JP3995115B2 - 新規シリコーン誘導体、その製造方法および用途 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規シリコーン誘導体、その製造方法ならびにその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン油は、耐熱性、潤滑性、溌水性、光沢付与性、防曇性、帯電防止性、離型性、耐腐蝕性、化学安定性、安全性にすぐれた性質を有し、これらの性質を利用して従来より繊維処理剤、離型剤、溌水剤、樹脂改質剤、塗料添加剤、電気絶縁剤、熱媒、グリース・コンパウンド、機械用オイル、整泡剤、消泡剤などの各種工業用品、医薬品、化粧品をはじめとする広い分野において組成物の基剤として使用されている。
なかでも化粧品、医薬品分野においては、シリコーン油は、その安全性から医療、化粧品の基剤として用いられている。この基剤であるシリコーン油としては、通常室温における粘度が100cs以下の低粘度のシリコーン油がその優れた伸展性、さっぱり感及び高い安全性から多く使用されているものである。しかしこのシリコーン油を基剤として例えばぺースト状、グリース状のシリコーン組成物を調製する場合には、単一な系でなめらかで均一な組成物が得られ難く、また得られる組成物から低粘度のシリコーン油が分離、排出されやすく安定性の低いものになるという問題があった。
そして、上記の低粘度のシリコーン油の問題点を改善するために、増粘剤としてデキストリンの脂肪酸エステルを使用する方法(特開昭62-121764号、特開昭62-143970号、特開昭62-143971号、特開昭63-159489号 公報参照)、蔗糖の脂肪酸エステルを使用する方法(特開昭63-235366号 公報参照)、トリメチルシリル化ポリビニルアルコールやトリメチルシリル化多糖類を使用する方法(特開昭62-240335号 公報参照)、脂肪酸エステル基含有セルロースエーテルとするもの(特開昭63-260955号 公報参照)などのような有機系材料や、有機変性粘度鉱物とするもの(特開昭62-45656号、特開昭62-54759号、特開昭63-72779号 公報参照)などの無機系材料を使用することが提案されているが、これらの有機系、無機系材料を増粘剤として用いると低粘度シリコーンが本来有するさっぱり感、伸展性などの特性が減退するという問題が生じるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
更に、最近特定の重合度を有するシリコーンを部分架橋して得られた化合物を増粘剤として低粘度のシリコーン油とせん断力下で処理することにより、均一なペ−スト状シリコーン組成物を得る方法が提案されている(特開平2-43263号、特開平5-140320号 公報参照)が、これは、ペ−スト状シリコーンを得るのに強いせん断力を有するボールミル、三本ロールミル、コロイドミルなどのミキサーを用いなければならず、調製に手間がかかることや、得られる組成物の粘度が高く、組成物の配合量に制約を生じることなど好ましいものではなく、より単純な配合で100cs以下の低分子シリコーンの本来持つ感触をそこなわずにゲル化および増粘できる基材が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実状において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、アミノ変性シリコーンのアミノ基にトリアジン化合物またはピリミジン化合物を化学結合させた新規シリコーン誘導体がシリコーンオイルおよび/または液状油を簡単にまた安定にゲル化又は増粘できることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、
1.アミノ変性シリコーンのアミノ基に結合したトリアジニル基またはピリミジニル基を有することを特徴とする、トリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体であり、シリコーンオイルとトリアジンまたはピリミジンが結合した誘導体、
2.一般式(1)で表される化学結合を有することを特徴とするトリアジニル基またはピリミジニル基含有シリコーン誘導体であり、トリアジニル基またはピリミジニル基とシリコーンオイルが一般式(1)で表わされる化学結合により結合しているものはその原料の如何によらず全て含まれるシリコーン誘導体
【0005】
【化11】
【0006】
(式中、Rは水素、又は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一あるいは異なっていてもよい。
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。
aは2以上400以下の整数を示す。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素であり、炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。)、
3.一般式(2)で表される上記1記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体
【0007】
【化12】
【0008】
(式中、Rは水素、又は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一あるいは異なっていてもよい。
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。
aは2以上400以下の整数を示す。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素である。
pはトリアジンの場合1〜3の整数、又はピリミジンの場合1〜4の整数
pが1もしくは2のとき(トリアジン)、又は1、2もしくは3のとき(ピリミジン)、トリアジン環またはピリミジン環の残余の炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。)であって、片末端アミノ変性シリコーンオイルの片方の末端部でトリアジン環またはピリミジン環に結合した誘導体であり、同一のトリアジン環またはピリミジン環上の炭素原子1〜4箇所に片末端アミノ変性シリコーンオイルが結合したアミノ変性シリコーン誘導体、
4.一般式(3)で表される上記1記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体
【0009】
【化13】
【0010】
(式中、Rは水素、又は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一あるいは異なっていてもよい。
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。
aは2以上400以下の整数を示す。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素である。
qは0〜10の整数を示す。
pはトリアジンの場合1〜3の整数、又はピリミジンの場合1〜4の整数
pが1もしくは2のとき(トリアジン)、又は1、2もしくは3のとき(ピリミジン)、トリアジン環またはピリミジン環の残余の炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。
(i)q=1〜10のとき、A1、A2は
一般式(4)
【0011】
【化14】
【0012】
(式中、R、m、n、h、a、Yは上記と同義である。
A1’、A2’は水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を示す。)で表わされるか;
一般式(5)
【0013】
【化15】
【0014】
(式中、R、m、n、h、aは上記と同義である。)で表わされるか;
または
水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を示す。
(ii)q=0のとき、一般式(3)は一般式(6)
【0015】
【化16】
【0016】
で表わされるものである。)であり、両末端アミノ変性シリコーンオイルの両方の末端部でトリアジン環上の炭素原子1〜3箇所またはピリミジン環上の炭素原子1〜4箇所に結合した誘導体は全て含まれ、その2〜10回の繰り返し構造も含まれ、その繰り返し構造には直鎖、分岐および/または網目構造も含まれ、または両末端アミノ変性シリコーンオイルの片方の末端部はトリアジニル基またはピリミジニル基と結合しないでアミノ基または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたアミノ基であってもよいシリコーン誘導体、
5.側鎖アミノ変性シリコーンと反応性基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物とを反応させて得られる、一般式(7)で表される化学結合を有する上記1記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体
【0017】
【化17】
【0018】
(式中、Rは水素、又は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一あるいは異なっていてもよい。
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示し、Xは水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、または側鎖アミノ変性シリコーンのアミノ基である。
a、bは1以上、dは0以上、a+b+dは400以下の整数を示す。a,b,dはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素であり、炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。)、
6.アミノ変性シリコーンオイルと反応性基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物とを反応させることを特徴とする、上記1記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体の製造法、
7.アミノ変性シリコーンオイルが下記一般式(8)
【0019】
【化18】
【0020】
〔式中、Rは水素、または炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一または異なっていてもよい。B、B’、B”の少なくとも一つは一般式(9)で表される基であり、a、bはそれぞれ1以上の数であり、a+bの合計は400以下の数を示す。a,bはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。〕で表されるものであり、
【0021】
【化19】
【0022】
(式中R’は水素、または炭素数1〜8の直鎖、分岐もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一または異なっていてもよい。m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。)
反応性基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物が下記一般式(10)
【0023】
【化20】
【0024】
〔式中、X1、X2、X3の少なくとも1つはハロゲンを示し、残りは、水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を示す。Yは、その少なくとも2つは窒素であり他は炭素を示し、炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。〕で表されるものである、上記6記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体の製造方法、
8.上記1、2、3、4または5記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有シリコーン誘導体からなるゲル化剤、
9.上記1、2、3、4または5記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有シリコーン誘導体とシリコーンオイルおよび/または液状油からなる組成物、および
10.上記1、2、3、4または5記載のトリアジニル基またはピリミジニル基含有シリコーン誘導体からなる基剤、
に関するものである。
【0025】
以下本発明について詳述する。
本発明の新規シリコーン誘導体の製造に当っては、その原料としてアミノ変性シリコーンオイルと反応性基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物を反応させる方法以外に、その反応性基の関係が逆転しているシリコーンオイルにハロゲン等の反応性基を有する反応性基変性シリコーンとアミノ基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物を反応させる方法が採用でき、これが本発明では一般式(1)で示される結合を有する化合物全体を示すとする所以である。しかしながら、前者の製造法におけるヘテロ環上のハロゲン等の反応性基の反応性の方が強いことから、一般には前者が用いられることが多い。以下、前者の場合を主に説明するが、後者の場合も同様に行なうことができるものである。本発明の新規シリコーン誘導体を製造するための原料として、まずアミノ変性シリコーンを用いる場合を説明すると、そのアミノ変性部位は側鎖、片末端、両末端の何れでも良く、アミノ基の数、位置等に制限されるものではない。
これらのアミノ変性シリコーンは下記一般式(11)
【0026】
【化21】
【0027】
〔式中、Rは水素、炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一あるいは異なっていてもよい。B、B’、B”の少なくとも一つは一般式(12)で表される基であり、
【0028】
【化22】
【0029】
(式中R’は水素、または炭素数1〜8の直鎖、分岐もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一または異なっていてもよい。m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。)
B、B’、B”の残りは炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示す。
a、bはそれぞれ1以上の数であり、a+bの合計は400以下の数を示す。a、bはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。〕で示される。
これらは具体的には、片末端アミノ変性シリコーンとして下記一般式(13)で示されるもの
【0030】
【化23】
【0031】
〔式中、Rは水素または炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一または異なっていてもよい。Bは一般式(12)で表わされる基を示し、a、bはそれぞれ1以上の数であり、a+bの合計は400以下の数を示す。a、bはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。〕、
両末端アミノ変性シリコーンとして下記一般式(14)で示されるもの
【0032】
【化24】
【0033】
〔式中、Rは水素または炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一または異なっていてもよい。B、B”は一般式(12)で表わされる基を示し、a、bはそれぞれ1以上の数であり、a+bの合計は400以下の数を示す。a、bはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。〕、
側鎖アミノシリコーンとして下記一般式(15)で示されるもの
【0034】
【化25】
【0035】
〔式中、Rは水素または炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を示し、全て同一または異なっていてもよい。B’は一般式(12)で表わされる基を示し、a、bはそれぞれ1以上の数であり、a+bの合計は400以下の数を示す。a、bはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。〕、
が挙げられる。
【0036】
本発明で用いられるアミノシリコーン誘導体である一般式(13),(14),(15)の化合物において、Rで示される炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基やオクチル基等の直鎖炭化水素基、イソプロピル基、イソヘキシル基等の分岐炭化水素基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基等が挙げられるが、これらの炭化水素基はハロゲン等で置換されていてもよく、その例としては3,3,3−トリフルオロプロピル基などがある。中でもメチル基、フェニル基が好ましく、特に好ましいのはメチル基である。
又、一般式(13),(14),(15)で表わされる化合物において、変性シリコーン分子中のジオルガノシロキシ基の数(a+b)については、2〜400であり、好ましくは10〜300、更に好ましくは40〜150である。
本発明で用いられるアミノ変性シリコーンの具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0037】
【化26】
【0038】
【化27】
【0039】
【化28】
【0040】
これらアミノ変性シリコーンの分子量は100〜30,000、好ましくは1,000〜20,000、更に好ましくは3,000〜10,000である。
アミノ変性シリコーンとの反応に用いられる反応性官能基を有するトリアジン化合物およびピリミジン化合物は下記一般式(10)
【0041】
【化29】
【0042】
〔式中、X1、X2、X3の少なくとも1つはハロゲンを示し、残りは、水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基を示す。Yは、その少なくとも2つは窒素であり他は炭素を示し、炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。〕で表される。
これらのトリアジン化合物またはピリミジン化合物における反応性基としては、アミノ変性シリコーンのアミノ基と反応する基であれば何でもよく、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンが挙げられる。またトリアジン骨格における置換基X1、X2も何でもよいが、例えば、水素原子、水酸基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基等が挙げられる。ここでアルキル基で置換されていてもよいアミノ基におけるアルキル基としては炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基が挙げられ、アルキル置換アミノ基の具体例としてはエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノなどが挙げられる。またカルボキシル基はそのアルカリ塩やアルカリ土類金属塩等の塩をも包含し、その具体例としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル等の直鎖のものや、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル等の分岐のものが、また環状のアルキル基の例としてはシクロヘキシル等が挙げられる。炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンタオキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
これらトリアジン化合物の具体例としては、
塩化シアヌル、
2−クロロ−4,6−ビス(メチルアミノ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン(シマジン)、
2−クロロ−4,6−ビス(プロピルアミノ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(ブチルアミノ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(アミルアミノ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4−メチルアミノ−6−エチルアミノ−S−トリアジン、
2−クロロ−4−メチルアミノ−6−プロピルアミノ−S−トリアジン、
2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−S−トリアジン:(アトラジン)、
2−クロロ−4−エチルアミノ−6−プロピルアミノ−S−トリアジン、
2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソブチルアミノ−S−トリアジン、
2−クロロ−4−プロピルアミノ−6−イソプロピルアミノ−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(エトキシ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(メトキシ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(プロピオキシ)−S−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス(ブトキシ)−S−トリアジン、
等が挙げられる。
ピリミジン化合物の具体例としては、
2−クロロピリミジン、
2−クロロ−4,6−ジメチル−ピリミジン、
2−クロロ−4−(ジメチルアミノ)−ピリミジン、
2,5−ジクロロ−4−メトキシ−6−トリクロロメチルピリミジン、
2,4,5,6−テトラクロロピリミジン、
等が挙げられる。
【0043】
一方、本発明の新規シリコーン誘導体を製造するための原料として、前記アミノ変性シリコーンと反応性基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物を反応させる以外に、反応性基を有するシリコーンとアミノ基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物を反応させることによっても製造することができる。反応性基含有シリコーンを用いる場合、反応性基としてはハロゲンが代表的なものであり、ハロゲン変性シリコーンとしてはたとえばクロル変性シリコーンオイル、フルオロ変性シリコーンオイルが挙げられる。このハロゲン変性シリコーンオイルと反応させるアミノ基を有するトリアジン化合物としては、たとえば2,4,6−トリアミノ−s−トリアジン(メラミン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−エトキシ−s−トリアジンなどが挙げられ、アミノ基を有するピリミジン化合物としては、たとえば2−アミノ−ピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジンなどが挙げられる。
【0044】
これらのアミノ変性シリコーンとトリアジン化合物またはピリミジン化合物との反応、またはハロゲン変性シリコーンオイルとアミノ基を有するトリアジン化合物またはピリミジン化合物との反応における反応溶媒は両者が溶解するものであれば何れでも良く、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、四塩化炭素、クロロホルム、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等が用いられる。
反応はアミノ変性シリコーンオイルまたはハロゲン変性シリコーンオイルとトリアジン化合物、またはピリミジン化合物を反応溶媒に溶解し混合、必要によっては加熱、触媒を加える。
反応に当り反応温度は、室温以上、好ましくは70〜120℃、反応触媒は、ピリジン、アニリン、アルキルアミン等の塩基性化合物を用いることができる。
反応後は、必要に応じ未反応ハロゲン基を水、アルコール等で置換を行った後、脱溶媒、未反応物の除去を行い真空乾燥して、アミノ変性シリコーンオイルまたはハロゲン変性シリコーンオイルにトリアジニル基またはピリミジニル基が結合した新規シリコーン誘導体を得る。
【0045】
アミノ変性シリコーンとトリアジニル基またはピリミジニル基の結合比を変えることにより、ゲル強度、粘度等の物性を制御することができる。
例えば化粧品や医薬品に汎用される液状油またはシリコーンオイルに添加するとき、トリアジニル基またはピリミジニル基の二箇所にシリコーンオイルが導入された二置換体は固いゲルが形成され、一箇所にシリコーンオイルが導入された一置換体は柔らかいゲルが形成され、三箇所ともシリコーンオイルが導入された三置換体は弱いゲルかまたは増粘した流動性の液状のものが得られる。化粧品では、たとえばファンデーション、制汗スティック、マスカラ、口紅、リップクリームなどでは二置換体、クリーム、乳液、クリームファンデーションなど柔らかいゲルでは一置換体、また化粧オイル、液状ファンデーションなどでは三置換体など、また電気、電子部品のポッティング剤、ダンパー類などの振動吸収剤には固いゲルの二置換体、増粘剤、シーリング剤、顔料分散剤などでは三置換体を使用するなどその用途、使用目的に従って、一置換体、二置換体、三置換体のいずれかを選択して使用することが出来る。反応生成物にハロゲンが残っているものは皮膚に付いたときに刺激性を生じるので化粧品、医療品には適しておらず、上記のようにしてハロゲンを置換、除去することが好ましいが、他の溌水剤、電気、電子部品のポッティング剤、ダンパー類などの振動吸収剤等の用途においてはハロゲンを有するものも特に問題なく使用することができる。
原料アミノ変性シリコーンが、両末端アミノ変性シリコーンおよび側鎖アミノ変性シリコーンの場合、トリアジニル基またはピリミジニル基が両末端アミノ変性シリコーンまたは側鎖アミノ変性シリコーンのすべてのアミノ基に結合した化合物は分子内または分子間架橋により堅いゲルが出来るためと考えられるが液状油やシリコーン油に添加しても溶解しなかったり、出来たゲルが容易に離漿することがある。反応モル比を適当に調節することなどの方法で部分的にアミノ基が残るようにすることにより、水素結合によると推定できるが、可逆的な滑らかなゲルを形成させることが出来る。
たとえば1分子中に約40箇所でアミノ基を有する側鎖アミノ変性シリコーンの場合は、2ないし3箇所にトリアジニル基またはピリミジニル基を導入することにより、100cs以下のシリコーン油に添加した場合に均一で柔軟性に富む柔らかいゲルが得られるゲル化剤を得ることができる。
本発明の一般式(3)で示される、両末端アミノ変性シリコーンと反応性を有するトリアジン、ピリミジンとの反応により得られる化合物は、反応モル比、反応温度、反応時間、などの反応条件によって、流動性を示す物、増粘性を示す物からゲル状の物、さらにはゴム状の弾性体とすることができる。
例えば、柔らかいゲルを得たいときは反応時間を短くする、あるいは反応性基を持つトリアジン、ピリミジン化合物の量を減らして反応する、硬めのゲルを得たいときは反応時間を長くする、あるいは反応性基を持つトリアジン、ピリミジン化合物の量を多くするなどして、生成物のゲルの硬さを調節することができる。
またこれらの化合物は、一般式(3)においてqで表わされる重合度による分子量により粘度が変化し、分子量が大きくなるほど粘度が上がる。この他に重合の仕方による分子構造として、直鎖状の構造と架橋の構造があるが、直鎖構造の方が架橋構造に比べて物性的には柔らかくなり、例えばゲル状物では直鎖構造が多いと物性は柔軟でソフトなゲル状を呈するが、架橋構造が多いとゲルは硬くなり弾力性のあるゴム状となる。
具体的には以下のようになる。
生成物の主成分が一般式(3)におけるqが3以下のものであるとき、生成物は架橋構造が少なく直鎖構造が多く、シリコーンオイルに溶解し、増粘性を示す高粘性の物質から弱いゲル状までの化合物となる。
生成物の主成分が一般式(3)におけるqが5〜10のものであるときは、架橋構造は多くなり、物性は弱いゲル状物から硬いゴム状の物性を示すようになる。
生成物の主成分が一般式(3)におけるqが10を超えるものであるときは、化合物はほとんど架橋構造であり、さらに高分子の構造となるためゴム状の物性から樹脂状の物性を示すようになる。
本発明の一般式(7)で示される、側鎖アミノ変性シリコーンと反応性を有するトリアジン、ピリミジン化合物との反応により得られる化合物でも、両末端アミノ変性シリコーンと同様、これらの化合物は、(a+b+d)で表わされる重合度による分子量により、分子量が大きくなるほど粘度が上がり、また重合による分子構造として直鎖状の構造と架橋の構造では、直鎖構造の方が架橋構造に比べて物性的には柔らかくなり、例えばゲル状物では直鎖構造が多いと物性は柔軟でソフトなゲルを呈するが、架橋構造が多いとゲルは硬くなり弾性力の強いゴム状となる。
トリアジン化合物として塩化シアヌルを用いた場合、反応性基は三箇所あるためシリコーンの反応性基と最大三箇所での結合が可能であるが、これによって得られるシリコーンの構造は、2−クロロピリミジンなどの反応性基を一箇所持つ化合物に比べ、架橋構造となり易いため、得られる化合物は硬い物になる傾向にある。
またアミノ変性シリコーンの分子内にアミノ基が多いほど、反応する箇所が多くなるため得られる化合物は架橋構造を取り易く、硬い物性のものになり易い。このためアミノ基の少ないシリコーンを用いることにより、所望の硬さや物性となるシリコーン誘導体を得ることができる。
具体的な構造の例としては、側鎖アミノ変性シリコーンは、反応性基を2つ以上有するトリアジン、ピリミジン化合物を用いると分子間や分子内で架橋した構造を取り易く、硬い物性になり易い。これを回避するにはトリアジン、ピリミジン化合物の導入率を減らしたり、反応性基を1つ持つ2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジンなどのトリアジン化合物あるいは、2−クロロピリミジンなどのピリミジン化合物を用いることによって、適度なゲル物性の化合物を得ることができる。
側鎖アミノ変性シリコーンオイルのアミノ基は、その数が多いと得られるゲルが硬くなるため、適度な割合であることが好ましく、軟かいゲル状物を得るためには分子内に5以下が好ましい。
上記のように各種条件に応じて固いゲル、柔らかいゲル、液状のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体が得られるが、これらは上記の各種置換体同様、各々の用途に応じて選択することができる。
【0046】
本発明の新規トリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体を液状油またはシリコーンオイルに分散させ、必要なら加熱溶解後、冷却することによりゲル状組成物から粘性物質までを得る。
本発明のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体のシリコーンオイルへの添加量は、トリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノシリコーン誘導体の分子量等によって変り、分子量が高く粘度が高い程その添加量は少なくてすむが、分子量が低く粘度が低いものの場合は多量となり、この場合トリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノシリコーン誘導体そのものを基剤として用いることもできる。ゲル化剤として使用する場合は、本発明のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノシリコーン誘導体を、一般的には3重量%以上、好ましくは10重量%以上加えるものである。本発明におけるゲル化剤は基剤の粘度を上げると共に流動性をなくすいわゆるゲル化の他、基剤の粘度を上げるものの流動性を残しているいわゆる増粘剤をも包含するものである。
液状油は本発明のシリコーン誘導体と相溶性のオイルであればよく、イソパラフィンなどの炭化水素系オイル、エステル油などが挙げられ、シリコーンオイルは鎖状シリコーン、環状シリコーンやアミノ、カルボキシ、アルコール等の変性シリコーンなど、液状であれば何れでも用いることができる。
【0047】
【作用】
本発明のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノシリコーン誘導体は、それを低粘度シリコーンオイル、炭化水素系油剤、極性油剤等に溶解することによりゲル化または増粘性を付与し、このものを、化粧品、医薬品はもとより、各種工業用品の基剤として用いることができるほか、本発明のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノシリコーン誘導体そのものを化粧品、医薬品または各種工業用品の基剤として用いることができる。
化粧品や医薬品に汎用される例えば100cs以下の低粘度のシリコーンオイルを柔らかい均一なゲルとして使用する場合は、アミノ変性シリコーンのトリアジニル基またはピリミジニル基の主として一置換体を使用することにより、シリコーンオイルのさっぱり感を損なうことのないゲル状組成物が得られ、保形性の高い堅めの均一なゲルとして使用する場合は主として二置換体を用いる。また、先に述べたように、化粧品、医薬品の場合にはハロゲンを置換等により除去したものが好ましい。
各種工業用品としてはシリコーンオイルはその絶縁性や撥水性を利用した用途が考えられるが、そのゲル化剤としての用途、使用目的により種々選択して使い分けることができる。
本発明のトリアジニル基またはピリミジニル基含有アミノ変性シリコーン誘導体によるシリコーンオイルのゲル状組成物は、熱可逆性であり、このゲル状組成物にDMSOを加えると流動性の液になることから、このゲル化は主として水素結合によるものと推定される。
【0048】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
〔実施例1〕
ベンゼン20gに溶解させた側鎖アミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング製:BY16−849、MW約25000、アミノ当量600)3g(1.2×10-4モル)を予めベンゼン20gに溶解させておいた2−クロロピリミジン0.57g(5.0×10-3モル)と混合し、24時間環流下撹拌した。反応終了後、減圧下加熱し、溶媒を留去し、ピリミジニル基が結合した2−ピリミジニルオルガノポリシロキサンを得た。
〔実施例2〕
ベンゼン15gに溶解させた両末端アミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング製:BY16−853B、MW約4500、アミノ当量2250)30g(6.6×10-3モル)を予めベンゼン15gに溶解させておいた塩化シアヌル2.46g(13.3×10-3モル)と混合し、24時間室温で撹拌した。反応終了後、減圧下加熱し溶媒を留去した後、水洗浄をおこない、再度減圧下加熱し溶媒を留去し、主として両末端にトリアジニル基が結合したトリアジニルオルガノポリシロキサンを得た。この生成物は以下の核磁気共鳴スペクトルを示した。
【0049】
【表1】
【0050】
〔実施例3〕
1,4−ジオキサン50gに溶解させた側鎖アミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング製:BY16−849、MW約25000、アミノ当量600)3.1g(1.24×10-4モル)と予め1,4−ジオキサン50gに溶解させておいた2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン0.1g(4.95×10-4)を混合し、24時間沸点環流で撹拌した。反応終了後、減圧下加熱し溶媒を留去し、2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジニル基が、主として1分子の側鎖アミノシリコーンのアミノ基の一部に結合した2−〔4,6−ビス(エチルアミノ)〕−S−トリアジニルオルガノポリシロキサンを得た。この生成物は以下の核磁気共鳴スペクトルを示した。
【0051】
【表2】
【0052】
〔実施例4〕
1,4−ジオキサン150gに溶解させた両末端アミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング製:BY16−843B、MW約4500、アミノ当量2250)11.19g(2.48×10-3モル)と予め1,4−ジオキサン150gに溶解させておいた2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン1g(4.95×10-3)を混合し、90℃で撹拌しながら24時間環流した。反応終了後、減圧下、加熱し溶媒を留去し、両末端に2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジニル基が結合した2−〔4,6−ビス(エチルアミノ)〕−S−トリアジニルオルガノポリシロキサンを得た。このものは、高粘度ペースト状であった。
〔実施例5〕
ベンゼン20gに溶解させた塩化シアヌル0.22g(1.19×10-3)と片末端アミノ変性シリコーン(MW約4500)5g(1.11×10-3モル)を混合し、24時間撹拌した。反応終了後、減圧下で加熱し溶媒を留去し、主としてトリアジニル基にシリコーンが1本結合したトリアジニルオルガノポリシロキサンを得た。
〔実施例6〕
ベンゼン20gに溶解させた塩化シアヌル0.11g(0.59×10-3モル)と片末端アミノ変性シリコーンBX16−193、5.0g(1.11×10-3モル)を混合し、24時間撹拌した。反応終了後、減圧下で加熱し溶媒を留去し、主としてトリアジン化合物に、シリコーン鎖が2本結合した、トリアジニルオルガノポリシロキサンを得た。
〔実施例7〕
ベンゼン20gに溶解させた塩化シアヌル0.07g(0.37×10-3モル)と片末端アミノ変性シリコーンBX16−193、5.0g(1.11×10-3モル)を混合し、24時間撹拌した。反応終了後、減圧下で加熱し溶媒を留去し、主としてトリアジン化合物に、シリコーン鎖が3本結合した、トリアジニルオルガノポリシロキサンを得た。
〔実施例8〕
実施例1〜7で得られたアミノ変性シリコーン誘導体▲1▼〜▲7▼を各シリコーンに10wt%もしくは20wt%となるように加え、室温あるいは80℃で加熱撹拌溶解した。それぞれ室温で放置後、観察した。
実施例1〜7で得られた誘導体のシリコーンへのゲル化性、増粘性を以下に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
表3の実施例1,2,5,6,7で得られた各No1のゲルに対し等量のDMSOを加え撹拌したところ、溶液状となった。このことより、このゲルは主に水素結合によるものと推測された。
【0055】
【発明の効果】
本発明の新規シリコーン誘導体はアミノ変性シリコーンとトリアジン化合物またはピリミジン化合物から容易に合成することができ、シリコーンオイルを安定にかつ均一に増粘またはゲル化させることができ、そのゲル化物は熱可逆性であり、ゲル化物の製造が容易であると共に、得られたゲルも透明である。これはこのゲル化が主に水素結合によるものであるためと推定される。
Claims (2)
- 一般式(2)(3)又は(7)で表されるトリアジニル環またはピリミジニル環含有アミノ変性シリコーン誘導体と100cs以下の粘度のシリコーンオイルとを含有し、該アミノ変性シリコーン誘導体が該シリコーンオイルに対して3重量%以上である医薬品または化粧品用の基剤組成物。
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。
aは2以上400以下の整数を示す。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素である。
pはトリアジンの場合1〜3の整数、ピリミジンの場合1〜4の整数
pが1もしくは2のとき(トリアジン)、又は1、2もしくは3のとき(ピリミジン)、トリアジン環またはピリミジン環の残余の炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。)
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。
aは2以上400以下の整数を示す。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素である。
qは0〜10の整数を示す。
pはトリアジンの場合1〜3の整数、又はピリミジンの場合1〜4の整数
pが1もしくは2のとき(トリアジン)、又は1、2もしくは3のとき(ピリミジン)、トリアジン環またはピリミジン環の残余の炭素原子には水素原子の外、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基が結合してもよい。
(i)q=1〜10のとき、A1、A2は
一般式(4)
A1’、A2’は水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を示す。)で表わされるか;
一般式(5)
または
水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を示す。
(ii)q=0のとき、一般式(3)は一般式(6)
m、nは1〜6の整数を示し、hは0〜6の整数を示す。
a、bは1以上、dは0以上、a+b+dは400以下の整数を示す。a,b,dはその割合を示すものであり、配列順序を規定するものではない。
Yはその少なくとも2つが窒素であり、残りは炭素である。
Xは水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、または側鎖アミノ変性シリコーンのアミノ基である。) - トリアジニル環またはピリミジニル環含有アミノ変性シリコーン誘導体が100cs以下の粘度のシリコーンオイルに対して10重量%以上である請求項1記載の組成物。
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