JPH08218007A - 絶縁塗料およびそれを用いた絶縁電線 - Google Patents

絶縁塗料およびそれを用いた絶縁電線

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JPH08218007A JP2209195A JP2209195A JPH08218007A JP H08218007 A JPH08218007 A JP H08218007A JP 2209195 A JP2209195 A JP 2209195A JP 2209195 A JP2209195 A JP 2209195A JP H08218007 A JPH08218007 A JP H08218007A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属に対する密着性および耐熱性にすぐれ
た、高い機械的強度を有する絶縁被膜を形成しうる新規
な絶縁塗料と、それを用いた、耐加工性にすぐれた絶縁
電線とを提供する。 【構成】 絶縁塗料は、金属に対する密着性を向上する
金属不活性剤と、塗料の焼付け時に硬化して絶縁被膜の
耐熱性を向上する硬化性樹脂とを添加した。絶縁電線
は、導体上に、上記絶縁塗料を塗布し、焼き付けして絶
縁被膜を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は絶縁塗料と、それを用
いた、たとえばモータのコアに巻き付けられる絶縁電線
とに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、機
器の小型化、軽量化の傾向に伴い、モータについてもよ
り小型、軽量で、しかも高性能のものが要求されるよう
になってきた。この要求に応えるには、モータのコアに
より多くの絶縁電線を巻き付ける必要があるが、コアの
スロット内に絶縁電線を強引に詰め込むことになり、捲
線工程で絶縁被膜に損傷を生じる危険性がある。そして
絶縁被膜に損傷が生じると、レアー不良やアース不良等
が発生するという問題がある。
【0003】かかる問題は、機械的強度にすぐれた絶縁
被膜を形成しうる、特殊な絶縁塗料を使用すれば解決す
るが、このような特殊な絶縁塗料は一般に高価であるた
め、より安価な汎用の絶縁塗料を用いて、しかも損傷し
にくい絶縁被膜を有する、耐加工性にすぐれた絶縁電線
を製造することが求められている。最も一般的には、絶
縁塗料中にワックスを添加するか、または絶縁被膜上に
ワックスを塗布して絶縁被膜の表面に潤滑性を付与し、
それによって絶縁被膜同士あるいは絶縁被膜とモータの
コア等との擦れによる損傷を防止することが考えられる
が、この方法は、最近の、より一層の捲線量の増大と、
それに伴う捲線条件の過酷化に対しては十分な効果を発
揮することができず、絶縁被膜の損傷を防止できなくな
りつつある。
【0004】そこで、絶縁被膜の金属との密着性を高め
る成分を、絶縁塗料に添加して、絶縁被膜の機械的強度
を向上し、それによって絶縁電線の耐加工性を改善する
試みがなさている(たとえば特開昭64−22961号
公報、特開平2−4880号公報等)。絶縁被膜の、金
属との密着性を高める成分としては、金属不活性剤とし
て使用される各種化合物が例示される。かかる金属不活
性剤は、金属と錯化合物を作ることで、絶縁被膜と金属
との密着性を向上するものである。
【0005】しかし、上記金属不活性剤を用いた絶縁塗
料からなる絶縁被膜は、耐熱性が不十分であるため、捲
線時の加熱等の熱履歴によって機械的強度が低下してし
まい、絶縁電線の耐加工性が悪化して、絶縁被膜の損傷
によるレアー不良やアース不良等を生じやすいという問
題があった。この発明の目的は、導体等の金属に対する
密着性および耐熱性にすぐれた、高い機械的強度を有す
る絶縁被膜を形成しうる新規な絶縁塗料と、それを用い
た、耐加工性にすぐれた絶縁電線とを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための、この発明の絶縁塗料は、塗布、焼付けに
より絶縁被膜を形成しうる樹脂を含むとともに、金属に
対する絶縁被膜の密着性を向上する金属不活性剤と、上
記樹脂と相溶し、塗料の焼付け時に硬化して絶縁被膜の
耐熱性を向上する硬化性樹脂とを含有することを特徴と
している。
【0007】また、この発明の絶縁電線は、導体上に、
上記絶縁塗料を塗布し、焼き付けして形成された絶縁被
膜を有することを特徴としている。上記構成からなる、
この発明の絶縁塗料によれば、金属不活性剤による密着
性向上の効果と、硬化性樹脂による耐熱性向上の効果と
によって、導体等の金属に対する密着性と、耐熱性とに
すぐれた、高い機械的強度を有する絶縁被膜を形成する
ことができる。
【0008】またこの発明の絶縁電線は、上記絶縁塗料
を塗布し、焼付けして形成された絶縁被膜を有するた
め、耐加工性にすぐれている。なお、前述した特開平2
−4880号公報には、金属不活性剤とともに、硬化性
樹脂であるアミノ樹脂も、絶縁被膜の密着性を向上させ
る成分として開示されている。しかし上記先願公報に
は、金属不活性剤と硬化性樹脂とを併用することや、硬
化性樹脂を、絶縁被膜の耐熱性向上のために使用するこ
と等については一切開示されていない。先願公報の実施
例においても、金属不活性剤と硬化性樹脂とを併用した
ものはない。これに対し本願発明は、金属不活性剤と硬
化性樹脂とを必ず併用することで、前述したように、導
体等の金属に対する密着性および耐熱性にすぐれた、高
い機械的強度を有する絶縁被膜を形成できる絶縁塗料
と、それを用いた、耐加工性にすぐれた絶縁電線とを得
ているので、本願発明は、上記先願公報記載の発明とは
全く違うものである。これらの事実は、後述する実施
例、比較例の結果からも明らかである。
【0009】以下にこの発明を説明する。まず、この発
明の絶縁塗料について説明する。この発明の絶縁塗料の
構成は、たとえば芳香族ポリアミド系塗料、ポリイミド
系塗料、ポリアミドイミド系塗料、ポリエステルイミド
系塗料、ポリエステル系塗料、ポリウレタン系塗料等
の、従来公知の種々の汎用の絶縁塗料に適用することが
できる。
【0010】上記のうち芳香族ポリアミド系塗料として
は、たとえばアラミド(全芳香族ポリアミド)系塗料、
ナイロンMXD6系塗料等が例示され、とくに耐熱性、
機械的強度等の点で、アラミド系塗料が好適に使用され
る。またポリイミド系塗料としては、たとえば全芳香族
ポリイミド系塗料である、デュポン社製の商品名「パイ
ヤーML」や、あるいは東レ社製の商品名「トレニース
3000」等が好適に使用される。
【0011】ポリアミドイミド系塗料としては、トリカ
ルボン酸無水物とジイソシアネートとを反応させること
によって得られた種々の塗料が使用できる。ポリエステ
ルイミド系塗料としては、トリカルボン酸無水物とジア
ミンとの反応生成物であるイミドジカルボン酸を、さら
に多価アルコールと反応させて得られた種々の塗料が使
用できる。
【0012】ポリエステル系塗料としてはアルキド樹脂
系塗料、とくにグリセリン変性されたアルキド樹脂系塗
料やトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(THE
IC)変性されたアルキド樹脂系塗料等があげられ、と
くに前述した、金属不活性剤および硬化性樹脂の添加効
果の大きいTHEIC変性されたアルキド樹脂系塗料が
好適に使用される。
【0013】ポリウレタン系塗料としては、ジイソシア
ネートとポリエステル樹脂とを反応させて得られた種々
の塗料が使用できる。上記のうちとくにポリエステルイ
ミド系塗料が、前述した金属不活性剤および硬化性樹脂
の添加効果が顕著に得られるとともに、比較的安価で、
かつ取り扱いが容易であるため、とくに好適に使用され
る。
【0014】上記絶縁塗料に添加される金属不活性剤と
しては、前述したように、金属と錯化合物を作ること
で、絶縁被膜と金属との密着性を向上する作用を有す
る、種々の化合物があげられる。かかる金属不活性剤と
しては、これに限定されないが、たとえばアセチレン類
(1−ヘキシン等)、アルキノール類(プロパルギルア
ルコール、1−ヘキシン−3−オール等)、アルデヒド
類(ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド等)、アミン類
(ラウリルアミン、N,N′−ジメチルセチルアミン、
トリメチルセチルアンモニウムブロミド等)、メルカプ
タン類(セチルメルカプタン、2−メルカプトイミダゾ
ール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−
チオール等)、チオ尿素類(チオ尿素、フェニルチオ尿
素等)などがあげられ、中でもとくに密着性向上の効果
が大きい、メルカプタン類のうちの2−メルカプトイミ
ダゾールまたは5−アミノ−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−チオールが、好適に採用される。
【0015】上記金属不活性剤の添加量は、とくに限定
されないが、絶縁塗料中の非揮発分(つまり溶媒を除い
た樹脂分)100重量部に対して0.001〜0.5重
量部であるのが好ましい。金属不活性剤の添加量が上記
範囲未満では、その添加による、絶縁被膜の金属に対す
る密着性向上の効果が不十分となるおそれがあり、逆に
上記範囲を超えた場合には、絶縁塗料を塗布された導体
の表面が変質、変色する等、導体に悪影響を及ぼすおそ
れがある。
【0016】なお、上記金属不活性剤の添加量は、密着
性向上の効果と、導体への影響の低減を考慮すると、上
記範囲内でもとくに0.005〜0.1重量部であるの
が好ましい。上記金属不活性剤とともに塗料中に添加さ
れる硬化性樹脂としては、塗料の樹脂と相溶し、かつ塗
料の焼付け時に硬化して絶縁被膜の耐熱性を向上する作
用を有する、種々の硬化性樹脂があげられる。
【0017】かかる硬化性樹脂としては、これに限定さ
れないが、たとえばフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等があげられ、
中でもとくに塗料中の樹脂との相溶性にすぐれたメラミ
ン樹脂が、好適に採用される。上記硬化性樹脂の添加量
は、とくに限定されないが、絶縁塗料中の非揮発分10
0重量部に対して0.001〜0.1重量部であるのが
好ましい。硬化性樹脂の添加量が上記範囲未満では、そ
の添加による、絶縁被膜の耐熱性向上の効果が不十分と
なるおそれがあり、逆に上記範囲を超えた場合には、絶
縁塗料のポットライフが短くなって、作業性が悪化する
おそれがある。
【0018】なお、上記硬化性樹脂の添加量は、耐熱性
向上の効果と、作業性とを考慮すると、上記範囲内でも
とくに0.005〜0.05重量部であるのが好まし
い。上記各成分からなるこの発明の絶縁塗料には、さら
に必要に応じて、顔料、染料等の着色剤、無機または有
機のフィラー、潤滑剤等の各種添加剤を、適宜の割合で
添加してもよい。
【0019】つぎに、この発明の絶縁電線について説明
する。この発明の絶縁電線は、上記絶縁塗料を電線の表
面に塗布し、焼き付けて絶電被膜を形成することで製造
される。絶縁被膜の膜厚についてはとくに限定されず、
電線のサイズ等に応じて、従来と同程度の膜厚とするこ
とができる。
【0020】また、この発明の絶縁電線においては、上
記絶縁被膜上にさらに、上塗層を形成してもよい。上塗
層としては、たとえばポリウレタン系、ポリエステル
系、ポリエステルイミド系、ポリアミドイミド系、ポリ
イミド系等の、従来公知の種々の絶縁塗料の塗布、焼付
けにより形成される絶縁膜があげられる。また絶縁被膜
の表面、あるいは絶縁被膜上に形成された上塗層の表面
には、潤滑性を付与すべく、表面潤滑層を設けてもよ
い。
【0021】表面潤滑層としては、流動パラフィン、固
形パラフィンといったパラフィン類の塗膜も使用できる
が、耐久性等を考慮すると、各種ワックス、ポリエチレ
ン、ふっ素樹脂、シリコーン樹脂等の潤滑剤を適当なバ
インダー樹脂で結着した表面潤滑層が好ましい。その
他、この発明の要旨を変更しない範囲で、種々の変更を
施すことができる。
【0022】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1 《絶縁塗料の製造》溜出管付きのフラスコに、温度計、
攪拌機および窒素吹き込み管をセットし、窒素吹き込み
管から毎分150mlの窒素ガスを流しながら、フラスコ
内に168.9gのジメチルテレフタレートと、54.
0gのエチレングリコールと、8.9gのグリセリン
と、126.3gのTHEICとを仕込み、さらに16
8.9gのキシレンと0.84gの酢酸鉛とを加えた。
【0023】つぎに、上記内容物を攪拌機で攪拌しつつ
140℃に加熱して2時間、反応させた後、攪拌を続け
ながら加熱を止めて自然冷却させ、反応液の液温が10
0℃になった時点で、フラスコ中に57.5gの4,
4′−ジアミノジフェニルメタンと、111.4gのト
リメリット酸無水物を加えた。そして、さらに攪拌を続
けながら再度加熱して、反応液の液温を230℃まで昇
温させて1時間、反応させた後、加熱を止め、フラスコ
中に、まず520.7gのクレゾールを加え、ついで、
反応液の液温が140℃以下に低下したところで13
0.2gのキシレンを加えた後、放冷して、非揮発分の
濃度が35重量%のポリエステルイミド系塗料を得た。
【0024】つぎに、上記ポリエステルイミド系塗料
に、金属不活性剤である5−アミノ−1,3,4−チア
ジアゾール−2−チオールと、硬化性樹脂であるメラミ
ン樹脂〔住友化学工業(株)製の商品名スミマールM−
100C〕とを添加し、十分に攪拌、混合させて絶縁塗
料を製造した。なお、5−アミノ−1,3,4−チアジ
アゾール−2−チオールの添加量は、ポリエステルイミ
ド系塗料の非揮発分100重量部に対して0.05重量
部、メラミン樹脂の添加量は、上記非揮発分100重量
部に対して0.05重量部とした。 《絶縁電線の製造》上記絶縁塗料を、直径1.0mmの
導線表面に、常法により塗布し、460℃にて約1分間
焼付けして、厚み32μmの絶縁被膜を有する絶縁電線
を製造した。 実施例2 金属不活性剤である5−アミノ−1,3,4−チアジア
ゾール−2−チオールの、ポリエステルイミド系塗料の
非揮発分100重量部に対する添加量を、0.075重
量部とし、かつ硬化性樹脂であるメラミン樹脂の、上記
非揮発分100重量部に対する添加量を、0.025重
量部としたこと以外は実施例1と同様にして絶縁塗料を
製造し、この絶縁塗料を用いたこと以外は実施例1と同
様にして、厚み32μmの絶縁被膜を有する絶縁電線を
製造した。 比較例1 実施例1の、絶縁塗料の製造で得たポリエステルイミド
系塗料に、金属不活性剤である5−アミノ−1,3,4
−チアジアゾール−2−チオールと、フェノール系酸化
防止剤であるステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〔チバガ
イギー社製の商品名Irganox−1076〕とを添
加したこと以外は実施例1と同様にして絶縁塗料を製造
し、この絶縁塗料を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、厚み32μmの絶縁被膜を有する絶縁電線を製造
した。
【0025】なお、5−アミノ−1,3,4−チアジア
ゾール−2−チオールの添加量は、ポリエステルイミド
系塗料の非揮発分100重量部に対して0.04重量
部、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネートの添加量は、上記
非揮発分100重量部に対して1.0重量部とした。 比較例2 実施例1の、絶縁塗料の製造で得たポリエステルイミド
系塗料に、金属不活性剤である5−アミノ−1,3,4
−チアジアゾール−2−チオールのみを添加したこと以
外は実施例1と同様にして絶縁塗料を製造し、この絶縁
塗料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み3
2μmの絶縁被膜を有する絶縁電線を製造した。
【0026】なお、5−アミノ−1,3,4−チアジア
ゾール−2−チオールの添加量は、ポリエステルイミド
系塗料の非揮発分100重量部に対して0.1重量部と
した。 比較例3 実施例1の、絶縁塗料の製造で得たポリエステルイミド
系塗料に、硬化性樹脂であるメラミン樹脂のみを添加し
たこと以外は実施例1と同様にして絶縁塗料を製造し、
この絶縁塗料を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、厚み32μmの絶縁被膜を有する絶縁電線を製造し
た。
【0027】なお、メラミン樹脂の添加量は、ポリエス
テルイミド系塗料の非揮発分100重量部に対して0.
1重量部とした。上記各実施例、比較例の絶縁電線につ
いて、以下の各試験を行い、その特性を評価した。 密着力測定 実施例、比較例の絶縁電線の絶縁被膜に、その長手方向
に沿って、0.5mm間隔で長さ2cmに亘る平行な2
本の切込みを入れ、2本の切込みの間の絶縁被膜の一端
をピンセットでめくった。そして、熱機械試験機〔TM
A:サーマルメカニカルアナリシス、セイコー電子
(株)製〕を用いて、上記絶縁被膜と電線との180°
剥離試験を行い、被膜の密着力(g/mm)を測定し
た。 損傷荷重測定 実施例、比較例の絶縁電線に直交させてピアノ線を重ね
合わせ、種々の重さの荷重をかけた状態で絶縁電線を引
き抜いた際に、絶縁被膜に損傷が生じた荷重〔(損傷荷
重(g)〕を記録した。 耐熱性試験 実施例、比較例の絶縁電線を220℃で6時間、加熱劣
化させた後、直径1mmのものから1mm刻みに直径が
大きい複数の丸棒に順次あてがって、その外形に対応さ
せて曲げた際の、絶縁被膜の割れや剥離を観察し、絶縁
被膜に異状がみられなかった最小の丸棒の直径〔曲げ良
好径(mm)〕を記録した。
【0028】以上の結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1の結果より、硬化性樹脂であるメ
ラミン樹脂を添加しない絶縁塗料を使用した比較例1,
2の絶縁電線は、絶縁被膜の密着力は高いが、耐熱性が
不十分であることがわかった。また、金属不活性剤であ
る5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオ
ールを添加しない絶縁塗料を使用した比較例3の絶縁電
線は、密着力が不十分であることがわかった。これに対
し、上記両添加剤をともに添加した絶縁塗料を使用した
実施例1,2の絶縁電線は、絶縁被膜の密着力および耐
熱性にすぐれることが確認された。
【0031】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の絶縁塗
料によれば、金属不活性剤による密着性向上の効果と、
硬化性樹脂による耐熱性向上の効果とによって、導体等
の金属に対する密着性と、耐熱性とにすぐれた、高い機
械的強度を有する絶縁被膜を形成することが可能とな
る。また、この発明の絶縁電線は、上記絶縁塗料を塗布
し、焼付けして形成された絶縁被膜を有するため、耐加
工性にすぐれており、たとえばモータの捲線に使用した
場合には、コアへの捲線量を増大させても、捲線工程で
絶縁被膜に損傷を生じるおそれがない。したがってこの
発明の絶縁電線は、より小型、軽量で性能のよいモータ
の要求に対応できるという特有の作用効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 裕紀 愛知県名古屋市南区菊住一丁目7番10号 住友電気工業株式会社名古屋製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗布、焼付けにより絶縁被膜を形成しうる
    樹脂を含む絶縁塗料において、金属に対する絶縁被膜の
    密着性を向上する金属不活性剤と、上記樹脂と相溶し、
    塗料の焼付け時に硬化して絶縁被膜の耐熱性を向上する
    硬化性樹脂とを含有することを特徴とする絶縁塗料。
  2. 【請求項2】導体上に、上記請求項1記載の絶縁塗料を
    塗布し、焼き付けして形成された絶縁被膜を有すること
    を特徴とする絶縁電線。
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