JPH08218860A - 二重排気管 - Google Patents

二重排気管

Info

Publication number
JPH08218860A
JPH08218860A JP2914895A JP2914895A JPH08218860A JP H08218860 A JPH08218860 A JP H08218860A JP 2914895 A JP2914895 A JP 2914895A JP 2914895 A JP2914895 A JP 2914895A JP H08218860 A JPH08218860 A JP H08218860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
inner pipe
support member
outer pipe
double exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2914895A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Ougiwari
信一 扇割
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2914895A priority Critical patent/JPH08218860A/ja
Publication of JPH08218860A publication Critical patent/JPH08218860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重排気管の信頼性と耐久性を向上させる。 【構成】 内管7を外管8に支持部材19によって保持
させた二重排気管において、前記支持部材19は板材か
らなり、内管7の外周面に溶接固着された基端部19a
と、この基端部19aから内管7の径方向に対して傾斜
する方向に延びる傾斜部19bと、この傾斜部19bの
先端側に設けられ外管8の内周面に摺動接触する摺動接
触部19cとを備え、且つ外管8及び内管7の径方向へ
弾性変形させられた状態で外管8と内管7の間の隙間5
に挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガスの保温とエン
ジンルーム内への熱放射の抑制を図った車両用の二重排
気管に係り、特に内管を支持部材によって外管に保持さ
せた二重排気管に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は従来の二重排気管の端部の構造
を示す断面図である(実開平2−103122号公報参
照)。この二重排気管は、エキゾーストマニホルド等の
エンジンの排気装置の一部として利用されるもので、排
気ガス通路を構成する内管7の外側に所定寸法Dの隙間
5をあけて強度部材としての外管8を配し、内管7を外
管8に支持部材9を介して支持させたものである。
【0003】支持部材9は、外周側の端部9aが外管8
の端部外周面に溶接(溶接部10)され、内周側の端部
9bが内管7の外周面に溶接(溶接部11)され、中間
部に内管7と外管8の径方向に対して傾斜した傾斜部9
cを有している。支持部材9は、この傾斜部9cがある
ことにより、内管7及び外管8の長手方向及び径方向に
対して,弾性的に変形するようになっている。
【0004】従って、内管7と外管8の熱膨張差によ
り、内管7と外管8の間に長手方向あるいは径方向の相
対変位が生じた場合には、その変位をこの支持部材9の
傾斜部9cが弾性変形することで吸収することができ
る。また、同じ原理で、外管8と内管7の振動も吸収す
ることができ、経年の振動によっても所定の隙間5を保
持しながら、内管7を外管8と干渉しないように支持す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の二重排気管にあっては、支持部材9の両端を
内管7と外管8にそれぞれ溶接固着していたため、外管
を固定して内管内に高温の排気ガスを流した場合、次の
問題があることがわかった。
【0006】(1)内管7が排気ガスの熱を受けて変形
するのに伴って支持部材9が繰り返し変形することにな
るが、その際、図15の解析結果に示すように、支持部
材9の外管8側近傍に大きな歪エネルギー(ミゼス応
力)が発生する。図15(a)は内管7が軸方向(長手
方向)に変形した場合、図15(b)は内管7が径方向
に変形した場合を示す。内管7が軸方向に変形した場合
は、内管7が径方向に変形した場合の約2倍程度の歪エ
ネルギーを発生する。従って、高温下では支持部材9の
降伏応力や引張強度が低下するので、このように大きな
歪エネルギーが発生することにより、支持部材7の信頼
性や耐久性が低下する。
【0007】(2)支持部材9が変形した場合、図16
に示すように、外管8側は固定であるため、内管7側に
向かって突張力(反力)F1が発生し、この突張力が内
管7の自由な変形や変位を妨げて、結果的に内管7の応
力増大を招き、内管7の耐久性を低下させる。
【0008】(3)支持部材9の両端を内管7と外管8
に溶接固着するため、支持部材9内に残留応力が発生
し、この残留応力の影響で前記(1)の問題が更に悪化
する。また、この残留応力を除去するため熱処理を行う
と、設備や工程が増加しコストアップとなる。
【0009】本発明は、上記事情を考慮し、コスト増を
招かずに、信頼性及び耐久性の向上を図れる二重排気管
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、外管
と、この外管内に隙間をもって挿入された内管と、前記
外管と内管の間に配設され前記内管を外管に保持させる
支持部材とからなる二重排気管において、前記支持部材
は板材からなり、前記外管または内管のいずれか一方に
固着された基端部と、この基端部から前記外管及び内管
の径方向に対して傾斜する方向に延びる傾斜部と、この
傾斜部の先端側に設けられ、前記基端部が外管に固着さ
れている場合は内管の外周面に、また前記基端部が内管
に固着されている場合は外管の内周面に摺動接触する摺
動接触部とを備え、且つ前記外管及び内管の径方向へ弾
性変形させられた状態で外管と内管の間に配設されてい
ることを特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の二重排
気管であって、前記支持部材は、内管及び外管の周方向
に等間隔をもって複数配設されていることを特徴とす
る。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の二重排気管であって、前記支持部材が前記外管及び内
管と別体に形成され、前記基端部が前記外管または内管
のいずれか一方に溶接によって固着されていることを特
徴とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項2記載の二重排
気管であって、前記支持部材が前記外管または内管のい
ずれか一方に一体形成され、前記基端部で前記外管また
は内管のいずれか一方に連続していることを特徴とす
る。
【0014】請求項5の発明は、請求項4記載の二重排
気管であって、前記支持部材が、前記外管または内管の
いずれか一方の管壁にL字状またはコ字状の切欠を入
れ、該切欠の内側部分を切り起してできる切り起し片に
よって構成されていることを特徴とする。
【0015】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の二重排気管であって、前記傾斜部が前記外管
及び内管の長手方向に傾斜していることを特徴とする。
【0016】請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の二重排気管であって、前記傾斜部が前記外管
及び内管の周方向に傾斜していることを特徴とする。
【0017】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
かに記載の二重排気管であって、前記摺動接触部に、相
手部材との接触面側が凸曲面となったビードを形成した
ことを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1の発明では、支持部材が初期状態にお
いて、内管及び外管の径方向へ弾性変形させられている
ので、径方向外方または内方への突張力(弾性反力)を
持ち、その突張力で摺動接触部を内管の外周面または外
管の内周面に圧接させている。従って、内管が、外管と
の間に隙間を保った状態で、支持部材の突張力により外
管に保持される。
【0019】この状態で、内管と外管に熱膨脹差(熱収
縮も含む)が生じると、内管が外管に対して長手方向及
び径方向に変形、変位する。長手方向の変形、変位に対
しては、支持部材が弾性変形することによってある程度
吸収されるが、それを超える大部分は、支持部材の摺動
接触部が長手方向に摺動することで逃がす。また、径方
向の変形、変位に対しては、支持部材の傾斜部が径方向
に弾性変形するとともに、その変形に伴って摺動接触部
が長手方向に摺動することで逃がす。従って、支持部材
に大きな歪エネルギーが発生することがなくなると共
に、内管に支持部材からの大きな反力が作用することも
なくなる。
【0020】請求項2の発明では、支持部材が円周方向
に連続したもの(=環状体)ではないから、各々が独立
に変形することができ、変形自由度が大きい。また。円
周方向に等間隔で配設されているから、バランスよく内
管を保持できる。
【0021】請求項3の発明では、内管、外管、支持部
材を別々に製作して、支持部材の基端部を内管または外
管に溶接し、その後、支持部材を径方向に弾性変形させ
た状態で、摺動接触部を外管の内周面または内管の外周
面に圧接させることで、組み立てを完了することができ
る。
【0022】請求項4の発明では、支持部材が外管また
は内管に一体形成されているので、後から支持部材を溶
接する必要がない。
【0023】請求項5の発明では、切り起し片によって
支持部材が構成されているので、支持部材の基端部を後
付けする必要がなく、基端部に後付けのための余分な厚
みが生じない。
【0024】請求項6の発明では、支持部材の傾斜部が
内管及び外管の長手方向に傾斜しているので、熱膨脹差
による内管の変形、変位を吸収する際、傾斜部が内管の
長手方向に沿って変形する。
【0025】請求項7の発明では、支持部材の傾斜部が
内管及び外管の周方向に傾斜しているので、熱膨脹差に
よる内管の径方向の変形、変位を吸収する際、傾斜部が
内管の周方向に沿って変形する。
【0026】請求項8の発明では、摺動接触面を凸曲面
で構成したので、滑りが良くなり、摩擦抵抗が減る。ま
た、相手部材に摺動する凸曲面をビードによって構成し
たので、支持部材に発生する歪エネルギーを分散させる
と同時に小さくすることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0028】〔第1実施例〕図1は第1実施例の二重排
気管の要部を示す断面図、図2は同二重排気管に用いら
れている内管の端部を示す斜視図、図3は実施例の二重
排気管の使用状態を示す断面図である。
【0029】図3に示すように、この二重排気管(ここ
では単に排気管とも言う)4はエキゾーストマニホール
ドに適用されており、一端がシリンダヘッド1の排気ポ
ート2に接続され、他端が触媒6に接続されている。
【0030】二重排気管4は、排気ガス通路を構成する
肉薄の内管7と、その外側に隙間5をあけて配された強
度部材としての肉厚の外管8と、内管7を外管8に保持
させる支持部材19とで構成され、外管8の一端がガス
ケット3を介してシリンダヘッド1にボルト12で連結
され、他端がガスケット3を介して触媒6にボルト12
で連結されている。
【0031】内管7の肉厚を薄くするのは、肉厚を薄く
して熱容量を小さくすることで、内管7の壁温を短時間
に排気ガス温度に近づけ、排気管の昇温効果を向上させ
るためである。そうすることにより、結果的に、エンジ
ン始動時の触媒活性化を図ることができ、またエンジン
ルーム内の雰囲気温の低減、ラジエターの小型化、遮熱
板等の廃止を図ることができる。
【0032】前記内管7の両端(片端だけでもよい)は
自由端とされ、自由端となった内管7の外周面に支持部
材19の基端部が溶接固着され、支持部材19の先端が
外管8の内周面に単に圧接させられ、それにより内管7
が支持部材19を介して外管8に支持されている。
【0033】図1、図2に詳細を示すように、支持部材
19は、内管7や外管8と別体に形成され、内管7及び
外管8の周方向に等間隔をもって複数個配設されてい
る。各支持部材19は、高い延性をもつ金属材料製の小
幅の薄肉板材からなり、内管7の外周面に溶接(溶接部
11)により固着された基端部19aと、この基端部1
9aから外管8方向に延び、内管7及び外管8の長手方
向に沿って傾斜した傾斜部19bと、この傾斜部19b
の先端側に設けられ、外管8の内周面に圧接状態で摺動
する摺動接触部19cとを備えている。
【0034】支持部材19の基端部19aは、内管7の
外周面に密着するよう平板状に形成され、傾斜部19b
は、内管7及び外管8の径方向に対して傾斜する方向、
ここでは二重排気管4の管端外方に向かって傾斜する方
向に延びている。また、摺動接触部19cは、接触面1
9e側が凸曲面状に湾曲している。
【0035】そして、この支持部材19は、外管8及び
内管7の径方向へ弾性変形させられた状態で、外管8と
内管7の間の隙間5内に配設されている。これにより、
支持部材19は、径方向外方への突張力(弾性反力)を
発生し、その突張力で、自由端側に形成した摺動接触部
19cを外管8の内周面に圧接させている。従って、内
管7が、外管8との間に隙間5を保った状態で、支持部
材19の突張力により外管8に保持されている。
【0036】なお、外管8の内周面に対する圧接力を確
保するために、自由な状態における支持部材19の高さ
Hは、内管7と外管8の隙間5の径方向寸法よりα(例
えば0.2〜1.0mm程度)だけ大きくしてある。そ
して、このα分だけ支持部材19を径方向に弾性変形さ
せながら外管8の内部に挿入することで、外管8の内周
面に圧接する突張力を発生させている。
【0037】次に作用を説明する。
【0038】排気管4は、排気ガスの熱により変形する
が、内管7が薄肉であること、内管7と外管8に温度差
があること、内管7の各部での温度が一様でないこと等
の理由により、内管7と外管8の熱変形の形態が異な
り、外管8に対して内管7が大きく変形する。この場
合、内管7は外管8に対して長手方向(軸方向)及び径
方向に変形する。
【0039】長手方向の変形に対しては、支持部材19
の例えば傾斜部19bが長手方向に沿って弾性変形する
ことによりある程度吸収されるが、それを超える大部分
は、支持部材19の摺動接触部19cが外管8の内周面
上を長手方向に摺動することで、その変形を逃がす。ま
た、径方向の変形に対しては、支持部材19の傾斜部1
9cが径方向に弾性変形すると共に、その変形に伴って
摺動接触部19cが外管8の内周面上を長手方向に摺動
することで、その変位を逃がす。従って、支持部材19
に大きな歪エネルギーが発生することがなくなる。
【0040】図4(a)、(b)は実施例の構造をFE
M解析した結果を示す。図4(a)に示すように、内管
7が軸方向に変形した場合、支持部材19はほとんど変
形せずに摺動している。また、図4(b)に示すよう
に、内管7が径方向に変形した場合、支持部材19自身
が弾性的に変形しながら摺動している。図5(a)、
(b)はそのときの最大歪エネルギーの発生箇所と、そ
の大きさを示す。図に示すように、支持部材19に発生
する歪エネルギーは、従来と比べ小さくなっていること
が確認できる。
【0041】このように、実施例の二重排気管4では、
支持部材19に設けた摺動接触部19cが内管7と外管
8の相対変位に応じて摺動するので、支持部材19内に
繰り返し発生する歪エネルギーを小さくすることができ
る。また、支持部材19の変形自由度が大きくなるの
で、内管7に対する拘束力が小さくなり、内管7の自由
な変形を妨げず、内管7の応力を小さくすることができ
る。その結果、繰り返しの高温化により、特に支持部材
19の降伏応力や引張強度が低下するものの、支持部材
19はもとより、内管7の耐久性や信頼性を高めること
ができる。また、内管7の繰り返し変形に対応して、確
実に支持部材19が追従し、適度な突張力で内管7を支
持するので、排気管4の振動による音の発生も防止する
ことができる。
【0042】また、肉厚の外管8と薄肉の支持部材19
の溶接がなくなるので、熱容量差による不完全溶接や溶
接条件等の不良による穴明きや溶け落ち等が防止でき、
熱処理を行わなくても残留応力や溶接変形を最小限に止
めることができる。
【0043】また、支持部材19が円周方向に等間隔に
複数個設けられているので、各々が独立に自由に変形す
ることができ、内管7の変形を妨げない上、バランスよ
く内管7を保持することができる。従って、内管7と外
管8の隙間5を一定に保つことができ、内管7と外管8
の干渉を確実に防止することができる。
【0044】さらに、支持部材19は、内管7や外管8
と別体であるから、別々に製作して組み合わせればよ
く、内管7や外管8に切り起し片を設ける等の特別な加
工を施す必要もない。また、支持部材19は外管8の内
周面に接触させるだけであるから、外管8の端部から内
管7を突出させない構成をとることができ、そうするこ
とで、内管7を取付けた後での外管8端部の機械加工等
の容易化が図れる。
【0045】ところで、支持部材19は外管8の内周面
を摺動するので、接触面に摩擦を発生する。この摩擦
は、支持部材19の突張力が大きくなるほど大きくな
る。しかし、本実施例のように、支持部材19に傾斜部
19bがある場合は、突張力が大きくなる前に、支持部
材19が摺動することになるため、摩擦は小さく抑えら
れる。なお、突張力は支持部材19の変形が大きくなる
ほど増大するが、内管7の変形を吸収するために支持部
材19が大きく変形しても、突張力が余り大きくならな
いような構成を選定するのが望ましい。そうした場合
は、突張力による内管7に対する拘束が弱まるので、内
管7の変形をより吸収できることになる。
【0046】〔第2実施例〕図6は本発明の第2実施例
における内管7の端部を示す。また、図7はその内管7
を外管8と組み合わせた状態を示す。
【0047】この実施例では、内管7の自由端に一体的
に切り起し片7aを設け、これを支持部材としている。
切り起し片7aは、円周方向の少なくとも3箇所に同じ
形で設けられており、内管7の管壁の端部に端縁からL
字状(鉤形)の切欠7cを入れ、切欠7cの内側部分を
内管7の接線方向に切り起すことで構成されている。従
って、この切り起し片7aは、円周方向の基端部19a
で内管7の管壁に連続し、そこから接線方向に傾斜部1
9bが直線状に延び、その先端が摺動接触部19cとな
った形をなしている。傾斜部19bは接線方向に延びて
いるので、内管7の径方向(半径)に対して円周方向に
傾斜している。
【0048】切り起し片7aの長さは、内管7を外管8
の内部に挿入したとき、切り起し片7aの先端の摺動接
触部19cが、約0.2〜1.0mmくらい内方に弾性
変形する程度としてある。このように切り起し片7aを
弾性変形させながら、内管7を外管8内に挿入すると、
切り起し片7aの先端の摺動接触部19cが外管8の内
周面に突張力をもって圧接し、それにより内管7が外管
8に保持される。
【0049】この二重排気管では、内管7が径方向に変
形したとき、切り起し片7aの特に傾斜部19bが周方
向に弾性変形することで、内管7の変形を吸収する。ま
た、内管7が長手方向に変形した場合は、摺動接触部1
9cが外管8の内周面上を長手方向に摺動することで、
内管7の変形を吸収する。
【0050】図8は第1実施例における支持部材19と
第2実施例における支持部材(切り起し片)7aの突張
力の比較結果を示す。この図から分かるように、第2実
施例の支持部材7aを用いた場合は、第1実施例の支持
部材19の1/5以下の突張力にすることができる。
【0051】従って、第2実施例の二重排気管では、内
管7の変形(この場合、径方向の変形)の大部分を、切
り起し片7aの弾性的な変形で吸収することができ、支
持部材7aの摺動範囲を小さくすることができ、支持部
材7aの先端の摩耗やへたり等を低減することができ
る。
【0052】また、この実施例では、内管7の一部を切
り起してそれを支持部材(切り起し片)7aとしたた
め、構成が簡略で、溶接が不要であり、加工工程の削減
や加工コストの低減を図ることができる。特に、溶接に
よる固着を廃止したため、溶接変形の防止や残留応力の
除去を目的とした熱処理工程を廃止できる。
【0053】さらに、切り起し片7aによって支持部材
を構成したので、支持部材の基端部を後付けする必要が
なく、基端部に後付けのための余分な厚みが生じず、そ
の分内管7と外管8の隙間5を小さくすることができ
る。
【0054】〔第3実施例〕図9は本発明の第3実施例
を示す。
【0055】この実施例は、第2実施例の切り起し片7
aの摺動接触部19cに、外管8の内周面に対する接触
面側が凸曲面となったビード7bを形成したものであ
る。図10は、第2実施例における切り起し片7aと第
3実施例におけるビード7b付切り起し片7aの歪エネ
ルギーの発生状況の比較結果を示す。この図から分かる
ように、(a)の第2実施例の場合、歪エネルギーが切
り起し片7aの基端部近傍に集中していたが、(b)の
第3実施例の場合、歪エネルギーが分散すると同時に小
さくなった。これは、例えば、摺動接触面が凸曲面であ
り、滑りが良くなり、摩擦抵抗が減る上、外管8の円筒
状内周面に追従しやすくなるためと考えることができ
る。このため、切り起し片(支持部材)7aの信頼性や
耐久性が向上する。また、歪エネルギーの分散、減少に
より、切り起し片7aの突張力も小さくなるため、ビー
ド7bの摩耗やへたり等も防止できる。
【0056】〔第4実施例〕図11は本発明の第4実施
例の断面図である。
【0057】この実施例では、支持部材29として、第
1実施例の支持部材19を変形したものを用いている。
この実施例は、支持部材29の摺動接触部19cの先端
側を内管7側に折り曲げて、その先に傾斜部19bとは
反対向きに傾斜したブリッジ部29fを形成し、そのブ
リッジ部29fの先端29gと内管7の外周面との間に
小さな隙間eを確保したものである。隙間eは、支持部
材29が弾性的に変形する量に応じて設定されている。
また、ブリッジ部29fの先端29gの内管7側の面は
凸曲面に形成されている。
【0058】この実施例の構成では、内管7が径方向に
変形した場合、ブリッジ部29fの先端29gが内管7
に接触するまでは、支持部材29が弾性的に変形する
が、接触後は一時変形しなくなり、内管7の変形力がさ
らに大きくなると、支持部材29の摺動接触部19cが
外管8の内周面上を摺動し、同時にブリッジ部29fの
先端29gが内管7の外周面上を摺動し、支持部材29
が全体的に変形して、内管7の変形、変位を吸収する。
従って、内管7が径方向に変形する量が予め分かってい
て、しかもその量が小さい場合や、内管7が径方向にあ
まり変形しない直管形状部に対して適用した場合、有効
性を発揮できる。つまり、ブリッジ部29fを形成する
ことで、支持部材19の変形量が小さくなるものの剛性
が高くなるため,内管7の保持力が高まり、信頼性や耐
久性が向上するのである。
【0059】〔その他〕図12は、第1実施例における
支持部材19の変形例を示す。この支持部材39では、
摺動接触部19cの摺動面側にセラミックス39e(例
えばアルミナ等)を溶射することで、耐摩耗の向上を図
っている。
【0060】また、図13は、第1実施例における支持
部材19の別の変形例を示す。この支持部材49では、
歪エネルギーの集中する部分の側方に、補強用の突起4
9hを設けることで、強度及び耐久性の向上を図ってい
る。
【0061】なお、上記第2実施例では、内管7の端部
に切り起し片7aを設けたため、切欠7cを内管7の端
縁側からL字状に形成したが、端縁から若干距離を置い
た位置にコ字状の切欠を形成し、その内側を引き起すこ
とで切り起し片を形成してもよい。また、切り起し片7
aを、内管7の円周方向に沿って設けたが、内管7の長
手方向に沿って設けてもよい。
【0062】また、上記各実施例では、支持部材19、
切り起し片7aを円周方向に間隔的に複数配設したが、
環状に構成することも可能である。
【0063】また、上記実施例では、支持部材19、切
り起し片7aを内管7側に固着したが、外管8側に固着
し、摺動接触部19cを内管7の外周面に摺動接触させ
るようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、支持部材に設けた摺動接触部が内管と外管の相
対変位に応じて摺動するので、支持部材内に繰り返し発
生する歪エネルギーを小さくすることができる。また、
支持部材は基端部のみ固着し、自由端側を摺動接触部と
して解放しているので、溶接時の残留応力の影響も軽減
することができる。さらに、支持部材の変形自由度が大
きくなることにより、内管や外管に対する拘束力が低下
するため、内管や外管に発生する応力も小さくすること
ができる。従って、繰り返しの高温化により特に支持部
材の降伏応力や引張強度が低下するものの、支持部材は
もとより、二重排気管全体の耐久性や信頼性を高めるこ
とができる。
【0065】また、残留応力の影響を軽減できるので、
残留応力除去のための熱処理工程が不要となり、低コス
ト化が図れる。また、内管の繰り返し変形に対応して、
確実に支持部材が追従するので、常に内管を安定保持す
ることができ、排気管の振動による音の発生も防止する
ことができる。
【0066】また、特に支持部材の基端部を内管側に固
着し、摺動接触部を外管の内周面に圧接するように構成
した場合は、外管に対する加工(溶接等)が全く不要に
なる上、外管端部から内管を突出させない構成をとるこ
とが可能となり、そうすることで、内管を取付けた後で
の外管端部の機械加工等の容易化が図れる。
【0067】請求項2の発明によれば、支持部材の変形
自由度が大きく、その分、内管を自由に変形させること
ができ、内管の耐久性の向上が図れる。また、内管を円
周方向にバランス良く支持することができるので、内管
と外管の干渉を確実に防止できる上、内管と外管の隙間
を円周方向に一定に保つことができる。
【0068】請求項3の発明によれば、内管、外管、支
持部材を別体に構成するので、内管や外管の管壁を切り
起す等の加工が不要で、内管や外管の管壁に無用な加工
痕が残らない。
【0069】請求項4の発明によれば、支持部材が外管
または内管に一体形成されているので、支持部材の溶接
の必要がなく、無用な残留応力の発生がなく、製作も容
易になる。
【0070】請求項5の発明によれば、切り起し片によ
って支持部材を構成しているので、支持部材を後付けす
る必要がなく、製作容易である。また、基端部に後付け
のための余分な厚みが生じないので、その分、内管と外
管の隙間を小さくすることができる。
【0071】請求項6の発明によれば、支持部材の傾斜
部が内管の長手方向に沿って変形するので、その変形に
よって、内管の長手方向の変位を良好に吸収し得る。
【0072】請求項7の発明によれば、支持部材の傾斜
部が内管の周方向に沿って変形するので、その変形によ
って、内管の径方向の変位を良好に吸収し得る。
【0073】請求項8の発明によれば、摺動接触部に接
触面側が凸曲面となったビードを設けたので、相手部材
との摩擦抵抗を減らせると共に、歪エネルギーを分散さ
せて小さくすることができ、支持部材の耐久性の向上が
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の二重排気管の要部断面図
である。
【図2】同実施例の二重排気管における内管の端部を示
す斜視図である。
【図3】同実施例の二重排気管の使用状態を示す全体断
面図である。
【図4】同実施例の二重排気管における支持部材19の
変形予想図で、(a)は長手方向に内管が変形した場合
の変形状態を解析して示す断面図、(b)は径方向に内
管が変形した場合の変形状態を解析して示す断面図であ
る。
【図5】同実施例の二重排気管における支持部材19に
発生する最大歪エネルギーの発生箇所とその程度を示す
図で、(a)は長手方向に内管が変形した場合の図、
(b)は径方向に内管が変形した場合の図である。
【図6】本発明の第2実施例の二重排気管における内管
の端部を示す斜視図である。
【図7】同実施例の二重排気管を端部側から見た正面図
である。
【図8】本発明の第1実施例と第2実施例における支持
部材の変形量と突張力の関係を示す特性図である。
【図9】本発明の第3実施例の二重排気管の正面図であ
る。
【図10】本発明の第2実施例と第3実施例の各二重排
気管の最大歪エネルギーの発生箇所とその程度を示す図
で、(a)は第2実施例の場合、(b)は第3実施例の
場合を示す図である。
【図11】本発明の第4実施例の二重排気管の要部断面
図である。
【図12】本発明の第1実施例の二重排気管における支
持部材の変形例を示す斜視図である。
【図13】同他の変形例を示す斜視図である。
【図14】従来の二重排気管の要部断面図である。
【図15】同従来の二重排気管における支持部材に発生
する最大歪エネルギーの発生箇所とその程度を示す図
で、(a)は長手方向に内管が変形した場合の図、
(b)は径方向に内管が変形した場合の図である。
【図16】同従来の二重排気管における支持部材の変形
予想図である。
【符号の説明】
4 二重排気管 5 隙間 7 内管 7a 切り起し片 7b ビード 7c 切欠 8 外管 19,29,39,49 支持部材 19a 基端部 19b 傾斜部 19c 摺動接触部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外管と、この外管内に隙間をもって挿入
    された内管と、前記外管と内管の間に配設され前記内管
    を外管に保持させる支持部材とからなる二重排気管にお
    いて、 前記支持部材は板材からなり、前記外管または内管のい
    ずれか一方に固着された基端部と、この基端部から前記
    外管及び内管の径方向に対して傾斜する方向に延びる傾
    斜部と、この傾斜部の先端側に設けられ、前記基端部が
    外管に固着されている場合は内管の外周面に、また前記
    基端部が内管に固着されている場合は外管の内周面に摺
    動接触する摺動接触部とを備え、且つ前記外管及び内管
    の径方向へ弾性変形させられた状態で外管と内管の間に
    配設されていることを特徴とする二重排気管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の二重排気管であって、 前記支持部材は、内管及び外管の周方向に等間隔をもっ
    て複数配設されていることを特徴とする二重排気管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の二重排気管であ
    って、 前記支持部材が前記外管及び内管と別体に形成され、前
    記基端部が前記外管または内管のいずれか一方に溶接に
    よって固着されていることを特徴とする二重排気管。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の二重排気管であって、 前記支持部材が前記外管または内管のいずれか一方に一
    体形成され、前記基端部で前記外管または内管のいずれ
    か一方に連続していることを特徴とする二重排気管。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の二重排気管であって、 前記支持部材が、前記外管または内管のいずれか一方の
    管壁にL字状またはコ字状の切欠を入れ、該切欠の内側
    部分を切り起してできる切り起し片によって構成されて
    いることを特徴とする二重排気管。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の二重排
    気管であって、 前記傾斜部が前記外管及び内管の長手方向に傾斜してい
    ることを特徴とする二重排気管。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の二重排
    気管であって、 前記傾斜部が前記外管及び内管の周方向に傾斜している
    ことを特徴とする二重排気管。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の二重排
    気管であって、 前記摺動接触部に、相手部材との接触面側が凸曲面とな
    ったビードを形成したことを特徴とする二重排気管。
JP2914895A 1995-02-17 1995-02-17 二重排気管 Pending JPH08218860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2914895A JPH08218860A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 二重排気管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2914895A JPH08218860A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 二重排気管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08218860A true JPH08218860A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12268183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2914895A Pending JPH08218860A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 二重排気管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08218860A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010127096A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Toyota Motor Corp 排気マニホールド
JP2010127097A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Toyota Motor Corp 排気マニホールド
CN102102570A (zh) * 2009-12-19 2011-06-22 J·埃贝斯佩歇合资公司 废气处理装置
JP2015045313A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 本田技研工業株式会社 車両用マフラー
JP2021110242A (ja) * 2020-01-06 2021-08-02 フタバ産業株式会社 排気管

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010127096A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Toyota Motor Corp 排気マニホールド
JP2010127097A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Toyota Motor Corp 排気マニホールド
JP4624460B2 (ja) * 2008-11-25 2011-02-02 トヨタ自動車株式会社 排気マニホールド
CN102102570A (zh) * 2009-12-19 2011-06-22 J·埃贝斯佩歇合资公司 废气处理装置
US8925308B2 (en) 2009-12-19 2015-01-06 Eberspaecher Exhaust Technology Gmbh & Co. Kg Exhaust gas treatment device
US9228478B2 (en) 2009-12-19 2016-01-05 Eberspaecher Exhaust Technology Gmbh & Co. Kg Exhaust gas treatment device
JP2015045313A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 本田技研工業株式会社 車両用マフラー
JP2021110242A (ja) * 2020-01-06 2021-08-02 フタバ産業株式会社 排気管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7048201B2 (en) Gasket and heat shield assembly for a flanged joint
JPH09250339A (ja) 可撓継手
US20060065480A1 (en) Muffler and heat shield assembly
US4615500A (en) Catalytic converter support hanger
JPH08218860A (ja) 二重排気管
US6685888B1 (en) Monolith supporting structure for use in catalytic converter
JP3857767B2 (ja) 二重管型排気マニホールド
US6267932B1 (en) Catalytic reactors
JPH08277995A (ja) 二重排気管
US4619354A (en) Pressure plate for a motor vehicle friction clutch
JP2004190610A (ja) 二重配管のジョイント構造
JPH09291813A (ja) 消音器
JP2003184548A (ja) 排気二重管
JP2005307988A (ja) インシュレータ付き排気系構造体
JP3615635B2 (ja) 車両排気系用二重管
JP2598461Y2 (ja) 自動車用排気管継手
JP3523431B2 (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブとその製造方法
JP3382760B2 (ja) 排気管接続構造
JP2549143Y2 (ja) 金属触媒コンバータ
JP2000303831A (ja) 触媒コンバータ
JPH07174020A (ja) 車両排気系用二重管
JP4229518B2 (ja) 排気コンバータ
JPH0536981Y2 (ja)
JPH0710424U (ja) 遮熱板の取付構造
JPH0427443A (ja) 排気ガス浄化触媒用担体