JPH08217854A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH08217854A
JPH08217854A JP4508195A JP4508195A JPH08217854A JP H08217854 A JPH08217854 A JP H08217854A JP 4508195 A JP4508195 A JP 4508195A JP 4508195 A JP4508195 A JP 4508195A JP H08217854 A JPH08217854 A JP H08217854A
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彰浩 伊藤
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正裕 杉森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温での取扱い性、保存安定性が優れ、高い
接着強度を有する、ホットメルト法でのフィルム化が可
能な低温速硬化型フィルム状接着剤として有用なエポキ
シ樹脂組成物の提供。 【構成】 (A)ポリサルファイト骨格を有するエポキ
シ樹脂5〜40重量%、(B)熱可塑性エラストマー成
分を含有するエポキシ樹脂および/または架橋ゴム成分
を含有するエポキシ樹脂20〜70重量%、および
(C)軟化点が50℃以上の固形エポキシ樹脂10〜7
0重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、
(D)尿素系硬化剤2〜20重量部、および(E)40
℃で安定であり、80℃以下の温度で活性化し得る潜在
性硬化触媒3〜20重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂組成物に
関し、より詳しくは室温において非常に安定であり、か
つ取扱い性が良好で、高い接着強度を有し、低温速硬化
タイプのフィルム状接着剤として極めて有用なエポキシ
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム状接着剤は、2液型接着剤ある
いは1液型ペースト状接着剤と比較して取扱い性、接着
特性が優れていることから航空機分野、建材分野等のハ
ニカム材と面材などの接着に使用されている。
【0003】近年、従来の130℃の高温で硬化するフ
ィルム状接着剤では接着が困難であった、大型部材や耐
熱性の低い材料を接着するために、低温で接着が可能な
フィルム状接着剤の開発要求がある。
【0004】しかし、フィルム状接着剤は、取扱い性
(タック、流動性等)と硬化特性および貯蔵安定性の相
反する物性の両立が難しく、多岐にわたるユーザーの要
求にもかかわらず満足する材料が少ない。
【0005】このフィルム状接着剤に求められる硬化特
性と保存安定性および生産性の相反する特性の両立と
は、室温保存下、あるいは生産時のエポキシ樹脂組成物
を離型紙上に加熱塗布する際には反応がほとんど進行せ
ず、硬化温度では速やかに反応が進行するという性質で
ある。従って、低温で硬化接着が可能なフィルム状接着
剤は樹脂組成物の硬化温度と離型紙に塗工する温度の差
が必然的に小さくなり、上記特性の両立はより困難にな
ると考えられていた。
【0006】また、80℃付近の比較的低温で硬化する
材料において、フィルム状接着剤として取扱えるように
改善するため、高分子量のエポキシ樹脂を添加すると、
架橋密度の低減による耐熱性の低下を招くばかりか、硬
化温度でのモビリティの低下により反応性が低下し、十
分に硬化反応が進行せず接着強度が得られない。
【0007】一方、取扱い性を確保するため、樹脂に無
機系充填材およびゴム成分を添加する方法も一般的に行
なわれているが、前者は接着強度を低下させ、後者は取
扱い性が向上するものの、Tgが低下し被接着物の使用
温度が制限される。
【0008】したがって、これらの技術的課題が未解決
であったため、これまで100℃以下で硬化し、しかも
取扱い性、保存安定性、接着強度にも優れるフィルム状
接着剤はこれまで開発されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の技術
的課題を解決し、室温での取扱い性、保存安定性が優
れ、高い接着強度を有する、ホットメルト法でのフィル
ム化が可能な低温速硬化型フィルム状接着剤として用い
うるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、硬化剤の構成、
配合量を最適化するだけでなくベースとなるエポキシ樹
脂組成物の構成を工夫することにより、上記の目的が達
成されることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、(A)ポリサルファイ
ト骨格を有するエポキシ樹脂5〜40重量%、(B)熱
可塑性エラストマー成分を含有するエポキシ樹脂および
/または架橋ゴム成分を含有するエポキシ樹脂20〜7
0重量%、および(C)軟化点が50℃以上の固形エポ
キシ樹脂10〜70重量%からなる樹脂組成物100重
量部に対して、(D)尿素系硬化剤2〜20重量部、お
よび(E)40℃で安定であり、80℃以下の温度で活
性化し得る潜在性硬化触媒3〜20重量部を配合してな
ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物にある。
【0012】本発明のエポキシ樹脂組成物における重要
な構成要素の一つは(A)ポリサルファイト骨格を有す
るエポキシ樹脂と、(B)熱可塑性エラストマー成分を
含有するエポキシ樹脂および/または架橋ゴム成分を含
有するエポキシ樹脂とを併用することである。
【0013】すなわち、金属に対する接着力が強く、耐
薬品性および靭性に優れているが、単独ではフィルム状
接着剤として使用できないポリサルファイト骨格を有す
るエポキシ樹脂(A)とフィルム状接着剤としては使用
できるが、エラストマー成分または架橋ゴム成分の存在
による耐熱性の低い、熱可塑性エラストマー成分を含有
するエポキシ樹脂および/または架橋ゴム成分を含有す
るエポキシ樹脂(B)とをある特定の割合で併用するこ
とにより、室温での保存安定性に優れ、高い接着強度を
有し、しかも耐熱性の優れた低温速硬化性を有するエポ
キシ樹脂組成物が得られることを見い出した。
【0014】本発明の(A)成分であるポリサルファイ
ト骨格を有するエポキシ樹脂とは、下記の一般式(I)
で示されるような構造を有するエポキシ樹脂であるが必
ずしもこれらに限定されない。
【0015】
【化1】
【0016】上記一般式(I)におけるSの平均含有量
mは1〜3.5の範囲が好ましく、さらに好ましくは
1.5〜3の範囲である。またポリサルファイト骨格の
nは1〜70の範囲が好ましく、より好ましくは2〜5
0の範囲である。ポリサルファイト骨格のnが1未満で
あると通常のビスフェノール型エポキシと同等になり効
果が得られない。また、nが70を越えると耐熱性が低
下する。
【0017】上記一般式(I)で示されたようなポリサ
ルファイト骨格を有するエポキシ樹脂は、米国特許第
2,363,614号明細書に記載されているようにジ
シクロアルキルもしくはトリクロルアルキルなどを多硫
化ナトリウムと反応させることにより得られる固形ゴム
状ポリサルファイト重合体、もしくは米国特許第2,4
66,963号明細書および特開昭59−221333
号公報に記載されているようにゴム状ポリサルファイト
のラテックスを求核試薬と還元剤を組み合わせた液で処
理することにより得られる液状ポリサルファイトにエポ
キシ基を導入もしくはエポキシ樹脂と反応させることに
より得ることができる。
【0018】この反応に用いられるエポキシ樹脂は特に
限定されないが、ビスフェノールA型、ビスフェノール
F型、3官能および4官能エポキシ樹脂、ノボラック型
およびこれらの変性エポキシ樹脂等が挙げられるがこれ
らに限定されるものではない。
【0019】また、固形ビスフェノール型などのエポキ
シ樹脂とメルカプタン末端ポリサルファイト化合物等を
反応させることによっても得ることができる。
【0020】また、得られるエポキシ樹脂組成物に難燃
性を付与するために上記化合物の少なくとも1つの水素
をハロゲン化したものも使用できる。
【0021】このようなポリサルファイト骨格を有する
エポキシ樹脂は、市販されており、その例として東レチ
オコール(株)製のFLEP10,FLEP60等が挙
げられる。また、必要に応じて反応性希釈剤、カップリ
ング剤等を混合して用いてもよい。
【0022】本発明で用いられる(B)成分としては、
熱可塑性エラストマーまたは架橋ゴムをあらかじめエポ
キシ樹脂中に均一に分散させたものが使用される。
【0023】(B)成分の熱可塑性エラストマー成分を
含有するエポキシ樹脂における熱可塑性エラストマーと
は、エポキシ樹脂と反応し得る末端基を有するブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
系エラストマー等の非架橋の熱可塑性エラストマー成分
をエポキシ樹脂中に分散し反応させて得られるもので、
これらのエラストマー成分の末端基とエポキシ樹脂とが
部分的に反応していることが性能安定性の面から好まし
いが、これらに限定するものではない。
【0024】また、(B)成分の架橋ゴムを含有するエ
ポキシ樹脂とは、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム等
の架橋ゴム成分をエポキシ樹脂中に分散させた後、反応
して得られるもので、これらのゴム成分も上記の熱可塑
性エラストマー成分を含有するエポキシ樹脂と同様、末
端基とエポキシ樹脂とが部分的に反応していることが好
ましいが、これらに限定するものではない。
【0025】(B)成分の熱可塑性エラストマー成分ま
たは架橋ゴム成分と反応させるエポキシ樹脂は特に制限
はないが、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が取扱い性の
面から特に好ましい。
【0026】このような熱可塑性エラストマー成分また
は架橋ゴム成分を含有するエポキシ樹脂は、エポキシ樹
脂と反応し得る末端基を有する非架橋のエラストマー成
分もしくは架橋ゴム成分とエポキシ樹脂とを100〜1
80℃の温度で必要により触媒を添加して反応させるこ
とにより容易に得ることができる。
【0027】また、必要に応じてこれらのエラストマー
成分を有するエポキシ樹脂または架橋ゴム成分を含有す
るエポキシ樹脂をさらに予備反応することにより軟化点
が50℃以上の固体エポキシとして使用することもでき
る。
【0028】これら上記の樹脂は、市販のエポキシ樹脂
を使用することが可能であり、例えば、大日本インキ化
学工業(株)製のエピクロンTSR−960,エピクロ
ンTSR−930,エピクロンTSR−601、油化シ
ェルエポキシ(株)製のエピコートYL−6308,エ
ピコートYL−6347、日本触媒化学工業(株)製の
CX−MN201、および日本合成ゴム(株)製のXE
R,XER2等を例示することができる。
【0029】本発明においては、(B)成分として上記
の熱可塑性エラストマー成分を含有するエポキシ樹脂と
架橋ゴム成分を含有するエポキシ樹脂は、1種でまたは
2種以上を併用して用いることができるが、2種以上を
併用する方が硬化樹脂の靭性、接着特性の向上効果がよ
り顕著である。
【0030】この場合の熱可塑性エラストマー成分を含
有するエポキシ樹脂と架橋ゴム成分を含有するエポキシ
樹脂との配合割合は特に限定されないが、これらの混合
エポキシ樹脂中に含まれるエラストマー成分と架橋ゴム
成分の総量が全体のエポキシ樹脂成分の3〜20重量%
の範囲内にあることが好ましい。
【0031】本発明の(C)成分として用いられるエポ
キシ樹脂は、軟化点が50℃以上の固形のものが好まし
い。このようなエポキシ樹脂を用いることにより低温で
の硬化特性を犠牲にすることなくエポキシ樹脂組成物全
体の取扱い性と流動性をコントロールすることが可能と
なる。(C)成分のエポキシ樹脂の軟化点が50℃未満
であると得られるエポキシ樹脂の室温での取扱い性を適
度にコントロールすることが困難となる。
【0032】(C)成分として用いるエポキシ樹脂は1
種類で、または必要に応じて2種類以上を併用すること
ができる。その際、混合する全てのエポキシ樹脂の軟化
点が50℃以上である必要はなく、混合するエポキシ樹
脂中に軟化点が50℃未満のエポキシ樹脂が含まれてい
ても、(C)成分として用いるエポキシ樹脂組成物の軟
化点が50℃以上であれば差し支えない。
【0033】また、(C)成分全体のエポキシ当量は、
硬化性の面を考慮すると200〜5000g/eq.の
範囲が好ましい。特に好ましくはエポキシ当量が400
〜4000g/eq.の範囲である。
【0034】この(C)成分として使用可能なエポキシ
樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】特に好ましいエポキシ樹脂として以下の市
販のものを例示することができる。 大日本インキ化学工業(株)製:EXA−1514 (エポキシ当量=300g/eq.,軟化点=75℃) 大日本インキ化学工業(株)製:HP−4032H (エポキシ当量=250g/eq.,軟化点=70℃) 大日本インキ化学工業(株)製:エピクロン 152 (エポキシ当量=360g/eq.,軟化点=60℃) 大日本インキ化学工業(株)製:EXA−1857 (エポキシ当量=250g/eq.,軟化点=80℃) 日本化薬(株)製:EBPS−300 (エポキシ当量=260g/eq.,軟化点=65℃) 油化シェルエポキシ(株)製:エピコート1001 (エポキシ当量=450g/eq.,軟化点=64℃) 油化シェルエポキシ(株)製:エピコート1009 (エポキシ当量=3300g/eq.,軟化点=144
℃) 油化シェルエポキシ(株)製:E4001p (エポキシ当量=480g/eq.,軟化点=60℃)
【0036】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の
(A)、(B)および(C)の3成分を必須成分とする
ものであり、その比率は(A)成分が5〜40重量%、
(B)成分が20〜70重量%および(C)成分が10
〜70重量%である。(A)成分の量が5重量%未満で
は十分な接着性、靭性は得られず、40重量%を越える
と取扱い性が低下する。また、(B)成分の量が20重
量%未満では十分な接着強度が得られず、70重量%を
越えると接着強度の向上が望めないばかりではなく耐熱
性が低下する。さらに、(C)成分の量が10重量%未
満では樹脂組成物の取扱い性が悪く、70重量%を越え
ると樹脂組成物のモビリティが低下し80℃での硬化性
が悪化し、硬化しない場合がある。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
エポキシ樹脂成分として上記の(A),(B)および
(C)成分から構成されるが、取扱い性最適化など様々
な要求に答えるため、必要に応じてこの他のエポキシ樹
脂を全エポキシ樹脂に対して20重量%以下の範囲で併
用することができる。
【0038】この他のエポキシ樹脂としては、微妙なタ
ックの調製などに使用し、添加することにより本発明の
樹脂組成物の低温短時間で硬化し、高い接着強度を発現
するという特徴を損なうものでなければ特に限定はな
い。例えば、タックの最適化を図るために使用するエポ
キシ樹脂としては低粘度のビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルS型エポキシ樹脂やこれらを予備反応することにより
得られる半固形、固形エポキシ樹脂、およびこれらを変
性したエポキシ樹脂などが挙げられ、耐熱性を改善する
目的に添加されるエポキシ樹脂としてはグリシジルアミ
ン型などの多官能性エポキシ樹脂、芳香族系エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等があり、耐衝撃性を向
上させる目的に長鎖のアルキル系エポキシなどの添加が
有益である。この時添加するエポキシ樹脂に市販されて
いるエポキシ樹脂を使用してもなんら問題はない。
【0039】次に、本発明のエポキシ樹脂組成物におけ
る二つ目に重要な構成要素は、尿素系硬化剤(D)と4
0℃で安定で、かつ80℃以下の温度で活性化し得る潜
在性硬化触媒(E)とを併用して用いることである。
【0040】これは、単にエポキシ樹脂組成物を80℃
で硬化させるだけであれば、潜在性硬化触媒(E)を単
独で使用しても、エポキシ当量さえ十分に使用すれば可
能であるが、接着強度の点では十分な強度が得られな
い。それに対し、尿素系硬化剤(D)を併用した場合は
より少ない硬化剤使用量でも十分な接着強度が得られる
からである。
【0041】本発明で用いられる尿素系硬化剤(D)と
しては、下記の構造式(II)および(III) で示すものを
例示することができる。
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】また、40℃で安定で、かつ80℃以下の
温度で活性化し得る潜在性硬化触媒(E)としては、マ
イクロカプセル型、アミンダクト型などの潜在性硬化剤
のうち、40℃で安定で、80℃以下の温度で活性化し
得るものが用いられる。市販されている潜在性硬化剤で
これらの条件に単独でも合致するものとしては、例えば
味の素(株)製のPN−23、旭化成工業(株)製のH
X−3721,HX−3722、エー・シー・アール
(株)製のH3615,4003,4070等を例示す
ることができる。これらは1種で、または2種類以上を
併用して用いることができる。
【0045】これらの尿素系硬化剤(D)および潜在性
硬化触媒(E)の配合割合は、上記(A),(B)およ
び(C)成分からなるエポキシ樹脂100重量部に対し
て、尿素系硬化剤(D)が2〜20重量部、および潜在
性硬化触媒(E)が3〜20重量部である。
【0046】尿素系硬化剤(D)の配合割合が2重量
部、および潜在性硬化触媒(E)が3重量部に満たない
場合には、エポキシ樹脂の硬化反応が十分に進行せず、
所望の接着強度が得られない。一方、尿素系硬化剤
(D)および潜在性硬化触媒(E)の配合割合が共に2
0重量部を越えて使用しても硬化特性の向上は望めず、
保存安定性、接着強度が低下するようになる。好ましい
尿素系硬化剤(D)の配合割合は5〜15重量部、およ
び好ましい潜在性硬化触媒(E)の配合割合は5〜15
重量部である。
【0047】本発明においては、さらに上記のエポキシ
樹脂硬化剤系に助触媒を添加することができる。特に、
ビスフェノールタイプのアミン化合物は、上記の潜在性
硬化触媒との併用により硬化反応を促進することができ
る。助触媒のアミン化合物としては、メタフェニレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の
芳香族ジアミンが挙げられる。
【0048】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
上記の硬化剤系と、成分(A)のポリサルファイト骨格
を有するエポキシ樹脂および成分(B)の熱可塑性エラ
ストマー成分または架橋ゴム成分を含有するエポキシ樹
脂とを組み合わせてあるため、硬化剤の触媒性能をさら
に飛躍的に向上させる効果が得られる。
【0049】本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、上
記の成分以外に炭酸カルシウム、タルク等の充填剤、難
燃剤、顔料等を目的に応じて適宜使用することができ
る。また、フィルム状接着剤として使用する場合にキャ
リヤー材として使用するガラス、ポリエステル、ナイロ
ン等の不織布、織物材等を含有しても差し支えない。
【0050】以下、実施例および比較例により本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はそれらに限定される
ものではない。実施例および比較例中の「部」は「重量
部」を示す。
【0051】なお、実施例および比較例中、取扱い性
は、樹脂組成物をフィルム状とした時のトップフィルム
(保護フィルム)の解除が可能か否かで評価した(○:
良好、×:不良)。耐熱性は、樹脂組成物のMecha
nical ThermalAnalysis(Tan
δmax)で評価した。接着強度の評価は、JIS58
50(1976)「接着剤の引張剪断接着強さ試験法」
に準拠し、被着体にサンドブラスト処理を施したアルミ
ニウム板(A2024P−T3)を用いて行った。保存
安定性は、樹脂組成物を室温で放置した時、調製直後の
2倍の粘度となるまでの時間で評価した。以上の樹脂の
硬化条件は80℃×2時間とした。
【0052】また、実施例および比較例中で示す略記号
は、以下の化合物を表わす。 FLEP10:ポリサルファイト骨格を有するエポキシ
樹脂(東レチオコール(株)製) FLEP60:ポリサルファイト骨格を有するエポキシ
樹脂(東レチオコール(株)製) CX−MN201:架橋構造を有するアクリルゴムとビ
スフェノールA型固形エポキシ樹脂との反応物(架橋ゴ
ム含有量約16%,日本触媒化学工業(株)製)。 YL6308:スチレン−ブタジエン系エラストマーと
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂との反応物(エラ
ストマー含有量約10%、エピコートXL6308、油
化シェルエポキシ(株)製)。 YL6347:スチレン−ブタジエン系エラストマーと
ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂との反応物(エラ
ストマー含有量約10%、エピコートXL6347、油
化シェルエポキシ(株)製)。 XER:架橋構造を有するブタジエン系ゴムとビスフェ
ノールA型液状エポキシ樹脂との反応物(架橋ゴム含有
量約20%、日本合成ゴム(株)製)。 XER2:架橋構造を有するブタジエン系ゴムとビスフ
ェノールF型液状エポキシ樹脂との反応物(架橋ゴム含
有量約20%、日本合成ゴム(株)製)。 TSR960:カルボキシル基末端のブタジエン−アク
リロニトリル共重合体と液体エポキシ樹脂との反応物
(エラストマー含有量10%,エピクロン TSR−9
60、大日本インキ化学工業(株)製)。 Ep1001:固形エポキシ樹脂(エポキシ当量=48
0g/eq.,軟化点=70℃,エピコート1001、
油化シェルエポキシ(株)製)。 Ep1009:固形エポキシ樹脂(エポキシ当量=33
00g/eq.,軟化点=145℃,エピコート100
9、油化シェルエポキシ(株)製)。 E4001p:固形エポキシ樹脂(エポキシ当量=48
0g/eq.,軟化点=60℃、油化シェルエポキシ
(株)製)。 LS−120:固形エポキシ樹脂(エポキシ当量=33
5g/eq.,軟化点=77℃、大日本インキ化学工業
(株)製)。 EXA1514:ビスフェノールS型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量300g/eq.,軟化点=75℃,大日本
インキ化学工業(株)製)。 N740:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(半固
形エピクロンN740、大日本インキ化学工業(株)
製)。 Ep828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコ
ート828、油化シェルエポキシ(株)製)。 PDMU:3−フェニル−1,1−ジメチルウレア(オ
ミキュア94,ACIJapan Ltd.製)。 DCMU:3−(3,4−ジクロフェニル)−1,1−
ジメチルウレア(DCMU99、保土ケ谷化学工業
(株)製)。 PN−23:アミンアダクト型潜在性硬化剤(味の素
(株)製)。 HX−3722:マイクロカプセル型潜在性硬化剤(旭
化成工業(株)製)。 DDS:4,4’−ジアミノジフェニルサルフォン(S
EIKA&COMPANY,LTD.製)。 アエロジル:微粉末シリカ#300(日本アエロジル
(株)製)。
【0053】[実施例1](A)成分としてFLEP1
0を5部、(B)成分としてはCX−MN201を20
部、(C)成分として、Ep1001を40部およびE
p1009を20部、その他の成分としてEp828を
15部および添加剤としてアエロジルを2部用い、14
0℃で溶融混合した後、50℃まで冷却した。次いでP
DMUを10部、HX3722を10部およびDDSを
2部を加え、均一になるまで混合して本発明のエポキシ
樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物から厚み1
50μmのフィルムを作製し、これを目付20g/m2
のポリエチレン不織布に張り合わせてフィルム状の接着
剤とし、取扱い性、保存安定性、接着強度および耐熱性
の評価を行った。表1にそれらの評価結果を示す。
【0054】[実施例2〜12]使用するエポキシ樹脂
成分、硬化剤成分およびそれらの配合比率を表1に示す
ように変更して実施例1と同じ操作によりエポキシ樹脂
組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。評価結果
を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】[実施例13〜24]使用するエポキシ樹
脂成分、硬化剤成分およびそれらの配合比率を表2に示
すように変更して実施例1と同じ操作によりエポキシ樹
脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。評価結
果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】[比較例1〜12]使用するエポキシ樹脂
成分、硬化剤成分およびそれらの配合比率を表3に示す
ように変更して実施例1と同じ操作によりエポキシ樹脂
組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。評価結果
を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】比較例1〜3は、取扱い性が優れるもの
の、80℃×2時間の硬化条件では硬化しなかった。8
0℃で長時間加熱することにより樹脂が硬化し、ある程
度の接着強度は得られたが、樹脂が脆く、実用的な接着
耐久性が得られなかった。また、比較例4〜6は、室温
での取扱い性は非常に優れていたが、80℃では十分に
硬化が進行しなかった。さらに、比較例7〜12は、高
い接着強度が得られるものの、粘度が低いためトップフ
ィルムが剥げず、フィルム状接着剤として取り扱えなか
った。
【0061】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、低温で
短時間に硬化し、しかも室温での取扱い性と保存安定性
に優れ、高い接着強度を有するため、低温速硬化型フィ
ルム状接着剤等の用途に極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリサルファイト骨格を有するエ
    ポキシ樹脂5〜40重量%、 (B)熱可塑性エラストマー成分を含有するエポキシ樹
    脂および/または架橋ゴム成分を含有するエポキシ樹脂
    20〜70重量%、および (C)軟化点が50℃以上の固形エポキシ樹脂10〜7
    0重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、 (D)尿素系硬化剤2〜20重量部、および (E)40℃で安定であり、80℃以下の温度で活性化
    し得る潜在性硬化触媒3〜20重量部を配合してなるこ
    とを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013159695A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd エポキシ樹脂組成物とこれを用いたプリプレグ、該プリプレグから製造された繊維強化複合樹脂成形体。
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