JPH08217468A - 光学レンズの製造方法 - Google Patents

光学レンズの製造方法

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JPH08217468A
JPH08217468A JP2163295A JP2163295A JPH08217468A JP H08217468 A JPH08217468 A JP H08217468A JP 2163295 A JP2163295 A JP 2163295A JP 2163295 A JP2163295 A JP 2163295A JP H08217468 A JPH08217468 A JP H08217468A
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JP
Japan
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carbon film
film
preform
optical lens
carbon
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JP2163295A
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English (en)
Inventor
Tomoko Miyaura
智子 宮浦
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B40/00Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it
    • C03B40/02Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it by lubrication; Use of materials as release or lubricating compositions

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時の加熱においても組成が安定してお
り、成形型との融着を防止することのできる極めて薄い
炭素膜を、プリフォームをリヒートプレス法で成形する
前に、ガラスプリフォーム表面に形成する工程を経る光
学レンズの製造方法を提供すること。 【構成】 炭化水素ガスの熱分解により炭素膜をガラス
プリフォームの表面に形成し、その後該ガラスプリフォ
ームを成形することを特徴とするガラスレンズの製造方

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリヒートプレス法による
光学レンズの製造方法、特に型とプリフォームの融着の
ない光学レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学レンズの製造方法としてリヒートプ
レス法が注目され、現在主流となりつつある。リヒート
プレス法はプリフォームを柔らかくなる温度まで再加熱
して型により加圧成形する方法である。プリフォームと
は光学レンズの仕上り形状の基礎をなす形状を有するガ
ラス基板または素材であり、加圧成形は型の酸化防止の
ために非酸化性ガス雰囲気中で行われている。
【0003】リヒートプレス法では型とプリフォームの
融着をいかにうまく回避するかが技術の大きな要であ
る。型とプリフォームの融着を防止するための技術が例
えば特公平2−31012号公報あるいは特開平4−7
7321号公報等に開示されている。特公平2−310
12号公報にはガラスプリフォームと型との相互に対向
する両表面のうちの少なくとも一方の表面に一般的な真
空蒸着法、スパッタ法、イオンプレンーティング法によ
り厚さ50〜5000Åの炭素膜を形成し離型性をよく
し、プリフォーム成型後その炭素膜を酸化処理によって
除去する方法が開示されている。特開平4−77321
号公報にはプリフォーム表面に10〜50Åの透明度の
よい炭化水素膜(水素濃度:5〜60%)を形成し離型
膜とし、成型後もそのまま使用する技術が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公平2
−31012号公報に開示されているように、真空蒸着
法、スパッタ法、イオンプレーティング法でガラス表面
に炭素膜を形成すると、得られる薄膜は硬く伸びにく
く、ひび割れが生じレンズに傷が付き易い。そのため、
加圧成形によるガラスの変化量に制限があり、得ようと
するレンズによく似た形状のプリフォームを必要とする
煩わしさがあった。膜厚が50〜5000Åの厚みにも
なると上記現象がより顕著となりプリフォームの形状が
制限される問題がある。
【0005】さらにこれらの方法で得られる薄膜は密着
力が強く、除去するためには例えば高温で酸化処理する
必要があり、仕上がり形状に損傷を与える危険性があ
る。また完全に炭素薄膜を除去しておかないと後の工程
で反射防止膜等を作製するとき、付着力等が低下する問
題がある。
【0006】特開平4−77321号公報に開示されて
いるように10〜50Åの透明度のよい炭化水素膜(水
素濃度:5〜60%)を形成しその膜を最終的に得られ
るレンズの構成要素としてそのまま使用する場合でも、
10〜50Åの範囲で水素濃度の均一な炭化水素の薄膜
を得ることは技術的に困難であるばかりか、リヒートプ
レスすると、加熱により炭化水素膜が分解して水素が発
生し易い。水素発生により炭化水素膜は薄くなり組成が
不安定な膜となるため、その結果融着しやすくなる。水
素が発生すると透明度が低下するという問題もある。炭
素薄膜形成初期の状態を維持したままで最終製品の光学
レンズを得ることは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、成形時の加熱においても組成が
安定しており、成形型との融着を防止することのできる
極めて薄い炭素膜を、プリフォームをリヒートプレス法
で成形する前に、ガラスプリフォーム表面に形成する工
程を経る光学レンズの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は炭化水
素ガスの熱分解により炭素膜をガラスプリフォームの表
面に形成し、その後該ガラスプリフォームを成形するこ
とを特徴とするガラスレンズの製造方法に関する。
【0009】ガラスプリフォームとは光学レンズの仕上
り形状の基礎をなす形状を有するガラス基板または素材
をいい、その表面に炭化水素ガスの熱分解により炭素膜
を形成する。
【0010】本発明において形成する炭素膜は、例えば
アセチレン、エチレン、ブタン、エタン等の炭化水素ガ
スを、熱化学蒸着法(CVD)で10〜200Tor
r、好ましくは50〜200Torrの圧力で熱分解するこ
とにより形成される。
【0011】熱分解温度は炭化水素ガス種、アセチレ
ン、エチレン、ブタン、エタン等により異なるが一般に
は炭化水素ガスの熱分解温度より10〜300℃、好ま
しくは30〜150℃高い温度である。炭化水素の熱分
解温度とは真空中に炭化水素ガスを封入し、炭素と水素
に分解を開始する温度(重合温度)をいう。熱分解温度よ
り300℃より高い温度で熱分解を行うと反応が急激に
起こり、爆発の危険がある。また目的としているガラス
プリフォームが溶けてしまう。10℃より低い温度で熱
分解を行うと反応に時間がかかり効率が悪い。また、反
応が不十分で未反応の炭化水素が残る。
【0012】使用する炭化水素ガスは高純度(99.9
9%以上)のものを使用しなければならない。純度の低
いガス、例えば溶接用アセチレン、燃料用ブタン等を用
いると得られる炭素膜は膜中に微小な炭素粒が形成さ
れ、レンズ表面が荒れてしまい、光学レンズとしての鏡
面性を損ねてしまう。また一般的な真空蒸着法、プラズ
マCVD法、スパッタ法では本発明が有効とする極めて
薄い膜を均一に製作することは困難であり実用的ではな
い。
【0013】熱分解によると厚み10〜50Åの均一な
薄膜の形成が容易にできる。厚みの制御は熱分解温度、
炭化水素の圧力、反応時間を制御することにより行うこ
とができる。このような10〜50Åの厚みの熱分解炭
素膜は融着することもなく仕上がり形状に損傷を与える
危険性もない。膜厚が10Åより薄いと硝種、成形条件
によっては融着する場合がある。また膜厚が50Å〜1
00Å程度までは同様の効果が確認できるが、必要以上
の厚さの炭素膜を形成するのは材料費や時間の点でコス
トアップにつながるので、炭素膜の膜厚は50Å以下で
十分である。また50Åより厚い炭素膜を形成しても仕
上がり後炭素膜を除去する必要が生じる。より好ましい
膜厚は20〜40Åである。
【0014】炭化水素ガスの熱分解により得た炭素膜は
伸び易い特徴があり、炭素膜中の水素の含有量は5%未
満、好ましくは3%未満である。水素含有量が5%以上
であるとリヒートプレス時の加熱工程により、水素が膜
中からぬけ出して、膜組成が不安定な膜となり、さらに
膜厚も薄くなって融着しやすくなる。なお本発明におい
て水素含有量とは重量%(wt%)をいう。
【0015】本発明により表面に炭素膜が形成されたガ
ラスプリフォームをリヒートプレス法により軟化状態で
加圧成形することにより光学レンズを成形する。成形の
方法は従来からの方法を使用することができる。本発明
においてはガラスと成形型との間に極めて薄い安定な炭
素膜が介在しており、軟化状態のガラスと型との融着が
防止される。
【0016】本発明によりガラスプリフォーム表面に形
成された炭素膜はプリフォームとの密着性は弱く、例え
ば酸素プラズマアッシングなどで容易に除去できるが極
めて薄いのであえて除去せずとも後の洗浄等の工程で自
然に除去される。
【0017】
【実施例】本発明の実施装置を図1に示す。この装置は
加熱機構と真空排気系よりなる炭素膜製造装置であり、
一定量の原料ガスを充填して使用するクローズドループ
の熱CVD装置である。この他、原料ガスを流しながら
使用するオープンループの熱CVD装置であってもよ
い。
【0018】図1中、参照番号1は加熱機構となる電気
炉である。これは光加熱方式でもよく、真空チャンバー
2内のボート8を十分に効率よく加熱できるものであれ
ば特に制限されない。真空チャンバー2は少なくとも電
気炉で覆われているところが透明石英で構成され、蓋3
で密閉されて、その内部はバルブ4を介して真空ポンプ
につながっている。ボート8上にプリフォームを載置す
る。炭化水素はボンベ5から圧力調整器6およびガスバ
ルブ10を介して真空チャンバー2に接続されており、
真空チャンバー2に一定圧力で炭化水素ガスが供給され
るように構成されている。チャンバー2内の圧力は圧力
計7により測定し、温度は温度測定用の熱電対9で測定
する。11は希釈ガスの導入バルブである。
【0019】実施例1 アセチレンを用いてシリカホウ酸系ガラス(Tg:55
7℃)のプリフォームに炭素薄膜を形成する方法を述べ
る。
【0020】アセチレンは重合温度が400℃と比較的
他の炭化水素ガスより低いため、上記のような軟化点の
低いガラスには有効である。まずプリフォームとモニタ
ー用のシリコン基板をボート8に載置し、そのボートを
真空チャンバー2内に装入した。真空チャンバー内を真
空ポンプで0.001Torr程度まで真空にした。
【0021】所定の真空度に達したら圧力調整器6を
0.1kg/cm2の圧力に設定して真空チャンバー2
にアセチレンを導入した。圧力計7が200Torrを
示すまでアセチレンを導入しバルブ10を閉じた。電気
炉1に通電して真空チャンバー2中のアセチレンを45
0℃まで加熱した。温度は熱電対9で管理し、電気炉1
にフィードバックして制御した。チャンバー内ではC2
2→2C+H2の反応が起こる。約10分間反応を行
い、冷却し、希釈ガスバルブ11よりアルゴンを導入し
ながら希釈して大気圧に戻し、チャンバー内よりボート
8を取り出した。
【0022】モニター用シリコン基板上に形成された炭
素膜をエリプソメーターで測定したところ、厚さ10〜
15Åの極めて薄い炭素膜が得られた。またフーリエ変
換赤外吸収スペクトル(FT−IR)法で膜中の水素濃
度を測定した結果、3%以下であった。さらに走査顕微
鏡(SEM)で観察したところ、炭素膜は大きさの極め
て揃った微粒子の集合体であり、完全に炭素膜状になっ
ておらず、一部ガラス面が観察されたが、得られたプリ
フォームを用いてリヒートプレス法で光学レンズを作製
したところ、融着等の問題も発生せず良好な光学レンズ
が得られた。
【0023】得られた光学レンズに5層の反射防止膜を
真空蒸着法で作製した。一般のレンズと同様に蒸着前に
洗浄液で洗浄し乾燥した。炭素膜はその膜厚が10〜1
5Åと極めて薄いため、洗浄工程で炭素膜はほぼ除去さ
れており、蒸着膜の付着力の低下や白濁は認められなか
った。意図的に炭素膜除去工程を通さずとも従来の反射
防止膜作製工程そのままで良好な反射防止膜を有する光
学レンズが得られた。
【0024】実施例2 エチレンを用いてシリカホウ酸バリウム系ガラス(T
g:658℃)のプリフォームに炭素薄膜を形成する方
法を述べる。
【0025】エチレンは重合温度が513℃とアセチレ
ンより若干高めであるが、アセチレンより化学的に安全
で安価である。まずプリフォームとモニター用のシリコ
ン基板をボート8に載置し、そのボートを真空チャンバ
ー2内に装入した。真空チャンバー内を真空ポンプで
0.001Torr程度まで真空にした。
【0026】所定の真空度に達したら圧力調整器6を
0.15kg/cm2の圧力に設定して真空チャンバー
2にエチレンを導入した。圧力計7が100Torrを
示すまでエチレンを導入しバルブ10を閉じた。電気炉
1に通電して真空チャンバー2中のエチレンを550℃
まで加熱した。温度は熱電対9で管理し、電気炉1にフ
ィードバックして制御した。チャンバー内ではC24
2C+2H2の反応が起こる。約20分間反応を行い、
冷却し、希釈ガスバルブ11より窒素ガスを導入しなが
ら希釈して大気圧に戻し、チャンバー内よりボート8を
取り出した。
【0027】モニター用シリコン基板上に形成された炭
素膜をエリプソメーターで測定したところ、厚さ30〜
35Åの極めて薄い炭素膜が得られた。またFT−IR
法で膜中の水素濃度を測定した結果、0.2%以下であ
った。さらにSEMで観察したところ、炭素膜は大きさ
の極めて揃った微粒子の集合体であることが観察され
た。この状態が伸び易い炭素膜であることを示してい
る。
【0028】得られたプリフォームを用いてリヒートプ
レス法で光学レンズを作製したところ、融着等の問題も
発生せず良好な光学レンズが得られた。
【0029】得られた光学レンズに3層の反射防止膜を
真空蒸着法で作製した。一般のレンズと同様に蒸着前に
洗浄液で洗浄し乾燥した。炭素膜はその膜厚が30〜3
5Åと極めて薄いため、洗浄工程で炭素膜はほぼ除去さ
れており、蒸着膜の付着力の低下や白濁は認められなか
った。意図的に炭素膜除去工程を通さずとも従来の反射
防止膜作製工程そのままで良好な反射防止膜を有する光
学レンズが得られた。
【0030】比較例 従来例の比較例として実施例1と同様の手順でアセチレ
ンを用いてシリカホウ酸系ガラス(Tg:557℃)の
プリフォームに炭素薄膜を形成した。アセチレンの導入
圧力200Torr、温度450℃の条件下で、反応を
60分間行った。得られた炭素膜の厚さは約70Åであ
った。
【0031】このプリフォームを用いてリヒートプレス
法で光学レンズを作製したところ、融着等の問題も発生
せず良好な光学レンズが得られた。
【0032】しかし、得られた光学レンズに3層の反射
防止膜を真空蒸着法で作製してみると、実施例1と同様
の一般のレンズの蒸着前の洗浄工程で炭素膜が完全に除
去されておらず、蒸着膜の付着力の低下が認められた。
このように厚い蒸着膜を形成した場合、炭素膜除去工程
が不可欠となる。
【0033】以上の実施例と比較例の結果を下記表1に
示す。
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によるとガラスと成形型との間に
極めて薄い炭素膜が介在していることにより、リヒート
プレス法で光学レンズを作製するときに問題となる金型
との融着を回避でき、良好な光学レンズが得られる。ま
た炭素膜は極めて薄いためレンズの成形曲面を損なわず
経済的にも優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炭素膜製造装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
1:電気炉、2:真空チャンバー、3:蓋、4:バル
ブ、5:ボンベ、6:圧力調整器、7:圧力計、8:ボ
ート、9:熱電対、10:ガスバルブ、11:希釈ガス
バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素ガスの熱分解により炭素膜をガ
    ラスプリフォームの表面に形成し、その後該ガラスプリ
    フォームを成形することを特徴とするガラスレンズの製
    造方法。
JP2163295A 1995-02-09 1995-02-09 光学レンズの製造方法 Pending JPH08217468A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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