JP4660272B2 - 光回折構造を有する透明ラベル - Google Patents
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Description
そこで、これらの表示部に回折角度が適切でない透明ホログラム、もしくは、回折格子が形成されたラベルを貼付して意匠性の向上を狙った商品が在るが、これらのラベルではのぞき見防止の効果は無く、液晶画面視認性が良くない。
また、偏光フィルムを貼付した商品があるが、のぞき見防止機能のみで、意匠性に劣る上に画面全体を暗くするという問題がある。さらに、透明ホログラムと偏光フィルムを貼り合わせた商品が在るが、前述の欠点の他に、貼付物全体が高価なものになっている。
そこで、携帯電話等の表示部に貼り付けるカバーシールとして透明ホログラムを用い、表示部に意匠性、アイキャッチ性を付与させると共に、使用者以外の者によるのぞき見を防止する技術が開示されている。
この技術は、略正面から視ると背後に位置する表示パターンが直通して見え、その略正面に対して斜め方向から視ると、周囲の外光が回折されて記録パターンが見え、背後の表示パターンが実質的に見えないようにした技術である。
このカバーシールに使用される透明なレリーフ型ホログラムは、レリーフ型透明反射ホログラム、または、体積型ホログラムで、ホログラム形成層の凹凸レリーフ面上に、そのレリーフ型ホログラム形成層と屈折率の異なる透明材料からなる透明薄膜層、誘電体多層膜、あるいは、半透明になる薄い金属反射膜からなる透明反射層を設けたものである(例えば、特許文献1参照)。
2)また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、光回折構造の回折角度が90±25°,格子ピッチが0.5μm以上2.0μm以下の領域および回折角度が90±25°,格子ピッチが0.4μm以下の領域の、少なくとも何れかの領域内の回折構造に一部回折構造が形成されていない領域を設けたことによって、覗き見防止効果を変えず、正面から見たときの表示情報の解像度を向上させることができる。
図1は、本発明の光回折構造を有する透明ラベルについて説明するための図,図2は、図1のC−C線断面図,図3は、携帯通信端末の表示部に貼付された光回折構造を有する透明ラベルについて説明するための図,図4は、本発明の光回折構造を有する透明ラベルによる覗き見防止効果について説明するための図,図5は、図1の領域A、B何れかの領域の、「回折構造が形成されていない領域」について説明するための図,である。
本発明の光回折構造を有する透明ラベル1は、携帯情報端末,携帯電話,PHS,ポケットベル等(以下、携帯電話という)の表示部に貼付して、表示部に表示された表示情報を覗き見から護るために使用される。
本発明の光回折構造を有する透明ラベル1は、図1に示すように、ラベル内が領域A,領域Bの部分に分かれて形成されている。
本発明の光回折構造は、図柄を伴ったデザインになっていてもよいし、単に縦縞模様のパターンになっていてもよい。
図1に示す形態の場合は、領域A2にはピッチ密度が密な光回折構造によって、また、領域B3にはピッチ密度が粗な光回折構造によって一つの図柄(パターン)を形成している。
光回折構造を有する透明ラベル1の最表面は、光回折構造を摩擦や傷から保護するために透明なプラスチックの保護シート10で保護されている。
保護シート10の内側(図の下部)には接着剤層(図示せず)を介して、光回折構造の凹凸を形成するための透明樹脂層110が形成され、回折角度が90±25°,格子ピッチが0.5μm以上2.0μm以下で構成された光回折構造31、および、回折角度が90±25°,格子ピッチが0.4μm以下の光回折構造21が形成されている。
これら光回折構造形成層11の凹凸面(図における下側)には、多くの場合、金属薄膜による透明な反射層111が形成される。
このような構造を有するラベルシートは、携帯電話の表示部の大きさに合せて剥離紙14毎、または、貼付部分だけ残して打ち抜かれる。
光回折構造を有する透明ラベルとして使用する場合は、剥離紙を剥がして粘着剤層12面を露出し、携帯電話の表示部に貼付する。
このように作製された光回折構造は、公知の方法によって原版が作成され、この原版から複製のための光回折構造の押し型が作成される。
複数の押し型を加熱ロールに巻き付け、透明樹脂が均一に塗布されたフィルム表面に加熱圧接し、複製する。
透明樹脂の凹凸面に、屈折率の大きな金属薄膜を設けることによって、再生可能な角度範囲内で反射型ホログラムや回折パターンを視認することができる。
図に示すように、光回折構造を有する透明ラベル1が携帯電話の表示部40に貼付されている。
携帯電話の表示部には、表示情報401が表示され、光回折構造を有する透明ラベル1の表面から読取れるようになっている。
光回折構造を有する透明ラベルには、図1で説明したように、左右の領域A2による光回折構造と、中央の領域B3による光回折構造光回折構造が形成されている。
図3では、左右の領域A2の合計と、領域B3が面積的に略等しくなっているが、領域B3の幅を狭くするほど横からの覗き見が困難になる。
携帯電話の表示部の表示情報401を視る時は、通常携帯電話の表示部の真正面であるDの位置から視る。
携帯電話の表示部の真正面Dから発した光は、領域B3に形成された光回折構造形成層11の格子の間を通り、情報表示部400の表示情報401に到達し、反射した光は同じ経路を辿って目に帰ってくる。
また、Dの位置が平行に移動してEの位置になったとしても、目から発した光は、領域A2に形成された光回折構造形成層11の格子の間を通り、表示情報401に到達し、反射した光は同じ経路を辿って目に帰ってくるために表示情報を読取ることができる。
また、Fの位置から斜めに発した光は、領域A2に形成された光回折構造形成層11の格子の間を通り、光回折構造の凹凸の壁に反射され、図の右側の表示情報401に到達するが、到達した光はFの位置に戻ってくることは無い。
このように、真横からの覗き見に対して表示情報の漏洩を護るためには、光回折構造のドットの並びを横からの視線に対して直角に配置し、さらに、ピッチを狭くすることで最も効果的作用することがわかる。
また、図からわかるように、光の入射角度が小さいほど覗き見が困難になる。
例えば、光回折構造がピッチ「0」で携帯電話の表示部全面に形成された場合は、視認角度によっては、表示情報が見えなくなる。
領域Bに形成された光回折構造を単位面積あたり25%程度間引くと、図5に示す状態になる。
光回折構造が間引かれた光回折構造非形成部1130は、単なる透明樹脂層であるために正面から表示情報を素通しに視ることができる。
光回折構造が形成された光回折構造形成部1131には、回折角度が90±25°で格子ピッチが0.5μm以上2.0μm以下の光回折構造が形成されている。
光回折構造形成部分の間引きは、光回折構造を形成するドットの形成時に行ってもよいし、形成されたドットを所定単位で間引いてもよい。
2 領域A
3 領域B
10 保護シート
11 光回折構造形成層
12 粘着剤層
13 剥離紙
21 領域Aに形成された光回折構造
31 領域Bに形成された光回折構造
40 携帯通信端末の表示部
110 透明樹脂層
111 透明な反射層
400 情報表示部
401 表示情報
1130 光回折構造非形成部
1131 光回折構造形成部
Claims (2)
- 入力端末や通信端末等の表示部に表示された表示情報を覗き見から護るために前記表示部 に貼付されて使用される透明ラベルであって、
前記ラベルには光回折構造による図柄が形成され、
前記図柄は、回折角度が90±25°で格子ピッチが0.5μm以上2.0μm以下の領 域と、回折角度が90±25°で格子ピッチが0.4μm以下の2つの領域によって構成されたことを特徴とする光回折構造を有する透明ラベル。 - 請求項1に記載の回折構造を有する透明ラベルにおいて、
光回折構造の回折角度が90±25°,格子ピッチが0.5μm以上2.0μm以下の領域、および、回折角度が90±25°,格子ピッチが0.4μm以下の領域の、少なくとも何れかの領域内の回折構造に、一部回折構造が形成されていない領域を設けたことを特徴とする光回折構造を有する透明ラベル。
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