画素パ
ターンを用いればよい。
【0021】もとのカラー画像に基づいて回折格子パタ
ーンを割り当てる処理は、コンピュータによって実行す
ることができる。また、個々の回折格子パターンは、電
子線描画により媒体上に形成することができる。したが
って、一度作成した回折格子パターンをデータとして保
存しておき、このデータに基づいて再度回折格子記録媒
体の作成作業を行えば、ほぼ同じ記録媒体を得ることが
でき、ほぼ完全な再現性が得られることになる。また、
光学的な撮影を行う必要がないため、鮮明な画像が得ら
れる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図示するいくつかの実施例に
基づいて説明する。
【0023】§1. モノクロ画像を記録した回折格子
記録媒体 本発明は、特願平5−148681号明細書において提
案したモノクロ画像についての回折格子記録媒体を、カ
ラー画像を記録するために更に拡張したものである。そ
こで、はじめに、このモノクロ画像を記録した回折格子
記録媒体を簡単に説明する。
【0024】この回折格子記録媒体は、複数の画素の集
合によって構成されるモノクロ画像を、媒体上に回折格
子として表現したものである。ここでは、図1(a) に示
すような比較的単純なモノクロ画像(英文字の「A」を
示す)を回折格子記録媒体上に表現する方法について説
明する。なお、以下の回折格子記録媒体の作成方法は、
コンピュータを用いて実施することを前提としたもので
あり、これから説明する各処理は、いずれもコンピュー
タを用いて実行される。
【0025】まず、図1(a) に示すモノクロ画像に対応
する画像データとして、図1(b) に示すようなモノクロ
画像の画素情報を用意する。ここに示す例では、7行7
列に画素が配列されており、各画素は「0」または
「1」のいずれかの画素値をもっており、いわゆる二値
画像を示す情報となる。このような情報は、いわゆる
「ラスター画像データ」と呼ばれている一般的な画像デ
ータであり、通常の作画装置によって作成することがで
きる。あるいは、紙面上に描かれたデザイン画をスキャ
ナ装置によって取り込むことにより、このようなモノク
ロ画像画素情報を用意してもかまわない。
【0026】続いて、図2に示すように、所定線幅dの
格子線を所定ピッチpおよび所定角度θで所定の格子占
有領域V内に配置した画素パターンを定義する。ここ
で、格子占有領域Vは1つの画素を構成する領域であ
り、実際には非常に微小な要素になる。別言すれば、図
1(a) ,(b) に示した7×7の配列における1つ1つの
画素に相当した大きさのものになる。この例では、格子
占有領域Vとして、縦×横が50μm×45μmの大き
さの長方形を用いているが、もちろん、正方形(たとえ
ば、50μm×50μm)や円などの他の形状のものを
用いてもよい。
【0027】この格子占有領域V内に配置される格子線
Lの線幅dおよびピッチpも光の波長に準じた微小な寸
法をもったものであり、この実施例では、線幅d=0.
6μm、ピッチp=1.2μmである。要するに、格子
線Lは回折格子としての機能を果たす線幅dおよびピッ
チpで配置されている必要がある。格子線Lの配置角度
θは、所定の基準軸に対して設定された角度である。本
明細書では、図示するような方向にX軸およびY軸をと
ったXY座標系を定義し、X軸を基準軸として格子線L
の配置角度θを表わすことにする。このような画素パタ
ーンも、コンピュータ上では画像データとして用意され
ることになる。なお、この画素パターンの画像データ
は、「ラスター画像データ」として用意してもよいし
(この場合は、モノクロ画像を構成する1つ1つの画素
が、更に微小な画素によって表現されることになる)、
あるいは、格子線Lを構成する四角形の4頂点の座標値
を指定することにより格子線Lの輪郭線を定義した「ベ
クトル画像データ」として用意してもよい。データ量を
抑えるためには、後者の方が好ましい。
【0028】次に、図1(b) に示すようなモノクロ画像
の画素情報における各画素値に基づいて、図2に示すよ
うな画素パターンを所定の画素に対応づけ、各画素位置
に、対応する画素パターンを配置する処理を行う。具体
的には、図1(b) に示すモノクロ画像画素情報におい
て、画素値が「1」である画素のそれぞれに図2の画素
パターンを対応づける。画素値が「0」である画素に
は、画素パターンは対応づけられない。こうして対応づ
けられた画素位置に、それぞれ画素パターンを配置して
ゆく。いわば、図1(b) に示す配列を壁にたとえれば、
この壁の中の「1」と描かれた各領域に、図2に示すよ
うなタイルを1枚ずつ貼る作業を行うことになる。この
結果、図3に示すような画像パターンが得られる。この
画像パターンが最終的に回折格子記録媒体に記録される
パターンである。図1(a) に示すモノクロ画像がそのま
ま表現されているが、1つ1つの画素は回折格子で構成
されており、回折格子としての視覚的な効果が得られる
ことになる。
【0029】もっとも、図2に示すような画素パターン
を「タイル」として貼り付ける処理は、コンピュータ内
での画像処理として行われる。この処理は、たとえば、
図4に示すように、モノクロ画像全体に対応する画像の
右下位置に座標原点Oをとった場合、貼り付けるべき画
素位置に基づいたオフセット量a,bを演算により求
め、画像データとしての貼り込み処理を行えばよい。こ
のような演算処理の結果、図3に示すようなパターンを
示す画像データが得られるので、この画像データに基づ
いて、図3に示すようなパターンをフィルムなどの上に
物理的に出力すれば、所望の回折格子記録媒体が作成で
きることになる。実際には、コンピュータで作成した画
像データを電子ビーム描画装置に与え、電子ビームによ
り図3に示すようなパターンを原版上に描画し、この原
版を用いてプレスの手法で回折格子記録媒体(いわゆる
「ホログラムシール」)を大量生産することになる。
【0030】§2. 画素パターンの種類 以上、モノクロ画像を構成する各画素に、回折格子が形
成された画素パターンを割り付けることにより、回折格
子記録媒体を作成する手法を説明した。本発明では、モ
ノクロ画像ではなくカラー画像を回折格子記録媒体に記
録しなければならない。そのためには、複数種類の画素
パターンを用意しておき、これらを選択的に割り付ける
手法を採る。そこで、まず、画素パターンとして、どの
ような種類があるかを考えてみる。図2に示す画素パタ
ーンは、所定の角度θにより、所定の線幅dをもった格
子線Lを、所定のピッチpで、所定の格子占有領域V内
に配置したものである。ここで、配置角度θ、線幅d、
ピッチp、格子占有領域V、といった各パラメータを変
えると、それぞれ異なる画素パターンが得られる。
【0031】たとえば、格子線の配置角度θを変える
と、図5に示すような種々の画素パターンP1〜P5が
得られる。この5種類の画素パターンP1〜P5では、
配置角度が、θ=0°,30°,60°,90°,12
0°と5通りに異なっている(実際の格子線は所定の幅
をもったものであるが、図示の便宜上、以下の図では格
子線を単なる線で示すことにする)。この5種類の画素
パターンP1〜P5では、回折光が観測される方向が異
なる。すなわち、回折光は、基本的には、格子線の配置
方向に対して直角な方向に得られるので、仮に、このよ
うな5種類の画素パターンP1〜P5を同一の媒体上に
形成したとすると、この媒体を肉眼で観測するときの視
線の角度によって、観測される画素パターンが異なるこ
とになる。たとえば、ある角度では、画素パターンP1
が観測され、別な角度では、画素パターンP2が観測さ
れることになる。もっとも、実際には散乱光も観測され
るため、特定の視線角度で特定の画素パターンが完全に
観測されなくなることはない。
【0032】それでは、格子線のピッチpを変えるとど
うであろう。たとえば、図6に示すように、ピッチが、
p=0.8μm,0.9μm,1.0μm,1.1μ
m,1.2μmと5通りに異なった5種類の画素パター
ンP6〜P10を用意してみる。いずれも格子線の配置
角度θ=0と共通である。これらの画素パターンがどの
ように観測されるかを検討するために、図7の側面図を
参照してみる。ここでは、回折格子記録媒体10上に、
画素パターンP6〜P10のいずれかが記録されている
ものとし、この回折格子記録媒体10の垂直上方から白
色光を当てながら、この白色光の照射方向に対して角度
φだけ傾いた方向から観測を行うものとする。このよう
な回折現象については、 p・sinφ = n・λ なるブラッグの式が知られている。ここで、pは回折格
子のピッチ、φは回折角、λはこの回折角φの方向に得
られる回折光の波長、nは回折光の次数である。したが
って、観測方向を固定し(φが一定)、1次の回折光
(n=1)だけを考慮することにすれば、この固定され
た観測方向において観測される回折光の波長λは、回折
格子のピッチpに基づいて一義的に定まることになる。
【0033】ここでは、より具体的な数値で考えてみ
る。たとえば、図7において、φ=30°となるような
観測方向から観測する場合を考える。すると、sinφ
=1/2となるので、1次回折光についてのn=1の場
合に、上述の式は、 p・(1/2) = λ となる。すなわち、この観測方向においては、回折格子
ピッチpの(1/2)の波長をもった1次回折光が観測
されることになる。これを図6に示す画素パターンP6
〜P10に当てはめてみると、結局、画素パターンP6
〜P10からは、それぞれ400nm,450nm,5
00nm,550nm,600nmの回折光が観測され
ることになる。 続いて、格子占有領域Vを変えた場合
を考えてみる。たとえば、図8に示すように、格子占有
領域Vの面積が異なる5種類の画素パターンP11〜P
15を用意してみる。いずれも外枠は、この画素パター
ンを割り付ける対象となる画素領域を示している。画素
パターンP11では、格子占有領域Vの面積が0に設定
されているため、この画素パターンを画素領域に割り付
けても、回折格子は全く形成されないことになる。これ
に対して、画素パターンP15では、格子占有領域Vの
面積は外枠の画素領域の面積と等しく設定されているた
め、この画素パターンを画素領域に割り付ければ、画素
領域全域に回折格子が形成されることになる(これまで
述べてきた例では、いずれもこのように画素領域と格子
占有領域Vとを一致させることが前提であった)。画素
パターンV12〜V14は、これらの中間段階に対応す
るものである。
【0034】この5種類の画素パターンP11〜P15
では、格子線の配置角度θおよびピッチpは共通であ
り、回折格子が形成されている領域(格子占有領域V)
の面積が異なっているだけである。このような面積の相
違は、輝度の相違として観測されることは容易に理解で
きよう。各画素パターンから得られる回折光の総量は、
回折格子が形成されている領域の面積に比例するため、
より広い領域に回折格子が形成されている画素パターン
ほど、その画素パターンから得られる回折光の量は多く
なり、輝度が高くなるのである。この他、格子線の線幅
dを変えることにより、複数種類の画素パターンを用意
してもよい。
【0035】§3. 本発明の基本原理 いま、多数の画素から構成される一般的なカラー画像
(ラスター画像)を考える。このカラー画像を構成する
個々の画素は、所定の色成分ごとに所定の画素値をもっ
ている。本発明の基本原理は、個々の画素の色成分を、
回折格子の格子線の配置ピッチにより表現し、個々の画
素の画素値成分を、回折格子が形成されている格子占有
領域の面積により表現することにある。
【0036】この原理をより具体的な例で説明しよう。
一般的なカラー画像は、三原色の色成分ごとに画素値を
もった画素の集合として定義される。以下、R,G,B
という三原色の各色成分ごとに、8ビットの画素値(0
〜255)をもたせた画素によって、カラー画像が定義
されている典型的な例について考える。既に述べたよう
に、図6において、画素パターンP10は波長600μ
m、画素パターンP8は波長500nm、画素パターン
P6は波長400nmの回折光を特定の観測方向(図7
における回折角φ=30°の観測方向)に提示する。こ
れらの波長は、R,G,Bなる三原色の各波長にほぼ一
致する。したがって、このような観測方向における1次
回折光の観測を意図している限りにおいては、Rなる色
成分についてはピッチ1.2μmの画素パターンにより
表現することができ、Gなる色成分についてはピッチ
1.0μmの画素パターンにより表現することができ、
Bなる色成分についてはピッチ0.8μmの画素パター
ンにより表現することができる。
【0037】一方、8ビットの画素値(0〜255)
は、図8に示すように、格子占有領域Vの面積が異なる
複数の画素パターンによって表現することができる。す
なわち、図8に示す5種類の画素パターンP11〜P1
5において、外枠となる画素領域に対する格子占有領域
Vの面積比を、それぞれ、(0/255),(64/2
55),(128/255),(192/255),
(255/255)と設定しておけば、これらの画素パ
ターンは、それぞれ画素値0,64,128,192,
255に対応することになる。実際には、図8に示す5
通りの画素パターンではなく、0〜255に対応した2
56通りの画素パターンを用意すればよい。もっとも、
面積比の異なる何通りの画素パターンを用意すべきか
は、表現すべきカラー画像の各色成分ごとの階調値の数
に応じて適宜設定すればよい。8ビットの階調であれ
ば、この例のように256通り(2通り)を用意する
必要があるが、4ビットの階調でよければ、16通り
(2通り)を用意するだけですむ。
【0038】結局、R,G,Bという三原色の各色成分
ごとに、8ビットの画素値(0〜255)をもたせた画
素によってカラー画像を表現するためには、3×256
=768通りの画素パターンを用意しておけばよいこと
になる。図9は、このようにして用意した画素パターン
のイメージを示す図である(便宜上、0〜255の25
6通りの画素値のうちの5通りの画素値についての画素
パターンを代表として示してある)。原色R用の画素パ
ターンR〜R255には、いずれもピッチp=1.2
μmで回折格子が形成されており、原色G用の画素パタ
ーンG〜G255には、いずれもピッチp=1.0μ
mで回折格子が形成されており、原色B用の画素パター
ンB〜B255には、いずれもピッチp=0.8μm
で回折格子が形成されている。また、各原色用の256
通りの画素パターンは、格子占有領域の画素領域に対す
る面積比がそれぞれ(0/255)〜(255/25
5)となっている。
【0039】このように768通りの画素パターンを用
意しておけば、RGBの三原色のうちの任意の色成分に
ついての任意の画素値に対応した画素パターンを提供す
ることができる。なお、この768通りの画素パターン
は、いずれも格子線配置角度θは同一(この例では、θ
=0°)となっている。これは、特定の観測方向から観
測した場合に、この768通りの画素パターンのいずれ
についても回折光が得られる必要があるためである。も
っとも、実際には格子線配置角度θが多少異なっても、
同一の観測方向から回折光が観測できるので、このよう
に同一の観測方向から回折光が観測できるという条件の
範囲内で、格子線配置角度は多少異なっていてもかまわ
ない。
【0040】なお、図9に示す例では、いずれも各格子
占領領域の左上隅を、各画素領域の左上隅に揃えて配置
しているが、必ずしもこの位置に揃えて配置する必要は
なく、右下隅位置を揃えたり、中央に配置したり、自由
に配置を設定することができる。
【0041】三原色からなるカラー画像を表示する場
合、画像全体に三原色の分布が均一になっていないと自
然な表示を行うことができない。そこで本実施例では、
図10に示すような画素領域マトリックスを定義し、こ
のマトリックスに従って、各原色用の画素パターンを配
置するようにしている。いずれも3行3列からなる画素
領域マトリックスであるが、図10(a) に示す画素領域
マトリックスでは、1行目に、RGBなる三原色が順番
に配置され、2行目以後は、前の行の配置を右方向にず
らしている。これに対し、図10(b) に示す画素領域マ
トリックスでは、2行目以降は、前の行の配置を左方向
にずらしている。いずれの画素領域マトリックスを用い
ても、均一な三原色分布が得られる。
【0042】このように画素領域マトリックスを定義し
たら、この画素領域マトリックスを縦横に多数配列する
ことにより多数の画素領域を形成する。そして、個々の
画素領域内に、この画素領域マトリックスに示されてい
る原色用の画素パターンを配置するようにする。こうす
れば、画像全体において、均一な三原色分布が得られる
ことになる。図11は、単一の画素領域マトリックスに
対して、それぞれ画素パターンを配置した例である。各
画素領域には、種々の画素パターンが配置されている
が、図10(a) に示す画素領域マトリックスの色配列に
従った配置がなされている。
【0043】画素領域マトリックスは、図10に示した
ものに限定されるものではなく、少なくとも用いる色の
数(この例の場合は3)に対応した数の画素領域をもっ
たマトリックスであれば、どのようなマトリックスを用
意してもかまわない。ただし、各色に強弱の差ができな
いように、単位画素領域マトリックス内における各色の
数を等しくするのが好ましく、単位画素領域マトリック
ス内において、各色が均一に分布しているようなマトリ
ックスにするのが好ましい。図10に示す例では、9つ
の画素領域内にRGBのいずれの色も3個ずつ配置され
ており、かつ、均一に分布している。
【0044】§4. 本発明による回折格子記録媒体を
作成する第1の方法 これまでの説明により、本発明の基本原理は理解できた
であろう。そこで、本発明によりカラー画像を記録した
回折格子記録媒体を作成する具体的な方法についての説
明を以下に行うことにする。
【0045】はじめに、カラー画像をラスターデータの
形式で用意する。ここでは、図12に示すように、6行
6列に配列された36個の画素からなるカラー画像を例
にとって説明する。実際には、より大きな画素配列をも
ったカラー画像を用いるのが一般的である。このような
カラー画像は、グラフィックアプリケーションソフトウ
エアを用いてコンピュータにより発生させることもでき
るし、スキャナ装置などを用いて原画をデジタルデータ
として入力することにより用意することもできる。
【0046】図12に示すように、このカラー画像を構
成する36個の画素は、それぞれ、RGBの三原色につ
いての画素値をもっている。たとえば、1行1列目の画
素は、原色Rについての画素値R(1,1)と、原色G
についての画素値G(1,1)と、原色Bについての画
素値B(1,1)と、を有し、一般に、i行j列目の画
素は、原色Rについての画素値R(i,j)と、原色G
についての画素値G(i,j)と、原色Bについての画
素値B(i,j)と、を有する。これらの画素値は、本
実施例では、いずれも8ビットで表され、0〜255の
いずれかの値をもっているものとする。
【0047】こうして用意した6行6列の画素に対応し
て、6行6列に配列された画素領域を用意する。そし
て、i行j列目の画素と、i行j列目の画素領域とを1
対1に対応させ、各画素領域には、対応する画素のもつ
画素値に基づいて選択された1つの画素パターンを割り
付けるのである。ただし、1つの画素は、3つの色成分
についてそれぞれ画素値をもっているので、各画素につ
いて、3つの色成分のうちの1つを選択する処理を行
う。この処理において選択されなかった2つの色成分の
画素値は、最終的に作成された回折格子記録媒体には反
映されないことになる。別言すれば、3つの色成分の画
素値情報のうち2つは間引きされることになる。この色
成分の選択(あるいは間引き)は、カラー画像の全領域
について、選択された色成分の分布が均一になるように
行う。図12に示すカラー画像に対して、このような選
択(あるいは間引き)を行った一例を図13に示す。二
本線で抹消された画素値が間引きされた色成分であり、
残った画素値が選択された色成分である。この図13に
示す選択は、図10(a) に示す画素領域マトリックスに
基づいて、行ったものである。すなわち、図10(a) に
示す画素領域マトリックスを縦横に2つずつ配置して6
行6列の配列を作り、図12に示す画素配列に対応づ
け、各画素について、画素領域マトリックス内に示され
た色成分を選択して残すようにしたのである。その結
果、図13において抹消されずに残った3つの色成分の
分布は均一になっている。
【0048】このような選択処理(間引処理)を行え
ば、1つの画素は選択された色成分についての1つの画
素値のみをもつことになる。そこで、この6行6列の画
素に対応して用意した6行6列の画素領域のそれぞれ
に、対応する画素のもつ画素値に応じた画素パターンを
割り付けるのである。たとえば、図13に示す選択処理
(間引処理)の結果、図14に示すような6行6列の画
素配列が得られるので、図15に示すような6行6列の
画素領域配列を用意し、各画素領域内に、たとえば、図
15に示されているような特定の画素パターンを割り付
けるのである。より具体的に説明すれば、図14におけ
る1行1列目の画素値R(1,1)=「64」の場合
は、図9に示す768通りの画素パターンの中の画素パ
ターンR64を選択し、この画素パターンR64を図1
5における1行1列目の画素領域に割り付けることにな
る。図15は、画素値R(1,1)=「64」、画素値
G(1,2)=「192」、画素値B(1,3)=「1
28」、画素値R(1,4)=「0」、…、といった具
体的な場合を例として示したものである。
【0049】こうして、図15に示す36個の画素領域
のすべてに、それぞれ特定の画素パターンが割り付けら
れれば、これら個々の画素パターンを合成したパターン
が、媒体に記録すべき回折格子パターンとなる。図15
に示す各色成分ごとの画素パターンの割り付け態様は、
図10(a) に示す画素領域マトリックスに従ったものに
なっており、各色成分についての画素パターンの分布が
均一になっている。このような回折格子パターンを媒体
上に形成し、前提となった所定の観測方向から観測すれ
ば、もとのカラー画像が観測されることになる。
【0050】§5. 本発明による回折格子記録媒体を
作成する第2の方法 上述した第1の方法では、もとのカラー画像に用意され
た画素値のいくつかは間引きされ、最終的に作成された
回折格子記録媒体には、もとのカラー画像の一部の情報
しか反映されないことになり、画質が低下することにな
る。この第2の方法では、もとのカラー画像がもってい
たすべての情報を回折格子記録媒体上に反映し、画質の
低下を防ぐことができる。
【0051】ここでは、上述の第1の方法と同様に、図
12に示すような6行6列の画素からなるカラー画像が
用意されたものとして説明を行う。こうして用意した6
行6列の画素に対応して、1つの画素に対して3行3列
に配列された画素領域を用意する。図16は、こうして
用意した画素配列を示しており、実線で示した6行6列
の配列は、図12の画素配列に対応したものであり、破
線で示した3行3列の配列は、1画素に対して対応づけ
られた9つの画素領域を示すものである。結局、図16
において、36×9個の画素領域が定義されたことにな
る。
【0052】続いて、この図16に示す個々の画素領域
に対して、図10(a) に示す画素領域マトリックスを適
用して、図12に示す各画素の各色成分ごとの画素値を
対応させる。図17は、このような対応づけを行った結
果を示す部分拡大図である。たとえば、1行1列目の画
素に対応する9つの画素領域には、原色Rについての画
素値R(1,1)と、原色Gについての画素値G(1,
1)と、原色Bについての画素値B(1,1)とが、画
素領域マトリックスの色配置に基づいてそれぞれ対応づ
けられている。3つの原色成分についての画素値は、9
つの画素領域のいずれかに対応づけられ、間引かれるこ
とはない。この後は、各画素領域に対応づけられた画素
値に基づいて、特定の画素パターンを割り付ければよ
い。たとえば、画素値R(1,1)=「64」であれ
ば、図17において、R(1,1)と記された3か所の
画素領域には、画素パターンR64が割り付けられるこ
とになる。
【0053】この第2の方法によって、前述の第1の方
法で作成した回折格子記録媒体と同じ寸法の記録媒体を
作成しようとする場合には、第1の方法で定義した画素
領域の(1/9)の大きさの画素領域を定義する必要が
ある。このため、画素パターンも(1/9)の大きさの
ものを用意する必要があり、第1の方法と比べて、より
微細なパターン形成技術が必要になる。しかしながら、
画素値の間引きは行われないため、高画質のカラー画像
記録が可能になる。
【0054】§6. より好ましい回折格子記録媒体 図18は、本発明に係る回折格子記録媒体のより好まし
い一態様を示す図である。ここに示す回折格子記録媒体
10には、絵柄領域11と、位置合わせマーク12と、
観測角度指標領域13と、が形成されている。絵柄領域
11には、これまで述べてきた方法によりカラー画像が
記録されており、回折格子記録媒体としての本来の機能
を果たす領域である。位置合わせマーク12は、この回
折格子記録媒体10を他の印刷物と貼り込み合成する場
合の位置合わせに利用する指標(いわゆるトンボ)であ
る。観測角度指標領域13は、この回折格子記録媒体1
0を観測する場合に、観測者に対して正しい観測角度を
示すための指標である。
【0055】この実施例では、この観測角度指標領域1
3は、4つの領域M,M,M,Mから構成され
ている。領域Mは、各色成分ごとの画素値がR=25
5,G=0,B=0に設定された多数の画素によって構
成されており、領域Mは、各色成分ごとの画素値がR
=0,G=255,B=0に設定された多数の画素によ
って構成されており、領域Mは、各色成分ごとの画素
値がR=0,G=0,B=255に設定された多数の画
素によって構成されており、領域Mは、各色成分ごと
の画素値がR=255,G=255,B=255に設定
された多数の画素によって構成されている。したがっ
て、この回折格子記録媒体10を、前提となる正しい観
測方向(上述の例の場合、図7においてφ=30°の方
向)から観測した場合、領域M,M,M,M
は、それぞれ赤,緑,青,白の色を提示する領域とし
て観測されることになる。
【0056】結局、この回折格子記録媒体10の絵柄領
域11に記録されているカラー画像を、作成者が意図し
ている本来の正しいカラー画像として観測するには、領
域M,M,M,Mが、それぞれ赤,緑,青,白
の色として見えるような観測方向から観測すればよいこ
とになる。したがって、この回折格子記録媒体10を手
にした観測者は、回折格子記録媒体10の角度を試行錯
誤でいろいろ変化させながら、観測角度指標領域13が
赤,緑,青,白の4領域に見えるような観測角度を探
し、この観測角度から絵柄領域11に記録されたカラー
画像を観測すればよいことになる。もっとも、これはカ
ラー画像を正しい色合いで鑑賞するための観測方法であ
り、このような特定の観測角度以外から観測した場合
も、カラー画像の観測は可能であり(正しい色合いには
ならないが)、偽造防止のためのセキュリティチェック
を行う上で、必ずしも、このような特定の観測方向から
観測する必要があるわけではない。したがって、観測角
度指標領域13は、本発明の回折格子記録媒体にとって
必須の構成要素ではない。
【0057】§7. 複数のカラー画像を記録する実施
これまでの実施例は、いずれも単一のカラー画像を記録
した回折格子記録媒体についてのものであった。ここで
は、複数のカラー画像を1枚の回折格子記録媒体に重畳
して記録するための手法について説明する。
【0058】上述した実施例では、図9に示すように、
768通りの画素パターンを用意し、これらを適宜選択
しながら各画素領域に割り付けていた。この768通り
の画素パターンは、格子線の配置ピッチpや格子占有領
域Vの面積がそれぞれ異なるが、格子線の配置角度θは
一定で、この例の場合、すべての画素パターンについて
θ=0°(図の水平方向)に設定されている。
【0059】複数のカラー画像を記録する場合には、各
カラー画像ごとに、格子線の配置角度が異なった画素パ
ターンを用意すればよい。たとえば、第1のカラー画像
を記録するために、図9に示すような格子線配置角度θ
=0°の768通りの画素パターンを用意し、第2のカ
ラー画像を記録するために、格子線配置角度θ=45°
の768通りの画素パターンを用意すれば、第1のカラ
ー画像は配置角度θ=0°の回折格子を用いて記録さ
れ、第2のカラー画像は配置角度θ=45°の回折格子
を用いて記録されることになる。したがって、同一の媒
体上に第1のカラー画像と第2のカラー画像とが重畳し
て記録されていたとしても、第1の観測方向から観測す
れば第1のカラー画像が観測され、第2の観測方向から
観測すれば第2のカラー画像が観測されるようになる。
【0060】ところで、同一の媒体上に2つのカラー画
像を重畳して記録するといっても、2つの回折格子自体
が重なってしまっては、所期の回折現象を得ることがで
きなくなる。少なくとも格子占有領域は空間的に重なら
ないように配置しなければならない。このような配置
は、たとえば、図19に示すような配置方法を採れば実
現できる。この図19に示す例では、3行3列に配列さ
れた各画素領域について、左上部分に第1のカラー画像
のための格子占有領域(格子線配置角度θ=0°)が配
置され、右下部分に第2のカラー画像のための格子占有
領域(格子線配置角度θ=45°)が配置されている。
いわば、画素領域内の格子占有領域以外の空領域を有効
利用した配置方法である。ただし、この配置方法では、
画素値の自由度は若干阻害される。すなわち、2つのカ
ラー画像において、同じ位置の画素の同じ色成分の画素
値の和が255を越えると、左上部分に配置した格子占
有領域と右下部分に配置した格子占有領域とが、部分的
に重なり合ってしまうために問題が生じる。したがっ
て、このような問題が生じないように、2つのカラー画
像の各画素の画素値をうまく設定してやる必要がある。
【0061】別な方法として、2つのカラー画像につい
ての画素領域を完全に別個独立に定義してやる方法があ
る。すなわち、上述の方法では、図20(a) に示すよう
に、同一の画素領域の左上部分に第1の画像Iを割り当
て、右下部分に第2の画像IIを割り当てていたが、この
方法では、図20(b) に示すように、1つの画素領域を
更に4つに分割し、右上および左下の画素領域には第1
のカラー画像Iを割り当て、左下および右上の画素領域
には第2のカラー画像IIを割り当てるのである。この場
合、もとのカラー画像の1画素に対して、図21に示す
ような6行6列の画素領域が定義され、個々の画素領域
に所定の画素パターンが割り付けられることになる。こ
こで、RI,GI,BIと記した画素領域には、第1の
カラー画像Iを表現するための画素パターン(格子線配
置角度θ=0°)が割り付けられ、RII,GII,BIIと
記した画素領域には、第2のカラー画像IIを表現するた
めの画素パターン(格子線配置角度θ=45°)が割り
付けられることになる。この方法では、2つのカラー画
像の各画素の画素値についての制約はないが、回折格子
が形成されていない空領域の有効利用ができないため、
前述した方法に比べて、全体的な画像の輝度は低下す
る。
【0062】§8. 本発明に係る回折格子記録媒体を
作成する装置 最後に、本発明に係る回折格子記録媒体を作成する装置
の一例を、図22に示すブロック図に基づいて簡単に説
明しておく。カラー画像生成部1は、グラフィックスア
プリケーションソフトウエアなどを搭載したコンピュー
タによって構成され、RGBの三原色の画素値が定義さ
れた多数の画素の集合としてカラー画像を作成できる。
一方、カラー画像入力部2は、スキャナ装置などにより
構成され、紙面上に描かれたカラー原稿などから、カラ
ー画像を入力する機能を有する。いずれの装置を用いた
場合であっても、結果的に、256階調のRGB画素デ
ータが用意できることになる。
【0063】画素パターンファイル3は、たとえば、図
9に示すような768通りの画素パターンをデータとし
て記憶するファイルであり、コンピュータ用のメモリや
磁気記録装置によって構成されている。もっとも、この
ような画素パターンのデータは、必ずしも実際のパター
ンデータとして用意しておく必要はなく、必要な画素パ
ターンを適宜発生できるような計算式として用意してお
いてもよい。
【0064】パターン合成部4は、カラー画像生成部1
あるいはカラー画像入力部2から与えられた256階調
のRGB画素データに基づいて、所定の大きさの画素領
域の配列を定義し、各画素領域に対して、画素パターン
ファイル3内に用意された画素パターンを選択的に割り
付ける処理を行う。この割り付け処理は、§7までに述
べたとおりであり、このパターン合成部4も、コンピュ
ータによって構成される。こうして、パターン合成部4
からは、回折格子パターンデータが出力される。
【0065】こうして出力された回折格子パターンデー
タは、データフォーマット変換装置5を介して、電子ビ
ーム描画装置6に与えられる。データフォーマット変換
装置5は、パターン合成部4で作成された回折格子パタ
ーンデータのデータフォーマットを、電子ビーム描画装
置6が取り扱えるデータフォーマットに変換する処理を
行う装置である。電子ビーム描画装置6は、半導体マス
クなどの作成に利用されている一般的な描画装置であ
り、電子ビームを用いて回折格子パターンを所定の媒体
上に描画し、回折格子原版7を作成する。この回折格子
原版7を用いて、プレス装置8により印刷の手法によ
り、多数の回折格子記録媒体9を作成することができ
る。
【0066】このように、電子ビームを用いると、非常
に高精度に回折格子を描画することができ、干渉縞によ
り作成したホログラムに比べて、鮮明で輝度の高い画像
を記録することができる。また、解像度の点において
も、通常の印刷では16画素/mm程度が標準である
が、本発明に係る回折格子記録媒体では、20画素/m
m程度の解像度が得られ、カラー写真なみの画質を得る
ことができる。更に、RGBの三原色による加色混合に
よりカラー画像を表現するという点では、カラーディス
プレイなどと同様であるが、本発明に係る回折格子記録
媒体では、三原色が回折格子で分光された光であるた
め、カラーディスプレイで使用している蛍光体から得ら
れる三原色に比べて単色性にすぐれ、色再現が鮮明にな
る。したがって、商品パッケージやラベルなどに利用す
ると、大きな宣伝効果が期待できる。また、フルカラー
での画像表現が可能になるため、写真と文字とを同一の
媒体上に記録することができ、更に、ロゴや絵柄を光っ
た態様で表現することもできる。このため、店頭陳列時
に高いアピール効果も得られる。
【0067】もちろん、セキュリティを確保するための
偽造防止用シールとしての効果も大きい。すなわち、電
子ビームによる描画工程は、高度の技術と設備が必要に
なるため、レーザを利用して干渉縞を記録する方法に比
べて、偽造は非常に困難になる。
【0068】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る回折格子記録
媒体では、カラー画像を構成する各画素を、それぞれ所
定の回折格子が形成された画素パターンによって記録
し、画素の色成分については、回折格子のピッチにより
表現し、画素値成分については、回折格子を形成する格
子占有領域の面積によって表現するようにしたため、鮮
明なカラー画像を記録することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明するためのモノクロ画
像のパターンおよび画素情報の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る回折格子記録媒体に用いられる画
素パターンの基本構成を示す図である。
【図3】図1に示すモノクロ画像を図2に示す画素パタ
ーンを用いて記録した回折格子記録媒体を示す頭であ
る。
【図4】図3に示す回折格子記録媒体を作成するための
貼り込み処理の概念を示す図である。
【図5】格子線配置角度θを変えることにより得られる
種々の画素パターンの例を示す図である。
【図6】格子線配置ピッチpを変えることにより得られ
る種々の画素パターンの例を示す図である。
【図7】回折格子から得られる回折光の観測方向と波長
との関係を説明するための図である。
【図8】格子占有領域Vの面積を変えることにより得ら
れる種々の画素パターンの例を示す図である。
【図9】本発明に係る回折格子記録媒体を作成するため
に用意した各原色RGBごとの画素パターンの一例を示
す図である。
【図10】本発明に係る回折格子記録媒体を作成するた
めに利用する画素領域マトリックスの一例を示す図であ
る。
【図11】図10(a) に示す画素領域マトリックスに基
づいて、実際に画素パターンを割り付けた状態を示す図
である。
【図12】本発明に係る回折格子記録媒体において表現
されるもとのカラー画像の画素配列および各原色ごとの
画素値の一例を示す図である。
【図13】図12に示す各画素値に対して、間引処理を
実行した後の状態を示す図である。
【図14】図13に示す間引処理によって残った画素値
の配列を示す図である。
【図15】図14に示す画素値配列に基づいて、各画素
領域に所定の画素パターンを割り付けた一例を示す図で
ある。
【図16】図12に示す各画素について、それぞれ3行
3列からなる9つの画素領域を定義した状態を示す図で
ある。
【図17】図16において定義した各画素領域に、所定
の画素値を対応づけた状態を示す図である。
【図18】本発明に係る回折格子記録媒体のより好まし
い一態様を示す図である。
【図19】同一の回折格子記録媒体上に2つのカラー画
像を重複記録するための第1の手法を示す図である。
【図20】同一の回折格子記録媒体上に2つのカラー画
像を重複記録するための2つの手法の原理を示す図であ
る。
【図21】同一の回折格子記録媒体上に2つのカラー画
像を重複記録するための第2の手法を示す図である。
【図22】本発明に係る回折格子記録媒体を作成する装
置の基本構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…カラー画像生成部 2…カラー画像入力部 3…画素パターンファイル 4…パターン合成部 5…データフォーマット変換装置 6…電子ビーム描画装置 7…回折格子原版 8…プレス装置 9…回折格子記録媒体 10…回折格子記録媒体 11…絵柄領域 12…位置合わせマーク 13…観測角度指標領域 P1〜P15…画素パターン V…格子占有領域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の画素から構成されるカラー画像
    を、回折格子を用いて記録した回折格子記録媒体であっ
    て、 カラー画像を構成する個々の画素に対応して定義された
    多数の画素領域を有し、 個々の画素領域には、それぞれ所定の画素パターンが割
    り付けられ、 各画素パターンは、画素領域に内包される所定の格子占
    有領域内に、所定ピッチおよび所定角度で格子線を配置
    した回折格子からなり、 同一のカラー画像を構成する画素に対応した画素領域に
    は、格子線の配置角度がほぼ同一の画素パターンが割り
    付けられ、 カラー画像を構成する個々の画素の色成分が、これに対
    応する画素領域では、割り付けられた画素パターンを構
    成する回折格子の格子線の配置ピッチにより表現され、 カラー画像を構成する個々の画素の画素値成分が、これ
    に対応する画素領域では、割り付けられた画素パターン
    における格子占有領域の画素領域に対する面積比により
    表現されていることを特徴とするカラー画像を記録した
    回折格子記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回折格子記録媒体にお
    いて、異なるカラー画像を構成する画素に対応した画素
    領域には、格子線の配置角度が異なる画素パターンを割
    り付けるようにし、複数のカラー画像を同一の記録媒体
    上に重畳して記録したことを特徴とするカラー画像を記
    録した回折格子記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の回折格子記録媒体にお
    いて、 単一の画素領域内に複数の格子占有領域を定義し、この
    複数の格子占有領域ごとに、格子線の配置角度が異なる
    画素パターンを割り付けるようにしたことを特徴とする
    カラー画像を記録した回折格子記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の回折格
    子記録媒体において、 3行3列に配列された9つの画素領域から構成される画
    素領域マトリックスを定義し、この画素領域マトリック
    スを縦横に並べ、 各画素領域マトリックスにおける上段左側の画素領域、
    中段中央の画素領域、下段右側の画素領域には第1の色
    成分を表現するための画素パターンを配置し、各画素領
    域マトリックスにおける上段中央の画素領域、中段右側
    の画素領域、下段左側の画素領域には第2の色成分を表
    現するための画素パターンを配置し、各画素領域マトリ
    ックスにおける上段右側の画素領域、中段左側の画素領
    域、下段中央の画素領域には第3の色成分を表現するた
    めの画素パターンを配置し、3つの色成分からなるカラ
    ー画像を記録したことを特徴とするカラー画像を記録し
    た回折格子記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の回折格
    子記録媒体において、 カラー画像を記録した領域外に、単一の色成分もしくは
    所定の合成色成分からなる画素によって構成される観測
    角度指標領域を形成し、この観測角度指標領域を観測す
    ることにより、カラー画像を記録した領域に対する正し
    い観測角度を認識できるように構成したことを特徴とす
    るカラー画像を記録した回折格子記録媒体。
  6. 【請求項6】 多数の画素から構成されるカラー画像
    を、回折格子を用いて記録することにより、回折格子記
    録媒体を作成する方法であって、 P通りの色成分のそれぞれについてQ通りの画素値のう
    ちのいずれかが定義された画素の集合として表現される
    カラー画像を用意する段階と、 所定の画素値に対応した面積をもった格子占有領域内
    に、所定の色成分の波長に対応したピッチで一定方向に
    格子線を配置することにより回折格子を形成し、この回
    折格子を所定の画素領域内に配置してなる画素パターン
    を、P通りの色成分およびQ通りの画素値について(P
    ×Q)通り用意する段階と、 前記カラー画像を構成する画素に対応させて、記録媒体
    上に画素領域を定義する段階と、 前記各画素領域に、この画素領域に対応する画素のもつ
    色成分および画素値に基づいて、前記(P×Q)通りの
    画素パターンのうちのいずれかを割り当てる段階と、 各画素領域に割り当てられた画素パターンに応じた回折
    格子を、記録媒体上に形成する段階と、 を有することを特徴とするカラー画像を記録した回折格
    子記録媒体の作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の作成方法において、 カラー画像を構成する画素と記録媒体上の画素領域とを
    1対1に対応させ、 各画素について、P通りの色成分のうちのいずれか1成
    分のみを選択し、 各画素領域には、それぞれ対応する画素について選択さ
    れた色成分およびその画素値に基づいて、画素パターン
    の割り当てを行うようにし、 かつ、カラー画像の全領域について、選択された色成分
    の分布が均一になるように、各画素についての色成分の
    選択を行うようにしたことを特徴とするカラー画像を記
    録した回折格子記録媒体の作成方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の作成方法において、 M行N列の行列状に画素を配列してなるカラー画像を用
    い、 第1行目に並んだ各画素については、第1番目〜第P番
    目の色成分を順に繰り返し選択し、 第i行目(i≧2)に並んだ各画素については、第(i
    −1)行目の選択を左右いずれかの所定方向に1画素分
    だけずらした選択を行うようにしたことを特徴とするカ
    ラー画像を記録した回折格子記録媒体の作成方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の作成方法において、 カラー画像を構成する1画素に対して、記録媒体上の少
    なくともP個の画素領域を対応させ、 各画素についてのP通りの色成分のそれぞれを、対応す
    る前記少なくともP個の画素領域のいずれかに対応さ
    せ、 各画素領域には、それぞれ対応する画素についての対応
    する色成分およびその画素値に基づいて、画素パターン
    の割り当てを行うようにしたことを特徴とするカラー画
    像を記録した回折格子記録媒体の作成方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の作成方法において、 M行N列の行列状に画素を配列してなるカラー画像を用
    い、 このカラー画像を構成する1画素に対して、それぞれK
    行L列の行列状に配列した(K×L)個の画素領域を対
    応させ、合計で(M×N)×(K×L)個の画素領域を
    記録媒体上に定義し、 K行L列の行列状に配列した個々の画素領域のうち、第
    1行目に並んだ各画素領域については、第1番目〜第P
    番目の色成分を順に繰り返して対応させ、第i行目(i
    ≧2)に並んだ各画素領域については、第(i−1)行
    目の対応関係を左右いずれかの所定方向に1画素分だけ
    ずらして色成分を対応させるようにしたことを特徴とす
    るカラー画像を記録した回折格子記録媒体の作成方法。
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