JPH08216297A - 樹脂製オイルシールリテーナの成形方法 - Google Patents

樹脂製オイルシールリテーナの成形方法

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JPH08216297A
JPH08216297A JP5202895A JP5202895A JPH08216297A JP H08216297 A JPH08216297 A JP H08216297A JP 5202895 A JP5202895 A JP 5202895A JP 5202895 A JP5202895 A JP 5202895A JP H08216297 A JPH08216297 A JP H08216297A
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JP
Japan
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oil seal
seal retainer
axis
gates
cavity
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Withdrawn
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JP5202895A
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English (en)
Inventor
Kazunori Jinbo
一憲 神保
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビティ1での成形用樹脂材料の流動方向
Aによって生じる配向により、機械的強度の優れたオイ
ルシールリテーナを提供する。 【構成】 一対のピンゲート2,3又は一対のサイドゲ
ート4,5を介して環状のキャビティ1に成形用樹脂材
料を充填するもので、ピンゲート2,3又はサイドゲー
ト4,5は、成形品としてのオイルシールリテーナに使
用時に作用する荷重に対して直角に延び中心Oを通るX
軸と、前記荷重に対して平行に延び中心OでX軸に直交
するY軸とによって区画される部分の円周方向中間であ
ってかつ中心Oに対して互いに略対称の領域1a,1b
内に設け、これによって、キャビティ1内での成形用樹
脂材料の流動による配向を、円周方向に沿ったものとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機器の軸周ハウジング
にオイルシールを固定するカバーとして用いられる樹脂
製オイルシールリテーナの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オイルシールリテーナの一種として、例
えば図5に示すようなものがある。このオイルシールリ
テーナ10は、円形の開口部11を有する環状の樹脂成
形品であって、この開口部11の環状縁11aに図示さ
れていないオイルシールの外径部を嵌合すると共に、周
囲の複数のボルト孔12にそれぞれ挿通されるボルトを
介して機器のハウジングに取り付けられることによっ
て、前記オイルシールをハウジング軸孔部に固定するも
のである。一般に、このような環状の樹脂成形品の成形
においては、図6に示すように、開口部11の内側中央
に相当する部分にランナ21が開口した薄い円盤状のデ
ィスクゲート22を介して成形用樹脂材料がキャビティ
23に充填されるように金型が構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】樹脂成形品の射出成形
等においては、成形用樹脂材料が溶融状態で金型キャビ
ティに充填される流動過程で、成形用樹脂材料を構成す
る高分子及び充填材がその流動方向と平行な方向に引き
伸ばされて配列する分子及び充填材の配向(以下、配向
という)を示す傾向が大きい。したがって、上述のよう
なディスクゲート22を介して成形用樹脂材料を充填す
ることによりオイルシールリテーナ10を成形する場合
は、図6に破線矢印で示すように、中央のランナ21か
ら、成形用樹脂材料がディスクゲート22を介してキャ
ビティ23内へ放射方向に高速で流動するため、配向が
放射方向になされる。
【0004】一般に樹脂成形品の機械的強度は、配向と
平行な方向(縦方向)に対しては引張強度が大きいが、
配向と直交する方向(横方向)に対しては引張強度が小
さいというように、配向による方向性を示す。これを、
オイルシールリテーナ10について考察すると、この種
のオイルシールリテーナ10は、その使用状態において
は図5に示すように、開口部11の内周に嵌合されたオ
イルシール側から軸直角方向(下方)への荷重Fが作用
すると共に、これによって左右両側の多数の点を付した
一定範囲の領域に向心方向の曲げ変形Δxが作用する。
ところがこのオイルシールリテーナ10の配向は放射方
向であることから、前記領域では配向に対する横方向へ
の引張応力を受けることになり、強度上問題があった。
【0005】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その技術的課題とするところは、キャビテ
ィへの成形用樹脂材料の充填時の材料流動方向によって
生じる配向により、機械的強度の優れたオイルシールリ
テーナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわ
ち、本発明に係る樹脂製オイルシールリテーナの成形方
法は、オイルシールリテーナと対応する形状のキャビテ
ィに設けた一対のピンゲート又は一対のサイドゲートを
介して、前記キャビティに成形用樹脂材料を充填するも
ので、前記両ピンゲート又はサイドゲートは、前記オイ
ルシールリテーナに作用する荷重に対して直角に延び前
記開口部の中心を通るX軸と、前記荷重に対して平行に
延び前記中心で前記X軸に直交するY軸とによって区画
される部分の円周方向中間であってかつ前記中心に対し
て互いに略対称の領域内に設けられる。
【0007】
【作用】上記成形方法によると、一対のピンゲートもし
くはサイドゲートを介して充填される成形用樹脂材料
は、オイルシールリテーナと対応する形状の環状のキャ
ビティ内を円周方向両側へ流れ、前記両ピンゲートもし
くは両サイドゲートの間の位置で流動先端部が合流し融
着するため、成形されたオイルシールリテーナはほぼ円
周方向に沿った配向を有するものとなる。このオイルシ
ールリテーナに対して、Y軸と平行な軸直角方向の荷重
が作用すると、これによってオイルシールリテーナに発
生する引張応力は、X軸と交差する位置の近傍領域で極
大になるが、この領域では、円周方向に沿った前記配向
が引張応力の方向とほぼ平行であり、すなわち引張応力
が配向に対して縦方向となるので、荷重に対する引張強
度及びこの荷重によって作用する曲げ変形に対する強度
が向上する。
【0008】
【実施例】図1は、本発明に係る成形方法の一実施例を
示すものであり、図2はこの方法で成形されるオイルシ
ールリテーナ10を示すものである。すなわちこの実施
例によれば、キャビティ1は、その内径近傍における円
周方向2箇所に一対のピンゲート2,3が設けられた2
点ピンゲートによる材料充填構造となっている。なお、
このキャビティ1で成形されるオイルシールリテーナ1
0は、先に述べた図5に示すものと同様の形状を呈す
る。
【0009】オイルシールリテーナ10の使用状態にお
いて、その開口部11に嵌合固定されたオイルシール
(図示省略)側から下方へ作用する荷重Fに対して直交
すると共に前記開口部11の中心Oを通る直線をX軸、
前記中心Oで前記X軸に直交すると共に前記荷重Fに対
して平行な直線をY軸とした場合、ピンゲート2,3
は、このX軸とY軸とで区画される部分の中間であっ
て、前記中心Oに対して互いに略対称となる領域1a,
1b内に設けられる。好ましくは、領域1aはX軸の上
側においてY軸から反時計方向へ40〜60°の範囲で
あり、領域1bはX軸の下側においてこのX軸から時計
方向へ25〜45°の範囲であり、もしくはY軸を対称
軸として上記の範囲と対称となる領域であり、これは、
オイルシールリテーナ10における後述の高応力領域1
0a,10bと薄肉部分10c,10dとの間の領域に
相当するものである。
【0010】この実施例によれば、成形工程において、
図示されていない射出機からピンゲート2,3を介して
キャビティ1内に充填される成形用樹脂材料は、賦形の
過程で、流動方向Aで示すように、キャビティ1内を領
域1a,1bから円周方向両側へ向けて流れ、その流動
先端部が、円周方向におけるピンゲート2,3間の中間
位置で合流して互いに融着する。したがって、このキャ
ビティ1内で成形されたオイルシールリテーナ10は、
前記領域1a,1bの円周方向両側において前記流動方
向Aに沿った略円周方向の配向がなされる。
【0011】ここで、図示の形状のオイルシールリテー
ナ10の場合、その使用状態において前記オイルシール
側から軸直角方向の荷重Fを受けると、X軸の上側約3
0°と下側約25°の間の、図中多数の点を付して示す
領域10a,10bで大きな引張応力F’が作用する
が、この高応力領域10a,10bにおける配向は前記
引張応力F’とほぼ一致する円周方向であるため、十分
な引張強度及び曲げ強度を有する。実際には、成形用樹
脂材料の種類にもよるが、配向性の強い材料の場合は、
先に述べた従来のディスクゲートによる成形方法に比較
して、前記高応力領域10a,10bの強度を約2倍に
向上させることができる。
【0012】上記成形過程において、キャビティ1内で
成形用樹脂材料の流動先端部が合流融着する円周方向2
箇所には、ウエルド部W(ウェルドライン)が形成さ
れ、このウェルド部Wでは機械的強度が低くなるが、上
述の成形方法においては、前記ウェルド部Wは、先に述
べたように、円周方向におけるピンゲート2,3の間の
中間位置、言い換えればY軸に対してピンゲート2,3
とほぼ対称となる位置に形成され、この位置は前記高応
力領域10a,10bの外側の、大きな引張応力が作用
しない領域であってかつ径方向に対して比較的厚肉の部
分に相当することから、強度に対する悪影響を及ぼさな
い。また、図2に示す形状のオイルシールリテーナ10
は、Y軸と交差している部分10c,10dが径方向に
対して薄肉になっているが、この薄肉部分10c,10
dも円周方向の配向を有するため、機械的強度が向上さ
れる。
【0013】なお、本発明において2点ピンゲートとし
たのは次の理由による。例えば比較例として図3に示す
ように、1点ピンゲートすなわち円周方向1箇所にピン
ゲートaのみを設けた場合は、ピンゲートaからの成形
用樹脂材料の流動長が長くなって寸法安定性が低下し、
しかもピンゲートaと反対側に形成されるウェルド部W
では樹脂温度が低下して互いの融着が不十分になるた
め、その部分での強度が大きく低下してしまう。また、
オイルシールリテーナは機器のハウジング軸孔部とオイ
ルシールとの間に介在させる部材であることから、十分
なシール性を要求されるが、前記ウェルド部Wでの融着
が不十分であると、この部分でのシール性が悪化してし
まう。
【0014】また、他の比較例として図4に示すよう
に、円周方向3箇所もしくはそれ以上の箇所にほぼ等間
隔でピンゲートa〜cを設けた多点ピンゲートの場合
は、これらピンゲートa〜cの配置によって、それぞれ
の中間位置に発生するウェルド部W1 〜W3 のうちの一
部(図示の例ではW1 )が、製品の薄肉部となる位置に
発生して強度を著しく低下させてしまう。これを回避す
るためには、ピンゲートa〜cをそれぞれ例えばa’〜
c’の位置にずらして配置することが考えられるが、こ
の場合はb’とc’の中間に発生するウェルド部が、図
2に示す高応力領域10bに位置することになり、ま
た、a’位置のピンゲートは反対側の高応力領域10a
に位置することになるから、3点以上のピンゲートの場
合は強度上ますます不利になることが分かる。
【0015】以上の理由から、図1に示す配置での2点
ピンゲートとすることによって、最も機械的強度の優れ
たオイルシールリテーナ10を成形することができる。
【0016】なお、図1に示す実施例においてはピンゲ
ート2,3を設けたが、領域1a,1bもしくはY軸を
対称軸とするその対称領域に臨むように、キャビティ1
の外周側にサイドゲート4,5を設けることによって
も、上記実施例とほぼ同様の効果が実現される。
【0017】
【発明の効果】本発明の成形方法によると、高応力を受
ける領域においてほぼ円周方向に沿った配向を有すると
共にウェルド部が高応力領域以外の部分に位置するオイ
ルシールリテーナが得られるので、オイルシール側から
の軸直角方向の荷重に対する引張強度及びこの荷重によ
って作用する曲げ変形に対する機械的強度が大きくな
り、品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂製オイルシールリテーナの成
形方法の一実施例を示す説明図である。
【図2】上記実施例の成形方法によって成形されるオイ
ルシールリテーナを示す説明図である。
【図3】上記実施例に対する比較例として1点ピンゲー
トによる成形方法を示す説明図である。
【図4】上記実施例に対する比較例として3点ピンゲー
トによる成形方法を示す説明図である。
【図5】樹脂製オイルシールリテーナとその使用時に作
用する荷重との関係を示す説明図である。
【図6】樹脂製オイルシールリテーナの成形方法の従来
例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 1a,1b ピンゲートを設ける領域 2,3 ピンゲート 4,5 サイドゲート 10 オイルシールリテーナ 10a,10b 高応力領域 10c,10d 薄肉部分 11 開口部 A 流動方向 O 中心 W ウェルド部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルシールを嵌合する円形の開口部
    (11)を有しこの開口部(11)の周囲を機器のハウ
    ジングに固定される環状の樹脂製のオイルシールリテー
    ナ(10)を金型のキャビティ(1)で成形する方法に
    おいて、 前記オイルシールリテーナ(10)に作用する荷重
    (F)に対して直角に延び前記開口部(11)の中心
    (O)を通るX軸と、前記荷重(F)に対して平行に延
    び前記中心(O)で前記X軸に直交するY軸とによって
    区画される部分の円周方向中間であってかつ前記中心
    (O)に対して互いに略対称の領域(1a,1b)内
    に、キャビティ(1)に一対のピンゲート(2,3)又
    は一対のサイドゲート(4,5)が設けられ、このピン
    ゲート(2,3)又はサイドゲート(4,5)を介し
    て、前記キャビティ(1)に成形用樹脂材料を充填する
    ことを特徴とする樹脂製オイルシールリテーナの成形方
    法。
JP5202895A 1995-02-17 1995-02-17 樹脂製オイルシールリテーナの成形方法 Withdrawn JPH08216297A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015194214A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日本精工株式会社 カバー、アクチュエータ、無段変速機及び車両

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20020507