JPH08217882A - オルガノポリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサン及びその製造方法

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JPH08217882A
JPH08217882A JP2170495A JP2170495A JPH08217882A JP H08217882 A JPH08217882 A JP H08217882A JP 2170495 A JP2170495 A JP 2170495A JP 2170495 A JP2170495 A JP 2170495A JP H08217882 A JPH08217882 A JP H08217882A
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JP
Japan
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organopolysiloxane
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poly
trimethyleneimine
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JP2170495A
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Taku Oda
卓 織田
Katsuhiko Hayashifuji
克彦 林藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オルガノポリシロキサンセグメントのSi原
子の少なくとも1個に、ヘテロ原子含有連結基を介し
て、下記繰り返し単位(1)からなるポリ(トリメチレ
ンイミン)セグメント又は繰り返し単位(4)からなる
ポリ(トリメチレンカルボベタイン)セグメントが結合
してなる重量平均分子量800〜800,000のオル
ガノポリシロキサンであって、オルガノポリシロキサン
セグメントとポリ(N−トリメチレンイミン)セグメン
トとの重量比が99/1〜30/70であるもの、又は
オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−トリメ
チレンカルボベタイン)セグメントとの重量比が99/
1〜25/75であるもの。 【化1】 〔R1:H、C1〜22のアルキル等,n:1〜5〕 【効果】 安全性の高い原料を使用して製造でき、水、
エタノール等への溶解性・分散性が良好で、特に香粧品
・化粧品用添加剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なオルガノポリシ
ロキサン及びその製造方法に関し、更に詳しくは、安全
性の高い原料を使用して製造でき、水、エタノール等へ
の溶解性・分散性が良好で、特に香粧品・化粧品用添加
剤として有用な新規オルガノポリシロキサン及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】オルガ
ノポリシロキサンにアミノ基を導入したアミノ変性シリ
コーンは、香粧品、化粧品等における感触向上剤、繊維
処理剤、潤滑剤など、広い分野に利用されている。
【0003】これらは、アミノ基の水に対する親和性、
及びマイナス電荷をもつ皮膚、毛髪、繊維表面等に対す
る相互作用を利用したものである。また、アミノ基は求
核試薬に対する反応性にも富んでおり、これらの性質を
利用した新規な変性シリコーンが種々報告され、応用さ
れている。
【0004】上記の一般的なアミノ変性シリコーンは、
シリコーンにアミノ基をランダムに導入し、変性させた
ものであるのに対し、シリコーンにポリアミンを導入し
たポリアミン−ポリシロキサンブロック共重合体が特開
昭63−270738号公報に報告されている。このも
のは、水で容易に乳化でき、マイナス電荷をもつ物質と
の相互作用及び求核試薬に対する反応性が期待できると
ともに、ポリアミンとポリシロキサンをブロック化する
ことにより、界面活性剤、皮膚・毛髪の感触向上剤、繊
維処理剤としての性能向上に期待でき、工業的に極めて
有用である。
【0005】しかしながら、このものはポリアミン鎖製
造のための原料として、極めて毒性の高いN−アルキル
アジリジンを使用しなくてはならないため、工業的実施
が困難であるという問題を有する。
【0006】従って、本発明は安全性の高い原料を使用
して製造でき、工業的に有用なポリアミン−ポリシロキ
サンブロック/グラフト共重合体を提供することを目的
とする。
【0007】ところで、シリコーンは形態上オイル、エ
ラストマー及びレジンに大別され、このうちシリコーン
エラストマーが香粧品・化粧品用添加剤として使用され
ている例は少ないが、エラストマー的性質を発現するシ
リコーンを添加した毛髪保護用組成物等が知られている
(特開平4−261113号公報)。
【0008】しかし、一般に、弾性を有するシリコーン
エラストマーは、共有結合により架橋されるものである
ため溶解可能な溶媒種が限られており、しかも香粧品・
化粧品に適用した場合、洗い落ちが悪いという欠点を有
する。
【0009】そこで、十分な弾性を有しながら、香粧品
・化粧品に適用した場合に洗い落ちが良好なシリコーン
エラストマー及びそれを簡便かつ安価に製造する方法の
開発が望まれていた。
【0010】かかる実情において、本発明者らは鋭意研
究を重ねた結果、安全な原料であるN−置換アジリジン
をポリアミン鎖の原料として用いることにより得られる
ポリアミン−ポリシロキサンブロック/グラフト共重合
体、及び更に当該共重合体を中間体として製造されるシ
リコーンエラストマーが、水、エタノール等に溶解又は
分散可能であって香粧品・化粧品用添加剤として有用で
あることを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、オルガノポリシロキサ
ンセグメントのケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ
原子含有連結基を介して、下記一般式(1)
【0012】
【化8】
【0013】〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基又はアルコキシカルボニルアルキル基を示す。〕
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−トリメチレ
ンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロ
キサンであって、オルガノポリシロキサンセグメントと
ポリ(N−トリメチレンイミン)セグメントとの重量比
が99/1〜30/70、重量平均分子量が800〜8
00,000であるオルガノポリシロキサン及びその製
造方法を提供するものである。
【0014】また、本発明は上記オルガノポリシロキサ
ンを中間体として製造されるシリコーンエラストマー、
すなわち、オルガノポリシロキサンセグメントのケイ素
原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子含有連結基を介し
て、下記一般式(4)
【0015】
【化9】
【0016】〔式中、R1 は前記と同じ意味を示し、n
は1〜5の数を示す。〕で表される繰り返し単位からな
るポリ(N−トリメチレンカルボベタイン)セグメント
が結合してなるオルガノポリシロキサンであって、オル
ガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−トリメチレ
ンカルボベタイン)セグメントとの重量比が99/1〜
25/75、重量平均分子量が800〜800,000
であるオルガノポリシロキサン及びその製造方法を提供
するものである。
【0017】本発明において、ヘテロ原子含有連結基と
しては、例えば下記式で表されるものが挙げられる。
【0018】
【化10】
【0019】〔式中、X- は第四アンモニウム塩の陰イ
オン成分を示す。これらの基の炭素原子側にオルガノポ
リシロキサンセグメントのケイ素原子が結合し、ヘテロ
原子側にポリ(トリメチレンイミン)セグメント又はポ
リ(トリメチレンカルボベタイン)セグメントのトリメ
チレン側が結合する。〕
【0020】また、一般式(1)又は(4)におけるR
1 としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、エト
キシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルエチル基
等のアルコキシカルボニルアルキル基、フェニル基など
が好ましいものとして挙げられる。
【0021】本発明のポリ(N−トリメチレンイミン)
セグメントを有するオルガノポリシロキサンは、例えば
以下に示す本発明方法に従って製造することができる。
【0022】すなわち、本発明は下記一般式(2)
【0023】
【化11】
【0024】〔式中、R2 は同一又は異なって、炭素数
1〜5の飽和アルキル基又はフェニル基もしくは置換フ
ェニル基を示し、R3 は下記式
【0025】
【化12】
【0026】のいずれかで表される基を示し、R4 及び
5 はそれぞれR2 又はR3 と同様の基を示し、pは5
〜4,000の整数を示し、qは1〜300の整数を示
す。〕で表されるオルガノポリシロキサンと、下記一般
式(3)
【0027】
【化13】
【0028】〔式中、R1 は前記と同じ意味を示す。〕
で表されるN−置換アゼチジンを開環重合して得られる
末端反応性ポリ(N−トリメチレンイミン)とを反応さ
せることを特徴とする前記ポリ(N−トリメチレンイミ
ン)セグメントを有するオルガノポリシロキサンの製造
方法を提供するものである。
【0029】本発明の製造方法に用いられる原料オルガ
ノポリシロキサン(2)において、一般式(2)中のR
2 としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基等の炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、メチル
フェニル基、p−メトキシフェニル基などが好ましいも
のとして挙げられる。
【0030】これらのうち、メチル基が最も好ましい
が、R2 全体の30モル%以下であれば炭素数2〜5の
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和アルキル基又はフェニル
基もしくは置換フェニル基であってもよい。メチル基以
外の基が30モル%を超えると、得られるオルガノポリ
シロキサンの水若しくは低級アルコールへの溶解性又は
分散安定性が低下し、好ましくない。
【0031】R3 としては前記の基のうち、アミノプロ
ピル基、ジメチルアミノプロピル基、アミノエチルアミ
ノプロピル基及び(ジメチルアミノエチル)メチルアミ
ノプロピル基が好ましい。
【0032】上記原料オルガノポリシロキサン(2)の
シリコーン主鎖の重量平均分子量は500〜500,0
00が好ましい。重量平均分子量が500未満では、オ
ルガノポリシロキサンとしての性質(例えば潤滑性)が
発揮されにくく、また500,000を超えると高粘度
かつ難溶性となり、得られるポリ(N−トリメチレンイ
ミン)セグメントを有するオルガノポリシロキサンの溶
解性も低下してしまう。
【0033】本発明の製造方法に用いられる末端反応性
ポリ(N−トリメチレンイミン)は、N−置換アゼチジ
ン(3)の開環重合により得られるが、この開環重合
は、ルイス酸、プロトン酸、アルキル化剤等の化合物、
例えば、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレー
ト、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、ベンジルア
イオダイド、臭化メチル、ヨウ化メチル、臭化エチル、
ヨウ化エチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸
メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、ベンゼ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンス
ルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル等
を開始剤として用い行われる。
【0034】末端反応性ポリ(N−トリメチレンイミ
ン)の重量平均分子量は300〜50,000の範囲が
好ましい。300未満ではブロック/グラフト共重合体
としての特徴的な性質(例えば水等の極性溶媒に対する
溶解性)が発揮されにくく、50,000を超えるとオ
ルガノポリシロキサンとしての性質(例えば潤滑性)が
発揮されにくい。ポリ(N−トリメチレンイミン)は、
単独重合体であっても、2種以上のランダム共重合体又
はブロック共重合体であってもよい。
【0035】N−置換アゼチジン(3)の開環重合及び
本発明の共重合体の製造に用いる溶媒としては、酢酸エ
チル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等のハ
ロゲン溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プ
ロトン性極性溶媒を用いることができる。
【0036】本発明のポリ(N−トリメチレンイミン)
セグメントを有するオルガノポリシロキサンを製造する
方法、すなわちオルガノポリシロキサンセグメントとポ
リ(N−トリメチレンイミン)セグメントとを連結する
方法としては、前記本発明製造方法のほか、カルボキシ
ル基と水酸基との縮合によるエステルの形成反応、カル
ボキシル基とアミノ基との縮合によるアミドの形成反
応、ハロゲン化アルキル基と1級、2級、あるいは3級
アミノ基とによる2級又は3級アミン、あるいは4級ア
ンモニウムの形成反応、Si−H基のビニル基への付加
反応、エポキシ基とアミノ基とによるβ−ヒドロキシア
ミン形成反応など多くの手法を利用することもできる。
【0037】かくして得られる本発明のオルガノポリシ
ロキサン中に含まれるオルガノポリシロキサンセグメン
トとポリ(N−トリメチレンイミン)セグメントとの重
量比は99/1〜30/70である必要があり、更に9
5/5〜30/70であるのが好ましい。オルガノポリ
シロキサンセグメントが30重量%未満では該共重合体
のオルガノポリシロキサンとしての性質(例えば潤滑
性)が発揮されにくく、99重量%を超えると水、低級
アルコール等への溶解性又は分散安定性が低下してしま
う。
【0038】また、本発明のポリ(N−トリメチレンイ
ミン)セグメントを有するオルガノポリシロキサンの重
量平均分子量は、当該オルガノポリシロキサン自体を香
粧品・化粧品用添加剤とする場合には800〜800,
000である必要があり、特に1,000〜600,0
00であるのが好ましい。分子量が800未満では造膜
性が低下し、シリコーンとしての特長が発揮されず、8
00,000を超えると他の配合成分との相溶性が低下
し、いずれも好ましくない。
【0039】本発明のポリ(N−トリメチレンイミン)
セグメントを有するオルガノポリシロキサンは、水及び
低級アルコールに溶解又は安定に分散可能であって、沈
澱等の不均一な分離を生じない。なお、ここで、低級ア
ルコールとは、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、n−ブタノール、n−ペンタノール等の炭素数が
1〜5個の直鎖又は分岐鎖の1価アルコールをいう。
【0040】次に、本発明のポリ(N−トリメチレンカ
ルボベタイン)セグメントを有するオルガノポリシロキ
サンは、例えば前記のようにして得られた本発明のポリ
(N−トリメチレンイミン)セグメントを有するオルガ
ノポリシロキサンを中間体とし、以下に示す2つの本発
明方法のいずれかに従って製造することができる。
【0041】すなわち本発明は、前記ポリ(N−トリメ
チレンイミン)セグメントを有するオルガノポリシロキ
サンにクロル酢酸ナトリウム又は炭素数3〜6のラクト
ンを反応させることを特徴とする前記ポリ(N−トリメ
チレンカルボベタイン)セグメントを有するオルガノポ
リシロキサンの製造方法を提供するものである。
【0042】また、中間体であるオルガノポリシロキサ
ンのポリ(N−トリメチレンイミン)セグメントが有す
るR1 がアルコキシカルボニルアルキル基である場合に
は、次の第2の方法によっても本発明のポリ(N−トリ
メチレンカルボベタイン)セグメントを有するオルガノ
ポリシロキサンを製造することができる。
【0043】すなわち本発明は、一般式(1)における
1 がアルキル基の炭素数が1〜5であるアルコキシカ
ルボニルアルキル基である前記ポリ(N−トリメチレン
イミン)セグメントを有するオルガノポリシロキサン
に、炭素数1〜22のアルキルハライド、シクロアルキ
ルハライド、アラルキルハライド又はアリールハライド
を反応させて4級化した後、塩基性条件下、アルコキシ
カルボニルアルキル基の加水分解反応を行うことを特徴
とする前記ポリ(N−トリメチレンカルボベタイン)セ
グメントを有するオルガノポリシロキサンの製造方法を
提供するものである。
【0044】これらの製造方法に用いられる中間体とし
てのポリ(N−トリメチレンイミン)セグメントを有す
るオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は10,0
00〜500,000、更に50,000〜300,0
00、特に85,000〜250,000が好ましい。
またそのオルガノポリシロキサンセグメントのシリコー
ン主鎖の重量平均分子量は500〜500,000、更
に50,000〜300,000、特に85,000〜
250,000が好ましく、ポリ(N−トリメチレンイ
ミン)セグメント(複数個存在する場合は個々のセグメ
ント)の重量平均分子量は500〜15,000が好ま
しい。
【0045】第1の製造方法の反応に用いられる溶媒と
しては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール溶媒又はジエチルエーテル、ジメチ
ルエーテル等のエーテル溶媒が挙げられる。また、クロ
ル酢酸ナトリウム又はラクトンは、中間体としてのオル
ガノポリシロキサンが有するアミノ基に対し1〜5倍当
量、特に2〜3倍当量使用するのが好ましい。
【0046】第2の製造方法の4級化反応に用いられる
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン溶媒が好ましい。また、ハロゲン化物の使用量は、中
間体としてのオルガノポリシロキサンが有するアミノ基
に対し1〜5倍当量、特に2〜3倍当量使用するのが好
ましい。加水分解反応は常法に従い、酸又は塩基の存在
下行われる。
【0047】かくして得られる本発明のポリ(N−トリ
メチレンカルボベタイン)セグメントを有するオルガノ
ポリシロキサン中に含まれるオルガノポリシロキサンセ
グメントとポリ(N−トリメチレンカルボベタイン)セ
グメントとの重量比は99/1〜25/75である必要
があり、更に92/8〜30/70であるのが好まし
い。オルガノポリシロキサンセグメントが25重量%未
満ではその力学的性質がポリ(N−トリメチレンカルボ
ベタイン)のそれに近づくためゴム弾性を十分に示さ
ず、一方、99重量%を超えるとポリ(N−プロピレン
カルボベタイン)鎖による架橋が十分でないため糊状を
呈し、やはりゴム弾性を示さなくなる。
【0048】また、本発明のポリ(N−トリメチレンカ
ルボベタイン)セグメントを有するオルガノポリシロキ
サンの重量平均分子量は800〜800,000である
必要があり、更に50,000〜300,000、特に
85,000〜250,000が好ましい。分子量が8
00未満では、エラストマーとしての弾性を示しにくい
ものとなり、800,000を超えると、水、エタノー
ル等への溶解性・分散性が低下することになり、いずれ
も好ましくない。また、そのオルガノポリシロキサンセ
グメントのシリコーン主鎖の重量平均分子量は500〜
500,000、更に50,000〜300,000、
特に85,000〜250,000が好ましい。500
未満では得られるシリコーンエラストマーの回復限界伸
度が低下して実用に供することが困難となり、一方、5
00,000を超えるとシリコーンエラストマーの製造
においてオルガノポリシロキサンが高粘度かつ難溶性と
なり、得られるシリコーンエラストマーの溶解性も低下
してしまう。ポリ(N−トリメチレンカルボベタイン)
セグメント(複数個存在する場合は個々のセグメント)
の重量平均分子量は300〜50,000、特に800
〜20,000が好ましい。分子量が300未満ではシ
リコーンエラストマーが塑性変形を起こし易いものとな
り、50,000を超えると合成が困難である。
【0049】本発明のポリ(N−トリメチレンカルボベ
タイン)セグメントを有するオルガノポリシロキサン
は、いわゆるシリコーンエラストマーである。ここで、
シリコーンエラストマーとは、一般に常温でゴムの性質
を示すもの、すなわち、外力を加えることにより容易に
変形するが、外力を除くと直ちに原形をほぼ回復する高
分子物質をいい、本発明においては、ある程度の強度を
有する高分子物質であって、250%/分の速度で伸長
した後応力を取り除いた場合、直ちに伸度0%に回復し
得る伸び率の上限(回復限界伸度)が20%以上、好ま
しくは100%以上のものをいう。
【0050】そして、本発明のシリコーンエラストマー
は、常温付近でのヤング率が0.01〜50メガパスカ
ル(MPa)の範囲にあって、かつ、破断限界の伸びが数百
%にも及ぶものであり、水及び低級アルコールに溶解又
は安定に分散可能であって、沈澱等の不均一な分離を生
じない。なお、ここで、低級アルコールとは、メタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、
n−ペンタノール等の炭素数が1〜5個の直鎖又は分岐
鎖の1価アルコールをいう。
【0051】特公昭63−16418号公報、特開平3
−130294号公報には、上記ポリ(N−トリメチレ
ンカルボベタイン)が結合してなるオルガノポリシロキ
サンと同類のベタイン基を有するシロキサン及びその製
造方法が開示されているが、当該シロキサンはシリコー
ンにベタイン基をランダムに導入し、変性させたもので
ある。これに対して上記本発明オルガノポリシロキサン
は、シリコーンにポリベタイン側鎖を導入したグラフト
/ブロック共重合体であり、構造的に全く異なるもので
ある。また、これらの公報には伸長率が15%となるま
でに破断又は塑性変形を生じないようなエラストマー的
性質については開示されていない。
【0052】本発明のオルガノポリシロキサンはいずれ
も各種香粧品・化粧品用の添加剤として好適に使用でき
る。このような化粧品としては、マスカラ、アイライナ
ー、アイシャドー、フェイスパック、ファンデーショ
ン、ネイルエナメル、口紅など、また香粧品としてはヘ
アスプレー、ヘアミスト、ヘアフォーム、ヘアジェル、
ヘアローション、ヘアコンディショナーなどが挙げられ
る。
【0053】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】なお、以下の各実施例におけるシリコーン
セグメントの含有率は、1H-NMRスペクトルの定量分析か
ら求めた値であり、また重量平均分子量は、クロロホル
ムを展開溶媒としたゲル浸透型液体クロマトグラフィー
から求めたポリスチレン換算重量平均分子量である。
【0055】実施例1 硫酸ジエチル30.6g(0.198モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン1498.2g
(9.53モル)を脱水した酢酸エチル3058gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量110,000,アミン当量4,840)800g
(アミノ基にして0.165gモル)の50%酢酸エチ
ル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混
合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチル
シロキサン共重合体を淡黄色固体(2212g,収率9
5%)として得た。得られた共重合体のシリコーンセグ
メントの含有率は39%、重量平均分子量は148,0
00であった。
【0056】実施例2 硫酸ジエチル3.56g(0.023モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン43.5g(0.
277モル)を脱水した酢酸エチル94.2gに溶解
し、窒素雰囲気下6時間加熱還流し、末端反応性ポリ
(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖
1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子
量110,000,アミン当量20,800)400g
(アミノ基にして0.0192gモル)の50%酢酸エ
チル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応
混合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチ
ルシロキサン共重合体を淡黄色固体(425g,収率9
5%)として得た。得られた共重合体のシリコーンセグ
メントの含有率は92%、重量平均分子量は136,0
00であった。
【0057】実施例3 硫酸ジエチル29.5g(0.191モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン1441.6g
(9.17モル)を脱水した酢酸エチル2942gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量10,000,アミン当量5,020)800g
(アミノ基にして0.159gモル)の50%酢酸エチ
ル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混
合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチル
シロキサン共重合体を淡黄色固体(2157.5g,収
率95%)として得た。得られた共重合体のシリコーン
セグメントの含有率は40%、重量平均分子量は58,
000であった。
【0058】実施例4 硫酸ジエチル3.56g(0.023モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン43.5g(0.
277モル)を脱水した酢酸エチル94.2gに溶解
し、窒素雰囲気下6時間加熱還流し、末端反応性ポリ
(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖
1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子
量40,000,アミン当量20,500)400g
(アミノ基にして0.0195gモル)の50%酢酸エ
チル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応
混合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチ
ルシロキサン共重合体を淡黄色固体(425g,収率9
5%)として得た。得られた共重合体のシリコーンセグ
メントの含有率は91.5%、重量平均分子量は60,
500であった。
【0059】実施例5 トリフルオロメタンスルホン酸150g(1.2モル)
と1−(2−カルボエトキシエチル)アゼチジン600
g(3.82モル)を脱水したジイソプロピルエーテル
1500gに溶解し、窒素雰囲気下6時間加熱還流し、
末端反応性ポリ(N−トリメチレンイミン)を合成し
た。ここに、両末端1級アミノプロピル変性ポリジメチ
ルシロキサン(分子量1000,アミン当量500)5
00g(アミノ基にして1.0gモル)の50%ジイソ
プロピルエーテル溶液を一括して加え、12時間加熱還
流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイ
ミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(11
00g,収率88%)として得た。得られた共重合体の
シリコーンセグメントの含有量は50%、重量平均分子
量は2,030であった。
【0060】試験例1 実施例1〜5で合成した各N−トリメチレンイミン−ジ
メチルシロキサン共重合体及び原料として用いたアミノ
変性シリコーンの各種溶媒に対する溶解性を試験し、結
果を表1に示した。
【0061】(試験方法)各オルガノポリシロキサン1
gに水、エタノール又はイソプロピルアルコール20g
を加え、室温で激しく振とうした。また、各オルガノポ
リシロキサン1gに水20gを加え、室温で激しく振と
うした後、市販塩酸試薬をスポイトで加え、pH6になる
ように中和と振とうを繰り返した。評価は目視により、
以下の基準で行った。
【0062】(評価基準) ○:透明で均一な溶液 △:半透明の分散液 ×:溶解せず分離
【0063】(結果)下記の表1に示す結果より明らか
なように、本発明品は極性溶媒に対し、いずれも良好な
溶解性を示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例6 実施例1で得られたN−トリメチレンイミン−ジメチル
シロキサン共重合体の全量をメタノール5000gに分
散し、クロル酢酸ナトリウム1665.6g(14.3
モル)添加し、加熱還流下、24時間反応させた。反応
液を室温まで冷却し塩化ナトリウムを濾別した。得られ
た溶液を減圧濃縮し、N−トリメチレンカルボベタイン
−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(2
130g,収率85%)として得た。得られた共重合体
のシリコーンセグメントの含有率は32%、重量平均分
子量は158,000であった。
【0066】実施例7 実施例2で得られたN−トリメチレンイミン−ジメチル
シロキサン共重合体の全量をメタノール1000gに分
散し、クロル酢酸ナトリウム46.6g(0.4モル)
を添加し、加熱還流下、24時間反応させた。反応液を
室温まで冷却し塩化ナトリウムを濾別した。得られた溶
液を減圧濃縮し、N−トリメチレンカルボベタイン−ジ
メチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(414
g,収率92%)として得た。得られた共重合体のシリ
コーンセグメントの含有率は89%、重量平均分子量は
148,000であった。
【0067】実施例8 硫酸ジエチル30.6g(0.198モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン1498.2g
(9.53モル)を脱水した酢酸エチル3058gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量110,000,アミン当量4,840)800g
(アミノ基にして0.165gモル)の50%酢酸エチ
ルを一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合物
を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチルシロ
キサン共重合体を淡黄色固体(2212g,収率95
%)として得た。得られた反応混合物をジエチルエーテ
ル5000gに溶解し、β−プロピオラクトン824g
(11.4モル)を室温で添加し、一昼夜室温で反応さ
せた。得られた溶液を減圧濃縮し、N−トリメチレンカ
ルボベタイン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴ
ム状固体(2300g,収率88%)として得た。得ら
れた共重合体のシリコーンセグメントの含有率は30
%、重量平均分子量は163,000であった。
【0068】実施例9 硫酸ジエチル3.56g(0.023モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン43.5g(0.
277モル)を脱水した酢酸エチル94.2gに溶解
し、窒素雰囲気下6時間加熱還流し、末端反応性ポリ
(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖
1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子
量110,000,アミン当量20,800)400g
(アミノ基にして0.0192gモル)の50%酢酸エ
チルを一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合
物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチルシ
ロキサン共重合体を淡黄色固体(425g,収率95
%)として得た。得られた反応混合物をジエチルエーテ
ル1000gに溶解し、β−プロピオラクトン23.9
g(0.332モル)を室温で添加し、一昼夜室温で反
応させた。得られた溶液を減圧濃縮し、N−トリメチレ
ンカルボベタイン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄
色ゴム状固体(412g,収率91%)として得た。得
られた共重合体のシリコーンセグメントの含有率は88
%、重量平均分子量は139,000であった。
【0069】実施例10 トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート37.
6g(0.198モル)と1−(2−カルボエトキシエ
チル)アゼチジン1498.2g(9.53モル)を脱
水したテトラヒドロフラン3058gに溶解し、窒素雰
囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−トリ
メチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノ
プロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量110,
000,アミン当量4,840)800g(アミノ基に
して0.165gモル)の50%テトラヒドロフラン溶
液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合物
を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチルシロ
キサン共重合体を淡黄色固体(2,212g,収率95
%)として得た。得られた反応混合物をジエチルエーテ
ル5000gに溶解し、γ−ブチロラクトン981.4
g(11.4モル)を室温で添加し、一昼夜室温で反応
させた。得られた溶液を減圧濃縮し、N−トリメチレン
カルボベタイン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色
ゴム状固体(2454g,収率90%)として得た。得
られた共重合体のシリコーンセグメントの含有率は30
%、重量平均分子量は143,000であった。
【0070】実施例11 トリフルオロメタンスルホン酸3.45g(0.023
モル)と1−(2−カルボエトキシエチル)アゼチジン
43.5g(0.277モル)を脱水したジイソプロピ
ルエーテル94.2gに溶解し、窒素雰囲気下6時間加
熱還流し、末端反応性ポリ(N−トリメチレンイミン)
を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリ
ジメチルシロキサン(分子量110,000,アミン当
量20,800)400g(アミノ基にして0.019
2gモル)の50%ジイソプロピルエーテル溶液を一括
して加え、12時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃
縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチルシロキサン共
重合体を淡黄色固体(425g,収率95%)として得
た。得られた反応混合物をジエチルエーテル1000g
に溶解し、ε−カプロラクトン37.9g(0.332
モル)を室温で添加し、一昼夜室温で反応させた。得ら
れた溶液を減圧濃縮し、N−トリメチレンカルボベタイ
ン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体
(416g,収率90%)として得た。得られた共重合
体のシリコーンセグメントの含有率は86%、重量平均
分子量は145,000であった。
【0071】実施例12 硫酸ジエチル30.6g(0.198モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン1498.2g
(9.53モル)を脱水した酢酸エチル3058gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量110,000,アミン当量4,840)800g
(アミノ基にして0.165gモル)の50%酢酸エチ
ル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混
合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチル
シロキサン共重合体を淡黄色固体(2212g,収率9
5%)として得た。得られた反応混合物のアセトン50
00gに溶解し、臭化エチル1246.2g(11.4
4モル)添加し、加熱還流下24時間反応させた。反応
混合物を減圧濃縮し、メタノール5000gに分散し、
2N水酸化カリウムメタノール溶液5,000gを添加
し、80℃にて6時間加熱を行った。得られた溶液を減
圧濃縮し、クロロホルムに溶解し水で洗浄後、減圧濃縮
し、N−トリメチレンカルボベタイン−ジメチルシロキ
サン共重合体を淡黄色ゴム状固体(1800g,収率8
8%)として得た。得られた共重合体のシリコーンセグ
メントの含有率は39%、重量平均分子量は135,0
00であった。また、溶媒としてメタノールを使用した
塩酸による中和滴定の結果、アミノ酸が残存していない
ことがわかった。
【0072】実施例13 硫酸ジエチル3.56g(0.023モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン43.5g(0.
277モル)を脱水した酢酸エチル94.2gに溶解
し、窒素雰囲気下6時間加熱還流し、末端反応性ポリ
(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖
1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子
量110,000,アミン当量20,800)400g
(アミノ基にして0.0192gモル)の50%酢酸エ
チルを一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合
物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチルシ
ロキサン共重合体を淡黄色固体(425g,収率95
%)として得た。得られた反応混合物のアセトン1,0
00gに溶解し、臭化エチル25.2g(0.231モ
ル)添加し、加熱還流下24時間反応させた。反応混合
物を減圧濃縮し、メタノール1,000gに分散し、2
N水酸化カリウムメタノール溶液150gを添加し、8
0℃にて6時間加熱を行った。得られた溶液を減圧濃縮
し、クロロホルムに溶解し水で洗浄後、減圧濃縮し、N
−トリメチレンカルボベタイン−ジメチルシロキサン共
重合体を淡黄色ゴム状固体(384g,収率88%)と
して得た。得られた共重合体のシリコーンセグメントの
含有率は92%、重量平均分子量は155,000であ
った。
【0073】実施例14 硫酸ジエチル30.6g(0.199モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン1498.2g
(9.53モル)を脱水した酢酸エチル3058gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量110,000,アミン当量4,840)800g
(アミノ基にして0.165gモル)の50%酢酸エチ
ル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混
合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチル
シロキサン共重合体を淡黄色固体(2212g,収率9
5%)として得た。得られた反応混合物をアセトン50
00gに溶解し、臭化ヘキシル1888.5g(11.
44モル)を添加し、加熱還流下24時間反応させた。
反応混合物を減圧濃縮し、メタノール5000gに分散
し、2N水酸化カリウムメタノール溶液5000gを添
加し、80℃にて6時間加熱を行った。得られた溶液を
減圧濃縮し、クロロホルムに溶解し水で洗浄後、減圧濃
縮し、N−トリメチレンカルボベタイン−ジメチルシロ
キサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(1940g,収率
78%)として得た。得られた共重合体のシリコーンセ
グメントの含有率は32%、重量平均分子量は168,
000であった。
【0074】実施例15 硫酸ジエチル3.56g(0.023モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン43.5g(0.
277モル)を脱水した酢酸エチル94.2gに溶解
し、窒素雰囲気下6時間加熱還流し、末端反応性ポリ
(N−トリメチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖
1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子
量110,000,アミン当量20,800)400g
(アミノ基にして0.0192gモル)の50%酢酸エ
チル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応
混合物を減圧濃縮し、N−トリメチレンイミン−ジメチ
ルシロキサン共重合体を淡黄色固体(425g,収率9
5%)として得た。得られた反応混合物をアセトン10
00gに溶解し、臭化ヘキシル38.1g(0.231
モル)を添加し、加熱還流下24時間反応させた。反応
混合物を減圧濃縮し、メタノール1000gに分散し、
2N水酸化カリウムメタノール溶液150gを添加し、
80℃にて6時間加熱を行った。得られた溶液を減圧濃
縮し、クロロホルムに溶解し水で洗浄後、減圧濃縮し、
N−トリメチレンカルボベタイン−ジメチルシロキサン
共重合体を淡黄色ゴム状固体(364g,収率81%)
として得た。得られた共重合体のシリコーンセグメント
の含有率は89%、重量平均分子量は159,000で
あった。
【0075】比較例1(特公昭63−16418号公報
記載の化合物の合成) オートクレーブ中、平均組成
【0076】
【化14】
【0077】を有するシロキサン236.6g(0.0
1モル)とジエチルアミン72g(1モル)を攪拌下に
5時間、120℃で反応させた。得られた黄色粘稠生成
物から過剰のアミンを除去し、これにクロル酢酸ナトリ
ウム58.3g(0.5モル)、イソプロピルアルコー
ル400g及び水200gを加え、再びオートクレーブ
中で攪拌しながら8時間、120℃に加熱した。得られ
た溶液を減圧濃縮し、クロロホルムに溶解し、水で洗浄
後、減圧濃縮したところ、平均組成
【0078】
【化15】
【0079】の淡黄色粘稠溶液を得た。
【0080】試験例2 実施例6〜15及び比較例1で合成したオルガノポリシ
ロキサン並びに市販シリコーンエラストマーの各種溶媒
に対する溶解性を試験し、結果を表2に示した。
【0081】(試験方法)各オルガノポリシロキサン1
gにエタノール4gを加え、室温で激しく振とうした後
に水を16g加えて振り混ぜた。また、各オルガノポリ
シロキサン1gにエタノール又はイソプロピルアルコー
ル20gを加えて室温で激しく振とうした。評価は目視
により、以下の基準で行った。
【0082】(評価基準) ○:透明で均一な溶液 △:半透明で分散液 ×:溶解せず分離
【0083】(結果)下記の表2に示す結果より明らか
なように、本発明品はいずれも良好な溶解性を示す。
【0084】
【表2】
【0085】試験例3 実施例6〜15及び比較例1で合成したオルガノポリシ
ロキサンの力学的性質について試験し、その結果を表3
に示した。
【0086】(試験方法) ・ヤング率,破断強度及び破断点伸度:エタノール溶液
から成膜し、乾燥して得た長さ20mm、巾10mm、厚さ
0.6mmのフィルムを使用し、クロスヘッド速度50mm
/分で引張り試験を行うことにより求めた。ヤング率は
最大点応力の30%の応力における値として求めた。 ・回復限界伸度:変形後、応力を取り除いたとき、元の
試料長に戻り得る最大のひずみとして求めた。
【0087】(結果)下記の表3に示す結果より明らか
なように、本発明品はいずれも良好なゴム弾性を示す。
【0088】
【表3】
【0089】試験例4 実施例6〜15及び比較例1で得られたオルガノポリシ
ロキサン並びに市販シリコーンエラストマーについて、
ソープフリーにおける乳化性を試験し、その結果を表4
に示した。
【0090】(試験方法)各オルガノポリシロキサンを
エタノールに溶解して濃度約10%の溶液とし、ここに
エタノールの5倍重量の水を加えて均一に混合した後、
20mmHgの圧力下で穏やかに加熱して濃縮した。系内の
オルガノポリシロキサンの濃度が所定の濃度(10%か
ら30%)となったところで濃縮を止め、得られた水分
散液(転相乳化液)の状態を評価した。
【0091】(結果)下記の表4に示す結果より明らか
なように、本発明品はソープフリーでいずれも水に溶解
ないし安定に分散する。
【0092】
【表4】
【0093】
【発明の効果】本発明のポリ(N−トリメチレンイミ
ン)セグメントを有するオルガノポリシロキサンは、化
学的に安定でマイナス電荷をもつ物質との相互作用、金
属に対する配位性及び特異な配向性を有する表面形成能
がある。
【0094】また、本発明のポリ(N−トリメチレンカ
ルボベタイン)セグメントを有するオルガノポリシロキ
サンは、優れたゴム弾性を有することから、皮膚や毛髪
の働きに追随できるため流動、再付着、破断等を起すこ
となく長時間にわたり良好な造膜性及び感触を与える。
【0095】更にこれらのオルガノポリシロキサンはい
ずれも水、低級アルコール等に容易に溶解又は分散で
き、洗い落ちが良好で、しかも各種香粧品又は化粧品へ
の配合が容易である。一方、これらは、無毒性の溶媒に
溶解できることから、地球環境及び作業従事者に悪影響
を及ぼすような溶剤を必要とせず、樹脂の改質剤、表面
処理剤、シーリング剤、コーティング剤などにも好適に
使用される。
【0096】また、これら本発明のオルガノポリシロキ
サンは、安全性にほとんど問題のないN−置換アゼチジ
ンを原料として簡便かつ安価に製造できるため、その工
業的価値は極めて高い。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノポリシロキサンセグメントのケ
    イ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子含有連結基を
    介して、下記一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル
    基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又は
    アルコキシカルボニルアルキル基を示す。〕で表される
    繰り返し単位からなるポリ(N−トリメチレンイミン)
    セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであ
    って、オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−
    トリメチレンイミン)セグメントとの重量比が99/1
    〜30/70、重量平均分子量が800〜800,00
    0であるオルガノポリシロキサン。
  2. 【請求項2】 ヘテロ原子含有連結基が、下記式 【化2】 〔式中、X- は第四アンモニウム塩の陰イオン成分を示
    す。これらの基の炭素原子側にオルガノポリシロキサン
    セグメントのケイ素原子が結合し、ヘテロ原子側にポリ
    (トリメチレンイミン)セグメントのトリメチレン側が
    結合する。〕のいずれかで表されるものである請求項1
    記載のオルガノポリシロキサン。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2) 【化3】 〔式中、R2 は同一又は異なって、炭素数1〜5の飽和
    アルキル基又はフェニル基もしくは置換フェニル基を示
    し、R3 は下記式 【化4】 のいずれかで表される基を示し、R4 及びR5 はそれぞ
    れR2 又はR3 と同様の基を示し、pは5〜4,000
    の整数を示し、qは1〜300の整数を示す。〕で表さ
    れるオルガノポリシロキサンと、下記一般式(3) 【化5】 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル
    基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又は
    アルコキシカルボニルアルキル基を示す。〕で表される
    N−置換アゼチジンを開環重合して得られる末端反応性
    ポリ(N−トリメチレンイミン)とを反応させることを
    特徴とする請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサ
    ンの製造方法。
  4. 【請求項4】 オルガノポリシロキサンセグメントのケ
    イ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子含有連結基を
    介して、下記一般式(4) 【化6】 〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル
    基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又は
    アルコキシカルボニルアルキル基を示し、nは1〜5の
    数を示す。〕で表される繰り返し単位からなるポリ(N
    −トリメチレンカルボベタイン)セグメントが結合して
    なるオルガノポリシロキサンであって、オルガノポリシ
    ロキサンセグメントとポリ(N−トリメチレンカルボベ
    タイン)セグメントとの重量比が99/1〜25/7
    5、重量平均分子量が800〜800,000であるオ
    ルガノポリシロキサン。
  5. 【請求項5】 ヘテロ原子含有連結基が、下記式 【化7】 〔式中、X- は第四アンモニウム塩の陰イオン成分を示
    す。これらの基の炭素原子側にオルガノポリシロキサン
    セグメントのケイ素原子が結合し、ヘテロ原子側にポリ
    (トリメチレンカルボベタイン)セグメントのトリメチ
    レン側が結合する。〕のいずれかで表されるものである
    請求項4記載のオルガノポリシロキサン。
  6. 【請求項6】 オルガノポリシロキサンセグメントとポ
    リ(N−トリメチレンカルボベタイン)セグメントとの
    重量比が92/8〜30/70、重量平均分子量が5
    0,000〜300,000であり、かつ水又は低級ア
    ルコールに溶解又は安定に分散可能なゴム弾性体である
    請求項4又は5記載のオルガノポリシロキサン。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載のオルガノポリシロ
    キサンにクロル酢酸ナトリウム又は炭素数3〜6のラク
    トンを反応させることを特徴とする請求項4〜6のいず
    れかに記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(1)におけるR1 がアルキル基
    の炭素数が1〜5であるアルコキシカルボニルアルキル
    基である請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサン
    に、炭素数1〜22のアルキルハライド、シクロアルキ
    ルハライド、アラルキルハライド又はアリールハライド
    を反応させて4級化した後、塩基性条件下、アルコキシ
    カルボニルアルキル基の加水分解反応を行うことを特徴
    とする請求項4〜6のいずれかに記載のオルガノポリシ
    ロキサンの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005510618A (ja) * 2001-11-28 2005-04-21 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 異方導電性接着性フィルム、その製造方法、および半導体装置
JP2009543893A (ja) * 2006-07-14 2009-12-10 チバ ホールディング インコーポレーテッド ポリシロキサン抗菌剤
US8268975B2 (en) 2009-04-03 2012-09-18 Dow Agrosciences Llc Demulsification compositions, systems and methods for demulsifying and separating aqueous emulsions
JP2019073635A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 信越化学工業株式会社 シリカ被覆シリコーンエラストマー球状粒子の製造方法及びシリカ被覆シリコーンエラストマー球状粒子

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