JPH0821842A - 精密移動装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

精密移動装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡

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JPH0821842A
JPH0821842A JP6155859A JP15585994A JPH0821842A JP H0821842 A JPH0821842 A JP H0821842A JP 6155859 A JP6155859 A JP 6155859A JP 15585994 A JP15585994 A JP 15585994A JP H0821842 A JPH0821842 A JP H0821842A
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moving
movement device
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JP6155859A
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Ichiji Miki
一司 三木
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Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最小移動距離が短く(移動距離分解能が高
く)、かつ最大移動距離の長い精密移動装置を得る。 【構成】 精密移動装置1を微動装置10と粗動装置30と
から構成する。試料Sは機械的駆動型の粗動装置30の上
に載持する。試料Sに対向する対向部材20としての探針
20は微動装置10に支持させる。微動装置10は、それぞれ
x方向駆動用、y方向駆動用、z方向駆動用の各ピエゾ
効果素子11,12,13の重合構造から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料または測定プロー
ブのいずれかを動かすことで測定プローブにより相対的
に試料を面内走査したり、あるいは加工のため等、何等
かの必要に応じて試料自体を直接に面内移動させるため
の精密移動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体加工プロセスにおける加工装置内
での試料ステッパとか、走査型プローブ顕微鏡として一
括できる電子顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡等の観察領
域内における試料移動機構として、試料を精密に移動す
るための装置は欠かせない。そのため従来からも、種々
の試料移動装置が開示されているが、そうした中にあっ
て、最小移動距離(移動距離分解能)を0.1nm 程度にま
で短く取れる精密微動装置として、印加電圧の大きさに
応じ素子寸法が制御性良く伸縮するピエゾ効果素子(圧
電効果素子)を用いたものがあり、これはすでに、走査
型トンネル顕微鏡の測定プローブ走査用として利用され
ている。
【0003】図6は、このような従来の走査型トンネル
顕微鏡3の概略構成と動作原理を示している。説明する
と、試料Sの観測対象表面Sfに対して、導電性を有する
探針(測定プローブ)20の尖鋭な先端21が対向してい
る。探針20は、探針ホルダと呼ばれるような機械的支持
部14を介し、ピエゾ効果素子13に固定されている。ピエ
ゾ効果素子13は、z方向駆動回路48から印加される駆動
電圧の大きさに応じ、試料Sの表面Sfと直交する方向に
探針20を上下させるため、当該z方向に沿って自身の長
さを微小寸法範囲内で可変する。探針20の支持部14は、
後述のようにバイアス電圧Vbを印加したり、トンネル電
流iTを取出すための電極としても機能するように、適当
なる導電材料から作られる。
【0004】しかるに、探針20の先端21を試料Sに近付
け、当該試料Sの表面Sf上の最短対向距離点Psとの距離
が 1nm内外程度になるようにした上で、バイアス設定回
路41により、試料Sと探針20間に適当なるバイアス電圧
Vbを印加すると、それらの間には量子力学的効果に基づ
くトンネル電流iTが流れる。このトンネル電流iTの大き
さは、探針先端21と試料表面Sf上の対向点Psとの間の距
離変化に極めて敏感なため、試料Sを面内一方向である
x方向に沿って移動させるか、または探針20の方をx方
向に移動させる等して、いずれにしても試料Sと探針20
とが少なくとも相対的に面内x方向に移動するようにす
ると、試料Sの表面Sfの凹凸に応じ、その時々で流れる
トンネル電流iTの大きさが鋭敏、忠実に変化する。
【0005】そこで、このトンネル電流iTを電流対電圧
変換回路42により、信号として取扱い易い電圧信号に変
換した後、例えば対数増幅回路43等の適当なる増幅回路
43を介して誤差増幅回路44に送給し、その出力である誤
差成分を誤差補正回路である積分回路45に供給して、初
期値または一定基準値との誤差成分を補正する方向の電
圧信号を得、これによりz方向駆動回路48を制御し、ピ
エゾ効果素子13をz方向に伸縮駆動して、トンネル電流
iTを常に一定値に保つようにフィードバック制御すれ
ば、試料Sの相対的なx方向走査に応じ、探針20の先端
21は試料表面Sfの凹凸に従った走査軌跡Sf’を描くよう
になる。
【0006】従って、試料Sの相対的な移動方向でもあ
る試料走査方向を、既述した面内一方向であるx方向と
直交する他方向であるy方向にも行ないながら、上記の
ようなフィードバック制御系において積分回路(誤差補
正回路)45の出力に得られる誤差補正電圧を、昨今では
マイクロコンピュータ(以下、単にマイコン)によって
構成できる制御回路40を介し、画像情報に変換して適当
なるディスプレイ49上に表示すれば、試料表面Sfの二次
元形状画像を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような動作原理に
従う走査型トンネル顕微鏡において、上記した探針20の
z方向位置制御だけにではなく、x方向ないしy方向の
試料の面内相対走査(探針20の面内走査)のためにもピ
エゾ効果素子を用いることにより、従来においても固体
試料表面の実空間像が原子スケールで得られている。つ
まり、既存のピエゾ効果素子を用いた試料微動装置は、
その移動分解能に関しては極めて満足すべきレベルにあ
る。しかし問題なのは、一回で連続走査可能な最大走査
距離(試料の相対的な最大移動可能距離)にかなりな制
約があり、せいぜい数百nmのオーダに留まっていること
である。換言すれば、数百nm□程度の極めて微細な領域
内であれば、上述したようなサブミクロンオーダにも及
ぶ高い距離分解能で試料表面の観測が行なえるが、試料
表面のより広範な領域を一度に連続的に観測したくても
これができなかった。
【0008】このように、従来は原子像を見分ける精度
を保持したまま、広範囲な試料表面領域を連続的に観測
できる装置は提案されていなかった。本発明はまさし
く、このような要求に応え得る精密移動装置を提供せん
とするものである。ただし、本書において“移動”と
は、試料自体を直接に移動させる場合のような絶対的な
意味のみではなく、例えば試料は固定されていて、実際
は試料に対向する部材(例えば既述した探針20に代表さ
れる測定プローブ等)の方を直接に動かす場合のよう
に、試料を相対的に移動させることをも含み、さらには
試料自体の直接の移動と相対的な移動の双方が同時にな
いし別途に起こり得る移動状態をも含む包括的な用語で
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するに際し、上記した微動装置に比せば相対的には粗
動装置と呼べる、他の既存の試料移動装置に着目した。
例えば、移動距離分解能がμm オーダで良ければ、従来
からも特に半導体プロセスの各種作製現場で採用されて
いる、いわゆるXY移動機構とかXYステッパ等と呼ば
れる機械的駆動型の試料移動装置がある。こうした機械
的駆動型の試料移動装置は、上記のように移動距離分解
能こそ、既述したピエゾ効果素子利用型のものに比し、
三桁程度以上も低いが、その代わりに最大移動可能距離
が長く、面内二次元方向のそれぞれに数ミリにも及ぶも
のがある。そこで本発明者は、こうした知見に基づき、
既存の試料微動装置と試料粗動装置を合理的に組合せて
成る試料の精密移動装置を提案する。
【0010】すなわち、本発明ではまず、最も基本的な
形態として、試料に対向する対向部材を試料の表面に沿
って面内走査するため、ピエゾ効果素子により当該対向
部材を微動可能に支持した微動装置と;試料を載持し、
上記の微動装置が上記対向部材を移動し得る最大移動距
離よりも大きな移動距離に亙り、当該試料を直接に面内
移動させる機械的駆動型の粗動装置と;を有して成る精
密移動装置を提案する。ここにおいて、上記のピエゾ効
果素子は少なくとも一つあれば、本発明は満たされる。
すなわち、面内走査の方向が特定の一方向にのみ限定さ
れている場合には、用いる単一のピエゾ効果素子による
移動方向をこの特定方向に整合させれば良いし、面内走
査の方向がいわゆるxyの二方向であるならば、少なく
ともその中の一方向に関してピエゾ素子を用いること
で、少なくともその方向に関しては本発明が適用された
装置となる。しかしもちろん、後者の場合には、対向部
材の面内走査に関し、互いに直交する二方向の各々に沿
う移動用に、それぞれ一つづつ、ピエゾ効果素子を設け
るようにすることが望ましい。
【0011】本発明はまた、上記基本構成における機械
的駆動型の粗動装置の下位の構成として、当該粗動装置
が、試料を載持するステージと,このステージに係合す
る第一の押圧部材を選択的に押圧することで当該ステー
ジを初期位置から第一の方向に面内移動させる第一の駆
動機構と,同じくステージに係合する第二の押圧部材を
選択的に押圧することでステージを上記初期位置から上
記第一の方向に直交する第二の方向に沿って面内移動さ
せる第二の駆動機構と,上記第一、第二の押圧部材の押
圧力に逆らってステージを常に上記初期位置の方向に引
っ張るバネ手段と,から構成されている装置も提案す
る。そして、この構成に従う場合には、粗動装置の最小
移動距離(移動距離分解能)を高めるためのより望まし
い構成として、上記した第一、第二の駆動機構がそれぞ
れ、パルスモータと,このパルスモータの一回転ステッ
プごとの最小回転角を機械的な最小駆動距離に変換し、
当該パルスモータの回転ステップ数に応じた距離だけ、
上記押圧部材を押圧するマイクロメータと,から構成さ
れている装置も提案する。この場合、パルスモータとマ
イクロメータとの間に、それら互いの接続関係を選択的
に断続できるクラッチを設けることも望ましい。パルス
モータの回転駆動力を必要なときにだけマイクロメータ
に印加することができ、そうでないときには接続関係を
分離することで、パルスモータを搭載する機械系に加わ
る振動をマイクロメータ、ひいてはステージ側に伝達し
ないで済むからである。
【0012】一方、本発明ではまた、上記の基本構成に
対する改変例として、既述のように粗動装置が試料を載
持し、試料を直接に移動するのに代え、粗動装置は微動
装置を載持して微動装置を直接に移動し、試料は、当該
微動部材に支持されている対向部材に対し、対向的に固
定設置されている精密移動装置も提案する。
【0013】さらに、本発明によると、上記の微動装置
が、上記の対向部材を試料表面と直交する方向に微動で
きるピエゾ効果素子も有する装置も提案され、特にこの
構造に従う場合には、既述した走査型プローブ顕微鏡の
観察領域内に設ける試料移動装置として適当なる精密移
動装置を提供することができる。これは換言すれば、本
発明によると、このような精密移動装置を搭載し、かつ
上記の対向部材を測定プローブとすることにより、試料
の移動距離分解能が高く、かつ連続走査範囲の広範な走
査型プローブ顕微鏡が提供できることを意味する。
【0014】これに対し、半導体加工技術等で必要とさ
れる試料ステッパ等のように、試料自体を直接に面内で
移動させる装置の改良としても本発明は展開できる。す
なわち、上記の微動装置が上記試料を微動可能に直接に
載持し、一方、上記の粗動装置が、当該試料を載持した
微動装置を載持して微動装置を直接に移動するように構
成することで、短い最小移動距離と長い最大移動距離と
を高精度に両立させた試料の精密移動装置を提供するこ
とができる。この場合には、試料を面内移動方向と直交
する方向に変位(移動)させるピエゾ効果素子は不要な
ことが多いが、これは限定的なことではなく、要すれば
これが設けられていても良い。
【0015】
【実施例】図1には本発明に従って構成された精密移動
装置1の一実施例と、当該装置1を用いて構成され、同
じく本発明の特定の態様における一実施例としての走査
型プローブ顕微鏡、特に走査型トンネル顕微鏡2が示さ
れている。本走査型トンネル顕微鏡2は、すでに図6に
即して説明した従来の走査型トンネル顕微鏡3の改良と
して示してあるので、対応する構成要素にも図6中と同
一の符号を付してある。従って、これら同一の符号の付
された構成要素に関しては、特に本発明において改変を
要しないので、先の説明を援用し、本項での説明は適宜
省略する。
【0016】本発明に従って構成された、走査型トンネ
ル顕微鏡2の観測領域内に設けられる精密移動装置1
は、大きく分けるとピエゾ素子利用型の微動装置10と、
機械的駆動系により駆動される粗動装置30とから成って
いる。まず微動装置10は、この実施例の場合、三つのピ
エゾ効果素子11,12,13の重合構造を有している。一番
下のピエゾ効果素子13は、すでに従来例に関して説明し
たと同様、探針ホルダ等の支持部14を介して支持した探
針(測定プローブ)20を図中に示すz方向に沿って移動
させるための素子であって、z方向駆動回路48から印加
される電圧の大きさに応じ、探針20を上下方向(z方
向)に微動させる。なお、探針ないし測定プローブ20
は、本発明要旨構成中において試料Sに対向する“対向
部材”として一般化されているものの特殊な一例であ
る。
【0017】すなわち、この実施例における走査型トン
ネル顕微鏡2において、試料Sの表面に対向する対向部
材である探針20は、従来構成と同様、その時々のz方向
位置に関し、バイアス設定回路41、電流対電圧変換回路
42、対数増幅回路43、誤差増幅回路44、積分回路(誤差
補正回路)45、z方向駆動回路48から成る閉ループ制御
系により、試料Sと探針20の先端との間の空隙であるト
ンネル障壁を介して流れるトンネル電流を一定に保つべ
くフィードバック制御され、その結果、試料Sの面内二
次元方向の走査に伴い、マイコンで構成できる制御回路
40を介し、積分回路45の出力信号に基づき、適当なるデ
ィスプレイ49上に試料表面の二次元観測情報を得ること
ができる。もちろん、図示しないが、制御回路40には適
当なる電子的記録装置を付属させたり、ディスプレイ49
には描画画像を撮像記録する写真機等を組付けることが
できる。
【0018】しかるに、試料Sの表面を上記のように探
針20によって面内二次元走査するためにも、この実施例
ではピエゾ効果素子11,12が用いられている。図示の場
合、一番上に設けられているピエゾ効果素子11は、制御
回路ないしマイコン40の指令の下、x方向駆動回路46の
出力電圧の大きさに応じて素子長が伸縮し、これによ
り、探針20を試料Sの表面に沿った面内走査方向の一方
向である図示x方向に変位(移動)させる。一方、x方
向移動用とz方向移動用との間に設けられているy方向
移動用のピエゾ効果素子12は、同様に制御回路ないしマ
イコン40の指令の下、y方向駆動回路47の出力電圧の大
きさに応じて素子長が伸縮することで、探針20をx方向
に直交する図示y方向に沿って変位させる。
【0019】従って、既述のように、ピエゾ効果素子自
体の幾何的伸縮値は高い移動距離分解能をもって再現性
良く高精度に電圧制御できるので、まずもって本精密移
動装置1によると、微動装置10の働きにより、試料Sに
対し探針20を例えば最小移動距離0.1nm ステップでx,
y両方向に二次元相対走査できる。しかし、最大移動距
離は最大でも数十μm 程度であり、 高精度を得ようとす
れば、実際には数百nm程度しか取れない。そこで、これ
を越える距離範囲に関しては、機械的駆動系によって駆
動される粗動装置30が有効に機能する。
【0020】図示の場合、粗動装置30は試料Sを載持す
るステージ31を有し、このステージ31を探針20の相対走
査方向と平行な面内でx,yの二次元各方向に関し、機
械的な駆動装置32により駆動する。このような粗動装置
30として本発明に使用可能なものはすでに幾つか提供さ
れており、それらはいずれも、原則として本発明への適
用を妨げない。しかし、中でも特に望ましいのは、特公
昭61-30376号公報に開示のもので、これに対し、さらに
本発明による後述の改良を施すと、粗動装置としては従
来よりも一桁以上、移動距離分解能の高い装置が得られ
る。
【0021】そこで、こうした粗動装置30の構成例につ
き、図2(A) を挙げて説明すると、まず図2(A) 中、試
料Sを載持するステージ31を除いた構成部分は、図1中
における駆動装置32を構成する。さらに、それぞれ一対
のパルスモータ80a,b、マイクロメータ83a,b をも除く
と、上記公報開示の駆動装置となる。ステージ31は、図
示しない基台上に、これも図示しない複数のボールを介
して載っており、図面紙面と平行な面内でスムースに移
動できるようになっている。ステージ31の中心には図示
しない孔が開けられており、この孔の中に、これも図示
しない試料ホルダが取り外し可能に嵌め付けられるよう
になっており、当該試料ホルダにて試料Sが支持される
ことで、試料Sはステージ31に載持され、ステージ31の
動きと共に直接に面内移動する。
【0022】しかるに、本来的には面内のいずれの方向
にも平滑かつ自由に移動できるように構成されているス
テージ31を、制御性良くx,yの二次元各方向に規制し
ながら動かすように、上記公報中においても、以下のよ
うな工夫が図られている。まず、ステージ31の中心Oを
通る第一の直線Xに沿い、中心Oを挟んで対称な位置
に、X方向と直交する方向を向いた一対の作用面51a,b
が形成され、対して、X方向と直交する方向に伸びる直
線Yに沿っては、X方向の一方向を向いた係合面61が形
成されている。
【0023】一方の作用面、図中では左側に位置して上
を向いている作用面51a には、平滑な転がり軸受を構成
するためのボール52a を介して第一のレバー50a の先端
作用部が当接係合し、図中で右側に位置して上を向いて
いる作用面51b には、同様に平滑な転がり軸受を構成す
るためのボール52b を介し、第二のレバー50b の先端作
用面が当接係合している。直線Yに沿って伸びる係合面
61も、位置的に不動の固定部60に対し、やはり平滑な転
がり軸受を構成するためのボール62を介して当接係合し
ている。
【0024】第一、第二の各レバー50a,b には、それぞ
れ直線X上に回転支点53a,b が設けられ、当該支点53a,
b を挟んで先端作用部と対向する端部側を回転させる
と、それぞれボール52a,b を介し、ステージ31の各作用
面51a,b に押圧力を印加することができる。この押圧力
を印加する駆動機構には、後述のように、本発明におい
て改良が加えられている。
【0025】上述の各ボール52a,b,及び62は、初期位置
においてステージ中心Oを中心とする円Cの上に載って
おり、さらに、直線Yと円Cとが交わる一点を通り直線
Yと角度θ=90°−(tan-12)°=約36.6°をなす直線A
上には、当該直線Aに沿ってステージの作用面51a,b を
各対応するレバー50a,b に対して押圧する方向、つまり
は各レバー50a,b の押圧する方向に逆らってステージ31
を常に初期位置に向けて付勢する方向の力を発揮する引
っ張りバネ手段70が設けられている。この力はまた、固
定部60の対応面部分に対し、ボール62を介してステージ
31側の係合面61を押し付ける力ともなる。バネ手段70
は、図示の場合、その一端71が図示しない固定基台側
に、他端72がステージ31に対し、それぞれ固定されたコ
イルバネであるように示されているが、これに限らず、
上記の引っ張り作用を呈し得るものであれば良い。ま
た、引っ張り力の作用方向に関する上述の角度θは、一
対の作用面51a,b と一つの係合面61における円周方向の
面圧ベクトル成分の大きさができるだけ等しくなるよう
にするための限定である。
【0026】ここで例えば、第一のレバー50a をその支
点53a の周りに回転させ、バネ手段70の引っ張り力に対
抗しながらレバー先端作用部でステージ31の作用面51a
を押圧するか、またはその逆にレバーを引くようにして
バネ手段70の付勢力(引っ張り力)に任せると、ステー
ジ31は直線Xと45°の角度をなすx方向に動く。同様
に、第二のレバー50b をその支点53b の周りに回転さ
せ、バネ手段70の引っ張り力に対抗しながらレバー先端
作用部でステージ31の作用面51b を押圧するか、または
その逆にレバーを引くようにしてバネ手段70の付勢力に
任せると、ステージ31は直線Yと45°の角度をなすy方
向に動く。
【0027】このような駆動機構により、ステージ31は
x,yいずれの方向にも最大数ミリ程度の移動が可能に
なり、また、上述した引っ張り力を発揮するバネ手段70
の幾何的配置上の工夫により、移動距離分解能にして数
μm オーダの精度が得られている。しかし、このような
従来装置における移動距離分解能をさらに高めるために
は、この図2(A) 中に併示されているような、更なる工
夫が有効である。すなわち、図示の駆動装置では、各レ
バー50a,b を選択的に押すx方向駆動用としてもy方向
駆動用としても、共にパルスモータ80a,b と、この一回
転ステップごとの最小回転角をさらに細かな最小直線駆
動距離に変換するマイクロメータ83a,bとを用いてい
る。
【0028】以下、x方向用、y方向用の各部材に共通
する説明に関しては各符号に付したサフィックスa,b を
省略し、例えばパルスモータ80等とのみ記すが、パルス
モータ80を一方向に回転させると、その出力軸81に入力
軸82を接続したマイクロメータ83が回転駆動を受け、パ
ルスモータ80の回転ステップ数に応じた所定の距離だ
け、マイクロメータ出力軸84が伸び出す。対してパルス
モータ80を逆方向に回転させると、マイクロメータ出力
軸84は同様にパルスモータ80の回転角に応じた所定の距
離だけ、引っ込んで行く。
【0029】マイクロメータ83自体は公知のものであ
り、出力軸84を極めて微小な距離で出し入れできるた
め、この出力軸84により、上述した駆動装置のレバー50
の端部を選択的に押すように構成すると、パルスモータ
80に入力する離散的な電気信号、すなわち一電気パルス
当たりの最小回転角に応じた最小駆動距離分解能でレバ
ー50を押し、粗動装置30としては従来よりも十分高い分
解能で、ステージ31を対応するxあるいはy方向に移動
させることができる。もちろん、マイクロメータ83の出
力軸84を引っ込ませれば、ステージ31に対して張架され
ているバネ手段70の引っ張り力によりステージ31は逆方
向に引き戻され、作用面51、ボール52を介してレバー50
も元の位置に向けて戻し駆動を受ける。なお、図示して
いないが、レバー50をこの戻し方向に付勢する力を補助
するために、専用のバネ手段を当該レバー50に対して係
合させても良い。
【0030】このようなパルスモータ80とマイクロメー
タ83とを用いると、これを用いない既存構成のままでは
ステージ31の最高移動距離分解能が既述のように数μm
程度であったものが、実際、数十nm程度にまで、高める
ことができ、その結果また、望ましい効果を得ることが
できる。すなわち、既述のように、本発明により構成さ
れるピエゾ効果素子利用型の微動装置10は、高い精度を
保とうとすると、その最大移動距離は数百nmに留める必
要がある。ところが、粗動装置30を既存構成のままにし
ておくと、その最高移動距離分解能は数μm であるか
ら、移動距離に関しての連続性が損なわれる。これに対
し、本発明による上述の改良を受けることで、最高移動
距離分解能が数十nmにまで高められた粗動装置30を用い
ると、微動装置10にて移動可能な距離範囲と粗動装置30
が受け持つべき距離範囲とがオーバラップするので、後
にその一使用例に関し説明するように、試料Sないし探
針20を粗動装置30により所定の距離ステップで相対移動
させながら、各ステップ移動させた個所で微動装置10に
より、極めて微細な相対移動ないし相対走査を図ること
により、試料表面上を見落としなく走査できる。
【0031】図2にはまた、パルスモータ80とマイクロ
メータ83との接続部分に関しても望ましい構成例が示さ
れており、パルスモータ80の出力軸81とマイクロメータ
83の入力軸82との間には、それらの接続関係に関し機械
的に断続可能なクラッチ90が備えられている。そのた
め、対応する各レバー50を押す必要があるときにのみ、
クラッチ90を繋いでパルスモータ80の駆動力をマイクロ
メータ83に印加するようにし、そうでないときにはクラ
ッチ90を切ることで、パルスモータ80を搭載している機
械構造部分に加わることある振動等をステージ31に伝達
させないで済む。この効果もまた、実際にはかなり大き
く、外部振動の影響を受け易い微動装置10による精密微
動時にクラッチ90を切ることで、当該精密微動に関し高
精度を維持することができる。
【0032】図2(B),(C) には、限定的ではないが、こ
うしたクラッチ90の一つの望ましい構成例が示されてい
る。すなわち、マイクロメータ入力軸82の方には半径方
向外方に突出する突起92が設けられ、一方でパルスモー
タ80の出力軸81の先端には、半径方向及び軸方向先端に
向けて開放した溝を持つ切り割り部91がある。溝の周方
向の幅は突起92の径ないし断面幅より広く、従って図2
(C) に示すように、溝内に軸方向移動可能に突起92を収
めた状態でも、パルスモータ出力軸81の回転角位置の如
何によっては、突起92が切り割り部91の溝の周方向両縁
のいずれにも当接していない状態にすることができる。
この状態は、クラッチ90が切れている状態である。従っ
て、クラッチ90を繋ぎ、パルスモータ80の回転駆動力を
マイクロメータ83に伝達するときには、パルスモータ80
を少し回転させ、切り割り部91の溝の周方向両縁のいず
れか一方が突起92の側部に当たるようにすれば良く、以
降は、パルスモータ80の同じ方向の回転に応じ、突起92
が回転駆動力を受け、マイクロメータ入力軸82が回転す
る。もちろん、突起92と切り割り部91は互いに置換可能
で、パルスモータ80の出力軸の方に突起92を、マイクロ
メータ入力軸82の方に切り割り部91を設けても良い。
【0033】なお、高精度な試料移動のためには、試料
Sを載持するステージ31の熱膨張も問題になる場合があ
る。しかし、図2(A) に示されているような粗動装置30
であれば、x方向にもy方向にも、ステージ伸縮の基点
は結局は中心Oとなるので、この中心Oに試料Sが載持
されていれば、熱収縮の悪影響は受け難い。
【0034】図3には、以上のような微動装置10と粗動
装置30とから成る本発明精密移動装置1の使用例が説明
されている。図1に示されている微動装置10は、図3
(A) に示されているように、x方向に最大a1、y方向に
最大a2の距離に亙り、探針20を走査できる。従って、a1
×a2の面積を持つ領域Gが、微動装置10による探針20の
最大走査領域(試料Sの最大相対移動領域)となる。そ
して、この寸法は、実際には最大数百nm□程度とするこ
とができ、この最大走査領域内で距離分解能が最大数nm
からサブnmに及ぶ高分解能で微動装置10は探針20を走査
できる。今、説明の便宜上、移動距離a1に関し右方向へ
の移動を+方向、左方向を−方向とし、同様に移動距離
a2に関しても上方向を+方向、下方向を−方向としてお
く。
【0035】一方、図2に示される粗動装置30は、本発
明によるパルスモータ駆動の結果、図3(B) に示される
ように、パルスモータ80に印加する電気パルス一発当た
りx方向に距離b1、y方向に距離b2に亙り、それぞれ試
料Sを直接に移動することができる。この寸法b1,b2
は、既述のように最低、数十nmにまで短くすることがで
きるが、上記のように微動装置10の最大移動距離a1,a2
が、本発明者の試作例によると 400nm程度、採れている
ので、このような場合にはマイクロメータ83を選択する
か調整することにより、粗動装置30の最小移動距離b1,
b2はこれと同程度の距離、少し小さめに採るにしても百
nmオーダにして良い。もちろん、試料Sにしてみれば、
先の微動装置10による探針20の直接の移動、走査は、自
身にしてみると相対的な移動、走査となるので、当該試
料Sの表面で見ると、図3(C) に示されるように、微動
装置10によるx,yいずれの方向の探針20の+方向の距
離移動a1+,a2+も、試料Sにとっては自身の−方向の
移動a1−,a2−になる。
【0036】ここで、便宜的に初期座標をxy平面内で
考え、図3(D) に示されるように、試料Sがその中心を
座標(x0,y0) においた初期位置から順に、粗動装置30に
よって中心位置座標が(x1,y0),(x2,y0),(x3,y0),(x4,y
0),・・・ と移るように、所定の最小距離ステップb1で順
次移動されたり、y方向にも一距離ステップb2だけ移動
を受けて、例えば中心位置を座標(x0,y1) に移してか
ら、さらにx方向に一距離ステップb1だけ動かされて中
心位置座標を(x1,y1) とする等の走査を受けることを考
えて見る。こうした場合、上述のように微動装置10の最
大走査距離a1,a2に比し、粗動装置30の最小移動距離ス
テップ(移動距離分解能)b1,b2を小さく取ることがで
きれば、各中心座標位置に試料Sを付けた状態でそれぞ
れ微動装置10を最大走査領域Gに亙って走査したとする
と、その結果は図3(E) に示されているようになり、微
動装置10による隣接する最大走査領域G,Gを互いに重
ね合わせにできる。従って相対的に微動装置10により移
動走査を受ける探針20は、少なくとも試料表面に関し走
査不能な領域もなく、全ての領域Gを連続的に順次走査
して行くことができる。
【0037】このように、従来は一回の観測では微動装
置の走査可能範囲で制約される極く一部の面積領域しか
観測できなかったのに対し、本発明の精密移動装置1を
使用した走査型トンネル顕微鏡2では、粗動装置30の併
用により、微動装置10による測定距離分解能を落とすこ
となく、また、走査型トンネル顕微鏡2の観測領域から
試料Sを一々取り出すこともなく、試料表面のより広範
な領域を連続的に観測することができる。
【0038】図4は、図1,2に示した本発明の精密移
動装置1及びこれを組込んだ走査型トンネル顕微鏡2を
用い、パルスモータ80に与える離散的電気信号によって
粗動装置30上の試料Sを所定ステップで移動させながら
微動装置10による探針20の精密走査を行なうことで、試
料Sを観測領域から取り出すことなく、一度の連続的観
測で得られた観測例を示しており、ディスプレイ49(図
1)に表示された画像を写真に撮り、これを忠実にトレ
ースし、かつ、互いの連続関係に従って重ね合わせに表
現したものである。撮像対象の試料は、シリコンの (11
1)清浄表面を基板温度約1000℃から高速冷却したもので
ある。こうした高速冷却によると、高温で安定な(1×1)
相が、約 860℃より低温側で安定な(7×7)相に完全に転
移せず、従って(7×7)相と転移できなかった(1×1)相と
の混在状態が同じシリコン (111)表面上に具現する。図
4は、まさしくこれを捕えており、順次撮像されたG1か
らG4までの画像に示されている通り、明確な二相境界L2
が試料表面の広範な領域に亙って観測された。同図中、
太い線L1で示されているのは、原子層ステップである。
【0039】なお、この実験における微動装置10による
探針20の最大走査領域は 400nm□であり、粗動装置30に
よる画像間移動ステップはほぼ 175nmとなるようにし
た。ただし、画像G2を得てから画像G3を得るには、粗動
装置2ステップ分に亙り、試料Sを移動した。もっと
も、パルスモータ80を駆動する電気パルスの一パルス分
に相当する移動距離は、厳密には同じではない。例えば
上記2ステップ分の移動時には、本来 350nmとなるべき
所、実際には 345nmであった。しかし、移動距離は10nm
程度の誤差内でほぼ正規分布したものになっており、機
械的駆動系のみにより駆動される粗動装置30の精度とし
ては極めて高い。もちろん、これら正規分布の平均値を
もって粗動装置30の単位移動ステップと考えても良い。
また、この実験例に見られるように、各画像G1,G2,G
3,G4がやや斜め方向に移動していることから理解され
る通り、実際には粗動装置30による面内移動方向と、ピ
エゾ効果素子を用いた微動装置10による面内操作方向と
は、完全に整合していなくても良く、互いに所定の角度
を置いていても良い。そうであっても、当該角度が既知
である以上、何の問題もない。
【0040】以上、本発明による精密移動装置1ないし
これを用いた走査型プローブ顕微鏡(特に走査型トンネ
ル顕微鏡)2の一例に関し説明したが、図5(A) は、本
発明の精密移動装置1の他の実施例を示している。これ
までの説明中に変更を及ぼす必要のない部分に関しては
これまでの説明を援用し、改めての説明は避けるが、大
きな変更点は、粗動装置30が試料Sを載持するのではな
く、微動装置10を載持していること、また、その結果と
して試料Sの方が適当なる試料固定保持部33に固定とな
っていることである。
【0041】このような構造であっても、微動装置10が
試料Sに対向する対向部材20として探針(測定プロー
ブ)20を保持することにより、図1に示された走査型ト
ンネル顕微鏡2の観測領域内に設ける試料を探針20に関
し、相対的に精密移動させる精密移動装置1として用い
ることができ、既述したと同様の使い方ができる。ただ
しもちろん、本発明の趣旨からすれば、対向部材20は測
定プローブに限定されるものではなく、本発明による精
密移動装置を適用しようとする装置において必要とする
任意部材であって良い。
【0042】さらに、例えば半導体加工プロセスの各製
造工程における試料ステッパ等としても、本発明は利用
可能である。そのためには例えば、図5(B) に示される
ように、粗動装置30のステージ31上に微動装置10を載
せ、その上に試料Sを載持させれば良い。ただ、このよ
うな試料ステッパとして用いるときには、既述してきた
走査型プローブ顕微鏡における試料移動装置と異なり、
試料Sを面内移動できれば足り、試料Sをその表面と直
交する方向には微動させる必要のないことが多いので、
そうした場合には図示の通り、微動装置10はx方向駆動
用のピエゾ効果素子11とy方向駆動用のピエゾ効果素子
12とからのみ構成し、先の実施例で用いられていたz方
向駆動用ピエゾ効果素子13は省略することができる。
【0043】以上、本発明の幾つかの実施例につき述べ
たが、本発明の要旨構成に即する限り、任意の改変は自
由である。例えば、粗動装置30がステージ31を有するも
のでも、当該ステージ31の表面上に直接に試料Sや微動
装置10を載せるのではなく、それらの脇を抱えるように
して試料Sや微動装置10を保持するタイプのものも考え
られるし、図2に即して説明した望ましい粗動装置構成
例においても、ステージ31の作用面51a,b や係合面61の
位置、バネ手段70の張架位置や引っ張り方向等は、必要
に応じて変更することもできる。
【0044】微動装置10におけるピエゾ効果素子も、各
方向用の各ピエゾ効果素子の重ね合わせの順番は原則と
して任意であるし、また例えば、x方向駆動用のピエゾ
効果素子11の表面上にではなく、側面にy方向駆動用ピ
エゾ効果素子12が結合し、図1に示される実施例のよう
に、さらにz方向駆動用ピエゾ効果素子13をも用いる場
合には、それら一平面内で並設の関係にあるピエゾ効果
素子11,12をz方向駆動用のピエゾ効果素子13の表面に
共通に載持させる構造等、その外、任意の構造が考えら
れる。
【0045】
【発明の効果】本発明によると、相対的な意味も含めた
試料の移動装置として、極めて高い移動距離分解能を保
ったまま、広範な領域に亙って試料を移動可能な精密移
動装置を提供できる。従ってまた、こうした精密移動装
置を観測領域内に組込んだ本発明の走査型プローブ顕微
鏡では、原子像を見分ける精度を保持したまま、一度に
広範囲を観測でき、観測効率、観測作業性は格段に向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構成された精密移動装置と、これ
を用いた走査型トンネル顕微鏡の一例の概略構成図であ
る。
【図2】本発明の精密移動装置に用いる粗動装置として
使用可能な粗動装置構成例と当該粗動装置に組込み得る
クラッチの説明図である。
【図3】図1に示された精密移動装置の使用例の説明図
である。
【図4】図1に示された走査型トンネル顕微鏡によって
観察されたシリコン表面の観察結果の説明図である。
【図5】本発明精密移動装置の他の実施例の要部概略構
成図である。
【図6】従来の走査型トンネル顕微鏡の構成及び動作原
理に関する説明図である。
【符号の説明】
1 精密移動装置, 2 走査型トンネル顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡), 10 微動装置, 11 x方向移動用ピエゾ効果素子, 12 y方向移動用ピエゾ効果素子, 13 z方向移動用ピエゾ効果素子, 14 探針支持部, 20 探針(測定プローブ), 30 粗動装置, 31 ステージ, 32 駆動装置, 33 試料固定保持部, 40 制御回路(マイクロコンピュータ), 41 バイアス設定回路, 45 積分回路(誤差補正回路), 46 x方向駆動回路, 47 y方向駆動回路, 48 z方向駆動回路, 49 ディスプレイ, 51 作用面, 52 ボール, 53 支点, 60 固定部, 61 係合面, 62 ボール, 70 引っ張りバネ手段, 80 パルスモータ, 81 パルスモータ出力軸, 82 マイクロメータ入力軸, 83 マイクロメータ, 84 マイクロメータ出力軸, 90 クラッチ, 91 切り割り部, 92 突起.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/28 Z H01L 41/09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対向する対向部材を該試料の表面
    に沿って面内走査するため、ピエゾ効果素子により該対
    向部材を微動可能に支持した微動装置と;上記試料を載
    持し、上記微動装置が上記対向部材を移動し得る最大移
    動距離よりも大きな移動距離に亙り、該試料を直接に面
    内移動させる機械的駆動型の粗動装置と;を有して成る
    精密移動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記ピエ
    ゾ効果素子は、上記対向部材の上記面内走査に関し、互
    いに直交する二方向の各々に沿う移動用に、それぞれ一
    つづつ設けられていること;を特徴とする精密移動装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装置であって;上記機械
    的駆動型の粗動装置は、上記試料を載持するステージ
    と,該ステージに係合する第一の押圧部材を選択的に押
    圧することで該ステージを初期位置から第一の方向に沿
    って面内移動させる第一の駆動機構と,該ステージに係
    合する第二の押圧部材を選択的に押圧することで該ステ
    ージを上記初期位置から上記第一の方向に直交する第二
    の方向に沿って面内移動させる第二の駆動機構と,上記
    第一、第二の押圧部材の押圧力に逆らって該ステージを
    常に上記初期位置の方向に引っ張るバネ手段と,から構
    成されていること;を特徴とする精密移動装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の装置であって;上記第
    一、第二の駆動機構はそれぞれ、パルスモータと,該パ
    ルスモータの一回転ステップごとの最小回転角を機械的
    な最小駆動距離に変換し、該パルスモータの回転ステッ
    プ数に応じた距離だけ、上記押圧部材を押圧するマイク
    ロメータと,から構成されていること;を特徴とする精
    密移動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の装置であって;上記パル
    スモータと上記マイクロメータとの間には、該パルスモ
    ータの回転駆動力を該マイクロメータに対し、選択的に
    伝達するためのクラッチが設けられていること;を特徴
    とする精密移動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載の装
    置であって;上記粗動装置は、上記試料を載持して該試
    料を直接に移動するのに代え、上記微動装置を載持して
    該微動装置を直接に移動し;上記試料は、該微動部材に
    支持されている上記対向部材に対し、対向的に固定設置
    されていること;を特徴とする精密移動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5または6記載
    の装置であって;上記微動装置は、上記対向部材を上記
    試料表面と直交する方向に微動できるピエゾ効果素子も
    有すること;を特徴とする精密移動装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5または6記載
    の装置であって;上記微動装置は、上記対向部材を支持
    するのに代えて上記試料を微動可能に直接に載持し;上
    記粗動装置は、上記試料を載持して該試料を直接に移動
    するのに代え、該試料を載持した微動装置を載持して該
    微動装置を直接に移動すること;を特徴とする精密移動
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の装置を、走査型プローブ
    顕微鏡の観察領域内に設ける試料移動装置として用い;
    上記対向部材を、該走査型プローブ顕微鏡の上記観察領
    域内で該試料に臨ませる測定プローブとしたこと;を特
    徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の走査型プローブ顕微鏡
    であって;上記測定プローブは、該測定プローブと上記
    試料との間の空隙を介して流れるトンネル電流検出用の
    測定プローブであること;を特徴とする走査型プローブ
    顕微鏡。
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